JP2010117394A - レンズシート及び液晶表示装置用面光源 - Google Patents

レンズシート及び液晶表示装置用面光源 Download PDF

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直樹 辻内
Yusuke Kawabata
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Abstract

【課題】
レンズ層を有しながらも耐久試験下においてカールが抑制でき、さらに輝度を低下させることなくギラツキ、モアレを抑えることができるレンズシートを提供する。
【解決手段】
本発明のレンズシートは、一方の表面にレンズ形状が形成され、もう一方の表面に中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下及び平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である凹凸形状が形成されたレンズシートであって、該レンズ形状を形成する樹脂の主成分と該微細凹凸形状を形成する樹脂の主成分とが同一の樹脂からなることを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型、且つ輝度向上に優れ、カール、ギラツキやモアレが抑えられた光学シートおよびそれを用いた液晶表示装置用面光源に関するものである。
液晶表示装置は、ノートパソコンや携帯電話機器を始め、テレビ、モニター、カーナビゲーション等、多様な用途に用いられている。液晶表示装置には、光源となるバックライト装置が組み込まれており、バックライト装置からの光線を液晶セルに通して制御することにより、表示される仕組みとなっている。このバックライト装置に求められる特性は、単に光を出射する光源としてだけではなく、画面全体を明るく且つ均一に光らせることである。
バックライト装置の構成は大きく二つに分けることができる。1つは、直下型バックライトと称される方式である。これは、大型化・高輝度化が求められるテレビ用途に好ましく用いられる方式であるが、基本構成としては、画面奥に直接蛍光管を並べた構造が特徴である。画面奥に線状または一部線状の蛍光管を複数本平行に並べることにより、大画面にも対応可能で、さらに明るさも十分に確保できる。しかしながら、特徴でもある画面奥に設置された蛍光管による画面内の明るさムラ(輝度ムラ)が生じる。つまり、複数本並んでいる蛍光管の真上は明るく、隣接する蛍光管の間が暗くなる(管ムラ)。このため、直下型バックライトでは、この管ムラを解消するため、極めて強い光拡散性を有する拡散板を蛍光管の上側に設置し、画面の均一化を図っている。
また、もう1つの方式は、サイドライト型バックライトと称される方式である。これは、例えば薄型化・小型化が求められる携帯電話、ノートパソコン等に主に使用される方式であるが、基本構成として導光板を用いるのが特徴である。サイドライト型バックライトの場合、導光板の側面に蛍光管を設置し、側面から導光板に光線を入射させて、導光板内部を全反射させながら面内全体に光を伝搬しつつ、導光板の裏面に施された拡散ドット等により一部を全反射条件から離脱させて導光板前面から採光することにより、バックライトすなわち面光源として機能させるものである。サイドライト型バックライトの場合には、これら構成以外にも、導光板の裏面から漏れ出る光を反射させて再利用させる機能を担う反射フィルム、導光板前面から出射する光を均一化させる拡散シート、正面輝度を向上させるプリズムシートに代表される集光シート、そして液晶パネル上での輝度を向上させる輝度向上シートなど、多種類の光学フィルムが用いられている。その中で一般的に用いられるプリズムシートは透明基材の上に光硬化樹脂を塗布しプリズムパターンを形成して作製しており(特許文献1)、またモアレ防止のためにプリズムパターン面と逆の面に粗面処理を施している(特許文献2)。
特許第2670518号公報 特開平6−102506号公報
しかしながら、特許文献1のプリズムシートは、加熱、あるいは加湿の耐久性試験においてプリズム層を形成している光硬化樹脂層の収縮に伴うカールが発生し、色むらなど表示品位上の問題が発生する。また特許文献2はドットパターンを設けるための工程が必要であり、生産性に乏しくコストも高くなる。またフィルムと屈折率の異なる樹脂を用いると拡散性が上昇するため輝度が低下する。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のレンズシートは、一方の表面にレンズ形状が形成され、もう一方の表面に中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下及び平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である凹凸形状が形成されたレンズシートであって、該レンズ形状を形成する樹脂の主成分と該凹凸形状を形成する樹脂の主成分とが同一の樹脂からなるものである。
また、本発明の液晶表示装置用面光源は、本発明のレンズシートを搭載したものである。
本発明によれば、レンズ層を有しながらも耐久試験下においてカールを抑制したレンズシートを提供することが可能になる。また輝度を低下させることなくギラツキ、モアレを抑えることによって、本レンズシートを搭載した液晶表示装置用面光源の表示品位を高めることができる。
本発明者らは、シートの層構成および表層の形状について鋭意検討し、シートを主成分が同一の樹脂を用いて対称形で形成し、さらに、熱可塑性樹脂面の一方にレンズ形状が、もう一方の表面に微細凹凸形成することにより上記課題を一挙に解決することを究明し、本発明に到達したものである。本発明のレンズシートは、一方の表面にレンズ形状が形成され、もう一方の表面に中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下及び平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である凹凸形状が形成されたレンズシートであって、該レンズ形状を形成する樹脂の主成分と該凹凸形状を形成する樹脂の主成分とが同一の樹脂からなることを特徴とするものである(図1)。
本発明は、シートの構成を1層あるいは主成分が同一の樹脂によって対称形にすることによってカールを抑制することができる。さらに、レンズ面の逆側に中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下、平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である凹凸形状を設けることにより、輝度を低下させることなく、ギラツキ、モアレを飛躍的に抑制できるという効果を奏するものである。以下、本発明のレンズシートについて詳細に説明する。
本発明における凹凸形状は、中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下、平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である。この範囲のうち1つでも小さい値があると凹凸高さや密度が足りずギラツキやモアレを抑制することが出来ない。またこの範囲より1つでも大きい値があるとギラツキやモアレを抑制することはできるが、凹凸が大きすぎるためレンズの集光機能が悪化し、正面輝度が低下してしまう。凹凸形状の大きさは、好ましくは50nm≦Ra≦300nm、0.5μm≦Rz≦3μm、50μm≦Sm≦200μmであり、さらに好ましくは、50nm≦Ra≦200nm、0.5μm≦Rz≦2μm、50μm≦Sm≦150μmである。
本発明の光学シートは熱可塑性樹脂からなれば単層でも積層でもよいが、レンズ形状の成形性、平面性において、芯層を中心として最表面に表層が設けられた積層シートとし、表層を構成する樹脂のガラス転移温度(以下、Tg)よりも芯層を構成する樹脂のTgを高くすることが好ましい(図1)。ただし、積層シートの場合、芯層と、芯層の両面に主成分が同一組成の樹脂で構成された表層を設けた少なくとも3層の積層シートであることが必要である。この3層以外の層を積層してもよく、特に限定されるものではないが好ましい積層総数は3〜10である。少なくとも3層とするのは、機械的および熱的強度を付与する芯層の両方の面に、レンズ形状および凹凸形状を成形するための表層を設けるためである。また、前記芯層の両面に積層される表層として主成分が同一組成である樹脂で構成された層を設けることによりカールを抑制するためである。このように、両方の表層を構成する樹脂の主成分を同一組成とすることで、各表層の熱収縮率がほぼ同じとなり、加熱・加湿による光学シートのカールが抑制できる。ここで、主成分が同一組成であるとは、それぞれの層を構成する樹脂成分のうち、50質量%以上が同一樹脂であることをいう。
本発明における表層を構成する樹脂全体のTgは80℃以上であるのが好ましい。液晶表示装置に用いる光学シートの場合、通常、耐久性試験として、加熱のみ、及び加熱加湿条件下での試験が実施される。温度としては60〜80℃、湿度としては80〜95%の範囲が採用されることが多い。特に厚みが60μmを下回る光学フィルムは、この条件下で試験をするとカールが顕著になる。従来のポリエステル樹脂の上にアクリル系UV硬化樹脂からなるプリズム成形したプリズムシートでは特にカールが大きくなる。そこで、表層としては表面賦形が可能であることに加え、前記耐久性試験での温度、湿度範囲で変形が起こらないことも必要である。すなわち、表層を構成する樹脂全体のTgとしては、前記試験温度よりも高い温度である80℃以上とすることが好ましい。Tgが80℃を下回ると、耐久性試験時にシート表面に賦形した形状が変形又は/及びシート自体の平面性が悪化する場合がある。これら光学シートをバックライトユニットに組み込むと、光学特性ムラとして観測される。表層を構成する樹脂全体のTgは好ましくは80〜120℃である。Tgが120℃を越えると、Tgが高すぎるために表面賦形時の精度が高めにくくなり、プリズムシートのように頂部が尖った形状を賦形した場合、金型通りの形状には成形されず、頂部が丸まった低精度の成形品となることがある。また、表面賦形時に高温まで金型を上昇させる時間、樹脂に金型を押し当てた後に金型を冷却する時間が非常にかかるため生産性に乏しくなる。
本発明においては、芯層を構成する樹脂として非晶性樹脂を用いることが好ましい。液晶ディスプレイなどに使用される光学シート用樹脂として、透明性に優れた非晶性樹脂を用いることが一般的である。また、溶融押出にて非晶性樹脂を製膜する場合、結晶性樹脂のように、結晶性低下のための急冷は不要であるため、ゆっくり冷却することができるため厚み精度に優れたシートの製膜が可能である。また、非晶性樹脂からなるシートを加工して表面形状を賦形した場合には、Tg以上の温度に加熱されると、形状の変形が観測されるようになる。また芯層は平面性を付与するため表層よりTgが高いことが好ましい。
本発明においては、表層を構成する樹脂全体のTgは、芯層を構成する樹脂全体のTgよりも10℃以上低いほうが好ましい。Tgの差が10℃未満であると、表層に平板プレス法を用いて凸型形状を成形する際に、芯層にも熱が加わるため金型を剥離した際に、金型に追従してしまい平面性が悪くなる。また、表層を構成する樹脂全体のTgは、芯層を構成する樹脂全体のTgよりも10〜100℃低いことが好ましい。Tgの差が100℃を越えると共押出法を用いてシートを製膜したときにTgの低い方の樹脂が炭化してしまい、シートの品位が悪くなることがある。
前記表層および芯層を構成する樹脂としては熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スピログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、およびこれらを成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのうちでは、機械的強度、耐熱性、寸法安定性の点において、ポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂がより好ましく用いられる。
本発明のレンズシートの表層は、共重合が容易で種々の用途に応じた物性調整が可能であることや成形が容易であることなどの観点から、ポリエステルを主たる成分とする樹脂で構成されていることが好ましい。かかるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸などの酸成分とジオール成分から構成されるものである。
かかる芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸および4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸である。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2'−ビス(4'−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびジエチレングリコールであり、特に好ましくは、エチレングリコールである。 これらのジオール成分は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。ここで本発明の光学シートとしては、上述のポリエステルが50重量%以上から成ることが好ましい。
本発明のレンズシートの表層を構成するポリエステル樹脂は、上述にあげたジカルボン酸成分と、ジオール成分を適宜選択して、共重合させることにより得ることができる。ここで、本発明の積層シート表層を構成するポリエステル樹脂は、酸成分として、ナフタレンジカルボン酸を5〜50モル%の範囲で共重合されていることが好ましい。より好ましくは、5〜30モル%の範囲で共重合されていることである。ナフタレンジカルボン酸を5〜50モル%の範囲で共重合させることによって、樹脂の非晶部が増加してアモルファスとなりストライプ形状の成形性が向上し、また表層を構成するポリエステル樹脂が高Tg化して耐熱性が向上したり、高い透明性、および光学歪みを低減させる効果を奏するため好ましい。ナフタレンジカルボン酸が5モル%未満であると、ポリエステル樹脂の耐熱性が不足して、成形した凹凸形状が崩れる場合がある。一方、ナフタレンジカルボン酸が50モル%を越えると、Tが高くなり過ぎ、通常の熱処理温度では凹凸形状をうまく成形できない場合がある。このように凹凸形状がおかしくなると、光学シートをバックライトに組み込んだ際に、バックライトの輝度が低くなってしまう。
また、耐久性の面において、表層及び芯層を構成する樹脂として環状ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。ここで、環状ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン性二重結合を環内に有する重合性の環状オレフィンをモノマー単位として有するものであり、環状オレフィンとして、例えば、ノルボルネン系モノマー(単環、多環)などが例示される。
本発明に好ましく用いられる環状ポリオレフィン系樹脂は、上記環状オレフィンの単独重合体、二種以上の環状オレフィンの共重合体、又は環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体などのことをいう。
このような環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、下記式(1)で表される構成を用いることができる。
Figure 2010117394
上記式(1)において、Aは環状オレフィンモノマー、Bは鎖状共重合性モノマーを表している。式中のmは正の整数、nは0または正の整数を表している。
上記式(1)のAで表される環状オレフィンモノマーとしては、下記式(2)または(3)で表される構成単位を用いることができる。
Figure 2010117394
Figure 2010117394
上記式(2)において、aおよびbは0または正の整数を表している。また、R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基、−(CH)xCOOR(xは0又は正の整数を示す。Rは、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基を表す。)を示す。
また、上記式(3)において、cおよびdは0または正の整数を表している。また、R5〜R8は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基、−(CH)xCOOR10(xは0又は正の整数を示す。R10は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン置換炭化水素基を表す。)を示す。
上記Aで表される環状オレフィンモノマーとしては、1種類だけでなく2種類以上の環状オレフィンモノマーを共重合して用いることができる。
また、上記式(1)のBで表される鎖状共重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのα−オレフィン類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸などを用いることができる。これらのうちでは、α−オレフィン類が好ましく用いられる。
本発明の表層及び芯層を構成する樹脂としては、環状ポリオレフィンからなる樹脂であれば1種類の樹脂からなる構成であってもよいし、2種類以上の樹脂をブレンドして使用することも可能である。2種類以上の樹脂をブレンドする方法は、光学シートのガラス転移温度などの熱的物性、強伸度などの機械物性を制御することが可能となるため、好ましい態様である。
本発明の光学シートの材料となるシートの製造方法としては、熱可塑性樹脂を押出機に投入し溶融押出して口金から押出しする方法(溶融押出法)、フィルム形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布し乾燥する方法(コーティング法)があるが、溶融押出法が用いられることが一度の工程で精度良く積層製膜できる点において好ましい方法である。
また積層シートの場合は二つの異なる熱可塑性樹脂を二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入し溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、単膜で作製したシートをそれぞれ別々に作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、フィルム形成用材料を溶媒に溶解させ、その溶液をシート上に塗布し乾燥する方法(コーティング法)等、接着剤を介する事なく積層シートを製造することが挙げられる。接着剤を介さずに積層すると作業工程が少なくなり、コストが抑えられるので好ましい。これらのうちでは、共押出してシート状に加工する共押出法が、一度の工程で精度良く積層製膜できる点において好ましい方法である。
本発明のレンズシートの一方の表面にレンズ形状、もう一方の表面に凹凸形状を形成する方法の例を図2を用いて説明する。本発明の材料となる透明基材と、転写すべきパターンを反転したレンズ形状を有する金型とを、該透明基材の表層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg以上、Tg+60℃以下の温度範囲内に加熱し(図2(a))、前記透明基材の表面の一方を金型凹凸面と、もう一方の面を微細凹凸形状を設けたシート(以下微細凹凸シート)とを接近させ(図2(b))、そのまま所定圧力でプレス、所定時間保持する(図2(c))。次にプレスした状態を保持したまま降温する。最後にプレス圧力を解放して金型1と微細凹凸シートから透明基材を離型する(図2(d))。また、表面のパターン成形方法としては、図2に示したような平板をプレスする方法(平板プレス法)は、より微細で高アスペクト比のパターンを形成できる点において非常に優れている。さらに、後述するようにレンズ形状の突起先端の断面局率半径が5μm以下になるような形状を成型するには、表面にパターンを形成したロール状の金型を用いて、ロール状シートに成形し、ロール状の成形体を得るロールtoロールの連続成形法では難しいので、平面プレス法を用いることが好ましい。
一方、凹凸形状もレンズ形状同様、熱可塑性樹脂面に凹凸層を成型するため、バインダーの中に粒子を添加した層を付与する方法よりも輝度を落とすことがなく、また工程数が少なくてすみコストにおいても優れている。さらには、レンズ形状と主成分が同一の樹脂からなるため、前記シートを積層して用いる場合でもレンズ面に傷がつきにくく、品質的にも非常に優れている。
本発明のレンズシートの表面のレンズ形状としては、好ましくは用いる金型とパターンが反転したものである。レンズ形状を模式的に示す斜視図を図3(a)〜(e)に示す。表面のパターン部の配列構造としては、図3(a)、(b)に示すようなストライプ形状で、ストライプ形状の長手方向に平行な面で切断した際の切断面が凹凸形状になっていないもの、図3(c)に示すようなストライプ形状で、ストライプ形状の長手方向に平行な面で切断した際の縦断面が凹凸形状になっているもの、図3(d)に示すようなドーム形状、図3(e)に示すようなピラミッド形状等があり、さらにこれら以外の形状も用いることができる。
本発明のレンズシートの表面のレンズ形状の断面図を図4(a)〜(g)に例示する。ここで、レンズ形状の断面とは、レンズ形状の頂部を通り表層の平面に垂直な面で切断した際の切断面のことである。特にレンズ形状がストライプ形状の場合は、ストライプ形状の長手方向に垂直な平面で切断した際の切断面のことである。図4の断面にて観察されるパターンの形状として規則的なものとしては、三角形(図4(a))、半円(図4(b))、楕円(図4(c))、これらの形状の間があいたもの(図4(d)、(e)、(f))、およびこれらの混在したもの等が好ましく用いられる。またランダム形状も(図4(g))好ましく用いられることができ、さらにこれら以外の形状も用いることができる。ここで、図4(a)、(b)、(g)はそれぞれ、図3(a)、(b)、(c)のストライプ形状の断面に相当する。
本発明におけるレンズ形状は、突起先端の断面曲率半径で示して5μm以下のプリズムであることが好ましい。レンズシートとして輝度が向上するためには突起先端の断面曲率半径が小さいほうがよく、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1nm以上1μm以下である。1nm以下では、金型の成形性が非常に困難であり、生産性が悪くなることがある。
本発明のレンズシートが積層の場合、表層と芯層の積層比は、特に限定されないが、好ましくは表層の厚み(片面):芯層の厚み=1:0.05〜1:20、より好ましくは表層の厚み(片面):芯層の厚み=1:1〜1:10である。表層と芯層の積層比をこの範囲とすることで、薄膜でも充分な厚みの表層を有し、機械的強度を保ちながら、レンズシート全体のカールが低減するため好ましい。また、芯層の両側に設けられる表層同士の厚み比に関しては、レンズシートの全体のカールを低減するため1:1〜1:2であることが好ましい。
本発明のレンズシートにおいて、表層にレンズ形状を形成する前の表層の厚みHは、レンズ形状の断面の凹凸深さd以上の厚みがあることが好ましい。なお、図4(d)、(e)のようなストライプ形状と異なる場合はレンズ形状の最も高い部分からシートの厚み方向に垂直に切り、一番深い部分をdとする。高品質で歩留まりの高いパターン形成を行うためには、レンズ形状の断面の凹凸の最も深い底部から芯層までの厚みhがd/10≦h≦10dの範囲にあるのがさらに好ましい。hの値がd/10未満であると金型を表層に押し付けた際に金型の細部にまで充填するのが困難となる場合があり、また10dを越えると表層に形成したパターンの特性を十分に発揮することが出来ず、輝度低下の原因となる場合がある。
本発明のレンズシートの全厚みは好ましくは60μm以下であり、より好ましくは10〜50μmであり、さらに好ましくは30〜50μmである。ここでレンズシートの全厚みとは、レンズ形状の頂点から凹凸形状が形成された表層の表面までの厚みのことである。レンズシートは薄い方がバックライトモジュール自体も薄型化が可能になりその結果、液晶表示装置の意匠性が高まるため好ましい。しかしながら、レンズシートの厚みが10μm未満となるとバックライトモジュールに組み込む際に取り扱い性が困難となる場合がある。
また、表面に設けるレンズ形状の断面の最も大きいレンズ深さdはシート厚みに応じて適宜決定すればよいが、好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは、5〜15μmである。この範囲とすることで、機械的強度を保ちながら、レンズシート全体のカールを低減することができる。
さらには、表面に設けるレンズ形状のピッチpはシート厚みに応じて適宜決定すればよいが、好ましくは、1〜50μmであり、より好ましくは5〜40μmであり、さらに好ましくは、10〜30μmである。この範囲とすることで、機械的強度を保ちながら、レンズシート全体のカールを低減することができる。
本発明のレンズシートにおいて表面に凹凸形状を形成する際に、金型や微細凹凸シートと接する面に離型層を予め設けることが好ましい。図5(a) に示すように、どちらか片方の表層表面に離型層を設けても良いし、図5(b)のように両方の表層表面に離型層を設けても良い。図5(a)、(b)のシートにパターンを形成することによってレンズシートは得られる。
表面に離型層を設けることによって、金型表面に形成する離型コートの耐久性(繰り返し使用回数)を向上することができ、たとえ部分的に離型効果が失われた金型を用いた場合でも問題なく均一に離型することが可能となる。また、金型に全く離型処理を施さなくても、シート側に予め離型層を形成することで離型が可能となり、金型離型処理コストを削減することができるようになるため好ましい。また、金型からレンズシートを離型する際の樹脂粘着による成形パターン崩れを防止できることや、より高温での離型が可能となり、サイクルタイムの短縮が可能となるため、成形精度、生産性の点においても好ましい。また、さらにレンズシート表面の滑り性が向上することによって耐スクラッチ性が向上し、製造工程などで生じる欠点を低減させることも可能となるため好ましい。
離型層を構成する樹脂は、特に限定されないが、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、メラミン系樹脂、を主成分として構成することが好ましく、これらのうちでは、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸系樹脂がより好ましい。また、離型層には、上述の樹脂以外にも、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などが配合されてもよいし、各種の添加剤、例えば、帯電防止剤、界面活性剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核剤、架橋剤などが配合されても良い。また、離型層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.01〜5μmである。該離型層の厚みが0.01μm未満であると、上述の離型性向上効果が低下する場合がある。
離型層を形成する方法としては、特に限定されないが、各種の塗布方法、例えばインラインコーティング法、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法を用いることができる。なかでもインラインコーティング法が、基材の製膜と同時にコーティングできるため、生産性、塗布均一性の観点から好ましく挙げられる。
A.凹凸形状の大きさ
表層の凹凸形状は表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて下記条件にて測定した値を用いる。5サンプルの平均値を求めて凹凸面のRa、Rz、Smの値とした。
・測定条件:SPEED;0.5mm/S、カットオフ値;0.25mm、測定長さ;8mm
・Ra:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でRaと定義されたパラメータ。JISB0601-1982の方法に基づいて測定した。
・Rz:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でRzDと定義されたパラメータ。
・Sm:表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)でSmと定義されたパラメータ。
B.カール量測定
100mm×100mmサイズのサンプルを恒温恒湿試験機(タバイエスペック社製、PR−3SPW)に投入し、60℃、90%RH条件下で240時間放置した。恒温恒湿試験器から取り出した直後に凹凸形状を形成した面を上にして平板の上に置いた。平板面からサンプルの4つの角までの距離を測定し、その平均値をカール量とした。
C.輝度評価
評価用7インチサイドライト型バックライト(筐体、反射フィルム、導光板)を点灯させ、1時間経過後に導光板の上に拡散シート(東レセハン製、TDF187)、サンプルシートを設置し、2次元輝度計(コニカミノルタセンシング製、CA−2000)を用いて、正面方向における輝度を測定した。輝度は、バックライトの中心部を中心とした1辺50mmの正方形の範囲の平均値を評価した。
D.ギラツキの評価
5cm×5cmのレンズシートを暗室にて、3波長蛍光灯(ナショナル パルック 3波長形昼白色(F.L 15EX-N 15W))の直下30cmに置き、視点を変えながらサンプルを目視したときに、ギラツキが視認できるか否かで評価した。
・ギラツキがみえない : ○
・非常に弱いギラツキが見える : △
・ギラツキが見える : ×
評価は5名で各水準について評価して、最も頻度の高い判定結果を採用する。最も頻度の高い判定結果が2つある場合は、悪い方の評価結果を採用する(最も頻度の高い判定結果が「○」と「△」の2つなら「△」、「△」と「×」の2つなら「×」、「○」と「×」の2つなら「×」と判定する。)。
E.モアレの評価
5cm×5cmのレンズシートを2枚重ね、暗室にて、3波長蛍光灯(ナショナル パルック 3波長形昼白色(F.L 15EX-N 15W))の直下30cmに置き、視点を変えながらサンプルを目視したときに、モアレが視認できるか否かで評価した。
・モアレがみえない : ○
・非常に弱いモアレが見える : △
・モアレが見える : ×
評価は5名で各水準について評価して、最も頻度の高い判定結果を採用する。最も頻度の高い判定結果が2つある場合は、悪い方の評価結果を採用する(最も頻度の高い判定結果が「○」と「△」の2つなら「△」、「△」と「×」の2つなら「×」、「○」と「×」の2つなら「×」と判定する。)。
以上の測定はすべて室温23℃、湿度65%の条件で行った。
F.レンズ形状の高さ、ピッチ、頂部の断面曲率半径の測定
作製したレンズシートのレンズ形状の長手方向に対し垂直にロータリーミクロトーム(株式会社ミクロトーム研究所製 RMS)で切削し、断面形状をminiSEM(TOPCON社製 ABT−32)で10000倍の倍率で観察し、写真撮影した。撮影した画像を用いて図1に示すようにピッチp、高さhの長さを測定した。断面曲率半径は頂部の形状に沿うように円を書き、前記円の半径を測定した。p、h、断面曲率半径の値は3箇所のレンズ形状の平均値とした。
〔レンズ面の金型作製〕
金型の厚みは20mm、表面材質はニッケル-リンの金型を使用した。また、加工方式には、金型材料の賦形面側に沿って加工バイトを真っ直ぐに移動させてレンズ形状を賦形するシェーパー方式を用い、切削速度は10m/minにて切削を行い金型1〜3を作製した。
・金型1
面内パターン :ストライプ状(図4(a))
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さd:10μm)
隣接パターン間のピッチ(p):20μm
サイズ :100mm×100mm(パターン領域)
・金型2
面内パターン :ストライプ状(図4(a)、回転方向に対して平行)
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さd:10μm)
隣接パターン間のピッチ(p):20μm
サイズ :100mm幅、φ3inch
・金型3
面内パターン :ストライプ状(図4(a))
個々の形状 :直角二等辺三角形(高さd:25μm)
隣接パターン間のピッチ(p):50μm
サイズ :100mm×100mm(パターン領域)。
〔金型の離型処理〕
金型表面を純水、アセトンの順で超音波洗浄後、濃硫酸:過酸化水素水=1:1中に浸漬し、80℃で15分加熱した。次いで、金型を溶液中から取り出し、純水で洗浄後、110℃の熱風オーブンで乾燥した。次に、乾燥した金型を電気炉内で1000℃、2時間加熱し、表面にSiOの熱酸化膜を形成した。続いて、該金型をダイキン株式会社製フッ素系シランカップリング剤“オプツールDSX”のダイキン工業株式会社製“デムナムソルベント”0.2%溶液中に1分浸漬した。その後、溶液から金型を取り出し、自然乾燥後、70℃、湿度90%RH雰囲気中で1時間放置した。次いで、デムナムソルベントに10秒間浸漬した。
〔微細凹凸成形用シートの作製〕
光学用ポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー (登録商標) U46、厚み100μm)を用い、易接着面に市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子(粒子径2.0μm 屈折率1.53 濃度:塗剤固形分中の3重量%)を添加したものをイソプロピルアルコールで固形分濃度30%に希釈した塗料を、マイクログラビアコーターで塗工し、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、厚み3μmのハードコート層を設け、微細凹凸成形用シート1を作製した。前記微細凹凸成形シート1の微細凹凸成形面を表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて下記条件にて測定した。5サンプルの平均値を求めて微細凹凸面のRa、Rz、Smの値とした。その結果、Ra=150nm 、Rz=1.0μm 、Sm=120μmであった。アクリル樹脂粒子の粒子径、添加量を適宜調整して微細凹凸成型シート2〜5を作製した。Ra、Rz、Smの値は下記の通りであった。
微細凹凸シート2:Ra=450nm 、Rz=4.0μm 、Sm=200μm
微細凹凸シート3:Ra=60nm 、Rz=0.5μm 、Sm=50μm
微細凹凸シート4:Ra=3200nm 、Rz=21μm 、Sm=16μm
微細凹凸シート5:Ra=30nm 、Rz=0.2μm 、Sm=20μm。
(実施例1)
透明基材に環状ポリオレフィン系樹脂1( ‘TOPAS’6013、Tg130℃、ポリプラスチックス(株)製)と環状ポリオレフィン系樹脂2( ‘TOPAS’8007、Tg78℃、ポリプラスチックス(株)製)を重量で60:40にブレンドしたものを用い(ブレンド後のTg110℃)、100℃で6時間乾燥した後に押出機内で240℃の温度で溶融させ、押出口金から押し出された樹脂を100℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで熱可塑性シート1を得た。単層シート1は38μmであった。
次に、金型1を135℃で1分加熱し、前記金型の上に熱可塑性シート1、微細凹凸形成用シート1の凹凸面を熱可塑性シート1側になるように積層し、135℃を維持しながら圧力2MPaで、30秒間圧着した。続いて70℃まで冷却後、金型1と微細凹凸形成用シート1を離型することにより、熱可塑性シート1の一方の面に下記金型1の形状を反転したパターン、もう一方の面に微細凹凸形成用シート1の形状を反転した形状を有するレンズシート1を得た。レンズシート1の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシートの形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート1側の形状はRa=150nm 、Rz=1μm 、Sm=120μmであった。
レンズシート1の各種評価結果を表1に示す。
(実施例2)
芯層に環状ポリオレフィン系樹脂1を、表層に環状ポリオレフィン系樹脂1と2を重量で60:40にブレンドしたものを用い(ブレンド後のTg110℃)、100℃で6時間乾燥した後にそれぞれを別の押出機内で240℃の温度で溶融させ、溶融3層共押出口金から押し出された積層樹脂を100℃に保たれた金属ドラムにシート状に押出した。金属ドラムの速度を25m/分と設定して巻き取ることで熱可塑性シート2を得た。熱可塑性シート2は、それぞれの表層の厚みHがいずれも7.5μm、芯層の厚みが23μm、全体で38μmであった。
次に、実施例1と同様にしてレンズシート2を得た。レンズシート2の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシートの形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート1側の形状はRa=150nm 、Rz=1μm 、Sm=120μmであった。
レンズシート2の各種評価結果を表1に示す。
(実施例3)
微細凹凸形成用シート2を用いた以外は実施例2と同様にしてレンズシート3を得た。レンズシート3の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート3の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート2側の形状はRa=450nm 、Rz=4μm 、Sm=200μmであった。
レンズシート3の各種評価結果を表1に示す。
(実施例4)
微細凹凸形成用シート3を用いた以外は実施例2と同様にして光学シート4を得た。レンズシート4の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート4の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート3側の形状はRa=60nm 、Rz=0.5μm 、Sm=50μmであった。
レンズシート4の各種評価結果を表1に示す。
(実施例5)
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET)の製造)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
(ポリエチレンナフタレートペレット(PEN)の製造)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部、およびエチレングリコール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.018重量部および酢酸カルシウム1水塩を0.003重量部添加し、170〜240℃、0.5kg/cm2にてエステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.004重量部添加し、エステル交換反応を終了させた。さらに重合触媒として三酸化アンチモンを0.23重量部添加し、高温高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.60dl/gのポリエチレンナフタレート(PEN)ペレットを得た。
(2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/N12)の製造)
酸成分としてテレフタル酸88モル%と2,6−ナフタレンジカルボン酸12モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、上記同様の製法により、極限粘度0.70dl/gの2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/N12)ペレットを得た。
押出機(a)と押出機(b)を有する複合製膜装置において、表層(A)を形成するため、PET/N12を160℃の温度で5時間真空乾燥した後、押出機(a)側に供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより異物濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。一方、芯層(B)を形成するため、PETを180℃の温度で3時間真空乾燥した後に、押出機(b)側に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより異物濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。次いで、該Tダイ複合口金内で、表層(A)が芯層(B)の両表層に積層(A/B/A)されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとし、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.2倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで200℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、熱可塑性シート3を得た。表層の厚みが7.5μm、芯層の厚みが23μm、全体の厚みは38μmであった。
次に、金型1を120℃で1分加熱し、前記金型の上に熱可塑性シート3、微細凹凸形成用シート1の凹凸面を熱可塑性シート3側になるように積層し、120℃を維持しながら圧力2MPaで、30秒間圧着した。続いて70℃まで冷却後、金型1と微細凹凸形成用シート1を離型することにより、熱可塑性シート3の一方の面に金型1の形状を反転したパターン、もう一方の面に微細凹凸形成用シート1の形状を反転した形状を有するレンズシート5を得た。レンズシート5の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。
レンズシート5の各種評価結果を表1に示す。
(実施例6)
微細凹凸形成用シート2を用いた以外は実施例5と同様にしてレンズシート6を得た。レンズシート6の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート6の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート2側の形状はRa=450nm 、Rz=4μm 、Sm=200μmであった。
レンズシート6の各種評価結果を表1に示す。
(実施例7)
微細凹凸形成用シート3を用いた以外は実施例5と同様にしてレンズシート7を得た。レンズシート7の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート7の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート3側の形状はRa=60nm 、Rz=0.5μm 、Sm=50μmであった。
レンズシート7の各種評価結果を表1に示す。
(比較例1)
微細凹凸形成用シート4を用いた以外は実施例2と同様にしてレンズシート11を得た。レンズシート11の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズ11シートの形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート4側の形状はRa=3200nm 、Rz=21μm 、Sm=16μmであった。
レンズシート11の各種評価結果を表1に示す。実施例2と比較して大幅に輝度が低下した。
(比較例2)
微細凹凸形成用シート5を用いた以外は実施例2と同様にしてレンズシート12を得た。レンズシート12の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズ12シートの形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート5側の形状はRa=30nm 、Rz=0.2μm 、Sm=20μmであった。
レンズシート12の各種評価結果を表1に示す。ギラツキ、モアレが見られた。
(比較例3)
微細凹凸形成用シート4を用いた以外は実施例5と同様にしてレンズシート13を得た。レンズシート13の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート13の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート4側の形状はRa=3200nm 、Rz=21μm 、Sm=16μmであった。
レンズシート11の各種評価結果を表1に示す。実施例5と比較して大幅に輝度が低下した。
(比較例4)
微細凹凸形成用シート5を用いた以外は実施例5と同様にしてレンズシート14を得た。レンズシート14の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は40μmであった。また金型1面のレンズシート14の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径0.1μmであり、微細凹凸形成用シート5側の形状はRa=30nm 、Rz=0.2μm 、Sm=20μmであった。
レンズシート12の各種評価結果を表1に示す。ギラツキ、モアレが見られた。
(比較例5)
光学用ポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー (登録商標) U46、厚み38μm)を用い、易接着面に市販のハードコート剤(JSR製 デソライト (登録商標) Z7528)にアクリル樹脂粒子(粒子径2.0μm 屈折率1.53 濃度:塗剤固形分中の3重量%)を添加したものをイソプロピルアルコールで固形分濃度30%に希釈した塗料を、マイクログラビアコーターで塗工し、80℃で1分間乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、厚み3μmのハードコート層を設け、微細凹凸シート1を作製した。前記微細凹凸シート1の微細凹凸成形面は、Ra=200nm、Rz=2μm、Sm=200nmであった。
アデカオプトマー KRM−2199(旭電化工業(株)製)10g、アロンオキセタン OXT−221(東亞合成(株)製)1g、アデカオプトマー SP170(旭電化工業(株)製)0.25gを攪拌し塗工液を作製した。次に微細凹凸シート1の凹凸面を設けていない面に、塗工液をコーティングし、膜厚20μmの塗膜を形成した(以下、コーティング面をA面、微細凹凸面をB面とする)。この塗工液をコーティングしたA面に、金型2を押しあて、基材のB面側から超高圧水銀灯により1J/m照射して塗剤を硬化させ、金型2を離型しレンズシート15を得た。
レンズシート15の全厚み(賦形面の頂部から裏面まで)は60μmであった。また金型2面のレンズシート15の形状はp=20μm、h=10μm、断面曲率半径1.0μmであった。
レンズシート15の各種評価結果を表1に示す。実施例5と比較して大幅に輝度が低下し、カール量が大幅に増えた。
Figure 2010117394
本発明の積層シートは液晶表示装置用部材など各種分野に適用可能である。
(a)、(b)本発明のレンズシートの構成を模式的に例示するものである。 (a)〜(d)は、本発明のレンズシートの表層にレンズ形状を成形する工程を模式的に例示するものである。 (a)〜(e)は、いずれも本発明のレンズシートの表層のレンズ形状を模式的に示す斜視図であり、(a)〜(c)はストライプ形状、(d)はドーム形状、(e)はピラミッド形状である。 (a)〜(f)は、いずれも本発明のレンズシートの表層のレンズ形状の断面図である。 (a)および(b)は、本発明のレンズシートに離型層を形成した場合の構成を模式的に例示するものであり、(c)および(d)は表層にレンズ形状を成形したレンズシートの構成を模式的に例示するものである。
符号の説明
d:レンズ形状の断面の凹凸深さ
h:レンズ形状の断面の凹凸底部から芯層までの厚み
H:レンズシートの表層の厚み
p:レンズ形状の断面の凹凸のピッチ

Claims (7)

  1. 一方の表面にレンズ形状が形成され、もう一方の表面に中心線平均粗さRaが50nm以上500nm以下、10点平均粗さRzが0.5μm以上5μm以下及び平均凹凸間隔Smが30μm以上500μm以下である凹凸形状が形成されたレンズシートであって、該レンズ形状を形成する樹脂の主成分と該凹凸形状を形成する樹脂の主成分とが同一の樹脂からなるレンズシート。
  2. 前記レンズ形状が熱可塑性樹脂で形成されたものである請求項1に記載のレンズシート。
  3. 前記レンズ形状が形成された樹脂層と凹凸形状が形成された樹脂層との間に接着剤を介することなく芯層が設けられ、該芯層を構成する樹脂のガラス転移温度が、該レンズ形状が形成された樹脂層及び該凹凸形状が形成された樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度よりも高い請求項1または2に記載のレンズシート。
  4. 前記レンズ形状及び凹凸形状が、当該形状が形成された樹脂層に添加された粒子形状によって形成されたものではない請求項1〜3のいずれかに記載のレンズシート。
  5. 前記レンズ形状が、突起先端の断面曲率半径が5μm以下のプリズムである請求項1〜4のいずれかに記載のレンズシート。
  6. 前記レンズ形状の頂部を通りシート面に垂直な切断面における該レンズ形状の高さが1〜15μmであり、かつ、シートの全厚みが60μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のレンズシート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のレンズシートを搭載した液晶表示装置用面光源。
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CN109270611A (zh) * 2018-12-11 2019-01-25 宁波激智科技股份有限公司 一种高亮度高遮盖的复合光学膜

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