JP2014137109A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構造により所望の免震性能を発揮でき、人になるべく不快な感覚を感じさせないための免震装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の免震装置にかわって、免震建物を支持し免震床の相対的な水平変位に対応して水平反力を発生する免震システムと、免震床の相対的な水平変位に対応して水平力を発生するダンパーシステムと、を備え、前記ダンパーシステムが、慣性接続要素と緩衝材とを有し、前記慣性接続要素と前記緩衝材とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結され、ダンパー固有円振動数比β(ωd/ω0)が最大限界値を越えないものであり、ω0は免震建物と前記免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数であり、ωdは前記ダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、免震建物を免震するための免震装置に係る。特に、地震が発生した際の免震建物の免震特性を高める免震装置に関する。
地震が発生すると、建物、構造物等の対象構造物が水平に揺すられる。
地震等による加速度レベルが大きいと、対象構造物が損傷をうけたり、対象構造物の中にあるものが予想を越えて加速度を受けたり、予想を超える変位をうけたりする。
そこで、基礎から対象構造物へ伝達する振動エネルギーを減少させて振動を免震する免震装置、または対象構造物が振動した際に振動エネルギーを吸収し振動レベルを小さくして振動を制振する制振装置として各種の構造の装置が試されている。
構造とその構造を構成する要素の諸元を適正に設定することにより、所望の免震性能や制振性能を発揮できる。
例えば、免震建物を基礎の上に免震層を介して設けられる床状の免震床と免震床の上に構築される構造物である上部構造物とで構成させ、免震システムで免震建物を支持する構造が提案される。
免震システムは免震床の水平移動に対応して水平反力を発生するばね要素である免震システムばねを有する。
地震が発生すると地震波が基礎から免震システムを通過して免震建物を揺らす。
免震システムばねが、免震床の水平移動に対応して水平反力を発生することで、免震建物の揺れを免震システムがない場合に比べて緩和できる。
しかし、その様な構造を採用した免震建物にいる人が不快な感覚を感じることがある。
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構造により所望の免震性能を発揮でき、人になるべく不快な感覚を感じさせないための免震装置を提供しようとする。
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎の上に免震層を介して設けられる床状の構造体である免震床と免震床の上に構築される構造物である上部構造物とで構成される免震建物の免震特性を高めるための免震装置を、免震建物を支持し免震床の相対的な水平変位に対応して水平反力を発生するばね要素である免震システムばねを有する免震システムと、免震床の相対的な水平変位に対応して水平力を発生するダンパーシステムと、を備え、前記ダンパーシステムが、水平方向の相対変位を回転体の回転量に変換する慣性接続要素と、水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生するバネ要素である緩衝材と、を有し、免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結され、ダンパー固有円振動数比βが最大限界値を越えない、
ここで、
β=ωd/ω0、
ω0は免震建物と前記免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数であり、
ωdは前記ダンパーシステム単体の一次固有円振動数であり、前記最大限界値は仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
ものとした。
上記本発明の構成により、免震建物が、基礎の上に免震層を介して設けられる床状の構造体である免震床と免震床の上に構築される構造物である上部構造物とで構成される。免震システムが、免震建物を支持し免震床の相対的な水平変位に対応して水平反力を発生するばね要素である免震システムばねを有する。ダンパーシステムが、免震床の相対的な[水平変位に対応して水平力を発生する。を備え、前記ダンパーシステムの慣性接続要素が、水平方向の相対変位を回転体の回転量に変換する。前記ダンパーシステムの緩衝材が、水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生するバネ要素である。免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される。ダンパー固有円振動数比βが最大限界値を越えない。
ここで、
β=ωd/ω0である。
ω0は免震建物と前記免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数である。
ωdは前記ダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。前記最大限界値は仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である。
その結果、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する水平加速度を低減でき、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
以下に、本発明の実施形態に係る免震装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、前記ダンパー固有円振動数比βが最小限界値を下回らない、
ここで、
前記最小限界値は仮に仮想の前記地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記ダンパー固有円振動数比βが最小限界値を下回らない。前記最小限界値は仮に仮想の前記地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である。
その結果、地震のあったときに免震床の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
さらに、本発明の実施形態に係る免震装置は、前記ダンパーシステムが前記慣性接続要素と前記緩衝材と軸力制限機構とを有し、前記軸力制限機構は前記水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達するスリップ機構を持ち、免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材と前記軸力制限機構とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記ダンパーシステムが前記慣性接続要素と前記緩衝材と軸力制限機構とを有する。前記軸力制限機構は前記水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達するスリップ機構を持つ。免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材と前記軸力制限機構とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される。
その結果、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にでき、地震のあったときに免震床の付近にいる人がさらに不快な感覚を感じにくくできる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない。
その結果、βの値に応じて地震のあったときに免震床の最大加速度を低減できる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない。
その結果、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の最大加速度を低減でき、免震床の最大水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない。
その結果、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、4を越えず、2を下回らない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、4を越えず、2を下回らない。
その結果、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の最大水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない。
その結果、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない。
上記実施形態の構成により、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない。
その結果、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の最大水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、本発明の実施形態に係る免震装置は、前記緩衝材がばね特性をもつ長尺部材を持ち、前記長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、該長尺部材の中央部を前記慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される。
上記実施形態の構成により、前記緩衝材がばね特性をもつ長尺部材を持つ。前記長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定される。該長尺部材の中央部を前記慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される。
その結果、高さが低く、諸元を簡単に調整できばね要素を使用できる。
上記目的を達成するため、本発明に係る免震建物が、上記に記載の免震装置を備える。
上記発明の構成により、免震建物が上記に記載の免震装置を備える。
その結果、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度を低減でき、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
以上説明したように、本発明に係る免震装置は、その構成により、以下の効果を有する。
免震建物を支持する免震システムが免震建物の免震床の水平変位に対応して水平反力を発生し、前記慣性接続要素と前記緩衝材とを直列接続したばね付きマスダンパーが免震床の水平変位に対応して水平力を発生し、免震建物と前記免震システムとで構成される振動系の一次固有円振動数と前記ダンパーシステムの単体の一次固有円振動数をの比であるダンパー固有円振動数比βが所定の最大限界値を越えない様にして、仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にするので、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度を低減でき、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値を越えない様にでき、地震のあったときに免震床の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
また、前記慣性接続要素と前記緩衝材と前記水平力が限界水平力を越えない様にスリップする前記軸力制限機構とを直列接続したばね付きマスダンパーが免震床の水平変位に対応して水平力を発生し、免震建物と前記免震システムとで構成される振動系の一次固有円振動数と前記ダンパーシステムの単体の一次固有円振動数をの比であるダンパー固有円振動数比βが所定の最大限界値を越えない様にして、仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にするので、免震建物と免震システムばねとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にでき、地震のあったときに免震床の付近にいる人がさらに不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の加速度を低減できる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の最大加速度を低減でき、免震床の水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の最大水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の最大水平変位が大きくなるのを抑制できる。
また、ばね特性をもつ長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、該長尺部材の中央部を前記慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される様にしたので、高さが低く、諸元を簡単に調整できばね要素を使用できる。
本発明の実施形態に係る免震建物の概念図である。 本発明の第一の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。 本発明の第三の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。 地震波の一覧表である。 本発明の第一の実施形態に係る免震装置の概念図である。 本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その1である。 本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その2である。 本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その3である。 本発明の第二の実施形態に係る免震装置の概念図である。 本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その1である。 本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その2である。 本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その3である。 「変位抑制と免震効果のトレードオフ関係」を示す図である。 増幅機構付き減衰装置(減衰こま)の概要図である。 制振用軸力制限機構付き粘性マスダンパー(支持バネ付き)の概要図である。 本願で提案するシステムの位置付けを示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
最初に、本発明の実施形態に係る免震装置を、図を基に、説明する
図1は、本発明の実施形態に係る免震建物の概念図である。
免震装置は免震建物10を免震するための装置である。
免震建物10は、免震床11と上部構造物12とで構成される。
免震床は、基礎5の上に免震層を介して設けられる床状の構造物である。
例えば、免震床は所定の厚みをもつスラブ床である。
上部構造物12は、免震床11の上に構築される構造物である。
上部構造物12は、地階を含む単数または複数の階層を設けられる。
例えば、上部構造物12は、複数のスラブ床と複数の柱構造の組が多段に重なった構造物である。
以下に、本発明の第一の実施形態にかかる免震装置を、説明する。
免震装置は、免震建物を免震するための装置である。
地震が発生した際に、免震装置が機能して免震建物に免震建物または人に有害な振動が作用するのを抑制する。
免震装置は、免震システム100とダンパーシステム200とで構成される。
免震システム100は、免震建物10を支持し、免震システムばねを有するシステムである。
免震システムばねは、免震床の相対的な水平変位に対応して水平反力を発生するばね要素である。
例えば、免震システムばねは、積層された複数のゴム板で構成されるシステムである。
免震システム100は、後述するダンパーシステムのダンピング特性を悪化させない粘性要素をもっていてもよい。
ダンパーシステム200は、免震床の相対的な水平変位に対応して水平力を発生するシステムである。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220とで構成される。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230とで構成されてもよい。
慣性接続要素210は、水平方向の相対変位を回転体の回転量に変換する要素である。
水平方向の相対変位が慣性接続要素に作用すると、慣性接続要素が慣性力を発生する。その結果、慣性接続要素210は見かけの質量mdをもつ。
緩衝材220は、水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生するバネ要素である。ばね要素は、ばね定数kbをもつ。
粘性要素230は、水平方向の相対速度に対応して水平方向にそって作用する減衰抵抗力を発生する要素である。粘性要素230は、粘性係数Cdをもつ。
免震建物10とダンパーシステム200とで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに、慣性接続要素210と緩衝材220とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床11と基礎5との間に連結される。
免震建物10とダンパーシステム200とで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに、慣性接続要素210と粘性要素230とを並列接続した系と緩衝材220とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床11と基礎5との間に連結されてもよい。
ダンパー固有円振動数比βが、最大限界値を越えない様にする。
ここで、
β=ωd/ω0
ω0は、免震建物と免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数でありる。
ωdは、ダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。
最大限界値は、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である。
免震装置が、図6、図10に示す質点モデルとして表されるときに、ω0、ωdは以下の式で計算して求めることができる。
ω0=sqrt(k1/(m1+m2))
ωd=sqrt(Kb/md)
図5には、仮想の地震波が一覧表に列記される。
表中の「EL−CENTRO−NS」は1940年imperial Vally地震でEL CENTROにおいて観測された地震波である。
表中の「築館NS」は、2011年東北地方太平洋地震で築館において観測された地震波である。
表中の「告示波」は、耐震評価のために定められた仮想の地震波である。
表から、実際の大規模地震の最大加速度は大きい。これは、実際の大規模地震は高周波成分の多く含むことに起因する。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との実物をもちいて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との模型を用いて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との振動系を免震床11の質量とそれ以外の質量とに分けて表した質点モデルとして数値解析し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
図6は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との振動系を免震床11の質量m1とそれ以外の質量m2とに分けて表した質点モデルを示す。
図中の質点系は、免震床11を質量1をもつ質点として、上部構造物12を質量m1をもつ質点とばね定数K2のバネ特性をもち粘性係数C1の構造減衰とをもつもとのして、モデル化される。免震システム100は、ばね定数K1をもつばね要素として表される。ダンパーシステム200は、みかけの質量mdをもつ慣性接続要素210とばね定数k0をもつ緩衝材220と粘性係数Cdをもつ粘性要素とをもつものとして表される。
図中では、上部構造物12を1つの質量m1と1つのばね要素と1つの構造減衰で表したが、上部構造物12を複数の質量m1と複数のばね要素と複数の構造減衰で表してもよい。
ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する加速度を低減できる。
ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床にいる人に不快な感じをあたえない。
ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床の加速度を実質的に最小にすることができる。
ダンパー固有円振動数βが最小限界値を下回らない様にしてもよい。
ここで
β=ωd/ω0
ω0は免震建物と免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数でありる。
ωdはダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。
最小限界値は、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
最小限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との実物をもちいて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最小限界値は免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200の模型を用いて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最小限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との振動系を免震床の質量とそれ以外の質量とに分けた質点系として表して数値解析し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する最大加速度を低減でき、免震床の最大変位を大きくしない。
ダンパー固有円振動数比βが、4を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床にいる人に不快な感じをあたえず、免震床の最大変位を大きくしない。
ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床の最大加速度を実質的に最小にすることができ、免震床の最大変位を大きくしない。
以下に、第一の実施形態に係る免震装置の作用を、3つの数値解析の結果により、図を基に、説明する。
図の上のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答加速の時刻歴波形を比較している。
図の左下のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、ダンパー固有円振動数比βと仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答変位との関係を示す。
図の右下のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、ダンパー固有円振動数比βと仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答加速度との関係を示す。
ここで、
μ(質量比)=md/(m1+m2)
mdは、慣性接続要素210の見かけの質量
m1は、免震床11の質量
m2は、上部構造物12の質量
(作用説明1)
図7は、本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その1である。
地震波として観測波であるEL−CENTRO−NSを基礎5に入力した。
質量比μ=1.0、μ=0.5の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせないことが解る。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な水平変位を抑えることをできることが解る。
(作用説明2)
図7は、本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その2である。
地震並として模擬波である告示波を基礎に入力した。
質量比μ=1.0、μ=0.5の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせないことが解る。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な最大水平変位を抑えることをできることが解る。
(作用説明3)
図9は、本発明の第一の実施形態に係る免震装置の作用説明図その3である。
地震波として観測波である築館NSを基礎に入力した。
築館NSは、2011年東北地方太平洋沖地震において、築館でサンプリングされた観測波である。
質量比μ=1.0、μ=0.5の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせないことが解る。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な水平変位を抑えることをできることが解る。
次に、本発明の第二の実施形態にかかる免震装置を、説明する。
免震装置は、免震建物を免震するための装置である。
地震が発生した際に、免震装置が機能して免震建物に免震建物または人に有害な振動賀作用するのを抑制する。
免震装置は、免震システム100とダンパーシステム200とで構成される。
免震システムの構成は、第一の実施形態にかかる免震システムのものと同じなので、説明を省略する。
ダンパーシステム200は、免震床の相対的な水平変位に対応して水平力を発生するシステムである。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と軸力制限機構240で構成される。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230と軸力制限機構240とで構成されてもよい。
慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230の構成は、第一の実施形態にかかるダンパーシステムのものと同じなので、説明を省略する。
軸力制限機構240は、水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達するスリップ機構を持つ。
免震建物10とダンパーシステム200とで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに、慣性接続要素210と緩衝材220と軸力制限機構240とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される。
免震建物10とダンパーシステム200とで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに、慣性接続要素210と粘性要素230とを並列接続した系と緩衝材220と軸力制限機構240とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床11と基礎5との間に連結されてもよい。、
ダンパー固有円振動数比βが、最大限界値を越えない。
ここで、
β=ωd/ω0
ω0は免震建物と免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数でありる。
ωdはダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。
最大限界値は、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である。
図5には、仮想の地震波が一覧表に列記される。
第一の実施形態にかかる免震装置で説明したものと同じなので、説明を省略する。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200の実物をもちいて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200の模型を用いて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最大限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200の振動系を免震床の質量とそれ以外の質量とに分けた質点モデルとして表して数値解析し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
図10は、免震建物と免震システムとダンパーシステムとの振動系を免震床の質量とそれ以外の質量とに分けて表した質点系を示す。
図中の質点系は、免震床11を質量1をもつ質点として、上部構造物12を質量m1をもつ質点とばね定数K2のバネ要素をもち粘性係数C1の構造減衰とをもつもとのして、モデル化される。免震システム100は、ばね定数K1をもつばね要素として表される。ダンパーシステム200は、みかけの質量mdをもつ慣性接続要素210とばね定数k0をもつ緩衝材220と粘性係数Cdをもつ粘性要素と軸力をFrに制限する軸力制限機構240とをもつものとして表される。
図中では、上部構造物12を1つの質量m1と1つのばね要素と1つの構造減衰で表したが、上部構造物12を複数の質量m1と複数のばね要素と複数の構造減衰で表してもよい。
ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する最大加速度を低減できる。
ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する最大加速度を低減できる。
ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する最大加速度を実質的に最小にできる。
ダンパー固有円振動数βが最小限界値を下回らない様にしてもよい。
ここで
β=ωd/ω0
ω0は免震建物と免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数でありる。
ωdはダンパーシステム単体の一次固有円振動数である。
最小限界値は、仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
最小限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との実物をもちいて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最小限界値は免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200の模型を用いて振動試験し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
最小限界値は、免震建物10と免震システム100とダンパーシステム200との振動系を免震床の質量とそれ以外の質量とに分けた質点系として表して数値解析し、仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値であってもよい。
ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床に発生する最大加速度を低減でき、免震床の変位を大きくしない。
ダンパー固有円振動数比βが、4を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床にいる人に不快な感じをあたえず、免震床の変位を大きくしない。
ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない様にしてもよい。
この様にすると、免震床の最大加速度を実質的に最小にすることができ、免震床の変位を大きくしない。
以下に、第二の実施形態に係る免震装置の作用を、3つの数値解析の結果により、図を基に、説明する。
図の上のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答加速の時刻歴波形を比較している。
図の左下のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、そのときに仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答変位との関係を示す。
図の右下のグラフでは、ダンパー固有円振動数比βを、2.5、4、8、16、32から選択し、そのときに仮想の地震波を基礎に入力したときの免震床の最大応答加速度との関係を示す。
(作用説明4)
図11は、本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その1である。
地震波として観測波であるEL−CENTRO−NSを基礎に入力した。
質量比μ=1.0の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせないことが解る。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な水平変位を抑えることをできることが解る。
(作用説明5)
図12は、本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その2である。
地震並として模擬波である告示波を基礎に入力した。
質量比μ=1.0、0.5の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせないことが解る。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な水平変位を抑えることをできることが解る。
(作用説明6)
図13は、本発明の第二の実施形態に係る免震装置の作用説明図その3である。
地震波として観測波である築館NSを基礎に入力した。
築館NSは、2011年東北地方太平洋沖地震において、築館でサンプリングされた観測波である。
質量比μ=1.0の場合を数値解析した。
上のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にすると、免震床に生ずる加速度を効果的に小さくできることが解る。
また、一般に人が不快に感じる地震による最大加速度の値は、300cm/sといわれる。
右下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にすると、免震床にいる人に不快な感覚を感じさせない。
さらに、ダンパー固有円振動数比βが2.5を越えない様にすると、免震床に作用する最大加速度を実質的に最小にできることが解る。
左下のグラフから、ダンパー固有円振動数比βが2を下まわない様にすると、免震床の相対的な水平変位を抑えることをできることが解る。
以下に、本願発明の理論を説明する。
平成7年(1995年)兵庫県南部地震以降、免震構造が普及し、超高層ビルから戸建住宅まで多くの建物に適用されるにようになった。一般に免震構造は、建物を支持する支承材と原点復帰させるための復元材、およびエネルギー吸収させるための減衰材で構成される。従来の免震構造では、これらの免震部材により構造物を長周期化し、免震層での大きな応答変位を許容することにより、上部構造の応答加速度を低減させて免震効果を高めている。
現在、これらの免震建物においては、主に極めて稀な地震動として定義されるレベル2の大地震時において設計クライテリアを満足するように設計されている。しかし、近年、想定外の巨大地震や長周期地震動の発生の可能性が指摘されており、これらの地震動により、免震装置の性能限界や免震層クリアランスを越える過大な免震層変位が生じ、擁壁やストッパーへの衝突の危険性が懸念されている。また、敷地面積などの制約から十分な免震層クリアランスをするのが困難な場合もある。
一般に変形を抑制するために様々な減衰材(=ダンパー)が用いられる。過大な変形を抑制するほどのダンパー力は、ダンパー反力や上部構造物の応答加速度を高め、支持部材や構造躯体の損傷を生じさせる危険性がある。例えば、戸建住宅で用いられる支承材を兼ねた摩擦ダンパーは、変位抑制のために多数用いると長周期化を阻害する要因となり、中小地震時の応答加速度を増大させるとともに、大地震時には等価粘性減衰定数が低下するため過大な変形を生じさせることが指摘されている。また、速度に依存して抵抗力を発揮するオイルダンパーでは、大きな減衰を付与するために基数を多く用いると変位抑制には効果的であるが、その反面、応答加速度が増大してしまうという問題があった。
このように変位抑制と免震効果には、過大な変形を抑制としようとすると応答加速度が増大する、すなわち免震効果が損なわれるというトレードオフの関係(図1)にあり、その両方の応答を同時に低減することは困難であった。こうした問題を解決するために、上部構造物の応答加速度をあまり大きくしないで免震層の応答変位を抑制することができる、より効果的なディバイスが望まれる。
図14は、「変位抑制と免震効果のトレードオフ関係」を示す図である。
そうした背景の中、近年、変位抑制効果が期待できる回転慣性質量を利用した応答制御法が注目されている。付加質量を用いる応答制御手法としては、絶対加速度に比例して抵抗力を生じる実質量を利用した動吸振器TMD(Tuned Mass Damper)が有名であるが、一方、TMDで用いられてきた実質量でなく、振動系の質点間にその層間変位に応じて運動する補助質量(質量項)を利用して建築構造物の応答を制御しようとする試みがある。
これらの試みは、付加質量の接続方法の違いにより2つの研究に大別される。一つは構造体の剛性と並列に直接剛に接続し、付加質量のもつ質量効果を利用した研究で、もう一方は付加質量と直列に柔なバネを接続し、同調効果を得るための要素として付加質量を利用した研究である。本文では、前者の研究を「モード制御型」、後者の研究を「同調型」と呼ぶ。モード制御型が付加質量を用いて構造物のモード形状を変化させることにより応答を制御するのに対して、同調型はモード形状を変化させることなく特定のモード減衰を大きくできる点で両者は異なる。
モード制御型の近年の代表的な研究として、古橋・石丸らの研究がある。古橋・石丸らはこの質量要素を「慣性接続要素」と呼び、この要素が振動系の真の質量を変化させることなく振動に関わる質量を増加させるため、振動系に対して周期伸長効果や入力低減効果といった特性変動が得られることを示すとともに、多質点系建物におけるモード制御法を提案している。秦ら、この入力低減効果に着目し、これを利用した免震システムを提案している。絶対加速度が増幅しない周期域を把握する応答性能図表を提案するとともに、それを用いた設計法による振動実験を行い、質量効果を利用した免震システムの有効性を明らかにしている。また、このシステムを歴史的建造物の耐震改修に適用している。柴田らは、奥村が考案した振動遮断装置とこれを応用した免制震構造を提案している。このシステムは質量効果により伝達率が完全に零となる振動数を利用したもので、ボールねじを利用した振動遮断装置による1質点振動実験により任意の振動数での低減効果を明らかにしている。また、免震層が減衰層と遮断層の二層で構成される「二層免震システム」を提案し、システムの特定のモードを消滅させるために遮断層に振動遮断装置を用いることにより、システムの伝達特性を改善できることを実験および解析的に明らかにしている。
これらの研究の多くでは付加質量に、回転機構などの変位増幅機構による回転慣性質量を用いており、回転体の実質量が小さくとも大きな質量効果を得ることが可能となっている。これらの効果は、構造物の質量に対する増幅後の並進方向の見掛けの慣性質量の比(以下、「質量比 」)が大きいほど変位応答低減効果など大きな応答抑制効果が期待できる。しかしながら、回転慣性質量が相対加速度に敏感に反応するという特徴をもつため、(1)高振動数域でダンパー力や応答加速度が過大となるという問題があった。そのため、(2)大きな質量比を用いることができず大きな質量効果が得られない、モード制御型とする場合は(3)免震層以外での制御が必要となる、(4)高次のモードを消すために必要な付加質量が非常に大きくなるなどの課題があった。これに対して、齋藤は、重ねギアを利用した回転慣性機構と摩擦スライダーを直列に配し、低振動数側と高振動数側での機構変換可能な免震システムを提案し、主に機器免震を対象とした装置の実装化を行っている。この方法によると、高振動数域でのダンパー力や応答加速度の低減が可能であるが、(5)機構変換に伴う大きな加速度が回転慣性質量を介して直上階へ伝達されること、(6)摩擦スライダーにより免震層に残留変形が生じるなどの問題点があり、回転慣性質量を免震建物に適用するにあたってはこれらの課題を改善しなくてはならなかった。
また、補助質量を回転増幅機構により増幅することで大きな質量効果を得ることができる装置として、増幅機構付き減衰装置「減衰こま(Rotary Damping Tube=RDT)と呼ばれる装置が存在する。この装置は、軸方向運動をボールねじにより内筒の回転運動に変換し、固定された外筒の間に充填された粘性体のせん断抵抗で抵抗力を得る装置である。円周方向の変位が軸方向変位に対して数十倍程度に増幅されるため、回転体の質量効果を実質量の数千倍以上にすることが可能である。RDTは粘性ダンパーとして開発されたため、周期伸長効果など質量効果の存在は示していたもののその効果は副次的なものとして積極的な利用はされてこなかった。その後の研究で1,000tonの回転慣性質量をもつ装置が試作され加振実験に成功、回転慣性質量による応答制御の実用化の可能性を示していた。なお、回転慣性質量ダンパーとして、より大きな質量効果をもつダンパーとするためには、内筒(回転体)の径を大きくすること、回転体の実質量を大きくすること、および減衰部の長さを長くすることなどが考えられ、それに加えてダンパー反力を抑制できる機構を設ける必要性があり、ダンパーとしても改善すべき問題点が残されていた。
図15は、増幅機構付き減衰装置「減衰こま」の概要図である。
モード制御型に対して、同調型の近年の代表的な研究として、井上・五十子らの研究がある。井上・五十子らは、このシステムを「同調粘性マスダンパー(Tuned Viscos Mass Damper=TVMD)制振システム」と呼び、ダンパーと直列に柔らかい支持バネを接続させることで付加振動系を形成し、この付加振動系の固有円振動数と構造物の固有円振動数を適切に同調させることにより、チューニングした周期帯に対して大きな制振効果が得られることを、制振構造を対象に理論的・実験的に明らかにしている。なお、モード制御型と同様に同調型でも振動系の同調振動数成分が卓越する領域でダンパー反力が大きくなるという課題があったため、これらの反力を抑制する方法として、「軸力制限機構」を提案し、「TVMD制振システム」のための装置として、RDTを改良した軸力制限機構付き粘性マスダンパー(Force−Restricted Viscous Mass Damper=FRVMD)を開発している。この制振用FRVMD
では、従来のRDTの慣性質量効果を高めるために外筒を付加錘とし回転体とするとともに、減衰部で発生する粘性力と慣性力の合力を皿バネによる回転滑り機構により頭打ちにする機構を追加しており、この機構を適度に利用することで応答低減効果を大きく損なわず最大ダンパー力を大幅に低減できることを実大加振実験および振動台実験より明らかにしている。
本出願では、この制振用FRVMDを免震用に拡張し、免震建物への適用を試みる。
図16は、「制振用軸力制限機構付き粘性マスダンパー(支持バネ付き)」の概要図である。
免震建物では、免震層に変位が集中してほぼ1質点系に近い挙動となるので、建物質量に対するダンパーの付加質量の割合を大きくすることが可能である。そのため、支持部を柔らかくして同調効果を得ずとも、支持部材を剛にしたときの質量効果である免震建物の周期の増大と地震入力の大きさの低減効果が期待できる。
一方、支持部材を剛なので、地震応答に関するフィルター効果が失われるため、極めて高次の応答加速度が発生して過大なダンパー軸力を生じてしまう。この解決法としては、まず制振用FRVMDと同様に、回転滑り機構による軸力制限を行うこととするが、付加質量が大きいために「軸力制限率 」(=軸力制限を設けないときの最大ダンパー力に対する軸力制限荷重の比率として定義)を大幅に小さくする必要がある。このため、ダンパー力の激しい切り替えによって生じる高振動数成分の加速度が、付加質量を介して直接直上階へ伝達されるのでそれを防止するために、支持部材の剛性を質量効果を失わない程度に適度に柔らかくし、緩衝材としての効果を発揮させることとする。
このように、軸力制限機構を安全機構としてのみ用いるのではなく、積極的に利用することにより、加速度伝達の低減やダンパー反力の軽減など多くの利点が期待できると考えられる。
すなわち、支持部材の剛性を同調しない程度に剛にすることで同調によるダンパー変位の拡大を行わず、付加質量の割合を大きくしながら変位低減効果を、軸力制限率をできるだけ小さくして免震効果を高めようとするものであり、これまで、変位と加速度の両方の応答を同時に低減することは困難であった免震構造に対して、その両方が同時に低減可能な新たなシステムと免震用ダンパーを提案するものである。
図17は、本出願で提案するシステムの位置付けを示す図である。
本出願で提案する軸力制限機構付き粘性マスダンパーを有する免震システム(以下、「FRVMD免震システム」)の位置付けを図17に示す。モデル図としては同調型と同じとなるが、本システムは支持部材を剛に接続することで得られるモード制御型の質量効果を生かすとともに、軸力制限機構と緩衝材の効果により免震効果を高めようとするもので、両者の効果は大きく異なる。また、モード制御型の利点を生かしつつ、問題点を改善するという観点から本システムはモード制御型の発展型に位置づけられ、既往の研究と異なる回転慣性質量を利用した第三の応答制御法と言える。
ここで、FRVMDを免震建物へ適用するにあたっての前提条件を以下に列挙する。
(1) 回転慣性質量を利用した様々な適用方法のうち、本出願では免震建物を対象とし、FRVMDを免震層のみに配置して構造物の応答を制御することを考える。既往の研究で見られるように、上部構造などの他に層に制御層を設けてFRVMDを適用しないものとする。
(2) 利用する付加質量の大きさは、定点理論に準じて導かれる「同調粘性マスダンパー(TVMD)制振システム」の質量比(変位最適応答制御で=0.25)を超える大きな付加質量を用いること。
(3)FRVMDは免震層の剛性と並列に配置し、支持部材を剛にすることで得られる質量効果の周期伸長効果や入力低減効果を有効に利用すること。「TVMD制振システム」のように柔らかい部材で支持しないものとする。
(4)この際、極めて高次の応答加速度が発生することによる過大なダンパー力を抑制する方法としては、回転滑り機構による軸力制限機構を利用すること。この方法は、既往の研究で、質量効果により伝達率が完全に零となる振動数が存在することに着目したモード制御法と同等の効果があるとともに、機構が装置で自己完結しているためモード制御用のその他の装置を併用しなくても良いこと、残留変形を生じないなどメリットがある。
(5)また、支持部材の剛性はこれらの効果を損なわない程度に剛とし、同調効果によるダンパー部の変位拡大は行わない。具体的には、「TVMD制振システム」の変位最適応答制御解における最大質量比=0.25時の最適同調振動数比=2.034)を超える剛性とする。
(6)この支持部材の支持方法は、回転慣性質量によって直接伝達される直上階への加速度応答を低減させる緩衝材として効果を期待するものであり、本出願では「緩衝材(フィルターバネ)」と呼び新たに提案とするものである。
以下に、ダンパーシステムの取り付け構造の例を、図を基に、妾出する。
以下では、第二の実施形態に係る免震装置に適用されるダンパーシステムを説明する。
最初に、第二の実施形態に係るダンパーシステムを、図を基に説明する。
図2は、本発明の第二の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230と軸力制限機構240とで構成される。
慣性接続要素210は、直動軸211とねじナット212と回転体213と固定軸214で構成される。
直動軸211は、軸心を水平方向に沿って延ばし、外周に雄ネジが設けられる軸状部材である。
ねじナット212は、ボールを介して直動軸211に噛み合う雌ねじが設けられる筒状部材であり、固定軸214に回転自在に支持される。
直動軸211は水平方向に相対移動すると、ねじナット212が水平変位に対応して回転する。
回転体213は、ねじナット212の回転に連動して回転する円筒状部材であり、固定軸214に回転自在に支持される。
その結果、慣性接続要素210は、直動軸211と固定軸214との間の水平方向の相対変位を回転体の回転量に変換する。
緩衝材220は、第一部材221と弾性体222と第二部材223とで構成される。
第一部材221は、直動軸211に回転自在に固定される部材である。
弾性体222は、第一部材221と第二部材223との間に挟まれる弾性状の部材である。
第二部材223は、免震床に固定される部材である。
第一部材221と第二部材223とが相対的に水平移動すると弾性体222に剪断力が作用する。
その結果、第一部材221と第二部材223との間の相対的な水平移動に対応する反力が発生する。
粘性要素230は、固定軸214と回転体213との隙間に介在する液体である。
直動軸211と固定軸214との間の水平方向の相対変位があると、回転体213が回転し、回転体213と固定軸213との間に粘性力が発生する。
その結果、直動軸211と固定軸214との間の水平方向の相対速度に対応して水平方向にそって作用する減衰抵抗力を発生する。
軸力制限機構240は、ねじナット212と回転体213との間に介在し、所定の値以上のトルクが発生すると、ねじナット212と回転体213との間に滑りを発生する。
その結果、水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達する。
軸力制限機構240を省略し、ねじナット212と回転体213とが連動して回転する様にすると、第一の実施形態のかかる免震装置で説明したものになる。
次に、本発明の第二の実施形態に係るダンパーシステムを、図を基に説明する。
図3は、本発明の第二の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230と軸力制限機構240とで構成される。
慣性接続要素210と粘性要素230と軸力制限機構240の構成は、第一の実施形態にかかるダンパーシステムのものと同じなので、説明を省略する、
緩衝材220は、ばね特性をもつ長尺部材225を持つ。
緩衝材220は、第一部材224と長尺部材225と1対の第二部材226とで構成される。
第一部材224は、直動軸211に回転自在に固定され、長尺部材225の中央部に垂直軸の回りに固定される部材である。
例えば、第一部材224は、直動軸211に回転自在に固定され、長尺部材225の中央部に垂直軸の回りに回転自在に固定される部材である。
1対の第二部材226は、免震床11に固定され、長尺部材の両端部に各々に固定される部材である。
例えば、1対の第二部材226は、免震床11に固定され、長尺部材の両端部に回転自在に各々に固定される部材である。
例えば、長尺部材225は、板ばねである。
例えば、長尺部材225は、鋼材である。
その結果、長尺部材225の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、該長尺部材225の中央部を慣性接続要素210の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定され、水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生する
次に、第三の実施形態に係るダンパーシステムを、図を基に説明する。
図4は、本発明の第三の実施形態に係るダンパーシステムの斜視図である。
ダンパーシステム200は、慣性接続要素210と緩衝材220と粘性要素230と軸力制限機構240とで構成される。
慣性接続要素210と粘性要素230と軸力制限機構240の構成は、第一の実施形態にかかるダンパーシステムのものと同じなので、説明を省略する、
緩衝材220は、ばね特性をもつ長尺部材228を持つ。
緩衝材220は、第一部材227と長尺部材228と1対の第二部材229とで構成される。
第一部材227は、直動軸211に回転自在に固定され、長尺部材228の一方の端部に固定される部材である。
例えば、 第一部材227は、直動軸211に回転自在に固定され、長尺部材228の一方の端部に回転自在に固定される部材である。
第二部材229は、免震床11に固定され、長尺部材228の他方の端部に回転不能に固定される部材である。
例えば、長尺部材228は、板ばねである。
例えば、長尺部材228は、鋼材である。
その結果、長尺部材228の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、該長尺部材225の中央部を慣性接続要素210の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定され、水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生する
以上説明したように、本発明に係る免震装置は、その構成により、以下の効果を有する。
免震建物10を支持する免震システム100が免震建物10の免震床11の水平変位に対応して水平反力を発生し、慣性接続要素210と緩衝材220とを直列接続したばね付きマスダンパーが免震床11の水平変位に対応して水平力を発生し、免震建物10と免震システム110とで構成される振動系の一次固有円振動数とダンパーシステム200の単体の一次固有円振動数の比であるダンパー固有円振動数比βが所定の最大限界値を越えない様にして、仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床11に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にするので、免震建物10と免震システムとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床11に発生する最大水平加速度を抑制でき、地震のあったときに免震床11の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、免震建物10と免震システムとばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床11に発生する最大水平変位が所定の限界変位値を越えない様にでき、地震のあったときに免震床11の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
また、慣性接続要素210と緩衝材220と水平力が限界水平力を越えない様にスリップする軸力制限機構240とを直列接続したばね付きマスダンパーが免震床11の水平変位に対応して水平力を発生し、免震建物10と免震システム100とで構成される振動系の一次固有円振動数とダンパーシステム200の単体の一次固有円振動数をの比であるダンパー固有円振動数比βが所定の最大限界値を越えない様にして、仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にするので、免震建物10と免震システム100とばね付きマスダンパーの諸元を適切に選択することにより仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床11に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値を越えない様にでき、地震のあったときに免震床11の付近にいる人がさらに不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが8を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
また、ダンパー固有円振動数比βが4を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、8を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない様にしたので、βの値に応じて地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくできる。
また、ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えず、2を下回らない様にしたので、βの値に応じて、地震のあったときに免震床の付近にいる人が不快な感覚を感じにくくでき、免震床の水平変位が大きくなりすぎるのを抑制できる。
また、長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、該長尺部材225の中央部を慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される様にしたので、高さが低く、諸元を簡単に調整できばね要素を使用できる。
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない歯非で各種の変更が可能である。
5 基礎
10 免震建物
11 免震床
12 上部構造物
100 免震システム
200 ダンパーシステム
210 慣性接続要素
211 直動軸
212 ねじナット
213 回転体
214 固定軸
220 緩衝材
221 第一部材
222 弾性体
223 第二部材
224 第一部材
225 長尺部材
226 第二部材
227 第一部材
228 長尺部材
229 第二部材
230 粘性要素
240 軸力制限機構
特開2012−037005号 特開2011−236968号 特開2008−163727号 特開2008−101769号 特開平10−100945号 特開平10−184757号 特開2000−017885号 特開2003−138784号 特開2004−239411号 特開2005−180492号 特開2005−207547号

Claims (13)

  1. 基礎の上に免震層を介して設けられる床状の構造体である免震床と免震床の上に構築される構造物である上部構造物とで構成される免震建物の免震特性を高めるための免震装置であって、
    免震建物を支持し免震床の相対的な水平変位に対応して水平反力を発生するばね要素である免震システムばねを有する免震システムと、
    免震床の相対的な水平変位に対応して水平力を発生するダンパーシステムと、
    を備え、
    前記ダンパーシステムが、
    水平方向の相対変位を回転体の回転量に変換する慣性接続要素と、
    水平方向の相対変位に対応して水平方向にそって作用する弾性反力を発生するバネ要素である緩衝材と、
    を有し、
    免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結され、
    ダンパー固有円振動数比βが最大限界値を越えない、
    ここで、
    β=ωd/ω0
    ω0は免震建物と前記免震システムばねとで構成される振動系の一次固有円振動数であり、
    ωdは前記ダンパーシステム単体の一次固有円振動数であり、
    前記最大限界値は仮に仮想の地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平加速度が所定の限界加速度値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
    ことを特徴とする免震装置。
  2. 前記ダンパー固有円振動数比βが最小限界値を下回らない、
    ここで
    前記最小限界値は仮に仮想の前記地震波が基礎に入力されたときに免震床に発生する最大水平変位が所定の限界変位値であるときのダンパー固有円振動数比βの値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記ダンパーシステムが前記慣性接続要素と前記緩衝材と軸力制限機構とを有し、
    前記軸力制限機構は前記水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達するスリップ機構を持ち、
    免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材と前記軸力制限機構とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の免震装置。
  4. ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない、
    ことを特徴とする請求項3に記載の免震装置。
  5. ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない、
    ことを特徴とする請求項4に記載の免震装置。
  6. ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない、
    ことを特徴とする請求項5に記載の免震装置。
  7. 前記緩衝材がばね特性を持つ長尺部材を持ち、
    前記長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
    該板長尺部材の中央部を前記慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の免震装置。
  8. 前記ダンパーシステムが前記慣性接続要素と前記緩衝材と軸力制限機構とを有し、
    前記軸力制限機構は前記水平力が所定の限界水平力をこえない様に水平方向の相対変位を伝達するスリップ機構を持ち、
    免震建物と前記ダンパーシステムとで構成されるシステムを質点モデルとして表したときに前記慣性接続要素と前記緩衝材と前記軸力制限機構とを直列接続した系であるバネ付きマスダンパーが免震床と基礎との間に連結される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  9. ダンパー固有円振動数比βが、8を越えない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  10. ダンパー固有円振動数比βが、4を越えない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  11. ダンパー固有円振動数比βが、2.5を越えない、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  12. 前記緩衝材がばね特性を持つ長尺部材を持ち、
    前記長尺部材の両端部を免震床に垂直軸の回りに回転自在に各々に固定され、
    該板長尺部材の中央部を前記慣性接続要素の一端に垂直軸の回りに回転自在に固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  13. 請求項1に記載の免震装置を備えた免震建物。
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