JP2009288008A - 積層基板および積層基板の製造方法 - Google Patents

積層基板および積層基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流路の形状および流路長等における制限を低減でき、例えば、μTAS等に用いられる場合には、反応の種類の制限を低減できる積層基板を提供する。
【解決手段】積層基板4は、ガラス成分を有する複数のセラミック層が積層されてなるセラミック基板3と半導体基板2とがガラス成分の半導体基板2に対する融着により一体化されてなる。半導体基板2は、第1流路5を備え、セラミック基板3は、第1流路5に接続された第2流路6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば検査チップ等に用いられる積層基板、および積層基板の製造方法に関する。
従来、半導体基板は、耐薬品性が優れていることおよび微小加工のし易さといった理由から、例えば微小化学分析システム(Micro Total Analysis System:μTAS)等の検査チップの基板として用いられている。
例えば、半導体基板を用いた検査チップとして、所定の流路を形成したシリコンからなる第一基板と流体流入口および流体流出口を有する第二基板とを中間部材を利用して接合したものがある(例えば、特許文献1参照。)
特開2005−181095号公報
しかし、半導体基板に三次元の流路を形成することは困難であることから、流路の形状および流路長、設計自由度などに制限が生じるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、流路の形状および流路長等における制限を低減できる積層基板を提供することにある。
本発明により積層基板は、ガラス成分を有する複数のセラミック層が積層されてなるセラミック基板と半導体基板とが前記のガラス成分の前記の半導体基板に対する融着により一体化されてなる積層基板である。前記の半導体基板は、第1流路を備え、前記のセラミック基板は、前記の第1流路に接続された第2流路を備える。
本発明による積層基板の製造方法は、ガラス成分を有する複数のセラミックグリーンシートを準備する準備工程と、少なくとも1つの前記のセラミックグリーンシートに焼成後に流路を構成する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記の複数のセラミックグリーンシートを熱圧着により積層して、セラミック生積層体を形成するセラミック生積層体形成工程と、前記のセラミック生積層体と半導体基板とを熱圧着により密着させて一体化する熱圧着工程と、前記の半導体基板に密着された前記のセラミック生積層体を焼成する焼成工程と、前記の半導体基板に加工を施して前記の貫通孔に接続される流路を形成する流路形成工程とを備える。
上記積層基板の製造方法において、好ましくは、前記の準備工程において、焼結後に第1の熱膨張係数を有する第1のセラミックグリーンシートと、前記の第1のセラミックグリーンシートよりも薄く、前記の第1のセラミックグリーンシートの前記のガラス成分よりもガラス転移点が80℃以上低いガラス成分を有し、かつ焼結後に前記の第1の熱膨張係数よりも大きい第2の熱膨張係数を有する第2のセラミックグリーンシートとを準備し、前記の貫通孔形成工程において、少なくとも1つの前記の第1のセラミックグリーンシートおよび少なくとも1つの前記の第2のセラミックグリーンシートに前記の貫通孔を形成し、前記のセラミック生積層体形成工程において、前記の第1のセラミックグリーンシートおよび前記の第2のセラミックグリーンシートを、前記の第2のセラミックグリーンシートが前記の第1のセラミックグリーンシートに隣接して位置するように積層する。
また、好ましくは、上記積層基板の製造方法において、前記の第2セラミックグリーンシートが、ガラス粉末、セラミックフィラー、および有機バインダを有し、前記の第2セラミックグリーンシート中の前記の有機バインダは、前記のセラミック生積層体形成工程において溶融する。
本発明の積層基板によれば、流路の形状および流路長等における制限を低減できる積層基板を実現することができる。
本発明の積層基板の製造方法によれば、流路の形状および流路長等における制限を低減できる積層基板を精度良く製造することができる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による積層基板を用いた検査チップの構成例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)の直線B−Bにおける断面図である。
図1に示されるように、検査チップ1は、半導体基板2とセラミック基板3とが積層された積層基板4を有する。半導体基板2は、例えば、シリコンウエハを利用した単結晶又は多結晶のシリコン基板である。セラミック基板3は、複数のセラミック層が積層されてなるセラミック積層体であり、ガラスセラミック焼結体からなる。半導体基板2は、検査される流体が流れる第1流路5を有する。セラミック基板3は、第1流路5に接続される第2流路6を有する。この第1流路5のサイズは50μm〜300μm、また、第2流路6のサイズは100μm〜500μm程度である。
また、検査チップ1はリッド7を備える。このリッド7により、第1流路5に流れる流体の汚染を抑制することができる。このリッド7は、第1流路5を覆うように、例えばパイレックス(登録商標)ガラスを半導体基板2に対して陽極接合により接合することが望ましい。陽極接合時の半導体基板2への電圧印加は、セラミック基板3の他方主面に設けた接合用電気供給部から半導体基板2に対し電圧を印加することによって行うことができる。
さらに、セラミック基板3の内部には多層配線層8およびヒータ9が設けられている。多層配線層8を用いてヒータ9に電力を供給することにより、第1流路5を流れる流体を加熱処理することが可能である。このヒータ9は、多層配線層8と同様に、グリーンシートに導電性ペースとを塗布し、焼成することによって形成することができる。
また、積層基板4の下面には、電極パッド10が設けられている。この電極パッド10により、多層配線層8を外部の配線基板に電気的に接続することができる。
積層基板4は、シリコン結晶からなる半導体基板2とセラミック基板3を構成するセラミック層とが積層されて一体化された基板である。積層基板4は、半導体基板2にセラミックグリーンシートを密着させ、そのセラミックグリーンシートを焼結させて形成することができる。ここで、セラミックグリーンシートは、ガラス粉末およびセラミック粉末に、有機バインダ、有機溶剤、および可塑剤等を混合してスラリーとし、そのスラリーを例えばドクターブレード法又はカレンダロール法により、シート状に成形したものをいう。この場合、焼成によって、セラミック層に含まれるガラス成分が半導体基板2に融着することにより、半導体基板2とセラミック基板3とは一体化される。
本実施の形態による検査チップ1の場合、半導体基板2を加工することにより形成された第1流路5に対して立体交差する第2流路6をセラミック基板3の内部に形成することができる。従って、検査チップ1における流路の形状および流路長等における制限を低減でき、検査チップ1の設計自由度を高くすることができるとともに、検査チップ1を小型化できる。また、セラミック基板3の表面に第2流路6に通じる開口を設けることにより、その開口から試薬等の流体を投入および排出できることから、流体の供給および排出も容易に行うことができる。また、試薬等の流体を投入および排出部を半導体基板2と一体化することができることから、検査チップ1のさらなる小型化も可能になる。
また、本実施の形態による検査チップ1は、マイクロ弁、又はマイクロポンプ等の流体に対する作用部を設けることができる。この作用部としては、例えば、熱バイモルフアクチュエータなどの熱膨張係数の差によって動作するアクチュエータ、電気浸透流を利用した電気浸透流ポンプ等のマイクロポンプ、又はヒータ等がある。これらの作用部は、積層基板4内の半導体基板2に設けてもよいし、セラミック基板3に設けてもよい。半導体基板2に設ける場合には、半導体マイクロマシーニングプロセスによって形成することができる。
半導体基板2に形成されたマイクロ弁又はマイクロポンプは、セラミック基板3の内部に形成された多層配線層8を用いてセラミック基板3の表面に設けられた電極パッド10と電気的に接続することができるため、外部より容易に電力供給することが可能となる。
なお、半導体基板2のセラミック基板3に対向する表面にあらかじめ犠牲層を設けて、その後、ウェットエッチング等により、その犠牲層のみを除去することにより、セラミック基板3に対向する表面に流路を設けることができる。そのような場合には、流路を封止するリッドを設ける必要がなくなる。
次に、このような検査チップ1の製造方法について、図2(a)〜(e)および図3(a)〜(e)に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示すように、複数のガラスセラミックグリーンシート20を準備する。ここで、ガラスセラミックグリーンシートとは、ガラス粉末およびセラミック粉末と、有機バインダ、有機溶剤、および可塑剤等とを添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法若しくはカレンダロール法を採用して原料粉末をシート状に形成したものをいう。
上記セラミック粉末としては、例えばアルミナ、コーディエライト、β−クォーツ、又はムライトなどが挙げられ、また、ガラス粉末としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系、又はSiO−B−Al―MgO系などが挙げられる。例えば、セラミック粉末としてコーディエライト、ガラス粉末として例えばSiOを30〜40重量部、Alを10〜20重量部、MgOを10〜20重量部、BaOを5〜15重量部、CaOを10〜20重量部含み、任意成分としてBを5〜10重量部含みコーディエライトを70%以上析出する結晶化ガラスをそれぞれ選択した場合、得られるガラスセラミック焼結体の熱膨張係数は、2.5乃至3.5×10−6/℃、その結晶化度は70%以上となる。
上記有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系、ポリビニルブチラール系、ポリビニルアルコール系、ポリプロピレンカーボネート系、若しくはセルロース系等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、その有機溶剤とガラス粉末とセラミック粉末と有機バインダとを混練してグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、若しくはアルコール類等から成るものが利用される。
次に、図2(b)に示すように、図2(a)で作製したガラスセラミックグリーンシート20に、必要に応じて金型加工、レーザ加工、マイクロドリル、若しくはパンチング等の機械的加工により貫通孔21を形成する。この貫通孔21に、Ag,Cu,Ag−Pt,若しくはAg−Pd等の金属粉末およびガラス粉末に適当な有機バインダ、および溶剤を添加混合した配線導体用導体ペーストを、スクリーン印刷等の公知の手法を用いて充填する。
次に、図2(c)に示すように、これらガラスセラミックグリーンシート20の表面にAg,Cu,Ag−Pt,若しくはAg−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合した配線導体用ペーストを、ガラスセラミックグリーンシート状にスクリーン印刷等により塗布し、配線層22を形成する。
また、セラミック基板3の内部に、第2流路6内の流体を加熱するヒータ9を設ける場合は、RuO粉末にガラス成分を添加した抵抗体ペーストをスクリーン印刷等によって塗布してもよい。
次に、図2(d)に示すように、配線層22を形成したガラスセラミックグリーンシートを3〜20MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着してセラミック生積層体23を作製する。このとき、セラミック生積層体23の最上層となるガラスセラミックグリーンシートには、加熱圧着時に溶融する溶融成分を含有しているものを用いるのが望ましい。
次に、図2(e)に示すように、半導体基板2とセラミック生積層体23とを3〜10MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着する。ここで、セラミック生積層体23の最上層に密着時の熱で溶融する溶融成分を含有している場合、半導体基板2とセラミック生積層体23とを低圧力でかつ良好に密着できるため、より好ましい。また、半導体基板2にはあらかじめ部分的に犠牲層を形成しておいてもよい。
次に、図3(a)に示すように、半導体基板2に加熱圧着されたセラミック生積層体23を焼成して積層母基板25を形成する。ここで、多層配線層8がAg,Ag−Pt,若しくはAg−Pd等の金属粉末の焼結体からなる場合、例えば、大気中で800乃至1000℃の温度で焼成を行なう。また、多層配線層8がCuの金属粉末の焼結体からなる場合、例えば、窒素雰囲気下で焼成を行なう。
このとき、セラミック生積層体23の平面方向の収縮が半導体基板2によって抑制されるため、セラミック生積層体23はZ方向(積層方向)のみに収縮し、平面方向の寸法精度を高精度に保つことができる。
次に、図3(b)に示すように、積層母基板25の半導体基板2に第1流路5を形成する。
次に、図3(c)に示すように、第1流路5を覆うように、パイレックス(登録商標)ガラスからなる蓋母基板36を半導体基板2上に配置し、セラミック基板3の他方主面に設けた接合用電気供給部(図示せず)と蓋母基板36上部に配した電極(図示せず)で300℃〜450℃の温度で圧力を印加しながら電圧印加を行う。これにより、半導体基板2と蓋母基板36との間で陽極接合を行い、第1流路5を封止する。
次に、図3(d)に示すように、蓋母基板26と積層母基板25とを第1流路5毎にダイシング等で個片することにより、単一の検査チップ1を形成することができる。なお、図2および図3において、検査チップ1の単位構成がよくわかるように、各検査チップ1に個片化する場合の切断線を示しているが、図3(d)の工程までは、蓋母基板26および積層母基板25は、一つの基板である。
また、半導体基板2のセラミック基板3に対向する表面にあらかじめ犠牲層を設けて、その後、ウェットエッチング等により、犠牲層のみを除去することにより、セラミック基板に対向する表面に流路を設けることができる。このように流路を設けると、第1流路5は、半導体基板2とセラミック基板3とにより封止されるため、リッド7を設ける必要がなくなる。
上述の検査チップ1の製造方法は、セラミック生積層体23と半導体基板2とを熱圧着により密着させて、その後、半導体基板2に一体化されたセラミック生積層体23を焼成して積層母基板25を形成することから、半導体基板2によって、セラミック生積層体23の平面方向の収縮が抑制され、セラミック生積層体23の厚み方向のみ収縮が進行する。その結果、セラミック基板3の寸法精度を高くすることができる。
また、上述の検査チップ1の製造方法では、半導体基板2と密着するセラミックグリーンシートは密着時の加熱時に溶融する溶融成分を含有していることから、半導体基板2とガラスセラミックグリーンシート間を低圧力で密着することができる。その結果、半導体基板2の割れない、歩留まりが高い製造方法となる。
(第2の実施の形態)
次に、図1に示した検査チップ1の別の製造方法について、図4(a)〜(b)および図5(a)〜(j)に基づいて説明する。
まず、図4(a)に示すように、複数の第1ガラスセラミックグリーンシート30aおよび第2ガラスセラミックグリーンシート30bを準備する。ここで、ガラスセラミックグリーンシートとは、ガラス粉末およびセラミック粉末と、有機バインダ、有機溶剤、および可塑剤等とを添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法若しくはカレンダロール法を採用して原料粉末をシート状に形成したものをいう。
上記セラミック粉末としては、例えばアルミナ、コーディエライト、β−クォーツ、又はムライトなどが挙げられ、また、ガラス粉末としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、又はSiO−B−Al―MgO系などが挙げられる。
例えば、第1ガラスセラミックグリーンシート30aには、セラミック粉末としてコーディエライト、ガラス粉末としてSiOを30〜40重量部、Alを10〜20重量部、MgOを10〜20重量部、BaOを5〜15重量部、CaOを10〜20重量部含み、任意成分としてBを5〜10重量部含み、コーディエライトを70%以上析出する結晶化ガラスがそれぞれ用いられる。これらの材料を選択した場合、得られるガラスセラミック焼結体の熱膨張係数は2.5乃至3.5×10−6/℃となり結晶化度も70%以上となる。
なお、後述するが、第1ガラスセラミックグリーンシート30aは、第2ガラスセラミックグリーンシート30bよりも十分厚いため、セラミック基板3を主に構成するガラスセラミック焼結体の熱膨張係数が2.5乃至3.5×10−6/℃となることから、半導体基板2(シリコン基板)とセラミック基板3の熱膨張係数の差が小さくなり、積層基板4の反りを抑制することができる。
また、ガラスセラミック焼結体の結晶化度が70%以上の時、半導体基板2にマイクロマシーニングプロセスを利用して流路を形成した時、セラミック基板3の腐食を最小限に抑制することができる。
また、第2ガラスセラミックグリーンシート30bには、セラミック粉末として、コーディエライト又はアルミナ、ガラス粉末としては、例えば、SiOを10〜20重量部、Alを10〜20重量部、MgOを30〜45重量部、BaOを5〜15重量部、CaOを10〜20重量部含み、かつ任意成分として、SnOを1〜10重量部、ZrOを1〜3重量部含むものがそれぞれ用いられる。この時、ガラス粉末のガラス転移点が640〜680℃、主結晶相がセルシアンである。また、第2ガラスセラミックグリーンシート30bのガラスセラミック焼結体の熱膨張係数は、8〜9×10−6/℃となり、その結晶化度は80%〜95%となる。
さらに、第1ガラスセラミックグリーンシート30aの厚みを200mとし、第2ガラスセラミックグリーンシート30bの厚みを5〜10μmとする。
上記有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系、ポリビニルブチラール系、ポリビニルアルコール系、ポリプロピレンカーボネート系、若しくはセルロース系等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、その有機溶剤とガラス粉末とセラミック粉末と有機バインダとを混練してグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、若しくはアルコール類等から成るものが利用される。
また、第2ガラスセラミックグリーンシート30bには、後述する熱圧着時の熱で溶融する溶融成分、例えば、ワックス等を含むものを用いてもよい。
例えば、第1ガラスセラミックグリーンシートとして、コーディエライトからなるセラミック粉末を30重量部と、上述のガラス粉末(SiOを30〜40重量部、Alを10〜20重量部、MgOを10〜20重量部、BaOを5〜15重量部、CaOを10〜20重量部含み、任意成分としてBを5〜10重量部含むもの)を70重量部用いると、ガラス転移点が800℃〜830℃のガラス成分を含むグリーンシートを得ることができる。また、第2ガラスセラミックグリーンシートとして、アルミナ粉末を20重量部と上述のガラス粉末(SiOを10〜20重量部、Alを10〜20重量部、MgOを30〜45重量部、BaOを5〜15重量部、CaOを10〜20重量部含み、かつ任意成分として、SnOを1〜10重量部、ZrOを1〜3重量部含むもの)を80重量部用いると、ガラス転移温度を640〜680℃とすることができ、第1ガラスセラミックグリーンシートのガラス成分のガラス転移点よりも80℃以上低くすることができる。
次に、図4(b)に示すように、第1ガラスセラミックグリーンシート30aと第2ガラスセラミックグリーンシー30bを積層し、第3ガラスセラミックグリーンシート30cを形成する。
次に、図4(c)に示すように、第1ガラスセラミックグリーンシート30aのみ又は第3ガラスセラミックグリーンシート30cに、必要に応じて金型加工、レーザ加工、マイクロドリル、若しくはパンチング等の機械的加工により貫通孔および第2流路6を形成する。この貫通孔に、Ag、Cu、Ag−Pt、若しくはAg−Pd等の金属粉末およびガラス粉末に適当な有機バインダ、および溶剤を添加混合した配線導体用導体ペーストを、スクリーン印刷等の公知の手法を用いて充填する。
次に、図4(d)に示すように、ガラスセラミックグリーンシート30cの表面にAg、Cu、Ag−Pt、若しくはAg−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合した配線導体用ペーストを、ガラスセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷等により塗布する。
また、セラミック基板3の内部に、第2流路6内の流体を加熱するヒータ9を設ける場合は、RuO粉末にガラス成分を添加した抵抗体ペーストをスクリーン印刷等によって塗布してもよい。
次に、図4(e)に示すように、配線導体用ペーストおよび抵抗体ペーストを形成したガラスセラミックグリーンシート30cを、3〜20MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着してセラミック生積層体33を作製する。
ここで、第2ガラスセラミックグリーンシート30bが加熱時に溶融する溶融成分を有していると、低圧でセラミック生積層体33を形成することができるため、第2流路6の変形を抑えることができ、より好ましい。
次に、図4(f)に示すように、半導体基板2とセラミック生積層体33とを3〜10MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着する。ここで、セラミック生積層体33の最上層に密着時の熱で溶融する溶融成分を含有している場合、半導体基板2とセラミック生積層体33とを低圧力でかつ良好に密着できるため、より好ましい。
次に、図5(a)に示すように、半導体基板2に加熱圧着されたセラミック生積層体33を焼成して、積層母基板35を形成する。ここで、配線導体用ペーストがAg,Ag−Pt,若しくはAg−Pd等の金属粉末の焼結体からなり、ヒータ9がRuO粉末にガラス成分を添加した抵抗体ペーストの焼結体からなる場合、大気中で800乃至1000℃の温度で焼成を行なうことで多層配線層8を形成することができる。このとき、セラミック生積層体33の平面方向の収縮が半導体基板2によって抑制されるため、セラミック生積層体33はZ方向のみに収縮し、平面方向の寸法精度を高精度に保つことができる。
ここで、焼成処理は、脱バインダ過程と焼結過程からなる。脱バインダ過程では、セラミック基板3となるグリーンシート層、多層配線層8およびヒータ9となる導電性ペーストに含まれる有機成分を焼失するためのものであり、例えば400℃〜500℃の温度領域で行われる。
また、焼結過程では、セラミック基板3となるグリーンシート層に含まれる結晶化ガラス成分が所定結晶相の析出反応を行うと同時に、無機物フィラーの粒界に均一に分散される。これにより、強固な積層母基板35が達成される。
また、多層配線層8となる導電性ペーストにおいては、例えばAg系粉末を粒成長させて、低抵抗化させるとともに、セラミック層と一体化させるものである。これは、ピーク温度850〜900℃に達する温度領域で行われる。
焼成雰囲気は、大気(酸化性)雰囲気又は中性雰囲気で行われ、例えば、多層配線層8などにCu系導体を用いる場合には、還元性雰囲気又は中性雰囲気で行われる。
ここで、本実施の形態による積層基板4の製造方法においては、第1ガラスセラミックグリーンシートに、ガラス転移点が800〜830℃のガラス成分が含まれ、第2ガラスセラミックグリーンシートに、ガラス転移点が640〜680℃のガラス成分が含まれている。
焼成処理工程で、ピーク温度850〜900℃に昇温される間の400〜500℃では、積層母基板35に含まれている有機成分が焼失される。
また、約700℃前後では、第2ガラスセラミックグリーンシート30bに対応するセラミック層(以下、「第2セラミック層」ともいう。)でガラス成分が軟化流動する。第2セラミック層のガラス成分の軟化流動に伴い、第2セラミック層に収縮応力が発生するが、第2セラミック層に隣接して800〜830℃という高いガラス転移点のガラス成分を有する第1ガラスセラミックグリーンシート30a(以下、「第1セラミック層」ともいう。)が積層されており、この温度において第1セラミック層が安定的に維持されているため、この第1セラミック層との摩擦力によって、第2セラミック層の平面方向の収縮は抑制される。これにより、第2セラミック層は、厚み方向に収縮する。
さらに、温度が上昇して、例えば750℃前後では、第2セラミック層の収縮反応が既に終了して、ガラス成分が結晶化することにより、第2セラミック層は液相から固相へ変化する。
このような状態で、第1セラミック層となる第1ガラスセラミックグリーンシート30aにおいてガラス成分が軟化流動し、収縮応力が発生する。しかし、第1ガラスセラミックグリーンシート30に隣接して、収縮反応が終了し、且つ安定状態(固相状態)となった第2セラミック層との安定的な接着によって、第1セラミック層の平面方向の収縮が抑制される、これにより、第1セラミック層も厚み方向に収縮する。
さらに、温度が上昇して、例えば850℃〜900℃では、第1セラミック層においても、収縮反応が終了し、無機物フィラーの粒界に、結晶化ガラスが所定結晶相を析出して充填(固相化)されることになり、強固な積層母基板35となる。
上述のように、焼成処理において、第1セラミック層および第2セラミック層の各層で収縮応力が発生する時には、隣接するセラミック層によって安定した状態に維持されるため、積層母基板35は、各層で平面方向の収縮が抑制されて、積層母基板35の平面方向の収縮を抑制する。
ここで、流路が形成されたセラミック生積層体について考えると、流路(空隙)が形成されている部分において空隙と接するグリーンシートでは平面方向に拘束力が作用しないため、空隙が太鼓状に変形する傾向がある。この傾向は、セラミック生積層体33の厚みが厚い程、そして空隙サイズが大きい程大きくなる。
しかし、本実施の形態では、セラミック生積層体33の各層において、平面方向における収縮が抑制されているため、第2流路6が形成されている部分においても、十分に変形を抑制することができる。従って、より寸法精度の高い積層基板4を得ることができる。これは、セラミック生積層体33の厚みが厚く、第2流路6の寸法が大きい場合に、特に有効である。
また、上述の実施例では、第1ガラスセラミックグリーンシートの焼結後のセラミック焼結体の熱膨張係数と第2ガラスセラミックグリーンシートの焼結後のセラミック焼結体の熱膨張係数の差は4.5×10−6/℃以上異なるが、第2ガラスセラミックグリーンシートの厚みを10μm程度と薄層化した場合、焼結後のセラミック基板3の各層に割れ等は発生せず、かつ平面方向における収縮の割合(焼成後の寸法/焼成前の寸法)も95%以上に保つことができる。
第1セラミック層と第2セラミック層は、好ましくは熱膨張係数を0.5×10−6/℃以下に近づけることが望ましい。しかし、第1ガラスセラミックグリーンシートのガラス転移温度と、第2ガラスセラミックグリーンシートのガラス転移温度差と熱膨張係数の差の両立が困難である場合が多く、その場合には、本実施の形態のように第2セラミック層の薄層化が有効である。
また、セラミック生積層体33に占める第2ガラスセラミックグリーンシートの比率が小さいため、セラミック基板3の熱膨張係数は、第1ガラスセラミックグリーンシートの焼結体の熱膨張係数とほぼ同等である。従って、半導体基板2とセラミック基板3の熱膨張係数も近いものとすることができる。
尚、低いガラス転移点を有する側のガラス成分のガラス転移点と、高いガラス転移点を有する側のガラス成分のガラス転移点との間には、80℃以上の温度差を設ける。80℃以上の温度差があれば、最も低い転移点のガラス成分が軟化流動し始める焼成温度においては、最も高い転移点のガラス成分が安定状態(粉体状態)となっており、逆に最も高い転移点のガラス成分が軟化流動し始める焼成温度においては、既に最も低い転移点のガラス成分が安定状態(固相状態)となっていることになり、収縮率を有効に抑えることが可能となる。
次に、図5(b)に示すように、積層母基板35の半導体基板2に第1流路5を形成する。例えば、半導体基板2がシリコン単結晶からなる場合、所望部をレジストで保護し、非保護部をエッチング等にて除去することにより形成できる。シリコン単結晶のエッチングには例えばKOH,水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)などを用いることができる。
次に、図5(c)に示すように、第1流路5を覆うように、パイレックス(登録商標)ガラスからなる蓋母基板36を半導体基板2上に配置し、セラミック基板3の他方主面に設けた接合用電気供給部と蓋母基板36上部に配した電極で300℃〜450℃の温度で圧力を印加しながら電圧印加をおこなうことで、半導体基板2パ蓋母基板36間で陽極接合を行い、第1流路5を封止する。
次に、図5(d)に示すように、蓋母基板36と積層母基板35とを第1流路5毎にダイシング等で個片化することにより、単一の検査チップ1を形成することができる。
なお、図5(a)〜図5(d)において、検査チップ1の単位構成がよくわかるように、各検査チップ1に個片化する場合の切断線を示しているが、図5(h)の工程までは、積層母基板35は、一つの基板である。
また、上述の説明では、積層体母基板25,26と蓋母基板26,36とを接合して、その後各検査チップ1に個片化しているが、各検査チップ1を、各積層基板4をそれぞれ焼成により形成した後、その積層基板4とリッド7とを接合することにより製造してもよい。
本発明の実施の形態による検査チップの構成例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)の直線B−Bにおける断面図である。 図1の検査チップの製造方法を説明する図である。 図2に続いて、図1の検査チップの製造方法を説明する図である。 図1の検査チップの別の製造方法を説明する図である。 図4に続いて、図1の検査チップの別の製造方法を説明する図である。
符号の説明
1:検査チップ
2:半導体基板
3:セラミック基板
4:積層基板
5:第1流路
6:第2流路
7:リッド
8:多層配線層
9:ヒータ
10:電極パッド

Claims (4)

  1. ガラス成分を有する複数のセラミック層が積層されてなるセラミック基板と半導体基板とが前記ガラス成分の前記半導体基板に対する融着により一体化されてなる積層基板であって、
    前記半導体基板は、第1流路を備え、
    前記セラミック基板は、前記第1流路に接続された第2流路を備える積層基板。
  2. ガラス成分を有する複数のセラミックグリーンシートを準備する準備工程と、
    少なくとも1つの前記セラミックグリーンシートに焼成後に流路を構成する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記複数のセラミックグリーンシートを熱圧着により積層して、セラミック生積層体を形成するセラミック生積層体形成工程と、
    前記セラミック生積層体と半導体基板とを熱圧着により密着させて一体化する熱圧着工程と、
    前記半導体基板に密着された前記セラミック生積層体を焼成する焼成工程と、
    前記半導体基板に加工を施して前記貫通孔に接続される流路を形成する流路形成工程と
    を備える積層基板の製造方法。
  3. 前記準備工程において、焼結後に第1の熱膨張係数を有する第1のセラミックグリーンシートと、前記第1のセラミックグリーンシートよりも薄く、前記第1のセラミックグリーンシートの前記ガラス成分よりもガラス転移点が80℃以上低いガラス成分を有し、かつ焼結後に前記第1の熱膨張係数より大きい第2の熱膨張係数を有する第2のセラミックグリーンシートとを準備し、
    前記貫通孔形成工程において、少なくとも1つの前記第1のセラミックグリーンシートおよび少なくとも1つの前記第2のセラミックグリーンシートに前記貫通孔を形成し、
    前記セラミック生積層体形成工程において、前記第1のセラミックグリーンシートおよび前記第2のセラミックグリーンシートを、前記第2のセラミックグリーンシートが前記第1のセラミックグリーンシートに隣接して位置するように積層する請求項2に記載の積層基板の製造方法。
  4. 前記第2セラミックグリーンシートが、ガラス粉末、セラミックフィラー、および有機バインダを有し、
    前記第2セラミックグリーンシート中の前記有機バインダは、前記セラミック生積層体形成工程において溶融する請求項3に記載の微小構造デバイスの製造方法。
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