JP2009293691A - 免震機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造体の応答加速度と応答変位の双方を低減させ得る免震機構を提供する。
【解決手段】構造体1と固定端との間に慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーを設置する。慣性質量ダンパーを構造体バネ2と並列に設置するとともにリリーフ機構付きオイルダンパーを慣性質量ダンパーと並列に設置する。あるいは、構造体と固定端との間に付加バネ6を設置してそれに直列に慣性質量ダンパーを設置し、付加バネ及び/又は慣性質量ダンパーと並列にリリーフ機構付きオイルダンパーを設置する。もしくは、構造体バネ2と並列に第1の慣性質量ダンパー4を設置してそれに並列に第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7を設置し、付加バネ6と直列に第2の慣性質量ダンパー5を設置し、付加バネ6及び/又は第2の慣性質量ダンパー5と並列に第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9を設置する。定荷重バネ20による復元機構を設置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震動入力に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させ得る免震機構に関する。
免震構造物の変位を抑制する機構として、慣性質量ダンパー(慣性接続要素ともいわれる)を構造体バネと並列に設置する機構や、付加バネと直列にして構造体バネと並列に設置する機構が知られている。
慣性質量ダンパーとしてはボールねじとフライホイール(回転体錘)を組み合わせたものが多用されており、それによれば実際の回転体質量の数百倍と桁違いに大きな質量効果が得られることから、そのような回転慣性機構を利用した免震システムとしてたとえば特許文献1に示されるものが知られている。
特開2006−16935号公報
ところで、慣性質量ダンパーを利用する場合にはその設置の形態により一長一短があり、応答加速度(上部構造の絶対加速度)と応答変位(固定端に対する相対変位)の双方を同時に低減することは困難である。
すなわち、慣性質量ダンパーを構造体バネに並列に設置する場合には、構造体質量に慣性質量が加わることで固有振動数が小さくなり(つまり長周期化する)、それにより加振力が低減されるために応答変位も低下できるが、その反面、高振動数域では加速度応答倍率が増大してしまう。また、慣性質量ダンパーを付加バネと直列に設置した場合には、加振振幅に対して付加振動系の固有周期近傍で応答変位が低減するが、固有周期の前後の振動数域で応答加速度が加振加速度に対して増大してしまう。
一方、免震機構に減衰を付与するためにオイルダンパーを用いることが一般的であるが、その場合において大きな減衰を得るために減衰係数を大きくすると変位抑制には効果的である反面、加速度が増大してしまうという問題がある。
このように、従来においては地震動入力に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させることのできる免震機構は実現されておらず、それを可能とする有効適切な免震機構、特に地震時の最大振幅は最初の10秒間ほどで決定される場合も多いことから加振当初の応答特性を改善して変位を抑制しながら加速度も低減できるような免震機構が求められている。
なお、特許文献1において提案されている免震システムは、変位を抑制しつつ構造物に作用する地震力を軽減することを目的としているが、そのために水平振動を上下振動に変換するという複雑な機構となっており、普及するに至っていない。
本発明は、固定端に構造体バネと構造体減衰を介して接続された構造体を対象とし、固定端から加振入力される地震動に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させるための免震機構であって、前記構造体と前記固定端との間に慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーを設置してなることを特徴とする。
本発明においては、慣性質量ダンパーを構造体バネと並列に設置するとともに、リリーフ機構付きオイルダンパーを前記慣性質量ダンパーと並列に設置することができる。
あるいは、構造体と固定端との間に付加バネを設置して該付加バネと直列に慣性質量ダンパーを設置し、該慣性質量ダンパーと前記付加バネのいずれか一方もしくは双方と並列にリリーフ機構付きオイルダンパーを設置することができる。
また、本発明においては、構造体バネと並列に第1の慣性質量ダンパーを設置するとともに、該第1の慣性質量ダンパーと並列に第1のリリーフ機構付きオイルダンパーを設置し、かつ、構造体と固定端との間に付加バネを設置して該付加バネと直列に第2の慣性質量ダンパーを設置し、該第2の慣性質量ダンパーと前記付加バネのいずれか一方もしくは双方と並列に第2のリリーフ機構付きオイルダンパーを設置することが好ましい。
さらに、構造体と固定端との間に復元機構としての定荷重バネを設置し、固有周期を短くせずに残留変位をなくすこともできる。
本発明によれば、オイルダンパーの減衰係数を変位抑制に効果的な値に設定したうえでそのオイルダンパーにリリーフ機構をつけることで、固定端からの加振入力に対して過大な減衰力が作用することなく、免震で支持される構造体の加速度応答と変位応答を同時に低減することができる。
また、本発明は慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーとを併設したパッシブ型(受働型)の免震機構であって、外部からの電力や油圧などのエネルギー供給や、センサーを用いての高度の制御を必要とするシステムではないし、慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーはいずれも安価に調達可能な汎用製品を使用可能であるので、簡便にしてローコストでありながら高性能な免震機構を容易に実現できるものである。
なお、必要に応じて復元機構を設置すれば構造体の残留変位を防止できるし、その場合の復元機構として定荷重バネを用いれば、定荷重バネの剛性は考慮する必要がないので免震機構の周期特性は変化せず、したがって復元機構を設置することによる免震機構に対する悪影響を防げ、免震機構が発揮する上記の加速度低減効果を支障なく維持することができる。
本発明の免震機構は慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーを併用するものであり、特に本実施形態では2台の慣性質量ダンパーと2台あるいは3台のリリーフ機構付きオイルダンパーを用いるものであり、それにより応答加速度と応答変位の双方を抑制して優れた免震効果が得られるものである。
本実施形態の免震機構の構造モデルを図1に示す。
本実施形態では、構造体バネ2と構造体減衰3を介して固定端に接続されている構造体1を対象とする。
ここで、固定端とは構造体1が地表に設置される建物等の構造物の場合は実質的に地面であり、構造体1が建物内に設置される機器等である場合には実質的にその設置面である床面をさす。
また、構造体バネ2および構造体減衰3とは、具体的には、構造体1が建物等の構造物である場合には免震装置(積層ゴムや滑り支承、履歴ダンパー等)がそれに該当し、構造体が機器等の場合には免震架台や防振架台の類(摩擦係数の小さいリニアレールと復元バネにより構成されているものが一般的である)がそれに該当する。
本実施形態の免震機構では、構造体1と固定端との間に第1の慣性質量ダンパー4を構造体バネ2と並列に設け、さらに第2の慣性質量ダンパー5を付加バネ6と直列にして設置する。
また、付加減衰として第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7を第1の慣性質量ダンパー4と並列に設置し、同じく付加減衰として2台の第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8、9をそれぞれ付加バネ6と第2のリリーフ機構付きオイルダンパー5に対して並列に設置する。
なお、必ずしも上記のように2台の第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9の双方を併設することはなく、本実施形態ではそれら2台の第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9のいずれか一方は省略することも可能である。
本実施形態において設置する第1、第2の慣性質量ダンパー4,5としては、上述したように従来から多用されているボールねじとフライホイール(回転体錘)を組み合わせた形式のものが好適に採用可能である。
本実施形態において設置する第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7や、第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9としては、たとえば図2に示すものが好適に採用可能である。
これはシリンダ10内の油室11内に配置されてロッド12とともにシリンダ10に対して軸方向に変位するピストン13に対し、そのピストン13の両側の油室11を連絡するような逃がし通路14を設けてそこにリリーフバルブ(逃し弁)15を設け、油室11内の圧力が一定以上になるとリリーフバルブ15が自ずと開かれてそれ以上の圧力上昇が制限されるように構成されたものである。
リリーフ機構のない通常のオイルダンパーではその速度vと負担力Fとは(b)に示すような関係となるが、上記のようなリリーフ機構を備えたオイルダンパーでは(c)に示すように負担力Fが頭打ちとなり、その負担力Fが所定のリリーフ荷重Frを超えないように制限することができる。
なお、この種のリリーフ機構付きオイルダンパーとしては各種規格の汎用製品が市販されていて比較的容易にかつ安価に調達できるものであるし、従来より免震建物や制振建物における免震装置や制振装置の構成要素としても採用されているものであるが、従来においてはリリーフ機構を単にオイルダンパー自体やその取付部材に対して過大な応力が作用してそれらが破損してしまうことを防止する目的で使用しているに過ぎない。それに対し、本発明では応答加速度と応答変位の双方を抑制する目的でリリーフ機構の特性を積極的に利用するものであり、特にダンパーの負担力比が大きい免震構造では、構造物に作用する力が加速度と比例することから、力を頭打ちにすることは加速度低減に有効であり、当然にそのための諸元設定は従来とは大きく異なるものである。
さらに、本実施形態では構造体1と固定端との間に復元機構を設けて残留変位に対処しており、その復元機構としてはたとえば図3に示す構成の定荷重バネ20が好適に採用可能である。
これは(b)に示すように長尺の帯状バネ21を対のドラム22,23にゼンマイ状に巻回したもので、常にほぼ一定の力で帯状バネ21をドラム22,23から引き出し可能かつ巻き取り可能な構成のものである。
この定荷重バネ20を(a)に示すように2台1組としてそれぞれワイヤー24を介して所定の予張力を付与した状態で構造体1に接続しておくと、構造体1が静止状態にある通常時においては両側のワイヤー24の引張力がバランスしているが、地震時に構造体1が変位した際にはいずれか一方の定荷重バネ20から帯状バネ21が引き出され、その弾性反力が復元力として構造体1に作用して構造体1を原位置に復帰させて残留変位が防止される。
すなわち、双方のワイヤー24に予張力を加えて所定位置に固定すると、構造体1が図示A方向に変位した場合、図示左側のワイヤー24aにのみ一定張力(反力)T0が生じる。その際、右側のワイヤー24bは単にたわむだけで張力を失い、したがって合計反力は図3(c)に示すようにT0となる。構造体1が逆方向(図示B方向)に変位すると上記の逆となり、合計反力は−T0となる。
復元機構として通常のバネ(伸びに比例した負担力をもつバネ)を採用した場合には、そのバネが構造体1と固定端との間に追加されることで免震機構の固有周期が短くなり、したがって免震機構の加速度低減効果が低下してしまうことが不可避である。それに対し、上記のような定荷重バネ20はそれ自体の剛性は考慮する必要がないので免震機構の周期特性は変化せず、その加速度低減効果を損なうことなく維持することができ、したがって本発明の免震機構に組み合わせる復元機構として最適である。
以下、本発明の具体的な設計例とそれに対する応答解析の結果を示し、特にリリーフ機構付きオイルダンパーの効果(オイルダンパーにリリーフ機構をつけることの効果)を実証する。
解析の基本的な条件は以下のとおりである。
半導体工場の4階に設置する部分免震(建物内で一部の範囲だけ免震床とする)を対象とする。
構造体1の質量M1=109ton、構造体バネK1=36kgf/cm、固有周期11秒とする。構造体1はリニアガイドにより支持され、その摩擦係数μ=0.006とし、構造体減衰は小さいため無視する。
設計与条件は、最大変位を50cm以下とすることを条件として最大加速度を120gal以下とすることを目標とする。
地震動を上町断層波とし、建設地の地盤条件を考慮した建物の応答解析により免震設置階床の応答波を本検討用の入力地震動とする。これは図4に示すように最大加速度425galで長期成分が大きいという特徴がある地震波である。
図5(a)は図1に示したモデルをより具体的にモデル化したものである。図1では第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9の双方を併設しているが、ここでは第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8(それによる付加減衰C2)を付加バネ6(そのバネ定数K2)に並列に設置するに留めて、第2のリリーフ機構付きオイルダンパー9は省略している。
構造体1の固有周期11秒に対し、付加振動系の固有周期を3.6秒に設定する。
振動諸元は、付加バネ6のバネ定数K2=62kgf/cm、第1の慣性質量ダンパー4による慣性質量ΔM1=52ton、第2の慣性質量ダンパー5による慣性質量ΔM2=20tonとした。
まず、比較のためにリリーフ機構のないオイルダンパーを用いる場合について検討し、付加減衰C2=85kgf/kine、付加減衰C1=85kgf/kineとした場合の解析結果を(b)に示す。
この場合、応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約162galとなり、目標値120galを満足しない。
それに対し、他の諸元を同じにしてオイルダンパーにリリーフ機構を設け、第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8による付加減衰C2=200kgf/kine、そのリリーフ荷重Fr=3tonf、第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7による付加減衰C1=200kgf/kine、そのリリーフ荷重Fr=2.4tonfとした場合の解析結果を(c)に示す。
この場合、応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約108galとなって目標を充分に満足し、特にリリーフ機構のない場合に比べて最初の5秒までの加振力が大きく低下していることが分かる。
以上で説明したように、本発明によれば、オイルダンパーにリリーフ機構をつけることで、固定端からの加振入力に対して過大な減衰力が作用することなく、免震で支持される構造体1の応答加速度と応答変位を同時に低減することができる。
すなわち、リリーフ機構のない通常のオイルダンパーでは、地震動の初期において固定端の変位(速度)が大きくなると、オイルダンパーの減衰による構造体への加振力も増大して構造体の加速度が増加してしまうという問題があったが、リリーフ機構を付けることで減衰による加振力が頭打ちになり加速度の増加を抑制することが可能である。
このような過大な減衰力を与えないという概念は、車両のブレーキシステムとして周知のABS(アンチブロック・ブレーキシステム)と類似しているといえる。これは、急ブレーキをかけてタイヤが滑ることを防ぐために、ブレーキを一気にかけずに徐々に踏み込んでいき、滑り始めたら少し緩めて再び踏み込む動作を繰り返すことで効果的に車両を停止させる仕組みである。本発明においてもオイルダンパーにリリーフ機構をつけたことで、固定端が地震時に急変位しても構造体に作用する減衰力は限定的なものとなり、これによる加速度(=減衰力/構造体質量)も過大にならない。
一方、減衰力を小さくするだけならばオイルダンパーの減衰係数を単に小さく設定すれば良いが、これだと構造体の変位を抑制する効果もなくなる。そこで、減衰係数を変位抑制に効果的な値に設定したうえで(具体的には上記解析例のように減衰係数をやや大きくして)、リリーフ機構により加振力を頭打ちにする。これにより、設定したリリーフ荷重Frでの減衰力が時間をかけて作用することになり、上記のABSと同様に変位抑制(ブレーキによる制動距離を低減)しながら加速度も抑制(スリップしない摩擦力に制御)できることになる。
また、本発明は完全にパッシブ型(受働型)の免震機構であって当然に外部からの電力や油圧などのエネルギー供給は不要であるし、センサーを用いての高度な制御を行うシステムでもないので、全体として簡易かつローコストな機構である。
特に、慣性質量ダンパーやリリーフ機構付きオイルダンパーはいずれも安価に調達可能な汎用製品を使用可能であるし、復元機構を設置する場合にはそれに好適な定荷重バネも同様に安価な市販品を調達可能であるので、発明は既存の普及した技術を組み合わせることで従来にない高性能な免震を容易に実現できるものである。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、応答加速度と応答変位の双方を同時に低減させる目的で慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーとを併設するという本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、本発明は適宜の変更や応用が可能であることは当然である。
たとえば、上記の実施形態は第1の慣性質量ダンパー4と並列に第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7を設置し、かつ、第2の慣性質量ダンパー5を付加バネ6と直列に設置してそれらに並列に第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8及び/又は第2のリリーフ機構付きオイルダンパー9を設置した場合の例であるが、本発明においては必ずしもそれらの全てを設置することはなく、第1の慣性質量ダンパー4と第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7のみを設置したり、あるいは第2の慣性質量ダンパー5と第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8及び/又は第2のリリーフ機構付きオイルダンパー9のみを設置することでも良く、それによっても加速度抑制効果と変位抑制効果の双方が同時に得られる。
以下、本発明の他の実施形態としてそのような場合の設計例と解析例を示す。
図6は第1の慣性質量ダンパー4と第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7のみを設置した場合(図1に示したモデルから第2の慣性質量ダンパー5と第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8,9および付加バネ6を省略したもの)を示し、図7はその具体的な設計例と解析結果を示すものである。
この場合において、他の諸元は上記の検討の場合と同じにしたまま、第1の慣性質量ダンパー4による慣性質量ΔM1=50ton、付加減衰としてリリーフ機構のないオイルダンパーを用いてその付加減衰C=112kgf/kineとした場合には、(b)に示すように応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約165galとなり、目標値120galを満足しない。
それに対し、オイルダンパーにリリーフ機構を設けて第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7とし、それによる付加減衰C1=148kgf/kine、そのリリーフ荷重11.8tonfとした場合には、(c)に示すように最大応答変位が同等のままで最大応答加速度は約147galに低減され、目標を満足するには至らないが充分に改善されることが分かる。
図8は第2の慣性質量ダンパー5と第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8、9のみを設置した場合(図1に示したモデルから第1の慣性質量ダンパー4と第1のリリーフ機構付きオイルダンパー7を省略したもの)を示し、図9はその具体的な設計例と解析結果を示すものである(図9では第2のリリーフ機構付きオイルダンパー9による付加減衰も省略)。
この場合において、構造体1の質量M1=109ton、構造体バネK1=72kgf/cm、固有周期7.8秒、摩擦係数μ=0.006、付加バネ6のバネ定数K2=62kgf/cm、第2の慣性質量ダンパー5による慣性質量ΔM=52ton、付加減衰としてリリーフ機構のないオイルダンパーを用いてその付加減衰C2=367kgf/kineとした場合、(b)に示すように応答変位を50cm以下にしたときの最大応答加速度は約189galとなり、目標値120galを満足しない。
それに対し、オイルダンパーにリリーフ機構を設けて第2のリリーフ機構付きオイルダンパー8とし、それによる付加減衰C=490kgf/kine、そのリリーフ荷重15.0tonfとした場合には、(c)に示すように最大応答変位が同等のままで最大応答加速度は約174galに低減され、目標を満足するには至らないが改善されることが分かる。
本発明の実施形態を示すもので、免震機構の概要を示すモデル図である。 同、リリーフ機構付きオイルダンパーの一例を示す図である。 同、復元機構としての定荷重バネの一例を示す図である。 同、具体的な設計例についての解析のための地震波を示す図である。 同、具体的な設計例とその解析結果を示す図である。 本発明の他の実施形態である免震機構の概要を示すモデル図である。 同、具体的な設計例とその解析結果を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態である免震機構の概要を示すモデル図である。 同、具体的な設計例とその解析結果を示す図である。
符号の説明
1 構造体
2 構造体バネ
3 構造体減衰
4 第1の慣性質量ダンパー
5 第2の慣性質量ダンパー
6 付加バネ
7 第1のリリーフ機構付きオイルダンパー
8,9 第2のリリーフ機構付きオイルダンパー
10 シリンダ
11 油室
12 ロッド
13 ピストン
14 逃がし通路
15 リリーフ弁
20 定荷重バネ(復元機構)
21 帯状バネ
22,23 ドラム
24 ワイヤー

Claims (5)

  1. 固定端に構造体バネと構造体減衰を介して接続された構造体を対象とし、固定端から加振入力される地震動に対する構造体の応答加速度と応答変位をともに低減させるための免震機構であって、
    前記構造体と前記固定端との間に慣性質量ダンパーとリリーフ機構付きオイルダンパーを設置してなることを特徴とする免震機構。
  2. 請求項1記載の免震機構であって、
    慣性質量ダンパーを構造体バネと並列に設置するとともに、リリーフ機構付きオイルダンパーを前記慣性質量ダンパーと並列に設置してなることを特徴とする免震機構。
  3. 請求項1記載の免震機構であって、
    構造体と固定端との間に付加バネを設置して該付加バネと直列に慣性質量ダンパーを設置し、該慣性質量ダンパーと前記付加バネのいずれか一方もしくは双方と並列にリリーフ機構付きオイルダンパーを設置してなることを特徴とする免震機構。
  4. 請求項1記載の免震機構であって、
    構造体バネと並列に第1の慣性質量ダンパーを設置するとともに、該第1の慣性質量ダンパーと並列に第1のリリーフ機構付きオイルダンパーを設置し、
    かつ、構造体と固定端との間に付加バネを設置して該付加バネと直列に第2の慣性質量ダンパーを設置し、該第2の慣性質量ダンパーと前記付加バネのいずれか一方もしくは双方と並列に第2のリリーフ機構付きオイルダンパーを設置してなることを特徴とする免震機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の免震機構であって、
    構造体と固定端との間に復元機構としての定荷重バネを設置してなることを特徴とする免震機構。
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