JP2009285912A - 二軸配向積層フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、経時安定性に優れた熱成形用の二軸配向積層フィルムに関するものであり、液晶表示装置などの表示装置用の光学シートとして用いられた場合においても、光源や外部環境からの熱などの刺激を受けても形状変化を起こさない経時安定性に優れたフィルムに関するものである。
【解決手段】
本発明の二軸配向積層フィルムは、少なくとも支持層と熱可塑性樹脂層からなる2層以上の二軸配向積層フィルムであって、該二軸配向積層フィルムの少なくとも一方の表層が熱可塑性樹脂層であり、該熱可塑性樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度をTg1℃、結晶融解吸熱ピーク温度をTm1℃、結晶化エネルギーをΔHc1J/gとしたとき、Tg1より高くTm1未満の温度で加熱した後の結晶化エネルギーΔHc1’J/gがΔHc1よりも1〜20J/g低いものである。
【選択図】なし
Description
・fn=(Nx+Ny)/2−Nz
より求めた値である。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで示す。
T2≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃ ・・・(2)
T2<T1・・・(3)
また、本発明の二軸配向積層フィルムの成形方法としては、図4に示したような平板をプレスする方法(平板プレス法)の他に、表面に凹凸を形成したロール状の金型を用いて、ロール状シートに成形し、ロール状の成形体を得るロールtoロールの連続成形であってもよい。平板プレス法の場合には、より微細で高アスペクト比のパターンを形成できる点において優れており、またロールtoロール連続成形の場合、生産性の点で平板プレス法より優れている。
A.金型および二軸配向積層フィルムの積層構成
金型およびフィルムの断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子データム(株)製電界放射走査電子顕微鏡JSM−6700F型を用い、フィルム厚みに応じて100〜10000倍で写真を撮影し、断面観察を行い熱可塑性樹脂層と支持層の積層厚みの測定を行い、この結果から積層比を算出した。
熱可塑性樹脂層/支持層にて構成される2層積層構成の場合は、アッベ屈折率計を用いて面配向係数を測定する層(以下、測定層とする)をガラス面に密着させ、次いでナトリウムD線を光源として、長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)を測定し、下記式より測定層の面配向係数fnを求めた。
・fn=(Nx+Ny)/2−Nz
また、熱可塑性樹脂層/支持層/熱可塑性樹脂層にて構成される3層積層構成の場合など、表層に表れていない測定層(この場合は支持層)を測定するときは、方法は特に限定されないが測定層が表に出てくるようにする。この場合は断面を切断し(熱可塑性樹脂層を切り離すように切断する)、これにより表層に現れた測定層の面配向係数fnを上記方法にて測定した。断面を切断する方法は特に限定されないが、ここではミクロトームを用いた。
Tg、Tcc、Tm、ΔHcの測定を示差走査熱量測定(以下DSC)として、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて行った。まず、アルミニウム製受皿に1mgの組成物またはフィルムサンプルを充填する。また、表層の熱可塑性樹脂層のサンプルを採取する際は、表面をカッターで削りサンプルを採取した。この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温させたときの過程で各熱特性を測定した。図2に典型的な結晶性樹脂の測定結果を例示する。図2(a)に示す階段状の中心点がTgであり、Tgの後に現れる、結晶化エネルギーのピーク温度(図2(b))がTccである。また、Tccの後に現れる図2(c)の吸熱ピーク温度がTmである。また、ΔHcは、図2(b)に現される冷結晶化ピーク温度(以下Tcc)のTg側の変位点(図2(d))と、Tm側の変位点(図2(e))とを直線で結んだベースライン(図2(d))とTcc曲線が作る図2(g)の斜線部面積から算出した発熱量を重さで割った値J/gの絶対値を用い、5回測定した内の最大値と最小値を除いた値の平均値を用いた。また、図3(1)のように、結晶化ピーク温度が高く、吸熱ピークであるTmの変位点と重なっているため、ΔHcのTm側の変位点が曖昧となる場合は、Tm−20℃の点(図3(1)a)をTm側の変位点としてベースラインを結び斜線部面積からΔHcを求めた。この場合、Tg側の変位点は明確である図3(1)bとなる。また、図3(2)のように、Tg側の変位点が曖昧な場合は、Tccピーク温度−20℃をTg側の変位点(図3(2)a)としてベースラインを結び、斜線部面積からΔHcを算出する。また、図3(3)のようにTccピーク温度が不明確な場合は、まずTccピーク温度を決定するため、Tg+20℃の点(図3(3)a)とTm−20℃(図3(3)b)の点を結んだ直線を引く。この直線から最も遠い点をTccピーク温度(図3(3)c)とした。次に、Tccピーク温度±20℃の点を、それぞれ、Tg側の変位点(図3(4)a)、Tm側の変位点(図3(4)b)としてベースラインを結び、斜線部面積(図3(4)c)を割り出し、ΔHcを算出した。
スガ試験(株)製、全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを用い、全光線透過率を測定した。フィルムは50mm各に切り出し、熱可塑性樹脂層が片面積層の場合には光が支持層側から入射、熱可塑性樹脂層/支持層/熱可塑性樹脂層の3層積層の場合は厚みの薄いポリエステル樹脂層から入射、同じ厚みの場合は、両面から測定してその平均値から算出して求めた。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで示す。
本発明の経時安定性評価の経時処理として、ヒーターオーブン内に成形品をカプトンテープにて四隅を固定した状態で評価する樹脂のTg[℃]雰囲気下にて500時間で放置した後、自然冷却し、その後サンプルを取り出した。
成形品および経時処理後の成形品の断面を切り出して、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子データム(株)製電界放射走査電子顕微鏡JSM−6700F型を用い、成形パターンの形状に応じて100〜10000倍で写真を撮影し、断面観察を行った。経時処理後の成形品の凸部は図8(b)5に例示したとおり、幅はS’、高さはH’で表される。
例えば特開平5−119311号公報にあるような直下型バックライトから冷陰極線管の上に設定されていた拡散板(厚さ2mmのアクリル製)を取り外し、ここに図9(a)のとおり75mm四方に切り抜いた成形品/ビーズシート/乳白板の順位搭載し、冷陰極線管が三本入るよう75mm四方を反射板で囲む。ここで成形品の凹凸を有する面がCCDカメラ側となるように、かつ、その成形品のパターン形状であるストライプ方向と平行する方向と冷陰極線管の長手方向とを一致させるように設置する。次に、冷陰極線管を60分間点灯して光源を安定させたのちに、EYESCALE−3((株)アイ・システム)を用い、付属のCCDカメラをバックライト表面から90cmの地点にバックライト面に対して正面となるように設置し、輝度(cd/m2)を測定した。次に測定した輝度から、成形品を中央として、25mm四方の面積(図9(b))から9801(99×99)点の輝度を抽出し、この平均値を輝度とした。
経時安定性を評価する場合、成形品の凹凸形状は、凸部の間に平坦部のない三角形ストライプパターン(図5、(c)参照))金型を用いる。また、熱可塑性樹脂層の厚みに応じて凸部幅S、凸部高さHの金型を選定し、該樹脂層の厚みが6.5μm以上である場合は、凸部幅S25μm、凸部高さH12.5μmの金型を用いて成形品を得る。また、4.5μm〜6.5μmである場合は、凸部幅S18μm、凸部高さH9μm、4.5μm未満である場合は、凸部幅S2μm、凸部高さH1μmの金型を用いる。成形品および経時処理後の成形品の凸部高さHおよびH’から、H’/H×100=高さ保持率(%)
を、該成形品および該経時処理後の成形品の輝度LおよびL’からL’/L×100=輝度保持率(%)を求め、ここから経時安定性は次のように判定した。
・高さ保持率が95%以上であって、輝度保持率が98%以上である:◎
・高さ保持率が90%以上95%未満であって、輝度保持率が98%以上である:○
・高さ保持率が95%以上であって、輝度保持率が95%以上98%未満である:○
・高さ保持率が90%以上95%未満であって、輝度保持率が95%以上98%未満である:△
・高さ保持率が90%未満である:×
・輝度保持率が95%未満である:×
二軸配向積層フィルムの熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として170℃で3時間乾燥した固有粘度が0.65dl/gである2,6−ナフタレンジカルボン酸8モル%共重合PET、支持層として180℃で3時間乾燥したPETを用い、それぞれ別の押出機内280℃で溶融させ、溶融2層共押出口金から押し出された積層樹脂を25℃に保たれた冷却ドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化した。次いで、該キャストフィルムを長手方向にロール式延伸機にて94℃で3.3倍に延伸した後、テンターに導入し、110℃で3.3倍に横延伸後、245℃に制御された温度ゾーンで熱処理を施し、その後、幅方向に170℃で4%弛緩処理を行った後、室温まで冷却して巻取り、熱可塑性樹脂層の厚みが10μm、支持層の厚みが30μm、全体で40μmの二軸配向積層フィルムを得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム熱可塑性樹脂層のTg1が82.0℃、ΔHc1が4.0J/gであることを確認した。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、固有粘度が0.61dl/gである2,6−ナフタレンジカルボン酸12モル%共重合PETを用いたこと、二軸配向後の熱処理を240℃で行ったこと以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が85℃、ΔHc1が3.5J/gであることを確認した。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9306cd/m2であり、高さH’は11.5μmであった。この結果から高さ保持率は93.5%、輝度保持率は99.0%であり、経時安定性に優れていた。
フィルムの積層構成を熱可塑性樹脂層/支持層/熱可塑性樹脂層として、それぞれのフィルム厚みを8μm/24μm/8μmの全厚が40μmとなるようにしたこと以外は実施例2と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が84℃、ΔHc1が4.2J/gであることを確認した。また、本フィルムは支持層を中心として、同厚みとなるよう対称的に熱可塑性樹脂層が積層されているためカール特性に優れていることが確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9275cd/m2であり、高さH’は11.6μmであった。この結果から高さ保持率は94.0%、輝度保持率は99.2%であり、経時安定性に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の重合時に結晶核剤として酢酸ナトリウムを0.3重量%の割合で添加したこと以外は実施例3と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が86℃、ΔHc1は7.8J/gであり、結晶核剤の添加により、ΔHcがさらに増加し、Tcc1も低下していることが確認された。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9266cd/m2であり、高さH’は11.8μmであった。この結果から高さ保持率は96.2%であり、輝度保持率は99.0%と、経時安定性に非常に優れていた。
キャストフィルムを長手方向にロール式延伸機にて94℃で3.3倍に延伸した一軸配向フィルムに空気中でコロナ放電を施し、その熱可塑性樹脂層処理面に最表層となるよう離型層として信越化学工業(株)社製“KM3951”50.0重量部、信越化学工業(株)社製“CAT−PM−10A”が2.5重量部、水が347.5重量部となるように調整した塗剤をインラインコーティング法によって塗布した、また、二軸配向積層フィルムを熱成形する際のプレス面を離型層側としたこと以外は実施例4と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が84℃、ΔHc1が7.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9294cd/m2であり、高さH’は12.0μmであった。この結果から高さ保持率は97.6%であり、輝度保持率は99.4%と、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の固有粘度を0.70dl/g、245℃に制御された温度ゾーンで熱処理を施したこと以外は、実施例5と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。ポリエステル樹脂層のTg1が85℃、ΔHc1が6.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9269cd/m2であり、高さH’は12.1μmであった。この結果から高さ保持率は98.5%であり、固有粘度を高くしたことによって高さ保持率が向上した。また、輝度保持率は99.1%と、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の重合時に結晶核剤としてアルミナを0.3重量%の割合で添加したこと以外は実施例5と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が84℃、ΔHc1が8.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9275cd/m2であり、高さH’は12.0μmであった。この結果から高さ保持率は97.6%であり、輝度保持率は99.2%と、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の重合時に結晶核剤としてタルクを0.3重量%の割合で添加したこと以外は実施例7と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が85℃、ΔHc1が12.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9362cd/m2であり、高さH’は12.1μmであった。この結果から高さ保持率は98.5%であり、輝度保持率は99.6%と、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の重合時に結晶核剤としてジメチルフェニルホスホネートを0.35重量%の割合で添加したこと以外は実施例7と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が86℃、ΔHc1が8.8J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9255cd/m2であり、高さH’は12.1μmであった。この結果から高さ保持率は98.5%であり、輝度保持率は99.2%と、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、2,6−ナフタレンジカルボン酸15モル%共重合PETを用い、さらに結晶性樹脂としてPETを10重量%の割合でコンパウンドした樹脂を用いたこと以外は実施例3と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が84℃、ΔHc1が7.0J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9324cd/m2であり、高さH’は12.1μmであった。この結果から高さ保持率は98.5%であり、輝度保持率は99.4%と、PETをコンパウンドしたことによって熱可塑性樹脂層を構成する樹脂マトリックス中に結晶配向鎖が分散することによって、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、スピログリコール20モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例10と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が90℃、ΔHc1が3.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9276cd/m2であり、高さH’は12.1μmであった。この結果から高さ保持率は98.5%であり、輝度保持率は99.0%と経時安定性に非常に優れていた。
結晶性樹脂として、重合時に結晶核剤として酢酸ナトリウムを0.3重量%の割合で添加したPETを10重量%の割合でコンパウンドした樹脂を用いたこと以外は実施例10と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が86℃、ΔHc1が8.5J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9332cd/m2であり、高さH’は12.2μmであった。この結果から高さ保持率は99.2%であり、輝度保持率は99.7%と、結晶核剤を添加したPETをコンパウンドしたことによって結晶化による効果と配向による効果に両方が発現し、経時安定性が非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、重合時に酢酸ナトリウムを0.3重量%の割合にて添加した2,6−ナフタレンジカルボン酸15モル%共重合PETを用い、さらに結晶性樹脂としてPETを10重量%の割合でコンパウンドした樹脂を用いたこと以外は実施例3と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が88℃、ΔHc1が16.3J/gであることを確認できた。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は9331cd/m2であり、高さH’は12.2μmであった。この結果から高さ保持率は99.2%であり、輝度保持率は99.8%と、PETをコンパウンドしたことによって熱可塑性樹脂層を構成する樹脂マトリックス中に結晶配向鎖が分散することによって、経時安定性に非常に優れていた。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の代わりに、イソフタル酸17.5モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例1と同様にして二軸配向フィルム、成形品および経時処理後の成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が76℃、ΔHc1が0.0J/gであることを確認した。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は8648cd/m2であり、高さH’は10.8μmであった。この結果から高さ保持率は87.8%であり、輝度保持率は92.0%と、ΔHc1の減少量が0J/gであることによって経時安定性が不良であった。
二軸配向積層フィルムの代わりに、単膜未延伸のシクロヘキサンジメタノール33モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例1と同様にして成形品および経時処理後の成形品を得た。得られたフィルムの固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が80℃、ΔHc1が0.0J/gであることを確認した。
得られた成形品の断面構造、輝度、ΔHc1’を表2に示す。ΔHc1’は0.0J/gであり、ΔHcの減少量が0.0J/gであることを確認した。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は8555cd/m2であり、高さH’は11.0μmであった。この結果から高さ保持率は89.2%であり、輝度保持率は91.2%と、ΔHc1の減少量が0J/gであることによって経時安定性が不良であった。
二軸配向積層フィルムの代わりに、単膜未延伸の2,6−ナフタレンジカルボン酸25モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例1と同様にして成形品および経時処理後の成形品を得た。得られたフィルムの固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が92℃、ΔHc1が0.0J/gであることを確認した。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は8705cd/m2であり、高さH’は10.8μmであった。この結果から高さ保持率は87.5%であり、輝度保持率は93.0%と、ΔHc1の減少量が0J/gであることによって経時安定性が不良であった。
二軸配向積層フィルムの代わりに、重合時に結晶核剤としてジメチルフェニルホスホネートを0.35重量%の割合で添加した未延伸のPETフィルムを用い、プレス温度を140℃、プレス圧力保持時間を5分としたこと以外は実施例1と同様にして成形品および経時処理後の成形品を得た。得られたフィルムの固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のTg1が80℃、ΔHc1が41.5J/gであることを確認した。
経時処理後の成形品の輝度、および断面構造を表2に示す。輝度は7000cd/m2であり、高さH’は12.0μmであった。この結果から高さ保持率は97.6%であるものの、輝度保持率は93.3%と、結晶化が起こりすぎたため、成形品および経時処理後の成形品の輝度が大幅に低下した。
二軸配向後の熱処理温度を200℃としたこと以外は、実施例5と同様にして二軸配向フィルムおよび成形品を得た。得られた二軸配向積層フィルムの積層構成、樹脂の固有粘度、熱物性、面配向係数、全光線透過率を表1および2に示す。熱可塑性樹脂層のΔHc1が0.0J/gであることを確認した。
2 成形品の凹部
3 金型の凸部
4 金型の凹部
5 経時処理後の成形品の凸部
6 経時処理後の成形品の凹部
S 成形品凸部の幅
H 成形品凸部の高さ
S’経時処理後の成形品凸部の幅
H’経時処理後の成形品凸部の高さ
S’’金型凹部の幅
H’’金型凹部の高さ
Claims (4)
- 少なくとも支持層と熱可塑性樹脂層からなる2層以上の二軸配向積層フィルムであって、該二軸配向積層フィルムの少なくとも一方の表層が熱可塑性樹脂層であり、該熱可塑性樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度をTg1℃、結晶融解吸熱ピーク温度をTm1℃、結晶化エネルギーをΔHc1J/gとしたとき、Tg1より高くTm1未満の温度で加熱した後の結晶化エネルギーΔHc1’J/gがΔHc1よりも1〜20J/g低い二軸配向積層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の結晶化エネルギーΔHc1が1〜40J/gである請求項1に記載の二軸配向積層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の結晶化温度Tcc1とTg1の差ΔTcg1(=Tcc1−Tg1)が50℃〜80℃である請求項1または2に記載の二軸配向積層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂中に結晶核剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向積層フィルム。
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