JP4924348B2 - 微細加工用二軸延伸積層フィルム、およびその製造方法、成形加工シートおよびその成形方法 - Google Patents
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Description
液晶ディスプレイに用いられるバックライト、例えば、画面の直下に蛍光管を配置した構造をもつ直下型バックライトでは、輝度および面内の均斉度を向上させることが必要である。このため、例えば表面に特定の微細パターンを形成することにより、蛍光管の像が透けて見える、いわゆる管むらを解消して均斉度を向上させ、かつ輝度を高めることができる安価で高性能な拡散シートの検討が進められている。
チョウら(S.Y.Chou et al.),「アプライド・フィジックス・レター(Appl.Phys.Lett.)」,米国,アメリカ物理学会,1995年,第67巻,第21号,p.3314
次いで、二軸延伸した後に、成形層を構成する樹脂の融解吸熱ピーク温度(Tm1)以上で、かつ、支持層を構成する樹脂の融解吸熱ピーク温度(Tm2)未満の温度で熱処理することを特徴とするものである。かかる成形層を構成する樹脂としてはポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)≦T1≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+60℃ ・・・(1)
T2≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃ ・・・(2)
T2<T1 ・・・(3)
T3≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg) ・・・(4)
ここで、面配向係数とは、ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)を測定し、
・fn=(Nx+Ny)/2−Nz
より求めた値である。
T2≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃ ・・・(2)
T2<T1 ・・・(3)
T3≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg) ・・・(4)。
上記式を満たして成形することにより、前述の理由により成形性、面内均一性および離型性に優れる。
・T4=(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+40℃
・T5=(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃
・T6=(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)。
離型力が1.0kg重を超えると、金型からフィルムを離型するときに、フィルムと金型の粘着力が増加することによって、成形パターン崩れが発生する場合がある。
A.微細加工用二軸延伸積層フィルムの積層構成
フィルムの断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い500倍で写真を撮影し、断面観察を行い成形層と支持層の積層厚みの測定を行い、この結果から積層比を算出した。
成形層/支持層にて構成される2層積層構成の場合は、アッベ屈折率計を用いて面配向係数を測定する層(以下、測定層とする)をガラス面に密着させ、次いでナトリウムD線を光源として、長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx、Ny、Nz)を測定し、下記式より測定層の面配向係数fnを求めた。
・fn=(Nx+Ny)/2−Nz
また、成形層/支持層/成形層にて構成される3層積層構成の場合など、表層に表れていない測定層(この場合は支持層)を測定するときは、方法は特に限定されないが測定層が表に出てくるようにする。この場合は断面を切断し(成形層を切り離すように切断する)、これにより表層に現れた測定層の面配向係数fnを上記方法にて測定した。断面を切断する方法は特に限定されないが、ここではミクロトームを用いた。
示差走査熱量測定(DSC)として、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、アルミニウム製受皿に5mgの組成物またはフィルムサンプルを充填する。この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させる。次いで液体窒素で急冷し、この過程でガラス転移温度を測定した。
示差走査熱量測定(DSC)として、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、アルミニウム製受皿に5mgの組成物またはフィルムサンプルを充填する。この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させ、この過程で融点を測定した。
フィルム長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状のサンプルを切り出して用いた。JIS K−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験機を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行いその破断強度の平均値(X)を求めた。
スガ試験(株)製、全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを用い、全光線透過率を測定した。フィルムは50mm各に切り出し、成形層が片面積層の場合には光が支持層側から入射、成形層/支持層/成形層の3層積層の場合は厚みの薄い成形層から入射、同じ厚みの場合は、両面から測定してその平均値から算出して求めた。
金型、成形加工シートの断面を切り出して白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い300倍で写真を撮影し、断面観察を行い、金型凹部の高さH’、及び幅S’、アスペクト比H’/S’、凹部の断面積A’、成形加工シート凸部の高さH、及び幅S、アスペクト比H/S、凸部の断面積Aを求めた。ここから成形性は次のように判定した。成形加工シート凹部の断面積Aと金型の凸部断面積A’からA/A’を求めて
0.90以上:○
0.90未満:×
とした。また、成形のときに発生した部分的な欠点や離型性悪化によるパターンの形状変化など、面積は同一であるが金型のパターン形状から成形後に得られた成形加工シートのパターン形状が著しく変化をした場合は成形性不良とみなした。また、金型の断面が切り出しにくい場合は、金型表面凹凸を再現できるようにレプリカを作成し、作成したレプリカ断面の凸部を金型凹部、レプリカ凹部を金型凸部として判定を行った。
表面粗さ(以下Ra)が3nm、平行度が1μmのNi材質の金型(一辺40mmの立方体)を準備した。微細加工用二軸延伸積層フィルムと金型をプレス温度T4まで加熱(図14(a))した後、該金型を該フィルムの離型層側に3MPaにてプレス(図14(b))した。次いで該金型と該フィルムを冷却(冷却温度:T5)した後、プレスを開放した。接着した該金型と該フィルムをプッシュプルゲージへ設置する(図15)。所定離型温度まで冷却(離型温度:T7)して、金型からフィルムを10mm/秒の速度で金型中心まで離型したときの最大力を測定した。これを3回繰り返したときの値の平均値を離型応力とした(離型応力のうち、成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tgで離型したときの値を、本発明では離型力という)。ここで、T4、T5、T7は下記値とする。
・T4=(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+40℃
・T5=(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃
・T7=(離型したときの温度)。
微細加工用二軸延伸積層フィルム、及び金型(矩形ストライプパターン(ピッチ100μm、凸部幅S’100μm、高さH’150μm、アスペクト比1.5、図4、(b)参照))を120℃に加熱し、微細加工用二軸延伸積層フィルムの離型層側または離型層がない場合は成形層側と金型の凹凸面を接触させて5MPaでプレスし、そのまま60秒保持する。その後100℃に冷却後プレスを解放し、所定の温度に冷却して金型からフィルムを離型したとき、次のように、所定温度における離型性を判定した。
・金型とフィルムに粘着が起こり、これに起因した成形パターン崩れが発生する:×
・金型とフィルムに粘着が起こるが、成形パターン崩れは殆どない:△
・金型とフィルムに粘着がなく、成形パターン崩れが発生しない:○。
微細加工用二軸延伸積層フィルム成形層の樹脂として170℃で3時間乾燥したイソフタル酸17.5モル%共重合PET、支持層の樹脂として180℃で3時間乾燥したPETを用い、それぞれ別の押出機内280℃で溶融させ、溶融2層共押出口金から押し出された積層樹脂を25℃に保たれた冷却ドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化した。次いで、該キャストフィルムを長手方向にロール式延伸機にて90℃で3.3倍に延伸した後、テンターに導入し、110℃で3.2倍に横延伸後、225℃に制御された温度ゾーンで熱処理を施し、その後、幅方向に170℃で4%弛緩処理を行った後、室温まで冷却して巻取り、成形層の厚みが100μm、支持層の厚みが200μm、全体で300μmの微細加工用二軸延伸積層フィルムを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数が0.167であったため破断強度は250MPaであり機械的強度に優れていることを確認した。
熱処理温度を240℃とすること以外は実施例1と同様に微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.164となり、破断強度も180MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、実施例1よりも高温で熱処理することにより成形層樹脂のアモルファス部が増加し成形層の面配向係数が0.008となっていることを確認した。
微細加工用二軸延伸積層フィルムの積層構成を、成形層/支持層/成形層の3層構成とし、成形層の1層当たりの厚みを100μm、支持層の厚みを200μm、全体厚みを400μmとすること以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.163となり、破断強度も210MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数は0.005であった。
金型として矩形ストライプパターン(ピッチ50μm、凸部幅S’50μm、高さH’200μm、アスペクト比4.0、図4、(b)参照))を用いること以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.164となり、破断強度も220MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数が0.004であった。
得られた成形加工シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が十分に転写されており(A/A’=0.96)、幅S50μm、高さH192μmのストライプ矩形パターンを形成できていることを確認した。
微細加工用二軸延伸積層フィルムの積層構成を、成形層/支持層/成形層の3層構成とし、成形層の1層当たりの厚みを40μm、支持層の厚みを160μm、全体厚みを240μmとし、成形層として、2,6−ナフタレンジカルボン酸12モル%共重合PETを用い、金型として正三角形ストライプパターン(ピッチ50μm、凸部幅S’50μm、高さH’25μm、アスペクト比0.5、図3(c)、図4(b)参照))を用いたこと以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.162となり、破断強度も225MPaと機械的強度に優れていることを確認した。
成形層樹脂としての重合時に酢酸ナトリウムを0.3重量%の割合で添加した2,6−ナフタレンジカルボン酸12モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例5と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.160となり、破断強度も205MPaと機械的強度に優れていることを確認した。
成形層として、2,6−ナフタレンジカルボン酸15モル%共重合PETを用いたこと以外は実施例5と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.162となり、破断強度も195MPaと機械的強度に優れていることを確認した。
成形層として、スピログリコール45mol%共重合PET、支持層としてポリエチレン−2,6−ナフタレートを用い、長手方向にロール式延伸機にて125℃で3.3倍に延伸した後、テンターに導入し、140℃で3.2倍に横延伸後に240℃に制御された温度ゾーンで熱処理を施したこと以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.164となり、破断強度も235MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層を構成する樹脂がスピログリコール45mol%共重合PETを用いたことによって樹脂のアモルファス部が増加し、成形層の面配向係数が0.005であった。
成形層として、スピログリコール10mol%共重合PETを用い、長手方向にロール式延伸機にて95℃で3.3倍に延伸した後、テンターに導入し、115℃で3.2倍に横延伸したこと以外は実施例8と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数が0.165であったため破断強度は215MPaであり機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層を構成する樹脂がスピログリコール10mol%共重合PETを用いたことによって樹脂のアモルファス部が増加し、成形層の面配向係数が0.008であった。
支持層樹脂としてPENを用い、成形層樹脂のジオール成分として、9,9’−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン30mol%共重合PETを用い、長手方向にロール式延伸機にて130℃で3.3倍に延伸した後、テンターに導入し、150℃で3.2倍に横延伸したこと以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.164となり、破断強度も220MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層を構成する樹脂が9,9’−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン30mol%共重合PETを用いたことによって樹脂のアモルファス部が増加し、成形層の面配向係数が0.003であった。
成形層の厚みを50μmとし、離型温度を下記温度にしたこと以外は実施例2と同様に微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融解吸熱ピーク温度Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度、50℃、60℃、75℃における離型応力および離型性を測定した。結果を表1、表2および表3に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.161となり、破断強度も210MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数が0.005となっていることを確認した。
キャストフィルムを長手方向にロール式延伸機にて90℃で3.3倍に延伸した一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電を施し、その成形層処理面に最表層となるよう離型層として米国AXEL社製“XTEND−W7283”を水で固形分濃度が2.5%となるように調整した塗剤をインラインコーティング法によって塗布したこと以外は実施例11と同様に微細加工用二軸延伸積層フィルムと成形加工シートを得た。結果を表1、表2および表3に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.163となり、破断強度も203MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数が0.006となっていることを確認した。
離型層として、日信化学工業(株)社製“ビニブランFJ16”を水で固形分濃度が2.5%となるように調整した塗材を用いたこと以外は実施例11と同様に微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。結果を表1、表2および表3に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.165となり、破断強度も191MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数が0.008となっていることを確認した。
キャストフィルムを長手方向にロール式延伸機にて90℃で3.3倍に延伸した一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電を施し、その成形層処理面に最表層となるよう離型層として信越化学工業(株)社製“KM3951”50.0重量部、信越化学工業(株)社製“CAT−PM−10A”が2.5重量部、水が347.5重量部となるように調整した塗剤をインラインコーティング法によって塗布したこと以外は実施例5と同様に微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。結果を表1、表2および表3に示す。該フィルム支持層の面配向係数は0.165となり、破断強度も225MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、成形層の面配向係数が0.082となっていることを確認した。
成形層を積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融点Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層を構成する樹脂の面配向係数が0.164となり、破断強度も240MPaと機械的強度に優れていることを確認した。しかし、得られた成形加工シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、面配向係数が0.164である配向状態の支持層へ成形を実施したことによって金型の形状が十分に転写されておらず(A/A’=0.35)、幅S99μm、高さH35μmのストライプ矩形パターンであり成形が不十分であった。
支持層を積層せずに、200℃に制御された温度ゾーンで熱処理したこと以外は実施例1と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融点Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。得られた成形加工シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、成形層の面配向係数が0.046であったため金型の形状が十分に転写されており(A/A’=0.98)、幅S99μm、高さH148μmのストライプ矩形パターンを形成されていることが確認されたが、配向状態によって機械的強度を維持する支持層がなく、成形層の面配向係数が0.003であるため機械的強度が68MPaと不十分であった。
熱処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融点Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数が0.168であったため破断強度は240MPaであり機械的強度に優れていることを確認した。しかし、成形加工シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、熱処理を施していないため、成形層の面配向係数も0.103と高く、金型の形状が十分に転写されておらず(A/A’=0.64、幅S99μm、高さH97μmのストライプ矩形パターンであり成形が不十分であった。
成形層と支持層の積層構成を、支持層/成形層/支持層とする3層積層構成とし、成形層の厚みを200μm、支持層の1層当たりの厚みを100μmとすること以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの融点Tm、積層比、面配向係数、全光線透過率、破断強度を測定した。結果を表1および2に示す。該フィルム支持層の面配向係数が0.166であったため破断強度は240MPaであり機械的強度に優れていることを確認した。しかし、得られた成形加工シートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、成形層が表面に無く、面配向係数が0.166である支持層への成形のため金型の形状が十分に転写されておらず(A/A’=0.77)、幅S99μm、高さH117μmのストライプ矩形パターンであり成形が不十分であった。
微細加工用二軸延伸積層フィルムの支持層側と金型の凹凸面を接触させたこと以外は実施例2と同様にして微細加工用二軸延伸積層フィルムおよび成形加工シートを得た。得られた微細加工用二軸延伸積層フィルムの積層比、面配向係数、ガラス転移温度Tg、融点Tmを測定した。結果を表1および2に示す。支持層の面配向係数が0.164となり、破断強度も215MPaと機械的強度に優れていることを確認した。また、該フィルム成形層の面配向係数は0.008であった。
2 金型の凹部
3 金型の凸部
4 金型の凹部
5 金型の凹部高さ
6 金型凹部高さを除く金型部分
7 成形加工シートの凸部
8 成形加工シートの凹部
9 成形加工シート凸部の高さ
10 成形加工シート基部
11 支持層
l 成形加工シート基部の高さ
S 成形加工シート凸部の幅
t 成形加工シート凹部の幅
H 成形加工シート凸部の高さ
K 支持層の高さ
S’ 金型凹部の幅
H’ 金型凹部の高さ
t’ 金型凸部の幅
Claims (11)
- 少なくとも成形層と支持層からなる二軸延伸積層フィルムであって、該フィルムは、少なくとも一方の表面に成形層が積層され、さらに、明細書で定義する、成形層の面配向係数fnが0.00以上0.10以下、かつ、支持層の面配向係数fnが0.10以上0.18未満の範囲を満たすことを特徴とする微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 前記成形層を構成する樹脂の、明細書で定義する示差走査熱量測定(以下DSC)により得られる融解吸熱ピーク温度Tm1が、前記支持層の融解吸熱ピーク温度Tm2よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 前記成形層を構成する樹脂の、明細書で定義する、DSCにより得られるガラス転移温度(以下Tg)が、80℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 前記成形層が、ポリエステルを主成分とする樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 前記成形層を構成する樹脂が、ナフタレンジカルボン酸を5〜50モル%の割合で共重合されてなるポリエステルを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 前記成形層を構成する樹脂が、スピログリコールを5〜50モル%、またはフルオレン骨格を有するジオール成分が5〜60モル%の割合で共重合されてなるポリエステルを主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルムを製造する方法であって、二軸延伸後に成形層を構成する樹脂の融解吸熱ピーク温度Tm1以上、かつ、支持層を構成する樹脂の融解吸熱ピーク温度Tm2未満の温度で熱処理することを特徴とする微細加工用二軸延伸積層フィルムの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルムの成形層に、凹凸形状を賦形した成形加工シート。
- 前記凹凸形状の凸部断面の高さHと幅Sの比(H/S)が0.1〜20の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の成形加工シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の微細加工用二軸延伸積層フィルムと、金型をプレス温度T1まで加熱して該金型を該フィルムの成形層側にプレスし、次いで該金型と該フィルムを冷却(冷却温度:T2)した後にプレスを開放し、該フィルムを離型温度まで冷却(離型温度:T3)して金型を離型することにより、金型形状を転写する成形方法であって、T1、T2およびT3が下記式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする成形加工シートの成形方法。
(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)≦T1≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+60℃ ・・・(1)
T2≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg)+20℃ ・・・(2)
T2<T1 ・・・(3)
T3≦(成形層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg) ・・・(4) - 凹部の幅S’が0.01〜200μm、凹部の高さH’が0.02〜400μm、かつ凹部の高さH’と凹部の幅S’の比(H’/S’)が0.1〜20の範囲の凹凸形状を有する金型を用いることを特徴とする請求項10に記載の成形加工シートの成形方法。
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