JP2009290115A - シリコン系薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換層に比べて低い屈折率を有する層を光電変換層の形成と別種の設備を用いることなく、光入射側から見て光電変換層の後方にごく薄く配置することにより、十分な光閉じ込め効果を発揮でき、光電変換層に比べバンドギャップの広いn型界面層をさらに配置することで、光電変換層と界面層の界面で強い電界を発生させ、高効率かつ低コストでシリコン系薄膜太陽電池を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、光電変換層よりも低い屈折率を有するn型導電性酸化シリコンを光電変換層の後方に薄く形成することで光閉じ込め効果を発揮しつつ、良質のn型アモルファスシリコン界面層を成長させることができる。n型アモルファスシリコン界面層により、光電変換層と界面層の界面で強い電界を発生させ開放電圧を大幅に改善させることができる。この結果、高効率かつ低コストでシリコン系薄膜太陽電池を提供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明はシリコン系薄膜太陽電池に関し、特に、光入射側から見た光電変換層の後方に光電変換層よりも屈折率の小さい層を薄く配置することによって、光閉じ込め効果と太陽電池内でのキャリア再結合低減効果を同時に発揮する薄膜太陽電池に関するものである。
近年、光電変換装置の低コスト化、高効率化を両立するために使用原材料が少なくてすむ薄膜太陽電池が注目され、開発が精力的に行われている。現在、従来の非晶質薄膜太陽電池に加えて結晶質薄膜太陽電池も開発され、これらを積層したハイブリッド太陽電池と称される積層型薄膜太陽電池も実用化されている。
薄膜太陽電池は、一般に、基板上に順に積層された第1電極、1以上の半導体薄膜光電変換ユニット、および第2電極を含んでいる。そして、1つの光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層を含んでいる。
i型層は実質的に真性の半導体層であって光電変換ユニットの厚さの大部分を占め、光電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。このため、このi型層は通常i型光電変換層または単に光電変換層と呼ばれる。光電変換層は真性半導体層に限らず、ドープされた不純物によって吸収される光の損失が問題にならない範囲で微量にp型またはn型にドープされた層であってもよい。光電変換層は光吸収のためには厚い方が好ましいが、必要以上に厚くすればその製膜のためのコストと時間が増大することになる。
他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役目を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1つである開放電圧(Voc)の値が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換に直接寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与しない損失となる。したがって、p型とn型の導電型層は、十分な拡散電位を生じさせ得る範囲内であれば、できるだけ小さな厚さにとどめておくことが好ましい。
p型やn型の導電型層としては、光電変換層と同一の材料を用いる場合もあるが、例えば、シリコンに対するシリコンカーバイドのように、光電変換層よりもバンドギャップの広い材料を用いることにより、導電型層と光電変換層の界面に新たな電界を形成し、光吸収に伴って発生したキャリアが界面で再結合するのを抑制する技術も広く用いられている。
ここで、上述のようなpin(nip)型の光電変換ユニットまたは薄膜太陽電池は、それに含まれるp型とn型の導電型層が非晶質か結晶質かにかかわらず、その主要部を占める光電変換層が非晶質のものは非晶質ユニットまたは非晶質薄膜太陽電池と称され、光電変換層が結晶質のものは結晶質ユニットまたは結晶質薄膜太陽電池と称される。
薄膜太陽電池の変換効率を向上させる方法として、2以上の光電変換ユニットを積層してタンデム型にする方法がある。この方法においては、薄膜太陽電池の光入射側に広いバンドギャップを有する光電変換層を含む前方ユニットを配置し、その後方に順に狭いバンドギャップを有する光電変換層を含む後方ユニットを配置することにより、入射光の広い波長範囲にわたって光電変換を可能にし、これによって太陽電池全体としての変換効率の向上が図られる。
このようなタンデム型太陽電池の中でも、特に非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットを積層したものはハイブリッド薄膜太陽電池と称される。例えば、i型非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長は長波長側において800nm程度までであるが、i型結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度の波長までの光を光電変換することができる。
ただし、光吸収係数の大きな非晶質シリコン光電変換層が十分に光吸収するためには0.3μm程度以下の厚さでも十分であるが、光吸収係数の小さな結晶質シリコン光電変換層は長波長の光をも十分に吸収するためには1.5〜3μm程度の厚さを有することが好ましい。すなわち、結晶質光電変換層は、通常は非晶質光電変換層に比べて5〜10倍程度の厚さを有することが望まれる。
非晶質シリコン単層の薄膜太陽電池においても、前述のハイブリッド薄膜太陽電池においても、光電変換層の厚さをできるだけ小さく保つことが生産性の向上すなわち低コスト化の点からは望ましい。このため、光入射側から見て光電変換層の後方に光電変換層よりも屈折率の小さな層を配置して特定波長の光を有効に反射させる、いわゆる光閉じ込め効果を利用した構造が一般的に用いられている。
光入射側から見て光電変換層の後方に配置する、というのは、光電変換層に接してその裏面側に配置されていること、もしくは光電変換層の裏面に別の層を配置し、その層を挟んで裏面側に配置されていることを指す。従来技術として、特許文献1には、光入射側から、透光性第1電極、非晶質シリコン半導体薄膜(以下単に半導体薄膜と呼ぶ)、厚さ1200Å未満の酸化亜鉛膜、不透光性第2電極(金属電極)が順に積層された太陽電池の構造を開示している。
当該酸化亜鉛膜は、半導体薄膜と金属電極との界面に珪化物が生じて吸収ロスが増えるのを防止する作用を有し、また、酸化亜鉛膜と半導体薄膜との間に屈折率差があるため、酸化亜鉛膜の厚さを1200Å未満、好ましくは300〜900Åに限定すれば半導体薄膜/酸化亜鉛膜界面での反射率を向上させる効果を有するので、太陽電池の短絡電流密度が向上し、変換効率が向上すると記載されている。
しかしながら、当該酸化亜鉛膜はスパッタ、スプレーなどの手法で形成されるため、プラズマCVD法等で一般的に形成される半導体薄膜とは別設備を用いる必要があり、設備コストがかかり、生産タクトも長くなるという問題が発生する。さらに、特に酸化亜鉛膜の形成にスパッタ法を用いる場合、下地半導体薄膜へのスパッタダメージによる性能低下を引き起こす可能性がある、という問題も発生する。
特開平2−73672号公報
本発明は、光電変換層に比べて低い屈折率を有するシリコン系の層を、光入射側から見て結晶質光電変換層の後方にごく薄く配置することにより高効率かつ低コストでシリコン系薄膜太陽電池を提供することを目的としている。
本願は以下の構成を有するものである。
1). 光入射側から見て結晶質光電変換層の後方にn型導電性酸化シリコン層/n型アモルファスシリコン界面層/n型微結晶シリコン界面層が順に配置されていることを特徴とするシリコン系薄膜太陽電池。
2). 前記n型導電性酸化シリコン層の波長600nmにおける屈折率が2.7以下であることを特徴とする、1)に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
3). 前記n型導電性酸化シリコン層中に占める、シリコンを除く最多構成元素は酸素であることを特徴とする、1)または2)に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
4). 前記n型導電性酸化シリコン層は、その層中に結晶質シリコン成分を含むことを特徴とする、1)〜3)のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
5). 前記n型導電性酸化シリコン層の厚さは10nm以下であることを特徴とする、1)〜4)のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
6). 前記導n型アモルファスシリコン界面層の厚さは2nm以上であることを特徴とする、1)〜5)のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
7). 少なくとも非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットを各々1ユニット以上積層したことを特徴とする1)〜6)のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
本発明により、Vocを向上させる効果を有し、これにより変換効率の上昇が可能となる。
n型導電性酸化シリコン層は結晶質光電変換層内に拡散電位を生じさせる役割とn型アモルファスシリコン層を成長させる役割を果たす、不純物によりn型にドープされた層である。n型アモルファス層を配置することで、結晶質光電変換層とn型層の間に新たな電界を発生させ界面におけるキャリアの再結合を低減させることができる。また、n型結晶シリコン界面層を配置することでn型界面層と接して配置される透明酸化物層との接触抵抗を低減させることができ、n型導電性酸化シリコン層/n型アモルファスシリコン界面層だけでは不十分な可能性のある結晶質光電変換層内の拡散電位を維持することができる。
以下に、本発明の実施の形態としてのシリコン系薄膜太陽電池を、図1を参照しつつ説明する。
図1では透光性基板1の上に透明電極層2が形成されている。透光性基板1としては、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。透明電極層2は導電性金属酸化物であることが好ましく、具体的にはSnO、ZnO等を好ましい例としてあげることができる。透明電極層2はCVD、スパッタ、蒸着等の方法を用いて形成されることが好ましい。透明電極層2はその表面に入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。具体的には、微細な凹凸を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。
透明電極層2の上には非晶質光電変換ユニット3が形成される。非晶質光電変換ユニット3は非晶質p型シリコンカーバイド層3pa、ノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層3ia、n型シリコン系界面層3naから成り立っている。非晶質光電変換ユニット3の上に結晶質光電変換ユニット4が形成されている。非晶質光電変換ユニット3、および結晶質光電変換ユニット4(以下、この両方のユニットをまとめて単に光電変換ユニットと称する)の形成には高周波プラズマCVD法が適している。
光電変換ユニットの形成条件としては、基板温度100〜300℃、圧力30〜1500Pa、高周波パワー密度0.01〜0.5W/cmが好ましく用いられる。光電変換ユニット形成に使用する原料ガスとしては、SiH、Si等のシリコン含有ガスまたは、それらのガスとHを混合したものが用いられる。光電変換ユニットにおけるp型またはn型層を形成するためのドーパントガスとしては、BまたはPH等が好ましく用いられる。
結晶質光電変換ユニット4は結晶質p型シリコン層4pc、結晶質i型シリコン光電変換層4ic、n型導電性酸化シリコン層4on、およびn型アモルファスシリコン界面層4na、n型結晶質シリコン層4ncから成り立っている。n型導電性酸化シリコン層4onの製膜に使用する原料ガスとしては、SiH、H、CO、PHの混合ガスが適している。本発明の構成においてn型導電性酸化シリコン層4onの厚さは15nm以下に設定することが好ましい。n型導電性酸化シリコン層4onには結晶質シリコン成分が含まれていなくてもよいが、含まれているほうがより好ましい。
n型導電性酸化シリコン層4onの波長600nmにおける屈折率として2.7以下が好ましく用いられ、さらには2.5以下、特には2.1以下とすることが好ましい。n型導電性酸化シリコン層4onの導電率は1×10−3S/cm〜1×10−6S/cmの範囲となる膜が用いることができる。n型導電性酸化シリコン層4onは膜厚方向に屈折率が一定でもよく、途中で屈折率が変化していてもよい。さらに、屈折率が周期的に増減するようになっていてもよい。
なお、図1では光入射側から見て結晶質i型シリコン光電変換層4icの後方に接してn型導電性酸化シリコン層4onが配置される構造を示しているが、結晶質i型シリコン光電変換層4icとn型導電性酸化シリコン層4onの間にn型シリコン層等の別の層が挟まれて配置されていてもよい。
図1ではn型導電性酸化シリコン層4on上にn型アモルファスシリコン界面層4naが形成している。n型導電性酸化シリコン層4onは、良質のn型アモルファスシリコン界面層4naを結晶質i型シリコン光電変換層4icの結晶性に引きずられること無く形成させる下地層としての効果を有し、また、プロセス中で生じるZnO層のスパッタ時の下地結晶質シリコン層へのダメージを防止できる。
実施例1〜3と比較例2の比較からも分かるように、結晶質i型シリコン光電変換層4iとn型アモルファスシリコン界面層4naの間に、n型導電性酸化シリコン層4onが無い場合、結晶質i型シリコン光電変換層の結晶性の影響を受け、n型アモルファスシリコン界面層の結晶性が増加し、開放電圧が減少する。さらに短絡電流の改善効果を有する。これは、屈折率の低いn型導電性酸化シリコン層によって、結晶質i型シリコン光電変換層とn型導電性酸化シリコン層の界面での反射が増大し、光閉じ込め効果が生じているためと考えられる。
n型導電性酸化シリコン層4onは、シリコンと酸素等の元素から成る合金層であり、薄くても光電変換層内に十分な拡散電位を生じさせるため、その層の導電率が1×10−3S/cm以下であり、かつ1×10−6S/cm以上の範囲にあることが好ましく、また、光電変換層と同種の製法、すなわち高周波プラズマCVD等の方法で形成されることが好ましい。n型導電性酸化シリコン層は、上記の導電率を得ると共に、それに接して形成される導電型シリコン系界面層との界面抵抗を小さくするため、その層中に結晶質シリコン成分を含むことが好ましい。
n型導電性酸化シリコン層は光電変換層よりもバンドギャップの広い層であり、かつ光電変換層との界面において格子不整合等による欠陥が少ないので、界面でのキャリア再結合を低減するいわゆるパッシべーション層の役割を果たす。しかしながら、n型導電性酸化シリコン層自体にはシリコン以外の元素が大量に含まれている。このため、n型導電性酸化シリコン層が僅かでも厚すぎれば、例えばシリコンのみの導電型層と比較して、その層内でのキャリア再結合が大幅に促進され、せっかく得られた界面でのキャリア再結合低減の効果を打ち消してしまい、開放電圧と曲線因子が向上しない。
これは実施例1と2の比較から、n型導電性酸化シリコン層onの膜厚が厚い実施例2において、開放電圧と曲線因子が共に減少していることからも分かる。本発明の形態においてn型導電性酸化シリコン層4onの厚みは1nm〜15nmであることが好ましく、2nm〜5nmであることが更に好ましい。
一方で、n型アモルファスシリコン界面層4naは結晶質i型シリコン光電変換層4icとn型アモルファスシリコン界面層4naの間に新たな電界を発生させ、界面におけるキャリアの再結合を低減させるために、2.5nm以上の厚さであることが好ましく、4nm以上であることがより好ましい。実施例1〜3と比較例3を比較した場合、開放電圧が減少しており、短絡電流についても僅かに減少していることが分かる。開放電圧の差は、n型アモルファスシリコン界面層4naによる電界効果が得られていないことに起因している。
また、短絡電流の僅かな差については、実施例においてn型アモルファスシリコン界面層により電界が改善されたことで、キャリアを効率よく回収でき、再結合による電流ロスを低減できたためである。また実施例1、2と3の比較から、n型アモルファスシリコン界面層4naの膜厚が薄い実施例3において、開放電圧が減少していることからもn型アモルファスシリコン界面層4naの膜厚は4nm以上であることがより好ましい。n型アモルファスシリコン界面層4naの膜厚が薄いと電界が減少して、開放電圧が小さくなる。
n型アモルファスシリコン界面層4na上にn型結晶質シリコン界面層4ncが形成される。n型結晶質シリコン界面層4ncには酸素、炭素、窒素のいずれか一つ以上の元素が、透明酸化物層5との接触抵抗を増大させない程度に含まれていてもよい。
図1ではn型結晶質シリコン界面層4ncの上には透明酸化物層5と裏面反射電極層6が形成している。透明酸化物5にはZnO、ITO等が用いられ、裏面反射電極層6にはAg、Alまたはそれらの合金が好ましく用いられる。透明酸化物層5および裏面反射電極層6の形成においては、スパッタ、蒸着等の方法が好ましく用いられる。なお、図1にはハイブリッド薄膜太陽電池の構造を記載しているが、光電変換ユニット4は必ずしも2つである必要はなく、結晶質のシングル構造、3層以上の積層型太陽電池構造であってもよい。
以下に、本発明によるシリコン系薄膜太陽電池として実施例1、2および3を、図1を参照しつつ、比較例1および2と比較しながら説明する。
(実施例1)
図1は、各実施例及び各比較例にて作製したハイブリッド薄膜太陽電池を模式的に示す断面図である。
まず、1.1mm厚の白板ガラスから成る透光性基板1の一主面上に、SnOからなる表面に微細な凹凸構造を有する透明電極層2を熱CVD法により形成した。
次に、非晶質光電変換ユニット3を形成するために、透明電極層2が形成された透光性基板1を高周波プラズマCVD装置内に導入し、所定の温度に加熱した後、厚さ15nmの非晶質p型シリコンカーバイド層3pa、厚さ300nmのノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層3ia、及び厚さ30nmのn型シリコン層3ncを順次積層した。
さらに、結晶質光電変換ユニット4を形成するために、プラズマCVD装置を用いて、厚さ15nmのp型結晶質シリコン層4pc、厚さ1.5μmの結晶質i型シリコン光電変換層4ic、n型導電性酸化シリコン層4onを3nm、厚さ5nmのn型アモルファスシリコン界面層4na、及び厚さ7.5nmのn型微結晶シリコン界面層4ncを順次積層した。その際のn型導電性酸化シリコン層4onの製膜条件は、基板製膜面−電極間距離8〜15mm、圧力5〜10Torr、高周波パワー密度0.2W/cm、SiH/CO/PH/H流量比を各々1/3/5/260とした。
また、本構造で用いたn型導電性酸化シリコン層4onと同一の製膜条件でガラス上に300nm堆積したn型導電性酸化シリコン層の分光エリプソメトリにより測定した屈折率は、波長600nmにおいて2.3であり、導電率は4.3×10−4S/cmであった。さらにガラス上のn型導電性酸化シリコン層をラマン散乱分光法で測定した際の520cm−1付近の結晶Siのピーク強度と480cm−1付近のアモルファスシリコンのピーク強度との比率を計算すると4.8であった。
一方、n型アモルファスシリコン界面層4naの製膜条件は、基板製膜面−電極間距離10〜19mm、圧力30〜100Pa、高周波パワー密度0.011W/cm、SiH/PH流量比を1/2とした。また、n型微結晶シリコン界面層4ncの製膜条件は、基板製膜面−電極間距離10〜13mm、圧力500〜1000Pa、高周波パワー密度0.011W/cm、SiH/PH/H流量比を1/4/200とした。これと同一の製膜条件でガラス上に300nm堆積したn型シリコン系界面層の導電率は100S/cmであった。
その後、厚さ80nmのZnOから成る透明酸化物層5と厚さ250nmのAgから成る裏面反射電極層6をEB蒸着法によって形成した。
さらに、透明電極層2を残して非晶質光電変換ユニット3、結晶質光電変換ユニット4、透明酸化物層5、及び裏面反射電極層6を島状に分離するために、RIEエッチングを行い、島状の分離領域を形成した。さらに、島状の分離領域から2mm外側に半田を浸透させて透明電極層2とのコンタクト領域を形成することにより、ハイブリッド薄膜太陽電池を作製した。このハイブリッド薄膜太陽電池は有効面積が1cmであり、実施例1では1枚の基板上に上記の太陽電池を合計36個作製した。
実施例1で作製したハイブリッド薄膜太陽電池に、スペクトル分布AM1.5、エネルギー密度100mW/cmの擬似太陽光を、測定雰囲気及び太陽電池の温度が25±1℃の下で照射し、電圧及び電流を測定することで、薄膜太陽電池の出力特性を測定した。表1に実施例1で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1とほぼ同様の工程を実施したが、n型導電性酸化シリコン層4onの膜厚のみを10nmに変化させた点が、実施例1とは異なっていた。表1に実施例2で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1とほぼ同様の工程を実施したが、n型アモルファスシリコン界面層4naの膜厚のみを3nmに変化させた点が、実施例1とは異なっていた。表1に実施例3で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
(比較例1)
比較例1においては、以下の点のみが実施例1と異なっていた。n型導電性酸化シリコン層4on、n型アモルファスシリコン界面層4na、n型微結晶シリコン界面層4ncを順次積層する代わりに、厚さ15nmのn型微結晶シリコン界面層4ncのみを製膜した。表1に比較例1で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
(比較例2)
比較例1においては、以下の点のみが実施例1と異なっていた。n型導電性酸化シリコン層4on、n型アモルファスシリコン界面層4na、n型微結晶シリコン界面層4ncを順次積層する代わりに、厚さ5nmのn型アモルファスシリコン界面層4naと厚さ7.5nmのn型微結晶シリコン界面層4ncを製膜した。表1に比較例2で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
(比較例3)
比較例1においては、以下の点のみが実施例1と異なっていた。n型導電性酸化シリコン層4on、n型アモルファスシリコン界面層4na、n型微結晶シリコン界面層4ncを順次積層する代わりに、厚さ3nmのn型導電性酸化シリコン層4onと厚さ7.5nmのn型微結晶シリコン界面層4ncを製膜した。表1に比較例3で作製した36個のハイブリッド薄膜太陽電池の平均性能を示す。
実施例1と比較例1の比較から、実施例1においては比較例1よりも開放電圧が3.2%以上改善されていることがわかる。
以上のことから、本発明によれば、光電変換層よりも低い屈折率を有するn型導電性酸化シリコンを光電変換層の後方に薄く形成することで光閉じ込め効果を発揮しつつ、良質のn型アモルファスシリコン界面層を成長させることができる。n型アモルファスシリコン界面層により、光電変換層と界面層の界面で強い電界を発生させ開放電圧を大幅に改善させることができる。この結果、高効率かつ低コストでシリコン系薄膜太陽電池を提供することができる。
本発明によるn型導電性酸化シリコン層/n型アモルファスシリコン界面層/n型微結晶シリコン界面層を含む薄膜太陽電池の模式的断面図である。
符号の説明
1 透光性基板
2 透明導電膜
3 非晶質シリコン光電変換ユニット
3pa 非晶質p型シリコンカーバイド層
3ia 非晶質i型シリコン光電変換層
3nc n型結晶質シリコン層
4 結晶質シリコン光電変換ユニット
4pc p型結晶質シリコン層
4ic 結晶質i型シリコン光電変換層
4o n n型導電性酸化シリコン層
4na n型アモルファスシリコン界面層
4nc n型結晶質シリコン界面層
5 透明酸化物層
6 裏面反射電極層

Claims (7)

  1. 光入射側から見て結晶質光電変換層の後方にn型導電性酸化シリコン層/n型アモルファスシリコン界面層/n型微結晶シリコン界面層が順に配置されていることを特徴とするシリコン系薄膜太陽電池。
  2. 前記n型導電性酸化シリコン層の波長600nmにおける屈折率が2.7以下であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
  3. 前記n型導電性酸化シリコン層中に占める、シリコンを除く最多構成元素は酸素であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
  4. 前記n型導電性酸化シリコン層は、その層中に結晶質シリコン成分を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
  5. 前記n型導電性酸化シリコン層の厚さは10nm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
  6. 前記導n型アモルファスシリコン界面層の厚さは2nm以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
  7. 少なくとも非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットを各々1ユニット以上積層したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコン系薄膜太陽電池。
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