JP2009286858A - 合成潤滑油 - Google Patents

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【課題】本発明の目的は、低粘度でかつ高温での粘度特性に優れ、広い温度範囲で安定し
た潤滑性能を有する合成潤滑油を提供することである。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を含有することを特徴とする合成潤滑油。
【化1】
CF3(CF2nSO3 - ・・・(1)
(nは、0〜15の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、パーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を有効成分とする合成潤滑油に関する。
従来、機械装置、動力伝達装置、金属加工油、グリースなどに用いられる潤滑油として
は、ポリα−オレフィン、ジエステル、ポリオールエステル、シリコン等の基油の中から
最も目的物性に近い種類の基油を選択し、必要に応じて組合せて、さらに適切な添加剤な
どを加えて用いられていた。しかし、これらの潤滑油は、高温や真空度が高いといった特
殊な環境下において引火または蒸発の危険性があり、より好適な潤滑油が望まれている。
また、装置の高性能化、高効率化に伴い、より優れた耐酸化性、耐蒸発性や、長期間にわ
たって優れた潤滑性能を有する潤滑油が求められている。
これらの問題を解決する手段として、例えば、非特許文献1には、有機カチオンと無機
アニオンの組合せからなる化合物(イオン液体、常温溶融塩)が潤滑油として適用できる
ことが報告されており、現在では、イオン液体は、不揮発性、広い温度範囲における安定
性および難燃性に優れるだけでなく、粘度指数が高く、潤滑剤に求められる摩擦係数、磨
耗痕径についても満足する物性を有するものもあるため、潤滑油の材料として可能性があ
ることが知られている。
また、例えば、特許文献1においては、疎水性のイオン液体として、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体を含む制動性潤滑油があげられているが、このアニオンからなるイオン液体は、粘度が低く耐熱性が高いという物性を有しているものの非常に高価であるため、一般的な価格の安い潤滑油の代替として用いるには、充分とはいえないものであった。
R.A.Reich et al., Journal of the Society of Tribologists and Lubrication Engineers, July 2003, p. 16−21 特開2005−89667号公報
更に潤滑油には、金属加工用潤滑油、内燃機関用潤滑油、グリース等多くの種類があり、各用途ごとに融点や最適粘度範囲などの必要物性も異なるものであるため、イオン液体を潤滑油として用いるためには、用途に応じたイオン液体を選択する必要があった。
例えば、軸受け用潤滑油のひとつを例にあげても、特殊な用途、例えば、動圧軸受け用潤滑油として使用するためには、粘度は低いものが望ましく、通常30mPa・s以下であるのに対し、一般的にボールベアリングとよばれる転がり軸受け用潤滑油として使用するためには、粘度が低すぎると回転体から潤滑油が乖離してしまい潤滑の用をなさなくなるために、ある程度高い粘度、通常30〜2000mPa・s程度の粘度は必要である。このように、両用途の最適粘度範囲は異なり、それに伴い最適なイオン液体も異なるものであり、特許文献1記載のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有するイオン液体では、転がり軸受け用潤滑油としては不十分であった。
そこで、本発明では、このような背景下において、広い温度範囲で安定した潤滑性能を示し、一般的な価格の安い潤滑油の代替として用いることが可能な合成潤滑油を提供することを目的とするものであり、更にはイオン液体を含有してなり、軸受け用潤滑油の中でも転がり軸受け用潤滑油として好ましく用いることができる合成潤滑油を提供しようとするものである。
しかるに、本発明者は、上記事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、イオン液体のアニオン種として、今まで潤滑油用途のイオン液体に用いられていなかったパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを用いることにより、熱安定性に優れ、高温および低温での粘度安定性にも優れた合成潤滑油が得られることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を有効成分とすることを特徴とする合成潤滑油に関するものである。
[化1]
CF3(CF2nSO3 - ・・・(1)
(nは、0〜15の整数)
本発明によれば、特定のパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を用いるので、高温での熱安定性、広い温度範囲での粘度安定性および潤滑性能に優れ、更には耐摩耗性に優れ、安定した流動性を示し、潤滑油に必要とされる粘度特性を有する合成潤滑油を提供することができる。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明におけるイオン液体とは、(100℃以下)において溶融状態にあるイオン性物質のことを示す。また、かかるイオン液体を用いた本発明の合成潤滑油は、常温において安定した液状を示すものである。
本発明は、一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホネートアニオン(以下、単にパーフルオロアルキルスルホネートアニオンと略すことがある)を有するイオン液体を有効成分とする合成潤滑油に関する。
[化1]
CF3(CF2nSO3 - ・・・(1)
(nは、0〜15の整数)
そして、本発明において、イオン液体を構成するアニオン部として、上記有機カチオンと共に用いられるアニオンは、下記一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホネートアニオンであり、該アニオンを用いることで、非常に低価格でかつ粘度安定性にも優れたイオン液体が得られるのである。
[化1]
CF3(CF2nSO3 - ・・・(1)
(nは、0〜15の整数)
上記一般式(1)中のnに関しては、通常0〜15の整数であり、好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜5である。
かかる条件を満たす具体的な化合物名としては、例えば、トリフルオロメチルスルホネートアニオン、ペンタフルオロエチルスルホネートアニオン、ヘプタフルオロプロピルスルホネートアニオン、ノナフルオロブチルスルホネートアニオン、パーフルオロオクタスルホネートアニオンを挙げることができ、これらの中でも、好ましくは、ノナフルオロブチルスルホネートアニオンと、パーフルオロオクタスルホネートアニオン、特に好ましくは、ノナフルオロブチルスルホネートアニオンである。
本発明におけるパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体のカチオン部としては、特に限定されるものではなく、通常のイオン液体に用いられるカチオンを用いることができるが、中でも、窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオンおよび第四級ホスホニウムカチオンからなる群より選択される有機カチオンを有することが好ましい。
窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウム等の5員環化合物のオニウムカチオンや、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウム等の6員環化合物のオニウムカチオンを挙げることができる。これらの中でも、イミダゾリウムカチオンが、融点が低く液状になりやすい点で好ましく、特には、イミダゾリウムカチオンが好ましい。
かかるイミダゾリウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、下記一般式(2)の構造を有するものをあげることができる。
Figure 2009286858
(式(2)中、置換基R1〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜16の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アシル基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基であって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アシル基の中にN、S、Oより選択されるヘテロ原子を含んでいてもよく、共役または独立した二重結合または三重結合を含んでいてもよい。)
上記置換基R1〜R5がアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アシル基の場合、炭素数は1〜16であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。これらの置換基は直鎖でも分岐構造を有していてもどちらでもよいが、炭素数が多すぎると、側鎖の分子間相互作用が働くため粘度が増加する傾向がある。
上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アシル基は、N、S、およびOより選択されるヘテロ原子を含んでいてもよく、含有するヘテロ原子の数は特に限定されるものではない。また、共役、または独立した二重結合または三重結合を含んでいてもよく、これらの不飽和結合数も特に限定されるものではない。
このようなアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられる。また、アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等があげられる。さらに、アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等があげられ、アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等、アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等、また、アミノ基としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等があげられる。産業上の有用性を考慮すると、酵素による分解を受け易くして生分解性を高めることができる点からアルコキシル基、アシル基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基等が好ましい。
上記式(2)で示されるイミダゾリウムカチオンとしては、合成の容易さの点から、1,3−二置換イミダゾリウムカチオン、1,2,3−三置換イミダゾリウムカチオンが好ましく用いられる。これらの誘導体における置換基は、同一でも異なっていてもよく、多重結合または分岐があってもよい置換基であることが好ましい。
前記置換基としては、上記一般式(2)における置換基と同様であり、かかる中から適宜選択して用いられる。
ピリジニウムカチオンとしては、例えば、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、N−プロピルピリジニウムなどの炭素数1〜16のアルキル基により置換されたピリジニウムカチオンなどがあげられる。
また、本発明では、上記窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオンの他にも、第四級アンモニウムカチオン、第四級ホスホニウムカチオンが用いられる。
第四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどの炭素数1〜16のアルキル基により置換されたアンモニウムカチオンなどがあげられる。
第四級ホスホニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムなどの炭素数1〜16のアルキル基により置換された第四級ホスホニウムカチオンなどがあげられる。
本発明におけるイオン液体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、アニオン交換法または酸エステル法などの公知の方法を適用することができる。例えば、用いる有機カチオンのハロゲン化塩とパーフルオロアルキルスルホネートアニオンのアルカリ金属塩とを用いてアニオン交換反応により得ることができる。ハロゲン化塩のハロゲンとしては、塩素または臭素があげられる。アルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどがあげられる。
前記反応で用いる有機カチオンのハロゲン化塩とパーフルオロアルキルスルホネートアニオンのアルカリ金属塩の配合量としては、特に限定されるものではないが、有機カチオンのハロゲン化塩に対して、パーフルオロアルキルスルホネートアニオンのアルカリ金属塩が0.5〜2当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。パーフルオロアルキルスルホネートアニオンのアルカリ金属塩の配合量が多すぎても、反応収率には影響しないため、経済性が悪くなる傾向があり、少なすぎると未反応の原料が多く残存してしまい、反応収率が低下する傾向がある。
本発明においてパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を「有効成分とする」合成潤滑油とは、通常、パーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を単独で用いて合成潤滑油としたものを示すが、必要に応じて潤滑油基油やその他のイオン液体を本発明の効果を妨げない程度、具体的には50%以下、好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下で併用してもよい。
また、必要に応じて防錆剤、流動点降下剤などの添加剤を使用することもできる。これらの添加剤の使用量は、本発明の効果を妨げない程度であれば特に限定されるものではないが、イオン液体自身が持つ特性を活かすために、上記イオン液体に対して0.001〜50重量%であることが好ましい。
一般的に合成潤滑油として使用することが可能な粘度範囲としては、使用する用途により最適な範囲が異なるため一概には規定できないが、通常25℃における粘度で2mPa・s〜3000mPa・s程度のものが使用される。
また、上述のように軸受け用潤滑油として使用する場合には、動圧軸受け用潤滑油(ハードディスク用潤滑油)として使用する場合は、粘度が低ければ低いほどシャフトと軸受けの摩擦が減少するので、粘度(25℃)が通常30mPa・s以下である必要があるのに対し、ボールベアリングとよばれる転がり軸受け用潤滑油として使用する場合は、粘度が低すぎると回転体から潤滑油が乖離してしまい潤滑の用をなさなくなるために、粘度(25℃)は通常30〜2000mPa・sである必要がある。
潤滑油は用途により絶対粘度の高さが重要な場合や、絶対粘度より金属との接触角など他の物性が重視される用途も考えられる。その際、必要な物性に応じて有機カチオンを窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオンおよび第四級ホスホニウムカチオンから選択し、さらに必要なら置換基を変えて物性を調節する。
本発明の合成潤滑油は、低粘度、高温における優れた粘度特性を示すことに加え、不揮発性、熱安定性等の諸物性も優れているため、自動車、電気製品等の機械装置、動力伝達装置、精密機械のための潤滑油、金属加工油、特殊環境下での潤滑油として幅広く利用可能である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」「%」となるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<実施例1>
還流管をつけたフラスコに、1−メチルイミダゾール6.28g(76.5mmol)を入れ、エチルブロミド33.01g(302.9mmol)とアセトニトリル8.20gを添加して、40℃、8時間反応させて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド13.41g(70.2mmol、収率91.8%)を得た。得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド11.04g(57.8mmol)とノナフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩(一般式(1)においてn=3の化合物に相当する)19.55g(57.8mmol)を30gの水中で70℃、2時間反応させた後、塩化メチレン50mlを加え塩化メチレン層を分液した。塩化メチレン層を水洗後、減圧乾燥することにより、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート16.11g(39.3mmol、収率67.9%)を得た。
得られた1−エチルー3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネートについて、下記方法に従い各種物性を測定した。評価結果を表1に示す。
(粘度の測定条件)
使用機器:AR−1000型回転レオメーター(TA Instruments製)測定方法:装置を25℃に設定し、サンプル0.6mlを試料台上に載せ、コーンを設置し、かかるコーンを一定の力(30Pa)で回転させた時の粘度値を読みとった。
(40℃および100℃における動粘度)
また、40℃および100℃における動粘度は、上記機器、測定方法を用いて各温度における粘度値を測定した後、その値から計算する(粘度/比重)ことにより求めた。
(熱安定性の測定)
得られた潤滑油を試験管に入れ、200℃の高温条件下で25時間静置した後の、蒸発率を測定し、固体析出の有無を目視で確認した。
<蒸発率>
蒸発率(%)=(試験開始前の重量−試験終了後の重量)/(試験開始前の重量)
<固体析出>
○・・・析出は生じなかった
×・・・析出が生じた。
<実施例2>
実施例1のエチルブロミドをオクチルブロミドに変更した以外は実施例1と同様に行ない、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート17.80g(36.0mmol、収率62.3%)を得た。
得られた1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネートに関して、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様の方法で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド11.0g(60.6mmol)とビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンのカリウム塩20.3g(63.7mmol)を20gの水−塩化メチレン中で40℃、4時間反応させた後、水層を分液漏斗により分液除去後有機層を水洗し、減圧濃縮することにより、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド22.5g(57.6mmol、収率95.0%)を得た。
得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル
)イミドに関して、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を表1に示す。
<比較例2>(ポリα−オレフィン)
ポリα−オレフィン(シンフルード801(シェブロンフィリップス(株)製))を用
いて、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を表1に示す。
<比較例3>(ジエステル)
ジエステル(ジオクチル・アジペート:Plasthall DOA (The C.
P. Hall製))を用いて、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を
表1に示す。
<比較例4>(ポリオールエステル)
ポリオールエステル(ポリオールエステル(3価):カオールーブ190(花王(株)
製))を用いて、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を表1に示す。
<比較例5>(流動体パラフィン)
流動体パラフィン(コスモニュートラル150:(コスモ石油ルブリカンツ(株)製)
)を用いて、実施例1と同様にして物性の測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009286858
表1の結果から分かるように、実施例1および2のノナフルオロブタンスルホネートアニオンを有するイオン液体は、熱安定性に優れ、25℃における粘度も100mPa・s以上の値を示すものであり、動粘度の値も比較的高い値を示しているのでかかる粘度範囲が最適となる用途の潤滑油として好適に用いることができるものである。
一方、比較例1に記載のビストリフルオロスルホニルアニオンを有するイオン液体は非常に低い粘度を示すものであるため、潤滑油として使用した際には飛散が起こってしまう可能性が高いものであり、特に転がり軸受け用の潤滑油としては有用でないものである。また比較例2〜5の潤滑油は熱安定性に劣るものであることがわかる。
本発明の合成潤滑油は、高温での熱安定性、広い温度範囲での粘度安定性および潤滑性能に優れ、更には耐摩耗性に優れ、安定した流動性を示し、潤滑油に必要とされる粘度特性を有するため、自動車、船舶、電気製品等の機械装置、動力伝達装置、精密機械のた金属加工油、特殊環境下での潤滑油として有用であり、特には軸受け用潤滑油として有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホネートアニオンを有するイオン液体を有効成分とすることを特徴とする合成潤滑油。
    [化1]
    CF3(CF2nSO3 - ・・・(1)
    (nは、0〜15の整数)
  2. イオン液体が、窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオンおよび第四級ホスホニウムカチオンからなる群より選択される有機カチオンを有することを特徴とする請求項1記載の合成潤滑油。
  3. 有機カチオンが、窒素数1〜3個の5乃至6員環化合物のオニウムカチオンであることを特徴とする請求項2記載の合成潤滑油。
  4. 有機カチオンが、イミダゾリウムカチオンあることを特徴とする請求項2又は3記載の合成潤滑油。
  5. 有機カチオンが、同一でも異なっていてもよい置換基を有する1,3−二置換イミダゾリウムカチオンまたは1,2,3−三置換イミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の合成潤滑油。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の潤滑油を用いた転がり軸受け用合成潤滑油。
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