JP2006011166A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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裕之 五月女
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Abstract

【課題】栗鼠や鼠等のげっ歯類動物から噛まれて内部の光ファイバが損傷するのを効果的に防ぎ、しかも、比較的低コストで実施することが可能な光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線22を配し、その両側にテンションメンバ23を配して外被24により一体に被覆した光ファイバケーブル21、21’である。テンションメンバ23が配されていない両側に、光ファイバ心線22を挟んでテンションメンバ23間の間隙部分Sを塞ぐように金属テープ27,27’を埋設する。また、テンションメンバ23が配されていない両側の外被面に切り裂き用のノッチ25を設け、金属テープ27a,27bをノッチに沿って2分して設ける。さらに、金属テープに細いワイヤを編んだ編組テープ28を用いるか或いは波付けして可撓性を持たせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブル中心部に配した光ファイバ心線の両側にテンションメンバを配し、外被で一体に被覆してドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルとして用いるような光ファイバケーブルに関する。
インターネット等の急速な普及により情報通信の高速化、情報量の増大に加え、最近では双方向通信と大容量通信の光ネットワークの構築が進展し、通信事業者と各家庭を直接光ファイバで結び高速通信サービスを提供するFTTH(Fiber To The Home)サービスが開始されている。これにより、屋内配線用のインドア光ケーブルや宅内への引き込みに用いられるドロップ光ケーブルの需要が増えている。これらの光ファイバケーブルは、一般に、光ファイバ心線と平行にテンションメンバをケーブル外被内に埋設して、ケーブルの引張り強度を高めた構造のものが用いられている。
この構造の光ファイバケーブルの使用増加に伴って、従来にはなかった問題も発生するようになっている。例えば、ドロップ光ケーブルには、通常、ケーブル外被を手で引き裂いて内部の光ファイバ心線を取り出すためのV字状のノッチが設けられているが、このノッチ部分から蝉が産卵管を突き刺し、内部の光ファイバを損傷する事例が生じている。これは、ドロップ光ケーブルを蝉が産卵しやすい対象物と認識したものと推定されている。この蝉による対策としては、例えば、特許文献1に開示のように、内部の光ファイバ心線の周りを金属のような硬い保護部材で包囲する構成のものが知られている。
また、最近では、ドロップ光ケーブルが栗鼠に噛まれ、内部の光ファイバが損傷するという事例が生じている。ドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルは、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物にとって、感電の危険がなく適度の硬さと太さを有することから、今後も被害の発生が予想される。従来、比較的ケーブル径の太い多心タイプの光ファイバケーブルでは、光ファイバを金属管に収納したり、ケーブル外被部分に金属テープを巻付けたり(例えば、特許文献2参照)することで、鼠等に対する対策がとられている。
特開2002−90591号公報 特開平9−190724号公報
光ファイバケーブルにおいて、例えば、図6(A)に示すように、スロット2に複数の光ファイバテープ心線3を収納し、吊線4とともに外被5で一体化し、外被5の内側にステンレス等の金属テープ6を管状に縦添えして、高強度光ファイバケーブル1とすることが知られている。また、図6(B)に示すように、抗張力体7の周りに複数本のステンレス等の金属管8を配して、この金属管8内に光ファイバテープ心線3又は光ファイバ心線3’を収納し、外被5’で一体化した金属管入り光ファイバケーブル1’とすることも知られている。
図6(A)又は図6(B)に示すように、光ファイバ心線をステンレスのような金属管で囲う構造とすることにより、げっ歯類動物からの被害を防止することは可能である。しかし、光ファイバの心数が少なく細径のドロップ光ケーブルやインドア光ケーブルにおいては、細径のステンレス管の製造コストが高く、また、曲げ剛性が大きくなって取扱いにくくなるという問題がある。
また、上記の特許文献1には、図7(A)〜図7(C)に示すような構造のドロップ光ケーブルで、蝉の産卵管で光ファイバが損傷を受けるのを保護する目的で光ファイバ心線の周りを、硬い保護部材で囲うことが開示されている。図7(A)は光ファイバ心線12をパイプ16に入れて保護する例、図7(B)は光ファイバ心線12を2つの半円線材17で囲って保護する例、図7(C)は光ファイバ心線12を2つの平板線材18で挟むようにして保護する例である。また、各保護部材は、ステンレスやアルミニウム等の金属や硬質のプラスチックで形成することも開示されている。
しかし、図7(A)に示す構造は、パイプ16の製造コストが高く、ケーブルの曲げ剛性が高くなる等の問題がある。これに対し、図7(B)及び図7(C)は、光ファイバ心線12を両側から挟むようにしてケーブル外被内に埋設する構造で、図7(A)のパイプの例よりは低コストで、ケーブルの曲げ剛性もそれほど大きくはならない。そして、光ファイバ心線12の近傍部分を限定的に囲うことで、V字状ノッチ15のから蝉の産卵管が差し込まれても、光ファイバ心線に直接当たらないようにしている。
このため、半円線材17あるいは平板線材18は、囲う光ファイバ心線より僅かに大きい幅寸法で形成されるが、これら線材のエッジ部分が光ファイバ心線12に接触したり、位置ずれがないように高精度での被覆成形が必要となる。したがって、製造速度をあまり上げることもできず、生産性がよいとはいえないものである。また、光ファイバ心線12の近傍のみを保護する構成であるため、テンションメンバ13との間に、保護されない部分が残り、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物に対しては不充分である。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物から噛まれて内部の光ファイバが損傷するのを効果的に防ぎ、しかも、比較的低コストで実施することが可能な光ファイバケーブルの提供を課題とする。
本発明による光ファイバケーブルは、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルで、テンションメンバが配されていない両側に、光ファイバ心線を挟んでテンションメンバ間の間隙部分を塞ぐように金属テープを埋設して構成される。金属テープにはステンレスを用い、また、金属テープの幅をテンションメンバの間隙以上とすることができる。さらに、テンションメンバが配されていない両側の外被面に切り裂き用のノッチを設け、金属テープをノッチに沿って2分して設ける。また、金属テープに細いワイヤを編んだ編組テープを用いるか或いは波付けすることにより可撓性を持たせる。
本発明による他の光ファイバケーブルは、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルで、テンションメンバが配されていない両側に、光ファイバ心線を挟んでテンションメンバ間の間隙部分を塞ぐようにガラス繊維強化プラスチックテープを埋設して構成される。また、テンションメンバが配されていない両側の外被面に切り裂き用のノッチを設け、ガラス繊維強化プラスチックテープをノッチに沿って2分して設ける。
本発明による他の光ファイバケーブルは、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルで、テンションメンバと同じ又は同等の線材を、テンションメンバが配されていない光ファイバ心線の両側を挟むように埋設して構成される。また、テンションメンバが配されていない両側の外被面に切り裂き用のノッチを設け、テンションメンバと同じ又は同等の線材をノッチに添うように2本平行に設ける。
本発明によれば、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物によって噛まれるようなことがあっても、光ファイバ心線を挟むようにして配された金属テープ、ガラス繊維強化プラスチック、又はテンションメンバと同じか同等の線材により、内部の光ファイバ心線を効果的に保護し、断線等の損傷から防止することができる。また、これらの保護部材は、特別な加工を施すことなく、また、高精度の位置決めを要することなくケーブル外被に埋設一体化することができ、製造コストを増加せずに容易に実施することができる。
図1〜図3により本発明の第1の実施形態を説明する。図1(A)〜図1(D)は金属テープで光ファイバ心線を保護する各種の形態を説明する図、図2(A)〜図2(C)は金属テープを2分して設ける形態を説明する図、図3(A),(B)は金属テープに波付けした形態を説明する図である。図中、21は光ファイバケーブル(自己支持形)、21’は光ファイバケーブル、22は光ファイバ心線、23はテンションメンバ、24は外被、25はノッチ、26は吊線、27,27’,27a,27bは金属テープ、28,28a,28bは編組テープ、29,29a,29bは波付けテープを示す。
本発明において対象とする光ファイバケーブルは、例えば、図1(A)〜図1(D)に示すように、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線22を配し、この光ファイバ心線22の両側(図では上下側)にテンションメンバ23を配して外被24により直接被覆して一体とした光ファイバケーブル21又は21’である。なお、図1(A),図1(B)に示すように、光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yの延長上に吊線26を一体的に設けたものを自己支持形の光ファイバケーブル21とし、図1(C),図1(D)に示すように、吊線26を有しない又は吊線を切断除去したものを光ファイバケーブル21’として示す。
本発明では、上記の何れの光ファイバケーブルに対しても、格別の考慮を払うことなく適用することができる。したがって、図1(C),図1(D)の構成で吊線26を持つ形状としてもよく、図1(A),図1(B)で吊線26を有しない形状としてもよい。なお、図2及び図3においても同様であり、さらに、他の実施形態として後述する図4及び図5においても同様とする。
なお、光ファイバ心線22とは、標準外径が125μmのガラスファイバを被覆外径が250μm前後で被覆した光ファイバ素線を称されているもの、並びに、その外側にさらに補強被覆を施した構成のもの全てを含むものとする。また、光ファイバ心線22は、1本〜数本程度で(図では1本と2本の例で示す)外被24により直接被覆される。外被24は断面が主として矩形状にして使用され、本発明の実施形態の説明には矩形状の例を示しているが、特にこれに限定されず楕円や円形としてもよい。
本発明による光ファイバケーブルは、幹線用の光ファイバケーブルから引き落とされて宅内に引き込まれるドロップ光ケーブル、或いは、宅内での光配線に用いられるインドア光ケーブルとして、最終的には単心に分岐して使用される。このため、内部の光ファイバ心線を手で取り出しやすいように、通常は、切り裂き用のV字状のノッチ25を設ける場合が多いが、本発明においては、切り裂き用のノッチ25は設けられていなくてもよい。したがって、図においては、ノッチ25を有する場合と有しない場合を区別することなく示してある。例えば、図1(A),図1(C)では、ノッチを有しない例で示しているが、ノッチ25を有する形状としてもよく、図1(B),図1(D)では、ノッチ25を有する例で示しているが、ノッチを有しない形状としてもよい。
本発明は、上述した光ファイバケーブルにおいて、例えば、図1(A)で示すように、テンションメンバ23が配されていない両側(図では左右側)に、光ファイバ心線22を挟んでテンションメンバ23間の間隙部分Sを塞ぐように金属テープ27を埋設する。なお、金属テープ27は、光ファイバ心線22とは接触しないように配されるが、テンションメンバ23とは接触するような形態であってもよい。また、金属テープ27は、光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yに平行に配されるのが好ましく、これにより、光ファイバ心線22に対する左右の応力付与をバランスさせることができ、製造時の位置決めもしやすい。
金属テープ27は、外被24より硬く栗鼠や鼠等のげっ歯類動物の歯では噛みきれないような金属で形成されていればよい。これには、銅、アルミ、鉄、ステンレス等の金属テープ用いることができる。ただ、銅、アルミテープは多少軟質であるため、変形する恐れがあり、鉄テープは長期の使用で錆が生じ強度が劣化する恐れがある。このため、本発明ではパイプ加工などを要しないので、比較的硬質で、劣化の少ないステンレステープを用いるのが好ましい。
光ファイバ心線22を挟んでテンションメンバ23の間隙部分Sを塞ぐように金属テープ27を配することにより、光ファイバケーブルがあ栗鼠や鼠等のげっ歯類動物により噛まれたとしても、歯部で光ファイバ心線22が破断されたり、ケーブル内から露出されたりするようなことからは防止することができる。また、蝉の産卵管の突き刺しによる光ファイバ心線の損傷も合わせて防止することができる。さらに、金属テープ27は、平板状の状態で埋設することができ、且つ高精度の位置決めを行なう必要がないので、大きなコスト増を伴うことなく容易に実施することができる。
金属テープ27は、テンションメンバ23間の間隙部分Sを両側から塞ぐようにして光ファイバ心線22を完全に囲っている形態であればよく、間隙部分Sの距離と金属テープ27の幅とが厳密に一致している必要はない。すなわち、テンションメンバ23と金属テープ27のエッジとの間に多少の隙間はあってもよい。また、図1(B)に示すように、金属テープ27の幅Wを間隙部分Sの距離より大きくするようにしてもよい。金属テープ27の幅Wを大きくすることで、幅方向への位置ずれの裕度を大きくとることができるので製造がより一層容易となり、光ファイバ心線22に対する保護も確実となる。
図1(C)は、金属テープ27’の断面を湾曲形状とした例で、図1(B)のように金属テープ27の幅Wを大きくしたのと同様に、テンションメンバ23の間隙部分Sを効果的に塞ぎ、光ファイバ心線22に対する保護をさらに高めることができる。なお、この場合、金属テープ27’は、予め湾曲させた形状のものを用いてもよく、外被24の成形時に平坦形状の金属テープに湾曲加工を施しながら供給するようにしてもよい。
図1(D)は、金属テープに細い金属線を編んでメッシュ状にした編組テープ28を用いた例である。金属テープを図1(A)〜図1(C)のように、平板状ないしは湾曲状の形状で外被24内に埋設すると、光ファイバケーブル21,21’の剛性が大きくなって可撓性が低減し、曲げにくくなる。そこで、金属テープを細い金属線を編んでメッシュ状にした編組テープ28で形成することにより、金属テープの硬さを維持して可撓性を高めることができる。なお、編組テープ28の金属線には、上記の平板状の金属テープ27の場合と同様に、銅、アルミ、鉄等を用いることができるが、特にステンレスが好ましい。
図2(A)〜図(C)は、金属テープ又は編組テープをノッチに沿って2分して設ける例を示す図である。図2(A)は、図1(A)及び図1(B)で用いた金属テープ27を2分して、テープ幅をほぼ半分にした金属テープ27aと27bを平行に埋設するようにした例である。この場合、外被24のテンションメンバ23が配されていない両側の外被面に、切り裂き用のV字状のノッチ25を設けておくのが好ましい。2分された金属テープ27aと27bは、互いに重ならないように光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yと平行に並べ、金属テープ27aと27bの互いに向き合うエッジ部分Hが、ノッチ25の底部に沿うように埋設する。
図2(B)も図2(A)の例とほぼ同じであるが、2分された金属テープ27aと27bは、互いに向き合うエッジ部分Hで折れ曲がった状態としてもよい。なお、図では、光ファイバ心線22側の方向に角度を持つようにしているが、反対方向のノッチ25側の方向に角度を持つようにしてもよい。なお、図2(A)及び図2(B)において、金属テープ27aと27bは、完全に分離された2本の金属テープであってもよいが、互いに向き合うエッジ部分Hで簡単に分離できる連結状態(例えば、ミシン目あるいは所定間隔でスロットを有する形状)で一体に形成されていてもよい。
図2(C)は、図1(D)の編組テープ28を2分して、テープ幅をほぼ半分にした2つの編組テープ28aと28bとしたものである。この場合も、図2(A)及び図2(B)と同様に、外被24のテンションメンバ23が配されていない両側の外被面に、切り裂き用のV字状のノッチ25を設けておく。また、2分された編組テープ28aと28bは、互いに重ならないように光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yと平行に並べ、編組テープ28aと28bの互いに向き合うエッジ部分Hが、ノッチ25の底部に沿うように埋設する。図2(C)の構成を用いることにより、図1(D)で説明したのと同様に、金属テープの硬さを維持して可撓性を高めることができる。
図2(A)〜図2(C)に示すように、金属テープ又は編組テープをノッチ25に沿って2分して設けることにより、特別の工具を用いることなく外被24をノッチ25の部分を手で切り裂き、内部の光ファイバ心線22を容易に取り出すことができる。図1の各例では、ノッチ25を設けて外被24を切り裂いたとしても、さらに、金属テープ27又は編組テープ28を除去して内部の光ファイバ心線22を取り出す必要があり、作業に手間を要する。しかし、上記構成によれば、ノッチ25で外被24を切り裂くだけで、光ファイバ心線22を直ちに取り出すことができ、作業性を高めることができる。
図3(A)は、他の例を示す図で、金属テープを波付けして可撓性を持たせた例を示し、図3(B)は図3(A)の波付けした金属テープのテープ幅をほぼ半分に2分した例を示す図である。金属テープを平板形状で外被24内に埋設すると、光ファイバケーブル21,21’は、その剛性が大きくなって可撓性が低減し、曲げにくくなる。図1(D)で示したように、金属テープを編組テープとすることにより可撓性を持たせることはできるが、図1(A)で使用するのと同じ金属テープを、長手方向に沿って波付けすることによっても可撓性を持たせることができる。この波付けテープ29は、編組テープと比べて金属テープの硬さをそのまま維持して可撓性を高めることができ、低コストで製造することができる。
また、図3(B)に示すように、図2の例と同様に、外被24のテンションメンバ23が配されていない両側の外被面に、切り裂き用のV字状のノッチ25を設ける。2分された波付けテープ29aと29bは、互いに重ならないように平行に並べ、波付けテープ29aと29bの互いに向き合うエッジ部分Hが、ノッチ25の底部に沿うように埋設する。この構成により、図2(A)〜図(C)で説明したのと同様に、特別の工具を用いることなく外被24をノッチ25の部分で容易に切り裂き、内部の光ファイバ心線22を直ちに取り出すことができる。
図4(A)〜図4(C)により第2の実施形態を説明する。図中、30,30a,30bはガラス繊維強化プラスチック(FRP)テープを示し、その他の符号は、図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。この第2の実施形態に示す光ファイバケーブルは、図1の第1の実施形態と同様に、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線22が配され、この光ファイバ心線22の両側(図では上下側)にテンションメンバ23を配し、外被24により直接被覆して光ファイバケーブル21又は21’とされる。
上記の光ファイバケーブル21において、例えば、図4(A)で示すように、テンションメンバ23が配されていない両側(図では左右側)に、光ファイバ心線22を挟んでテンションメンバ23間の間隙部分Sを塞ぐようにガラス繊維強化プラスチック(FRP)テープ30を配して埋設する。FRP自体は、ガラス繊維をプラスチックで固めてテンションメンバとしても用いられているものであるが、本実施形態では、これを薄いテープ状に成形したものを、図1の例で示した金属テープ27に代えて用いる。
なお、FRPテープ30は、光ファイバ心線22とは接触しないように配されるが、テンションメンバ23とは接触する形態であってもよい。また、FRPテープ30は、光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yに平行に配されるのが好ましく、これにより、光ファイバ心線22に対する左右の応力付与をバランスさせることができ、製造時の位置決めもしやすい。また、図4(B)は、吊線26を有しない光ファイバケーブル21’として示したもので、切り裂き用のV字状のノッチ25は、設けなくてもよい。
図4(C)は、FRPテープを2分して、テープ幅をほぼ半分にしたFRPテープ30aaと30bを、平行に埋設するようにした例である。この場合、外被24のテンションメンバ23が配されていない両側の外被面に、切り裂き用のV字状のノッチ25を設けておくのが好ましい。2分されたFRPテープ30aと30bは、互いに重ならないように光ファイバ心線22とテンションメンバ23を結ぶラインY−Yに平行に並べ、FRPテープ30aと30bの互いに向き合うエッジ部分Hが、ノッチ25の底部に沿うように埋設する。FRPテープをノッチ25に沿って2分して設けることにより、図2の実施形態と同様に、特別の工具を用いることなく外被24をノッチ25の部分で切り裂き、内部の光ファイバ心線22を直ちに取り出すことができる。
FRPテープ30,30a,30bは、金属テープと同等の硬さ、引張り強度を有し、また、素材にガラス繊維を含んでいる。このため、光ファイバケーブルを、光ファイバ心線22を挟んでテンションメンバ23間の間隙部分Sを塞ぐようにFRPテープ30を配することにより、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物により噛まれたとしても、歯部で光ファイバ心線22が破断されたり、ケーブル内から露出されたりするようなことからは防止することができる。また、ガラス繊維が口内に突き刺さり、げっ歯類動物から敬遠されることが期待できる。
さらに、蝉の産卵管の突き刺しによる光ファイバ心線の損傷も合わせて防止することができる。また、FRPテープ30,30a,30bは予めテープ状にしたものを、光ファイバ心線22及びテンションメンバ23と共に外被24で一体に被覆するだけで、特別な加工や高精度の位置決めを行なう必要がないので、大きなコスト増を伴うことなく容易に実施することができる。
図5(A)〜図5(D)により第3の実施形態を説明する。図中、31,31a,31bはメタル線、31’,31a’,31b’はFRP線を示し、その他の符号は、図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。この第3の実施形態に示す光ファイバケーブルは、図1の第1の実施形態と同様に、ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線22が配され、この光ファイバ心線22の両側(図では上下側)にテンションメンバ23を配し、外被24により直接被覆して光ファイバケーブル21又は21’とされる。
上記の光ファイバケーブル21において、例えば、図5(A)で示すように、テンションメンバ23が配されていない両側(図では左右側)に、光ファイバ心線22を挟んでメタル線31を配して埋設する。メタル線31は、テンションメンバ23と材料、形状が同じか又は同等の部線材で形成される。また、図5(B)に示すように、テンションメンバ23’がFRPで形成されている場合は、メタル線31に代えてFRP線31’を用いるようにしてもよい。なお、図5(A)及び図5(B)の例においては、切り裂き用のノッチ25は設けなくてもよいが、図5(C)及び図5(D)の例では、設けておくのが好ましい。
図5(C)は、図5(A)の1本のメタル線31を配する構成に代えて、2本のメタル線31a,31bを平行に配して構成する例である。また、図5(D)は、図5(B)の1本のFRP線31’を配する構成に代えて、2本のFRP線31a’,31b’を平行に配して構成する例である。2本のメタル線31a,31b又は2本のFRP線31a’,31b’をノッチ25の底部に沿って平行に設けることにより、図2の実施形態と同様に、特別の工具を用いることなく外被24をノッチ25の部分で切り裂き、内部の光ファイバ心線22を直ちに取り出すことができる。
光ファイバ心線22の左右側に、テンションメンバ23と同じ又は同等のメタル線31,31a,31b、或いは、FRP線31,31a’,31b’を配することで、光ファイバ心線22は、硬く引張り強度の大きい線材で四方から保護された構造となる。この結果、栗鼠や鼠等のげっ歯類動物により噛まれたとしても、歯部で光ファイバ心線22が破断されたり、ケーブル内から露出されたりするようなことからは防止することができ、蝉の産卵管の突き刺しによる光ファイバ心線の損傷も防止することができる。
また、メタル線31,31a,31b又はFRP線31’,31a’,31b’は、テンションメンバに使用されている線材と同じものを用いるので別途作製の必要がない。そして、光ファイバ心線22及びテンションメンバ23と共に外被24で一体に被覆するだけで、特別な加工や高精度の位置決めを行なう必要がないので、大きなコスト増を伴うことなく容易に実施することができる。
本発明による光ファイバケーブルの第1の実施形態を説明する図である。 本発明に用いる金属テープを2分して設ける形態を説明する図である。 本発明に用いる金属テープに波付けした形態を説明する図である。 本発明による光ファイバケーブルの第2の実施形態を説明する図である。 本発明による光ファイバケーブルの第3の実施形態を説明する図である。 従来技術の構成例を説明する図である。 従来技術の他の構成例を説明する図である。
符号の説明
21…光ファイバケーブル(自己支持形)、21’…光ファイバケーブル、22…光ファイバ心線、23…テンションメンバ、24…外被、25…ノッチ、26…吊線、27,27’,27a,27b…金属テープ、28,28a,28b…編組テープ、29,29a,29b…波付けテープ、30,30a,30b…ガラス繊維強化プラスチック(FRP)テープ、31,31a,31b…メタル線、31’,31a’,31b’…ガラス繊維強化プラスチック(FRP)線。

Claims (10)

  1. ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルであって、
    前記テンションメンバが配されていない両側に、前記光ファイバ心線を挟んで前記テンションメンバ間の間隙部分を塞ぐように金属テープを埋設したことを特徴する光ファイバケーブル。
  2. 前記金属テープは、ステンレスで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記金属テープの幅が、前記テンションメンバの間隙以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記テンションメンバが配されていない両側の外被面にノッチを有し、前記金属テープが前記ノッチに沿って2分されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記金属テープは、細いワイヤを編んだ編組テープであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記金属テープは、長手方向に波付けされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  7. ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルであって、
    前記テンションメンバが配されていない両側に、前記光ファイバ心線を挟んで前記テンションメンバ間の間隙部分を塞ぐようにガラス繊維強化プラスチック(FRP)テープを埋設したことを特徴する光ファイバケーブル。
  8. 前記テンションメンバが配されていない両側の外被面にノッチを有し、前記ガラス繊維強化プラスチックテープが前記ノッチに沿って2分されていることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバケーブル。
  9. ケーブル中心部に1本以上の光ファイバ心線を配し、その両側にテンションメンバを配して外被により一体に被覆した光ファイバケーブルであって、
    前記テンションメンバと同じ又は同等の線材が、前記テンションメンバが配されていない前記光ファイバ心線の両側を挟むように埋設されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  10. 前記テンションメンバが配されていない両側の外被面にノッチを有し、前記テンションメンバと同じ又は同等の線材が前記ノッチに沿って2本配されていることを特徴とする請求項9に記載の光ファイバケーブル。
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