JP2010236072A - 積層銅箔及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来とは別異の粗化面構造をもつ銅箔及びその製造方法を提供する。
【解決手段】銅又は銅合金箔基材と、銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、銅又は銅合金箔基材表面に起立する平板状体を有する銅電着層と、を備えた積層銅箔。
【選択図】なし

Description

本発明は積層銅箔及びその製造方法に関し、とりわけリチウム二次電池用負極材、プリント配線板用材料及び電磁波シールド材といった樹脂との密着性が要求される用途に好適な粗化面を有する積層銅箔及びその製造方法に関する。
銅箔には、その製法から圧延銅箔と電解銅箔の2種類に大別され、用途に応じて使い分けられている。いずれの銅箔においても、樹脂等との良好な接着性が要求される場合がある。例えば、リチウム二次電池用の負極においては集電体としての銅箔と負極活物質の密着性が要求される。プリント配線板においては、銅張積層板を製造する段階において銅箔と絶縁基板の密着性が要求される。電磁波シールド材においても、銅箔にフィルムを貼り合わせる際にやはり密着性が要求される。
銅箔と樹脂の密着性を改善するために、予め粗化処理と呼ばれる銅箔表面に凹凸を形成する表面処理を施すことが一般に行われている。粗化処理の方法としては、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、機械研磨、電解研磨、化学研磨及び電着粒のめっき等の方法が知られており、これらの中でも特に電着粒のめっきは多用されている。この技術は、硫酸銅酸性めっき浴を用いて、銅箔表面に樹枝状又は小球状に銅を多数電着せしめて微細な凹凸を形成し、投錨効果によって密着性を向上させるというものである。
しかしながら、硫酸銅酸性めっき浴によって得られた粗化粒子は、不均一で粗度が高いという問題がある。粗化処理面が粗すぎると、プリント配線板の製造において、エッチング後にも絶縁基板上に銅が残留するため、ファインピッチ加工に適さない。リチウム二次電池の場合、特に理論容量の大きな合金系負極活物質を用いた負極では、集電体銅箔と負極活物質の密着性は現状の粗化による投錨効果だけでは不十分である。また、電磁波シールド材においては、効率を高めるために数十μm前後の微細パターンが形成されなければならないため、銅箔の表面粗度が小さく、剥離強度も低下されてはならないという特性が要求される。
上述のような問題に対し、近年、カーボンファイバーを添加しためっき浴で、銅箔表面を粗化する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、カーボンナノチューブを分散剤により分散させためっき浴によって、銅箔表面に、多数のカーボンナノチューブが表面に分散した状態で析出した銅粒子による銅めっきを形成する方法が記載されている。
特開2007−9333号公報
このように、カーボンファイバーを添加しためっき浴を用いて銅箔表面を粗化させる技術が知られているが、それらはいずれも特許文献1のように、銅箔表面に、多数のカーボンナノチューブが表面に分散した状態で析出した銅粒子による銅めっきを形成することで、銅箔表面を粗化させている。
しかしながら、将来的な技術開発の可能性を広げる意味で、従来とは異質な構造の粗化された銅箔表面を得る技術を提供することは有用であると考えられる。
そこで、本発明は、従来とは異質な粗化面構造を有する銅箔を提供することを一つの課題とする。また、本発明は、そのような銅箔を製造するための方法の提供を別の課題の一つとする。
本発明者は偶然にも、カーボンファイバーを所定量添加した銅めっき浴に銅箔を浸漬し、これに電気めっき処理を施すことにより、銅箔表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層を形成し得ることを見出した。前記銅電着層の複数の平板状体により、銅箔表面に優れた投錨効果を与えることができるものと考えられる。
上記知見を基礎として完成した本発明は、一側面において、銅又は銅合金箔基材と、前記銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、該銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層と、を備えた積層銅箔である。
本発明に係る積層銅箔は、一態様において、前記銅電着層の平均厚さが0.8〜5.0μmである。
本発明に係る積層銅箔は、別の一態様において、前記平板状体を前記銅電着層表面からSEM観察したときに観察される前記平板状体の平均密度が0.5〜100個/μm2である。
本発明は、別の一側面において、カーボンファイバーが0.5〜10g/L添加された銅めっき浴に銅又は銅合金箔基材を浸漬し、電気めっきにより、該銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、該銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層を形成する積層銅箔の製造方法である。
本発明に係る積層銅箔の製造方法は、一態様において、前記電気めっきの電流密度が3.0A/dm2以下である。
本発明は、更に別の一側面において、本発明に係る積層銅箔を加工して得られた伸銅品である。
本発明は、更に別の一側面において、本発明に係る積層銅箔を備えた電子部品である。
本発明によって、従来とは別異の粗化面構造をもつ銅箔及びその製造方法が提供される。本発明に係る積層銅箔は樹脂との密着性を高くすることが可能であり、リチウム二次電池用負極材、プリント配線板用材料及び電磁波シールド材といった樹脂等との接着が要求される用途に適している。また、本発明に係る積層銅箔の表面に起立する平板状体は微細化が可能であるため、ファインピッチ加工によるエッチング不良を良好に抑制することができる。さらに、電着物が、銅箔と同じ材料である銅を用いているため、エッチング処理が容易となる。
実施例:No.3に係る銅電着層表面の平面図である。 実施例:No.3に係る銅電着層表面の断面図である。 比較例:No.18に係る銅電着層表面の平面図である。 比較例:No.23に係る銅電着層表面の平面図である。 比較例:No.31に係る銅電着層表面の平面図である。
(本発明に係る積層銅箔)
本発明の積層銅箔は、銅又は銅合金箔基材と、銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層と、を備えている。
本発明において「積層銅箔」とは、少なくとも1層の金属層が表面の少なくとも一部に積層されている銅又は銅合金箔のことをいう。本発明の積層銅箔に使用する銅又は銅合金箔基材は電解銅箔及び圧延銅箔のいずれを用いてもよく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができる。例えば、圧延銅箔は特に高強度や耐屈曲性が要求される場合に使用するとよい。リチウム二次電池負極の集電体として使用する場合、銅箔を薄肉化した方がより高容量の電池を得ることができるが、薄肉化すると強度低下による破断の危険性が生じることから、このような場合には電解銅箔よりも強度に優れている圧延銅箔を使用するのが好ましい。
銅又は銅合金箔基材に使用する銅又は銅合金の種類には特に制限はなく、用途や要求特性に応じて適宜選択すればよい。例えば、限定的ではないが、高純度の銅(無酸素銅やタフピッチ銅等)の他、Sn入り銅、Ag入り銅、Ni、Si等を添加したCu−Ni−Si系銅合金、Cr、Zr等を添加したCu−Cr−Zr系銅合金のような銅合金が挙げられる。
銅又は銅合金箔基材の厚みも特に制限はなく、用途や要求特性に応じて適宜選択すればよい。一般的には1〜100μmであるが、リチウム二次電池負極の集電体として使用する場合、銅箔を薄肉化した方がより高容量の電池を得ることができ、プリント配線板のファインピッチ化を考えても銅箔は薄肉化することが好ましい。そのような観点から、典型的には2〜50μm、より典型的には4〜20μm程度である。
銅又は銅合金箔基材を銅電着層で被覆する部分は必要に応じて選択すればよく、特に制限はないが、例えば銅又は銅合金箔基材の片面又は両面を被覆することができ、側面(厚み部分)も含めて全面を被覆することもできる。部分的に被覆する方法は当業者に知られている任意の技術を使用することができる。例えば、被覆しない部分をテープ等でマスキングし、残部をめっきする方法がある。
銅電着層は、本発明に係る積層銅箔の最外層を形成し、銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する。かかる複数の平板状体が投錨効果を示し、樹脂との密着性向上に寄与する。平板状体は、銅で構成されており、例えば、ウロコ状や扇状等に形成されている。複数の平板状体は、それぞれ銅又は銅合金箔基材表面に略垂直に起立していてもよく、ある角度をもって斜め方向に起立していてもよい。また、複数の平板状体は、それぞれ湾曲していてもよい。複数の平板状体は、銅電着層表面から観察すると、それらの先端等で構成された複数の繊維状物を集めたような形状となっている。
銅電着層は、厚さが大きくなると粗度が高くなり、小さくなると粗度は低くなる。投錨効果及び樹脂との密着性の観点から、銅電着層のSEM観察したときに観察される平均厚さは、好ましくは0.8〜5.0μmであり、より好ましくは1.0〜4.0μmであり、更により好ましくは1.2〜3.5μmである。
銅電着層を構成する平板状体の平均高さ及び平均幅の概略は、上述の銅電着層の平均厚さから算出される。具体的には、平板状体は銅箔表面から垂直に起立しているものや、ある角度をもって起立しているものがある。このため、例えば垂直に起立している場合は、その部分では銅電着層の厚さがそのまま平板状体の高さとなる。また、例えば60°の角度で起立している場合は、その部分では平板状体の高さは(銅電着層の厚さ)×約1.16となり、30°の角度で起立している場合は、その部分では平板状体の高さは(銅電着層の厚さ)×2となる。このような観点から、銅電着層の平均厚さをLとすると、平板状体の高さは、おおよそ1.0〜2.5L程度となっているものと考えられる。
また、平板状体がウロコ状や扇状となっている点を鑑みれば、その幅は、上述のように算出された平板状体の高さの0.5〜2.0倍程度となっているものと考えられる。
平板状体は、平均密度が大きくなると粗度が高くなり、小さくなると粗度は低くなる。投錨効果及び樹脂との密着性の観点から、銅電着層表面からSEM観察したときに観察される平均密度は、好ましくは0.5〜100個/μm2であり、より好ましくは1.0〜50個/μm2であり、更に好ましくは1.5〜30個/μm2である。
銅電着層は、複数の平板状体の他に、カーボンファイバーを有していてもよい。このカーボンファイバーは、後述するように、本発明の積層銅箔を製造するためにめっき浴の中に予め添加しておいたカーボンファイバーが除去されずに銅電着層中に残ったものである。カーボンファイバーは、銅電着層において、複数の平板状体間に残留している。
(本発明に係る積層銅箔の製造方法)
本発明に係る積層銅箔は、銅又は銅合金箔基材の表面を清浄処理した後、カーボンファイバーが添加された銅めっき浴に銅又は銅合金箔基材を浸漬し、電気めっきにより、該銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、該銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層を形成する積層銅箔の製造方法によって製造可能である。
銅又は銅合金箔基材表面の清浄処理としては、どのような処理を行ってもよいが、例えば、脱脂処理及び酸洗処理を行うことができる。脱脂処理は、例えば、液温が30〜70℃程度のアルカリ溶液で、電流密度を3〜10A/dm2程度とし、約30〜60秒間程度行う電解脱脂処理等である。また、酸洗処理は、例えば、約50〜200g/L程度の室温の硫酸中に、30〜60秒間程度浸漬する処理等である。
続いて、上述のように表面を洗浄処理した銅又は銅合金箔基材を銅めっき浴に浸漬する。銅めっき浴は、それ自体公知のものを使用することができるが、例えば有機酸浴(例えば、フェノールスルホン酸浴、アルカンスルホン酸浴及びアルカノールスルホン酸浴)、硼フッ酸浴、ハロゲン浴、硫酸浴、ピロリン酸浴等の酸性浴、或いはカリウム浴やナトリウム浴等のアルカリ浴を用いることができる。
銅めっき浴には、予めカーボンファイバー及び分散剤を添加し、カーボンファイバーを均一に分散させておく。カーボンファイバーは、特に限定されないが、例えば、VGCF(Vapor Grown Carbon Fiber;気相成長法炭素繊維)を好適に用いることができる。添加されたカーボンファイバーの銅めっき浴における濃度は、好ましくは0.5〜10g/Lであり、より好ましくは0.5〜5g/Lであり、更により好ましくは1.0〜2.0g/Lである。カーボンファイバーの濃度が0.5g/L未満であると、平板状体が形成されないという問題が生じ、10g/Lを超えるとめっき浴の粘度が高くなり、限界電流が低下してめっき中に電極部から発生した気泡がカーボンファイバーを巻き込んで浴面に溜まるという問題、及び、銅とカーボンファイバーの粗大な凝着物がめっき面に散在するという問題が生じるからである。
分散剤は、特に限定されないが、カーボンファイバーを銅めっき浴中で均一に分散させることのできるものを用いる。分散剤としては、例えば、カチオン系又はアニオン系の界面活性剤を用いることができる。分散剤の銅めっき浴における濃度は、用いるカーボンファイバー及び分散剤の種類によっても異なるが、例えば、カーボンファイバーの濃度の1/10程度である。
続いて、銅めっき浴内を撹拌しながら、銅又は銅合金箔基材表面に、所定の電流密度に設定した電気めっきを施し、浴中の銅を銅又は銅合金箔基材表面に析出させる。銅めっき浴中の液温は、例えば15〜30度に設定され、電気めっきは、例えば30〜240秒間行う。電気めっきの電流密度は、0.5A/dm2未満ではめっきが十分に形成されず、一方、3A/dm2を超えると平板状体が形成されなくなるため、好ましくは3A/dm2以下であり、より好ましくは2A/dm2以下であり、更により好ましくは1A/dm2以下である。
上記めっき浴内の撹拌は、公知のめっき浴攪拌機を用いて行うことができる。また、このとき、攪拌機により、めっき浴内にカーボンファイバーが残らないように強撹拌することが好ましい。
以上により、銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体が形成される。これらの平板状体、又は、これらの平板状体及び除去されずに残ったカーボンファイバーが、銅又は銅合金箔基材を被覆する銅電着層を構成している。なお、銅電着層の厚さ、平板状体の起立する方向の平均長さ、平板状体の平均厚さ、及び、平板状体の平均密度は、それぞれ銅めっき浴における電気めっきの電流密度、電着時間、銅めっき浴の組成等を調節することで変化させることができる。
本発明の積層銅箔は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができる。また、本発明の積層銅箔は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品等に使用することができる。
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例:No.1〜8)
試験片としてCu−3.0Ni−0.65Si−0.15Mgの組成を有する60mm×45mm×18μmの寸法の銅合金箔基材(日鉱金属社製圧延銅箔:品名C7025)を複数用意した。
次に、これらの試験片に対し、脱脂剤:ユケン工業(株)製商標「パクナP105」、脱脂剤濃度:40g/L、アノード:SUS、電流密度:5A/dm2、温度:60℃、時間:30秒の各条件による脱脂処理を行った。
続いて、脱脂処理を行った試験片に対し、常温且つ濃度100g/Lの硫酸に、30秒間浸漬する酸洗処理を行った。
次に、硫酸銅:20g/L、硫酸:100g/L、VGCF:2.0g/L、及び、分散剤としてのPAA(ポリアクリル酸):1.0g/Lを含み、アノード:Ti−Pt及び浴温:25℃に設定された硫酸銅めっき浴を準備した。続いて、VGCFが均一に分散するように硫酸銅めっき浴を撹拌した。次に、上述の洗浄処理を行った複数の試験片を、前記撹拌を続けながら、それぞれ表1に示すような電流密度及び時間の電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、実施例:No.1〜8を得た。
(比較例:No.9〜13)
実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。次に、表2に示すような条件における硫酸銅めっき浴による電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、比較例:No.9〜13を得た。
(比較例:No.14)
実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、硫酸銅めっき浴中で、試験片表面に銅めっきを行った。銅めっきは、下地めっき2.3A/dm2×118秒、粗化めっき4.6A/dm2×77秒、カブセめっき2.3A/dm2×94秒の順で実施した。このようにして得られた試験片を、比較例:No.14とした。
(比較例:No.15)
実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、スルファミン酸浴中で基材全面にNiめっきを行い、次いでメタンスルホン酸浴中で基材全面にSnめっきを行った。試験条件を表3に示す。
その後、該試験片をフラックス液に浸漬することで表面酸化層を除去した後に、該試験片をホットプレートの上に乗せて熱処理を行った。加熱温度を232℃以上とした場合はリフロー処理となる。熱処理後、該試験片を電解液(コクールR−50)に浸漬して表面の残留Sn層を除去した。残留Sn層の除去には電気化学測定装置(型式HZ−3000、北斗電工)を使用した。カソードとしてSUS板を用い、参照極には標準電極を用いずカソードと同じSUS板に繋いだ。アノードとして試験片をセットし、電流密度10mA/cm2の一定電流を電圧が400mV変化するまで流してSnを除去した。これらの試験条件を表4に示す。そして、このようにして得られた試験片を、比較例:No.15とした。
(比較例:No.16〜21)
実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、硫酸銅:20g/L、硫酸:100g/L、及び、分散剤としてのPAA(ポリアクリル酸)を含み、アノード:Ti−Pt及び浴温:25℃に設定された硫酸銅めっき浴を準備した。当該硫酸銅めっき浴は、実施例:No.1〜8の硫酸銅めっき浴と比較して、VGCFを添加していない点で大きく異なっている。続いて、上述の洗浄処理を行った複数の試験片を、それぞれ表5に示すような電流密度及び時間の電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、比較例:No.16〜21を得た。
(比較例:No.22〜25)
実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、硫酸銅:20g/L、硫酸:100g/L、粒状カーボン:2.0g/L、及び、分散剤としてのPAA(ポリアクリル酸)を含み、アノード:Ti−Pt及び浴温:25℃に設定された硫酸銅めっき浴を準備した。当該硫酸銅めっき浴は、実施例:No.1〜8の硫酸銅めっき浴と比較して、VGCFの代わりに粒状カーボンを同量添加している点で大きく異なっている。続いて、上述の洗浄処理を行った複数の試験片を、それぞれ表6に示すような電流密度及び時間の電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、比較例:No.22〜25を得た。
(比較例:No.26〜31)
VGCFの適正値を検討するために、以下の試験を行った。まず、実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、硫酸銅:20g/L、硫酸:100g/L、0.3〜15.0g/LのVGCF、及び、分散剤としてのPAA(ポリアクリル酸)を含み、アノード:Ti−Pt及び浴温:25℃に設定された硫酸銅めっき浴を準備した。続いて、上述の洗浄処理を行った複数の試験片を、それぞれ表7に示すような電流密度及び時間の電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、比較例:No.26〜31を得た。
(比較例:No.32〜34)
分散剤としてのPAAの適正値を検討するために、以下の試験を行った。まず、実施例:No.1〜8と同様の試験片を準備し、同様の脱脂及び酸洗処理を行った。続いて、硫酸銅:20g/L、硫酸:100g/L、2.0g/LのVGCF、及び、0.5〜3.0g/LのPAAを含み、アノード:Ti−Pt及び浴温:25℃に設定された硫酸銅めっき浴を準備した。続いて、上述の洗浄処理を行った複数の試験片を、それぞれ表8に示すような電流密度及び時間の電気めっきを行うことで銅電着層を形成し、比較例:No.32〜34を得た。
(銅電着層等の形状観察)
実施例:No.1〜8及び比較例:No.9〜34の銅合金箔基材上に形成された銅電着層又はNiSn合金層をSEM観察した。その結果、本発明に係る平板状体が形成されていたのは、実施例:No.1〜8のみであった。実施例:No.1〜8の平板状体は、銅合金箔基材上に起立するように、且つ、ウロコ状に形成されていた。例として、No.3に係る銅電着層表面の平面図を図1に、その断面図を図2に示す。図1からわかるように、銅箔表面から観察すると、本発明の平板状体は、そのほぼ上面のみが観察されて多数の繊維状組織を形成している。図2からわかるように、銅箔断面から観察すると、平板状体は銅箔基材表面に垂直に、又は、ある角度をもって起立している。
比較例:No.9〜10の銅電着層は、電気めっきの電流密度が3.5又は4.0A/dm2と大きく、平板状体が形成されていなかった。
比較例:No.11の銅電着層は、めっき時間が短く、平板状体が十分な大きさで形成されなかった。
比較例:No.12は、めっき時間が長く、平板状体が過大になった。
比較例:No.13は、めっき時間×電流密度が大きく、平板状体が過大になった。
比較例:No.14及び15の銅合金箔基材上のNiSn合金層は、それぞれ針状又は柱状の突起を有していた。
比較例:No.16〜21の銅電着層には、平板状体が形成されなかった。例として、No.18に係る銅電着層表面の平面図を図3に示す。
比較例:No.22〜25の銅電着層では、粒状カーボンが電着粒内に共析しためっきが形成されてしまった。例として、No.23に係る銅電着層表面の平面図を図4に示す。
比較例:No.26の銅電着層では、VGCFの添加量が少なく、平板状体が形成されなかった。
比較例:No.27の銅電着層では、VGCFの添加量が少なく、平板状体が十分な大きさで形成されなかった。
比較例:No.28及び29の銅電着層は、VGCFの添加量が適正であり、平板状体が銅合金箔基材上に起立するように、且つ、適正な大きさでウロコ状に形成されていた。
比較例:No.30の銅電着層では、VGCFの添加量が多く、平板状体が過大になった。
比較例:No.31の銅電着層では、銅とカーボンファイバーとの粗大凝着物が、銅箔基材表面に多数析出した。No.31に係る銅電着層表面の平面図を図5に示す。
比較例:No.32の銅電着層では、PAA添加量が少なく、平板状体が形成されなかった。
比較例:No.33及び34の銅電着層では、PAAの添加量が適正であり、平板状体が銅合金箔基材上に起立するように、且つ、適正な大きさでウロコ状に形成されていた。
(銅電着層の平均厚さの測定)
平板状体が観察された実施例及び比較例について、銅電着層の平均厚さをSEM観察することで測定した。具体的には、試験片の断面SEM写真(倍率20,000倍)から幅4μmの範囲を任意に4箇所選択し、その中の銅電着層の厚さを10点測定し、その平均値を平均厚さとした。
ここで、銅電着層と銅箔基材表面との境界線は、例えば、図2の断面図において矢印が指す水平線のような部分とする。銅箔基材は圧延によって組織が横方向に延びているのに対し、銅電着層の平板状体は、銅箔基材表面に起立するように析出するため、当業者が観察すれば、このような境界線は容易に判断される。
(平板状体の平均密度の測定)
平板状体が観察された実施例及び比較例について、平板状体の平均密度をSEM観察することで測定した。具体的には、試験片の表面SEM写真(倍率10,000〜20,000倍)から2μm×2μmの範囲を任意に4箇所選択し、その中の平板状体の数をすべて数え、その平均値を平均密度とした。
(ピール強度)
実施例:No.1〜8及び比較例:No.9〜34に、市販のポリイミド前駆体ワニス(宇部興産株式会社製、商品名U−ワニス−A)を用いて、下記の条件でポリイミド製膜した。
ポリイミド塗布厚み:30μm
溶媒乾燥:130℃、30分、大気下
樹脂硬化:350℃、15分、Ar雰囲気下
長さ100mm、幅5mmのサイズに試料を切り出し、JISC6471に規定される方法に従って、短辺の端から銅箔を剥離し、その応力を測定した。引き剥がし角度は90°、引き剥がし速度は50mm/minで行った。ピール強度が1.0N/mm未満の場合を×とし、1.0N/mm以上且つ1.5N/mm未満の場合を△とし、1.5N/mm以上の場合を○とした。
(ファインピッチ適正)
ファインピッチ適正は、十点平均粗さRzJISの測定をJISB0601に準拠して三鷹光器社製型式NH−3非接触式三次元測定装置を用いて行った。カットオフは0.25mm、測定長さは1.25mmで測定した。Rzが1.5μm以上を×、1.5μm未満を○とした。
上記測定結果を、表9に示す。
(試験結果の検討)
実施例:No.1〜8では、いずれもピール強度及びファインピッチ適正が共に良好であった。
比較例:No.9〜10、及び、14〜25(No.15を除く)は、平板状体が形成されていないものであり、いずれもピール強度が不良であった。
比較例:No.11〜13は、めっき時間が短い又は長いものであり、平板状体は形成されているが、いずれも小さ過ぎる又は大き過ぎるものであり、ピール強度が不良であった。
比較例:No.26〜31は、上述のように、VGCF添加量を少ないものから大きなものまで段階的に変化させて、VGCF添加量の適正値を検討するものであり、VGCF添加量が0.3g/Lである比較例:No.26及びVGCF添加量が15.0g/Lである比較例:No.31は、いずれも平板状体が形成されず、ピール強度が不良であった。一方、VGCF添加量が0.5〜10.0g/Lである比較例:No.27〜30は、いずれもピール強度及びファインピッチ適正が共に良好であった。
比較例:No.32〜34は、上述のように、PAA添加量を少ないものから大きなものまで段階的に変化させて、PAA添加量の適正値を検討するものであり、PAA添加量が0.5g/Lである比較例:No.32は、平板状体が形成されず、ピール強度が不良であった。一方、PAA添加量が2.0〜3.0である比較例:No.33及び34は、いずれもピール強度及びファインピッチ適正が共に良好であった。

Claims (7)

  1. 銅又は銅合金箔基材と、
    前記銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、該銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層と、
    を備えた積層銅箔。
  2. 前記銅電着層の平均厚さが0.8〜5.0μmである請求項1に記載の積層銅箔。
  3. 前記平板状体を前記銅電着層表面からSEM観察したときに観察される前記平板状体の平均密度が0.5〜100個/μm2である請求項1又は2に記載の積層銅箔。
  4. カーボンファイバーが0.5〜10g/L添加された銅めっき浴に銅又は銅合金箔基材を浸漬し、電気めっきにより、該銅又は銅合金箔基材の少なくとも一部を被覆し、且つ、該銅又は銅合金箔基材表面に起立する複数の平板状体を有する銅電着層を形成する積層銅箔の製造方法。
  5. 前記電気めっきの電流密度が3.0A/dm2以下である請求項4に記載の積層銅箔の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層銅箔を加工して得られた伸銅品。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層銅箔を備えた電子部品。
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