JP2009288271A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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晋爾 江川
Takeshi Takahashi
高橋  健
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Abstract

【課題】全方向からの蝉の産卵管により突き刺し対して損傷を防止するとともに、製造が容易で断線のない耐蝉用の光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバ心線13とテンションメンバ14を平行に配置し、外被16により一体に被覆した光ファイバケーブルで、光ファイバ心線13は、外被16より硬い一対の断面L字状の防護体15により、4面が囲われている。一対の断面L字状の防護体15間の隙間Gが1.0mm未満とすることが望ましい。防護体15は、硬質のポリアミド樹脂で形成されていることが望ましく、また、抗張力材で形成することにより、テンションメンバを省略することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ心線とテンションメンバを平行に配し、外被により一体に被覆した光ファイバケーブルに関する。
インターネット等の情報通信等の普及により通信の高速化、情報量の増大に加え、双方向通信と大容量通信に対応するために光ネットワークの構築が進展している。この光ネットワークでは、通信事業者と各家庭を直接光ファイバで結び、高速通信サービスを提供するFTTH(Fiber To The Home)サービスが開始されている。これにより、光ケーブルの宅内への引き込みに用いられるドロップ光ケーブルや、これを複数本集合した集合光ケーブルの需要が増えている。これらの光ファイバケーブルは、一般的には、光ファイバ心線と平行に抗張力体をケーブル外被内に埋設して、ケーブルの引張り強度を高めた構造のものが用いられている。
近年、この種の光ファイバケーブルに対して、蝉がケーブル外被に産卵管を突き刺し、内部の光ファイバ心線を損傷させ、あるいは外被内に卵を産み付けるという問題が多発している。これは、ドロップ光ケーブルを蝉が産卵しやすい対象物と認識したものと推定されているが、この蝉による対策としては、例えば、特許文献1,2に開示のように、内部の光ファイバ心線の周りを金属あるいは硬質のプラスチックのような硬い防護体で包囲する蝉対策用の光ファイバケーブルが知られている。
従来の蝉対策用の光ファイバケーブルとしては、例えば、図4(A)〜図4(C)に示すような本体部8と支持線部9を細幅の首部で連結した自己支持形光ファイバケーブルが知られている。図4(A)に示す光ファイバケーブル1aの本体部8は、光ファイバ心線2の両側に抗張力体3(テンションメンバともいう)を配し、抗張力体3が配されていない両側に光ファイバ心線2を挟んで蝉対策用の防護体4を配し、外被6により一括被覆する例である。また、防護体4が配される外被6の表面には、外被切裂き用のノッチ7が形成される。
図4(B)に示す光ファイバケーブル1bの本体部8は、光ファイバテープ心線2’の両側に抗張力体3を配し、抗張力体3が配されていない両側に、光ファイバテープ心線2’を挟んで蝉対策用の防護体4を配し、外被6により一括被覆する例である。また、外被切裂き用のノッチ7は形成しない例で示してあるが、ノッチ7を形成したものであってもよい。
図4(C)に示す光ファイバケーブル1cの本体部8は、光ファイバ心線2の全方向から蝉の産卵管が突き刺さらないように、管状の防護体4’を配し、外被6により一括被覆する例である。また、外被切裂き用のノッチ7は、前記と同様にあってもなくてもよい。
なお、図4(A)〜図4(C)のいずれの例においても、本体部8は支持線部9から切り離して使用することができ、また、初めから支持線部9を有しない構成のものであってもよいものである。
特開2006−11166号公報 特開2006−195109号公報
図4(A),図4(B)のように、光ファイバ心線2(又はテープ心線2’)の両側を挟むように蝉対策用の防護体4を配する構成では、防護体のエッジ側の斜め方向から蝉の産卵管が突き刺された場合には、防護しきれずに損傷を受ける恐れがある。
また、図4(C)のように、光ファイバ心線2(又はテープ心線2’)の全周囲を管状の防護体4’で囲う構成では、光ファイバ心線が管状の防護体4’内で、フリー状態になるため防護体内で移動して、布設時等に断線する恐れがある。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、全方向からの蝉の産卵管により突き刺し対して損傷を防止するとともに、製造が容易で断線のない耐蝉用の光ファイバケーブルの提供を目的とする。
本発明による光ファイバケーブルは、光ファイバ心線とテンションメンバを平行に配置し、外被により一体に被覆した光ファイバケーブルで、光ファイバ心線は、外被より硬い一対の断面L字状の防護体により、4面が囲われていることを特徴とする。
一対の断面L字状の防護体間の隙間Gが1.0mm未満とすることが望ましい。防護体は、硬質のポリアミド樹脂で形成されていることが望ましく、また、抗張力材で形成することにより、テンションメンバを省略することができる。
本発明によれば、全方向からの蝉の産卵管により突き刺しに対して、光ファイバ心線の損傷を防止し、また卵の産み付けによる側圧の発生を防止するという耐蝉性をもたせることができる。また、防護体が断面L字状であるため、形状の保持が容易で製造がしやすく、このためコスト低減も可能である。
図1により本発明の実施の形態を説明する。図1(A)は本発明による光ファイバケーブルの基本形態を示し、図1(B)はノッチを有する例を示し、図1(C)は支持線部なしの例を示し、図1(D)は支持線部なしでノッチを有する例を示す図である。図中、10a〜10dは光ファイバケーブル、11は本体部、12は支持線部、13は光ファイバ心線、14はテンションメンバ、15は防護体、16は外被、17はノッチ、18は鋼線、19は首部を示す。
図1(A)に示す光ファイバケーブル10aは、本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成されている。本体部11は、例えば、光ファイバ心線13の両側にテンションメンバ(抗張力体ともいう)14を配し、光ファイバ心線13の周りの4面を、一対の防護体15で覆って、外被16で一体に被覆してなる。支持線部12は、単心線又は撚り線からなる鋼線18(外径1.2mm程度)が用いられ、本体部11の外被16の成形時に外被16と同じ樹脂材で一括被覆して形成される。この形態のケーブルは、ドロップケーブルとして使用されることが多い。
光ファイバ心線13は、標準外径が125μmのガラスファイバを被覆外径が250μm前後で被覆した光ファイバ素線と称されているもの、また、その外側にさらに被覆を施し、或いは着色被覆を施したもの全てを含むものとする。なお、光ファイバ心線は、1本〜数本程度が用いられる。
テンションメンバ14には、引張り及び圧縮に対する耐力を有する線材を用いることができる。例えば、外径0.4mm〜0.7mmの鋼線あるいはガラス繊維強化プラスチック(G−FRP)、アラミド繊維強化プラスチック(K−FRP)などを用い、高温から低温の使用温度環境下で長期の使用に耐えるようにすることができる。
防護体15は、外被16より硬い材料で断面L字状に形成され、一対の防護体15をかぎかっこ形態で組みつけて、光ファイバ心線13の両側面及び端面の4面を囲う。防護体15は、例えば、厚さ0.2mm程度で、外被16(通常は、難燃ポリエチレン)よりは、硬質のポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)で形成することができる。また、この他、金属や上述した種類の繊維強化プラスチック(FRP)で形成することもできる。
一対の防護体15が、光ファイバ心線13の4面を囲むように組み付けられた際に、組みつけの隙間部分の間隙Gが1.0mm未満とするのが望ましい。これは、蝉の産卵管は、凡そ「1.0mmΦ×10mm長」であるので、産卵管の突き刺し位置が隙間部分に一致したとしても、その間隙Gが1.0mm未満であれば、被害を回避することができる。なお、防護体15の厚さは、0.2mm程度である。
上記の光ファイバケーブル10aは、例えば、本体部11が長辺側を3.1±0.2mm、短辺側が2.0±0.2mm、支持線部12が被覆外径2.8±0.2mmの外形寸法で形成される。
L字状の防護体15は、例えば、半円状のものと比べて形状保持がしやすく、外被の成形時においても形状を保つことができ、上記の隙間部分の間隙Gの寸法を維持して蝉の産卵管による被害の発生を抑制する機能を高めることができる。また、L字状であるため、次の図1(B)に示すように、互いに防護体15が重なり合う部分が、多少ずれても光ファイバ心線13の周囲4面を囲っていれば、保護機能をもたせることができる。
図1(B)に示す光ファイバケーブル10bは、図1(A)の例と同様の構成で、本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成され、ケーブル端末の形成等で光ファイバ心線13の取り出しを容易にするためのノッチ17を設けた例である。ノッチ17は、テンションメンバ14が配されていない側の外被16の両側面に、例えば、光ファイバ心線13と一致する位置に形成されている。光ファイバ心線13の取り出しに際しては、予め支持線部12が除去され、ノッチ17で外被16を図において上下に引裂いて2分し、L字状の直線部分を分割した相手側から互いに引き抜くことにより行うことができる。
図1(C)に示す光ファイバケーブル10cは、図1(A)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルである。この形態のケーブルは、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用されることが多い。
図1(D)に示す光ファイバケーブル10dは、図1(B)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルで、ノッチを設けた例である。この形態のケーブルは、図1(C)の場合と同様に、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用される。蝉の産卵管が、光ファイバ心線13までの距離が小さいノッチ17の部分から突き刺す場合でも、防護体15により保護することができる。
図2は、光ファイバ心線として、複数本の光ファイバ並べて一括被覆した光ファイバテープ心線(以下、テープ心線という)を用いた例を示す図である。図1(A)は基本形態を示す図、図1(B)はノッチを有する例を示し、図1(C)は支持線部なしの例を示し、図1(D)は支持線部なしでノッチを有する例を示す図である。図中、20a〜20dは光ファイバケーブル、13’はテープ心線を示す。その他、図1で説明した部分と同じ機能を有する部分には、同じ符号を用いることによりその説明を省略する。
図2(A)に示す光ファイバケーブル20aは、本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成されている。本体部11は、光ファイバ心線として4心のテープ心線13’を用い、その幅方向の両側にテンションメンバ14をテープ心線13’と直線上に並ぶように配し、テープ心線13’の周りの4面を、一対の防護体15で覆って、外被16で一体に被覆してなる。支持線部12は、単心線又は撚り線からなる鋼線18(外径1.2mm程度)が用いられ、本体部11の外被16の成形時に外被16と同じ樹脂材で一括被覆して形成される。この形態のケーブルは、ドロップケーブルとして使用されることが多い。
テープ心線13’は、標準外径が125μmのガラスファイバを被覆外径が250μm前後で被覆した複数本の光ファイバ心線を一列に並べて一括被覆したもので、例えば、4心で、幅が1.1mm、厚さが0.3mm程度のものが用いられる。なお、テープ心線13’は、1枚〜数枚が用いられる。テンションメンバ14には、図1の例で説明したのと同様に、引張り及び圧縮に対する耐力を有する線材を用いることができ、詳細説明は省略する。
防護体15は、外被16より硬い材料で断面L字状に形成され、図1(A)で説明したのと同様に、一対の防護体15をかぎかっこ形態で組みつけて、テープ心線13’の両側面及び端面の4面を囲う。防護体15は、例えば、厚さ0.2mm程度で、外被16(通常は、難燃ポリエチレン)よりは、硬質のポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)で形成することができる。また、この他、金属や上述した種類の繊維強化プラスチック(FRP)で形成することもできる。
一対の防護体15が、テープ心線13’の4面を囲むように組み付けられた際に、図1(A)の例と同様に、組みつけの隙間部分の間隙Gが1.0mm未満とするのが望ましい。上記の光ファイバケーブル20aは、例えば、本体部11が長辺側を3.7±0.2mm、短辺側が2.0±0.2mm、支持線部12が被覆外径2.8±0.2mmの外形寸法で形成される。
図2(B)に示す光ファイバケーブル20bは、図2(A)の例と同様に本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成され、2枚のテープ心線13’を収納し、ケーブル端末の形成等で光ファイバ心線の取り出しを容易にするためのノッチ17を設けた例である。ノッチ17は、テンションメンバ14が配されていない側の外被16の両側面に、例えば、テープ心線13’と一致する位置に形成されている。
図2(C)に示す光ファイバケーブル20cは、図2(A)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルである。この形態のケーブルは、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用されることが多い。
図2(D)に示す光ファイバケーブル20dは、図2(B)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルで、ノッチを設けた例である。この形態のケーブルは、図2(C)の場合と同様に、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用される。蝉の産卵管が、テープ心線13’までの距離が小さいノッチ17の部分から突き刺す場合でも、防護体15により保護することができる。
図3は、光ファイバ心線として、防護体を抗張力材で形成し、テンションメンバを兼ねる例を示す図である。図3(A)は基本形態を示す図、図3(B)はノッチを有する例を示し、図3(C)は支持線部なしの例を示し、図3(D)は支持線部なしでノッチを有する例を示す図である。図中、30a〜30dは光ファイバケーブル、15’は防護体を示す。その他、図1で説明した部分と同じ機能を有する部分には、同じ符号を用いることによりその説明を省略する。
図3(A)に示す光ファイバケーブル30aは、本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成されている。本体部11は、光ファイバ心線13の周りの4面を一対の防護体15’で覆って、外被16で一体に被覆してなる。支持線部12は、単心線又は撚り線からなる鋼線18(外径1.2mm程度)が用いられ、本体部11の外被16の成形時に外被16と同じ樹脂材で一括被覆して形成される。この形態のケーブルは、ドロップケーブルとして使用されることが多い。
光ファイバ心線13は、図1で説明したのと同様のものが用いられる。本例では、テンションメンバを有せず、代わりに防護体15’が、テンションメンバと同等の抗張力、抗圧縮力を有する、金属やガラス繊維強化プラスチック(G−FRP)、アラミド繊維強化プラスチック(K−FRP)などの繊維強化プラスチックで形成される。防護体15’の形状自体は、図1(A)で説明したのと同様に断面L字状に形成され、一対の防護体15’をかぎかっこ形態で組みつけて、光ファイバ心線13(又はテープ心線)の両側面及び端面の4面を囲う。また、一対の防護体15’の間隙Gが1.0mm未満であることが望ましい。外被16は、図1,2の例と同様に難燃ポリエチレンで形成される。
図3(B)に示す光ファイバケーブル30bは、図3(A)の例と同様に本体部11と支持線部12を細幅の首部19を介して一体に形成され、光ファイバ心線13を一対の防護体15’で覆い、ケーブル端末の形成等で光ファイバ心線の取り出しを容易にするためのノッチ17を設けた例である。また、一対の防護体15’は、外被16の側面と平行である必要はなく、光ファイバ心線を4面で囲っていればよく、図のように傾いた形態で配設されてもよい。
図3(C)に示す光ファイバケーブル20cは、図3(A)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルである。この形態のケーブルは、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用されることが多い。
図3(D)に示す光ファイバケーブル30dは、図3(B)の構成において、支持線部を有しない又は除去した形態のケーブルで、ノッチを設けた例である。この形態のケーブルは、図3(C)の場合と同様に、複数本を集合させて支線用として布設される集合ケーブル、あるいは屋内の配線に用いられるインドアケーブルとして使用される。また、防護体15’は、傾いた形態で配設した例で示してある。
なお、図3の例では、光ファイバ心線を1心だけ収納した例で示したが、2心〜数心を収納した形態であってもよく、また、図2に示したようにテープ心線を収納する形態であってもよい。
本発明の実施形態を説明する図である。 本発明の他の実施形態を説明する図である。 本発明のその他の実施形態を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
10a〜10d,20a〜20d、30a〜30d…光ファイバケーブル、11…本体部、12…支持線部、13(13’)…光ファイバ心線(テープ心線)、14…テンションメンバ、15,15’…防護体、16…外被、17…ノッチ、18…鋼線、19…首部。

Claims (4)

  1. 光ファイバ心線とテンションメンバを平行に配置し、外被により一体に被覆した光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバ心線は、外被より硬い一対の断面L字状の防護体により、4面が囲われていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記一対の断面L字状の防護体間の隙間が1.0mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記防護体はポリアミド樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記防護体は抗張力材で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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