JP2009290728A - Ofdm復調装置、ofdm復調方法、ofdm復調プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

Ofdm復調装置、ofdm復調方法、ofdm復調プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】OFDM信号の伝送路状態に応じてキャリア周波数誤差の補正を適切に行なう。
【解決手段】OFDM復調装置601は、所定期間におけるOFDM信号の位相変化量を検出する第1の位相変化検出部と、検出された位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号を補正するフィードバック補正部とを含み、第1の位相変化検出部は、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、さらに、検出された位相変化量に基づいて、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を補正するフィードフォワード補正部と、測定された伝送路状態に基づいて、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号およびフィードフォワード補正部によって補正されたOFDM信号のいずれかを選択して出力するセレクタとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM復調装置、OFDM復調方法、OFDM復調プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、受信信号の周波数誤差を補正するOFDM復調装置、OFDM復調方法、OFDM復調プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
デジタル伝送方式において、映像信号および音声信号を効率よく伝送できる方式として、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex、以下、略してOFDM)方式が知られている。OFDM方式は、たとえば地上波デジタル放送において、建物によるゴースト妨害、たとえば直接波と建物等で反射された反射波とが干渉することにより信号が減衰するマルチパスおよび反射波同士が干渉することにより信号が減衰するフェージングの克服に好適な方式として採用されている。
OFDM変復調方式は、1チャンネル帯域内に多数(256〜1024程度)のサブキャリアを設けて、映像信号および音声信号を効率よく伝送することが可能なデジタル変調・復調方式である。このOFDM変復調方式では、各サブキャリアに対応する信号を高速フーリエ逆変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)することによってOFDM変調されたベースバンド(Baseband)信号を生成する。
図12は、OFDM変調波の伝送シンボルの一例を示す図である。図12において、tsは有効データ期間を示し、tgはガードインターバル期間を示す。
図12を参照して、OFDM変復調方式では、IFFTの処理窓すなわちIFFT処理期間を、有効データ期間tsに一致させる。有効データ期間tsを基本単位として、各サブキャリアのデジタル変調信号を加え合わせたものが伝送シンボルとなる。
そして、OFDM変調された信号であるOFDM信号の情報伝送単位は、有効データと有効データの一部の信号波形が複写されることにより生成されたガードインターバルとで構成されたOFDM伝送シンボル(以下、単にシンボルとも称する。)である。すなわち、OFDM伝送シンボルは、有効データ201および202bに、ガードインターバル(以下、GIとも称する。)202aを付加することにより構成されている。
GI202aの波形は、有効データ期間tsにおいて横縞で示されている部分である有効データ202bの信号波形を繰り返したものになっている。このため、OFDM伝送シンボルのシンボル期間長203は、有効データ期間tsとGI期間tgとの和となる。
図13は、有効データ期間長の一例を示す図である。
図13を参照して、たとえば、非特許文献1に記載された放送規格によると、有効データ期間長tsは、MODEと呼ばれるパラメータによって定義されている。すなわち、有効データ期間長tsは、MODE1では252マイクロ秒であり、MODE2では504マイクロ秒であり、MODE3では1008マイクロ秒である。
図14は、ガードインターバル期間長の一例を示す図である。
図14を参照して、たとえば、非特許文献1に記載された放送規格によると、ガードインターバル期間長tgは、有効データ期間に対するガードインターバル期間の比であるGI比と呼ばれるパラメータとMODEとによって定義されている。すなわち、ガードインターバル期間長tgは、たとえば、GI比が1/4でかつMODE1の場合には63マイクロ秒であり、GI比が1/4でかつMODE2の場合には126マイクロ秒であり、GI比が1/4でかつMODE3の場合には252マイクロ秒であり、GI比が1/8でかつMODE1の場合には31.5マイクロ秒である。
また、OFDM変復調方式では、OFDM伝送シンボルを幾つか集めたものを伝送フレームという。これは、たとえば、情報伝送用シンボルが100個程度集まったものに、フレーム同期用シンボルおよびサービス識別用シンボルを付加したものである。非特許文献1では、1フレームが204シンボルと定義されている。
図15は、1セグメントにおけるOFDM伝送シンボルに含まれるキャリアの一例を示す図である。
図15を参照して、たとえば、非特許文献1に記載された放送規格によると、QPSK、16QAM、または64QAM変調された1つのOFDM伝送シンボルには、1セグメント当たり、データ用のキャリア、SP用のキャリア、TMCC用のキャリアおよびAC1用のキャリアが設けられている。
ここで、SPは、SP(Scattered Pilot)信号を意味する。このSP信号は、周期的に挿入されるパイロット信号であり、たとえば、キャリア方向において12キャリアに1回挿入され、シンボル方向において4シンボルに1回挿入される。
また、TMCCは、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を意味する。このTMCC信号は、フレーム同期信号および伝送パラメータを伝送するための信号である。
また、AC1は、AC(Auxiliary Channel)1信号を意味する。このAC1信号は、付加情報を伝送するための信号である。TMCC信号およびAC1信号は、SP信号と異なり、各キャリアにおいて非周期的に配置されている。
特開平11−220451号公報 特開2007−142892号公報 特開2002−261729号公報 特開2002−118533号公報 特開2003−134010号公報 「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式ARIB STD−B31 1.5版」、社団法人電波産業界、2003年7月29日
ところで、OFDM変復調方式では、一般に復調側で2種類のキャリア周波数誤差量を独立に検出する。2種類のキャリア周波数誤差のうちの一方は、サブキャリアの周波数間隔の精度の周波数誤差である広帯域キャリア周波数誤差である。他方は、サブキャリアの周波数間隔に対して±1/2以下の精度の周波数誤差である狭帯域キャリア周波数誤差である。
この狭帯域キャリア周波数誤差を補正する構成として、たとえば、特許文献1には、以下のようなフィードフォワード構成が開示されている。すなわち、直交復調後の信号から狭帯域キャリア周波数誤差を検出し、遅延させた直交復調後の信号に対して、検出した狭帯域キャリア周波数誤差だけ補正を行なう。
また、狭帯域キャリア周波数誤差を補正する構成として、特許文献2には、以下のようなフィードバック構成が開示されている。すなわち、直交復調を行なう直交検波部の後段に位相補正を行なうCORDIC(coordinate rotation digital computer algorithm)回路を設けることにより、OFDM信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する。この位相補正回路によって狭帯域キャリア周波数誤差が補正されたOFDM信号から狭帯域キャリア周波数誤差を検出し、この検出した狭帯域キャリア周波数誤差を用いてCORDIC回路が上記位相補正を行なう。また、検出された狭帯域キャリア周波数誤差のフィルタリングを行なうことにより、雑音等による検出値の分散を抑制している。
特許文献1記載のフィードフォワード構成および特許文献2記載のフィードバック構成のいずれにおいても、狭帯域キャリア周波数誤差を検出するためには、直交復調後の信号と直交復調後の信号を有効データ期間ts遅延させた信号との相関を算出する必要があり、略1シンボル分の遅延が生じる。
ここで、特許文献1記載の構成では、直交復調後の信号の遅延量が1シンボル分であれば、検出された狭帯域キャリア周波数誤差に対応するOFDM伝送シンボルと遅延後のOFDM伝送シンボルとが一致するため、検出値と補正される信号とにタイムラグが無い。したがって、非常に応答性の高い補正が可能となる。
しかしながら、雑音等の影響により、狭帯域キャリア周波数誤差を正確に検出できず、検出値に誤差が含まれてしまう場合、この誤差についても補正してしまう。また、直交復調後の信号を1シンボル分遅延させるため、OFDM復調処理全体で1シンボル分の遅延を生じることになり、OFDM復調装置の処理が遅くなる。
また、特許文献2記載の構成では、フィードバック制御をしていることから、検出した狭帯域キャリア周波数誤差に対応するOFDM伝送シンボルと、この誤差を補正すべきOFDM伝送シンボルとが時間的に一致しなくなる。また、狭帯域キャリア周波数誤差のフィルタリングを行なっていることから、フィルタ係数によって異なるが1シンボル分以上の遅延が発生するため、特許文献1記載の構成と比較して処理遅延が大きくなる。すなわち、応答性が悪くなるので、狭帯域キャリア周波数誤差が頻繁に変化するような場合、狭帯域キャリア周波数誤差の補正精度が悪化する。その一方で、フィードフォワード構成と異なり直交復調後の信号を遅延させる手段が不要であり、OFDM復調装置の処理が遅くなることはない。また、狭帯域キャリア周波数誤差のフィルタリングを行なっていることから、雑音成分を除去することができる。したがって、狭帯域キャリア周波数誤差がほぼ一定の場合であって雑音が比較的多いときには、特許文献1記載の構成よりも精度よく補正することができる。
たとえば、OFDM信号の無線伝送経路においてフェージングが発生していない場合には、雑音抑制効果があり、かつOFDM復調装置の処理遅延が無い特許文献2記載のフィードバック構成が望ましい。
他方、レイリーフェージングが発生している等、狭帯域キャリア周波数誤差が頻繁に変化するような場合には、フィードフォワード構成の方が狭帯域キャリア周波数誤差を精度よく補正できる。すなわち、OFDM復調装置において1シンボル分の遅延が発生するが、精度よく狭帯域キャリア周波数誤差を補正できるという点でフィードフォワード構成の方が望ましい。
以上のように、狭帯域キャリア周波数誤差補正では、フィードフォワード構成およびフィードバック構成でメリットおよびデメリットが異なる。
それゆえに、本発明の目的は、OFDM信号の伝送路状態に応じてキャリア周波数誤差の補正を適切に行なうことが可能なOFDM復調装置、OFDM復調方法、OFDM復調プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるOFDM復調装置は、OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置であって、受信されたOFDM信号の周波数誤差を補正して出力する周波数補正部と、周波数補正部から受けたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するFFT演算部と、FFT演算部から受けた複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する復調部と、OFDM復調装置へのOFDM信号の伝送路の状態を測定する測定部とを備え、周波数補正部は、所定期間におけるOFDM信号の位相変化量を検出する第1の位相変化検出部と、第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号を補正するフィードバック補正部とを含み、第1の位相変化検出部は、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、周波数補正部は、さらに、第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を補正するフィードフォワード補正部と、測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号およびフィードフォワード補正部によって補正されたOFDM信号のいずれかを選択して出力するセレクタとを含む。
好ましくは、フィードフォワード補正部は、測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、補正動作を停止するか否かを切り替える。
好ましくは、OFDM信号の情報伝送単位は、有効データと有効データの一部の信号波形が複写されることにより生成されたガードインターバルとで構成された伝送シンボルであり、第1の位相変化検出部は、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号をガードインターバルの期間に相当する時間遅延させる第1の遅延回路と、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号と第1の遅延回路によって遅延されたOFDM信号との相関値を算出する相関回路と、相関回路によって算出された相関値のうち、ガードインターバルとガードインターバルに対応する有効データとの相関値の平均を算出する平均算出部と、平均算出部によって算出された平均値に基づいて、有効データの期間における位相変化量を算出する位相算出部とを含む。
より好ましくは、フィードフォワード補正部は、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を伝送シンボルに相当する時間遅延させて出力する第2の遅延回路を含み、第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、第2の遅延回路から受けたOFDM信号を補正する。
好ましくは、測定部は、第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する。
好ましくは、OFDM復調装置は、さらに、受信されたOFDM信号の電力を算出する電力算出部を備え、測定部は、電力算出部によって算出された電力に基づいて、OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する。
好ましくは、OFDM復調装置は、さらに、復調部によって復調された信号に含まれる所定パターンの信号の位相変化量を算出する第2の位相変化検出部を備え、測定部は、第2の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する。
好ましくは、FFT演算部は、フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力し、フィードフォワード補正部は、第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、FFT演算部から受けた複数のサブキャリアの変調信号を補正し、セレクタは、測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、FFT演算部から受けた複数のサブキャリアの変調信号およびフィードフォワード補正部によって補正された複数のサブキャリアの変調信号のいずれかを選択して出力し、復調部は、セレクタから受けた複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する。
またこの発明のさらに別の局面に係わるOFDM復調装置は、OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置であって、受信されたOFDM信号の周波数誤差を補正して出力する周波数補正部と、周波数補正部から受けたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するFFT演算部と、FFT演算部から受けた複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する復調部と、OFDM復調装置へのOFDM信号の伝送路の状態を測定する測定部とを備え、周波数補正部は、受信されたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、検出した位相変化量を示す信号を出力する位相変化検出部と、位相変化検出部から受けた信号のうち、所定周波数以上の周波数成分を減衰させて出力し、かつ所定周波数を測定部によって測定された伝送路状態に基づいて変更するフィルタと、フィルタから受けた信号が示す位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号を補正するフィードフォワード補正部とを含む。
好ましくは、周波数補正部は、さらに、測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、フィードフォワード補正部によって補正されたOFDM信号および受信されたOFDM信号のいずれかを選択して出力するセレクタを含む。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるOFDM復調方法は、OFDM変調されたOFDM信号を受信するステップと、保存されている位相変化量に基づいて、受信したOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、検出された位相変化量に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、OFDM復調装置へのOFDM信号の伝送路の状態に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを含む。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるOFDM復調プログラムは、OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置におけるOFDM復調プログラムであって、コンピュータに、保存されている位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、検出された位相変化量に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、OFDM復調装置へのOFDM信号の伝送路の状態に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを実行させる。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるコンピュータ読取可能な記録媒体は、OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置におけるOFDM復調プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、OFDM復調プログラムは、コンピュータに、保存されている位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、検出された位相変化量に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、OFDM復調装置へのOFDM信号の伝送路の状態に基づいて、第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを実行させる。
本発明によれば、OFDM信号の伝送路状態に応じてキャリア周波数誤差の補正を適切に行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す機能ブロック図である。
図1を参照して、OFDM復調装置601は、OFDM復調LSI(大規模集積回路)501と、アンテナ502と、チューナ503と、記録媒体アクセス部515とを備える。OFDM復調LSI501は、ベースバンド信号処理部504と、誤り訂正処理部514とを含む。ベースバンド信号処理部504は、アナログデジタル変換器(ADC)505と、直交復調部506と、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51と、シンボル同期部508と、AGC(自動利得制御)部509と、FFT演算部510と、TMCC復号部511と、広帯域キャリア周波数誤差補正部512と、波形等化部(復調部)513と、フェージングモニタ131とを含む。
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM復調装置601のアンテナ502により受信され、RF(高周波)信号としてチューナ503に供給される。チューナ503は、アンテナ502によって受信されたRF信号を、IF(中間周波数)信号に周波数変換する。チューナ503は、周波数変換したIF信号を、ベースバンド信号処理部504に設けられたADC505に供給する。
チューナ503から出力されたIF信号は、ADC505によりデジタル化される。デジタル化されたIF信号は、直交復調部506に供給される。
直交復調部506は、所定の周波数たとえばキャリア周波数を有するキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調することにより、ベースバンド帯のOFDM信号を出力する。ベースバンド帯のOFDM信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。直交復調部506から出力されるベースバンド帯のOFDM信号は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51に供給される。
狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、直交復調部506から供給されたベースバンド帯のOFDM信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正して、シンボル同期部508、FFT演算部510及びAGC部509に供給する。
シンボル同期部508は、ベースバンド帯のOFDM信号から伝送モード及びGI比等の伝送パラメータを抽出し、有効データの先頭タイミングを抽出するシンボル同期処理を実行する。
AGC部509は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51から受けたベースバンド帯のOFDM信号の電力を算出し、算出した電力に基づいてチューナ503のゲインを調整する。
FFT演算部510は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51から受けたベースバンド帯のOFDM信号に対してFFT演算を行ない、各サブキャリアにおいて直交変調されている信号を抽出して出力する。FFT演算部510は、1つのOFDMシンボルから有効データ長分の信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行なう。すなわち、FFT演算部510は、1つのOFDMシンボルからGI期間長分の信号を除き、残った信号に対してFFT演算を行なう。FFT演算を行なうために抜き出される信号の範囲は、その抜き出される信号点が連続する場合、1つのOFDM伝送シンボル中の任意の位置でよい。つまり、その抜き出される信号の範囲の開始位置は、GI期間中のいずれかの位置になる。FFT演算部510により抽出されるFFT復調信号すなわち各サブキャリアの変調信号は、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。FFT演算部510により抽出された信号は、TMCC復号部511及び広帯域キャリア周波数誤差補正部512に供給される。
広帯域キャリア周波数誤差補正部512は、FFT演算部510から供給されたFFT復調信号の広帯域キャリア周波数誤差を補正して波形等価部513に供給する。
波形等化部513には、広帯域キャリア周波数誤差補正部512から出力された各サブキャリアにおける変調信号が供給される。波形等化部513は、図示しないが、特許文献3に記載の波形等化回路のように、FFT復調信号からSPキャリアを抽出するSP抽出回路と、SP基準キャリアを発生するSP発生回路と、抽出したSPキャリアを基準キャリアで除算する複素除算回路と、SP補間LPFと、データ抽出回路と、データ抽出回路によって抽出されたデータキャリアをSP補間LPFから取得したデータキャリア伝達関数で除算する複素除算回路とを含む。これらの回路により、FFT復調信号に対してキャリア復調を行なう。ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)規格に従うOFDM信号を復調する場合には、波形等化部513は、たとえば、DQPSKの差動復調、またはQPSK、16QAM及び64QAMなどの同期復調を行なう。
TMCC復号部511は、OFDM伝送フレームにおける所定の位置において変調されているTMCCなどの伝送制御情報を復号する。
誤り訂正処理部514は、波形等化部513により復調されたすなわち波形等化された信号の誤りを訂正する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る狭帯域キャリア周波数誤差補正部の構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、位相変化検出部61と、フィードバック補正部62と、フィードフォワード補正部121と、セレクタ125とを含む。位相変換検出部61は、有効データ期間遅延回路102と、相関回路103と、区間平均算出部104と、位相算出部105とを含む。フィードバック補正部62は、乗算回路101と、フィードバック演算部106とを含む。フィードフォワード補正部121は、1シンボル遅延回路122と、フィードフォワード演算部123と、乗算回路124とを含む。
狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、狭帯域キャリア周波数誤差によって生じるOFDM信号の位相変化を検出し、検出した位相変化に基づいてOFDM信号を補正する。
フィードバック補正部62は、位相変化検出部61によって検出された位相変化量に基づいて、直交復調部506から受けたOFDM信号を補正する。
位相変化検出部61は、フィードバック補正部62によって補正されたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出する。
フィードフォワード補正部121は、位相変化検出部61によって検出された位相変化量に基づいて、フィードバック補正部62によって補正されたOFDM信号を補正する。
セレクタ125は、フェージングモニタ131によって測定されたOFDM信号の伝送路状態に基づいて、フィードバック補正部62によって補正されたOFDM信号およびフィードフォワード補正部121によって補正されたOFDM信号のいずれかを選択して出力する。
より詳細には、乗算回路101は、直交復調部506から受けた直交復調後の信号と、フィードバック演算部106より出力された信号との乗算を行なう。
相関回路103は、乗算回路101の出力と、有効データ期間遅延回路102によって乗算回路101の出力がGI期間tg遅延された信号との相関をとり、区間平均算出部104へ出力する。
区間平均算出部104は、相関回路103によって算出された相関値のうち、GI202aとGI202aに対応する有効データ202bとの相関値の平均値を算出する。すなわち、区間平均算出部104は、相関回路103の出力のうち、図12に示すGI202aと有効データ202bとの相関に相当する範囲の区間平均を算出する。これは、この範囲のみ有意な相関が得られるためである。区間平均算出部104は、OFDM伝送シンボルごとにこの範囲の区間平均を算出し、位相算出部105へ出力する。
位相算出部105では、区間平均算出部104によって算出された区間平均値から位相θを算出し、フィードバック演算部106へ出力する。位相算出部105によって算出される位相は、GI期間tg遅延された信号と遅延されていない信号との相関から得られる位相であるため、この位相は有効データ期間tsの位相変化量である。また、この位相変化は狭帯域キャリア周波数誤差によるものである。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るフィードバック演算部の構成を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、フィードバック演算部106は、加算回路141と、1シンボル遅延回路142と、フィルタ143と、補正値算出部144とを含む。補正値算出部144は、乗算回路145と、加算回路146と、1サンプル遅延回路147と、exp算出部148とを含む。
加算回路141は、位相算出部105より出力された位相θと1シンボル遅延回路142の出力とを加算してフィルタ143へ出力する。
フィルタ143は、加算回路141の出力信号をフィルタリングする。ここで、フィルタ143は、たとえばLPFであり、加算回路141の出力信号のうち、所定周波数以上の成分を減衰させることにより、雑音を抑制する。
1シンボル遅延回路142は、フィルタ143の出力信号θfを1シンボル分遅延させて加算回路141へ出力する。
補正値算出部144は、フィルタ143の出力信号θfから補正値φを算出する。具体的には、フィルタ143の出力信号θfは、有効データ期間tsにおいてOFDM信号の位相が変化した量を示している。
図2に示す乗算器101は、この位相変化をOFDM信号のサンプルごとに補正していく。したがって、フィルタ143の出力信号θfが示す有効データ期間tsにおける位相変化量から、1サンプリング期間における位相変化量を算出する必要がある。補正値算出部144は、この1サンプリング期間における位相変化量を算出する。
まず、乗算回路145は、θfと有効データ期間tsとの除算、つまり1/tsとの乗算を行なうことにより、Δθfを算出する。Δθfは、以下の式で表わされる。
Δθf=θf/ts・・・(1)
次に、加算回路146は、1サンプル遅延回路147の出力信号とΔθfの加算を行なってγを出力する。また、1サンプル遅延回路147は、γを1サンプル時間遅延して出力する。したがって、γはΔθfの積分値となる。
exp算出部148は、γを補正値φに変換する。φは、以下の式で表される。
φ=exp(−j×γ)・・・(2)
φは乗算回路101へ出力される。乗算回路101は、直交復調後の信号とφとの乗算を行なう。
以上のようにして、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、狭帯域キャリア周波数誤差のフィードバック補正を行なう。
ここで、exp算出部148は、CORDIC回路およびルックアップテーブル等を使用して簡単に実現できる。ただし、exp算出部148および乗算回路101をまとめて1つのCORDIC回路で実現してもよい。
次に、フィードフォワード補正部121の動作を説明する。
再び図2を参照して、フィードフォワード補正部121ではフィードフォワード構成の狭帯域キャリア周波数誤差補正を行なう。
1シンボル遅延回路122は、乗算回路101から受けたOFDM信号を1シンボル分遅延して出力する。
乗算回路124は、1シンボル遅延回路122から受けたOFDM信号と、フィードフォワード演算部123から受けた補正値とを乗算してセレクタ125へ出力する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るフィードフォワード演算部の構成を示す図である。
図4を参照して、フィードフォワード演算部123は、乗算回路151と、加算回路152と、1サンプル遅延回路153と、exp算出部154とを含む。
位相算出部105の出力信号をθとすると、乗算回路151は、θと有効データ期間tsとの除算、つまり1/tsとの乗算を行なうことにより、Δθを算出する。Δθは、以下の式で表わされる。
Δθ=θ/ts・・・(3)
次に、加算回路152は、1サンプル遅延回路153の出力信号とΔθとの加算を行なってγfを出力する。また、1サンプル遅延回路153は、γfを1サンプル時間遅延して出力する。したがって、γfはΔθの積分値となる。
exp算出部154は、γfを補正値φfに変換する。φfは、以下の式で表される。
φf=exp(−j×γf)・・・(4)
φfは乗算回路124へ出力される。乗算回路124は、フィードバック補正部62によって補正されたOFDM信号とφfとの乗算を行なう。
以上のようにして、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、狭帯域キャリア周波数誤差のフィードフォワード補正を行なう。
ここで、exp算出部154は、CORDIC回路およびルックアップテーブル等を使用して簡単に実現できる。ただし、exp算出部154および乗算回路124をまとめて1つのCORDIC回路で実現してもよい。
図5は、無線伝送経路においてフェージングが発生している場合の、位相算出部105が算出する位相の時間変化を示すグラフ図である。
図5を参照して、無線伝送経路においてレイリーフェージングが発生する等、狭帯域キャリア周波数誤差が頻繁に変わるような場合には、位相算出部105によって算出される位相は、雑音等による揺らぎに加えて、急激に変化する場合がある。
雑音等による揺らぎはOFDM信号の位相変化として正しい値ではなく、この揺らぎを忠実に補正すべきではない。このため、位相変化検出部61によって検出された位相変化量を示す位相算出部105の出力信号に対してフィルタリングを行なうことにより、位相変化量の分散を抑制した後の値に基づいて補正を行なうことが望ましい。他方、急激な位相変化はフェージングによる場合が多く、かつこの位相変化は狭帯域キャリア周波数誤差によるものであることが多いため、忠実に補正した方が良い。
そこで、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51は、レイリーフェージング等、狭帯域キャリア周波数誤差が頻繁に変わるような状況においてのみフィードフォワードの狭帯域キャリア周波数誤差補正を行なう。
より詳細には、フェージングモニタ131は、このような急激な位相変化を検出し、フェージング判定信号をフィードフォワード補正部121およびセレクタ125へ出力する。フェージングモニタ131は、たとえば、位相算出部105から受けた位相変化量が所定の閾値を上回った場合、フェージング判定信号を出力する。
なお、フェージングモニタ131は、フェージングに限らず、OFDM復調装置601へのOFDM信号の伝送路の何らかの状態を測定する構成であればよい。
セレクタ125は、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けている場合にはフィードフォワード補正部121の出力信号を選択して出力し、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けていない場合にはフィードバック補正部62における乗算回路101の出力信号を選択して出力する。
また、フィードフォワード補正部121は、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けている場合、補正動作を行ない、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けていない場合、補正動作を停止する。
再び図1を参照して、記録媒体アクセス部515は、コンピュータ読取可能な記録媒体516に記録されたプログラムおよびデータを読み込み、OFDM復調LSI501における各ブロックへ出力する。また、OFDM復調LSI501からの指示により、記録媒体516に必要なデータを書込む。
記録媒体516は、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリまたは半導体メモリ等の固定的にプログラムを保存する媒体である。なお、記録媒体516は、ネットワークからプログラムがダウンロードされるように流動的にプログラムを保存する記録媒体であってもよい。
ここで、プログラムとは、中央演算装置(CPU)により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
図6は、本発明の実施の形態に係るOFDM復調装置の動作手順を定めたフローチャートである。OFDM復調装置601は、フローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録媒体516から読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
OFDM復調装置601は、アンテナ502においてOFDM信号を受信する(ステップS1)。
次に、OFDM復調装置601は、フィードバック構成の狭帯域キャリア周波数誤差補正を行なう。すなわち、OFDM復調装置601は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51において保存している位相変化量、すなわち過去に受信したOFDM信号から検出された位相変化量に基づいて、受信されたOFDM信号を補正する(ステップS2)。
次に、OFDM復調装置601は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51において、フィードバック補正後のOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存する(ステップS3)。
次に、OFDM復調装置601は、フィードフォワード構成の狭帯域キャリア周波数誤差補正を行なう。すなわち、OFDM復調装置601は、現在の位相変化量、すなわちステップS3において検出された位相変化量に基づいて、フィードバック補正後のOFDM信号をさらに補正する(ステップS4)。
次に、OFDM復調装置601は、OFDM復調装置601へのOFDM信号の伝送路の状態に基づいて、フィードバック補正後のOFDM信号およびフィードフォワード補正後のOFDM信号のいずれかを選択する(ステップS5)。
次に、OFDM復調装置601は、選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力する(ステップS6)。
次に、OFDM復調装置601は、複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する(ステップS7)。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置では、フェージングモニタ131によって測定された伝送路状態に基づいて、セレクタ125において、フィードバック補正部61によって補正されたOFDM信号およびフィードフォワード補正部121によって補正されたOFDM信号のいずれかを選択して出力することにより、狭帯域キャリア周波数誤差の補正方法を切り替える。したがって、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置では、OFDM信号の伝送路状態に応じてキャリア周波数誤差の補正を適切に行なうことができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置では、チューナ503は、出力信号が中間周波数信号(IF信号)であるIF方式であるとしたが、これに限定するものではない。チューナ503が、アナログの直交検波回路を含み、Iチャネル信号およびQチャネル信号の2系統からなるベースバンド信号(BB信号)を出力するゼロIF方式のチューナであってもよい。この場合、OFDM復調装置601では直交復調部506が不要となり、ベースバンド帯のOFDM信号がADC505を介して狭帯域キャリア周波数誤差補正部51へ直接出力される。このようにすることで、IF方式のみならず、ゼロIF方式のOFDM復調装置に本発明を適用することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べてフェージングの測定方法を変更したOFDM復調装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様である。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。
図7を参照して、OFDM復調装置602は、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて、AGC部509およびフェージングモニタ131の代わりにAGC部161およびフェージングモニタ162を備える。
狭帯域キャリア周波数誤差が大きく変化することにより、位相算出部105が算出する位相が大きく変化するような環境では、OFDM信号の受信電力も大きく変化する場合が多い。したがって、OFDM信号の受信電力の変動でもフェージングを判定することが可能である。
AGC部161は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51から受けたベースバンド帯のOFDM信号の電力を算出し、算出した電力に基づいてチューナ503のゲインを調整する。また、AGC部161は、算出した電力を示す信号をフェージングモニタ162へ出力する。
フェージングモニタ162は、AGC部161から通知された電力に基づいて、OFDM復調装置601へのOFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定し、測定結果を示す信号を狭帯域キャリア周波数誤差補正部51へ出力する。たとえば、フェージングモニタ162は、所定期間におけるOFDM信号の電力の最大変動値が所定の閾値を超えた場合、フェージング判定信号を狭帯域キャリア周波数誤差補正部51へ出力する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係るOFDM復調装置では、AGC部161がOFDM信号の電力を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、OFDM復調装置602が受信したOFDM信号の電力を算出する回路が設けられていればよい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べてフェージングの測定方法を変更したOFDM復調装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様である。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。
図8を参照して、OFDM復調装置603は、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて、フェージングモニタ131の代わりにフェージングモニタ172を備える。
ここで、図示しないが、特許文献4に記載の構成では、FFT演算後の波形等化過程において生成される伝達関数の変動量を算出することにより、フェージング対策を行なっている。また、特許文献5に記載の構成では、各キャリアの伝達関数の相関を算出することにより、フェージング対策を行なっている。
波形等化部513は、広帯域キャリア周波数誤差補正部512から出力された各サブキャリアにおける変調信号からSP信号すなわち所定パターンの信号を抽出してフェージングモニタ172へ出力する。
フェージングモニタ172は、特許文献4および5に記載の構成とは異なり、上述したSPなど、既知のパイロット信号の位相変化量を算出し、この位相変化量が所定の閾値を超えた場合、フェージング判定信号を狭帯域キャリア周波数誤差補正部51へ出力する。すなわち、フェージングモニタ172は、波形等化部513から受けたSP信号の位相変化量を検出し、検出した位相変化量に基づいて、OFDM復調装置601へのOFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する。
ただし、パイロット信号の位相変化量は同一キャリアに存在するパイロット信号同士を用いて算出する必要がある。また、各OFDMシンボルを用いて算出した各キャリアにおける位相変化量の平均を算出し、算出した平均値と所定の閾値とを比較してもよい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べてフィードフォワード構成の周波数補正対象を変更したOFDM復調装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様である。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。
図9を参照して、OFDM復調装置604は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51の代わりに狭帯域キャリア周波数誤差補正部181を備える。狭帯域キャリア周波数誤差補正部181は、位相変化検出部61と、フィードバック補正部62と、フィードフォワード補正部182と、セレクタ185とを含む。フィードフォワード補正部182は、フィードフォワード演算部183と、乗算回路184とを含む。
FFT演算部510は、フィードバック補正部62によって補正されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を乗算回路184およびセレクタ185へ出力する。
フィードフォワード補正部182は、位相変化検出部61によって検出された位相変化量に基づいて、FFT演算部510から受けた複数のサブキャリアの変調信号を補正する。
セレクタ185は、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けている場合にはフィードフォワード補正部182によって補正された複数のサブキャリアの変調信号を選択して出力し、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けていない場合にはFFT演算部510から受けた複数のサブキャリアの変調信号を選択して出力する。セレクタ185によって選択された信号は、TMCC復号部511及び広帯域キャリア周波数誤差補正部512へ出力される。
広帯域キャリア周波数誤差補正部512は、セレクタ185から受けた複数のサブキャリアの変調信号の広帯域キャリア周波数誤差を補正して波形等価部513へ出力する。
本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置では、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51において、フィードフォワード補正部121が、OFDM信号を1シンボル分遅延させた信号を、位相変化検出部61によって検出された位相変化量に基づいて補正する。フィードフォワード補正部121は、フェージングモニタ131の測定結果によってオン・オフ制御されるため、常時動作するわけではないが、動作するときは1シンボル分の遅延が発生し、さらにこの遅延を実現するためにOFDM信号をたとえばRAMに記憶させておく等、OFDM信号を遅延させる為の素子が必要となる。
これに対して、本発明の第4の実施の形態に係るOFDM復調装置では、位相変化検出部61によって検出された位相変化量に基づくフィードフォワード構成の補正を、FFT演算部510の出力信号に対して行なう。
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて、フィードフォワード補正部における1シンボル遅延回路が不要となることから回路規模を小さくすることができ、かつキャリア周波数誤差補正において演算遅延を低減することが可能となる。
ただし、FFT演算部510へは、フィードフォワード構成の狭帯域キャリア周波数誤差補正が行なわれていないOFDM信号が入力されるため、直交性が劣化することによりFFT演算部510の出力信号に雑音が生じる。本発明の第4の実施の形態に係るOFDM復調装置では、FFT演算部510の出力信号の位相は補正することができるが、この雑音は補正することができないため、この点では、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べてキャリア周波数誤差補正性能が劣化する。
ここで、FFT演算部510の出力信号の位相補正を行なうため、フィードフォワード演算部183において算出する位相補正値は、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置とは異なる。すなわち、フィードフォワード演算部183の構成は以下の図10のようになる。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るフィードフォワード演算部の構成を示す図である。
図10を参照して、フィードフォワード演算部183は、乗算回路186と、加算回路152と、1シンボル遅延回路187と、exp算出部154とを含む。
ここで、FFT演算部510は、1シンボルごとに演算を行ない、その出力信号は1シンボルごとのデータとなる。したがって、本発明の第4の実施の形態に係るOFDM復調装置では、1シンボル分の位相補正値を算出し、FFT演算部510から出力される各キャリアの変調信号に対して同じ位相補正を行なう必要がある。
乗算回路186は、位相算出部105の出力信号すなわち有効データ期間tsにおける位相変化量θと1シンボル期間(ts+tg)/tsとを乗算することにより、1シンボル分の位相回転量θsを算出する。
次に、加算回路152は、乗算回路186からの位相回転量θsと、加算回路152の出力を1シンボル遅延回路187によって1シンボル遅延させた信号との加算を行なうことによってシンボル積分を行ない、γsを算出する。
exp算出部154は、γsを補正値φsに変換する。φsは、以下の式で表される。
φs=exp(−j×γs)・・・(5)
φsは乗算回路184へ出力される。乗算回路184は、FFT演算部510の出力信号とφsとの乗算を行なう。
以上のようにして、狭帯域キャリア周波数誤差補正部181は、狭帯域キャリア周波数誤差のフィードフォワード補正を行なう。
ここで、exp算出部154は、CORDIC回路およびルックアップテーブル等を使用して簡単に実現できる。ただし、exp算出部154および乗算回路184をまとめて1つのCORDIC回路で実現してもよい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて狭帯域キャリア周波数誤差のフィルタリングを行なう機能を追加したOFDM復調装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様である。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。
図11を参照して、OFDM復調装置605は、狭帯域キャリア周波数誤差補正部51の代わりに狭帯域キャリア周波数誤差補正部191を備える。狭帯域キャリア周波数誤差補正部191は、位相変化検出部61と、フィルタ173と、フィードフォワード補正部121と、セレクタ125とを含む。
狭帯域キャリア周波数誤差補正部191は、第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と異なり、フィードバック補正部62を含まない。
フィルタ173は、位相変化検出部61から受けた信号θのうち、所定周波数以上の周波数成分を減衰させて出力し、かつこの所定周波数をフェージングモニタ131から受けたフェージング判定信号に基づいて変更する。すなわち、フィルタ173は、フェージングモニタ判定信号に基づいてそのフィルタ係数を変更する。フィルタ173は、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けていない場合には、高周波数領域を大きく減衰させるフィルタ係数を選択し、フェージング判定信号を受けている場合には、フィルタリングを行なわないか、高周波数領域をあまり減衰させないフィルタ係数を選択する。これにより、雑音等による位相変化検出部61から受けた信号θの分散を抑制することができる。
セレクタ125は、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けている場合にはフィードフォワード補正部121によって補正されたOFDM信号を選択して出力し、フェージングモニタ131からフェージング判定信号を受けていない場合には直交復調部506から受けたOFDM信号を選択して出力する。
したがって、本発明の第5の実施の形態に係るOFDM復調装置では、フィルタ173を備える構成により、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて、さらに、OFDM信号の伝送路状態に応じてキャリア周波数誤差の補正を適切に行なうことができる。
また、本発明の第5の実施の形態に係るOFDM復調装置では、1シンボルの処理遅延は常に発生するが、本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と比べて、フィードバック補正部62を備えないため、簡易な構成となる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るOFDM復調装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る狭帯域キャリア周波数誤差補正部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィードバック演算部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィードフォワード演算部の構成を示す図である。 無線伝送経路においてフェージングが発生している場合の、位相算出部105が算出する位相の時間変化を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るOFDM復調装置の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係るフィードフォワード演算部の構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係るOFDM復調装置の構成を示す図である。 OFDM変調波の伝送シンボルの一例を示す図である。 有効データ期間長の一例を示す図である。 ガードインターバル期間長の一例を示す図である。 1セグメントにおけるOFDM伝送シンボルに含まれるキャリアの一例を示す図である。
符号の説明
51,181,191 狭帯域キャリア周波数誤差補正部、61 位相変化検出部、62 フィードバック補正部、101 乗算回路、102 有効データ期間遅延回路、103 相関回路、104 区間平均算出部、105 位相算出部、106 フィードバック演算部、121,182 フィードフォワード補正部、122 1シンボル遅延回路、123,183 フィードフォワード演算部、124 乗算回路、125 セレクタ、131,162,172 フェージングモニタ、141 加算回路、142,187 1シンボル遅延回路、143 フィルタ、144 補正値算出部、145,184,186 乗算回路、146 加算回路、147 1サンプル遅延回路、148 exp算出部、151 乗算回路、152 加算回路、153 1サンプル遅延回路、154 exp算出部、173 フィルタ、501 OFDM復調LSI(大規模集積回路)、502 アンテナ、503 チューナ、504 ベースバンド信号処理部、505 アナログデジタル変換器(ADC)、506 直交復調部、508 シンボル同期部、161,509 AGC(自動利得制御)部、510 FFT演算部、511 TMCC復号部、514 誤り訂正処理部、601〜605 OFDM復調装置。

Claims (13)

  1. OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置であって、
    前記受信されたOFDM信号の周波数誤差を補正して出力する周波数補正部と、
    前記周波数補正部から受けたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するFFT演算部と、
    前記FFT演算部から受けた前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する復調部と、
    前記OFDM復調装置への前記OFDM信号の伝送路の状態を測定する測定部とを備え、
    前記周波数補正部は、
    所定期間におけるOFDM信号の位相変化量を検出する第1の位相変化検出部と、
    前記第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記受信されたOFDM信号を補正するフィードバック補正部とを含み、
    前記第1の位相変化検出部は、前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号の前記所定期間における位相変化量を検出し、
    前記周波数補正部は、さらに、
    前記第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を補正するフィードフォワード補正部と、
    前記測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号および前記フィードフォワード補正部によって補正されたOFDM信号のいずれかを選択して出力するセレクタとを含むOFDM復調装置。
  2. 前記フィードフォワード補正部は、前記測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、前記補正動作を停止するか否かを切り替える請求項1に記載のOFDM復調装置。
  3. 前記OFDM信号の情報伝送単位は、有効データと前記有効データの一部の信号波形が複写されることにより生成されたガードインターバルとで構成された伝送シンボルであり、
    前記第1の位相変化検出部は、
    前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を前記ガードインターバルの期間に相当する時間遅延させる第1の遅延回路と、
    前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号と前記第1の遅延回路によって遅延されたOFDM信号との相関値を算出する相関回路と、
    前記相関回路によって算出された相関値のうち、前記ガードインターバルと前記ガードインターバルに対応する前記有効データとの相関値の平均を算出する平均算出部と、
    前記平均算出部によって算出された平均値に基づいて、前記有効データの期間における位相変化量を算出する位相算出部とを含む請求項1に記載のOFDM復調装置。
  4. 前記フィードフォワード補正部は、
    前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を前記伝送シンボルに相当する時間遅延させて出力する第2の遅延回路を含み、前記第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記第2の遅延回路から受けたOFDM信号を補正する請求項3に記載のOFDM復調装置。
  5. 前記測定部は、前記第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する請求項1に記載のOFDM復調装置。
  6. 前記OFDM復調装置は、さらに、
    前記受信されたOFDM信号の電力を算出する電力算出部を備え、
    前記測定部は、前記電力算出部によって算出された電力に基づいて、前記OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する請求項1に記載のOFDM復調装置。
  7. 前記OFDM復調装置は、さらに、
    前記復調部によって復調された信号に含まれる所定パターンの信号の位相変化量を算出する第2の位相変化検出部を備え、
    前記測定部は、前記第2の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記OFDM信号の伝送路におけるフェージングを測定する請求項1に記載のOFDM復調装置。
  8. 前記FFT演算部は、前記フィードバック補正部によって補正されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力し、
    前記フィードフォワード補正部は、前記第1の位相変化検出部によって検出された位相変化量に基づいて、前記FFT演算部から受けた前記複数のサブキャリアの変調信号を補正し、
    前記セレクタは、前記測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、前記FFT演算部から受けた前記複数のサブキャリアの変調信号および前記フィードフォワード補正部によって補正された前記複数のサブキャリアの変調信号のいずれかを選択して出力し、
    前記復調部は、前記セレクタから受けた前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する請求項1に記載のOFDM復調装置。
  9. OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置であって、
    前記受信されたOFDM信号の周波数誤差を補正して出力する周波数補正部と、
    前記周波数補正部から受けたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するFFT演算部と、
    前記FFT演算部から受けた前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調する復調部と、
    前記OFDM復調装置への前記OFDM信号の伝送路の状態を測定する測定部とを備え、
    前記周波数補正部は、
    前記受信されたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、前記検出した位相変化量を示す信号を出力する位相変化検出部と、
    前記位相変化検出部から受けた信号のうち、所定周波数以上の周波数成分を減衰させて出力し、かつ前記所定周波数を前記測定部によって測定された伝送路状態に基づいて変更するフィルタと、
    前記フィルタから受けた信号が示す位相変化量に基づいて、前記受信されたOFDM信号を補正するフィードフォワード補正部とを含むOFDM復調装置。
  10. 前記周波数補正部は、さらに、
    前記測定部によって測定された伝送路状態に基づいて、前記フィードフォワード補正部によって補正されたOFDM信号および前記受信されたOFDM信号のいずれかを選択して出力するセレクタを含む請求項9に記載のOFDM復調装置。
  11. OFDM変調されたOFDM信号を受信するステップと、
    保存されている位相変化量に基づいて、前記受信したOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、
    前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、
    前記検出された位相変化量に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、
    前記OFDM復調装置への前記OFDM信号の伝送路の状態に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および前記第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、
    前記選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、
    前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを含むOFDM復調方法。
  12. OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置におけるOFDM復調プログラムであって、コンピュータに、
    保存されている位相変化量に基づいて、前記受信されたOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、
    前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、
    前記検出された位相変化量に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、
    前記OFDM復調装置への前記OFDM信号の伝送路の状態に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および前記第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、
    前記選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、
    前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを実行させるOFDM復調プログラム。
  13. OFDM変調されたOFDM信号を受信して復調するOFDM復調装置におけるOFDM復調プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記OFDM復調プログラムは、コンピュータに、
    保存されている位相変化量に基づいて、前記受信されたOFDM信号に対して第1の補正処理を行なうステップと、
    前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号の所定期間における位相変化量を検出し、新たに保存するステップと、
    前記検出された位相変化量に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号に対して第2の補正処理を行なうステップと、
    前記OFDM復調装置への前記OFDM信号の伝送路の状態に基づいて、前記第1の補正処理が行なわれたOFDM信号および前記第2の補正処理が行なわれたOFDM信号のいずれかを選択するステップと、
    前記選択されたOFDM信号を高速フーリエ変換することにより、複数のサブキャリアの変調信号を出力するステップと、
    前記複数のサブキャリアの変調信号をそれぞれ復調するステップとを実行させる、コンピュータ読取可能な記録媒体。
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