JP2009287579A - トルク伝達機構 - Google Patents

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真理 曽和
Katsutoshi Jomaru
勝俊 城丸
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貴之 平野
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Abstract

【課題】従来よりも幅広い温度域にて使用することができるトルク伝達機構の提供にある。
【解決手段】回転軸11と、回転軸11が圧入される軸孔14を備えたロータ12と、を有し、軸孔14への回転軸11の圧入によりロータ12と回転軸11を互いに締結する軸孔締結部S1が形成され、軸孔締結部S1を通じて回転軸11とロータ12との間でトルクを伝達するトルク伝達機構10である。筒体が回転軸11の外周面に圧入により締結され、筒体は回転軸11の軸心Pと同心の内径面28を備え、ロータ12は回転軸11の軸心Pと同心の外径面21を備え、内径面28と外径面21との圧入によりロータ12と筒体を締結する円筒締結部S3が形成され、筒体はロータ12よりも熱膨張係数の低い材料により形成されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、回転軸とロータとの間でトルクを伝達するトルク伝達機構に関する。
従来のトルク伝達機構としては、例えば、特許文献1に開示された多段ドライポンプにおけるトルク伝達機構が存在する。
このトルク伝達機構は、多段ドライポンプが備えるロータと回転軸との間でトルクを伝達するようにしている。
ロータには軸孔が形成されており、この軸孔へ回転軸を圧入することにより、ロータと回転軸を締結する締結部が形成される。
このトルク伝達機構では、回転軸の材料とロータの材料が互いに異なる材料により形成されている。
回転軸の材料はオーステナイト系材料により形成され、オーステナイト系材料は線膨張係数が小さい材料とされている。
ロータの材料はアルミニウムにより形成され、アルミニウムは比較的加工が容易な材料とされている。
このトルク伝達機構によれば、高温となっても回転軸の軸方向の熱膨張を抑えることができるとしている。
別の従来技術としては、特許文献2に開示されたロータ構造におけるトルク伝達機構が存在する。
このトルク伝達機構では、回転軸及びロータよりも熱膨張率の大きなカラーが回転軸とロータとの間に介装されている。
このトルク伝達機構によれば、高温時において回転軸、ロータ及びカラーは半径方向に熱膨張し、夫々の外径は大きくなるが、特にカラーは外径の拡大の度合いは回転軸及びロータの外径の拡大の度合いよりも大きい。
このため、ロータにより拘束されているカラーは径の縮小方向に作用し、カラーは回転軸とロータに対して所定の締め付け力が設定された締結状態を実現し、ロータと回転軸との間でより大きなトルク伝達力が確保される。
特開2005−98210号公報 特開2006−187063号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来のトルク伝達機構では、ロータの熱膨張が回転軸の熱膨張よりも大きいことから、例えば、トルク伝達機構の使用環境時の温度差が250℃程度になると、ロータと回転軸の熱膨張差又は熱収縮差が過大となる。
ロータと回転軸の熱膨張差又は熱収縮差が過大となると、締結部におけるロータまたは回転軸の塑性変形、あるいは、ロータと回転軸の締め付け不足が生じる。
ロータの塑性変形やロータと回転軸の締め付け不足は、ロータと回転軸との間で滑りを招き、必要なトルクを正常に伝達することができなくなる。
特に、回転軸及びロータの位相が常に一致するように、ロータと回転軸との間で滑りのない寸法管理が要求されるトルク伝達機構では、この従来技術を適用することはできない。
近年では、使用環境時の温度差が約250℃を超える条件下でのトルク伝達機構の使用が要請されている。
なお、特許文献2に開示されたトルク伝達機構では、カラーの熱膨張率が回転軸及びロータの熱膨張率よりも大きく、カラーが回転軸とロータとの間に介装されていることから、高温時の膨張と低温時の収縮との差に応じてロータが半径方向へ変位し、ロータの半径方向の位置決め精度の点で問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、ロータが回転軸よりも熱膨張係数の高い材料により形成されていても、従来のトルク伝達機構よりも幅広い温度域にて使用することができるトルク伝達機構の提供にある。
上記課題を達成するため、本発明は、回転軸と、該回転軸が圧入される軸孔を備えたロータと、を有し、該軸孔への前記回転軸の圧入により前記ロータと前記回転軸を互いに締結する軸孔締結部が形成され、該軸孔締結部を通じて前記回転軸と前記ロータとの間でトルクを伝達するトルク伝達機構において、筒体が前記回転軸の外周面に圧入により締結され、前記筒体は前記回転軸の軸心と同心の内径面を備え、前記ロータは前記回転軸の軸心と同心の外径面を備え、前記内径面と前記外径面との圧入により前記ロータと前記筒体を締結する円筒締結部が形成され、前記筒体は前記ロータよりも熱膨張係数の低い材料により形成されていることを特徴とする。
本発明では、軸孔締結部及び円筒締結部の少なくとも一方を通じて、回転軸とロータとの間で必要なトルクが伝達される。
筒体はロータよりも熱膨張係数(線膨張係数)の低い材料により形成されていることから、温度上昇時には、円筒締結部における締め付け力が増大し、温度下降時には軸孔締結部の締め付け力が増大する。
高温時に過不足のない適度な締め付け力が円筒締結部に発生するように、ロータと筒体が締結されている。
高温時に回転軸のトルクを筒体に伝達するため、高温時に過不足のない適度な締め付け力が発生するように、筒体と回転軸が締結されている。
低温時に過不足のない適度な締め付け力が軸孔締結部に発生するように、回転軸とロータが締結されている。
低温時には、ロータの外径面の径縮小の度合いは筒体の内径面の径縮小の度合いよりも大きく、円筒締結部の締め付け力が減少して円筒締結部のトルク伝達性能は低下する。
このとき、ロータの軸孔の径縮小の度合いは回転軸の径縮小の度合いよりも大きく、軸孔締結部の締め付け力が増大して円筒締結部のトルク伝達性能は向上する。
高温時には、筒体と回転軸との間には過不足のない適度な締め付け力が発生し、回転軸のトルクが筒体に伝達される。
高温時には、ロータの軸孔の径拡大の度合いは回転軸の径拡大の度合いよりも大きく、軸孔締結部の締め付け力が減少して円筒締結部のトルク伝達性能は低下する。
このとき、筒体の内周面の径拡大の度合いよりもロータの外径面の径拡大の度合いが大きく、円筒締結部の締め付け力は増大して円筒締結部のトルク伝達性能は向上する。
従って、低温時には、軸孔締結部により必要なトルクを伝達することができ、高温時には、円筒締結部により必要なトルクを伝達することができる。
なお、高温時と低温時との温度差は約250℃を越えるとする。
また、本発明では、上記のトルク伝達機構において、前記回転軸及び前記筒体は同じ熱膨張係数の材料により形成されてもよい。
この場合、回転軸及び筒体は温度に応じて熱膨張するが、回転軸及び筒体が同じ熱膨張係数の材料により形成されていることから、回転軸及び筒体の熱膨張の差はない。
従って、回転軸と筒体とを圧入により締結する締結部を設ける場合であっても、締め付け力が変動しない締結部を形成することができる。
さらに、本発明は、上記のトルク伝達機構において、前記回転軸及び前記筒体は同一材料により形成されてもよい。
この場合、回転軸及び筒体の周囲に水分が存在する環境であっても、回転軸及び筒体が同一材料により形成されていることから、異種金属材料の組み合わせでは生じやすい電食が回転軸及び筒体に発生することはない。
本発明によれば、従来のトルク伝達機構よりも幅広い温度域にて使用することができるトルク伝達機構を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るトルク伝達機構を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るトルク伝達機構を示す縦断面図であり、図2はトルク伝達機構の要部を一部破断して示す分解斜視図であり、図3は低温時の各締結部おける締め付け力を説明するトルク伝達機構の縦断面図であり、図4は高温時の各締結部における締め付け力を説明するトルク伝達機構の縦断面図である。
図1に示すトルク伝達機構10は、水平に配置される回転軸11と、回転軸11に締結されるロータ12と、回転軸11及びロータ12と締結される筒体としてのスリーブ25とから構成されている。回転軸11の軸心を軸心Pとする。
説明の便宜上、図1の左方を一方、右方を他方とする。
回転軸11は、軸受(図示せず)によりハウジング等の支持体(図示せず)に回転自在に水平に支持されている。
回転軸11の一方の端部は駆動源(図示せず)と接続されている。
この実施形態のトルク伝達機構10は、駆動源の駆動により回転軸11を回転させて、回転軸11からロータ12へトルクを伝達する機構である。
この実施形態のロータ12は、図2に示すように、繭形の端面形状を有するロータであり、ロータ12はポンプロータとして適した形状を呈している。
ロータ12は回転軸11が挿通される軸孔14を備えている。
軸孔14はロータ12の中心を貫通して形成されており、軸孔14は回転軸11が圧入される圧入孔部15と、圧入孔部15より若干内径が大きく回転軸11と接触しない挿通孔部16とから構成されている。
ロータ12は、ロータ12の外周を形成するロータ外周面13と、軸心P方向に対して垂直な一対の端面12a、12bを備えている。
一方の端面12a側には、スリーブ25を収容する収容空間部が形成されている。
他方の端面12bは軸心P方向に対して垂直な面をなしている。
収容空間部には、内周面をなすロータ内周面17と底面をなすロータ底面18が備えられている。
ロータ内周面17は軸心Pと同心の内周面であり、ロータ底面18は軸心P方向に対して垂直な面である。
ロータ底面18は環状面となっており、ロータ底面18の中心側には、ロータ底面18から端面12aへ向けて突出する筒状突部19が形成されている。
筒状突部19は、突出側の端面となる突出側端面20と、軸心Pと同心の外径面21を備える。
筒状突部19の内径側には、軸孔14の一部を構成する挿通孔部16が形成されている。
外径面21の軸方向の長さは挿通孔部16の軸方向の長さとほぼ一致している。
ロータ内周面17、ロータ底面18、突出側端面20及び外径面21は、ロータ12の一方の端面12a側に空間部を形成する。
ロータ12の圧入孔部15への回転軸11の圧入により、ロータ12と回転軸11を互いに締結する軸孔締結部S1が形成される。
軸孔締結部S1を介した回転軸11とロータ12の締結は、回転軸11とロータ12との間のトルクの伝達を可能とする。
この実施形態では、回転軸11は鉄系金属材料により形成され、ロータ12はアルミ系金属材料により形成されている。
アルミ系金属材料は、鉄系金属材料よりも熱膨張係数が大きい材料である。
軸孔締結部S1では、低温時に過不足のない適度な締め付け力が軸孔締結部S1に発生するように圧入締め代や圧入長さ等が設定されている。
ここでいう低温とは、従来のトルク伝達機構の使用温度域から逸脱する低い温度を含む。
過不足のない適度な締め付け力とは、回転軸11とロータ12との間で必要なトルクを軸孔締結部S1のみを通じて伝達可能とし、かつ、ロータ12の塑性変形を生じさせない締め付け力である。
ロータ12の材料が回転軸11の材料よりも熱膨張係数が大きいことから、低温時には、ロータ12の圧入孔部15の径縮小の度合いが回転軸11の径縮小の度合いよりも大きく、軸孔締結部S1の締め付け力の増大により軸孔締結部S1のトルク伝達性能は向上する。
一方、高温時には、ロータ12の圧入孔部15の径拡大の度合いが回転軸11の径拡大の度合いよりも大きく、軸孔締結部S1の締め付け力の減少により軸孔締結部S1のトルク伝達性能は低下する。
つまり、軸孔締結部S1における締め付け力は、温度低下に伴い増大し、温度上昇に伴って減少する。
軸孔締結部S1におけるトルク伝達性能は軸孔締結部S1における締め付け力に比例する。
次に、筒体としてのスリーブ25について説明する。
この実施形態のスリーブ25は、回転軸11が圧入されるスリーブ孔26を備えている。
スリーブ孔26はスリーブ25の中心を貫通して形成されている。
スリーブ25は、外周を形成するスリーブ外周面27と、軸心P方向に対して垂直な一対の端面25a、25bを備えている。
スリーブ外周面27の直径は、ロータ内周面17と接触しないように、ロータ内周面17の直径よりも小さく設定されている。
スリーブ25の一方の端面25aは、軸心Pと垂直な面をなしている。
スリーブ25の他方の端面25bには、筒状突部19が挿入可能な有底孔が形成されている。
有底孔には軸心Pと同心の内径面28と、内径面28と垂直な底面をなすスリーブ底面29が形成されている。
内径面28の直径は、ロータ12における外径面21の直径とほぼ同じであり、内径面28の軸方向の長さは、外径面21の長さとほぼ同じである。
スリーブ25の他方の端面25bはロータ底面18と対向する。
スリーブ孔26への回転軸11の圧入により、スリーブ25と回転軸11を締結するスリーブ孔締結部S2が形成される。
スリーブ孔締結部S2では、過不足のない適度な締め付け力がスリーブ孔締結部S2に発生するように、圧入締め代や圧入長さ等が設定されている。
スリーブ孔締結部S2を介した回転軸11とスリーブ25との締結は、回転軸11とスリーブ25との間のトルクの伝達を可能とする。
この実施形態では、スリーブ25は回転軸11と同じ鉄系金属材料により形成されている。
スリーブ25と回転軸11は熱膨張係数が同じ材料により形成されることから、温度変化による回転軸11とスリーブ25の熱膨張差は存在しない。
従って、スリーブ孔締結部S2における締め付け力は温度変化により変動しない。
スリーブ25は、回転軸11と締結されるとともに、ロータ12における空間部に収容される。
スリーブ25がこの空間部に収容される状態では、筒状突部19がスリーブ25の有底孔に圧入される。
スリーブ外周面27は間隙を以ってロータ内周面17と対向し、スリーブ25の内径面28は外径面21とは圧入の関係にある。
内径面28と外径面21との圧入により、スリーブ25とロータ12とを締結する円筒締結部S3が形成される。
円筒締結部S3を介したスリーブ25とロータ12を締結は、スリーブ25とロータ12との間のトルクの伝達を可能とする。
円筒締結部S3では、高温時に過不足のない適度な締め付け力が円筒締結部S3に発生するように、圧入締め代や圧入長さ等が設定されている。
ここでいう高温とは、従来のトルク伝達機構の使用温度域から逸脱する高い温度を含む。
過不足のない適度な締め付け力とは、回転軸11とロータ12との間で必要なトルクを円筒締結部S3のみを通じて伝達可能とし、かつ、ロータ12の塑性変形を生じさせない締め付け力である。
ロータ12の熱膨張係数がスリーブ25の熱膨張係数よりも大きいことから、高温時には、ロータ12の外径面21の径拡大の度合いがスリーブ25の内径面28の径拡大の度合いよりも大きく、円筒締結部S3の締め付け力の増大により円筒締結部S3のトルク伝達性能は向上する。
一方、低温時には、外径面21の径縮小の度合いが内径面28の径縮小の度合いよりも大きく、円筒締結部S3の締め付け力の減少により円筒締結部S3のトルク伝達性能は低下する。
つまり、円筒締結部S3における締め付け力は、温度上昇に伴い増大し、温度下降に伴って減少する。
円筒締結部S3におけるトルク伝達性能は円筒締結部S3における締め付け力に比例する。
軸孔締結部S1及び円筒締結部S3は温度変化に応じて締め付け力が変動するから、両締結部S1、S3は、温度に応じた分担比率で以って回転軸11とロータ12との間で必要なトルク伝達を分担する。
円筒締結部S3によるトルク伝達の分担比率は、温度が高くなるにつれて、円筒締結部S1によるトルク伝達の分担比率よりも高くなる。
円筒締結部S3によるトルク伝達の分担比率は、温度が低くなるにつれて、軸孔締結部S1のトルク伝達の分担比率よりも低くなる。
両締結部S1、S3が必要なトルク伝達を分担する温度域では、軸孔締結部S1により可能な伝達トルクと円筒締結部S3により可能な伝達トルクとを加算し、加算したトルクの合計が必要なトルク以上になるように、両締結部S1、S3の締め付け力が設定されている。
次に、この実施形態のトルク伝達機構10の組み付け順序について説明する。
最初に回転軸11とスリーブ25を締結する。
スリーブ孔26に回転軸11を圧入して、スリーブ孔締結部S2が形成され、スリーブ孔締結部S2により回転軸11とスリーブ25が締結される。
次に、スリーブ25及び回転軸11にロータ12を固定する。
ロータ12の軸孔14に回転軸11を挿通させるとともに、スリーブ25を収容空間部へ収容する。
このとき、圧入孔部15への回転軸11との圧入と、スリーブ25の内径面28とロータ12の外径面21との圧入が行われ、軸孔締結部S1と円筒締結部S3が形成される。
ロータ12は、軸孔締結部S1において回転軸11と締結されるとともに、円筒締結部S3においてスリーブ25と締結される。
なお、筒状突部19内の挿通孔部16が回転軸11と接触しない径に設定され、かつ、スリーブ外周面27とロータ内周面17が接触しない径に設定されている。
このことから、筒状突部19の半径方向における締結部は円筒締結部S3のみとなる。
この場合、例えば、圧入孔部15と同様に回転軸11が挿通孔部16に圧入される場合と比較して、筒状突部19の半径方向において要求される寸法精度が緩和される。
次に、トルク伝達機構10の作用について説明する。
この実施形態のトルク伝達機構10は、温度条件に応じて軸孔締結部S1と円筒締結部S3との間でトルクの伝達を分担する。
例えば、温度が低くなる場合、図3に示すように、軸孔締結部S1の軸孔14の径縮小の度合いが回転軸11の径縮小の度合いよりも大きいから、軸孔締結部S1における締め付け力は大きくなる。
図3では矢印の大きさが各締結部S1〜S3における径縮小の程度を模式的に示している。
軸孔締結部S1における締め付け力の増加に比例して、軸孔締結部S1のトルク伝達能力は向上する。
一方、円筒締結部S3では、温度が低くなる場合、外径面21の径縮小の度合いが内径面28の径縮小の度合いよりも大きいから、円筒締結部S3における締め付け力は減少する。
円筒締結部S3における締め付け力の減少に比例して、円筒締結部S3のトルク伝達能力は低下する。
低温になるにつれて軸孔締結部S1における締め付け力が増大し、トルク伝達機構10の使用が想定される最低温度(例えば、−40℃程度)では、殆ど軸孔締結部S1のみにより必要なトルクの伝達が行われる。
このとき、円筒締結部S3ではトルク伝達ができない程度の締め付け力となってもよい。
次に、温度が高くなる場合、図4に示すように、軸孔締結部S1における軸孔14の径拡大の度合いは回転軸11の径拡大の度合いよりも大きいから、軸孔締結部S1における締め付け力は減少する。
図4では矢印の大きさが各締結部S1〜S3における径拡大の程度を模式的に示している。
軸孔締結部S1における締め付け力の減少に比例して、軸孔締結部S1のトルク伝達能力は低下する。
一方、円筒締結部S3では、温度が高くなる場合、外径面21の径拡大の度合いは内径面28の径拡大の度合いより大きいから、円筒締結部S3における締め付け力は増大する。
円筒締結部S3における締め付け力の増加に比例して、円筒締結部S3のトルク伝達能力は向上する。
高温になるにつれて 円筒締結部S3における締め付け力が増大し、トルク伝達機構10の使用が想定される最高温度(例えば、240℃以上)では、殆ど円筒締結部S3のみにより必要なトルクの伝達が行われる。
このとき、軸孔締結部S1ではトルク伝達ができない程度の締め付け力となってもよい。
なお、常温付近である場合には、軸孔締結部S1及び円筒締結部S3において常温に応じた締め付け力が生じている。
温度が高くなるにつれて、円筒締結部S3によるトルク伝達の分担比率が、軸孔締結部S1によるトルク伝達の分担比率よりも高くなり、温度が低くなるにつれて、円筒締結部S3によるトルク伝達の分担比率が、軸孔締結部S1のトルク伝達の分担比率よりも低くなる。
スリーブ25と回転軸11はスリーブ孔締結部S2において締結されているが、スリーブ25及び回転軸11の材料は、同じ熱膨張係数を持つ鉄系金属材料であり、スリーブ孔締結部S2において温度変化に関わらず締め付け力は変化しない。
従って、回転軸11とスリーブ25の間で伝達されるトルクは変動しない。
実施形態に係るトルク伝達機構によれば以下の作用効果を奏する。
(1)回転軸11とロータ12との間のトルクの伝達は、軸孔締結部S1によるトルク伝達と、スリーブ孔締結部S2及び円筒締結部S3によるトルク伝達との、少なくとも一方により行われる。ロータ12は回転軸11より高い熱膨張係数の材料であるから、低温時には軸孔締結部S1における回転軸11とロータ12との締結により、必要なトルクを伝達することができる。また、スリーブ25はロータ12より低い熱膨張係数の材料であるから、高温時には、円筒締結部S3におけるスリーブ25とロータ12との締結により、必要なトルクを伝達することができる。従来では使用不可能であった低温や高温での回転軸11とロータ12との間のトルク伝達が可能である。スリーブ25がロータ12より低い熱膨張係数の材料であれば、回転軸11とスリーブ25の材料は異なってもよいが、特に、回転軸11とスリーブ25を同じ熱膨張係数の材料で形成したこの実施形態の場合、スリーブ孔締結部S2は熱膨張差の問題を有さない。従って、スリーブ孔締結部S2のトルク伝達性能は温度変化に関わらず不変である。
(2)回転軸11とスリーブ25が同じ鉄系金属材料により形成されていることから、回転軸11とスリーブ25には熱膨張差が存在せず、スリーブ孔締結部S2における締め付け力は一定にすることができる。また、同じ金属材料であることから、水分が回転軸11及びスリーブ25に存在しても、異種金属材料の組み合わせでは生じやすい電食はスリーブ孔締結部S2において発生することはない。
(3)ロータ12が回転軸11よりも熱膨張係数が高い材料により形成されているから、高温時にはロータ12と回転軸11との間の熱膨張差が過大となり(回転軸11よりもロータ12の径の拡大の度合いが大きくなる)、低温時にはロータ12と回転軸11との間の熱収縮差が過大となる(回転軸11よりもロータ12の径の縮小の度合いが大きくなる)。従来では低温時に回転軸に圧入されるロータに塑性変形を生じ、高温時ではロータと回転軸の締め付け不足を生じていた。しかし、低温時に過不足のない適度な締め付け力が発生する軸孔締結部S1と、高温時に過不足のない適度な締め付け力が発生するスリーブ孔締結部S2及び円筒締結部S3とにより、回転軸11とロータ12との間で必要なトルクを分担して伝達することができるから、ロータ12の塑性変形や締め付け不足の問題を解消することができる。トルクの伝達の分担により各締結部S1、S3における最大締め付け力を従来のトルク伝達機構の締結部における締め付け力よりも抑制することができる。
(4)ロータ12と同じ材料によりロータハウジングを形成すれば、ロータ12とロータハウジングの熱膨張が同じとなるので、ロータ12とハウジング間に微少間隙を設定しても微少間隙の精度を維持することができる。
(5)軸孔締結部S1は回転軸11とロータ12との圧入であり、円筒締結部S3はスリーブ25とロータ12との圧入であり、軸孔締結部S1における回転軸11とロータ12との間や、円筒締結部S3におけるスリーブ25とロータ12との間に、回転軸11、ロータ12及びスリーブ25よりも熱膨張係数の高い介在物は存在しないので、ロータ12の半径方向の位置を高い精度で設定することができる。
(6)回転軸11と接触しない軸孔14の挿通孔部16は筒状突部19の中心に形成されているから、筒状突部19の半径方向において円筒締結部S3と軸孔締結部S1が重畳せず、筒状突部19の半径方向における締結部は円筒締結部S3のみとなり、筒状突部19の回転軸11に対する寸法精度が高く要求されない。ロータ12の製作が容易となるほか、ロータ12に対してスリーブ25を締結しやすくなる。
(別例)
次に、別例に係るトルク伝達機構について図5に基づいて説明する。
この別例に係るトルク伝達機構は、ロータの両端面にスリーブが夫々備えられている例である。
ロータの両端面に備えられるスリーブは、上記の実施形態にて説明したスリーブと実質的に同一である。
従って、別例では、共通する要素(回転軸、スリーブ)については先の実施形態の説明を援用し、符号を共通して使用する。
図5に示すように、トルク伝達機構30のロータ32は、回転軸11が挿通される軸孔34を備えている。
軸孔34はロータ32の中心を貫通しており、回転軸11が圧入される圧入孔部35と、回転軸11と接触しない挿通孔部36とから構成されている。
圧入孔部35と回転軸11は軸孔締結部S1を形成する。
軸孔締結部S1では、低温時に過不足のない適度な締め付け力が軸孔締結部S1に発生するように、回転軸11とロータ32が締結されている。
ロータ32は、先の実施形態と同様に繭形のロータであり、ロータ32の外周はロータ外周面33により形成されている。
ロータ32は、軸心P方向と垂直な一方の端面32a及び他方の端面32bを備えている。
両端面32a、32bには、スリーブ25を収容する収容空間部が夫々形成されている。
各収容空間部には、内周面となすロータ内周面37と、底面をなすロータ底面38が夫々形成されている。
ロータ内周面37は軸心Pと同心の内周面であり、ロータ底面38は軸心Pと垂直な面である。
環状のロータ底面38の中心側には、ロータ底面38から軸方向へ突出する筒状突部39が形成されている。
筒状突部39は、軸心P方向と垂直な面である突出側端面40と、軸心Pと同心となる外径面41を備える。
ロータ内周面37、ロータ底面38、突出側端面40及び外径面41は両端面32a、32bに夫々空間部を形成する。
空間部はスリーブ25を夫々収容する空間部である。
なお、この別例では、各筒状突部39の内径側には、軸孔34の挿通孔部36が形成され、外径面41の軸方向の長さは挿通孔部36の軸方向の長さとほぼ一致している。
ロータ32はアルミ系金属材料により形成されている。
スリーブ25と回転軸11はスリーブ孔締結部S2を形成する。
スリーブ25及び回転軸11は鉄系金属材料により形成されている。
スリーブ25の有底孔に筒状突部39が挿入されることにより、内径面28と外径面41は圧入により締結される。
内径面28と外径面41との圧入により円筒締結部S3が形成される。
円筒締結部S3では、高温時に過不足のない適度な締め付け力が円筒締結部S3に発生するように、圧入締め代や圧入長さ等が設定されている。
この別例では、先の実施形態の作用効果と同じ作用効果を奏するほか、ロータ32の両端面32a、32bにスリーブ25が夫々備えられるので、一方の端面にのみスリーブが備えられる先の実施形態と比較して、軸方向におけるロータ32の重量バランスがよい。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
○上記の実施形態(別例を含む)では、ロータの端面の輪郭を繭形としたが、ロータは繭形に限らずポンプロータとして適した形状としてもよい。例えば、多葉形ロータとしてもよい。
○上記の実施形態(別例を含む)では、ロータ内周面及びスリーブ外周面の軸方向と垂直な横断面を円形としたが、ロータ内周面及びスリーブ外周面の横断面は円形に限定されず、例えば、多角形、楕円等、任意の形状であってもよい。
○上記の実施形態(別例を含む)では、回転軸とスリーブは、スリーブ孔締結部により両者が締結されたが、回転軸とスリーブの熱膨張係数が同じ材料であれば、回転軸とスリーブの締結は圧入に限らず、適宜の締結手段を採用してもよい。さらに、同じ材料であれば、回転軸とスリーブを一体形成してもよい。
○上記の実施形態(別例を含む)では、回転軸とスリーブを同じ材料としたが、スリーブがロータよりも熱膨張係数の低い材料により形成されていれば、回転軸とスリーブの材料は異なってもよい。この場合、回転軸とスリーブの材料選択の自由度が高くなる。
○ 上記の実施形態(別例を含む)では、ロータの軸孔に圧入孔部の他の挿通孔部を形成したが、軸孔を全て圧入孔部としてもよく、この場合、軸孔締結部の一部と円筒締結部が径方向において重畳するから、回転軸、ロータ及びスリーブを精度良く加工する等、各要素に対する高い精度の寸法管理を図ることが必要となる。
本発明の実施形態に係るトルク伝達機構を示す縦断面図である。 トルク伝達機構の要部を一部破断して示す分解斜視図である。 低温時の各締結部における締め付け力を説明するトルク伝達機構の縦断面図である。 高温時の各締結部における締め付け力を説明するトルク伝達機構の縦断面図である。 別例に係るトルク伝達機構を示す縦断面図である。
符号の説明
10、30 トルク伝達機構
11 回転軸
12、32 ロータ
14、34 軸孔
15、35 圧入孔部
19、39 筒状突部
21、41 外径面
25 スリーブ
26 スリーブ孔
28 内径面
S1 軸孔締結部
S2 スリーブ孔締結部
S3 円筒締結部
P 軸心

Claims (3)

  1. 回転軸と、該回転軸が圧入される軸孔を備えたロータと、を有し、該軸孔への前記回転軸の圧入により前記ロータと前記回転軸を互いに締結する軸孔締結部が形成され、該軸孔締結部を通じて前記回転軸と前記ロータとの間でトルクを伝達するトルク伝達機構において、
    筒体が前記回転軸の外周面に圧入により締結され、
    前記筒体は前記回転軸の軸心と同心の内径面を備え、
    前記ロータは前記回転軸の軸心と同心の外径面を備え、
    前記内径面と前記外径面との圧入により前記ロータと前記筒体を締結する円筒締結部が形成され、
    前記筒体は前記ロータよりも熱膨張係数の低い材料により形成されていることを特徴とするトルク伝達機構。
  2. 前記回転軸及び前記筒体は同じ熱膨張係数の材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載のトルク伝達機構。
  3. 前記回転軸及び前記筒体は同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトルク伝達機構。
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