JP2021008963A - ボイラ及びこれを備えた発電プラント並びにボイラの制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)需要電力を基に発電機出力要求変化指令を出力し、発電機出力要求変化指令を基に主蒸気圧力設定値を設定するとともに、実際の主蒸気圧力を取得し比較して、主蒸気圧力の増減を行う。
(b)上記(a)を基にボイラ負荷変化指令を出力して、微粉炭燃焼バーナの燃焼量(燃料供給量)、ボイラ給水流量、空気流量など制御系統への増加指令を出力する。
(c)上記(b)に従い、ミルへの給炭量と搬送用ガスとなる一次空気流量を所定量まで増加させ、微粉炭燃焼バーナへ供給する微粉燃料を増加させる。
(d)ボイラ内での給水流量と各収熱部(火炉壁、過熱器、再熱器)における伝熱バランスを調整して、ボイラ出口の主蒸気圧力を所定値まで増加させる。
さらに、ボイラ負荷増大時に、起動用バーナの起動時に用いられる起動用ボイラ負荷変化率よりも大きい負荷増大用ボイラ負荷変化率を用いることとした。これにより、ボイラ負荷増大時にさらに高いボイラ負荷変化率を実現することができる。
固体燃料としては、例えば、石炭やバイオマス燃料などの炭素含有固体燃料が挙げられる。
起動用ボイラに用いられる燃料としては、固体燃料バーナよりも応答性が良い燃料が用いられ、例えば、軽油や重油等の液体燃料や、メタンガス等のガス燃料が用いられる。
これに対して、起動用バーナの停止時であっても燃料供給系統の燃料圧力を所定値以上に維持する待機モードを設けることとしたので、ボイラ負荷増大時に起動用バーナを起動する際の時間遅れを可及的に小さくできる。これにより、さらに高いボイラ負荷増大率を得ることができる。
待機モードにおける圧力の所定値としては、例えば、起動用バーナが安定的に起動する際に要求される圧力が用いられる。
なお、「緩やか」とは変化率(%/min)の絶対値が小さいことを意味する。例えば、起動用バーナの燃料減少率の絶対値は、負荷増大用ボイラ負荷変化率の絶対値の1/4以上1/2以下とされる。
給水量を増大させるには、例えば、給水ポンプの駆動用蒸気圧力を増大させて給水ポンプの出力増大を行う。また、汽水分離器の入口に対しての給水量の増大は、汽水分離器をバイパスした給水を過熱器にスプレーするスプレー水量を減少することで、行ってもよい。
中低圧タービン52の上流側には、再熱蒸気弁59を備えた再熱蒸気管58が接続されている。再熱蒸気管58の上流側は、再熱器44の下流側に接続されている。中低圧タービン52の下流側は、中低圧タービン排出配管60を介して、復水器63に接続されている。復水器63に導かれた蒸気は、海水等の冷却水によって冷却されて凝縮して復水となる。
給水ポンプ67は、給水ポンプ駆動用蒸気タービン68によって回転駆動される。給水ポンプ駆動用蒸気タービン68には、高圧蒸気抽気配管70を介して高圧タービン51から高圧蒸気が導かれるようになっているとともに、低圧蒸気抽気配管72を介して中低圧タービン52から低圧蒸気が導かれるようになっている。高圧蒸気抽気配管70には高圧蒸気抽気弁71が設けられ、低圧蒸気抽気配管72には低圧蒸気抽気弁73が設けられている。各蒸気抽気弁71,73の開度は、制御部30によって制御される。
汽水分離器46にて分離された蒸気は一次過熱器41へと供給され、汽水分離器46にて分離されたドレン水は、ドレン水配管75を介して復水器63へと導かれる。
本実施形態では、起動用燃料として例えば軽油を用いる。燃料供給系統80は、軽油が貯留された軽油タンク81から起動用バーナ22に起動用燃料である軽油を供給する。なお、起動用燃料としては、軽油に限定されるものではなく、微粉炭燃料よりも着火性が良い燃料が用いられ、例えば、重油等の液体燃料でも良く、メタンガス等のガス燃料でも良い。
軽油ポンプ85と圧力計86との間には、圧力調整ライン93が設けられている。圧力調整ライン93の下流側は軽油タンク81に接続されている。圧力調整ライン93には、圧力調整弁94が設けられている。圧力調整弁94は圧力計86の計測値に基づいてその開度が制御部30(図1参照)によって制御される。
流量調整弁88は、流量計87の計測値に基づいてその開度が制御部30(図1参照)によって制御される。燃料供給主配管83の遮断弁89と軽油バーナ弁90との間から分岐して、圧力調整ライン93の圧力調整弁94の下流側に接続される戻り配管95が設けられている。戻り配管95には、循環弁96が設けられている。循環弁96の開度は、制御部30(図1参照)によって制御される。
<定常運転>
石炭焚きボイラ発電プラント1が起動された後の定常運転では、以下のように動作する。
粉砕機31が駆動することによって石炭が粉砕され微粉炭が生成させる。微粉炭は、搬送用ガスと共に微粉炭供給管26を通過し、微粉炭燃焼バーナ21に供給される。また、石炭焚きボイラ3から排出された排ガスと熱交換することによって加熱された燃焼用空気が風箱36を介して各微粉炭燃焼バーナ21に供給される。これにより、微粉炭燃焼バーナ21は、微粉炭と搬送用ガスとが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、火炎を形成する。このように形成された火炎が火炉11内の下部で生じ、燃焼ガスが火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。
中低圧タービン52で仕事を終えた蒸気は、中低圧タービン排出配管60を通り復水器63へと導かれて復水となる。復水器63内の復水は、給水ポンプ67によって節炭器45へと導かれて加熱される。その後、節炭器45から導かれた給水は、炉壁管47を通りつつ加熱され、汽水分離器46へと導かれる。汽水分離器46にて分離された蒸気は、各過熱器41,42,43へと順次送られて燃焼ガスによって過熱される。
(a)需要電力を基に発電機出力要求変化指令を出力し、発電機出力要求変化指令を基に主蒸気圧力設定値を設定するとともに、実際の主蒸気圧力を取得し比較して、主蒸気圧力の増減を行う。
(b)上記(a)を基にボイラ負荷変化指令を出力して、微粉炭燃焼バーナ21の燃焼量(燃料供給量)、ボイラ給水流量、空気流量など制御系統への増加指令を出力する。
(c)上記(b)に従い、粉砕機31への給炭量と搬送用ガスとなる一次空気流量を所定量まで増加させ、微粉炭燃焼バーナ21へ供給する微粉燃料を増加させる。
(d)ボイラ内での給水流量と各収熱部(炉壁管47、過熱器41,42,43、再熱器44)における伝熱バランスを調整して、ボイラ出口の主蒸気圧力を発電機出力要求指令で設定される所定値まで増加させる。
石炭焚きボイラ発電プラント1の起動時には、以下のように動作する。
起動時には、微粉炭燃焼バーナ21が停止している状態で起動用バーナ22を起動する。起動用バーナ22の起動手順は以下の通りである。
起動用バーナ22への燃料供給系統80において、軽油タンク81と連通する軽油ポンプ85を起動して、圧力調整弁94にて圧力制御を行う。
次に、流量調整弁88、リークチェック弁92を開け、所定圧力到達にてリークチェック弁92を閉とし、所定時間経過後、圧力変化が所定範囲内であることを確認し、リークチェック(油漏れ発生の有無確認)を完了とする。このとき、遮断弁89は閉とされている。
そして、リークチェックにて油漏れ発生が無いことを確認後、遮断弁89を開とし、燃料供給系統80内の昇圧を行う。
起動用バーナ22の点火が可能な所定圧力に到達後、軽油バーナ弁90を開とし、起動用バーナ22の点火を行う。このとき、制御部30は、起動用バーナ22によるボイラ負荷増加率として起動用ボイラ負荷増加率を用いる。
起動用バーナ22によってボイラ負荷が上昇していき、ボイラ負荷が例えば15%以上30%以下の所定値を超えると、微粉炭燃焼バーナ21を稼働し、微粉炭燃焼バーナ21が安定して稼働していることを確認した後に、軽油バーナ弁90を閉として起動用バーナ22を消火する(ステップS2)。
そして、起動用バーナ22の燃料供給系統80は待機運転を行う(ステップS2)。従来は軽油ポンプ85の運転を停止していたが、本実施形態では戻り配管95と循環弁96を設けることで、軽油ポンプ85の運転を継続する。
具体的には、制御部30は、軽油バーナ弁90を閉として起動用バーナ22を消火した後であっても、軽油ポンプ85の運転を継続させる。そして、戻り配管95に設けた循環弁96を開とする。これにより、軽油ポンプ85から吐出された軽油は、流量調整弁88及び遮断弁89を通過した後に、戻り配管95を通って圧力調整ライン93を介して軽油タンク81へ戻される。流量調整弁88は所定圧力以上となるように開度制御される。この所定圧力としては、起動用バーナ22が安定的に起動する際に要求される圧力が用いられる。
このような軽油の循環運転を行うことによって、燃料供給系統80内で点火可能な圧力を保持する。
発電グリッド内の太陽光発電等の再生可能エネルギー発電プラントが停止した場合のように、比較的大きな負荷上昇が要求された場合(ステップS3)には、以下のような動作を行う。石炭焚きボイラ発電プラント1のボイラ負荷は低負荷状態にあり、微粉炭燃焼バーナ21の一部は停止している状態で、負荷上昇が要求された場合である。
制御部30は、発電機出力要求変化指令により上位からボイラ負荷上昇指令が出力されると、これを受けて起動用バーナ22を点火する(ステップS4)。このとき、起動用バーナ22の燃料供給系統80は待機運転を行っているので、即座に起動用バーナ22を点火させることができる。
上述のようにボイラ負荷変化率を増大させると給水量の追随遅れが発生し、煙道13に配置された各過熱器41,42,43、再熱器44、節炭器45や、汽水分離器46の入口温度が過剰に上昇して機器を破損させるおそれがある。そこで、ボイラ負荷増大の際には先行的に給水量を増大させる。
具体的に給水量を増大させるには、例えば、高圧蒸気抽気弁71(図参照)の開度を増大させて、給水ポンプ67の駆動用蒸気圧力を増大させて給水ポンプ67の出力増大を行う。また、汽水分離器46の入口に対しての給水量の増大は、汽水分離器46をバイパスした給水を過熱器41,42,43にスプレーするスプレー水量を減少させることで、行ってもよい。
ボイラ負荷増大時にボイラ負荷が目標ボイラ負荷を超えてオーバーシュート(図5参照)するおそれがある。このオーバーシュートを抑制するために、タービンバイパス弁78(図1参照)を閉から開へとする期間を制御して蒸気を復水器63へと導き蒸気タービン51,52をバイパスさせても良い。
ボイラ負荷を増大させるために燃料供給量を増大させる際に起動用バーナ22を用いることとした。これにより、微粉炭燃焼バーナ21のみで負荷の増大を行う場合に比べて高いボイラ負荷変化率を得ることができる。
さらに、ボイラ負荷増大時に、起動用バーナ22の起動時に用いられる起動用ボイラ負荷変化率よりも大きい負荷増大用ボイラ負荷変化率を用いることとした。これにより、ボイラ負荷増大時にさらに高いボイラ負荷変化率を実現することができる。
図6には、変形例としての起動用バーナ22の燃料供給系統80’が示されている。
同図に示した燃料供給系統80’は、図3に示した燃料供給系統80のように戻り配管95を備えていない。この場合、待機運転における軽油圧力の維持は以下のように行う。
遮断弁89を開とし、常時、軽油バーナ弁90まで軽油を充圧しながら、圧力調整ライン93を経由する循環運転を行う。そして、圧力調整弁94にて点火可能な待機圧力を保持する。
また、軽油ポンプ85のモータをインバーター化して、流量見合いでのモータ回転数制御を行っても良い。これにより、補機動力を低減させることができる。当該構成は、図3に示した燃料供給系統80に適用しても良い。
3 石炭焚きボイラ(ボイラ)
5 蒸気タービン発電設備
11 火炉
12 燃焼装置
13 煙道
21 微粉炭燃焼バーナ(固体燃料バーナ)
22 起動用バーナ
23 燃焼補助空気ノズル
26 微粉炭供給管
30 制御部
31 粉砕機(ミル)
36 風箱
41 一次過熱器
42 二次過熱器
43 最終過熱器
44 再熱器
45 節炭器
46 汽水分離器
47 炉壁管
51 高圧タービン
52 中低圧タービン
53 発電機
55 主蒸気管
56 主蒸気弁
57 高圧タービン排出配管
58 再熱蒸気管
59 再熱蒸気弁
60 中低圧タービン排出配管
63 復水器
65 給水配管
67 給水ポンプ
68 給水ポンプ駆動用蒸気タービン
70 高圧蒸気抽気配管
71 高圧蒸気抽気弁
72 低圧蒸気抽気配管
73 低圧蒸気抽気弁
75 ドレン水配管
77 タービンバイパス配管(タービンバイパス経路)
78 タービンバイパス弁
80 燃料供給系統
81 軽油タンク
83 燃料供給主配管
85 軽油ポンプ
86 圧力計
87 流量計
88 流量調整弁
89 遮断弁
90 軽油バーナ弁
91 リークチェック配管
92 リークチェック弁
93 圧力調整ライン
94 圧力調整弁
95 戻り配管
96 循環弁
97 高圧N2アキュムレータ
Claims (8)
- 火炉内に固体燃料を用いて火炎を形成する固体燃料バーナと、
前記固体燃料バーナの起動時に用いられる起動用バーナと、
前記固体燃料バーナ及び前記起動用バーナを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、ボイラ負荷を増大させるために燃料供給量を増大させる際に、前記起動用バーナの起動時に用いられる起動用ボイラ負荷変化率よりも大きい負荷増大用ボイラ負荷変化率を用いて、前記起動用バーナを制御するボイラ。 - 前記起動用バーナに起動用燃料を供給する燃料供給系統を備え、
前記制御部は、前記起動用バーナの停止時に、前記燃料供給系統の燃料圧力を所定値以上に維持する待機モードを備えている請求項1に記載のボイラ。 - 前記制御部は、前記負荷増大用ボイラ負荷変化率を用いてボイラ負荷を上昇させ、目標ボイラ負荷の0.5%以上5%以下だけ下回るボイラ負荷に到達したときに、前記起動用バーナの燃料供給量を低下させる請求項1又は2に記載のボイラ。
- 前記起動用バーナの燃料供給量を低下させる際の燃料減少率は、前記負荷増大用ボイラ負荷率よりも緩やかとされている請求項3に記載のボイラ。
- 前記制御部は、ボイラ負荷を増大させる際に、給水量を先行的に増大させる請求項1から4のいずれかに記載のボイラ。
- 請求項1から5のいずれかに記載のボイラと、
前記ボイラで生成された蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンによって回転駆動される発電機と、
を備えている発電プラント。 - 前記蒸気タービンの下流側に設置された復水器と、
前記蒸気タービンの入口側の蒸気を、前記蒸気タービンをバイパスして前記復水器へ導くタービンバイパス経路と、
前記タービンバイパス経路に設けられたタービンバイパス弁と、
を備え、
前記制御部は、ボイラ負荷増大時に、前記タービンバイパス弁を閉から開へとする期間を制御する請求項6に記載の発電プラント。 - 火炉内に固体燃料を用いて火炎を形成する固体燃料バーナと、
前記固体燃料バーナの起動時に用いられる起動用バーナと、
前記固体燃料バーナ及び前記起動用バーナを制御する制御部と、
を備えたボイラの制御方法であって、
ボイラ負荷を増大させるために燃料供給量を増大させる際に、前記起動用バーナの起動時に用いられる起動用ボイラ負荷変化率よりも大きい負荷増大用ボイラ負荷変化率を用いて、前記起動用バーナを制御するボイラの制御方法。
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JP2019121474A JP7150670B2 (ja) | 2019-06-28 | 2019-06-28 | ボイラ及びこれを備えた発電プラント並びにボイラの制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01150715A (ja) * | 1987-12-09 | 1989-06-13 | Toshiba Corp | 燠燃焼ボイラの排ガス成分濃度制御装置 |
JPH0722207U (ja) * | 1993-08-10 | 1995-04-21 | 石川島播磨重工業株式会社 | 微粉炭バーナ装置 |
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2019
- 2019-06-28 JP JP2019121474A patent/JP7150670B2/ja active Active
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JPH01150715A (ja) * | 1987-12-09 | 1989-06-13 | Toshiba Corp | 燠燃焼ボイラの排ガス成分濃度制御装置 |
JPH0722207U (ja) * | 1993-08-10 | 1995-04-21 | 石川島播磨重工業株式会社 | 微粉炭バーナ装置 |
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