JP2009289424A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡単で組立性が良好であり、かつ赤外線センサの正確な温度検知が可能な誘導加熱調理器を提供すること。
【解決手段】加熱コイル24からの磁束漏れを抑制すると共に送風装置32からの冷却風路33を形成する防磁板28を備えた構成とし、調理容器22から放射される赤外線を検知する赤外線センサ26と赤外線センサ26の出力に応じて加熱コイル24の出力を制御する制御回路27は前記防磁板28に対して同一空間に配置することにより、組立性の向上を図ることができ、冷却風路33を通過する主たる冷却風で赤外線センサ26を冷却することにより、赤外線センサ26の冷却効率が向上し、正確な温度検知が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線センサを備えた誘導加熱調理器に関する。
従来、この種の誘導加熱調理器は、調理容器を載置するトッププレートと、載置部の下方に設けられた加熱コイルと、加熱コイルの近傍に設けられ加熱コイルからの磁束漏れを抑制する防磁部材と、トッププレート上の調理容器から放出される赤外線を受光し、その光量に応じた検出信号を出力する赤外線センサと、検出信号に基づいて加熱コイルの出力を制御する制御回路とを備え、赤外線センサは防磁部材より下に配置する構成としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器を示すものである。外郭を形成する本体1上面には調理容器2を載置するトッププレート3が設けられ、トッププレート3の下部には調理容器2を誘導加熱する加熱コイル4が設けられている。加熱コイル4の下部には集磁性を有するフェライト5が放射状に設けられており下方へ向かう磁束を抑制している。また、調理容器2の下部に該当するトッププレート3の下部には赤外線センサ6が設けられており、調理容器2の底面から放射される赤外線をトッププレート3越しに検知して温度に応じた信号を出力する。赤外線センサ6の下部には前記赤外線センサ6から出力された信号に基づいて加熱コイル4の出力を制御する制御回路7が設けられている。前記制御回路7は、加熱コイル4の下方に設けられた仕切り板10と本体1底部との間に形成される冷却風路11内に配置されており、ヒートシンクに接合されたIGBTや共振コンデンサ等のような前記制御回路7内の発熱部品8は、本体1内に設けられた送風装置9により所望の温度に冷却される。加熱コイル4はフェライト5を収容するコイルベース13上面に接着等で取り付けられており、前記コイルベース13は加熱コイル4上面とトッププレート3との間に空間を形成するためのスペーサー16を介して仕切り板10上に設けられたバネ12によって前記トッププレート4下面に押さえつけられるように支持されている。赤外センサ6はフェライト5よりも下かつ仕切り板10よりも上に配置されている。赤外センサ6はフェライト5の防磁効果により磁束の影響が軽減されているが、更に磁束漏れの影響を無くすために、防磁効果を有するアルミ等でできた防磁ケース14で覆われた構成となっている。赤外線センサ6は加熱コイル4や調理容器2で発生する熱の影響により加熱され温度上昇するため所望の温度に冷却する必要がある。従って仕切り板10には赤外線センサ6近傍に通風孔15が設けられており、冷却風路11を流れる冷却風の一部が通風孔15を通り赤外線センサ6を冷却するようになっている。
前記従来の赤外線センサを備えた誘導加熱調理器は、上記構成により、加熱コイルからの漏洩磁束の影響を受けることなく、赤外線センサが安定した温度検知を行うことができるものであった。
特開2004−273303号公報
しかしながら、前記従来の構成では、赤外線センサ6が防磁ケース14で囲まれており、更に制御回路7との間に仕切り板10が介在しているため赤外線センサ6と制御回路7とをつなぐ信号配線の引き回しが複雑になる等、組立性に課題を有していた。
また、赤外線センサ6の冷却は冷却風路11から流れる冷却風の一部を利用して通風孔15を介して行っているため、十分な冷却効果が得られにくく、正確な温度検知が困難に
なるという課題も有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、構成が簡単で組立性が良好であり、かつ赤外線センサの正確な温度検知が可能な誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、加熱コイルからの磁束漏れを抑制すると共に送風装置からの冷却風路を形成する防磁板を備えた構成としており、調理容器から放射される赤外線を検知する赤外線センサと赤外線センサの出力に応じて加熱コイルの出力を制御する制御回路は前記防磁板に対して同一空間に配置した。
このように同一空間内に赤外線センサと制御回路が配置されることにより、赤外線センサと制御回路との間の介在物を少なくすることができるため、組立性の向上を図ることができる。また、防磁板により形成される空間を冷却風路としており、そこに赤外線センサと制御回路を配置しているため、冷却風路を通過する主たる冷却風で赤外線センサを冷却することになり、赤外線センサの冷却効率が向上し、正確な温度検知が可能となる。
本発明の誘導加熱調理器は、構成が簡単で組立性が良好であり、かつ赤外線センサの正確な温度検知を実現することができるものである。
第1の発明は、本体上面に設けられ、調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下部に設けられ前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記トッププレートの下部に設けられ前記調理容器から放射される赤外線を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力に応じて前記加熱コイルの出力を制御する制御回路と、前記制御回路の発熱部品を冷却する風を送るための送風装置と、前記加熱コイルからの磁束漏れを抑制すると共に前記送風装置からの冷却風路を形成する防磁板とを備えた構成とし、前記赤外線センサおよび制御回路は前記防磁板に対して同一空間に配置したことにより、赤外線センサと制御回路との間の介在物を少なくすることができるため、組立性の向上を図ることができ、また、防磁板により形成される空間を冷却風路としており、そこに赤外線センサと制御回路を配置しているため、冷却風路を通過する主たる冷却風で赤外線センサを冷却することになり、赤外線センサの冷却効率が向上し、正確な温度検知が可能となるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明の赤外線センサとトッププレートとの間に、防磁板を貫通する筒体を設けたことにより、筒体の端面を赤外線センサの近傍まで近づけることができるので、赤外線センサの周辺からの外乱光の影響を抑制することができるとともに赤外線センサの上下方向における配置の自由度が高まり、冷却性能の最適化が図りやすくなるものである。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の送風装置からの冷却風の流れ方向において、赤外線センサを制御回路の発熱部品と略並列に配置したことにより、発熱部品近傍の強い冷却風を利用することができるため、効果的に赤外線センサを冷却することができるものである。
第4の発明は、特に、第1または第2の発明の送風装置から赤外線センサに向かって冷却風を導くダクトを設けたことにより、送風装置の強い冷却風を赤外線センサに直接導くことができ、赤外線センサの冷却効率が一層向上するものである。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれかの発明のトッププレートの光透過部に略対向する部位に防磁板を配置したことにより、トッププレートから入射する外乱光を防磁板で遮断して、防磁板よりも下にある赤外線センサに対する外乱光の影響を軽減することができるため、安定した温度検知が可能となるものである。
第6の発明は、特に、第5の発明の防磁板のトッププレートに対向する面に光吸収性処理を施したことにより、トッププレートから入射する外乱光が防磁板に吸収されるため、外乱光の遮断効果が一層高まり、さらに安定した温度検知が可能となるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示す断面図である。
外郭を形成する本体21上面には調理容器22を載置するトッププレート23が設けられ、トッププレート23の下部には調理容器22を誘導加熱する加熱コイル24が設けられている。加熱コイル24の下部には集磁性を有するフェライト25が放射状に設けられており下方へ向かう磁束を抑制している。また、調理容器22の下部に該当するトッププレート23下部には赤外線センサ26が設けられており、調理容器22の底面から放射される赤外線をトッププレート23越しに検知して温度に応じた信号を出力する。赤外線センサ26の近傍には前記赤外線センサ26から出力された信号に基づいて加熱コイル24の出力を制御する制御回路27が設けられている。赤外線センサ26および制御回路27はフェライト25よりも下に配置されており前記フェライト25の防磁効果により磁束の影響が軽減されているが、更に磁束漏れの影響を無くすために、防磁効果を有するアルミ等でできた防磁板28が加熱コイル24側の空間と赤外線センサ26および制御回路27側の空間とを仕切るように設けられている。加熱コイル24はフェライト25を収容するコイルベース29上面に接着等で取り付けられており、また、加熱コイル24とトッププレート23との間には加熱された調理容器22から前記加熱コイル24への熱影響を軽減するためのセラミックファイバー等からなる断熱材30が設けられている。前記防磁板28はコイルベース29を介して加熱コイル24を下方から支持していると共に、本体21底部に設けられたバネ31によって上方に附勢されることにより、前記加熱コイル24をトッププレート23下面に向かって断熱材30越しに押さえつけるように設けられている。また、前記防磁板28と本体21底部との間の空間は冷却風路33を形成しており、前記冷却風路33内に配置されているヒートシンクに接合されたIGBTや共振コンデンサ等のような前記制御回路27内の発熱部品38や赤外線センサ26は、本体21内に設けられた送風装置32の冷却風により所望の温度に冷却される。前記赤外線センサ26と前記トッププレート23との間にはアルミや樹脂等からなる筒体34が前記防磁板29を貫通するように設けられている。この筒体34は赤外線センサ26を覆って保持するケーシング35と一体構成になっており、前記ケーシング35は防磁板26の下面に固定されている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本実施の形態に示す誘導加熱調理器は、加熱コイル24からの磁束漏れを抑制すると共に送風装置32からの冷却風路33を形成する防磁板28を備えた構成としており、調理容器22から放射される赤外線を検知する赤外線センサ26と赤外線センサ26の出力に応じて加熱コイル24の出力を制御する制御回路27は前記防磁板28に対して同一空間すなわち冷却風路33内に配置されている。このように同一空間内に赤外線センサ26と
制御回路27が配置されることにより、赤外線センサ26と制御回路27との間の介在物がほとんど無くなるため、赤外線センサ26と制御基板27との間の配線の引き回しが簡単になる等、組立性の向上を図ることができる。また、防磁板28により形成される空間を冷却風路33としており、そこに赤外線センサ26と制御回路27を配置しているため、冷却風路33を通過する主たる冷却風で赤外線センサ26を冷却することになり、赤外線センサ26の冷却効率が向上し、正確な温度検知が可能となる。
また、本実施の形態では赤外線センサ26とトッププレート23との間に、防磁板28を貫通する筒体34を設けたことにより、筒体34の端面を赤外線センサ26の近傍まで近づけることができる。したがって、外部から赤外線センサ26近傍に侵入してくる光を大幅に遮断することができ、外乱光の影響による赤外線センサ26出力の不安定化を抑制することができる。また、この構成により確実に赤外線センサ26の近傍まで筒体34の端面を近づけることができるため、赤外線センサ26の上下方向における配置の自由度が高まり、風速の高い場所への配置が可能になる等、冷却性能の最適化が図りやすくなるものである。
尚、本実施の形態では、筒体34は防磁板28の上下で連続した一体の構成としているが、例えば防磁板28の上下で分割可能な構成となっていてもよい。ようするに防磁板28の上下で連続した穴が形成されていれば所望の効果が得られるものである。
(実施の形態2)
図2は、第2の実施の形態における誘導加熱調理器の冷却風路内を上方から見た平面図である。尚、実施の形態1と基本構成は同じなので説明は省略し、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1の図1と同じ構成部品には同じ符号を付している。
図2において、送風装置32からの冷却風は、制御回路27上のヒートシンク33に接合されたIGBT等の発熱部品38を冷却するために図中の矢印に示すような流れ方向で流れている。本実施の形態ではこの流れ方向において、赤外線センサ26を前記制御回路27の発熱部品38と略並列になるように配置している。この構成により発熱部品38近傍の強い冷却風を赤外線センサ26の冷却に有効に利用することができるため、効果的に赤外線センサ26を冷却することができる。
(実施の形態3)
図3は第3の実施の形態における誘導加熱調理器の冷却風路内を上方から見た平面図である。尚、実施の形態1と基本構成は同じなので説明は省略し、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1の図1と同じ構成部品には同じ符号を付している。
図3において、送風装置32からの冷却風は、制御回路27上のヒートシンク32に接合されたIGBT等の発熱部品38を冷却するために発熱部品冷却用ダクト34を経て図中の矢印に示すような流れ方向で流れている。本実施の形態では前記発熱部品冷却用ダクト34とは別に、赤外線センサ26に向かって冷却風を導くダクト35を設けている。この構成により送風装置32の強い冷却風を直接赤外線センサ26まで直接導くことができるため、赤外線センサ26の冷却効率が一層向上する。
(実施の形態4)
図4は第4の実施の形態における誘導加熱調理器の上方から見た平面外観図である。尚、実施の形態1と基本構成は同じなので説明は省略し、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1の図1と同じ構成部品には同じ符号を付している。
図4において、トッププレート23は調理容器を載置するための4箇所の加熱ゾーン3
5と加熱の操作や表示を行うための操作・表示部36を前部に設けている。各々の加熱ゾーンの下部には実施の形態1で説明したように加熱コイル(図示せず)が防磁板28(図中に破線で表示)で支持されている。また、本実施の形態では前記加熱ゾーン35を使用者に分かりやすくするために、トッププレート23の下部にLED等を用いた円形状の発光装置(図示せず)を搭載しており、トッププレート23の光透過部37を通して円形形状に発光させる構成となっている。また、トッププレート23下面の光透過部37以外の部分には塗装等で光を透過しない処理を施している。前記防磁板28は光透過部37に略対向する部位をカバーするように設けられている。このように本実施の形態では、トッププレート23の光透過部に略対向する部位に防磁板28を配置したことにより、トッププレート23から入射する外乱光を防磁板28で遮断して、防磁板28よりも下にある赤外線センサ26に対する外乱光の影響を軽減することができるため、安定した温度検知が可能となる。また、上記構成に加えて、前記防磁板28のトッププレート23に対向する面に黒色塗装等の光吸収性処理を施すと、トッププレート23から入射する外乱光が前記防磁板28に吸収されるため、外乱光の遮断効果が一層高まり、さらに安定した温度検知が可能となる。
尚、本実施の形態では、光透過部37は円形形状の発光部としたが、光透過部37の形状や位置、目的はこれに限定されるものではないことは明らかである。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、赤外線センサを使用した機器の性能や組立性を向上させるものであり、赤外線センサを有するあらゆる装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の構成を示す断面図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の冷却風路内を上方から見た平面図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の冷却風路内を上方から見た平面図 本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器の上方から見た平面外観図 従来の誘導加熱調理器の構成を示す断面図
符号の説明
21 本体
22 調理容器
23 トッププレート
24 加熱コイル
26 赤外線センサ
27 制御回路
28 防磁板
32 送風装置
33 冷却風路
34 筒体
35 ダクト
37 光透過部
38 発熱部品

Claims (6)

  1. 本体上面に設けられ、調理容器を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下部に設けられ前記調理容器を加熱する加熱コイルと、前記トッププレートの下部に設けられ前記調理容器から放射される赤外線を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサの出力に応じて前記加熱コイルの出力を制御する制御回路と、前記制御回路の発熱部品を冷却する風を送るための送風装置と、前記加熱コイルからの磁束漏れを抑制すると共に前記送風装置からの冷却風路を形成する防磁板とを備え、前記赤外線センサおよび制御回路は前記防磁板に対して同一空間に配置した誘導加熱調理器。
  2. 前記赤外線センサと前記トッププレートとの間に、前記防磁板を貫通する筒体を設けた請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記送風装置からの冷却風の流れ方向において、前記赤外線センサを前記制御回路の発熱部品と略並列に配置した請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記送風装置から前記赤外線センサに向かって冷却風を導くダクトを設けた請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記トッププレートの光透過部に略対向する部位に前記防磁板を配置した請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記防磁板のトッププレートに対向する面に光吸収性処理を施した請求項5に記載の誘導加熱調理器。
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