JP2013198778A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技領域に設けられ遊技球が衝突する緩衝部材を有する遊技機において、同緩衝部材における緩衝機能を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、遊技領域81が形成された遊技盤80を備えている。遊技盤80には、遊技球発射機構から発射された遊技球を案内する外レール102が設けられている。外レール102の端部102a近傍には、同外レール102に沿って移動した遊技球が衝突する第1緩衝機構250が設けられている。第1緩衝機構250は返しゴム270とゴムシート310とを有している。遊技球の衝突によって返しゴム270がゴムシート310側に変位し、その変位によってゴムシート310が圧縮される。ゴムシート310が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間は、返しゴム270が遊技球衝突前の位置に復帰するのに要する期間よりも短く設定されている。
【選択図】 図15

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種であるパチンコ機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体が設けられている。遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種遊技部品が配設されており、遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が入賞口や入賞装置などに入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される。
近年では、上記遊技領域に絵柄表示装置等を配置するとともに、その絵柄表示装置を挟んでその左右に遊技領域を形成し、右側の遊技領域に遊技球を打ち出すことが好ましい遊技状態と、左側の遊技領域に遊技球を打ち出すことが好ましい遊技状態とが設定された遊技機が提案されている。このような遊技機においては、遊技状況に応じて遊技球を流下させるべき領域を変えることにより、遊技の多様化が図られている。例えば、ある条件下で特定の場所に向けて遊技球を打ち出す(いわゆる“右打ち”をする)構成を採用することにより、遊技者にとって有利な状態で遊技を進行できるようにし、更なる興趣向上が図られているものがある。このような遊技球が到達する確率が高くなり得る場所には、返しゴム等の緩衝部材が配置されることが多い。例えば、枠体の段差部に緩衝部材を取り付け、その緩衝部材により遊技球を遊技領域の中央側に向けて跳ね返すようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。これにより、遊技球が過度の勢いを保ったまま遊技領域を流下するといった不都合が回避され、遊技領域に配された各種構成の破損や故障等を抑制することが可能となる。
特開2008−12184号公報
上記緩衝部材を有する構成においては、遊技球の繰り返しの衝突に備えるべく、衝突後には衝突によって蓄えられた付勢力(復帰力)により衝突前の状態に復帰するように設定されていることが多い。このような緩衝部材の復帰を前提とした構成においては、その付勢力と緩衝機能との間に相関が生じやすくなると考えられる。例えば、都度の遊技球の衝突に対応するため付勢力を強めた場合には、遊技球の緩衝レベルが低下しやすくなると想定され、緩衝レベルを高めるため付勢力を弱めた場合には、遊技球の衝突に対して緩衝部材の復帰が追いつかなくなり都度の遊技球の衝突に対して緩衝機能が十分に発揮されなくなり得る。
以上の事例等から、緩衝部材を有する構成においては、未だその緩衝機能の向上に改善の余地があるものと考えられる。
本発明は、上記事情等に鑑みてなされたものであり、遊技領域に設けられ遊技球が衝突する緩衝部材を有する遊技機において、同緩衝部材における緩衝機能を向上させることのできる遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、
前面に遊技領域が形成されている遊技盤と、
操作部が遊技者により操作されていることに基づいて所定の間隔で遊技球を前記遊技領域へ発射する遊技球発射装置と、
前記遊技球発射装置から発射された遊技球を所定位置に案内する案内部と、
前記所定位置に設けられ遊技球が衝突する球衝突部を有し、同球衝突部に対して遊技球が衝突した場合に当該球衝突部が変位することで衝撃を吸収し、且つその変位に基づいて蓄えられた付勢力により前記球衝突部が遊技球衝突前の位置へ復帰する第1緩衝部材と、
前記第1緩衝部材の球衝突部の変位に応じて弾性変形することで遊技球の衝突によって発生する衝撃を吸収するとともに、遊技球衝突前の状態へ復帰する付勢力を蓄える第2緩衝部材と
を備え、
前記案内部によって前記球衝突部に案内された遊技球が衝突することにより同遊技球の衝突方向に前記球衝突部が変位した後、同球衝突部が元の位置に復帰するのに要する期間は、前記遊技球発射装置の発射間隔よりも小さくなるように設定され、
前記第2緩衝部材が自身の付勢力によって遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間が、前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間よりも長くなり、且つ前記球衝突部への先の遊技球の衝突から次の遊技球が衝突する前に、衝突前の状態に復帰するように設定されていることを特徴とする。
遊技領域に設けられ遊技球が衝突する緩衝部材を有する遊技機において、同緩衝部材における緩衝機能を向上させることができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 本体枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 本体枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。 主制御装置ユニットの構成を示す斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 緩衝ユニットの分解斜視図である。 (a)緩衝ユニットの正面図、(b)図15(a)のA−A線部分断面図である。 第1緩衝機構の動作説明図である。 (a)センターフレームの正面図、(b)センターフレームの斜視図である。 センターフレームを正面側から見た分解者視図である。 センターフレームを背面側から見た分解斜視図である。 図17(b)のB−B線断面図である。 図17(a)のC−C線断面図である。 第2緩衝機構の動作説明図である。 右側遊技領域における遊技球の流下態様の一例を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2緩衝機構の変形例を示す概略図である。 第1緩衝機構の変形例を示す概略図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の背面側には、木製の合板及び同合板の前側の板面を覆うシート材からなる遊技盤80が設けられている。遊技盤80は、樹脂ベース71に対して着脱可能に取り付けられており、その前面(詳しくはシート材の前面)には、遊技球が流下する遊技領域81が形成されている。この遊技領域81は、樹脂ベース71の中央部に形成された略楕円形状の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。以下、図7に基づき遊技盤80について説明する。図7は、遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口82、可変入賞装置83a,83b、作動口84a,84b、スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83a,83b及び作動口84a,84bに遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域81から排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘88が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘88や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口82等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
可変表示ユニット86は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口84a,84bが配置されている。より詳しくは、作動口84a,84bは、作動口84aを上側、作動口84bを下側として上下に並設されている。可変表示ユニット86及び作動口84a,84bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット86及び作動口84a,84bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変入賞装置83a,83bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83a,83bの開放態様は、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83a,83bが繰り返し開放されるように設定されている。
可変表示ユニット86は、作動口84a,84bへの入賞をトリガとして絵柄を可変表示する絵柄表示装置90を備えている。絵柄表示装置90は、液晶ディスプレイ(表示画面90a)を備えた液晶表示装置として構成されており、その表示画面90aが遊技盤80よりも後側となるように当該遊技盤80に対して後方にオフセットして配置されている。遊技盤80には、この表示画面90aに対応する開口80aが形成されており、同開口80aを介して表示画面90aが露出している。
絵柄表示装置90は、後述する表示制御装置により表示内容が制御されている。具体的には、表示画面90aにおいては、上段、中段及び下段に並べて絵柄が表示され、これらの絵柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの絵柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行されることとなる。なお、表示画面90aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左、中及び右に並べて絵柄を表示し、それら絵柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット86は、絵柄表示装置90を囲むようにして形成されたセンターフレーム91を備えている。センターフレーム91は、上記開口80aに沿って延びる略環状をなしており、遊技盤80に対して当接した状態で固定されている。センターフレーム91の前端部は、遊技盤80の前面よりもパチンコ機10前方、すなわち遊技領域81側に延出している。これにより、絵柄表示装置90の表示画面90aの前方を遊技球が流下することを回避している。故に、流下する遊技球が表示画面90aに重なり、同表示画面90aの視認性が低下するといった不都合が生じにくくなっている。
センターフレーム91には、同センターフレーム91の外側を流下する遊技球を当該センターフレーム91によって囲まれた全領域のうち表示画面90aの下側となる下側領域へと案内する第1案内通路92が形成されている。第1案内通路92は、いわゆるワープ通路を構成しており、その入口92aはセンターフレーム91の外側に開放されているとともに、その出口92bがセンターフレーム91の内側に開放されている。入口92aに入った遊技球は、出口92bから排出され、センターフレーム91によって囲まれた領域に設けられたステージフレーム93に到達することとなる。
ステージフレーム93は、表示画面90aよりも下方且つ作動口84aよりも上方となる位置に配置されており、センターフレーム91に対して結合されることで、同センターフレーム91と一体化されている。ステージフレーム93は、表示画面90aと遊技盤80の前面とのギャップ(前後方向における段差部分)を埋めるように設けられており、その上面には遊技球1個のみが左右方向に転動できる程度の幅を有してなるステージ面94が形成されている。
ステージ面94は、左右に延びており、その左右両側の端部から中央に向けて緩やかに下り傾斜した曲面状をなしている。ステージ面94の一端部側には、上記第1案内通路92の出口92bが配置されており、その出口92bから排出された遊技球は同ステージ面94上を転動する構成となっている。また、ステージ面94の中央部分には、詳しくは作動口84aの上方となる部分には、ステージ面94上を転動する遊技球の一部を作動口84aに導く第2案内通路95が形成されている。遊技球は、この第2案内通路95を通過することで作動口84aに導かれやすくなっている。なお、ステージフレーム93は、表示画面90aよりも下側に位置しており、ステージ面94上を流下する遊技球の表示画面90aに対する重なりが抑制されている。これにより、ステージフレーム93上を転動する遊技球によって表示画面90aの視認性が低下するといった不都合を生じにくくしている。
センターフレーム91の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム91の上部及びステージフレーム93にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。ステージフレーム93に配された下側の保留ランプ部98は、絵柄表示装置90及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。センターフレーム91に配された上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
再び図6を用いて説明すれば、樹脂ベース71における窓孔76の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域81に向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構113と、それら各種構成111,112,113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。遊技球発射機構110は、ベースプレート114が本体枠13の樹脂ベース71に対してネジ等の締結具により固定されることにより、遊技機主部12に対して一体化されている。
遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向、すなわち発射レール112のレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域81、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。なお、本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル18が操作されていることを条件として0.6sec毎に発射制御信号が出力される。つまり、1分間に凡そ100個の遊技球が発射される。
誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって挟まれた領域により遊技球の誘導通路103が形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側に開放された入口部分104と、遊技領域81に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→入口部分104→出口部分105の順に移動することにより遊技領域81に案内される。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域81内に射出された遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材108が取り付けられている。このように逆戻り防止部材108を設けることにより、先んじて遊技領域81に至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
図6に示すように、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間が設けられおり、この隙間より下方にはファール球通路55が配設されている。ファール球通路55は、前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域81まで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球は上記隙間を介してファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には本体側上皿通路と本体側下皿通路とが形成されている。本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図5参照)。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、遊技盤80の背面の構成を説明する。図9は遊技盤80を後方より見た斜視図、図10は遊技盤80から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム91及びステージフレーム93を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した絵柄表示装置90が取り付けられるとともに、その絵柄表示装置90を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら絵柄表示装置90及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(絵柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤80の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83a,83b、作動口84a,84bの遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤80の下方に集合する。遊技盤80の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤80表側の一般入賞口82と対応する位置に入賞口スイッチ152が設けられ、可変入賞装置83a,83bと対応する位置にカウントスイッチ153a,153bが設けられ、作動口84a,84bに対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。なお、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の左右両側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
図9等に示すように、遊技盤80の背面には、集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されている。具体的には、排出通路盤203は、上述した集合板ユニット150等によって回収された遊技球が排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出されるように構成されている。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
本実施の形態においては、遊技球発射機構110から発射された遊技球が勢いよく遊技領域81内に到達し、それら遊技球が衝突した場合に同遊技球の勢いを減じる第1緩衝機構250を備えていることを特徴の一つとしている。以下、図6等に基づき、第1緩衝機構250及びそれに付随する構成について詳しく説明する。
既に説明したように、遊技球発射機構110から発射された遊技球は、誘導レール100の誘導通路103を通過することにより遊技領域81に到達する。誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域81の略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
外レール102は、その片側の端部が誘導通路103の出口部分105から延出するように形成されている。具体的には、内レール101において出口部分105を構成している側の端部101aが遊技領域81における可変表示ユニット86よりも左側の領域(以下、左側遊技領域81Lと称する)に位置している一方、外レール102において出口部分105を構成している側の端部102aは遊技領域81における可変表示ユニット86よりも右側の領域(以下、右側遊技領域81Rと称する)に位置している。言い換えれば、内レール101の端部101aと外レール102の端部102aとは遊技領域81の両側、すなわち可変表示ユニット86を挟んだ両側に離間して存在している。
遊技球発射機構110から発射される遊技球の飛翔速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量に基づいて決定され、都度の到達位置がその操作量に依存して変更される構成となっている。つまり、上述の如く外レール102が出口部分105よりも延出していることにより、遊技球が外レール102から離間する位置を遊技球発射ハンドル41の操作量によって調節可能となっている。具体的には、遊技球発射ハンドル41の操作量を小さくすることにより左側遊技領域81Lへ遊技球を誘導したり、遊技球発射ハンドル41の操作量を大きくすることにより右側遊技領域81Rへ遊技球を誘導したりすることが可能となっている。
外レール102の端部102aの近傍に、上述した第1緩衝機構250が設けられている。第1緩衝機構250は、遊技盤80に配された緩衝ユニット260を備えている。以下、図6,図7,図10,図14及び図15を用いて、緩衝ユニット260について詳しく説明する。図14は緩衝ユニット260を分解して示す分解斜視図、図15(a)は緩衝ユニット260の正面図、図15(b)は図15(a)のA−A線部分断面図である。
図14に示すように、緩衝ユニット260は、外レール102に沿って移動(飛翔)する遊技球が衝突することにより同遊技球の勢いを減じるブロック状の返しゴム270と、同返しゴム270を変位可能な状態で保持するホルダ280とを備えている。
ホルダ280は、遊技盤80に対する取付部としてのベース部281と、遊技盤80の前方から返しゴム270を囲む囲み部284とによって構成されている。ベース部281は、遊技盤80と対向する略平板状をなしており、遊技盤80に形成された凹部80bに嵌まっている。図15(b)に示すように、凹部80bの深さ寸法は、ベース部281の板厚寸法以下となるように設定されている。これにより、外レール102に沿って移動してきた遊技球がベース部281の縁部等に支えるといった不都合が生じにくくなっている。
ベース部281には自身の板厚方向に貫通する貫通孔が複数形成されている。これら貫通孔に挿通されたネジが遊技盤80に対して螺着されることにより緩衝ユニット260と遊技盤80とが一体化されている。なお、貫通孔は、遊技盤80の正面側に拡径された段付き円筒状をなしており、ネジの頭部が同貫通孔の拡径部分に収容される構成となっている。これにより、ベース部281の表面からのネジの突出が抑えられ、ネジと遊技球との衝突が回避されている。
ベース部281の略中央には返しゴム270が嵌まる開口282が形成されており、同開口282を介して返しゴム270が遊技盤80に当接している。この開口282を遊技盤80の前方から覆うようにして前記囲み部284が形成されている。具体的には、ベース部281から遊技盤80とは反対側に起立し、開口282を挟んで相対向する一対の側壁部285,286と、それら側壁部285,286の起立先端部分を繋ぐとともに、遊技盤80に対して返しゴム270を挟んで対向する対向壁部287とが形成されており、これら各壁部285〜287によって囲み部284が構成されている。
ホルダ280は、各壁部285〜287の内壁面が返しゴム270の周面270aに対して当接する状態で、各壁部285〜287が外レール102の端部102aにおける接線TL(詳しくは遊技盤80と平行に延びる接線TL、図15参照)と同じ方向に延びる向きで設置されている。これら各壁部285〜287によって返しゴム270の変位方向が制限されている。言い換えれば、それら壁部285〜287によって、同返しゴム270の変位方向が、接線TLと同じ方向となるように規定されている。なお、各壁部285〜287の内壁面と返しゴム270の周面270aとの間に僅かなクリアランスを設けることも可能である。
また、囲み部284は、外レール102側とその反対側との両側に開放されている(以下便宜上、それら開放されている部分を開放部288,289と称する)。それら各開放部288,289は、返しゴム270の前記接線TL方向への移動を許容する大きさを有しており、それら開放部288,289を介して返しゴム270の両端部のうち少なくとも1方が囲み部284の外部に突出している。
緩衝ユニット260は、遊技球の衝突に基づいて返しゴム270が変位した後、同返しゴム270を変位前の位置(以下、初期位置と称する)に復帰させる構成を備えている。ここで、図14及び図15に基づき、返しゴム270の初期位置復帰に関する構成について説明する。
図14に示すように、遊技盤80の上記凹部80bには、緩衝ユニット260側に突出する円柱状の軸体295が設けられている。軸体295は、遊技盤80の前面に対して直交する方向に延びており、遊技盤80に形成された貫通孔80cに対して遊技盤80の背面側から挿通された状態で同遊技盤80に固定されている(図15(b)参照)。
返しゴム270には、軸体295が挿通される挿通孔272が設けられている。挿通孔272は、両側壁部285,286の中間位置に配されており、その中心軸線が軸体295の中心軸線と同一方向となるように形成されている。また、図15(b)に示すように、挿通孔272は、遊技盤80側端面とホルダ280の対向壁部287側端面との間で貫通しており、軸体295の先端部が対向壁部287側に突出している。挿通孔272から突出した軸体295の先端部は、対向壁部287に形成された有底の穴部に嵌合している。このように、遊技盤80と同遊技盤80に固定されたホルダ280とによって軸体295の両端部を支えることにより、当該軸体295の倒れ等が抑制されている。
図15(a)に示すように、挿通孔272は、ホルダ280によって規定された返しゴム270の変位方向と同一方向に延びる長孔状をなしており、その幅寸法が外レール102に近づくに従って徐々に小さくなるように形成されている。具体的には、挿通孔272は、孔径(幅寸法)が軸体295の外径寸法と同等となるように設定された大径部273と、その大径部273よりもレール102寄りに位置し且つ同大径部273よりも孔径の小さな小径部274と、それら大径部273及び小径部274を滑らかに繋ぐとともに、幅寸法が大径部273から小径部274に向けて小さくなっている繋ぎ部275とによって構成されている。返しゴム270は、遊技盤80に組み付けられた状態にて大径部273に軸体295が嵌まることにより、上述した初期位置に配置される。なお、このように挿通孔272において軸体295が嵌まりやすい部分を限定することで、軸体295に対して返しゴム270を組み付ける際の作業ばらつきが抑えられやすくなっている。
一方、小径部274においては、その孔径(幅寸法)が軸体295の外径寸法の半分程度となるように設定されている。このため、遊技球衝突時の返しゴム270の変位により、小径部274に軸体295が嵌まり込む場合には、同小径部274が軸体295によって拡張される。このような小径部274の変形によって、軸体295と挿通孔272とが強干渉するとともに、軸体295を大径部273側に押す力が生じることとなる。上述の如く軸体295は固定されているため、返しゴム270に対して初期位置側への変位を促がす反力が生じる。この反力、すなわち返しゴム270の弾性力に基づいて、同返しゴム270が初期位置に復帰する。なお、挿通孔272の内周面には低摩擦コーティングが施されている。このコーティングによって、軸体295及び挿通孔272の摺動抵抗が低減され、返しゴム270の変位が円滑化されている。
返しゴム270が初期位置に配置されている状態では、囲み部284における外レール102側の開放部288から返しゴム270の端部が突出している。この突出している端部には、外レール102によって案内された遊技球が衝突する球衝突部276が形成されている。球衝突部276は、外レール102の端部102aよりも先側に位置し、外レール102に沿って移動する遊技球の移動経路PLの延長線上に配されている。また、球衝突部276は、外レール102の端部102a側を向く面状、すなわち移動経路PLの延長線と交差する面状をなしている。より詳しくは、球衝突部276は、上記接線TLと同一方向を向く平面状をなしている。
この球衝突部276に対して遊技球が衝突することにより、返しゴム270が自身の収縮を伴いながら接線TL方向に変位し、同遊技球の勢いが弱められることとなる。なお、返しゴム270をゴム以外の材料によって形成することも可能である。例えば、ウレタンやシリコン等によって形成してもよい。
本体枠13において、緩衝ユニット260に対して遊技球の衝突方向における先側には、返しゴム270(詳しくは球衝突部276と反対側の端部)に対して当接することにより同返しゴム270の変位を阻止するストッパ300が設けられている。
ストッパ300は、遊技球の衝突に基づいて返しゴム270が変位した場合に同返しゴム270が衝突するゴムシート310と、返しゴム270から同ゴムシート310を介して伝播する衝突荷重を受ける荷重受け部77とを備えている。荷重受け部77は、窓孔76の開口縁から遊技領域81側に張り出すとともに、同窓孔76に沿って上下に延びるように本体枠13に対して一体成形されている(図6参照)。荷重受け部77における緩衝ユニット260側の片側の端部には、遊技盤80の前面から起立する起立面が形成されている。起立面は、遊技球の衝突によって返しゴム270が押される方向において同返しゴム270の先側に位置しており、返しゴム270に対して所定の隙間を隔てて対峙している。この起立面に対して、ゴムシート310が固定されている。
ゴムシート310は、荷重受け部77の起立面に対して平行となるように形成されている。返しゴム270には、そのゴムシート310に対して若干の隙間を隔てて対向する対向部277が形成されている。対向部277は平面状をなしており、上述した隙間がゴムシート310と対向部277とが対向している全範囲で一定となるように構成されている。また、その隙間は、返しゴム270が初期位置から変位することに基づいて、すなわち軸体295が大径部273に嵌まった状態から小径部274に嵌まった状態へと移行される途中にてゴムシート310と対向部277とが当接するように設定されている。
本実施の形態においては特に、荷重受け部77の起立面は、可変表示ユニット86と反対側を向き、且つ遊技盤80の正面視において接線TLに対して斜めに傾くように形成されている。ゴムシート310の板面及び返しゴム270の対向部277についても同様に、遊技盤80の正面視において接線TLに対して斜めに傾くように形成されている。このため、遊技球衝突時に、返しゴム270→ゴムシート310→荷重受け部77に伝わった力は、荷重受け部77にて複数の異なる方向に分散されやすくなっている。
以上詳述した緩衝ユニット260及びストッパ300によって、上記第1緩衝機構250が構成されている。ここで、図16に基づき遊技球衝突時の第1緩衝機構250の動作について詳細に説明する。図16は第1緩衝機構250の動作を示す概略図であり、遊技球が第1緩衝機構250の返しゴム270に対して衝突した場合、同第1緩衝機構250は図16(a)→図16(b)→図16(c)→図16(d)の順に動作する。
図16(a)に示すように、遊技球発射機構110によって打ち出された遊技球のうち外レール102に沿って当該外レール102の端部102aに至った遊技球Bは、同端部102aから離れた後、返しゴム270の球衝突部276に衝突する。返しゴム270は、遊技球によって球衝突部276が同遊技球の進行方向(すなわち接線TL方向)に押されることにより、圧縮変形(弾性変形)を伴いながらストッパ300に向けてスライド移動する。
返しゴム270のスライド移動に伴って、挿通孔272も同方向に移動する。これにより、軸体295が大径部273→繋ぎ部275→小径部274に移り、挿通孔272が軸体295の外形に合わせて押し広げられることとなる。このような挿通孔272の変形に基づいて、返しゴム270を初期位置に向けて押し戻す力が発生する。つまり、返しゴム270が自身の弾性力によって初期位置に向けて付勢された状態となる。
返しゴム270の移動量が所定量に達すると、図16(b)に示すように返しゴム270がゴムシート310に衝突し、同ゴムシート310が荷重受け部77に向けて押される。これにより、ゴムシート310が圧縮されることとなる(図16(c)参照)。この際、遊技球Bと返しゴム270の衝突によって発生した衝突荷重の一部が返しゴム270→ゴムシート310→荷重受け部77の順に伝わる。これにより、上記荷重が遊技盤80側と本体枠13側とに分散され、緩衝ユニット260に対する衝突荷重の集中が回避される。
その後、返しゴム270は自身の弾性力により初期位置に復帰し、ゴムシート310についても同様に自身の弾性力により元の状態(形状)に復帰する。これにより、次の遊技球の衝突に対する準備が完了する(図16(d)参照)。返しゴム270の初期位置復帰について詳述すれば、挿通孔272が復元することにより、挿通孔272の内壁面によって軸体295が押される。既に説明したように軸体295は遊技盤80に対して固定されているため、軸体295を押すことによって発生する反力により、返しゴム270が外レール102側にスライド移動する。このようなスライド移動により、軸体295と挿通孔272との相対位置が変化し、上述した反力が徐々に弱まる。そして最終的に、軸体295が大径部273に嵌まり、返しゴム270が初期位置に復帰することとなる。
本実施の形態においては特に、上述の如くゴムシート310を返しゴム270よりも低反発な材料を用いて形成したことで、ゴムシート310の復帰に要する期間を返しゴム270の復帰に要する期間よりも長くしている。つまり、図16(c)→図16(d)の過程においては、返しゴム270が早々にゴムシート310から離間し、それら返しゴム270及びゴムシート310が独立して復帰する。これにより、ゴムシート310の弾性力(復元力)が返しゴム270に伝わり、同返しゴム270が押し戻されることを抑制している。
また、仮に返しゴム270の復帰に遅れが生じた場合には、ゴムシート310によって返しゴム270が押されると想定される。上述したように対向部277及び荷重受け部77は、接線TL方向とは異なる方向、具体的には可変表示ユニット86とは反対側を向いている。より詳細には、荷重受け部77は、ホルダ280の両側壁部285,286のうち一方側(具体的には側壁部285側)に傾いている。このため、ゴムシート310によって押された力は、球衝突部276に向くのではなく、ホルダ280の側壁部285に向けて伝わることとなる。つまり、返しゴム270は側壁部285に押し付けられることとなる。これにより、ゴムシート310に押された返しゴム270が過度に早く初期位置に復帰することを抑制できる。故に、返しゴム270から跳ね返った遊技球を球衝突部276が押すといった不都合を生じにくくしている。これと類似の効果は、返しゴム270及びゴムシート310が当接した際にも発揮される。すなわち、それら返しゴム270がゴムシート310に衝突することにより、ゴムシート310から返しゴム270に伝わる反力は、ホルダ280の側壁部285側に向くこととなる。つまり、このような反力が大きくなることに起因して遊技球の減勢機能が低下することを回避している。
なお、遊技球が球衝突部276に衝突した際の返しゴム270の挙動について補足すると、外レール102に沿って飛翔した遊技球Bは、球衝突部276において一方の側壁部286側に偏倚した位置に当たりやすくなっている。既に説明したように、挿通孔272(軸体295)は、両側壁部285,286の中間位置に配されている。このため、返しゴム270には、軸体295を中心とした回転モーメントが発生し、返しゴム270は、両側壁部285,286に押し付けられることとなる。このように返しゴム270に加わった力の一部をホルダ280に伝えることで、軸体295に衝突荷重が集中することを回避するとともに、遊技球Bに対する反力(すなわち反発力)が同遊技球Bに対して過度に直接的に作用することを抑制している。
以上詳述した第1緩衝機構250によって減勢された遊技球は、可変表示ユニット86外縁を構成するセンターフレーム91に向けて、詳しくはセンターフレーム91において右側遊技領域81Rを挟んで緩衝ユニット260と対向している部分(以下、特定部位SPと称する)に向けて反射される。センターフレーム91における特定部位SPには、遊技球の衝突による衝撃を緩和する第2緩衝機構330が設けられている。以下、図7,図17〜図21に基づきセンターフレーム91に関して補足説明し、その後、第2緩衝機構330及びそれに関連する構成について説明する。図17(a)はセンターフレーム91の正面図、図17(b)はセンターフレーム91を正面から見た斜視図、図18はセンターフレーム91を正面側から見た分解斜視図、図19はセンターフレーム91を背面側から見た分解斜視図、図20は図17(b)のB−B線断面図、図21は図17(a)のC−C線断面図である。
センターフレーム91は、遊技盤80の開口80aに沿って形成された略環状の裏側フレーム構成体331(図17参照)と、その裏側フレーム構成体331をパチンコ機10の正面側から覆う複数の表側フレーム構成体351〜357(図7参照)とが組み合わされてなる。なお、図17においては表側フレーム構成体351以外の表側フレーム構成体352〜357を省略して示している。それら図示を省略した表側フレーム構成体352〜357に関しては図7を参照されたい。
図18に示すように、裏側フレーム構成体331は、遊技盤80の前面に対向するベース部332を有している。ベース部332は、遊技盤80と平行な略板状をなしており、同遊技盤80の前面に対して面接触している。ベース部332に形成された複数の貫通孔にネジが挿通され、それらネジが遊技盤80に対して螺着されることにより、裏側フレーム構成体331と遊技盤80とが一体化されている。
ベース部332には、パチンコ機10の後方に起立する起立部335が一体成形されている。起立部335は、遊技盤80の厚み方向に延びる空洞状をなしており、遊技盤80の開口80aに対して嵌まっている。裏側フレーム構成体331は、起立部335以外の部位が遊技盤80の前面側に突出している。
また、ベース部332には、表側フレーム構成体351を取り付ける取付孔336が複数形成されている。図19に示すように、これら取付孔336に対して遊技盤80側から挿通されたネジ337が表側フレーム構成体351に形成されたネジ穴361に対して螺着されることにより、両フレーム構成体331,351が一体化されている。なお、他の表側フレーム構成体352〜357の取り付けに関しては同様の構成となっているため詳細な説明は省略する。
図18に示すように表側フレーム構成体351は、ベース部332からパチンコ機10の前方に向けて張り出すとともに、その内部が中空となるように形成されている。より具体的には、ベース部332に対して所定の間隔を隔てて対向する対向部362と、対向部362からベース部332側に起立し同対向部362をセンターフレーム91の内外から挟んで形成された1組の隔壁部363,364(詳しくは開口80aの内側を向いた内側
壁部363及び開口80aの外側を向いた外側壁部364)とを有してなる。対向部362及び内側壁部363には、パチンコ機10において各機種固有の装飾(詳しくは立体的な造形)が施され、センターフレーム91の意匠性が高められている。なお、表側フレーム構成体351によって裏側フレーム構成体331を覆う点に着目すれば同表側フレーム構成体351を「カバー部材」と称することも可能であるし、表側フレーム構成体351に付与された視覚的効果に着目すれば同表側フレーム構成体351を「装飾部材」と称することも可能である。
以上詳述したセンターフレーム91において右側遊技領域81Rを挟んで前記緩衝ユニット260と対峙している部分、すなわち前記特定部位SPには、第2緩衝機構330を収容する収容部370が設けられている。収容部370は、裏側フレーム構成体331のベース部332に形成された窪みと、表側フレーム構成体351の外側壁部364に形成された窪みとが組み合わされてなり、全体としてセンターフレーム91の外周から同センターフレーム91の内方に凹むとともに、当該センターフレーム91の外周に沿って延びるように形成されている。そして、この収容部370の開放部位を介して第2緩衝機構330の一部が遊技領域81L側に露出した状態となっている(図17(b)参照)。
なお、図6に示すように、第2緩衝機構330は、収容部370内に収容された状態では、パチンコ機10の正面視において表側フレーム構成体351と重なっている。つまり、第2緩衝機構330は、表側フレーム構成体351によってパチンコ機10の正面側から覆われた状態となっている。このように第2緩衝機構330を覆う構成とすることによりパチンコ機10の前方から同第2緩衝機構330を視認されにくくしている。これにより、センターフレーム91の保護機能を高めつつ、同センターフレーム91の意匠性が低下するといった不都合を生じにくくしている。
再び図18を用いて説明すれば、第2緩衝機構330は、一対のプレート380,390を備えており、それら各プレート380,390がセンターフレーム91における内外に重なった状態で収容部370内に収容されている。以下、両プレート380,390のうち上記緩衝ユニット260に面している一方を「表側プレート380」、同表側プレート380の背後に位置している他方を「裏側プレート390」と称する。
表側プレート380は、金属材を用いて形成されており、遊技球の衝突に伴って裏側プレート390に向けての撓み変形(弾性変形)が可能となるように構成されている。一方、裏側プレート390は、ゴム材を用いて形成されており、裏側プレート390が撓み変形した場合に同裏側プレート390に押されることで圧縮されるように(弾性変形するように)構成されている。
表側プレート380はセンターフレームの周方向に延びる長尺状をなしており、上記第1緩衝機構250の返しゴム270から跳ね返った遊技球が衝突する球衝突部381と、センターフレーム91に対する取付部382とが自身の長手方向に並設されてなる。球衝突部381は表側プレート380における一方の端部を含んでおり、その片側の板面がセンターフレーム91の外側を向くように形成されている。また、球衝突部381は、センターフレーム91の外縁に沿って右側遊技領域81Rの上流側から下流側に延びており、その露出範囲が同センターフレーム91の外縁に沿って拡張されている。これにより、第1緩衝機構250からの遊技球の跳ね返りばらつき(すなわち衝突位置のばらつき)を許容しやすくなっている。なお、表側プレート380が弾性部材よりなり、長尺状をなす点に着目すれば、同表側プレート380を「板バネ」と称することもできる。
取付部382は、表側プレート380における他方の端部を折り曲げて形成されている。裏側プレート390は、表側プレート380と相似形状をなしており、表側プレート380の取付部382と対を成す取付部392を有している。センターフレーム91には、これら取付部382,392に対応する嵌合部371が形成されており、その嵌合部371に対して両取付部382,392が一緒に嵌まっている。これにより、それら表側プレート380及び裏側プレート390がセンターフレーム91に対して組み付けられている。特に、表側プレート380については、その一端が固定端、他端が自由端となるようにしてセンターフレーム91に対して組み付けられ、上記取付部385を基端とした撓み変形、具体的には遊技盤80に沿った撓み変形が生じやすくなっている。なお、両プレート380,390の固定方法は任意である。例えば、ネジ等の締結具や接着剤等の固定手段を用いて固定することも可能である。
本実施の形態においては特に、表側プレート380が異なる2つの方向に変形しやすいように、球衝突部381が工夫されている。ここで、図20に基づき球衝突部381について詳しく説明する。球衝突部381は、センターフレーム91の内外に凸となるように形成された複数の折曲部383を有している。具体的には、球衝突部381は、各折曲部383を境界として複数の平板部分が連なってなる。球衝突部381において自由端側の一部分、詳しくは第1緩衝機構250から跳ね返った遊技球が衝突しやすい部分は、斜め上方(具体的には右上)を向くように形成されている。具体的には、第1緩衝機構250から跳ね返った遊技球の進行方向に対して、斜めに傾いている。このため、遊技球が球衝突部381に衝突した場合、その衝突によって発生する衝突荷重は、表側プレート380の取付部を基端とする撓み変形が生じるように、且つ同取付部382に向けて撓み変形が生じるように作用する。前者の変形と比較して後者の変形は小さくなりやすいと想定される。この点、遊技球が衝突しやすい部分と取付部382との間に上述した複数の折曲部383が存在することで、後者の変形が促進されている。
図18に示すように、センターフレーム19における収容部370の開口縁には、各フレーム構成体331,351に、表側プレート380の球衝突部381に対してセンターフレーム91における外側(すなわち右側遊技領域81R側)から引っかかる爪部372が形成されている。この爪部372が表側プレート380に引っ掛かることにより、同表側プレート380の緩衝ユニット260側への撓み変形(飛び出し)や、センターフレーム91からの脱落が阻止されている。
収容部370において、表側プレート380に対して裏側プレート390を挟んだ反対側には、裏側プレート390が当たるプレート受け部373が設けられている。言い換えれば、収容部370には、表側プレート380との撓み変形を許容する許容空間が区画形成されており、その許容空間内に裏側プレート390が収容されているとも言える(図20参照)。
プレート受け部373は、裏側プレート390と対向しており、同裏側プレート390と当接している部分と、そうでない部分とを有している。詳しくは、裏側プレート390における取付部392と反対側の端部では同裏側プレート390に当接しているものの、裏側プレート390の中間位置においては同裏側プレート390との間に隙間を有している。このように、裏側プレート390における取付部392とは反対側の端部にて、それらプレート受け部373と裏側プレート390とを当接させることにより、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を取付部382,392から離れた位置にてプレート受け部373に伝えやすくしている。
プレート受け部373を挟んで裏側プレート390と反対側には、上述したネジ穴361がプレート受け部373に沿って配置されている。より詳しくは、取付部382,392の近傍と、両プレート380,390の自由端側で裏側プレート390とプレート受け部373とが当接している部分の近傍に配置されている。ネジ穴361はリブ375を介してプレート受け部373に繋がっている。このため、プレート受け部373が裏側プレート390によって押された場合には、その荷重がリブ375→ネジ穴361→ネジ337を介して両フレーム構成体331,351に分散されやすくなっている。特に、それら
ネジ穴361のうち下流側の1つについては、嵌合部371に隣接して設けられており、同嵌合部371に対してリブ376を介して繋がっている。これにより、表側プレート380の変形等に基づいて嵌合部371に発生する負荷をリブ376→ネジ穴361→ネジ337を介して両フレーム構成体331,351に分散させやすくしている。
裏側プレート390は、表側プレート380の球衝突部381によってプレート受け部373側に押された場合に、同表側プレート380におけるの球衝突部381の変位に追従して変形する一方、元の状態に復帰する場合には、球衝突部381の変位に対して遅れて変形するように構成されている。すなわち、遊技球が衝突する前の状態に復帰する際に、両プレート380,390が離間するように構成されている。具体的には、裏側プレート390は、変形前の状態に復帰するのに要する期間が、表側プレート380のそれよりも長くなるように同表側プレート380よりも低反発な材料を用いて形成されている。
以上詳述した表側プレート380及び裏側プレート390によって、上記第2緩衝機構330が構成されている。ここで、図22に基づき遊技球衝突時の第2緩衝機構330の動作について詳細に説明する。図22は第2緩衝機構330の動作を示す概略図であり、遊技球が衝突した際には第2緩衝機構330が図22(a)→図22(b)→図22(c)→図22(d)の順に動作する。なお、図22においては、表側プレート380において変位量が最も大きくなる先端部分を拡大して示している。
上述した第1緩衝機構250から跳ね返った遊技球Bは、右側遊技領域81Rの上流側に押し戻された後、自重によって再び右側遊技領域81Rを流下する。このようにして再び流下を始めた遊技球Bは、第2緩衝機構330の表側プレート380の球衝突部381に衝突する。
第1緩衝機構250から跳ね返った遊技球Bは、球衝突部381に対して斜めに入射する。これにより、球衝突部381は、遊技球Bによってセンターフレーム91の内側に向けて押され、取付部385を基端として撓み変形するとともに、取付部382側に押され、取付部382に向けて撓み変形する。このような撓み変形によって、表側プレート380に弾性力が貯えられる。
以上詳述したように、表側プレート380を複数の異なる方向に変形可能とすることにより、遊技球Bの衝突による衝突荷重を一層好適に分散しやすくしている。詳しくは、球衝突部381がプレート受け部373側に押されることにより、同球衝突部381の面方向に加わった荷重は、プレート受け部373に伝わることとなる。一方、上述した取付部382に向けて加わった荷重は、嵌合部371に伝わることとなる。これにより、上述した荷重を分散して受けやすくしている。
このような表側プレート380の変形に同調して、裏側プレート390が圧縮される(図22(b)参照)。表側プレート380及び裏側プレート390の両者が変形することにより、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重が好適に分散される。そして、遊技球Bの衝突時の衝突荷重を表側プレート380や裏側プレート390等により分散して受け、その一部を吸収することにより、遊技球Bはその勢いが弱められた状態で反射することとなる。
表側プレート380及び裏側プレート390の変形量が所定量に達すると、それら表側プレート380及び裏側プレート390の変形が止まり、次の瞬間には表側プレート380及び裏側プレート390は個々に蓄えられた弾性力によって元の状態へ復帰し始める。
表側プレート380及び裏側プレート390は、復元速度が異なっており、両者は独立して弾性変形することとなる。すなわち、表側プレート380が先行して変形し、それに若干遅れて裏側プレート390が変形することとなる。このように、裏側プレート390によって表側プレート380が押し戻されにくい構成とすることにより、表側プレート380の復帰を遊技球の離れに対して遅延させやすくしている。これにより、裏側プレート390に衝突し跳ね返った遊技球が球衝突部381によって押されるといった不都合を生じにくくすることができる。また、仮に裏側プレート390によって押された場合であっても、裏側プレート390の弾性力は表側プレート380の弾性力と比較して遊技球Bに伝わりにくくなっている。つまり、少なくとも裏側プレート390の弾性力が遊技球に伝わることは回避される。
なお、表側プレート380における取付部382を基端とした撓み変形に基づく弾性力は、反射した遊技球を追う方向に作用するが、表側プレート380における取付部382へ向けての撓み変形に基づく弾性力は遊技球Bと接触した部位の接線方向に作用する。つまり、後者の変形によって蓄えられた弾性力においては、球衝突部381を遊技球Bの後を追うように変位させることがない。これにより、球衝突部381と遊技球Bとの再衝突を回避しやすくできる。
表側プレート380は、初期位置まで到達してもなお、球衝突部381が右側遊技領域81Rに向けて変位するように変形を続けようとする。しかしながら、このような初期位置を越えての表側プレート380の変形は、図22(c)に示すように球衝突部381及び爪部372が当接することにより阻止されることとなる。このように球衝突部381と爪部372とが当たることにより、反射した遊技球Bを追いかけるような球衝突部381の変位が回避される。
また、表側プレート380は、爪部372に当たった反動で再び裏側プレート390側に撓もうとするが、遅れて復帰してきた裏側プレート390によって押えられることにより再度の変形が抑制されることとなる(図22(d)参照)。これにより、表側プレート380の振動等が抑制される。このような裏側プレート390の制振機能に着目すれば、同裏側プレート390を「制振部材」と称することも可能である。
ここで、図23を用いて、右側遊技領域81Rに打ち込まれた遊技球の流下態様(流下経路)の一例について説明する。図23は図6の部分拡大図であり、遊技球の流下経路の一例を2点鎖線によって示している。
遊技球発射ハンドル41が操作されると、遊技球Bが遊技球発射機構110から遊技領域81に向けて発射される。遊技球発射ハンドル41の操作量が所定量を上回った場合には、遊技球Bが外レール102に沿って移動し、可変表示ユニット86の上方を通過する。右側遊技領域81Rに到達した遊技球Bは、外レール102(詳しくは端部102a)から離脱し、緩衝ユニット260に向けて飛び出すこととなる。
緩衝ユニット260に向けて飛び出した遊技球Bは返しゴム270に衝突する。この衝突に基づいて、返しゴム270は、圧縮変形を伴いながらストッパ300側に変位する。そして、返しゴム270とストッパ300(詳しくはゴムシート310)とが当たり、返しゴム270に加わった衝突荷重の一部がストッパ300に伝わることとなる。以上の過程を経ることにより、遊技球発射機構110によって遊技球Bに付与された勢いが弱められることとなる。
遊技球は、返しゴム270に衝突した後、右側遊技領域81Rの上流側に跳ね返り、それを追いかけるようにして返しゴム270が初期位置に復帰する。上述したように返しゴム270の球衝突部381はセンターフレーム91側に傾いている。このため、球衝突部276から跳ね返った遊技球Bは、センターフレーム91側に移動しつつ、放物線を描きながらセンターフレーム91の特定部位SPに向けて移動することとなる。但し、遊技球Bは第1緩衝機構250を中継することにより、その勢いの一部が、返しゴム270やゴムシート310の変形等によって第1緩衝機構250に吸収される。このため、遊技球Bの跳ね返り速度は、衝突前の飛翔速度と比較して小さなものとなる。
センターフレーム91の特定部位SPに至った遊技球Bは、第2緩衝機構330の表側プレート380における先端部(球衝突部381)に衝突する。この衝突に基づいて表側プレート380が撓み変形し、球衝突部381が裏側プレート390側に変位する。このような球衝突部381の変位によって裏側プレート390がセンターフレーム91の内方に押され、同裏側プレート390が圧縮されることとなる。このような両プレート380,390の変形によって、遊技球Bの衝突に基づいて発生する衝突荷重が分散され、遊技球Bの勢いの一部が両プレート380,390等によって吸収される。なお、図23に示すように第1緩衝機構250と第2緩衝機構330との間には、釘88等の各種遊技部品が配置されていない。このため、第1緩衝機構250を経由した第2緩衝機構330へ向けての遊技球の移動がそれら他の遊技部品によって妨げられることはなく、両緩衝機構250,330による緩衝を担保しやすくなっている。
表側プレート380の球衝突部381は、緩衝ユニット260側(詳しくは斜め上方)を向いている。このため、遊技球Bは、表側プレート380に衝突した後、緩衝ユニット260側に跳ね返り、緩衝ユニット260側に移動しつつ、放物線を描きながら下方へ移動することとなる。そして、表側プレート380から跳ね返った遊技球Bを追いかけるようにして各プレート380,390が復帰する。
表側プレート380の球衝突部381から跳ね返った遊技球Bは、表側プレート380と緩衝ユニット260との間を通過し、自重によって右側遊技領域81Rの下流側に移動する(流下する)。右側遊技領域81Rの下部には前記可変入賞装置83bが配置されており、右側遊技領域81Rに配された釘88等の各種部材は、その可変入賞装置83bに向かって遊技球が流下しやすいように配置されている。詳しくは、釘88等の各種部材は、可変表示ユニット86を迂回して、作動口84a,84bに向かう遊技球よりも、右側遊技領域81Rをそのまま下って可変表示ユニット86に向かう遊技球の方が多くなるように配置されている。このため、第2緩衝機構330から離脱し右側遊技領域81Rを通過する遊技球の多くは、可変入賞装置83bに向けて流下することとなる。
可変入賞装置83bに到達した遊技球は、可変入賞装置83bが開放されている場合には、同可変入賞装置83bに入賞し、当該可変入賞装置83bを介して遊技盤80の背面側(詳しくは回収通路151)に導かれることとなる。一方、可変入賞装置83bが閉鎖されている場合には、可変入賞装置83bを素通りしてアウト口87に向かう。アウト口87に入った遊技球は、同アウト口87を介して遊技盤80の背面側に導かれることとなる。
本実施の形態においては、遊技球発射ハンドル41の操作量を変更し、遊技球の到達位置を任意に変更可能とすることにより、可変表示ユニット86の左側すなわち左側遊技領域81Lと、同可変表示ユニット86の右側すなわち右側遊技領域81Rとに遊技球を打ち分け可能としている。それら各遊技領域81L,81R打ち分けられた遊技球の流下態様は、それぞれ異なる遊技態様に対応するように規定されている。以下、左側遊技領域81L及び右側遊技領域81Rにおける遊技態様の相違点について簡単に説明する。
図6及び図7等に示すように、左側遊技領域81Lにおいては、釘88等の遊技球の流下経路を規定する部材が、遊技球を作動口84a,84bに向けて案内されやすくなるように配置されている。言い換えれば、釘88等の各種部材は、左側遊技領域81Lを通過した遊技球が、右側遊技領域81Rを通過した遊技球よりも、より高い確率で作動口84a,84bに導かれるように配設されている。更には、センターフレーム91に設けられた第1案内通路92は、左側遊技領域81Lに面した位置に配置されており、左側遊技領域81Lを通過する遊技球を作動口84aに案内しやすくなっている。故に、大当たり等が発生する前の段階においては、左側遊技領域81Lに遊技球を打ち込むことにより、遊技者にとって有利な遊技状態が実現される。
一方、右側遊技領域81Rにおいては、釘88等の各種部材は、右側遊技領域81Rを通過した遊技球が、左側遊技領域81Lを通過した遊技球よりも、より高い確率で可変入賞装置83(特に可変入賞装置83b)に導かれるように配設されている。故に、大当たり等が発生している場合には、右側遊技領域81Rに遊技球を打ち込むことにより、遊技者にとって有利な遊技状態が実現される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図24のブロック図に基づいて説明する。図24では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、主制御回路402と停電監視回路403とが内蔵されている。主制御回路402には、CPU411が搭載されている。CPU411には、当該CPU411により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM412と、そのROM412内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM413と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM413は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU411には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路402の入力側には、主制御基板401に設けられた停電監視回路403、払出制御装置242に設けられた払出制御基板422及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路403には電源・発射制御基板421が接続されており、主制御回路402には停電監視回路403を介して電力が供給される。
一方、主制御回路402の出力側には、停電監視回路403、払出制御基板422及び中継端子板423が接続されている。払出制御基板422には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板423を介して主制御回路402から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板424に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路403は、主制御回路402と電源・発射制御基板421とを中継し、また電源・発射制御基板421から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板422は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU431は、そのCPU431により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM432と、ワークメモリ等として使用されるRAM433とを備えている。
払出制御基板422のRAM433は、主制御回路402のRAM413と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板421からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板422のCPU431には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板422の入力側には、主制御回路402、電源・発射制御基板421、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板422の出力側には、主制御回路402及び裏パック基板229が接続されている。
電源・発射制御基板421は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路402や払出制御基板422等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板424は、各種ランプ部23〜25,スピーカ部26及び表示制御装置425を制御するものである。演算装置であるCPU441は、そのCPU441により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM442と、ワークメモリ等として使用されるRAM443とを備えている。
音声ランプ制御基板424のCPU441にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板424の入力側には中継端子板423に中継されて主制御回路402が接続されており、主制御回路402から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25,スピーカ部26,及び表示制御装置425を制御する。表示制御装置425は、音声ランプ制御基板424から入力する表示コマンドに基づいて絵柄表示装置90を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
右側遊技領域81Rにおいて外レール102の端部102aに隣接して第1緩衝機構250を設けた。遊技球発射機構110から打ち出され外レール102に沿って飛翔した遊技球のうち第1緩衝機構250に到達した遊技球の勢いは、第1緩衝機構250(詳しくは返しゴム270)に衝突することによって弱められる。これにより、遊技球が遊技球発射機構110によって付与された勢いを保ったまま釘88や各種役物等に衝突することを回避できる。故に、第1緩衝機構250よりも下流側に配された釘88等の変形や破損等を抑制し、それら釘88等を保護することが可能となっている。
遊技球が遊技盤80の緩衝ユニット260に衝突すると、同緩衝ユニット260を構成している返しゴム270が変形を伴いながら本体枠13のストッパ300側に変位する。そして、その変位量が予め定められた量を超えると、返しゴム270とストッパ300とが当たり、遊技球が衝突した際に発生した衝突荷重の一部がストッパ300に伝播することとなる。つまり、上記衝突荷重は、遊技盤80側と本体枠13側とに分散されることとなる。このように、衝突荷重を分散して受ける構成とすることにより、遊技球の減勢効率の向上や第1緩衝機構250の耐久性向上に貢献している。
また、ホルダ280によって返しゴム270を変位可能な状態で保持するとともに、同返しゴム270とストッパ300のゴムシート310との間に当該返しゴム270の動作スペースを設け、遊技球が返しゴム270に衝突した際に、その動作スペースを利用して返しゴム270を変位させやすくした。これにより、遊技球が衝突した際に返しゴム270を遊技球とともに変位させやすくし、両者の接触期間を長くしやすくしている。一般的に、衝突荷重の大きさは接触時間の長さに反比例する。上述の如く接触時間の延長を図ることにより、衝突荷重を低減することができる。これは、第1緩衝機構250の機能保全の観点から好ましいと考えられる。
遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を低減するには、衝突時の接触期間を長くすることが好ましい。しかしながら、遊技球と返しゴム270との反射を考慮すれば両者の衝突に限定した接触期間の延長には限度があると考えられる。そこで、本実施の形態においては、遊技球が返しゴム270に衝突した際と返しゴム270がストッパ300に衝突した際とのそれぞれにて接触時間を延長する構成を設けた。具体的には、上述の如く返しゴム270を変位可能とすることで遊技球と返しゴムとの接触期間を延長しつつ、返しゴム270とストッパ300のゴムシート310との衝突対象である両者を遊技球と比較して変形容易とすることで、それら返しゴム270とストッパ300との接触期間を延長した。これにより、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重の低減を図っている。
遊技球が返しゴム270に衝突する場合には同遊技球が返しゴム270に対して局所当りするのに対して、返しゴム270がストッパ300のゴムシート310に衝突する場合には同返しゴム270がゴムシート310に対して面当りする構成とした。このため、ゴムシート310の全体に衝突荷重を分散させやすくできる。これにより、緩衝機能を強化できるだけでなく、ゴムシート310の局所的な劣化を抑制できる。特に、ゴムシート310を返しゴム270よりも低反発な材料によって形成しているため、同ゴムシート310の劣化が進行しやすくなり得る。この点、ゴムシート310の局所的な変形を回避することにより、同ゴムシート310の機能保全に貢献できる。
なお、ゴムシート310を省略するとともに、返しゴム270を同ゴムシート310よりも低反発な材料によって形成することにより、上記実施の形態と同等の緩衝機能を実現することも可能である。しかしながら、このように1の部材によって衝突荷重を分散させる構成においては、返しゴム270の局所部分での変形が顕著なものとなりゴム270の耐久性の向上と緩衝機能の向上とを両立することが難しくなり得る。このような、耐久性向上及び緩衝機能向上の両立という観点から見ても、返しゴム270及びゴムシート310の2部材を用いる構成が優れていると考えられる。
従来のパチンコ機に見られるように、返しゴムや同返しゴムに加わった荷重を受ける受け部を遊技盤にのみ設けた場合、それら返しゴムや受け部の耐久性の向上や、減勢機能の向上に制約が生じやすくなると考えられる。例えば、返しゴム等が遊技領域に配置されることを考慮すれば、それら返しゴムや受け部によって遊技領域が圧迫されるのは好ましくなく、その設置領域は周辺部品等との共存等を考慮して制限されやすくなる。このため、耐久性や減勢機能を高めるべく、返しゴムや受け部を大型化するのは困難なものとなる。この点、本実施の形態では、遊技盤80に返しゴム270を設けるとともに本体枠13にストッパ300を設けることにより、遊技領域81における上記設置領域の広がりを抑えることが可能となっている。故に、遊技領域81の圧迫を抑制しつつ、耐久性や減勢機能の向上を実現できる。
本実施の形態においては、機種固有となる前扉枠14や遊技盤80等の構成を入れ替えることにより本体枠13等の既存の構成を流用しつつ、機種変更を行うことが可能となっている。上述した、第1緩衝機構250の各種構成のうち、遊技球が直接当たる部分、すなわち返しゴム270(緩衝ユニット260)を遊技盤80に設けることで、遊技盤80の交換に併せて返しゴム270を入れ換えることが可能となっている。つまり、遊技球の跳ね返り量や、跳ね返りの角度等を各機種毎に設定しやすくし、リユース性の向上と、各機種における遊技球の流下態様の差違を明確化しやすくなっており、各機種の差別化に寄与しやすくなっている。
遊技球衝突後の返しゴム270の初期位置への復帰に対して、ゴムシート310の復帰が遅れる構成とし、返しゴム270の復帰時に、当該返しゴム270がゴムシート310によって押されることを抑制した。これにより、返しゴム270が跳ね返り後の遊技球に追いついてしまい、それら返しゴム270と遊技球とが再衝突することを回避しやすくしている。
また、仮に返しゴム270が跳ね返り後の遊技球に追いつき、同遊技球が返しゴム270によって押された場合であっても、返しゴム270の弾性力と比較してゴムシート310の弾性力は遊技球に伝わりにくくなる。これにより、第1緩衝機構250を経由した遊技球がその勢いが弱められることなく流下を続けるといった不都合を生じにくくしている。
ストッパ300のゴムシート310は遊技球の衝突方向と異なる方向を向いており、遊技球衝突後にゴムシート310が復元される際には、その弾性力が返しゴムの移動方向とは異なる方向に伝わる構成とした。つまり、返しゴム270の復帰に遅れが発生し、同返しゴム270がゴムシート310によって押された場合であっても、同ゴムシート310の弾性力は、ホルダ280の側壁部285,286に伝わる。これにより、ゴムシート310の弾性力によって返しゴム270が加速されることを抑制できる。
返しゴム270の挿通孔272が軸体295に押されて変形することにより、返しゴム270を初期位置に復帰させる復元力を発生させる構成とした。特に、本実施の形態においては、挿通孔272に大径部273と小径部274とを設け、大径部273の孔径を軸体295の外径と同等になるように設定した。これにより、上記初期位置への復帰時に返しゴム270が振動することを抑制しやすくしている。
第1緩衝機構250に衝突した遊技球は、可変表示ユニット86(詳しくはセンターフレーム91)の特定部位SPにむけて跳ね返される。センターフレーム91の特定部位SPには、第2緩衝機構330が設けられており、この第2緩衝機構330によって遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を弱めることが可能となっている。これにより、センターフレーム91の保護を図り、更には同可変表示ユニット86を構成している絵柄表示装置90への衝突荷重の伝播を抑制している。可変表示ユニット86においては特に、それら絵柄表示装置90等の電気部品を搭載しているため、上述したように衝突荷重の伝播を抑えることで、誤動作等の回避に貢献することができる。
また、このように遊技球の衝突を積極的に緩和する構成を設けることにより、センターフレーム91の形状や材質等に対する制約を弱めることができる。つまり、遊技球との衝突による衝撃を受けにくくすることを目的としてその形状や材質が選択されることによりセンターフレーム91の意匠性が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。本実施の形態においては特に、第2緩衝機構330をセンターフレーム91内に収容し、遊技者から見えにくくすることで、可変表示ユニット86の意匠性の向上に寄与している。
可変表示ユニット86は、上記センターフレーム91や絵柄表示装置90以外にステージフレーム93を備えている。ステージフレーム93は、作動口84aへの遊技球の入賞が発生しやすいように形成されたステージ面94等を有しており、これらステージ面94等によって遊技球の流下態様の多様化が図られている。仮にセンターフレーム91に対する遊技球の衝突によってセンターフレーム91が歪んだり位置ずれしたりしてステージ面94を移動する遊技球が作動口84aに導かれにくくなると、遊技者に対して不快感を与え、遊技意欲の減退を招きやすくなると想定される。この点、本実施の形態においては、第2緩衝機構330によって衝突荷重の緩和を図ることにより、ステージフレーム93上の遊技球に対する影響を抑えることが可能となっている。これにより、センターフレーム91によって囲まれた領域を、遊技球を用いた演出の場として活用しやすくしている。
第2緩衝機構330の表側プレート380(詳しくは球衝突部381)に対して遊技球が衝突した際には、その遊技球の衝突方向に球衝突部381が変位する構成とした。これにより、遊技球と表側プレート380との接触期間を長くすることが可能となっている。これにより、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を低減させやすくしている。
表側プレート380の一端(取付部382)のみを固定することにより、同表側プレート380における他端の変位を容易化した。上記球衝突部381をこの他端を含むように形成し、取付部382から離れた部分に遊技球を衝突させることにより、固定端側に遊技球が衝突する場合と比較して、表側プレート380を撓ませやすくしている。これにより、遊技球の衝突による衝突荷重を吸収しやすくしている。また、遊技球と球衝突部381との接触期間を延長しやすくし、上記衝突荷重の低減を更に顕著なものとしている。
上述の如く表側プレート380のたわみ変形を促進したことで、同表側プレート380に塑性変形が生じやすくなることが懸念される。この点、表側プレート380に対して所定の間隔を隔てて対峙するプレート受け部373を設け、表側プレート380の過度の撓み変形を抑える構成としたことにより、上記塑性変形を生じにくくしている。これにより、表側プレート380の緩衝機能の担保を図ることができる。
プレート受け部373と表側プレート380との間に裏側プレート390を設け、遊技球の衝突によって発生する荷重を分散させやすくしている。つまり、遊技球の衝突によって表側プレート380に伝わった衝突荷重は、表側プレート380を固定している部分(すなわち嵌合部371)に伝わるとともに、上記球衝突部381→裏側プレート390→プレート受け部373に伝わる。このように、荷重を分散して受けることにより、嵌合部371に加わる負荷を低減している。
特に、プレート受け部373と表側プレート380(詳しくは裏側プレート390)との隙間は、同表側プレート380の両端側、すなわち球衝突部381及び取付部385にて小さくなるように設定されている。つまり、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を積極的に表側プレート380の両端側にて分散させる構成としている。これにより、収容部370における局所的な負荷の増大を抑制し、同収容部370の保護に貢献している。
表側プレート380の球衝突部381に対して遊技球が衝突する際に、同遊技球が前記取付部385(すなわち嵌合部371)に向かう成分を有するように前記第1緩衝機構250を構成した。これにより、表側プレート380に対して遊技球が衝突した際の荷重を複数の方向に分散して受けやすくしている。具体的には、球衝突部381に対して直交する方向に伝わる成分と、球衝突部381に沿って取付部385側に伝わる成分とに分割され、前者は表側プレート380を取付部385を基端として撓ませるように、後者は表側プレート380を取付部385側に圧縮するように作用する。これにより、収容部370の嵌合部371に加わる負荷の発生部位を相違させることが可能となっている。
裏側フレーム構成体331と表側フレーム構成体351等との組み合わせ方向を遊技盤80の盤面の向きに揃えるとともに、表側プレート380の変位方向を遊技盤80の盤面と並行となるように構成した。これにより、表側プレート380を介してセンターフレーム91に伝わった衝突荷重が両フレーム構成体331,351を分離させるように作用することを抑制できる。また、それらフレーム構成体331,351の合わせ部分を遊技機正面から視認しにくくすることが容易となり、センターフレーム91の見栄えを向上させやすくしている。
以上詳述した第1緩衝機構250及び第2緩衝機構330においては、遊技球衝突後の復帰に要する期間を各部材で相違させることにより、遊技球の跳ね返りを抑えやすくしている。これにより、それら両緩衝機構250,330よりも下流側に位置する釘88や電動役物89等に対して遊技球が勢いよく衝突することを回避しやすくし、それら各種構成の保護に貢献している。
第1緩衝機構250においては、遊技球が返しゴム270に当たると、同返しゴム270が自身の弾性力に抗してゴムシート310に向けて変位し、その変位によってゴムシート310が変形(例えば圧縮変形)する。遊技球の勢いが返しゴム270及びゴムシート310に吸収された後は、それら返しゴム270及びゴムシート310が元の状態に復帰しようとする。仮に、返しゴム270から跳ね返った遊技球を、返しゴム270が押してしまうと、同遊技球が加速してしまう。これは、遊技球の勢いを減じる機能と逆行するため好ましくない。この点、上記実施の形態においては、返しゴム270の移動に対してゴムシート310の変形が遅れることとなる。つまり、復帰が開始された初期段階で返しゴム270がゴムシート310から離間することとなる。このため、返しゴム270の復帰がゴムシート310によって押されることを抑制することができ、返しゴム270による遊技球の押し出しを回避しやすくできる。また、仮に、返しゴム270が遊技球を押した場合であっても、同返しゴム270の弾性力と比較して、ゴムシート310の弾性力は遊技球に伝わりにくくできる。
返しゴム270及びゴムシート310の材質を相違させることによって、ゴムシート310が元の状態に復帰するのに要する期間を、返しゴム270が元の状態に復帰するのに要する期間よりも長くなるように構成した。つまり、返しゴム270及びゴムシート310に適用した材質の差により、返しゴム270及びゴムシート310の復元力を相違させ、同ゴムシート310の復帰を遅延させる構成とした。これと同様の作用を構造的側面から実現することも可能であるが、この場合、第1緩衝機構250の大型化を回避しにくくなると考えられる。この点、上記実施の形態に示しように、材質の相違によって上記遅延を実現すれば、構造の簡素化を図り、第1緩衝機構250の小型化を促進できる。
また、ゴムシート310の復帰に要する期間を、遊技球の発射間隔と同等となるように構成した。これにより、遊技球の減勢機能を強化しつつ、返しゴム270の振動を抑制しやすくしている。詳しくは、一つの遊技球が衝突した後、次の遊技球が衝突するまでに、返しゴム270に振動が残留する可能性がある。このような振動は返しゴム270がゴムシート310よりも硬質であるため、一層顕著になると想定される。この点、次の遊技球の衝突までにゴムシート310が初期の状態に復帰することにより、仮に返しゴム270に振動が残留していたとしても、返しゴム270及びゴムシート310が当たれば、そのような振動を抑制することができる。これにより、都度の遊技球の減勢レベルを均一化しやすくしている。
また、第2緩衝機構330においても同様に、遊技球の衝突後、裏側プレート390が変形前の状態に復帰するのに要する期間を、表側プレート380が変形前の状態に復帰するのに要する期間よりも長くなるように設定し、裏側プレート390の復帰を遅延させた。これにより、第1緩衝機構250と同様に、第2緩衝機構330における遊技球の勢いの吸収効率を向上させることが可能となっている。
第2緩衝機構330においては特に、遊技球が当たる部材に金属製の表側プレート380を採用している。このため、第1緩衝機構250の返しゴム270と比較しても、状態復帰時の振動が生じやすいと想定される。この点、第2緩衝機構330においては、表側プレート380と裏側プレート390とを当接させる構成としたことで、表側プレート380を裏側プレート390と収容部370の爪部372によって挟み込むことができ、上記振動を一層好適に抑制可能となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記実施の形態では、返しゴム270を遊技盤80に取り付ける「取付部材」としてホルダ280を設け、同ホルダ280と遊技盤80とによって返しゴム270を挟んだ状態で保持する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ホルダ280に代えて、返しゴム270を遊技盤80上に係止する係止爪や、返しゴム270を遊技盤80に対して固定する固定具(例えばネジ)を採用し、それら係止爪や固定具等によって同返しゴム270を保持する構成としてもよい。
また、遊技盤80に固定された軸体295によって返しゴム270が支えられている点に着目すれば、この軸体295を「取付部材」とみなすことも可能である。この場合、ホルダ280を省略してもよいが、ホルダ280は返しゴム270を保持する機能と、同返しゴム270の変位方向を規定する機能とを有しているため、同ホルダ280の省略によって、返し部材270の変位方向がばらつきやすくなると想定される。故に、ホルダ280を省略するならば、返し部材270の変位方向を規定する変位方向規定部を別途設けることが好ましい。なお、この変位方向規定部は必ずしも遊技盤80に設ける必要はなく、本体枠13に設けることも可能である。
(a2)上記実施の形態では、ホルダ280が遊技盤80に対して固定され、この固定されたホルダ280によって返しゴム270が移動可能に支持される構成とした。つまり返しゴム270が、単体で移動する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、ホルダ280に代えて遊技盤80に対して移動可能に取り付けられた台座を設けるとともに、その台座に返しゴムを固定し、それら台座及び返しゴムが一体的に移動する構成としてもよい。
また、上述の如くホルダ280に代えて移動可能な台座を有する構成とした場合には、遊技球衝突時に台座とストッパ300とが当接する構成としてもよい。このような変更を行った場合には、遊技球と返しゴム270とが衝突することによって発生した衝突荷重は、返しゴム270→台座→ストッパ300の順に伝わることとなる。
(a3)上記実施の形態では、返しゴム270の挿通孔272と同挿通孔272に嵌まる軸体295とによって、遊技球衝突後に返しゴム270を初期位置に復帰させる構成としたが、返しゴム270を初期位置に復帰させる構成は任意である。例えば、挿通孔272及び軸体295に代えて以下の構成を採用してもよい。
上記実施の形態においては、ホルダ280の側壁部285,286を互いに平行となるように構成した。つまり、ホルダ280を、側壁部285,286の間隔が返し部材270の変位方向に沿って同一となるように形成した。これを変更し、それら側壁部285,286の間隔が返し部材270の変位方向における先側にて狭くなるように形成してもよい。このような変更を行った場合、併せて返しゴム270を衝突方向に先細りさせその周面270aが側壁部285,286に対して面接触するように変更するとよい。これにより、遊技球衝突時には、側壁部285,286での変形により復元力が蓄えられ、遊技球衝突後の返しゴム270の復帰を実現できる。なお、開放部288からの返しゴム270の脱落を防止する突起等を側壁部285,286に追加することが好ましい。
また、これら側壁部285,286の内壁面は必ずしも平面状をなす必要は無く、曲面状をなす構成としてもよい。但し、それら側壁部285,286が返しゴム270に対して当接することに基づいて、同返しゴム270の移動方向を規定する機能と、返しゴム270に加わる衝突荷重を受ける機能が付与されている点に着目すれば、それら内壁面は平面状をなす構成とすることが望ましい。
更には、返しゴム270を初期位置に向けて付勢するバネ等を別途設けることも可能である。しかしながら、このような構成を採用した場合、緩衝ユニット260の大型化を招来しやすくなると想定される。これは、遊技領域81を圧迫する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示すように、挿通孔272及び軸体295を用いて返しゴム270の初期位置復帰を実現するとよい。
(a4)上記実施の形態では、返しゴム270における対向部277の面拡がり方向と、遊技球の衝突方向、すなわちホルダ280によって規定された返しゴム270の変位方向とが直交しない構成としたが、これを変更し、対向部277の面拡がり方向と返しゴム270の変位方向とが直交する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合には、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を分散しにくくなると想定される。故に、好ましくは、上記実施の形態に示したように対向部277の面拡がり方向と、遊技球の衝突方向、すなわちホルダ280によって規定された返しゴム270の変位方向とが直交しない構成とするとよい。
(a5)上記実施の形態では、遊技球衝突時に返しゴム270に変位及び変形が生じる構成としたが、遊技球衝突時に変形のみが生じる構成とすることも可能である。例えば、上述した初期位置に配置された返しゴム270と、ストッパ300のゴムシート310との間に設けられた隙間を排除し、返しゴム270が初期位置に配置されている状態にて返しゴム270とゴムシート310とが当接する構成としてもよい。この場合、返しゴム270及びゴムシート310の変形によって十分な衝突荷重の吸収が可能となるように、返しゴム270及びゴムシート310の形状(厚み等)や材質も併せて変更することが好ましい。
(a6)上記実施の形態では、返しゴム270の対向部277及びゴムシート310(詳しくはその表面)がそれらのほぼ全域で当たる構成としたが、これに限定されるものではない。それら対向部277及びゴムシート310が片当りする構成としてもよい。例えば、それら対向部277及びゴムシート310のうち一方が曲面状なす構成としたり、複数の凹凸を有する構成としたりしてもよい。
また、返しゴム270の球衝突部276が平面状をなす構成としたが、曲面状をなす構成とすることも可能である。更には、球衝突部276が表面に多数の凹凸等を有する構成としてもよい。
(a7)上記実施の形態では、第1緩衝機構250を右側遊技領域81Rに配置したがこれに限定されるものではない。例えば、右側遊技領域81Rを有さないパチンコ機においては、左側遊技領域81L等に第1緩衝機構250を配置することも可能である。
(a8)上記実施の形態では、ストッパ300がゴムシート310を有する構成としたが、このゴムシート310を省略し、返しゴム270が本体枠13の荷重受け部77(例えば上記起立面)に対して直接当たる構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、遊技球の跳ね返りが強まりやすくなり、遊技球の減勢機能が低下し得る。故に、望ましくは、ゴムシート310を有する構成とした方がよい。
(a9)上記実施の形態では、外レール102の端部102aと緩衝ユニット260の返しゴム270との間に隙間が形成される構成としたが、この隙間を排除することも可能である。例えば、外レール102を、その端部102aが返しゴム270に対して当接する位置まで延出させるとよい。これにより、外レール102から緩衝ユニット260への遊技球の誘導を一層好適なものとし、返しゴム270における遊技球の衝突位置のばらつきを更に低減することが可能となる。
(a10)上記実施の形態では、ホルダ280を遊技盤80から取り外すことによって返しゴム270の取り外しが許容される構成とした。これを変更し、ホルダ280を遊技盤80に対して装着したまま、返しゴム270を取り外し可能となるように構成してもよい。例えば、上記変形例(a2)に示したように、ホルダ280の側壁部285,286の間隔が上流側にて広がるように形成し、併せて返しゴム270の周面270aが側壁部285,286に対して面接触するように変更する。なお、開放部288からの返しゴム270の脱落を防止する突起等が設けられている場合には、作業者が所定の力で返しゴム270を引っ張ることにより、同返しゴム270がそれら突起を乗り越えて取り外し可能となるように、突起の大きさや形状を決定するとよい。これにより、第1緩衝機構250のメンテナンスの容易化に貢献できる。
(a11)上記実施の形態では、遊技球が下方への移動成分を有している状態にて、すなわち斜め下方向に移動している状態にて返しゴム270に衝突するように同第1緩衝機構250を配置したがこれに限定されるものではない。例えば、遊技球が水平に移動している状態,垂直に移動している状態及び斜め上方に移動している状態にて返しゴム270に衝突するように同第1緩衝機構250を配置することも可能である。
(a12)上記実施の形態では、遊技盤80に緩衝ユニット260を設置する凹部80bを設けたが、これを省略することも可能である。
(b1)上記実施の形態では、表側プレート380の一端をセンターフレーム91に固定し同表側プレート380を撓み変形させることにより球衝突部381のみを変位させる構成としたが、これに限定されるものではない。表側プレート自体を変位可能な状態で取り付け、同表側プレート全体が変位することにより球衝突部を変位させる構成とすることも可能である。このような変更を行う場合には、例えば表側プレートを移動可能に支持する支持部材等を設けるとよい。
(b2)上記実施の形態では、表側プレート380の一端を固定端とし他端を自由端ととしたが、これに代えて、表側プレート380の中央部分を固定し、同表側プレート380の両端を自由端としてもよい。この場合、両自由端の少なくとも一方に遊技球が衝突する球衝突部を設けるとよい。また、表側プレート380の両端を固定端とし、その中央部分に遊技球が衝突する球衝突部を設けてもよい。但し、このような変更を行った場合には、表側プレートを撓み変形させることが難しくなると想定される。これに対応すべく、表側プレートを金属製ではなく、より変形が容易なゴム材等を用いて形成することが好ましい。
(b3)上記実施の形態では、表側プレート380を同表側プレート380の固定端を下側且つ自由端を上側として上下に延びるように設けたが、表側プレート380をそれら固定端と自由端とが反対となるように設けてもよい。但し、このような変更を行った場合には表側プレート380を2つの異なる方向に変形させることが困難となる。詳しくは、表側プレート380を取付部385側に向けて変形させることが困難となる。故に、表側プレート380を片持ち支持する構成を採用した場合には、その自由端が固定端よりも上流側に位置する構成とすることが好ましい。
(b4)上記実施の形態では、表側プレート380の球衝突部381が複数の折曲部383を有する構成とした。これを変更し、それら折曲部383を有さない構成としてもよい。例えば、プレート部材が断面略L字状をなすように、平板状の球衝突部と平板状の取付部とを連続して形成するとよい。
また、表側プレート380の取付部385は球衝突部381に対して折れ曲がっている必要はない。例えば、プレート部材を平板状に形成しその一端に球衝突部を設けるとともに、他端に取付部を設けてもよい。
(b5)上記実施の形態においては、表側プレート380及び裏側プレート390を用いて遊技球の衝突荷重を吸収する構成としたが、それら両プレート380,390のうち一方を省略することも可能である。「緩衝部材」としての裏側プレート390を省略することも可能である。なお、表側プレート380を省略し、裏側プレート390に対して遊技球が直接当たる構成を採用する場合には、裏側プレート390の浮き上がり当や脱落を回避すべく、同裏側プレート390を保持する保持部等を設けることが好ましい。
また、裏側プレート390を表側プレート380とともに、嵌合部371に嵌め込んで固定する必要はない。例えば、裏側プレート390を表側プレート380に貼り付けたり、プレート受け部373に貼り付けたりしてもよい。
更には、裏側プレート390は、必ずしも表側プレート380と相似状をなす必要はない。例えば、表側プレート380が遊技球の衝突によって撓み変形した際に、同表側プレート380の球衝突部381とプレート受け部373とが最も近づく部分に配されていればよい。
(b6)上記実施の形態では、裏側プレート390を表側プレート380に対して当接した状態で配置したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、裏側プレート390を、同裏側プレート390と表側プレート380との間に隙間が形成されるように配置することも可能である。この場合、上記隙間は少なくも表側プレート380が変形した際に同表側プレート380が当接するように設定するとよい。
(b7)上記実施の形態では、裏側プレート390を表側プレート380と共に嵌合部371に嵌め込むことにより、同裏側プレート390をセンターフレーム91に対して装着する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、裏側プレート390を収容部370のプレート受け部373に接着等することにより、同裏側プレート390をセンターフレーム91に対して装着する構成としてもよい。
(b10)センターフレーム91は複数のフレーム構成体331,351等を有する必要はなく、例えば一のフレーム部材によって同センターフレームを構成してもよい。但し、この場合には、表側プレート380や裏側プレート390の取り外しが困難なものとなり、メンテナンスを行いにくくなると想定される。故に、少なくとも表側プレート380を取り付ける部分に関しては、複数のフレーム構成体を組み合わせたり分離したりすることで、両プレート380,390の組み付け及び取り外しを可能とすることが好ましい。
(b11)上記実施の形態では、遊技盤80に取り付けられる基材としての裏側フレーム構成体331と、同裏側フレーム構成体331に取り付けられる装飾部材としての表側フレーム構成体351とによってセンターフレーム91を構成することで、同センターフレーム91の製造の容易化及び剛性の向上を図った。また、それら裏側フレーム構成体331及び表側フレーム構成体351の組み合わせ方向を、前後方向とすることで、両フレーム構成体331,351の合わせ部分を視認しにくくし、意匠性の向上を図った。このようにセンターフレーム91が複数のフレーム構成体331,351が組み合わされてなる構成において、両フレーム構成体331,351の組み合わせ方向と、表側プレート380の球衝突部381の変位方向とを相違させた。これを変更し、両フレーム構成体331,351の組み合わせ方向と、球衝突部381の変位方向とを同一とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合、遊技球衝突時に発生する衝突荷重が各フレーム構成体331,351に伝播する際に、両者に伝播する衝突荷重の大きさやタイミングの相違が顕著になりやすくなると想定される。これは、両フレーム構成体331,351に離れやがたつきを生じる要因となり得るため好ましくない。故に、両フレーム構成体331,351の組み合わせ方向と球衝突部381の変位方向と相違させるとよい。
(b12)上記実施の形態では、センターフレーム91が環状をなす構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、センターフレーム91が下方に開放された門型をなす構成としてもよい。但し、このような変更を行うと、センターフレームの強度が低下しやすくなると懸念される。故に、センターフレームの開放部分をステージフレーム93で塞ぎ全体として環状をなす構成とすることが好ましい。
(b13)上記実施の形態では、可変表示ユニット86に第2緩衝機構330を適用する構成としたが、例えば、第2緩衝機構330と同様の構成を電動役物89や可変入賞装置83等に適用することも可能である。
(b14)上記実施の形態では、収容部370からの表側プレート380及び裏側プレート390の突出が回避され、同収容部370内に収容された状態では、パチンコ機10前方からのそれら表側プレート380の視認が抑制される構成としたが、これを変更し、表側プレート380や裏側プレート390がパチンコ機10前方から視認可能な構成としてもよい。
(b15)上記実施の形態では、表側プレート380の取付部382及び裏側プレート390の取付部392が嵌合部371に対して嵌合することにより、両プレート380,390のセンターフレームに対する組み付けがなされる構成とした。すなわち、それら各プレート380,390においては、取付部382,392が嵌合部371に嵌合することで当該プレート380,390における長手方向への変形は許容されるものの、同長手方向への移動は制限される構成とした。それら各プレート380,390の組み付け構造は、上記構成に限定されるものではない。例えば各プレート380,390をそれら各プレート380,390の長手方向への移動を許容する状態で組み付ける構成としてもよい。以下、図20及び図26に基づきその変形例について説明する。図26は、第2緩衝機構の変形例を示す模式図である。
上記実施の形態においては、図20等に示したように「装着部」としての嵌合部392を、表側プレート380の取付部382及び裏側プレート390の取付部392が嵌合する大きさに形成した、すなわち各取付部382,392が嵌合部371にぴったり嵌まる構成とした。これを以下のように変更する。つまり、図26に示すように、センターフレーム450に、各プレート380,390の取付部382,392が入る挿入部451を各取付部382,392の当該挿入部451内での移動(プレート380,390の長手方向への移動)を許容する大きさに形成する。詳しくは、挿入部451を、表側プレート380と挿入部451の壁面との間に同プレート380の長手方向において所定の隙間が生じるように形成する。これにより、各プレート382,292を、同プレート382,392の長手方向への変形のみならず、同長手方向への移動を許容した状態でセンターフレーム450に対して組み付けることができる。なお、上記変更を行った場合には、各プレート380,390のがたつきやセンターフレーム450からの脱落等が発生しやすくなり得るが、センターフレーム450において挿入部451と対向する位置に表側プレート380の表面(外面)に当接するストッパ452を形成することにより上記各種不都合を好適に抑制することができる。
また、各プレートの組付構造を以下のように変更してもよい。例えば各プレートが長板状をなす構成においては、センターフレーにそれらプレートの少なくとも一端を差し込む差込部を形成してもよい。つまり、上記実施の形態に示した取付部382,392及び土地付け分382は必ずしも必要ではなく、センターフレームの外周に沿って長板状のプレートを配置するとともに、同じくその外周に沿って同プレートを差し込む用の凹部を形成するとよい。このような変更を行う場合であっても、少なくともプレートの撓み変形を許容する構成であれば足り、例えば差込部は、各プレートの同プレートの長手方向への移動を許容するように形成してもよいし、差込部の底部分が各プレートの端縁に当接することでそれらプレートの上記長手方向への移動を阻止する構成としてもよい。
(c1)上記実施の形態では、ゴムシート310に対して返しゴム270よりも低反発な材料を適用することにより、返しゴム270が初期位置に復帰するのに要する期間が、ゴムシート310が変形前の状態に復帰するのに要する期間よりも長くなるように設定した。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、返しゴムの復帰をゴムシートの復帰に対して遅らすことができればよく、その遅延方法は必ずしも適用する材質の違いに依存するものではない。以下、図25(a)に基づき、その具体例について説明する。図25(a)は第1緩衝機構の変形例を示す模式図である。
第1緩衝機構500は、同一の材料(例えばゴム材)からなる返しゴム501及びゴムシート502を備えている。返しゴム501は上記返しゴム270と同様のものであり、ゴムシート502は上記ゴムシート310よりも厚肉且つ中空状をなすように形成されている。より詳しくは、ゴムシート502は、返しゴム501に対して当接する第1当接部503と、本体枠13の荷重受け部77に対して当接する第2当接部504と、それら両当接部503,504を繋ぐ複数の連結部505とを有し、全体として前後に開放された箱状をなすように構成されている。連結部505は略薄板状をなし、ゴムシート502の厚み方向と直交する方向(詳しくゴムシート502の外側)に向けて凸となるように僅かに折り曲げられている。このため、返しゴム501がゴムシート502に当たった場合には、それら連結部505がゴムシート502の外側に突出するように折り畳まれ、それら連結部505の変形によって返しゴム501を介して伝わる衝突荷重が吸収される。中空状でない返しゴム501の復元力は、連結部505が折り畳まれることによって圧縮されるゴムシート502の復元力よりも大きくなり、同返しゴム501がゴムシート502よりも先んじて元の状態に復帰することとなる。
なお、上記変形例では、各緩衝部材の構造上の差違により、本体側緩衝部材の復帰を遅延させる構成としたが、これに代えて、本体側緩衝部材の復帰を緩やかにするために、摩擦力や利用することも可能である。例えば本体側緩衝部材に対して接触し、同本体側緩衝部材が元の状態に復帰する際に擦れが発生するように形成された接触部材を設けるとよい。
(c2)上記実施の形態では、「第1緩衝部材」として弾性変形可能な返しゴム270を有し、同返しゴム270が自身の変形によって遊技球衝突前の位置に復帰する復帰力を蓄える構成としたが、これを変更し、「第1緩衝部材」が弾性変形しない返し部材と同返し部材の変位に基づいて上記復帰力を蓄える復帰手段とが組み合わされてなる構成としてもよい。この場合、例えば、返し部材をアルミニウム等の金属材料からなるブロック体としてもよい。以下、図25(b)に基づきその具体例について説明する。図25(b)は、第1緩衝機構の変形例を示す概略図である。
図25(b)に示すように、第1緩衝機構520は、返しゴム270に代えて、金属材料からなるブロック状の返し部材521が設けられている。なお、返し部材521は、その外形が返しゴム270と同様となるように形成されているため、詳細な説明は省略する。返し部材521の外周部には、金属製のコイルバネ522の一端が接続される返し部材側接続部523が設けられている。また、ホルダ524の対向部525には、コイルバネ522の他端が接続されるホルダ側接続部526が形成されている。それら両接続部523,526に対してコイルバネ522が接続されることにより、同コイルバネ522の中心軸線が、返し部材521の移動方向を向くように構成されている。
返し部材521に対して遊技球が衝突し、同返し部材521がゴムシート527側に移動した場合にはコイルバネ522が圧縮される。ゴムシート527は上記実施の形態と同様にゴム材によって構成されており、その反発力がコイルバネ522の反発力よりも弱くなるように形成されている。このため、返し部材521が元の状態に復帰する際には、コイルバネ522の付勢力によりゴムシート527の変形に先んじて移動し、返し部材521がゴムシート527から離間する。
以上詳述した変形例においては、確かに遊技球の勢いを減じることはできるものの、当接部材521自身が変形しないため、遊技球が衝突した際に生じる衝突荷重が比較的大きくなりやすいと想定される。これは、第1緩衝機構520の耐久性を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、遊技球が衝突する部分は、その衝突に基づいて自身が変形するように形成するとよい。
(c3)上記実施の形態では、返しゴム270を移動可能に設けたが、これに限定されるものではない。返しゴムは、少なくともゴムシート310に干渉する位置まで変位可能であればよく、そのような変位が返しゴムの変形によって実現されてもよい。
(c4)上記実施の形態では、返しゴム270とゴムシート310との間に隙間を形成する構成としたが、これを排除し、両者を当接させることも可能である。
(c5)上記実施の形態では、ゴムシート310の復帰に要する期間を、遊技球の発射間隔(0.6sec)と同等としたが、これを変更し、上記期間を遊技球の発射間隔よりも短くすることも可能である。また、上記期間を遊技球の発射間隔に対して長くなるように設定することも可能である。しかしながら、このように上記期間を遊技球の発射間隔に対して長くした場合、ゴムシート310が復帰している最中に再び遊技球に押された返しゴム270と当たるため、それら返しゴム270及びゴムシート310の相対速度が増すこととなる。これは返しゴム270及びゴムシート310が当たった際の衝突荷重を増加させる要因となり得るため好ましく。故に、望ましくは上記期間は、遊技球の発射間隔と同等又はそれよりも短くなるように構成するとよい。
(c6)上記実施の形態では、ホルダ280によって返しゴム270の変形及び変位を規制する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。返しゴム270がゴムシート310に向けて移動するように当該返しゴム270を案内する案内部材を設けることも可能である。
(c7)上記実施の形態では、返しゴム270及びゴムシートの二つのゴム片を用いる構成としたが、その個数を増やすことも可能である。この場合、遊技球が衝突した際の衝突荷重の伝播方向にそれら複数のゴム片一列に並べて配置するとよい。なお、各ゴム片の間に隙間を設けるか否かは任意である。
(c8)上記実施の形態では、返しゴム270における球衝突部276の面拡がり方向を、外レール102に沿った遊技球の飛翔経路に対して直交させたが、これに限定されるものではない。例えば、球衝突部276の面拡がり方向を上記飛翔経路に対して傾ける(非直交にする)ことも可能である。但し、球衝突部276を過度に傾けると、遊技球を受けにくくなると想定される。これは、遊技球の勢いを弱めるという返しゴム270の機能を弱める要因となり得る。故に、好ましくは、球衝突部276を遊技球の飛翔経路に対して直交させるとよい。なお、球衝突部276は、必ずしも平面状である必要は無く、曲面状とすることも可能である。
(d1)上記実施の形態では、大当たり発生時に両可変入賞装置83a,83bが同じタイミングで開閉される構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、両可変入賞装置83a,83bの開放タイミングを相違させることにより、それら両可変入賞装置83a,83bの開放が交互に行われる構成としてもよい。
(d2)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、遊技球が打ち出される遊技領域(遊技領域81)が前面側に形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(本体枠13)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を囲む周壁部材(外レール102)に沿って打ち出された遊技球が衝突した場合にその衝突によって発生する衝撃の一部を吸収するとともに、同遊技球を跳ね返す返し部材(返しゴム270)と
を備え、
前記遊技盤には、取付部材(ホルダ280)によって前記返し部材が取り付けられており、
前記支持枠において前記返し部材の球衝突部(球衝突部276)とは反対側に対向する部位には、少なくとも前記球衝突部に対して遊技球が当った場合に前記返し部材が当接する当接部(ストッパ300)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技領域に打ち出された遊技球は、返し部材の球衝突部に衝突することによって跳ね返される。このように遊技球が衝突することによって発生した衝撃(衝突荷重)は、返し部材を介して支持枠の当接部に伝播され、返し部材と支持枠とに分散される。
また、例えば、遊技盤等の遊技機固有となり得る構成を交換することにより、支持枠等の遊技性等への影響が小さい構成のリユースを促進することが可能となる。本特徴においては特に、返し部材を遊技盤に取り付けている。これにより、遊技盤の交換に併せて返し部材を入れ替えることが可能となり、遊技球の跳ね返り量や、跳ね返りの角度等を各機種毎に設定しやすくできる。故に、リユース性の向上と、各機種における遊技球の流下態様の差違を明確化しやすくでき、各機種の差別化を促進できる。
なお、「遊技領域」は釘等の遊技部品が配置されている領域に限定されるものではなく、遊技盤の前面側にて遊技球が移動する領域であればたりる。
因みに、「支持枠」は、例えば視認窓を有し、その視認窓を通じて遊技機前方から遊技領域を視認可能にするものとすればよい。
特徴A2.前記返し部材は、前記取付部材によって前記遊技球の衝突方向への変位が可能な状態で取り付けられていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
遊技球が返し部材に衝突した際に発生する衝突荷重の大きさは、遊技球と返し部材との接触期間の長さに反比例する。本特徴に示すように、遊技球が返し部材に衝突した際に同返し部材が変位することで、遊技球と返し部材との接触期間を長くすることができる。これにより、衝突荷重を減じることができる。例えば、返し部材と当接部との間に返し部材の変位を許容する隙間を設けるとよい。
特徴A3.前記返し部材が遊技球の衝突に基づいて変位した場合に、当該返し部材の変位に基づいてその変位方向とは逆向きに生じる付勢力を蓄え、その付勢力によって前記返し部材を変位前の位置に復帰させる復帰機構(例えば挿通孔272や軸体295)を備えていることを特徴とするA2に記載の遊技機。
特徴A2に示したように返し部材を変位させる構成においては、返し部材の変位に基づいて蓄えられた付勢力によって返し部材を変位前の位置に復帰させることにより、遊技球の繰り返しの衝突に対応することができる。
特徴A4.前記復帰機構として、前記返し部材が遊技球の衝突に基づいて変位した場合に前記遊技盤上であって当該返し部材が当接する位置に固定された突起部(例えば軸体295)からの反力を受けることで弾性変形し、その弾性変形によって蓄えられた付勢力によって衝突前の位置に復帰する構造を有することを特徴とするA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、返し部材の変位によって、変位前の位置に向けての弾性力が同返し部材自身に蓄えられる。これにより、構成の簡素化を図りつつ、遊技球の繰り返しの衝突に対応することが可能となる。
なお、本特徴を特徴A2に適用することも可能である。この場合、本特徴を「前記返し部材が、遊技球の衝突に基づいて変位した場合に、前記遊技盤上であって当該返し部材が当接する位置に固定された突起部(例えば軸体295)からの反力を受けることで弾性変形し、その弾性変形によって蓄えられた付勢力によって衝突前の位置に復帰する復帰機構を有することを特徴とするA2に記載の遊技機」と置き換えるとよい。
特徴A5.前記当接部は、返し部材を介して伝播した遊技球の衝突荷重を受ける荷重受け面(荷重受け部77の起立面)を備え、
前記荷重受け面は、遊技球の衝突方向と平行でない向きに形成されていることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、荷重受け面が遊技球の衝突方向と直交しない方向に広がっているため、遊技球が返し部材に衝突した場合に、同返し部材を介して当接部に伝播する衝突荷重の伝播方向を分化し、同衝突荷重を支持枠のより広域に分散させやすくできる。
特徴A6.前記返し部材は、前記遊技盤の前面に対して起立し且つ遊技球の衝突方向又は略衝突方向に延びる2つの側面部を有し、
前記取付部材は、前記返し部材の両側面部に接触した状態で同返し部材を保持するものであり、
前記荷重受け面は、前記返し部材から伝わった衝突荷重の反力を前記取付部材において前記両側面部に接触している部分に伝える向きに形成されていることを特徴とするA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技球が球衝突部に衝突した際に発生する衝突荷重は荷重受け面に伝播し、荷重受け面からの反力が取付部材(詳しくは側面部との接触部分)に伝播することとなる。これにより、荷重受け面からの反力が遊技球に対して過度に直接的に伝播することを回避することができ、遊技球の跳ね返りを弱めやすくできる。
また、例えば球衝突部が遊技球の衝突方向に対して直交しない方向に拡がる構成することにより、遊技球に加わる反力の低減に貢献し得ると想定される。しかしながら、このような対応を行った場合には、遊技球が球衝突部に沿って逃げやすくなると想定される。これは、遊技球の勢いを弱めにくくする要因となり得る。この点、本特徴に示すように荷重受け面を傾けることで反力を取付部材の側面部に伝播させれば、球衝突部を遊技球の衝突方向と反対に向けたとしても遊技球に伝播する反力を低減できる。つまり、球衝突部の傾きを要することなく上記反力の低減に貢献できる。故に、遊技球衝突時の遊技球の逃げを抑えて衝突荷重を当接部に伝播させやすくしつつ、遊技球への反力を低減することでそれら遊技球の跳ね返りを抑制しやすくすることができる。
特徴A7.前記返し部材は、前記遊技盤の前面に対して起立し且つ遊技球の衝突方向又は略衝突方向に延びる2つの側面部を有し、
前記取付部材は、前記返し部材の両側面部に接触した状態で同返し部材を保持するものであり、
前記返し部材において、前記周壁部材に沿って打ち出された遊技球の衝突位置が、前記2つの側面部の間であり且つそれらの何れか一方に偏倚した位置であることを特徴とするA5に記載の遊技機。
特徴A7によれば、球衝突部が遊技球の衝突方向と略反対方向を向いているため、遊技球の逸れを生じにくくし、緩衝機能を良好なものとすることができる。
また、本特徴によれば、周壁部材によって案内された遊技球は球衝突部の端部に偏倚した位置に衝突することとなる。この衝突によって第1返し部材を、遊技球の衝突方向とは異なる方向に変位させる力、すなわち同返し部材を回転させる力が生じる。このような返し部材の動きは取付部材の規制壁部によって抑えらこととなる。つまり、衝突によって発生した衝突荷重は取付部材の規制壁部を介して遊技盤に伝わることとなる。これにより、返し部材に加わった衝突荷重を遊技盤に分散させることができる。
なお、本特徴を特徴A6と組み合せることも可能である。この場合、「前記返し部材は、前記遊技盤の前面に対して起立し且つ遊技球の衝突方向に延びる2つの側面部を有し、前記取付部材は、前記返し部材の両側面部に接触した状態で同返し部材を保持するものであり、前記荷重受け面は、前記両側面部のうち一方側に傾いており、前記返し部材において、前記周壁部材に沿って打ち出された遊技球の衝突位置が、前記2つの側面部の間であり且つそれらの何れか一方に偏倚した位置であることを特徴とするA5に記載の遊技機」とすればよい。
特徴A8.前記返し部材は、弾性変形可能に構成された第1緩衝部材であり、
前記当接部は、前記第1緩衝部材に押された場合に弾性変形可能に形成された第2緩衝部材(ゴムシート310)を備えていることを特徴とするA1乃至A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1緩衝部材によって当接部が押された場合に、第2緩衝部材が弾性変形することにより遊技球の衝突による衝突荷重を更に分散させることができる。これにより、上述した緩衝機能を強化することができる。
なお、特徴A5(当接部が荷重受け面を有する構成)等との組み合わせにおいては、荷重受け面に対して第2緩衝部材を取り付け、同第2緩衝部材が第1緩衝部材と荷重受け面とによって挟まれる構成とするとよい。
特徴A9.前記第1緩衝部材と前記第2緩衝部材とは互いに対向する平面部を各々有し、少なくとも遊技球が衝突した場合にはそれら両平面部が面接触することを特徴とするA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第1緩衝部材によって第2緩衝部材が押された場合に両者が面接触(面当り)する。これにより、第2緩衝部材が局所的に変形することを抑制し、上述した衝突荷重を第2緩衝部材の広域に分散させやすくできる。
また、特徴A2(第1緩衝部材の遊技球衝突方向への変位が許容されている構成)との組み合わせにおいては特に、第1緩衝部材の平面部によって第2緩衝部材の平面部を押すことにより、第1緩衝部材に加わった衝突荷重を第2緩衝部材に伝える際に衝突荷重の伝播経路を拡げやすくできる。詳しくは、第1緩衝部材に対して遊技球が衝突した場合、球衝突部の局所に衝突荷重が偏ることにより、第1緩衝部材全体に衝突荷重を分散させることが困難となり得る。一方、第1緩衝部材が変位して同第1緩衝部材の平面部と第2緩衝部材の平面部とが面接触すれば、第2緩衝部材の広域に衝突荷重が分散させながら伝播させることができる。故に、衝突荷重の分散を一層好適なものとすることが可能となる。
更には、返し部材に対する遊技球の衝突位置がばらついた場合であっても、その跳ね返り度合いがばらつくことを抑制し、同遊技球の跳ね返りの安定化を図ることもできる。
特徴A10.前記第1緩衝部材及び第2緩衝部材の各平面部は、前記遊技球の衝突方向に直交していない平面によって構成されていることを特徴とするA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特徴A5に示した効果と同様の効果に加え、以下の効果を奏する。すなわち、第1緩衝部材によって第2緩衝部材が押された場合に、遊技球の衝突方向とは異なる方向に衝突荷重が伝播することとなる。これにより、上記緩衝機能を一層好適なものとすることができる。
特徴A11.前記第1緩衝部材は、前記取付部材によって前記遊技球の衝突方向への変位が可能な状態で取り付けられているとともに、遊技球の衝突によって同第1緩衝部材が変位した場合にその変位方向とは逆向きに生じる付勢力により、変位前の位置に復帰するものであり、
前記第2緩衝部材は、前記第1緩衝部材が前記衝突方向に変位した場合に、同第1緩衝部材によって押されることで弾性変形し、その弾性変形によって蓄えられた付勢力により遊技球衝突前の状態へ復帰するものであり、
前記第2緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間は、前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の位置に復帰するのに要する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とするA8乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技球が球衝突部に衝突し第1緩衝部材が変位すると、同第1緩衝部材を変位方向とは逆向きに付勢する付勢力が生じる。第2緩衝部材は、第1緩衝部材によって押されることで、同第1緩衝部材の変位に追従して変形し、自身の弾性変形に基づいて元の状態に復帰するための付勢力が蓄えられる。両緩衝部材が上記各付勢力によって復帰を開始した後には、第2緩衝部材の復帰が第1緩衝部材の復帰に対して遅れる。つまり、第1緩衝部材が第2緩衝部材から離間する。これにより、第2緩衝部材によって第1緩衝部材が押されることを抑制し、第1緩衝部材が同第1緩衝部材から跳ね返った遊技球を押すといった不都合を生じにくくすることができる。
また、仮に第1緩衝部材が遊技球を押した場合であっても、第2緩衝部材の復帰を第1緩衝部材の復帰に対して遅らせることで、第2緩衝部材に蓄えられた付勢力が遊技球に伝わることを抑制しやすくできる。
なお、「第2緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間」は、第2緩衝部材変形量が最大となった時点(例えば復帰を開始した時点)から、変形前の状態に至るまでに要する期間を示しており、変形前の状態を超えて更に変形した後、変形前の状態に戻るまでの期間を含むものではない。同様に、「前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の位置に復帰するのに要する期間」は、第1緩衝部材の変位が最大となった時点(例えば変位方向が変わった時点)から、変位前の位置に至るまでに要する期間を示しており、変位前の位置を通り越した後、変位間の状態に戻るまでの期間を含むものではない。
特徴B1.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、遊技球が打ち出される遊技領域(遊技領域81)が前面側に形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に前記遊技盤の前面から突出した状態で設けられる遊技部品(例えば可変表示ユニット86)と、
前記遊技部品の外周部(例えば表側フレーム構成体251の外側隔壁部364)に設けられ、遊技球が衝突することにより変形し衝撃を弱める緩衝部材(例えば表側プレート380)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技領域に配置された遊技部品の外周には緩衝部材が設けられている。遊技領域に打ち出された遊技球がこの緩衝部材に当たった場合、同緩衝部材が変形することによってその衝撃が緩和される。すなわち、遊技球の衝突によって発生する衝撃(衝突荷重)が低減される。これにより、遊技部品を保護することができる。
特徴B2.前記緩衝部材は、遊技球が衝突する球衝突部(球衝突部381)を有し、
前記遊技部品は、前記球衝突部に対して遊技球が衝突した場合の当該衝突部の変位を許容する状態で前記緩衝部材を保持していることを特徴とするB1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技球が緩衝部材(詳しくは球衝突部)に当たった場合、球衝突部が変位する。このように球衝突部を変位させることにより、遊技球が衝突した際の同遊技球と緩衝部材との接触時間を長くすることができる。遊技球が衝突した場合に発生する衝突荷重の大きさは、上記接触時間に反比例する。つまり、同遊技球と緩衝部材との接触時間を長くすることで、遊技球の衝突によって発生する衝突荷重を低減することができる。故に、遊技部品の保護機能を向上させることができる。
例えば、緩衝部材と遊技部品との間に同緩衝部材の動作領域を設けるとよい。
特徴B3.前記緩衝部材は、撓み変形可能な弾性体によって構成されているとともに、当該緩衝部材の撓み変形に基づいて前記球衝突部を変位させるものであり、
前記球衝突部に対して遊技球が衝突し同球衝突部が変位する先には、前記球衝突部が所定量以上に変位した場合に、同球衝突部の変位を制限する衝突時変位制限手段(収容部370のプレート受け部373)が設けられていることを特徴とするB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、緩衝部材を撓み変形可能な弾性体によって構成することにより、構成の複雑化を回避しつつ都度の遊技球の衝突に対応することが可能となっている。
しかしながら、緩衝部材の撓み変形を許容することで、同緩衝部材が弾性域を越えて変形し、すなわち塑性変形し緩衝機能が低下するといった不都合が生じ得る。このような不都合は、複数の遊技球が同時に球衝突部に対して衝突すること等により緩衝部材に過度の負荷が加わった場合に発生しやすいと想定される。上記不都合を回避するには、想定される最大負荷に対応して緩衝部材の強度を上げるといった対策が効果的である。しかしながら、このような対策は、緩衝部材の撓み変形を困難なものとし、上記緩衝機能を低下させる要因となり得るためこのましくない。
この点、本特徴においては、球衝突部の変位を衝突時変位制限手段によって制限できるため、上述の如く過度の負荷が加わった場合であっても緩衝部材の塑性変形を好適に回避できる。つまり、緩衝部材の強度を抑えることによってその撓み変形を促進しつつ、局所的に負荷が増大した場合には衝突時変位制限手段によって緩衝部材の塑性変形を回避することが可能となる。故に、緩衝機能の向上しつつ、同機能を担保することが可能となる。
特徴B4.前記緩衝部材は、前記遊技盤の前面に対して起立して設けられているとともに、同遊技盤の前面に沿って延びる長板状をなし、
さらに、前記緩衝部材は、当該緩衝部材の長手方向における両端のうち一端が前記遊技部品に固定された固定端、他端が前記遊技部品に固定されていない自由端であり、
前記球衝突部は、前記緩衝部材の自由端を含んだ部分に形成されていることを特徴とするB2又はB3に記載の遊技機。
特徴B2及び特徴B3に示した球衝突部の変位を実現するには、本特徴に示すように緩衝部材を長板状に形成し、その一端を固定端とするとともに他端を自由端とするとよい。遊技球が緩衝部材の自由端側に衝突することにより緩衝部材の変形量及び球衝突部の変位量を大きくしやすくできる。
本特徴においては球衝突部の変位を大きくさせやすい反面、その変位に伴って発生する応力も大きくなりやすいと想定される。このような応力は緩衝部材を塑性させる要因となり得る。この点、特徴B3(衝突時変位制限手段を有する構成)と組み合わせることによって、そのような不都合を生じにくくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B5.前記遊技領域には、当該遊技領域を囲む周壁部材(外レール102)に沿って打ち出された遊技球を跳ね返す返し部材(返しゴム270)が設けられ、
前記返し部材に対向する位置に前記遊技部品が設けられており、前記返し部材による遊技球の跳ね返りエリアに前記緩衝部材が設けられていることを特徴とするB1乃至B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、返し部材からの跳ね返りエリアに緩衝部材を設けることで、遊技球が緩衝部材の周辺にずれて、すなわち遊技部品の外周部に直接衝突することを抑制し、上述した緩衝効果を享受しやすくできる。また、遊技球の衝突箇所を限定しやすくでき、緩衝部材の設置範囲を狭めることが可能となる。これにより、緩衝部材の大型化を抑制し、遊技領域における緩衝部材の占有領域を狭めることができる。
なお、返し部材に向けて一定の速度及び間隔で遊技球が打ち出される場合(例えば「右打ち」時)には、それら遊技球の返し部材からの跳ね返りばらつきが抑えられやすくなると考えられる。このように遊技球の跳ね返り方向及び跳ね返り強さを特定しやすいエリアに緩衝部材を配することで、緩衝部材において対応すべき衝突態様(衝突方向や衝突速度)を限定できる。これにより、対応すべき衝突態様を絞り、より効率的に緩衝機能を発揮させることが可能となる。
特徴B6.前記遊技領域には、前記遊技領域を囲む周壁部材(外レール102)に沿って打ち出された遊技球を跳ね返す返し部材(返しゴム270)が設けられ、
前記返し部材に対向する位置に前記遊技部品が設けられているとともに、前記返し部材による遊技球の跳ね返りエリアに前記緩衝部材が設けられ、
前記緩衝部材は、前記遊技盤の前面に対して起立して設けられているとともに、同遊技盤の前面に沿って延びる長板状をなし、当該緩衝部材の長手方向における両端のうち一端が固定されているとともに他端が固定されていない状態で設置されており、
前記球衝突部は、前記他端を含んだ部分に形成されているとともに、前記返し部材から跳ね返った遊技球の衝突方向に対して直交しない方向に延びており、
さらに、前記緩衝部材は、遊技球の衝突方向への変位に加え、当該緩衝部材の固定端側への変位が許容されていることを特徴とするB2又はB3に記載の遊技機。
特徴B6によれば、特徴B4及び特徴B5に示した効果に加え以下の効果を奏する。
遊技球が球衝突部に衝突した場合、球衝突部が遊技球の衝突方向に変位するとともに、固定端側に変位する。このように、緩衝部材の変形の態様を多様化することにより、緩衝部材に加わる衝突荷重を分散させやすくできる。これにより、遊技球が繰り返し衝突することによる緩衝部材の疲労(緩衝機能の低下)を抑制しやすくしている。
なお、緩衝部材を弾性体によって構成し、自身の弾性力(付勢力)によって初期の状態に遊技球衝突前の状態に復帰する構成を採用することで、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技球の衝突に基づいて変形した緩衝部材は、自身の弾性力によって元の状態に復帰する。この場合、緩衝部材が固定端を基端として変形することによって蓄えられた弾性力は遊技球を押し戻すように作用しやすい。これと比較して緩衝部材が固定端側に変形することにより蓄えられた弾性力は遊技球の表面を滑るように作用しやすい。このような変形の態様の差違を利用して、前者の変形によって蓄えられた弾性力が開放されるタイミングと、後者の変形に基づいて蓄えられた弾性力が開放されるタイミングと異ならせることが可能となる。これにより、遊技球に伝わる反力抑え、同遊技球が勢いよく跳ね返ることを回避できる。故に、緩衝部材よりも下流に配された各種構成の保護に貢献できる。
特徴B7.前記緩衝部材は、当該緩衝部材の長手方向とは異なる方向に延びる折曲部(折曲部383)を有していることを特徴とするB6に記載の遊技機。
特徴B6に示した構成においては、固定端側に向けての変形よりも同固定端を基端とする変形の方が発生しやすと想定される。そこで、本特徴に示すように緩衝部材の長手方向とは異なる方向に延びる折曲部を設けるとよい。これにより、固定端側へ向けての変形を生じやすくすることができ、衝突荷重を好適に分散させることが可能となる。
なお、「折曲部」は、例えば緩衝部材において折り曲げられて凸をなしている部分の頂部を示している。
特徴B8.前記緩衝部材は、当該緩衝部材の長手方向に並べて設けられた複数の折曲部(折曲部383)を有し、
それら複数の折曲部は、前記遊技球の衝突方向における先側に凸となっているものと、前記衝突方向とは反対側に凸となっているものとを有してなることを特徴とするB6に記載の遊技機。
特徴B6に示した構成においては、固定端側に向けての変形よりも同固定端を基端とする変形の方が発生しやすと想定される。そこで、本特徴に示すように凸となる側が反対となる複数の折曲部を設けるとよい。これにより、固定端側へ向けての変形を生じやすくすることができ、衝突荷重を好適に分散させることが可能となる。
なお、「折曲部」は、例えば緩衝部材において折り曲げられて凸をなしている部分の頂部を示している。
特徴B9.前記緩衝部材は、前記遊技盤上に上下方向に延びる向きで設けられ、当該緩衝部材における自由端が固定端よりも上側に位置していることを特徴とするB6乃至B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技球が衝突した場合に遊技球の自重によって固定端側への緩衝部材の変形を生じさせやすくでき、上記緩衝機能の向上に貢献できる。
特徴B10.前記遊技部品は、絵柄を表示する絵柄表示装置(絵柄表示装置90)と、その絵柄表示装置を前記遊技領域における上流側から囲うフレームユニット(センターフレーム91)とを有してなり、
前記フレームユニットは、遊技盤に取り付けられているベース体(裏側フレーム構成体331)と、同ベース体を遊技機前方から覆うとともに装飾が付与された装飾体(表側フレーム構成体351)とが遊技機の前後方向に組み合わされてなり、
前記緩衝部材は、それらベース体及び装飾体によって挟まれ、前記球衝突部が露出した状態で保持されていることを特徴とするB2乃至B9のいずれか1つに記載の遊技機。
フレームユニットによって絵柄表示装置を上流側から囲う構成を採用することで、絵柄表示装置への遊技球の衝突等を回避しやすくできる。このようにフレームユニットによって絵柄表示装置を保護する構成においては、同フレームユニットに緩衝部材を付与することで当該フレームユニットに加わる衝撃を低下させることができる。しかしながら、緩衝部材を追加設定することによって遊技領域におけるフレームユニットの占有領域が大きくなることは、遊技領域の範囲が限られている点を考慮すると好ましいとはいえない。また、遊技部品(フレームユニット)の組み立てが煩雑化することは好ましくない。
この点、本特徴によれば、緩衝部材をベース体及び装飾体によって挟んだ状態で保持することにより、緩衝部材を取り付けるための固定具等の付属構成を簡素化又は省略でき、フレームユニットの占有領域(設置スペース)を極小化できる。また、それらベース体及び装飾体を組み合わせることにより、緩衝部材の取り付けがなされるため、製造工程の簡略化に貢献することもできる。
なお、フレームユニットが、役割の異なる複数の部材(ベース体及び装飾体)を備える構成とすることで、フレームユニットの意匠性の向上と強度向上とを両立しやすくしている。
特徴B11.前記ベース体及び前記装飾体の組み合わせ方向と、前記球衝突部の変位方向とが相違していることを特徴とするB10に記載の遊技機。
緩衝部材に対して遊技球が衝突した場合には、その衝突によって発生する衝突荷重の一部が緩衝部材の固定部分等を介してフレームユニットに伝播する。フレームユニットを構成するベース体及び装飾体の組み合わせ方向が力の伝播方向と同じになると、それらベース体及び装飾体の組み付け部分に両者を引き離すような負荷が加わりやすくなると想定される。これは、ベース体及び装飾体の位置ずれ等を招来する要因となるため好ましくない。この点、本特徴によれば、球衝突部の変位方向とフレーム構成体の組み合わせ方向とが異なっている。このため、ベース体及び装飾体の組み付け部分等に両者を引き離すような負荷が加わることを抑制できる。これにより、特徴B9に示した効果を享受しつつ、フレーム構成体の外観の悪化等を抑制でき、実用上好ましい構成が実現できる。
例えば、ベース体及び装飾体の組み合わせ方向を遊技盤の盤面と直交する方向とし、球衝突部の変位方向を遊技盤の盤面に沿う方向とすればよい。この場合、ベース体及び装飾体の合わせ部分を遊技機前方から視認しにくくできる。特に、フレームが遊技領域に存在していることを想定すれば、上述の如く外観の悪化を回避可能とすることにより、遊技機の意匠性の担保に貢献でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B12.前記緩衝部材は、遊技球が衝突する球衝突部(球衝突部381)を有し、同球衝突部に対して遊技球が衝突した場合の当該衝突部の変位を許容する状態で前記遊技部品によって保持されている第1緩衝部材であり、
前記遊技部品と前記第1緩衝部材との間には、遊技球の衝突によって前記球衝突部が変位した場合に、同球衝突部の変位に伴って変形する第2緩衝部材(裏側プレート390)が設けられていることを特徴とするB1乃至B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、遊技球が球衝突部に衝突し同球衝突部が変位すると、当該球衝突部の変位に伴って第2緩衝部材が変形する。これにより、第1緩衝部材に加わった衝突荷重の一部を第2緩衝部材に伝播させることができる。詳しくは、第1緩衝部材を有する構成においては、上記衝突荷重が遊技部品における局所(例えば第1緩衝材を保持している
部分)に集中しやすくなると考えられる。この点、第2緩衝部材を有する構成とすれば、第2緩衝部材を介して上記衝突荷重の一部を遊技部品におけるより広い範囲に分散させやすくできる。これにより、局所的な負担の増加を抑制し、緩衝機能の担保に貢献できる。
例えば、第1緩衝部材よりも遊技球の衝突方向における先側に第2緩衝部材を配置してもよいし、第2緩衝部材よりも遊技球の衝突方向における先側に第1緩衝部材を配置してもよい。
なお、特徴B4等(第1緩衝部材の一端を固定する構成)においては特に、第2緩衝部
材を第1緩衝部材の自由端に対応する位置に配置するとよい。
因みに、本特徴に示す「球衝突部」と特徴B2に示した「球衝突部」とは同一のものである。
特徴B13.前記第2緩衝部材は、前記球衝突部において遊技球が衝突する面とは反対側に配されており、前記球衝突部が変位した場合に、前記第1緩衝部材及び前記遊技部品によって挟まれることにより圧縮されるものであることを特徴とするB12に記載の遊技機。
特徴B1等に示したように、第1緩衝部材に対して遊技球が衝突する構成においては、第1緩衝部材を遊技部品の外側に配置することが望ましい。仮に第2緩衝部材を第1緩衝部材よりも外側に配置し第1緩衝部材の変形によって伸張する構成を採用した場合、第2緩衝部材によって第1緩衝部材の露出が制限されやすくなると想定される。更には、第2緩衝部材と第1緩衝部材及び遊技部品とを接続する必要が生じ、上記露出の制限が更に顕著なものとなり得る。この点、本特徴に示すように、第2緩衝部材を球衝突部とは反対側、すなわち遊技球の衝突方向における先側に配置することで、上記制限を緩和し第1緩衝部材の露出範囲を広げやすくできる。故に、上記緩衝機能を発揮させやすくできる。
なお、例えば両緩衝部材を板材によって形成し、遊技球の衝突方向において第2緩衝部材が先側となるように両緩衝部材を重ねて配置するとよい。これにより、第1緩衝部材の一方の板面を遊技球が衝突する部分として活用でき、他方の板面を第2緩衝部材との接触面として活用できる。
特徴B14.前記第1緩衝部材は、弾性体によって構成されているとともに、前記遊技球の衝突による球衝突部の変位によって、同球衝突部を遊技球衝突前の位置へ復帰させる付勢力を蓄えるものであり、
前記第2緩衝部材は、弾性体によって構成されているとともに、前記第1緩衝部材に押されて変形することにより、当該第2緩衝部材を遊技球衝突前の状態に復帰させる付勢力を蓄えるものであり、
前記第2緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間が、前記第1緩衝部材において前記球衝突部が遊技球衝突前の位置に復帰するのに要する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とするB12又はB13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、遊技球が第1緩衝板材に衝突し球衝突部が変位すると、第2緩衝部材は、球衝突部の変位に追従して変形し、それら両緩衝部材には自身の弾性変形に基づいて元の状態に復帰するための弾性力が蓄えられることとなる。両緩衝部材が各々の弾性力によって遊技球衝突前の状態への復帰を開始した後には、第2緩衝部材の復帰が第1緩衝部材の復帰に対して遅れる。つまり、第2緩衝部材によって第1緩衝部材が押されたり引っ張られたりすることが抑制され、球衝突部から跳ね返った遊技球に球衝突部が追いつきにくくしている。故に、球衝突部から跳ね返った遊技球が球衝突部に押されて加速するといった不都合を生じにくくすることができる。
また、仮に第1緩衝部材(詳しくは球衝突部)が遊技球を押した場合であっても、遊技球の衝突に基づいて第2緩衝部材に蓄えられた力は、遊技球に対して還元されにくくできる。
なお、「第2緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間」は、第2緩衝部材変形量が最大となった時点(例えば復帰を開始した時点)から、変形前の状態に至るまでに要する期間を示しており、変形前の状態を超えて更に変形した後、変形前の状態に戻るまでの期間を含むものではない。同様に、「前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の位置に復帰するのに要する期間」は、第1緩衝部材の変位が最大となった時点(例えば変位方向が変わった時点)から、変位前の位置に至るまでに要する期間を示しており、変位前の位置を通り越した後、変位間の状態に戻るまでの期間を含むものではない。
特徴B15.前記遊技領域側から前記第1緩衝部材の前記球衝突部に当接することにより、同球衝突部が変位前の位置に復帰する場合にその変位前の位置を超えての変位を制限する復帰時変位制限手段(爪部372)を備え、
前記第2緩衝部材は、前記第1緩衝部材及び前記復帰時変位制限手段とが当接している状態にて、同第1緩衝部材に対して当接するように形成されていることを特徴とするB12乃至B14のいずれか1つに記載の遊技機。
第1緩衝部材が復帰する際には、衝突時の変位に応じて、振り返しも大きくなり、同第1緩衝部材に振動が残りやすくなると想定される。特に遊技球衝突時の変位を積極的に大きくしようとすれば、そのような振動もより顕著なものとなり得る。そのような振動の発生は、遊技部品の耐久性等に悪影響を及ぼすと考えられる。例えば、遊技部品が可動体によって構成されている場合には、このような振動が誤動作等を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、第1緩衝部材が自身の弾性力によって変形前の状態に復帰する場合に、第1緩衝部材と復帰時変位制限手段とが当たることで、第1緩衝部材の過度の変形を回避するとともに、上記振動を抑制することができる。更には、振り返しを抑えることで、遊技球との不要な接触機会を減らすことができる。
特に、特徴B14に示したように、第2緩衝部材の復帰が第1緩衝部材の復帰に対して遅れる構成においては上記振動が発生しやすくなると想定されるが、第2緩衝部材を用いて、第1緩衝部材を復帰時変位制限手段との間に挟むことが可能であれば、上記振動の発生を好適に抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C1.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、遊技球が打ち出される遊技領域(遊技領域81)が前面側に形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
遊技球が衝突する球衝突部(球衝突部276,381)を有し、同球衝突部に対して遊技球が衝突した場合に当該球衝突部が変位することで衝撃を吸収し、且つその変位に基づいて蓄えられた付勢力により前記球衝突部が遊技球衝突前の位置へ復帰する第1緩衝部材(例えば返しゴム270や表側プレート380)と、
前記第1緩衝手段の球衝突部の変位に応じて弾性変形することで遊技球の衝突によって発生する衝撃を吸収するとともに、遊技球衝突前の状態へ復帰する付勢力を蓄える第2緩衝部材(例えばゴムシート310や裏側プレート390)と
を備え、
前記第2緩衝部材が自身の付勢力によって遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間が、前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技球は第1緩衝部材の球衝突部に衝突することによりその勢いが減じられる。このように遊技球の勢いを減じることで、例えば遊技領域において第1緩衝
手段よりも下側に配置されている各種構成(例えば釘88や役物89等)に遊技球が勢いよく衝突することを抑制できる。故に、それら各種構成を好適に保護することができる。
遊技球が球衝突部に衝突した際には、第1緩衝部材の球衝突部が変位することによって、更には第2緩衝部材が球衝突部の変位に応じて変形することによってその衝撃が吸収される。そして、このような衝撃の吸収に伴って、第1緩衝部材の球衝突部を遊技球衝突前の位置に復帰させる付勢力と、第2緩衝部材を遊技球衝突前の状態に復帰させる付勢力とが蓄えられる。
遊技球の衝突による衝撃を吸収した後それら両緩衝部材が復帰を開始した際には、第2緩衝部材の復帰が第1緩衝部材(詳しくは球衝突部)の復帰に対して遅れることとなる。これにより、第1緩衝部材に対して、第2緩衝部材に蓄えられた付勢力の影響が及ぶことを抑制できる。故に、第1緩衝部材が第2緩衝部材によって押されて又は引っ張られて球衝突部から跳ね返った遊技球に対して追いつくことを抑制できる。すなわち、第1緩衝部材の球衝突部から跳ね返った遊技球が同第1緩衝部材によって押されて加速するといった不都合を回避しやすくできる。
また、仮に第1緩衝部材が遊技球を押した場合であっても、第1緩衝部材の付勢力と比べて第2緩衝部材の付勢力の遊技球への伝播を抑えることができる。更には、第1緩衝部材が復帰している最中に遊技球が衝突した場合においても、第2緩衝部材の付勢力の遊技球への伝播を抑えることができるため、遊技球の跳ね返りが強まることを抑制できる。
以上のことから、衝撃の吸収効率を向上させ、緩衝機能を好適なものとすることができる。
なお、「第2緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間」は、第2緩衝部材変形量が最大となった時点(例えば復帰を開始した時点)から、変形前の状態に至るまでに要する期間を示しており、変形前の状態を超えて更に変形した後、変形前の状態に戻るまでの期間を含むものではない。同様に、「前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の状態に復帰するのに要する期間」は、第1緩衝部材の球衝突部の変位が最大となった時点(例えば変位方向が変わった時点)から、変位前の位置に至るまでに要する期間を示しており、変位前の位置を通り越した後、変位間の状態に戻るまでの期間を含むものではない。
因みに、「球衝突部が変位する」は、第1緩衝部材全てが変異することに伴って球衝突部が変位する場合と、第1緩衝部材において球衝突部又は球衝突部を含む一部のみが変位する場合とを含む。
また、本特徴に示す「付勢力」が、各緩衝部材を復帰させる力である点に着目すれば、「復帰力」と置き換えることも可能である。
特徴C2.前記第1緩衝部材は、遊技球の衝突方向に変位可能に設けられており、当該第1緩衝部材自身が変位することによって前記球衝突部が変位することを特徴とするC1に記載の遊技機。
例えば、第1緩衝部材において球衝突部のみを変位可能とし、第1緩衝部材における他の部位を変位できないように固定する構成を想定すれば、遊技球の衝突によって発生する衝撃が第1緩衝部材の固定部分に集中しやすくなる懸念される。また、第2緩衝部材を変形させる作用部分が限定されやすくなり、同第2緩衝部材の緩衝機能を活用しにくくなるおそれが生じる。この点、本特徴においては、遊技球が球衝突部に衝突した場合、第1緩衝部材がその衝突方向に変位し、それに伴って球衝突部が変位する。このように第1緩衝部材全体を変位させる構成とすることにより、第1緩衝部材において遊技球が衝突した際の衝撃を分散させやすくできる。また、第2緩衝部材を変形させる作用部分の設定自由度を高めることができ、同第2緩衝部材の緩衝機能を活用しやすくできる。
特徴C3.前記第1緩衝部材を遊技球衝突前の位置にて支持する支持部(例えば軸体295や嵌合部3371)を備え、
前記第1緩衝部材は、弾性体によって構成され、前記球衝突部と前記支持部との相対位置の変化に基づいて同支持部からの反力を受けることにより、当該球衝突部の変位方向とは逆向きに生じる付勢力を蓄えるものであることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1緩衝部材を弾性体によって構成することにより、遊技球衝突時に第1緩衝部材(詳しくは球衝突部)を変形させることが可能となる。これにより、第1緩衝部材と遊技球との接触時間の延長を図り、衝突によって発生する衝撃力を低減させることが可能となる。
また、第1緩衝部材を弾性体によって構成し、遊技球衝突前の位置にて支持する支持部との相対位置の変化によって付勢力を生じさせる構成とすることで、上述した衝突前の位置への復帰機能を第1緩衝部材自身に付与することが可能となる。例えば、バネ等の付勢手段を別途備える構成と比較して、構成及び構造の簡素化を図ることができ、緩衝に関する構成の小型化に貢献し得る。遊技領域という限られた範囲に第1緩衝部材を配置することを想定すれば、このように構成の大型化を回避しつつ上述した復帰機能を享受することが可能となることで、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば第1緩衝部材を変位可能な状態で保持する保持部材を有する構成を採用する場合には、保持部材と支持部とを一体で設けてもよいし、両社を別体で設けてもよい。
特徴C4.前記第2緩衝部材を前記第1緩衝部材よりも低反発な材料によって形成したことを特徴とするC3に記載の遊技機。
特徴C3に示した構成を実現するには、第2緩衝部材を第1緩衝部材よりも低反発な材料を用いて形成するとよい。第1緩衝部材や第2緩衝部材の反発力をそれら両者の形状の差違によって異ならせることも可能である。例えば、各緩衝部材の肉抜きの量等によって差違を生じさせることも可能である。しかしながら、このような対応を行った場合、変形時に負荷が集中しやすい部分ができやすくなり、これは部分的な塑性変形を招来する要因となり得る。この点、上述の如く適用する材料を相違させることにより、局所的な負荷の増大を抑制し、緩衝機能を担保しやすくできる。
また、例えば1の緩衝部材を用いて遊技球の勢いを弱める構成を想定すれば、同緩衝部材の反発力を弱めることにより、遊技球の緩衝レベルを高めることができる。しかしながら、このように緩衝部材の反発力を弱くすると、同緩衝部材の復元に要する期間が長くなる。仮に遊技球がその復元期間を割り込んで衝突すると、緩衝機能が正常に機能しなくなり得る。一方、遊技球の衝突頻度が密になる場合を想定して、緩衝部材の復元に要する期間を短縮した場合には、同緩衝部材の反発力が強まり上記緩衝機能が低下すると考えられる。この点、本特徴に示すように第1緩衝部材及び第2緩衝部材を併用する構成とすれば、それら相反する緩衝機能及び復帰機能を好適に両立することが可能となる。
特徴C5.前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材は、前記遊技球の衝突方向に並設されており、前記第2緩衝部材は前記第1緩衝部材よりも前記遊技球の衝突方向における先側に配置されていることを特徴とするC1乃至C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C5によれば、第1緩衝部材及び第2緩衝部材が、第2緩衝部材を遊技球衝突方向における先側として並設されているため、球衝突部に向かう遊技球が第2緩衝部材に衝突することを回避しやすくできる。また、第1緩衝部材の球衝突部の拡がりが第2緩衝部材による制約を受けにくくできる。故に、球衝突部を拡張し、遊技球の衝突位置のばらつきを許容しやすい構成を実現することが容易となる。
例えば、第1緩衝部材が変位する経路上に第2緩衝部材を配置するとよい。これにより、構造の簡素化を図りつつ、第1緩衝部材によって第2緩衝部材を押し、同第2緩衝部材を変形させることができる。
特徴C6.前記第2緩衝部材は、前記第1緩衝部材に押されることによって圧縮されるものであるとともに、その圧縮方向が遊技球の衝突方向とは異なるように形成されていることを特徴とするC5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第2緩衝部材の圧縮方向が、遊技球の衝突方向(球衝突部の変位方向)と異なっていることで、衝撃の分散を促進することができ、更には第1緩衝部材の復帰に対して第2緩衝部材の復帰を遅らせやすくできる。
また、仮に、第2緩衝部材の復帰が第1緩衝部材の復帰に追いついた場合であっても、すなわち第2緩衝部材によって第1緩衝部材が押された場合であっても、第2緩衝部材の付勢力の作用方向が第1緩衝部材(詳しくは球衝突部)の復帰する方向とずれているため、第1緩衝部材を押し戻す力として作用しにくくできる。
特徴C7.前記第2緩衝部材よりも遊技球の衝突方向における先側に、同第2緩衝部材に対して当接した状態で設けられており、当該第2緩衝部材を介して伝播した遊技球の衝撃を受ける受け部(荷重受け部77やプレート受け部373)を有し、
前記第2緩衝部材は平板状をなしており、
前記第1緩衝部材において、第2緩衝部材と対向している部分は、同第2緩衝部材の拡がり方向と同一方向に拡がる平面状をなしており、少なくとも遊技球が衝突した場合にはそれら両緩衝部材が面接触することを特徴とするC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技球衝突時に第1緩衝部材を経由して第2緩衝部材に伝わった衝撃は受け部に伝播する。この際、第2緩衝部材は、第1緩衝部材及び受け部によって挟まれ、自身の厚み方向に圧縮される。第2緩衝部材と第1緩衝部材とは面接触(面当り)する。これにより、衝突荷重を第2緩衝部材の広域に分散させることができる。このように第2緩衝部材における変形部分の広域化を図ることにより、都度の衝突における第2緩衝部材の変形パターンを均一化でき、復帰期間のばらつきを抑えることができる。また、繰り返しの衝突による局所的な疲労を抑え、第2緩衝部材の復帰期間の間延びを回避しやすくできる。
特徴C8.前記第1緩衝部材には、前記遊技盤の前面に対して起立し且つ遊技球の衝突方向に延びる2つの側面部が形成されており、
前記両側面部に接触し、前記第1緩衝部材の遊技球の衝突方向への変位を許容した状態で保持する保持部材(ホルダ280)を備え、
前記第1緩衝部材
前記受け部は、前記返し部材から伝わった衝突荷重の反力を前記取付部材において前記両側面部に接触している部分に伝える向きに形成されていることを特徴とするC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第2緩衝部材が復帰する場合に当該第2緩衝部材によって第1緩衝部材が押されたとしても、同第2緩衝部材の付勢力を保持部材において第1緩衝部材の側面部に接触している部分を介して同保持部材に伝播させることができる。つまり、第2緩衝部材に蓄えられた付勢力を保持部材に逃がすことで、同第2緩衝部材の付勢力が例えば遊技球を押し戻すように作用することを抑制できる。
特徴C9.前記第2緩衝部材は、前記第1緩衝部材が変位していない状態において、前記球衝突部における遊技球が衝突する面とは反対側にて同第1緩衝部材に当接していることを特徴とするC1乃至C8のいずれか1つに記載の遊技機。
第1緩衝部材の復帰に対して第2緩衝部材の復帰が遅れる構成においては、第1緩衝部材が変形前の位置に復帰した後も振動が残留しやすくなると想定される。これは、安定した緩衝減勢機能の発揮を妨げる要因となり得るため好ましくない。例えば、第1緩衝部材の球衝突部が遊技球の衝突方向と反対側に振れている最中に遊技球が衝突すると、遊技球の勢いを弱めにくくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、変位していない状態の第1緩衝部材に対して遊技球が衝突する面とは反対側から、すなわち当該第1緩衝部材の前記変位方向における先側から第2緩衝部材が当接する構成とすることにより、遊技球衝突後に両緩衝部材が復帰した場合に上述したような第1緩衝部材の振動を抑制することが可能となる。このように第2緩衝部材が制振機能を有することにより、遊技球が衝突する前の準備状態へ迅速に移行でき、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば本特徴に示すように第1緩衝部材及び第2緩衝部材を当接させて配置している場合には、それら第1緩衝部材及び第2緩衝部材が復帰する際に両者の間に一時的な空隙が生じる構成とすればよい。
特徴C10.操作部(遊技球発射ハンドル41)と、
前記操作部の操作に基づいて遊技球を所定の間隔(0.6秒)毎に発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射装置から発射された遊技球を前記球衝突部に案内する案内部(例えば外レール102や第1緩衝機構250)と
を備え、
前記案内部によって前記球衝突部に案内された遊技球が衝突することにより同遊技球の衝突方向に前記球衝突部が変位した後、同球衝突部が元の位置に復帰するのに要する期間は、前記遊技球発射装置の発射間隔よりも小さくなるように設定されていることを特徴とするC1乃至C9のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者等によって操作部が操作されると、その操作(例えば操作量)に応じて遊技球発射装置が動作する。遊技球発射装置によって所定の間隔ごとに遊技球が発射され、その遊技球が案内部によって第1緩衝部材の球衝突部に案内される。このように第1緩衝部材を経由させることにより、遊技球が遊技球発射装置によって与えられた勢いを維持したまま、遊技領域を流下することを抑制できる。
本特徴においては、遊技球が第1緩衝部材に衝突し、同第1緩衝部材から離脱した後、次の遊技球が衝突するまでに第1緩衝部材の球衝突部が元の位置に復帰する。このように、少なくとも遊技球に対して直接当たる部分を元の状態に戻しておくことにより、遊技球の緩衝機能が作用しなくなったり(例えば遊技球が打ち返されたり)、遊技球が意図せぬ方向に跳ね返ったりすることを抑制できる。
特に操作量が一定(一定間隔且つ同じ強さ)で遊技球が発射されやすい箇所に本発明を適用する場合には、その間隔に合わせて上記復帰期間を設定することにより、上述した効果を享受しやすくできる。
なお、望ましくは、第2緩衝部材が元の状態に復帰するのに要する期間を遊技球の発射間隔と同等とし、第2緩衝部材が元の状態に戻った場合には第1緩衝部材及び第2緩衝部材が当接する構成を採用するとよい。又は、上記遊技球が球衝突部に達する間隔が変動する構成においては、その最小期間に合わせて上記復帰期間を設定するとよい。これにより、第2緩衝部材の緩衝機能を高めつつ、更には同第2緩衝部材によって第1緩衝部材の振動を抑制することができる。特に特徴C4との組み合わせにおいては、第1緩衝部材は第2緩衝部材と比較して高反発であるため、弾性変形による振動が発生しやすいと想定される。このような振動は、遊技球との衝突態様にばらつきを生じる要因となり得るため好ましくない。この点、第2緩衝部材によってそのような振動を抑制可能となれば、遊技球の跳ね返り態様のばらつきを抑え、遊技球の緩衝を均質化しやすくできる。
特徴C11.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、遊技球が打ち出される遊技領
域(遊技領域81)が前面側に形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
遊技球が衝突する球衝突部(球衝突部276,381)を有し、同球衝突部に対して遊技球が衝突した場合に状態が変化することで遊技球衝突時の衝撃を吸収するとともに、遊技球衝突前の状態へ復帰する付勢力を蓄える第1緩衝手段(例えば返しゴム270や表側プレート380)と、
前記第1緩衝手段の状態の変化に応じて変形することで遊技球の衝突時の衝撃を吸収するとともに、遊技球衝突前の状態へ復帰する付勢力を蓄える第2緩衝手段(例えばゴムシート310や裏側プレート390)と
を備え、
前記第2緩衝手段が自身の付勢力によって遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間が、前記第1緩衝手段が自身の付勢力によって遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴C11によれば、遊技球は第1緩衝手段の球衝突部に衝突することによりその勢いが減じられる。このように遊技球の勢いを減じることで、例えば遊技領域において第1緩
衝手段よりも下側に配置されている各種構成(例えば釘88や役物89等)に遊技球が勢いよく衝突することを抑制できる。故に、それら各種構成を好適に保護することができる。
遊技球が球衝突部に当たった際には、第1緩衝手段の状態が変化することによって、更には第2緩衝手段の状態が第1緩衝手段の状態の変化に応じて変化することによってそれら遊技球の勢いが弱められるとともに、両緩衝手段に状態復帰のための付勢力が蓄えられる。
それら両緩衝手段が遊技球衝突前の状態への復帰を開始すると、第2緩衝手段の復帰が第1緩衝手段の復帰に対して遅れることとなる。これにより、第1緩衝手段に対して、第2緩衝手段の付勢力の影響が及ぶことを抑制できる。例えば、第1緩衝手段の球衝突部から跳ね返った遊技球が同第1緩衝手段によって押されるといった不都合を回避しやすくできる。また、仮に第1緩衝手段が遊技球を押した場合であっても第1緩衝手段の付勢力と比べて第2緩衝手段の付勢力は遊技球に対して伝わりにくくできる。以上のことから、衝撃の吸収効率を向上させ、緩衝機能を好適なものとすることができる。
因みに、特徴B1乃至特徴B15のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A11に適用してもよい。また、特徴C1乃至特徴C11のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A11及び上記特徴B1乃至特徴B15に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110のソレノイド111)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内レール101及び外レール102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、13…本体枠、41…遊技球発射ハンドル、71…樹脂ベース、77…荷重受け部、80…遊技盤、81…遊技領域、100…誘導レール、102…外レール、102a…端部、110…遊技球発射機構、250…第1緩衝機構、260…緩衝ユニット、270…返し部材、271…球衝突部、272…挿通孔、273…大径部、274…小径部、275…対向部、280…ホルダ、283,284…側壁部、295…軸体、300…ストッパ、310…ゴムシート、330…第2緩衝機構、331…裏側フレーム構成体、351…表側フレーム構成体、370…収容部、嵌合部…371、372…爪部、373…プレート受け部、380…表側プレート、381…球衝突部、382…取付部、383…折曲部、390…裏側プレート、392…取付部。
記遊技領域には遊技盤の前面から突出した状態で絵柄表示装置等配置されており絵柄表示装置を囲むフレームユニットによって絵柄表示装置への遊技球の衝突が抑制されている。
しかしながら、フレームユニットにおける特定部位に遊技球が繰り返し衝突した場合には、同フレームユニットの変形や破損等が生じやすくなることが懸念される。このような変形や破損が生じることは、遊技機の見栄えを低下させる要因等になり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技領域に設けられた遊技部品を好適に保護することのできる遊技機を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、
前面に遊技領域が形成されている遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、絵柄を表示する絵柄表示装置と、
前記遊技盤の前面から突出した状態で設けられ、前記絵柄表示装置を前記遊技領域における上流側から囲うフレームユニットと、
遊技球が衝突する球衝突部を有し、当該球衝突部に遊技球が衝突することにより弾性変形して衝撃を弱める緩衝部材と
を備え、
前記フレームユニットは、前記遊技盤に取り付けられているベース体と同ベース体を遊技機前方から覆うとともに装飾が付与された装飾体とが遊技機の前後方向に組み合わされてなり、
前記緩衝部材は、前記フレームユニットの側部に沿って延びる長板状をなしており、
前記ベース体と前記装飾体とが組み合わされることにより、前記フレームユニットの側部に前記緩衝部材の板面に隙間を隔てて対峙する底部と前記緩衝部材の側部に対峙する側壁部とを有する凹部が形成され、当該凹部に前記緩衝部材が当該緩衝部材の板面が前記フレームユニットの外側を向くようにして収容されており、
前記緩衝部材の前記球衝突部が前記凹部の開放部分を通じて前記フレームユニットの外側へ露出していることを特徴とする。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の特徴群に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機には、遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなる遊技機本体が設けられている。遊技領域には入賞口や入賞装置等の各種遊技部品が配設されており、遊技者により遊技球発射ハンドルが操作されると遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が入賞口や入賞装置などに入賞した場合には予め設定された個数の遊技球が払い出される。近年では、上記遊技領域に絵柄表示装置等を配置するとともに、その絵柄表示装置を挟んでその左右に遊技領域を形成し、右側の遊技領域に遊技球を打ち出すことが好ましい遊技状態と、左側の遊技領域に遊技球を打ち出すことが好ましい遊技状態とが設定された遊技機が提案されている。このような遊技機においては、遊技状況に応じて遊技球を流下させるべき領域を変えることにより、遊技の多様化が図られている。例えば、ある条件下で特定の場所に向けて遊技球を打ち出す(いわゆる“右打ち”をする)構成を採用することにより、遊技者にとって有利な状態で遊技を進行できるようにし、更なる興趣向上が図られているものがある。このような遊技球が到達する確率が高くなり得る場所には、返しゴム等の緩衝部材が配置されることが多い。例えば、枠体の段差部に緩衝部材を取り付け、その緩衝部材により遊技球を遊技領域の中央側に向けて跳ね返すようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。これにより、遊技球が過度の勢いを保ったまま遊技領域を流下するといった不都合が回避され、遊技領域に配された各種構成の破損や故障等を抑制することが可能となる。」という背景技術について、「上記緩衝部材を有する構成においては、遊技球の繰り返しの衝突に備えるべく、衝突後には衝突によって蓄えられた付勢力(復帰力)により衝突前の状態に復帰するように設定されていることが多い。このような緩衝部材の復帰を前提とした構成においては、その付勢力と緩衝機能との間に相関が生じやすくなると考えられる。例えば、都度の遊技球の衝突に対応するため付勢力を強めた場合には、遊技球の緩衝レベルが低下しやすくなると想定され、緩衝レベルを高めるため付勢力を弱めた場合には、遊技球の衝突に対して緩衝部材の復帰が追いつかなくなり都度の遊技球の衝突に対して緩衝機能が十分に発揮されなくなり得る。以上の事例等から、緩衝部材を有する構成においては、未だその緩衝機能の向上に改善の余地があるものと考えられる。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。

Claims (1)

  1. 前面に遊技領域が形成されている遊技盤と、
    操作部が遊技者により操作されていることに基づいて所定の間隔で遊技球を前記遊技領域へ発射する遊技球発射装置と、
    前記遊技球発射装置から発射された遊技球を所定位置に案内する案内部と、
    前記所定位置に設けられ遊技球が衝突する球衝突部を有し、同球衝突部に対して遊技球が衝突した場合に当該球衝突部が変位することで衝撃を吸収し、且つその変位に基づいて蓄えられた付勢力により前記球衝突部が遊技球衝突前の位置へ復帰する第1緩衝部材と、
    前記第1緩衝部材の球衝突部の変位に応じて弾性変形することで遊技球の衝突によって発生する衝撃を吸収するとともに、遊技球衝突前の状態へ復帰する付勢力を蓄える第2緩衝部材と
    を備え、
    前記案内部によって前記球衝突部に案内された遊技球が衝突することにより同遊技球の衝突方向に前記球衝突部が変位した後、同球衝突部が元の位置に復帰するのに要する期間は、前記遊技球発射装置の発射間隔よりも小さくなるように設定され、
    前記第2緩衝部材が自身の付勢力によって遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間が、前記第1緩衝部材が遊技球衝突前の状態へ復帰するのに要する期間よりも長くなり、且つ前記球衝突部への先の遊技球の衝突から次の遊技球が衝突する前に、衝突前の状態に復帰するように設定されていることを特徴とする遊技機。
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