JP5512454B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物、及び、それを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年の車両の高速化、高馬力化に伴う高発熱下での劣化や、タイヤの長寿命化に伴う熱履歴による劣化、酸化劣化などにより、タイヤ使用中のゴム劣化条件がより過酷になっている。そのため、より高い水準でのゴムの耐老化性(耐酸化劣化性)が要求されている。
従来、例えば、乗用車用タイヤのベルト層や、トラック・バス用など大型タイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として、ブラスメッキされたスチールコードが用いられている。スチールコードでは、その周囲のゴムが劣化して耐ゴム破壊性能が低下すると、ゴム層内にクラックが発生しやすくなる。また、熱履歴に対する耐熱接着性の低下や、タイヤ使用中の水分浸透、タイヤ製造時及び保管時の吸湿と昇温による耐湿熱接着性の低下により、ゴムとスチールコードの界面も剥離しやすくなる。その結果として、セパレーションが生じるという問題がある。
ゴム組成物とスチールコードとの接着性を向上させる手法として、ゴム組成物に有機酸金属塩を配合したり、強固な接着層を形成するフェノール樹脂などのメチレン受容体とメラミンなどのメチレン供与体を配合したりすることが知られている。しかしながら、いずれの従来技術においても、個別の接着性は良好であるものの、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の全ての接着性にバランスがとれ、同時に満足させるのは困難であった。
ところで、従来、例えば下記特許文献1〜3には、スチールコードに対する接着系のゴム組成物において、粒子径の小さな酸化亜鉛を配合することが開示されている。また、下記特許文献4には、主としてタイヤトレッド用ゴム組成物を対象としたものにおいて、比表面積が10m/g以上の亜鉛華を配合することが開示されており、下記特許文献5には、接着剤、シーリング材、コーキング材などとして用いられるものにおいて、ポリサルファイドポリエーテルポリマーのような非ジエン系ゴムに対してBET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の亜鉛華を配合することが開示されている。しかしながら、これらのいずれの文献にも、塩基性炭酸亜鉛成分を所定量含有する酸化亜鉛を用いる点については開示されていない。なお、下記特許文献6には、ゴム成分に酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛を配合する点が開示されているが、EPDMゴムを主成分とするゴム成分に、架橋活性剤として酸化亜鉛もしくは炭酸亜鉛を用いる点が開示されているにすぎず、塩基性炭酸亜鉛成分を所定量含有する酸化亜鉛については開示されていない。
特開2009−138050号公報 特開2008−037310号公報 特開2007−231190号公報 特開2003−055505号公報 特開平11−012467号公報 特開2001−187647号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、耐酸化劣化性と、スチールコードに対する接着性を向上したゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、塩基性炭酸亜鉛成分を所定量含有する酸化亜鉛を用いることにより、耐酸化劣化性とスチールコードに対する接着性を向上できることを見い出した。
すなわち、本発明の第1実施形態に係るゴム組成物は、塩基性炭酸亜鉛成分を10〜21質量%含有し、かつBET法による窒素吸着比表面積が10〜100m/gである酸化亜鉛を、ジエン系ゴムからなるゴム成分に配合してなるものである。第2実施形態に係るゴム組成物は、塩基性炭酸亜鉛成分を含有し、800℃、1時間の加熱条件における灼熱減量が3〜5.9質量%であり、かつBET法による窒素吸着比表面積が10〜100m/gである酸化亜鉛を、ジエン系ゴムからなるゴム成分に配合してなるものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、これらのゴム組成物を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、塩基性炭酸亜鉛成分を所定量含有する上記酸化亜鉛を配合することにより、耐酸化劣化性と、スチールコードに対する接着性を向上することができる。
塩基性炭酸亜鉛成分の含有率と耐酸化劣化性((a)耐破壊特性、(b)耐硬化性)との関係を示すグラフ 塩基性炭酸亜鉛成分の含有率と接着性((a)初期接着性、(b)耐熱接着性、(c)耐湿熱接着性)との関係を示すグラフ
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るゴム組成物においては、ゴム成分としてジエン系ゴムが用いられる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、及び/又はジエン系合成ゴムを用いることができる。ジエン系合成ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか一種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。この中でも、伸長結晶化しやすく破壊特性に優れるNRを主成分とすることが好ましく、即ち、NR単独、又は、NR60重量%以上とジエン系合成ゴム40重量%以下とのブレンドを用いることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、塩基性炭酸亜鉛成分を10〜95質量%含有する酸化亜鉛が配合される。このような塩基性炭酸亜鉛成分を特定量含有する酸化亜鉛を用いることにより、老化後の耐破壊特性や耐硬化性といった耐酸化劣化性を向上することができるとともに、スチールコードに対する初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性のバランスを向上して、接着性を向上することができる。塩基性炭酸亜鉛成分の含有率は、より好ましくは10〜50質量%であり、更に好ましくは15〜40質量%である。
本発明において、上記塩基性炭酸亜鉛成分の含有率は、800℃、1時間の加熱条件における灼熱減量より換算される値である。塩基性炭酸亜鉛成分を含有する酸化亜鉛を加熱した場合、300℃以上で塩基性炭酸亜鉛成分が分解して、二酸化炭素と水が放出される。そのため、上記加熱条件での灼熱減量は、酸化亜鉛が塩基性炭酸亜鉛成分を含有することに基づくものであって、該灼熱減量から塩基性炭酸亜鉛成分の含有量を算出することができる。詳細には、塩基性炭酸亜鉛成分が下記化学反応式に従って分解し、灼熱減量がそのとき発生するCOとHOによってのみ生じたと仮定して塩基性炭酸亜鉛成分の含有量を算出する。
Figure 0005512454
熱処理前の酸化亜鉛の質量をC(g)とし、その中に含まれる塩基性炭酸亜鉛成分の含有量をA(g)とし、灼熱減量分の質量をB(g)とすると、上記反応式より、COによる減量分は2×(A/567)×44、HOによる減量分は4×(A/567)×18となり、Bはその合計量であるため、A=3.54×Bとなる。そのため、塩基性炭酸亜鉛成分の含有率X(質量%)は、
X=(A/C)×100=(3.54B/C)×100
により算出される。なお、灼熱減量の測定は、JIS K0067に準拠して、電気炉を用いて測定される。
上記のように本発明で用いる酸化亜鉛における塩基性炭酸亜鉛成分の含有量は、灼熱減量より換算されるものであるため、本発明で用いる酸化亜鉛は、該灼熱減量自体を用いて定義することもできる。すなわち、本発明では、塩基性炭酸亜鉛成分を含有し、かつ上記加熱条件における灼熱減量が3〜26質量%である酸化亜鉛を用いてもよい。灼熱減量は、より好ましくは3〜14質量%であり、より好ましくは4〜11質量%である。
上記酸化亜鉛としては、BET法による窒素吸着比表面積が10〜100m/gであるものが用いられる。窒素吸着比表面積が10m/g未満であると、耐酸化劣化性と、スチールコードに対する接着性の向上効果が不十分となる。逆に、100m/gを超えた場合、酸化亜鉛の分散性に劣る。窒素吸着比表面積は、20m/g以上であることが好ましく、より好ましくは30m/g以上である。BET法による窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−89に規定されるBET法に準じて測定される。
上記のような特定量の塩基性炭酸亜鉛成分を有する酸化亜鉛の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、塩基性炭酸亜鉛を熱処理して酸化亜鉛を製造する方法において、熱処理による分解の程度を適宜に設定することにより、塩基性炭酸亜鉛成分の含有率を調整することができる。より詳細には、酸化亜鉛の製法の1種である湿式法(ドイツ法)の製造工程において、最終処理のか焼の段階で制御することができる。
上記酸化亜鉛の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して1〜25質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。該配合量が少なすぎると、耐酸化劣化性と接着性の向上効果が不十分となるおそれがあり、逆に、配合量が多すぎる場合、接着性の向上効果が損なわれるおそれがある。
本発明に係るゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体を配合することができる。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することにより、上記特定の酸化亜鉛を配合することと相俟って、ゴムとスチールコードの接着性を更に高めることができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、又はレゾルシン−アルキルフェノール共縮合ホルマリン樹脂が好ましく用いられる。
これらフェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が用いられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.2〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、老化後のゴム物性及び接着性を更に向上するために、有機酸金属塩を配合してもよい。有機酸金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、マレイン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩の他に、有機酸ニッケル塩、有機酸モリブデン塩などが挙げられ、この中でも加工性の点からナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。有機酸金属塩の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対し、金属分換算で0.03〜0.40質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、補強剤としてカーボンブラック、シリカなどのフィラーを配合することができる。カーボンブラックとしては、特に制限されることはなく、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF級のカーボンブラックが使用でき、それらの2種以上をブレンド使用してもよい。フィラーの配合量は、特に限定されないが、上記ゴム成分100質量部に対し20〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜80質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、加硫剤としての硫黄が通常配合される。硫黄の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜8質量部である。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などが挙げられ、特に限定されない。
本発明に係るゴム組成物には、加硫促進剤を配合することができる。加硫促進剤としては、特に限定されないが、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)などのスルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく用いられる。加硫促進剤の配合量としては、特に限定されないが、上記ゴム成分100重量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記各成分の他、ゴム組成物に一般に配合される各種配合剤を任意に配合することができる。そのような配合剤としては、例えば、ステアリン酸、ワックス、オイル、老化防止剤、加工助剤などが挙げられ、本発明の目的に反しない範囲で適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができる。このようにして得られるゴム組成物の用途としては、例えば、スチールコードを被覆するためのゴムとして用いられることが好ましい。特に好ましい用途としては、空気入りタイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として使用されるスチールコードの被覆(トッピング)ゴムとして用いることである。このようなスチールコード被覆用ゴム組成物としては、スチールコードと直接接触するゴム組成物には限られず、スチールコードの接着性に影響を与えるゴム組成物であれば、スチールコードを被覆するゴム層に隣接するゴム組成物も含まれる。
空気入りタイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として使用されるスチールコードのトッピングゴムとして用いられる場合、スチールカレンダーなどのトッピング装置によりスチールコードトッピング反を製造し、これをタイヤ補強部材として用いて、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより空気入りタイヤを製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1,2に記載の配合に従って、実施例及び比較例の各ゴム組成物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて、常法に従い混練し調製した。表1,2の各成分の詳細は以下の通りである。なお、下記実施例6〜9は参考例である。
・酸化亜鉛1:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=1.0質量%、灼熱減量=0.28質量%、BET法窒素吸着比表面積=5m/g)
・酸化亜鉛2:住友大阪セメント(株)製「ZnO410」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=6.1質量%、灼熱減量=1.7質量%、BET法窒素吸着比表面積=41m/g)
・酸化亜鉛3:堺化学工業(株)製「FINEX−50」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=9.1質量%、灼熱減量=2.6質量%、BET法窒素吸着比表面積=42m/g)
・酸化亜鉛4:ナカライテスク(株)製「塩基性炭酸亜鉛」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=100質量%、灼熱減量=28質量%、BET法窒素吸着比表面積=123m/g)
・酸化亜鉛5:Silox社製「Active Free Flowing」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=16質量%、灼熱減量=4.5質量%、BET法窒素吸着比表面積=48m/g)
・酸化亜鉛6:Zochem社製「CMM75」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=19質量%、灼熱減量=5.4質量%、BET法窒素吸着比表面積=18m/g)
・酸化亜鉛7:Bruggemann Chemical社製「RAC」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=21質量%、灼熱減量=5.9質量%、BET法窒素吸着比表面積=43m/g)
・酸化亜鉛8:本荘ケミカル(株)製「No.1」(塩基性炭酸亜鉛成分含有率=35質量%、灼熱減量=9.9質量%、BET法窒素吸着比表面積=82m/g)
・天然ゴム:RSS#3
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト300」
・老化防止剤:フレキシス社製「サントフレックス6PPD」
・レゾルシン:住友化学工業(株)製「レゾルシン」
・メラミン誘導体:ヘキサメトキシメチルメラミン、三井サイテック(株)製「サイレッツ963L」
・ステアリン酸コバルト:(株)ジャパンエナジー製「ステアリン酸コバルト」(Co含有率9.5質量%)
・不溶性硫黄:フレキシス社製「ミュークロンHS OT−20」(80重量%が硫黄分)
・加硫促進剤DCBS:N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDZ−G」
上記酸化亜鉛1〜8について、灼熱減量の測定は、JIS K0067に準拠して、電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉「FP310」)により、800℃×1時間で熱処理したときの酸化亜鉛の減量分を測定した。
得られた各ゴム組成物について、耐酸化劣化性として耐破壊特性と耐硬化性を評価するとともに、接着性(初期接着性、耐熱接着性、耐湿熱接着性)を評価した。試験評価方法は、以下の通りである。
・耐破壊特性:150℃×30分の条件で加硫した試験片について、JIS K6251に準拠する引張試験法(3号ダンベル使用)に準じて、老化前破断伸びを測定した。次に、試験片を90℃のギヤーオーブン中、192時間老化させた後、同様にして老化後破断伸びを測定し、老化前破断伸びに対する保持率を求めた。値が大きいほど耐破壊特性に優れる。
・耐硬化性:上記の破断伸びの測定と同様にして、100%モジュラスを測定し、老化前100%モジュラスに対する老化後の100%モジュラスの変化率を求めた。値が小さいほど耐硬化性に優れる。
・初期接着性:黄銅メッキスチールコードを17本/25mm間隔で並べ、シーティングした評価ゴム(厚み=1mm)で挟み込んだコード部材を作成し、該コード部材を2枚重ねて、150℃×30分の条件で加硫して、25mm幅の評価用の試験片を作製した。得られた試験片を島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて2層のスチールコード間の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど初期接着性が良好である。
・耐熱接着性:上記試験片を100℃のオーブン中で96時間、老化させた後、上記初期接着性と同様の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど耐熱接着性が良好である。
・耐湿熱接着性:上記試験片を105℃の飽和蒸気内で96時間放置した後、上記初期接着性と同様の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど耐湿熱接着性が良好である。
Figure 0005512454
Figure 0005512454
結果は表1,2に示す通りであり、従来の酸化亜鉛を用いた比較例1に対し、塩基性炭酸亜鉛成分の含有率が所定量未満の酸化亜鉛を用いた比較例3,4や、炭酸亜鉛の代わりに塩基性炭酸亜鉛を用いた比較例5では、接着性で若干改良効果が見られたものの、その効果は小さく、また耐破壊特性及び耐硬化性の点では改善効果は見られなかった。
これに対し、塩基性炭酸亜鉛成分を特定量含有する酸化亜鉛を用いた実施例では、比較例1に対し、耐破壊特性及び耐硬化性が改善されるとともに、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性も改善されていた。特に、該酸化亜鉛を5〜20質量部配合した実施例1〜9であると、これらの耐酸化劣化性と接着性が顕著に改善されていた。
図1,2は、酸化亜鉛の配合量を8質量部に揃えて、上記実施例及び比較例の各評価結果を比べたものである。これから明らかなように、塩基性炭酸亜鉛の含有率は、耐酸化劣化性と接着性の結果に顕著な影響を与えており、同含有率が10〜95質量%、とりわけ10〜50質量%であることにより、これらの特性に優れていた。
本発明のゴム組成物は、例えば、空気入りタイヤの補強材であるスチールコード被覆用ゴムとして特に有用であり、このゴム組成物を用いたゴム−スチールコード複合体は、乗用車用タイヤのベルト層、トラック・バス用などの大型タイヤのベルト、カーカス、チェーハー層などに使用することができる。

Claims (6)

  1. 塩基性炭酸亜鉛成分を10〜21質量%含有し、かつBET法による窒素吸着比表面積が10〜100m/gである酸化亜鉛を、ジエン系ゴムからなるゴム成分に配合してなるゴム組成物。
  2. 塩基性炭酸亜鉛成分を含有し、800℃、1時間の加熱条件における灼熱減量が3〜5.9質量%であり、かつBET法による窒素吸着比表面積が10〜100m/gである酸化亜鉛を、ジエン系ゴムからなるゴム成分に配合してなるゴム組成物。
  3. 前記酸化亜鉛を、前記ゴム成分100質量部に対して1〜25質量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対して、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂0.1〜10質量部と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体0.2〜20質量部と、を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. スチールコード被覆用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項5記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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