JP2009287101A - 錫めっき処理材の被膜剥離方法 - Google Patents
錫めっき処理材の被膜剥離方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009287101A JP2009287101A JP2008142851A JP2008142851A JP2009287101A JP 2009287101 A JP2009287101 A JP 2009287101A JP 2008142851 A JP2008142851 A JP 2008142851A JP 2008142851 A JP2008142851 A JP 2008142851A JP 2009287101 A JP2009287101 A JP 2009287101A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tin
- surface layer
- solution
- layer
- underlayer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Abstract
【解決手段】基材の表面に形成される下地層とその下地層の表面に形成される錫合金表面層とを有する錫めっき処理材の被膜を剥離する方法は、以下の段階を含む。まず、フッ素またはフッ素化合物を含む酸性溶液またはアルカリ性溶液である表面層溶解溶液50に錫合金めっき処理材を浸漬し、通電用電極板61と62との間に電圧を印加し通電し、下地層が少なくとも部分的に露出する程度に錫合金表面層を溶解する。次に、下地層が部分的に露出した錫めっき処理材を下地層溶解溶液に浸漬する。すると、下地層は下地層溶解溶液に溶解し、錫めっき処理材に残存する錫合金表面層は下地層から剥離する。このような方法によると錫合金表面層の全てを溶解することがないため、短時間でめっき処理前の状態に戻すことができる。
【選択図】 図1
Description
また、前述のめっき工程では、基材を支持するめっき用治具の導電部にも、めっきが施されてしまう。導電部にめっきが施されてしまうと基材の支持性が悪化するため、めっき処理の工程を行うたびに、導電部に形成された錫合金からなる表面層と下地層とからなるめっき被膜を除去する処理が必要となる。
一方、第1溶解処理では溶解溶液として高濃度の塩酸を用いて錫めっき処理材を浸漬して加温し、その後の第2溶解処理では溶解溶液として硝酸または塩酸などを用いて錫めっき処理材を浸漬し、めっき被膜を除去する方法が知られている。しかしながら、錫合金からなる表面層は高濃度の塩酸に対して溶解し難く、このような方法を用いても、めっき被膜の除去には多くの時間を要する。
まず、表面層溶解段階では、表面層溶解溶液に錫合金めっき処理材を浸漬して通電し、下地層が少なくとも部分的に露出する程度に錫合金表面層を溶解する。
次に、下地層浸漬段階では、下地層が部分的に露出した錫合金めっき処理材を下地層溶解溶液に浸漬する。
そして、被膜剥離段階では、下地層を下地層溶解溶液に溶解させ、錫合金被処理材に残存する錫合金表面層を下地層から剥離する。
すなわち、錫めっき処理材は、表面層溶解段階では錫合金表面層のみが部分的に表面層溶解溶液に溶解し、下地層が部分的に露出する。この下地層が部分的に露出した錫めっき処理材は、下地層溶解溶液に浸漬されると、露出した部分から下地層が下地層溶解溶液に溶解していく。このとき、錫合金表面層は前述の通り下地層溶解溶液には溶解しない。錫合金表面層はその下に形成されている下地層の溶解が進むと、下地層の一部と共に下地層から剥離する。または、錫合金表面層のみが下地層から剥離する。さらに下地層の溶解を進めると、基材の表面に残った下地層も全て下地層溶解溶液に溶解し、めっき処理前の状態に戻した基材を得ることができる。
請求項3に示すように、下地層溶解溶液は、硝酸であることが例示される。下地層溶解溶液としてその他には、シアン系ニッケル剥離剤、非シアン系ニッケル剥離剤を適用することもできる。
請求項5に示すように、下地層は、銅、ニッケル、亜鉛のいずれか一つであることが例示される。
請求項6に示すように、錫合金表面層は、錫コバルト合金であることが例示される。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による錫めっき処理材の被膜剥離方法を、図1から図11に基づいて説明する。本実施形態では錫めっき処理材としてめっき工程に使用されためっき用冶具を適用し、その被膜を剥離する方法を示す。
処理槽60には、表面層溶解溶液50としてフッ素またはフッ素化合物を含む酸性溶液、またはアルカリ性溶液が満たされている。本実施形態では表面層溶解溶液50として、一水素二弗化アンモニウム((NH4)HF2)を含む硫酸(H2SO4)を用いる。処理槽60には通電用極板61および62が設けられる。通電用極板61および62は通電用極板61と62との間に電圧を印加できるように接続されており、通電用極板61および62は表面層溶解溶液50中に浸漬している。表面層溶解溶液50中には、めっき工程で使用されためっき用冶具30が浸漬している。
図2は、めっき工程に使用されためっき用冶具30の導電部20の拡大断面図である。導電部材10の表面には、下地層11および錫合金表面層12が形成されている。
なお、本段階では、通電用極板61と62との間に過剰な電圧を印加すると、導電部材10に損傷を与える恐れがあるため、印加する電圧は導電部材10に損傷を与えない程度とする。
なお、図2から図8において、下地層11は単層として図示されているが、下地層11は複数の層から形成されていてもよい。
(試験1)
試験片として、下地層として銅(Cu)層5μmとニッケル(Ni)層5μmとをめっきし、錫合金表面層として錫コバルト(Co)合金を0.5μmまたは5μmめっきしたの樹脂片を準備する。以下の実験例1から6と、比較例1および2とにおいて、錫コバルト合金表面層および下地層からなる錫めっき層の除去に要する時間を比較する。
比較例1および2は、高濃度の塩酸(400g/L)にめっき処理材を浸漬して加温することにより錫コバルト合金の表面層を全て溶解して除去した後、硝酸(400g/L)にめっき処理材を浸漬して下地層を溶解して除去する方法を適用した。
試験片錫コバルト合金の膜厚:0.5μm
表面層溶解時 印加電圧:0.3V
(実験例2)
試験片錫コバルト合金の膜厚:0.5μm
表面層溶解時印加電圧:1V
(実験例3)
試験片錫コバルト合金の膜厚:0.5μm
表面層溶解時 印加電圧:3.0V
試験片錫コバルト合金の膜厚:5μm
表面層溶解時 印加電圧:0.3V
(実験例5)
試験片錫コバルト合金の膜厚:5μm
表面層溶解時 印加電圧:1.0V
(実験例6)
試験片錫コバルト合金の膜厚:5μm
表面層溶解時 印加電圧:3.0V
試験片錫コバルト合金の膜厚:0.5μm
表面層を溶解するときの加温温度:30℃
(比較例2)
試験片錫コバルト合金の膜厚:5μm
表面層を溶解するときの加温温度:30℃
本発明の第2実施形態においては、前述の第1実施形態と同様に下地層浸漬段階において前述のように下地層が部分的に露出しためっき用冶具を下地層溶解溶液に浸漬するが、このときに通電を行う。本実施形態においては、通電を行うことにより、第1実施形態よりも短い時間で下地層を剥離することができる。
(試験2)
試験片として、下地層としてCu層5μmおよびNi層5μmをめっきした樹脂片と、Cu層25μmとNi層25μmをめっきした樹脂片とを準備する。以下の実験例7から12および比較例3において、下地層が溶解する時間を比較する。
実験例7から12では、下地層溶解溶液として硝酸(400g/L)を用い、通電を行った。比較例3および4では、下地層溶解溶液として硝酸(400g/L)を用い、通電を行わなかった。
試験片の下地層の膜厚:10μm
印加電圧:0.3 V
電圧印加時間:5 分間
(実験例8)
試験片の下地層の膜厚: 10μm
印加電圧:1.0 V
電圧印加時間:2 分間
(実験例9)
試験片の下地層の膜厚:10μm
印加電圧:3.0 V
電圧印加時間:1 分間
(実験例10)
試験片の下地層の膜厚:50μm
印加電圧:0.3 V
電圧印加時間:10 分間
(実験例11)
試験片の下地層の膜厚:50μm
印加電圧:1.0 V
電圧印加時間:4 分間
(実験例12)
試験片の下地層の膜厚:50μm
印加電圧:3.0 V
電圧印加時間:2 分間
試験片の下地層の膜厚:10μm
印加電圧:無し
(比較例4)
試験片の下地層の膜厚:50μm
印加電圧:無し
上述の実施形態においては、めっき用冶具の導電部に形成される下地層および錫合金表面層の剥離に本発明を適用する形態を示したが、本発明は、めっき不良の錫めっき処理材の下地層および錫合金表面層の剥離に適用してもよい。めっき不良のめっき処理材に対しても、上述と同様の手順を行うことにより、下地層および錫合金表面層を短時間に容易に剥離することができ、めっき処理前の基材の状態に戻すことができる。ここで、下地層は複数の層で形成されていてもよく、基材は金属であっても樹脂であってもよい。また、表面層溶解段階で印加する電圧は、本実施形態の基材に損傷を与えない程度とする。
本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
Claims (6)
- 基材の表面に形成される下地層と、その下地層の表面に形成される錫合金表面層とを有する錫めっき処理材の被膜剥離方法であって、
表面層溶解溶液に前記錫めっき処理材を浸漬して通電し、前記下地層が少なくとも部分的に露出する程度に前記錫合金表面層を溶解する、表面層溶解段階と、
前記下地層が部分的に露出した前記錫めっき処理材を下地層溶解溶液に浸漬する、下地層浸漬段階と、
前記下地層を前記下地層溶解溶液に溶解し、前記錫めっき処理材に残存する前記錫合金表面層を前記下地層から剥離する、被膜剥離段階と、
を含むことを特徴とする錫めっき処理材の被膜剥離方法。 - 前記表面層溶解溶液は、フッ素またはフッ素化合物を含む酸性溶液またはアルカリ性溶液のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の錫めっき処理材の被膜剥離方法。
- 前記下地層溶解溶液は、硝酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の錫めっき処理材の被膜剥離方法。
- 前記下地層浸漬段階において、前記錫めっき処理材を下地層溶解溶液に浸漬するときに通電を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の錫めっき処理材の被膜剥離方法。
- 前記下地層は、銅、ニッケル、亜鉛のいずれか一つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の錫めっき処理材の被膜剥離方法。
- 前記錫合金表面層は、錫コバルト合金であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の錫めっき処理材の被膜剥離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008142851A JP4785081B2 (ja) | 2008-05-30 | 2008-05-30 | 錫めっき処理材の被膜剥離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008142851A JP4785081B2 (ja) | 2008-05-30 | 2008-05-30 | 錫めっき処理材の被膜剥離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009287101A true JP2009287101A (ja) | 2009-12-10 |
JP4785081B2 JP4785081B2 (ja) | 2011-10-05 |
Family
ID=41456599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008142851A Expired - Fee Related JP4785081B2 (ja) | 2008-05-30 | 2008-05-30 | 錫めっき処理材の被膜剥離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4785081B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63157821A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-06-30 | Nippon Mining Co Ltd | 半田及び又はスズメツキされた金属からの有価金属の回収法 |
JPH06280055A (ja) * | 1993-03-26 | 1994-10-04 | Taiyo Yuden Co Ltd | 透明導電膜のエッチング方法 |
JP2004232030A (ja) * | 2003-01-30 | 2004-08-19 | Seiko Epson Corp | ダイヤモンド様炭素膜の除去方法、装飾品および時計 |
-
2008
- 2008-05-30 JP JP2008142851A patent/JP4785081B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63157821A (ja) * | 1986-08-29 | 1988-06-30 | Nippon Mining Co Ltd | 半田及び又はスズメツキされた金属からの有価金属の回収法 |
JPH06280055A (ja) * | 1993-03-26 | 1994-10-04 | Taiyo Yuden Co Ltd | 透明導電膜のエッチング方法 |
JP2004232030A (ja) * | 2003-01-30 | 2004-08-19 | Seiko Epson Corp | ダイヤモンド様炭素膜の除去方法、装飾品および時計 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4785081B2 (ja) | 2011-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8337997B2 (en) | Composite material for electrical/electronic part and electrical/electronic part using the same | |
JP5418894B2 (ja) | 電子部品用複合ボールの製造方法 | |
JP2002076226A (ja) | リードフレームとその製造方法 | |
JPWO2015080052A1 (ja) | キャリア箔付銅箔及び銅張積層板 | |
JP2012112009A (ja) | 銅箔、及び銅箔の製造方法 | |
JPWO2008072418A1 (ja) | オス端子及びその製造方法 | |
JP2010236072A (ja) | 積層銅箔及びその製造方法 | |
US20110091739A1 (en) | Composite material for electrical/electronic part and electrical/electronic part using the same | |
CN107135608B (zh) | 叠层体的蚀刻方法和使用了其的印刷配线基板的制造方法 | |
JP4785081B2 (ja) | 錫めっき処理材の被膜剥離方法 | |
TW201825284A (zh) | Sn鍍敷材及其製造方法 | |
JP2011099128A (ja) | めっき部材およびその製造方法 | |
JP2010090400A (ja) | 導電材及びその製造方法 | |
JP2005340382A (ja) | フレキシブルプリント配線板及びそのフレキシブルプリント配線板の製造方法 | |
JP2012057225A (ja) | メッキ前処理方法 | |
JP4540100B2 (ja) | 2層フレキシブル銅張積層板及びその2層フレキシブル銅張積層板の製造方法 | |
JP5081588B2 (ja) | 金めっき構造体の製造方法 | |
JPH1129894A (ja) | 連続鋳造に用いる鋳型片のめっき方法 | |
US11898264B2 (en) | Treatment methods and solutions for improving adhesion of gold electroplating on metal surfaces | |
JP2015089955A (ja) | めっき方法 | |
CN1250772C (zh) | 电镀预处理溶液和电镀预处理方法 | |
JP5552695B2 (ja) | めっき方法及びその方法に用いられるめっき前処理液。 | |
KR101630382B1 (ko) | 알루미늄을 기반으로 한 플렉시블피씨비의 동도금방법 | |
JP2013229585A (ja) | プリント配線基板の製造方法 | |
JP6446287B2 (ja) | Snめっき材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110506 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110624 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110707 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |