JP2009292942A - スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム−スチールコード複合体を未加硫状態で保管した際のゴムの経時変化を抑制して保管安定性を向上させながら、加硫後における湿熱老化後の接着性を向上させることができるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを0.2〜2.0重量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを0.1〜1.5重量部、及び硫黄を含有してなるスチールコード被覆用ゴム組成物である。また、該ゴム組成物を、タイヤのベルト層、カーカス層、及びチェーハー層の少なくとも1つを補強するスチールコードの被覆ゴムに用いた空気入りタイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物に関し、特に、空気入りタイヤのベルトやカーカス、チェーハー等のスチールコードを被覆するために好適に用いられるゴム組成物、及び、該ゴム組成物をスチールコードの被覆に用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤ、特にラジアルタイヤでは、乗用車用タイヤのベルト層、トラック・バス用など大型タイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として、スチールコードが多用されている。タイヤの使用期間が長期化する中、これら補強材の補強効果を高め、耐久性を長期にわたり維持することが重要視されており、スチールコードを被覆するゴム組成物にはスチールコードとの優れた接着性が要求されている。
従来、ゴム組成物とスチールコードとの接着性を向上させる手法としては、ゴム組成物に有機酸金属塩を配合したり、レゾルシン誘導体などのメチレン受容体とメラミン誘導体などのメチレン供与体を配合したりすることが知られている(例えば、下記特許文献1,2参照)。また、スチールコードの真鍮メッキの銅/亜鉛組成比やメッキ厚みを調整し、接着界面での硫化銅(CuS)と酸化亜鉛の生成量をコントロールすることにより、加硫後のゴムとスチールコードとの接着性を改善することも知られている。更に、ゴム組成物に、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合することで、ポリスルフィド結合によるイオウ架橋部位を安定な架橋に変換し、これによって、熱劣化条件でのイオウの遊離を防止して、遊離するイオウの減少により硫化銅(CuS)の層が過剰に厚くなるのを防止し、接着耐久性を改善することも知られている(下記特許文献3参照)。
上記スチールコードはゴム圧延用のカレンダー装置を用いて、所定密度で平行配列された多数本のスチールコード両面をゴム被覆してなるトッピング反として使用されるのが一般的である。このトッピング反はポリエチレンシートや布製ライナーに巻き取り、中間材料として次工程に送られるまで保管されるが、未加硫状態のトッピング反を長期間保管すると、ゴム配合剤のブルームや湿度、温度などによる被覆ゴムの経時変化により、その加硫後の接着性が低下するという問題があり、たとえ保管中の温湿度を管理したとしても限界があった。
このような製造過程におけるゴム−スチールコード複合体の接着性を安定にするものとして、例えば、マロン酸ビス(2−ヒドロキシフェニル)エステルなどの特定のエステル化合物をゴム組成物に配合することで、初期接着性と耐湿熱接着性の経時変化を抑制することが提案されている(下記特許文献4参照)。
特開2001−234140号公報 特開2005−255709号公報 特開2003−082586号公報 特開2005−290373号公報
上記のような未加硫状態で保管した際の接着安定性を向上するため、本出願人は先に、本願出願時に未公開である特願2007−218151号において、ジエン系ゴムに、硫黄とともに、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを配合することを提案している。かかる特定のスルフェンイミド化合物を配合することにより、未加硫保管時の安定性は向上するが、加硫後のゴム−スチールコード複合体において、湿熱老化後にゴムとスチールコードとの接着性が低下することが判明した。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、空気入りタイヤなどの補強材料として用いられるゴム−スチールコード複合体を未加硫状態で保管した際のゴムの経時変化を抑制して保管安定性を向上させながら、加硫後における湿熱老化後の接着性を向上させることができるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定のスルフェンイミド化合物と特定の架橋剤とを併用することで、未加硫状態で保管した際の接着性低下を抑制しつつ、湿熱老化後の接着性を向上できることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対して、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを0.2〜2.0重量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを0.1〜1.5重量部、及び硫黄を含有してなるものである。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、前記のスチールコード被覆用ゴム組成物を、タイヤのベルト層、カーカス層、及びチェーハー層の少なくとも1つを補強するスチールコードの被覆ゴムに用いたものである。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物によれば、ゴム−スチールコード複合体を未加硫状態で保管した際のゴムの経時変化を抑制して保管安定性を向上することができるので、加硫後のゴムとスチールコードとの初期接着性を向上することができる。また、加硫後のゴムとスチールコードとの湿熱老化後における接着性も向上することができ、空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。また、未加硫状態でのゴム−スチールコード複合体の保管期間が延長できるので、工程性や生産性を損なうことなく、材料の廃棄処理などの経費節減にも寄与することができる。
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムに、硫黄、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、及び、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを配合してなるものである。
ゴム成分として用いられるジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはいずれか一種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。この中でも、NR及び/又はIR、BR、SBRを用いることが好ましい。特には、伸長結晶化しやすく破壊特性に優れる天然ゴムを単独で用いることが好ましい(但し、その場合でも、他のジエン系ゴムを少量ブレンドしてもよい)。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などが挙げられる。これらの硫黄は2種以上を併用してもよい。硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、2〜8重量部であることが好ましい。2重量部未満であると、架橋反応及びスチールコード表面の真鍮メッキとの反応不足により、良好な初期接着性を得にくくなる。また、8重量部を超えると、真鍮メッキ表面に硫化銅層を過度に生成し、湿熱、耐熱接着性を低下させやすく、特に走行中の発熱により硫化銅層が成長し、接着性の低下が大きくなる傾向となる。また、保管中に硫黄がブルームするおそれがある。
上記1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンは、硫黄とともに架橋剤として作用するものであり、未加硫保管時の安定性を損なうことなく、加硫したゴム−スチールコード複合体の湿熱老化後の接着性を向上することができる。1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンとしては、「Vulcuren VP KA9188」(ランクセス社製)が好適なものとして例示され、使用することができる。1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンは、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.2〜2.0重量部配合される。配合量が0.2重量部未満では、架橋の形成が少なく、湿熱老化後の十分な接着性向上効果が得られない。配合量が2.0重量部を超えると、湿熱老化後の接着性が却って悪化するとともに、初期接着性が低下する場合がある。
上記N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドは、遅効性の加硫促進作用を有し、未加硫状態でのゴム組成物の経時変化による安定性を向上する効果がある。N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとしては、それを主成分とする加硫促進剤「サントキュアTBSI」(フレキシス社製)が好適なものとして例示され、使用することができる。N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドは、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.1〜1.5重量部配合される。配合量が0.1重量部未満では、ゴム−スチールコード複合体の未加硫保管時の経時変化に基づく接着性低下を抑制する効果が得られず、初期接着性が悪化し、加硫速度も遅くなる。配合量が1.5重量部を超えると、スコーチ性が悪化し、焼けを生じやすくなる。
本発明のゴム組成物には、他の加硫促進剤を併用することができ、中でもスルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく用いられる。この場合の加硫促進剤の合計量は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.3〜1.5重量部であることが好ましい。該合計量が0.3重量部未満では、加硫速度が低下し、生産性が悪化する。該合計量が1.5重量部を超えると、配合した硫黄が加硫に使われて真鍮メッキの銅と反応する硫黄が少なくなり、そのため、真鍮メッキ表面の硫化銅層の形成が不十分となり、初期接着性が低下する。
また、スルフェンアミド系加硫促進剤と併用する場合、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が、スルフェンアミド系加硫促進剤との合計量の50重量%以上を占めることが好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤が多くなりすぎると、保管時の接着性低下の抑制効果が低下する。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)などを挙げることができ、このうち、特にはDCBSが好ましい。
本発明のゴム組成物には、老化後のゴム物性及び接着性を向上するために、有機酸金属塩を配合することが好ましい。有機酸金属塩の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、金属分換算で0.03〜0.40重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
上記有機酸金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、ホウ酸コバルト、マレイン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩の他に、有機酸ニッケル塩、有機酸モリブデン塩などが挙げられる。
本発明のゴム組成物には、また、メチレン受容体とメチレン供与体を、それぞれジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜4重量部配合することが好ましい。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応し、ゴムとスチールコードの接着性を高め、耐熱、耐湿熱接着性を向上し、タイヤ走行に伴う負荷や発熱による接着性の劣化を抑制することができる。これらの配合量が0.5重量部未満では、初期接着性の向上効果が不十分となり、逆に4重量部を超えると、加硫速度が遅く、湿熱老化接着性の低下が見られる。
上記メチレン受容体としては、フェノール類化合物、又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が挙げられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン−アルキルフェノール共縮合ホルマリン樹脂が好ましい。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が挙げられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
本発明のゴム組成物には、また、補強剤としてカーボンブラック、シリカなどのフィラーを配合することができる。カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF級のカーボンブラックを用いることができ、これらは2種以上ブレンドして用いてもよい。カーボンブラックの配合量は特に限定されないが、ジエン系ゴム100重量部に対して5〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは20〜80重量部である。
また、シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、表面処理シリカなどが挙げられる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し5〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜30重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記各成分の他、スチールコード被覆用ゴム組成物に一般に配合される各種配合剤を任意に配合することができる。そのような配合剤としては、例えば、軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、加工助剤などが挙げられ、本発明の目的に反しない範囲で適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができ、各種スチールコードを被覆するためのゴム組成物として用いることができる。特には、空気入りタイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として使用されるスチールコードの被覆(トッピング)ゴムとして用いられ、常法に従いスチールカレンダーなどのトッピング装置によりスチールコードトッピング反を製造し、これをタイヤ補強部材として用いて、常法に従い成形加硫することにより空気入りラジアルタイヤを製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に記載の配合に従って、実施例及び比較例の各ゴム組成物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて、常法に従い混練し調製した。表1の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3、
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト300」、
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」、
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」、
・老化防止剤:フレキシス社製「サントフレックス6PPD」、
・レゾルシン誘導体:レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂、住友化学工業(株)製「スミカノール620」、
・メラミン誘導体:ヘキサメトキシメチルメラミン、三井サイテック(株)製「サイレッツ963L」
・ステアリン酸コバルト:ジャパンエナジー(株)製「ステアリン酸コバルト」(Co含有率9.5重量%)、
・ホウ酸三ネオデカン酸コバルト:OMG社製「マノボンドC225」(Co含有率22.5重量%)、
・不溶性硫黄:フレキシス社製「クリステックスHS OT−20」(80重量%が硫黄分)、
・加硫促進剤DCBS:N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDZ−G」、
・加硫促進剤TBSI:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド、フレキシス社製「サントキュアTBSI」、
・チオカルバモイル化合物:1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、ランクセス社製「Vulcuren VP KA9188」。
得られた各ゴム組成物について、初期接着性、保管後接着性、及び湿熱老化後接着性を評価した。評価では、ベルト用スチールコード(3×0.20+6×0.35mm構造、銅/亜鉛=64/36、付着量5g/kgの真鍮メッキ)を12本/25mmの打ち込み密度で平行に配列したものの両面を厚さ1mmのゴムシートを用いて被覆し、この2枚をコードが平行になるように積層した剥離接着試験用の未加硫試料を作製し、該試料を用いて下記の方法により行った。
・初期接着性:上記未加硫試料を作製後、室温にて24時間放置した後、150℃×30分の条件で加硫し、島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて剥離接着試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を100点法で目視にて確認した。数値が大きいほど接着性が良好である。
・保管後接着性:上記未加硫試料を作製後、40℃×95%RHの恒温恒湿槽中に7日間放置した後、150℃×30分の条件で加硫し、島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて剥離接着試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を100点法で目視にて確認した。数値が大きいほど接着性が良好である。
・湿熱老化後接着性:上記未加硫試料を作製後、室温にて24時間放置した後、150℃×30分の条件で加硫した。加硫後の試料を105℃のスチーム環境下で96時間放置した後、島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて剥離接着試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を100点法で目視にて確認した。数値が大きいほど接着性が良好である。
Figure 2009292942
表1に示されたように、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを配合したものの、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合していない比較例1では、未加硫保管後の接着性には優れるものの、湿熱老化後の接着性に劣っていた。また、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合したものの、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを配合していない比較例2では、未加硫保管後の接着性に劣っていた。
1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンの配合量が多すぎる比較例3では、架橋密度が高すぎるためか湿熱老化後の接着性が却って悪化していた。比較例4では、スルフェンアミド系加硫促進剤を併用したときに、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が低すぎたため、未加硫保管後の接着性の改善効果が不十分であった。比較例5では、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの配合量が多すぎたため、初期接着性と湿熱老化後の接着性に劣っていた。
これに対し、実施例1〜6であると、初期接着性に優れるとともに、未加硫保管後の接着性を改善することができ、更に、湿熱老化後における接着性を向上することができた。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、空気入りタイヤの補強材であるスチールコード被覆用ゴムとして有用であり、このゴム組成物を用いたゴム−スチールコード複合体は、乗用車用タイヤのベルト層、トラック・バス用などの大型タイヤのベルト、カーカス、チェーハー層に使用することができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、
    1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを0.2〜2.0重量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドを0.1〜1.5重量部、及び硫黄を含有してなる
    ことを特徴とするスチールコード被覆用ゴム組成物。
  2. スルフェンアミド系加硫促進剤を、前記N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドとの合計量で前記ジエン系ゴム100重量部に対し0.3〜1.5重量部含有し、該N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミドの含有率が前記合計量の50重量%以上を占める
    請求項1記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100重量部に対して、
    有機酸金属塩を金属分換算で0.03〜0.40重量部含有する
    請求項1又は2記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム100重量部に対して、
    メチレン受容体を0.5〜4重量部、及びメチレン供与体を0.5〜4重量部含有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を、タイヤのベルト層、カーカス層、及びチェーハー層の少なくとも1つを補強するスチールコードの被覆ゴムに用いた
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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