JP5044531B2 - 光ケーブル - Google Patents

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本発明は、配線系ケーブルからビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するための光ドロップケーブルとして使用される光ケーブルに関する。
インターネットなどの通信サービスの普及に伴い、通信事業者から加入者宅までの全区間を光ファイバで結ぶFTTH(Fiber To The Home)が急速に拡大してきている。このようなFTTHにおいて、加入者宅近傍の光配線網は、電柱を用いた架空配線が一般的であり、電柱に架渉した配線ケーブルから光ドロップケーブルを用いて加入者宅に引き落とす方式が主に採用されている。
このように光配線網の構築が進む中、クマゼミなどの害虫が光ドロップケーブルに産卵管を突き刺して光ファイバを損傷させる結果、情報伝達に支障が生じる問題が発生している。これは、従来の光ドロップケーブルでは、外被が光ファイバ心線上に直接被覆されていて、光ファイバ心線の周りに、産卵管の進入を阻止するような硬質の保護層や保護部材などが設けられていないことによる。
そこで、クマゼミなどの産卵管による光ファイバの被害を防止するため、例えば、外被内に光ファイバ心線を保護する扁平形状のモノフィラメントを埋設した光ケーブルや、断面円形状の抗張力線に溝を設け、この溝に光ファイバ心線を収納した光ケーブルなどが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)
しかしながら、前者では、部品数が多くなるため、外被の押出成形が難しい上に、価格も高くなる難点があった。また、後者では、場合により十分な引張強度が得られず、配線作業の際などに光ファイバ心線が断線するおそれがあった。また、使用時やケーブル製造時の温度変化により外被が伸縮し、それに伴い光ファイバ心線に歪みが生じ、伝送損失が増大するおそれもあった。
特開2006−313314号公報 特開2007−114575号公報
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、少ない部品数でクマゼミなどの産卵管による被害を確実に防止することができ、かつ、配線時や使用時、ケーブル製造時などにおいて光ファイバ心線が断線したり伝送特性が低下したりすることのない光ケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明の光ケーブルは、ケーブル部と、このケーブル部を支持する支持線部を備えた光ケーブルであって、前記ケーブル部は、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を挟んでその両側に対向配置された一対の延伸モノフィラメントからなるテンションメンバと、これらの外周に設けられた外被と、前記光ファイバ心線のケーブル部幅方向の両側の前記外被の側面に設けられた一対の引き裂き用ノッチとを具備し、前記各テンションメンバは、断面が幅0.1〜0.5mm、長さ0.7〜3.5mmの略L字状で、前記光ファイバ心線を囲繞するとともに、対向する端縁同士が離間し、一方の離間部は、ケーブル部高さ方向において、前記光ファイバ心線より前記支持線部寄りに、他方の離間部は前記ケーブル部の底部寄りに位置するように配置されており、これらの各離間部に向けて前記一対の引き裂き用ノッチが設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線のケーブル部幅方向の両側に、前記各テンションメンバがそれぞれ存在していることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の光ケーブルにおいて、前記光ファイバ心線のケーブル部高さ方向の両側に、前記各テンションメンバが存在していることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブルにおいて、前記延伸モノフィラメントの引張弾性率が7500〜20000N/mmであることを特徴とするものである。
なお、本願明細書中、延伸モノフィラメントの引張弾性率はJIS L 1013に準拠して測定された値である。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブルにおいて、前記延伸モノフィラメントは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、またはフッ素樹脂からなる延伸モノフィラメントであることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブルにおいて、前記ケーブル部内に、前記一対のテンションメンバ以外のテンションメンバを具備しないことを特徴とするものである。
本発明の光ケーブルによれば、クマゼミなどの害虫の産卵管の進入を阻止するための部材や保護層を新たに設ける必要がなく、したがって、製造は容易で価格の上昇を招くこともない。しかも、特定の断面形状を有するテンションメンバによって十分な引張強度が得られるため、配線時、使用時、ケーブル製造時などにおける光ファイバ心線の断線や伝送特性の低下も防止される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。また、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の光ケーブルの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ケーブルは、電柱間に架設した配線ケーブルからビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するための光ドロップケーブルとして使用されるものであり、ケーブル部10と支持線部20とこれらを連結する連結部30とから構成されている。
ケーブル部10は、1本の単心光ファイバ心線11と、この光ファイバ心線を挟んでその両側に対向配置された一対の延伸モノフィラメントからなるテンションメンバ12a、12bと、これらの外周に設けられた外被13とから構成されている。各テンションメンバ12a、12bは、断面略L字状とされ、単心光ファイバ心線11を囲繞するように、その屈曲部を外側に向けて配置されている。図1の例では、外被13は、断面が略矩形状に形成されており、一方のテンションメンバ12aは、このような略矩形状の断面を有する外被13の支持線部20側の一方の角部にその屈曲部が対向し、かつその外側面が外被13の外周面と平行になるように配置され、この一方のテンションメンバ12aを180°、光ファイバ心線11を中心に回転させた位置に、他方のテンションメンバ12bが位置するように配置されている。
このような一対のテンションメンバ12a、12bは、本来のテンションメンバとしての機能、すなわち、ケーブル部10を支持線部20から分離して屋内に引き込み配線する際の引張応力を担うとともに、使用時やケーブル製造時の温度変化に伴う光ファイバの伝送損失の増加を防止する機能と、クマゼミなどの産卵管の進入により光ファイバ心線11が損傷するのを防止する保護部材としての機能を併せ有している。
また、支持線部20は、鋼線などからなる支持線21と、その外周に設けられた被覆22とから構成されている。被覆22は、断面が円形状に形成されている。
ケーブル部10の外被13、支持線部20の外被22および連結部30は、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂の一括押出により形成されている。また、ケーブル部10の外被13の両側面には、引き裂き用のノッチ14a、14bが設けられている。一方の引き裂き用ノッチ14bは、支持線部20寄りに、他方の引き裂き用ノッチ14aはケーブル部10の底部寄りにそれぞれ設けられており、ケーブル接続作業の際に、これらの引き裂き用ノッチ14a、14bを起点に外被13を引き裂くと、ケーブル部10は対向するテンションメンバ12a、12bの間で分割され、内部の単心光ファイバ心線11を容易に取り出すことができるようになっている。
上記単心光ファイバ心線11は、特に限定されるものではなく、光ファイバの外周にシリコーン樹脂や紫外線硬化型樹脂などを被覆したもの、その外周にさらにポリアミド樹脂を被覆したものなどが使用される。
また、テンションメンバ12a、12bを形成する延伸モノフィラメントとしては、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、またはこれらの2種以上の共重合体もしくは混合物など)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・12、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン10、またはこれらの2種以上の共重合体もしくは混合物など)、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)、シンジオタクチック、アタクチックまたはイソタクチック構造を有するポリスチレン、ポリフェニレンスルファイド、フッ素樹脂(例えばテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体など)などからなるものが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂からなるものが好ましく、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートからなるものがより好ましい。
この延伸モノフィラメントは、引張弾性率が7500〜20000N/mmであることが好ましい。引張弾性率が小さ過ぎると、ケーブル製造時の加工歪が大きくなり、ケーブル部10を支持線部20から切り離した際に、単心光ファイバ心線13が断線するおそれがある。また、ケーブル部10の許容張力の確保が困難になり、ケーブル部10を支持線部20から切り離して配線する際に、ケーブル部10に加わる引張荷重で単心光ファイバ心線13が断線するおそれもある。一方、引張弾性率が大き過ぎると、可撓性が低下し、配線時の曲げ半径が制限されるようになる。延伸モノフィラメントは、引張弾性率が7500〜9400N/mmであることがより好ましい。
さらに、外被13、被覆22および連結部30を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンの他、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、難燃剤や着色剤が配合されていてもよい。
このように構成される光ケーブルにおいては、光ファイバ心線11を挟んでその両側に対向配置したテンションメンバ12が、本来のテンションメンバとしての機能と、クマゼミなどの害虫の産卵管が光ファイバ心線に到達するのを阻止する機能を併せ有するので、従来のようにクマゼミなどの害虫の産卵管対策のための新たな部材や層形成を必要とせず、容易かつ安価に製造することができる。また、テンションメンバ12により十分な引張強度が得られるため、配線時や、使用時、ケーブル製造時における光ファイバ心線の断線や伝送特性の低下も確実に防止することができる。
なお、本発明においては、テンションメンバ12a、12bは、断面形状がL字状であれば、図2に定義するような幅wや長さp、屈曲部の位置などは特に限定されるものではない。
しかし、テンションメンバ12a、12bの断面の幅wが小さ過ぎると、ケーブル部10内部で破断しやすくなるばかりか、クマゼミなどの害虫の産卵管が外被13内に進入した場合に、光ファイバ心線11に到達するのを十分に阻止することができなくなるおそれがある。逆に、光ファイバ心線11の断面の幅wが大き過ぎると、クマゼミなどの害虫の産卵管が光ファイバ心線に到達するのを阻止する機能は増大するものの、ケーブル部10の可撓性が低下し、配線時の曲げ半径が制限されるようになる。また、光ファイバ心線11の断面の長さpについても、小さ過ぎると、光ファイバ心線11を十分に保護することができず、クマゼミなどの害虫の産卵管による被害を受けやすくなる。逆に、光ファイバ心線11の長さpが大き過ぎると、ケーブル部10の可撓性が低下し、配線時の曲げ半径が制限されるようになる。このような観点から、断面の幅wは0.1〜0.5mm、長さは0.7〜3.5mmの範囲であることが好ましい。さらに、外被13との密着力を高める観点からは、その断面周長が2.0mm以上であることが好ましい。断面周長が2.0mmに満たず、外被13に対する密着力が弱いと、配線時や、使用時、ケーブル製造時において光ファイバ心線11の断線や伝送特性の低下が生じるおそれがある。
また、テンションメンバ12a、12bの表面形状も特に限定されるものではなく、例えば図3に示すように、表面に凸部15が形成されていてもよい。表面に凸部15が形成されたテンションメンバ12a、12bは、外被13との密着性に優れるため、配線時や、使用時、ケーブル製造時における光ファイバ心線の断線や伝送特性の低下をより確実に防止することができる。なお、凸部15の形状や数などは特に限定されるものではない。
さらに、テンションメンバ12a、12bの配置方法も、それぞれの屈曲部を外側に向け、光ファイバ心線11を取り囲むように配置されれば特に限定されるものではない。しかし、クマゼミなどの害虫の産卵管による被害を防止する観点からは、例えば、図4に示すように、光ファイバ心線11のケーブル部10幅方向の両側に、少なくともテンションメンバ12a、12bが存在するように配置することが好ましく、図1に示したように、ケーブル部10幅方向の両側のみならず、光ファイバ心線11のケーブル部10高さ方向の両側にも、テンションメンバ12a、12bが存在するように配置することがより好ましい。
すなわち、図4に示す光ケーブルでは、単心光ファイバ心線11のケーブル部10幅方向両側に、テンションメンバ12a、12bの各屈曲部と単心光ファイバ心線11が略同一平面上に並列するように配置されている。このような光ケーブルでは、各テンションメンバ12a、12bと、支持線部20の支持線21の存在により、クマゼミなどの害虫の産卵管がケーブル部10の底部の幅Hで示す部分から突き刺された場合を除き、その光ファイバ心線11への到達を防止することができる。図1に示す光ケーブルでは、図4に示す光ケーブルよりさらに限られた、ケーブル部10の底部の幅Gで示す部分から産卵管が突き刺された場合を除き、光ファイバ心線への到達を防止することができる。
なお、両テンションメンバ12a、12bをより近接させるか、あるいは、断面長さpのより長い延伸モノフィラメントを用いて、光ファイバ心線11の周囲が略完全に両テンションメンバ12a、12bによって取り囲まれるようにすれば、図4における幅Hも図1における幅Gも略ゼロとすることができる。つまり、クマゼミなどの害虫の産卵管が光ファイバ心線11に到達するのを略完全に防止することが可能となる。しかし、この場合には、ケーブルを接続する際の光ファイバ心線の取り出し性が大きく低下する。したがって、テンションメンバ12a、12bは、両端同士が互いに接触せず、間隔をおいて配置されるようにすることが好ましく、そして、この場合、図1に示す光ファイバのように、ケーブル部10幅方向の両側のみならず、光ファイバ心線11のケーブル部10高さ方向の両側にも、テンションメンバ12a、12bが存在するように配置することが、クマゼミなどの害虫の産卵管による被害を防止するうえで好ましい。
以上、本発明の一実施形態およびその変形例について説明してきたが、本発明においては、さらに、例えば図5に示すように、単心光ファイバ心線17の数は2本もしくはそれ以上であってもよい。図5に示す光ケーブルは、上記実施形態において、単心光ファイバ心線11を2本配置したものである。
また、例えば図6に示すように、単心光ファイバ心線11に代えて、1枚乃至複数枚の光ファイバテープ心線16を使用してもよい。図6に示す光ケーブルは、上記実施形態において、1本の単心光ファイバ心線11に代えて、4本の光ファイバ素線を並列させ、その外周に一括被覆を施した4心光ファイバテープ心線16を1枚配置したものである。さらに、図示は省略したが、ケーブル部10の外被13の断面形状を円形状とすることも可能である。これにより、ケーブル部10の曲がり方向性が小さくなり、ケーブル部の配線作業性を向上させることができる。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、延伸モノフィラメントの引張弾性率および引張破断強度は、JIS L 1013に準拠して測定した値である。
実施例1〜6
図1に示す構造の光ケーブルを製造した。単心光ファイバ心線11には、外径250μmの単心紫外線硬化型樹脂被覆光ファイバ心線を用い、テンションメンバ12a、12bには、幅0.20mm、長さ2.0mm、引張弾性率24000N/mm、引張破断強度810N/mmのポリエチレンナフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例1)、幅0.20mm、長さ1.93mm、引張弾性率20000N/mm、引張破断強度632N/mmのポリエチレンナフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例2)、幅0.20mm、長さ2.0mm、引張弾性率9320N/mm、引張破断強度420N/mmのポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例3)、幅0.20mm、長さ1.98mm、引張弾性率7510N/mm、引張破断強度393N/mmのポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例4)、幅0.20mm、長さ1.93mm、引張弾性率5340N/mm、および引張破断強度214N/mmのポリプロピレンからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例5)、または幅0.20mm、長さ2.06mm、引張弾性率2520N/mm、および引張破断強度207N/mmのナイロン6からなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例6)を用い、支持線21には、外径1.2mmの単鋼線を用いた。
これらの単心光ファイバ心線11とテンションメンバ12a、12bと支持線21とを、図1に示すように並列させた状態で押出し機に導入し、その外周にノンハロゲン難燃ポリエチレン(日本ユニカー社製 商品名 NUC9739)を一括押出被覆して、全体の幅が約2mm、同高さが約5mmの図1に示す光ケーブルを製造した。
得られた各光ケーブルについて、下記に示す方法でその特性を評価した。
[ケーブル部の加工歪]
光ケーブルの支持線部とケーブル部を分離し、それぞれの長さを測定し、次式よりケーブル部の加工歪を算出した。
加工歪(%)=(|ケーブル部長さ−支持線部長さ|/支持線部長さ)×100
[ケーブル部の可撓性]
支持線部から分離したケーブル部の曲げ剛性を測定し、従来構造の光ドロップケーブルの曲げ剛性を1.0としたときの曲げ剛性比を算出した。
[クマゼミによる被害の防止効果]
7月〜9月の3ヶ月間、光ケーブルを屋外に布設し、クマゼミによる被害の発生状況を調べ、下記の基準で評価した。
◎:光ファイバ心線にクマゼミの産卵管による損傷が全く認められない
○:光ファイバ心線にクマゼミの産卵管による損傷が若干認められたものの、実用上問題なし
×:光ファイバ心線にクマゼミの産卵管による損傷が数多く認められ、使用不能
これらの結果を、延伸モノフィラメントの物性などとともに、表1に示す。
Figure 0005044531
表1からも明らかなように、本発明に係る光ケーブルは、クマゼミによる被害の防止効果に優れていた。そして、特に引張弾性率が7500〜20000N/mmの範囲のテンションメンバを用いた光ケーブル(実施例2〜4)では、ケーブル部の加工歪が0.1%以下と非常に小さいうえに、ケーブル部の可撓性も良好であり、加工歪による光ファイバ心線の断線を防止し、また、良好な配線作業性を確保する観点からは、テンションメンバの材料として、引張弾性率が7500〜20000N/mmの延伸モノフィラメントを用いることが好ましいことが確認された。
実施例7〜10
図1に示す構造の光ケーブルを製造した。単心光ファイバ心線11には、外径250μmの単心紫外線硬化型樹脂被覆光ファイバ心線を用い、テンションメンバ12a、12bには、幅0.20mm、長さ0.6mm、周長1.6mm、引張弾性率7510N/mmのポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例7)、幅0.20mm、長さ0.80mm、周長2.00mm、引張弾性率7510N/mmのポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例8)、幅0.20mm、長さ1.06mm、周長2.52mm、引張弾性率7510N/mmのポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例9)、または幅0.20mm、長さ1.39mm、周長3.18mm、引張弾性率7510N/mm、のポリエチレンテレフタレートからなる断面略L字状の延伸モノフィラメント(実施例10)を用い、支持線21には、外径1.2mmの単鋼線を用いた。
これらの単心光ファイバ心線11とテンションメンバ12a、12bと支持線21とを、図1に示すように並列させた状態で押出し機に導入し、その外周にノンハロゲン難燃ポリエチレン(日本ユニカー社製 商品名 NUC9739)を一括押出被覆して、全体の幅が約2mm、同高さが約5mmの図1に示す光ケーブルを製造した。
得られた各光ケーブルについて、テンションメンバ12a、12bの引抜き力を下記に示す方法で測定するとともに、上記実施例1の場合と同様にして、クマゼミによる被害の防止効果を評価した。
[引抜き力]
図7に示すように、引張試験機を用い、長さ60mmのケーブル部10の一端側の外被13を剥ぎ取ってテンションメンバ12a、12bを露出させた試験体について、引張速度10mm/分、温度23℃、湿度50%RHの条件下で、一方のテンションメンバ12a(または12b)を引き抜いたときの平均荷重(N/cm)を測定した。図7において、41は、露出させたテンションメンバ12a(または12b)の先端10mmを把持するクランプを示し、42は、他端を外被13上から固定する固定部材を示している。
これらの結果を、延伸モノフィラメントの物性などとともに、表2に示す。
Figure 0005044531
表2からも明らかなように、特に断面周長が2.00mm以上の延伸モノフィラメントを用いた光ケーブル(実施例8〜10)では、クマゼミの被害防止効果に優れるとともに、テンションメンバの引き抜き力も十分に大きい値が得られており、クマゼミによる被害を防止し、また、配線時や、使用時、ケーブル製造時における光ファイバ心線の断線や伝送特性の低下を防止する観点からは、テンションメンバの材料として、断面周長が2.00mm以上の延伸モノフィラメントを用いることが好ましいことが確認された。
本発明の光ケーブルの一実施形態を示す断面図である。 図1に示すテンションメンバの断面形状を拡大して示す断面図である。 本発明において使用されるテンションメンバの他の例を示す断面図である。 本発明の光ケーブルの一実施形態の一変形例を示す断面図である。 本発明の光ケーブルの一実施形態の他の変形例を示す断面図である。 本発明の光ケーブルの一実施形態のさらに他の変形例を示す断面図である。 テンションメンバの引き抜き力の測定方法を説明するための図である。
符号の説明
10…ケーブル部、11…単心光ファイバ心線、12a,12b…テンションメンバ、13…外被、14a,14b…引き裂き用ノッチ、15…凸部、16…光ファイバテープ心線、20…支持線部、21…支持線、22…被覆、30…連結部。

Claims (6)

  1. ケーブル部と、このケーブル部を支持する支持線部を備えた光ケーブルであって、
    前記ケーブル部は、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線を挟んでその両側に対向配置された一対の延伸モノフィラメントからなるテンションメンバと、これらの外周に設けられた外被と、前記光ファイバ心線のケーブル部幅方向の両側の前記外被の側面に設けられた一対の引き裂き用ノッチとを具備し、
    前記各テンションメンバは、断面が幅0.1〜0.5mm、長さ0.7〜3.5mmの略L字状で、前記光ファイバ心線を囲繞するとともに、対向する端縁同士が離間し、一方の離間部は、ケーブル部高さ方向において、前記光ファイバ心線より前記支持線部寄りに、他方の離間部は前記ケーブル部の底部寄りに位置するように配置されており、これらの各離間部に向けて前記一対の引き裂き用ノッチが設けられていることを特徴とする光ケーブル。
  2. 前記光ファイバ心線のケーブル部幅方向の両側に、前記各テンションメンバがそれぞれ存在していることを特徴とする請求項1記載の光ケーブル。
  3. 前記光ファイバ心線のケーブル部高さ方向の両側に、前記各テンションメンバが存在していることを特徴とする請求項2記載の光ケーブル。
  4. 前記延伸モノフィラメントの引張弾性率が7500〜20000N/mmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブル。
  5. 前記延伸モノフィラメントは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、またはフッ素樹脂からなる延伸モノフィラメントであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブル。
  6. 前記ケーブル部内に、前記一対のテンションメンバ以外のテンションメンバを具備しないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ケーブル。
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