JP2009291562A - 遊技盤ユニット、及びパチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊技領域2の右側上部に配置されて遊技領域内に発射された遊技球の勢いを減殺する緩衝面10aを備えた緩衝部材10と、該緩衝面にて跳ね返った遊技球を受ける防護部材5と、を有する遊技盤ユニットにおいて、緩衝部材の緩衝面の角度を、該緩衝面で弾んだ遊技球が重力に抗する非水平方向へ向かうように設定した。
【選択図】図2
Description
遊技領域の外周縁にはガイドレールが立設され、発射装置から発射されて遊技領域に進入した遊技球は遊技領域内を流下するが、発射レバーを最大強さとなるように操作することにより発射(右打ち)された遊技球はガイドレールの上部に沿って右方向へ移動し、遊技領域の右上部分に配置された返しゴムにて跳ね返って遊技領域内に落下して行く。
特許文献1には、右打ちされた遊技球が繰り返し衝突することにより返しゴムの取付け部位が損傷することを防止するための補強構造が開示されている。
特許文献2には、右打ちを行った場合に返しゴムで跳ね返った遊技球を近傍に位置する誘導部材の壁部に導いて球勢を減殺することにより、跳ね返った遊技球が直接遊技釘に衝突してこれを損傷させることを防止するための技術が開示されている。
特許文献3には、右打ちされることによって返しゴムに当たって跳ね返った遊技球を下方に位置する始動口に導くように構成されたパチンコ遊技機において、遊技領域内に打ち込まれた際の遊技球の勢いが強すぎる場合に返しゴムで跳ね返った遊技球が始動口の方向に流下しにくくなる不具合を解消するために、返しゴムで跳ね返った遊技球の動作を規制する板ばねを設けた構成が開示されている。
図8に示すように、遊技盤100の遊技領域101はその外周を外側ガイドレール102によって包囲されている。下方に位置する図示しない発射装置から発射された遊技球は、外側ガイドレール102と内側ガイドレール103とによって形成される遊技球導入経路Pを経て遊技領域内に放出される。外側ガイドレール102の右上部分には、右打ちされた遊技球を受けるための返しゴム105と、返しゴム105で跳ね返った遊技球が左方向の遊技盤面に配置された図示しない盤面部品(例えば、センター役物)を直撃して損傷させることを防止するための防護部材106と、が配置されている。
返しゴム105は、立方体状のゴム片であり、外側ガイドレール102の右上部位にネジ止め固定されている。図9(b)に示すように、返しゴム105の遊技球受け面105aは水平面に対して約60〜70度の範囲となるように設定されている。
ところで、返しゴム105の遊技球受け面105aに当たった遊技球Bは、図8中に示すように横方向へ跳ねて樹脂製の防護部材106の特定部位に衝突するため、同一部位への衝突が繰り返されることにより経時的に防護部材が局所的に破損する。防護部材106はデザイン上の要請から肉厚が薄く構成されているため、遊技球が衝突する部位だけを局所的に厚くする等により補強することはできないのが実情である。
特許文献1、2、3には、このような課題と、この課題を解決する手段については一切開示されていない。
なお、低反発ゴム等の低反発材料を使うことにより遊技球の跳ね返り時の球勢を低減させることはできるが、低反発ゴムは高価であるため、回避される傾向にある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、コストアップを招くことなく、返しゴムにて跳ね返った遊技球が横方向に跳ねて横方向に位置する防護部材に強く衝突して破損させる不具合を解決することができる遊技盤ユニット、及びパチンコ遊技機を提供することを目的としている。
右打ちされた遊技球を受けるために配置された従来の緩衝部材(返しゴム)においては、緩衝部材の緩衝面で跳ね返った遊技球は強い球勢を維持したまま横方向に移動して盤面部品に衝突し、これを損傷することがあった。本発明では、斜め左上方向から落下してきた遊技球を上方、或いは斜め上方に跳ね返らせるように緩衝面の角度を設定したので、跳ね返った遊技球の球勢は重力の作用により減衰し、盤面部品に大きなダメージを与えることが無くなる。特に、遊技球は、盤面部品に対して非直角状態で当接するため、盤面部品に加わるダメージは小さくなる。
請求項2の発明は、緩衝部材の緩衝面の角度が、水平面に対して下向きに4〜30度の角度範囲内であることを特徴とする。
角度範囲を例えばこの範囲に設定することにより、斜め左上方向から落下してきた遊技球は主として斜め左方向、或いは垂直方向へ跳ね返るので球勢が減殺される。
請求項3の発明は、緩衝部材の緩衝面にて跳ね返った遊技球を受ける防護部材を更に備え、前記緩衝面にて跳ね返った遊技球が前記防護部材に対して90度よりも小さい角度、好ましくは45度以下の角度にて当たるように構成したことを特徴とする。
緩衝部材の緩衝面と防護部材が対向配置されている場合には、防護部材の局部が遊技球によって損傷を受けることがあるが、上向きに跳ね返った遊技球が防護部材の面に対して鋭角状に当たる場合には球勢を大幅に低下させて、衝突ダメージを低下できる。
請求項4の発明は、遊技領域の右側上部に沿って配置された外側ガイドレールを備え、 前記緩衝面にて跳ね返った遊技球が前記外側ガイドレールに当たってから落下するように構成したことを特徴とする。
緩衝面にて跳ね返った遊技球が垂直に近い方向に向かう場合には、外側ガイドレールに当たることがある。この場合にも球勢を十分に減殺させた状態で遊技領域に落下させることが可能となる。
緩衝面は平坦面としてもよいが、凹面とすることにより球勢を低減させることができるばかりでなく、跳ね返る方向がばらつくので盤面部品に遊技球が衝突する部位が集中せず、ダメージが局部に蓄積することを防止できる。
請求項6の発明は、緩衝部材の緩衝面に、緩衝用の突起、或いは突条を複数個配置したことを特徴とする。
緩衝面に突起、突条を設けることにより、これらの緩衝作用により球勢を減衰させることが可能となる。
請求項7の発明は、緩衝部材の緩衝面に緩衝用の凹所、溝、或いは、切り込み線を複数個配置したことを特徴とする。
緩衝面に溝、切り込み線を設けることにより、これらの緩衝作用により球勢を減衰させることが可能となる。
請求項8の発明は、緩衝部材を、該緩衝部材よりも弾性係数の小さい弾性部材により支持して、前記緩衝面に衝突する遊技球から加わる応力によって該弾性部材が圧縮変形するように構成したことを特徴とする。
緩衝部材自体の材質を耐久性を有した比較的硬質の材料により構成したとしても、緩衝部材の背面(緩衝面と反対側面)を低弾性係数部材により支持しているので、全体として十分な緩衝効果を発揮させることができ、球勢を減衰させることができる。
請求項9の発明は、緩衝部材、及び前記弾性部材は、ゴム、樹脂、又は金属にて構成されていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至9に記載の遊技盤ユニットを備えたことを特徴とする。
高価な低反発ゴム等を使用する必要がなく、コストを低く維持できる。
図1は本発明を適用したパチンコ遊技機の遊技盤面(遊技盤ユニット)を示す正面図であり、本発明の特徴的な構成をなす緩衝部材とその周辺部分の構成を除いた他の盤面部品については図示を省略している。また、図2(a)及び(b)は緩衝部材の支持構造を示す説明図、及び緩衝部材の緩衝面の角度範囲を示す図である。
遊技盤1の遊技領域2はその外周を外側ガイドレール3によって包囲されている。下方に位置する図示しない発射装置から発射された遊技球は、外側ガイドレール3と内側ガイドレール4とによって形成される遊技球導入経路Pを経て遊技領域内に放出される。外側ガイドレール3の右上部分には、右打ちされた遊技球を受けるための緩衝部材(返しゴム)10が配置され、緩衝部材10の左側には緩衝部材10で跳ね返った遊技球が他の役物に衝突してこれを損傷させることを防止するために防護部材5が配置されている。
緩衝部材10は、立方体状のゴム片であり、外側ガイドレール3の右上部位(支持部3a)にネジ止め固定されている。
本例に係る緩衝部材10は、弾性を有したゴムによって構成されており、右打ちされた遊技球を受けて球勢を減殺させる平坦面状の緩衝面10aを備えている。なお、緩衝部材10として、ゴムの弾性材料、例えば樹脂、或いは金属(板バネ)を用いても良い。
具体的には、図2(b)に示すように、緩衝面10aは水平面に対して下向きに4〜30度の角度範囲に設定されている結果、図1中に示すように緩衝面10aで跳ね返った遊技球Bは重力に抗した上方向(斜め上方向)へ向かう。このため、跳ね返った後の球勢が減殺され、しかも跳ね返った遊技球は防護部材5の面に対して90度よりも十分に小さい入射角度にて当接するため、防護部材面を損傷することがなくなる。
このように、緩衝面の角度範囲を例えば水平面に対して下向きに4〜30度の範囲となるように設定することにより、斜め左上方向から落下してきた遊技球は主として斜め左方向、或いは垂直方向へ跳ね返るので球勢が減殺される。
なお、緩衝面10aの角度範囲が水平或いは、4度未満である場合には、緩衝面の材質にもよるが、緩衝面で一旦上向きに弾んだ遊技球が落下した後で緩衝面上に静止したり滞留することがある。このような不具合を解消するには、緩衝面の角度範囲を4度以上とすることが有効である。
即ち、図8に示したように、従来の返しゴムの緩衝面は、斜め左上方向から進入してきた遊技球を左水平方向、或いは左水平方向よりも若干下方向に跳ね返すように設定されていたため、返しゴム面で跳ね返った際の球勢が重力によって減衰されることなく防護部材に衝突していた。特に、遊技球は防護部材面に対して直角に近い角度で衝突するため、防護部材が局部的に受けるダメージが大きくなる。
更に、緩衝面10aにて跳ね返った遊技球が直接外側ガイドレール3に当たってから落下するように構成することも有効である。即ち、緩衝面にて跳ね返った遊技球が垂直に近い上方向に向かう場合には、外側ガイドレールに当たることがある。この場合には、緩衝面の上方に位置する外側ガイドレール3との衝突によって球勢が十分に減殺されるので、他の盤面部品にダメージを与えることなく遊技領域に落下する。
上記実施形態では緩衝面10aを平坦面とした場合について説明したが、緩衝面10aを、図3に示すように曲面状の凹面としてもよい。
即ち、本実施形態の緩衝部材10では、図1、及び図2に示した上向きに傾斜した緩衝面10aを凹面状に構成している。
上向きに傾斜した緩衝面10aを更に凹面とすることにより、遊技球が凹面に突き当たった際に球勢が減殺されると共に、緩衝面にて跳ね返る遊技球の方向が微妙にばらつきを起こし易くなり、防護部材の特定箇所に集中して衝突することがなくなる。即ち、緩衝面を凹面とした場合には、遊技球が緩衝面に当たる位置や、進入角度の僅かな違いによって跳ね返り方向が異なり、その結果、遊技球が当たる防護部材の部位がばらつく。このため、防護部材が局所的に損耗、破損して耐久性が早期に低下するという不具合がなくなる。しかも、緩衝面10aは上向きに傾斜した平坦面を凹状に構成しているため、遊技球の跳ね返り方向は重力に抗した上向き方向となり、重力によって更に球勢が減殺される。
本例に係る緩衝部材10は、緩衝面10aに多数の小突起15を分散配置して緩衝効果を高めているので、強い勢いで衝突した遊技球の球勢を小突起15の緩衝作用によって効果的に減殺させて防護部材に衝突する際の衝撃を緩和することができる。特に、緩衝面10aの傾斜角度を、跳ね返った遊技球が重力に抗して上昇するように設定したので、緩衝効果は更に高まる。なお、各小突起15の突出長は同一である必要はなく、バラツキを持たせることにより遊技球の跳ね返り方向をばらつかせて防護部材面の局所に遊技球が集中して衝突することを防止できる。
各小突起15の頂部は、平坦としてもよいし、曲面状としてもよい。また、小突起は円筒状、多角柱状、円錐、多角錐状、その他、任意の形状としてもよい。
また、小突起に代えて、図示しない長尺な突起(突条)を任意の個数、任意の配置で設けるようにしても良い。
即ち、緩衝面に小突起を設ける代わりに、凹所16を設けることによっても遊技球の球勢を減殺することが可能となる。凹所の断面形状は、筒状、錐状等々、任意の形状とすることができる。
また、図6に示すように、緩衝面10aに、複数本の溝、或いは切り込み線17をマトリックス状に形成したり、平行に配置してもよい。
緩衝面10aに切り込み線17を設けることによっても遊技球の球勢を減殺することが可能となる。
図7(a)は緩衝面10aを有したゴム等からなる緩衝部材10の背面側にスポンジ、その他、緩衝部材10よりも弾性係数の小さい弾性部材20を配置して緩衝部材単体では得られない緩衝力を得るようにしている。緩衝部材10は、支持部3a上に支持された弾性部材20の前面に添設一体化されているため、緩衝部材の緩衝面10aに遊技球が衝突した際には弾性部材20がいち早く弾性変形して緩衝作用を発揮して遊技球の球勢を低減させることができる。このため、緩衝面10aで跳ね返った遊技球が防護部材5に与えるダメージを低減することができる。
図7(b)は弾性部材20としてコイルバネを使用した点以外は、図7(a)と同じである。
図7(a)(b)の実施形態によれば、遊技球と直接接触する緩衝部材10として耐久性を有した比較的硬質の弾性部材を使用する一方で、弾性係数の低い弾性部材20によりこの緩衝部材10を支持するようにしたので、遊技球に対する十分な緩衝力を得ることができる。従って、緩衝部材10としては、ゴムの他に、樹脂、金属板等を使用することが可能となる。
図7の実施形態と、図4乃至図7の各実施形態とを組み合わせても良い。
なお、図4、図5、図6、図7の実施形態のように緩衝部材10による緩衝効果を高めた場合には、緩衝面10aの傾斜角度を図8に示した従来の返しゴムの傾斜角度と同様にしたとしても、跳ね返って防護部材に衝突する遊技球の球勢を低減できる効果を得ることができる。
緩衝面は平坦面であってもよいし、凹面であってもよい。凹面とすることにより球勢を低減させることができるばかりでなく、跳ね返る方向がばらつくので盤面部品に遊技球が衝突する部位が集中せず、ダメージが局部に蓄積することを防止できる。
また、緩衝面に突起、突条、溝、切り込み線、を設けることにより、これらの緩衝作用により球勢を減衰させることが可能となる。
また、緩衝部材自体の材質を耐久性を有した比較的硬質の材料により構成したとしても、緩衝部材の背面(緩衝面と反対側面)を低弾性係数部材により支持しているので、全体として十分な緩衝効果を発揮させることができ、球勢を減衰させることができる。
Claims (10)
- 遊技領域の右側上部に配置されて遊技領域内に発射された遊技球の勢いを減殺する緩衝面を備えた緩衝部材を有する遊技盤ユニットにおいて、
前記緩衝部材の緩衝面の角度を、該緩衝面で弾んだ遊技球が重力に抗する非水平方向へ向かうように設定したことを特徴とする遊技盤ユニット。 - 前記緩衝部材の緩衝面の角度が、水平面に対して下向きに4〜30度の角度範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の遊技盤ユニット。
- 前記緩衝部材の緩衝面にて跳ね返った遊技球を受ける防護部材を更に備え、前記緩衝面にて跳ね返った遊技球が前記防護部材に対して90度よりも小さい角度、好ましくは45度以下の角度にて当たるように構成したことを特徴とする請求項1、又は2に記載の遊技盤ユニット。
- 前記遊技領域の右側上部に沿って配置された外側ガイドレールを備え、
前記緩衝面にて跳ね返った遊技球が前記外側ガイドレールに当たってから落下するように構成したことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の遊技盤ユニット。 - 前記緩衝部材の緩衝面は、平坦面、或いは、凹面であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技盤ユニット。
- 前記緩衝部材の緩衝面に、緩衝用の突起、或いは突条を複数個配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技盤ユニット。
- 前記緩衝部材の緩衝面に緩衝用の凹所、溝、或いは、切り込み線を複数個配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の遊技盤ユニット。
- 前記緩衝部材を、該緩衝部材よりも弾性係数の小さい弾性部材により支持して、前記緩衝面に衝突する遊技球から加わる応力によって該弾性部材が圧縮変形するように構成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の遊技盤ユニット。
- 前記緩衝部材、及び前記弾性部材は、ゴム、樹脂、又は金属にて構成されていることを特徴とする請求項8に記載の遊技盤ユニット。
- 請求項1乃至9に記載の遊技盤ユニットを備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
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