JP2009281978A - 回転角度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】実測定前に予め必要な校正操作の複雑さを低減した回転角度センサを提供すること。
【解決手段】ステップS301で、n個の角度を設定して、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号BzXi及びBzYi(i=1〜n)を測定する。ステップS302で、得られた出力値(BzXi、BzYi)から、フィッティングにより式(8)及び(9)の係数を算出して回転角度算出部(図5参照)に記憶する。必要な校正操作は以上である。ステップS303で、実測定を行い、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号BzX及びBzYを得る。そして、ステップS304で、式(10)により回転角度θを算出する。Xホール素子3及びYホール素子4の出力信号に対する、磁石2の中心のZ軸からのずれの影響をそれぞれ近似した第1の近似関数Hz(X)と第2の近似関数Hz(Y)との比が、出力信号BzXとBzYとの比に等しいことを用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転角度センサに関し、より詳細には、2つの磁電変換素子の出力信号に基づいて回転角度を算出する回転角度センサに関する。
従来、回転体の回転角度θを求める方式として、90度位相が異なる2つの磁電変換素子の出力信号に基づいて算出するアークタンジェント計算によるものが知られている。たとえば、2つの磁電変換素子の出力信号をBX及びBYとした場合、BX及びBYは式(1)及び(2)でそれぞれ表され、式(3)により回転角度θを算出できる。
BX=B0*cos(θ) (1)
BY=B0*sin(θ) (2)
θ=tan-1(BY/BX) (3)
式(3)の計算では、出力信号の比BY/BXをアドレスとして、予め記憶しておいたROMテーブルデータから回転角度θの値を得る。この方式は、出力信号が理想的な場合に精度よく適用できるが、実際の測定系では、各磁電変換素子の感度の相違、センサ位置の設計位置からのずれ、出力信号のオフセット等の様々な影響が入るため、高精度が得られない。
特許文献1では、そのような影響が存在する測定系における出力信号の比BY/BXと回転角度θとの対応付けを予め測定してROMテーブルデータに記憶しておくことで、実測定時に、出力信号の比BY/BXから角度θを得ている。この際に、出力信号の比の大きさによりセクタ分けを行い、ROM容量を減らす工夫がなされる。
特許文献2では、出力信号に含まれる高調波歪成分をフーリエ解析して重要成分を抽出し、それらの重要成分を逆フーリエ変換した値をROMテーブルデータに蓄えておく。そして実測定時に、ROMテーブルデータを参照して出力信号を補正する。
図14は、特許文献2の技術を説明するための図である。ステアリングホイール(回転体)の回転に連動したギア3の歯車付近に、磁気抵抗素子(磁電変換素子)5が設けられ、磁気抵抗素子5から位相がほぼ90度ずれた出力信号Vs1及びVc1が出力される。これらの出力信号は、センサ自体の特性、設置位置のずれなどにより、理想正弦波からずれている。EEPROM11内のルックアップテーブル16に、予め出力信号を調べて求めた、重要ないくつかの高調波歪成分の逆フーリエ成分が記憶されている。出力信号Vs1及びVc1は、CPU9にてA/D変換され、次いでルックアップテーブル16に記憶された高調波歪成分の逆フーリエ成分が差し引かれて理想的な正弦波に変換される。最後に、補正された出力信号からアークタンジェント演算により角度θが求められる。図15は、出力信号の基本成分と高調波歪成分の割合を示した図である。
特開2003−240598号公報 特開2007−304000号公報
このように、アークタンジェント演算方式の改良がなされているが、性能のさらなる向上が望まれている。特許文献1及び2の技術は共に、ROMテーブルを予め作成するため校正操作を行う必要がある。加えて、回転角度θの精度を上げるためには、ROMテーブル作成に使用するサンプル点を多くする必要がある。また、特許文献2では、主要な高調波歪成分を補正するためにFFT解析が必要となってくる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、実測定の前に予め必要な校正操作の複雑さを低減した回転角度センサを提供することにある。
このような目的のために、請求項1に記載の発明は、回転軸を有する回転体の、前記回転軸と直交する面上に設けられた磁石であって、動径方向に着磁された磁石と、前記回転軸と直交する平面上に、前記回転軸からみて90度の関係で配置された第1の磁電変換素子および第2の磁電変換素子とを備え、前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号に基づいて前記回転体の回転角度を算出する回転角度センサにおいて、前記回転角度の算出は、前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号に対する、前記磁石の中心の前記回転軸からのずれの影響をそれぞれ近似した第1の近似関数と第2の近似関数との比が、前記第1の磁電変換素子の出力信号と前記第2の磁電変換素子の出力信号との比に等しいことを用いて行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号をデジタル化するA/D変換部と、前記A/D変換部がデジタル化した出力信号を保持する出力信号保持部と、予め求めた、前記第1の近似関数および前記第2の近似関数の係数を記憶した係数記憶部と、前記出力信号保持部に保持された出力信号および前記係数記憶部に記憶された係数を読み込み、前記回転角度の前記算出を行う演算部とを有する回転角度算出部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記回転軸をZ軸、前記回転軸からみて前記第1の磁電変換素子が配置された方向をX軸、前記回転軸からみて前記第2の磁電変換素子が配置された方向をY軸、前記回転体の回転角度をθとした場合に、前記第1の近似関数は、k1x、k2x、k3x、k4x、及びφxを係数として、
Hz(X) = k1x*(cos(θ + φx)-k2x)*(1+k3x*cos(θ + φx) - k4x*sin(θ + φx))
であり、前記第2の近似関数は、k1y、k2y、k3y、k4y、及びφyを係数として、
Hz(Y) = k1y*(sin(θ + φy)-k2y)*(1+k3y*sin(θ + φy) + k4y*cos(θ + φy))
であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかにおいて、前記回転角度の前記算出は、逐次2分法により実行されることを特徴とする。
本発明によれば、第1の磁電変換素子および第2の磁電変換素子の出力信号に対する、磁石の中心の回転軸からのずれの影響をそれぞれ近似した第1の近似関数および第2の近似関数を用いるため、実測定前の校正操作によって予め算出すべき係数の数が少ない。したがって、数点の回転角度における測定から容易に近似関数に含まれる係数を求めることが可能であり、実測定の前に予め必要な校正操作の複雑さを低減することができる。
特許文献1の技術では、実測定の範囲にわたり出力信号の比BY/BXと回転角度θとの対応付けを予め測定してROMテーブルデータに記憶する必要があり手間がかかる。特許文献2の技術では、フーリエ解析、逆フーリエ変換、およびROMテーブルデータの作成が必要であり処理が煩雑である。
以下、図面を参照して本発明に実施形態を詳細に説明する。
本発明の原理
図1は、本発明の回転角度センサを示す図である。回転軸(Z軸)を有する回転体1の先端に、動径方向にSNの1極着磁された円板磁石2が取り付けられ、円板磁石2と平行なXY平面上に設けられたセンサ基板5に、Xホール素子3及びYホール素子4が配置されている。Xホール素子3及びYホール素子4は、それぞれX軸およびY軸上に配置されており、Z軸からみて90度の関係にある。Xホール素子3及びYホール素子4は、円板磁石2の円周付近、好ましくは円周の少し内側に感磁面中心がくるように配置される。Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号は、後述する回転角度算出部(図5参照)に送られて処理され、回転角度θが得られる。円板磁石2は、リング状でもよい。
本発明では、円板磁石2の中心が回転体1の中心であるZ軸からずれることに起因する誤差に着目する。Xホール素子3及びYホール素子4は、Z軸方向の磁束密度Bzに比例したホール起電力を出力するが、円板磁石2の磁気モーメントMを考えてこの磁気モーメントMが本来の位置からずれて回転した場合に、Xホール素子3及びYホール素子4の位置の磁束密度Bzがどのように変化するかを検討した結果、Xホール素子3及びYホール素子4の出力信号をそれぞれ2つの項の積で精度よく近似表現できることを見出した。円板磁石2のZ軸からのずれの影響を補正することで、回転角度の精度を向上することができる。
第1の項は、磁気モーメントMのずれの直接的な影響を表す。図2に示されているように、磁気モーメントMがX軸方向にδx、Y軸方向にδyだけずれた場合を考える。以下、(δx、δy)を「ずれベクトル」と呼ぶ。磁気モーメントと位置ベクトルの積の形を含む磁場の項を考える。磁気モーメントM(Mx,My)のXホール素子位置への磁場の項としての寄与は、次の近似表現ができる。ただし、xはXホール素子の座標位置である。
x*Mx*(cos(θ)−δx/x)−x*My*(sin(θ)+δy/x) (A)
また、Yホール素子位置への寄与は、
y*Mx*(sin(θ)−δx/y)+y*My*(cos(θ)−δy/y) (B)
と近似表現できる。yはYホール素子の座標位置である。磁気モーメントMが角度ゼロのときにX軸方向に一致するように設定すると、My=0とできるので、ずれベクトルに依存する項は、式(4)及び(5)となる。
cos(θ)−δSx (4)
sin(θ)−δSy (5)
δSx、δSyは円板磁石2のずれベクトルのX成分(δx)を原点からホール素子位置までの距離R(=x、y)で割ったものである。通常、Xホール素子3及びYホール素子4は回転体1の中心から同じ距離のところに設置する。実際の設置座標は設計値とずれるが、近似でRと考えると、δSyは、円板磁石2のずれベクトルのX成分(δx)をRで割った値(δx/R)に相当する。
第2の項は、ずれベクトルの回転による影響を表す。円板磁石2の磁気モーメントMがXホール素子3及びYホール素子4の位置に作る磁場は、それらの間の距離rのr-nという依存性を有する。この距離rは、回転角度に応じてr・(1+α)の形で変動する。(1+α)が第2の項となる。この微小効果をテイラー展開の形で考慮すると、Xホール素子3及びYホール素子4の出力信号に対する影響はそれぞれ、
δSx*cos(θ)−δSy*sin(θ) (6)
δSx*sin(θ)+δSy*cos(θ) (7)
となる。更に高次の補正を行う場合には、式(6)及び(7)を、対応した係数をかけて、二乗、三乗の形で足せばよい。
そして、Xホール素子3及びYホール素子4の出力信号は、第1の項と第2の項の積という形で、近似的に次式のように表現することができる。
Hz(X)= k1x*(cos(θ + φx)-k2x)*(1+k3x*cos(θ + φx) - k4x*sin(θ + φx)) (8)
Hz(Y)= k1y*(sin(θ + φy)-k2y)*(1+k3y*sin(θ + φy) + k4y*cos(θ + φy)) (9)
k1x及びk1yは、主にホール素子の感度を反映し、Xホール素子3及びYホール素子4で異なる。k2x及びk2yは、第1の項について説明したように、磁気モーメントMのずれの影響を反映する。k3x、k3y及びk4x、k4yは、ずれベクトルの回転による影響を反映するが、式(6)及び(7)に示した微小効果にはそれぞれ係数が係るためこのような形で表現している。この係数には、たとえば、ホール素子の設計位置からのずれの影響が反映される。ホール素子の設計位置からのずれの影響は、角度位相係数φx及びφyにも反映される。式(8)及び(9)には、それぞれ5つの独立係数がある。これらの独立係数を予め算出して回転角度算出部に記憶しておくことで、回転角度算出部に送られたXホール素子3及びYホール素子4からの出力信号に基づいて、回転角度θが得られる。
本発明の実施手順
ここで、図3を参照して、本発明に係る回転角度センサによる回転角度測定の実施手順を説明する。
まず、ステップS301で、5箇所以上のn個の角度を設定して、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号BzXi及びBzYi(i=1〜n)を測定する。この角度設定は、回転体1に別途エンコーダを取り付け、エンコーダの角度を基準として出力信号と対応付けてもよい。また、回転体1につながれた駆動系、例えばモータの制御系により角度を変え、出力信号と対応付けてもよい。移動角度量は、360度をほぼn等分した角度が好ましい。
次に、ステップS302で、これらの測定で得られた出力値(BzXi、BzYi)(i=1〜n)から、フィッティングにより式(8)及び(9)の未知係数を算出して回転角度算出部(図5参照)に記憶する。本発明で必要な校正操作は、以上である。先述した従来の技術では、初期校正でROMテーブル値確定の後、取り付け操作を行う場合があり、この取り付け操作で大きな角度誤差要因を受けるという心配があったが、本発明では、校正操作が簡単であるため、センサ設置後の数点測定で、精度の高い角度算出が可能である。校正のためのサンプリング角度が多ければ、非線形最小二乗法により係数の収束計算ができる。サンプリング数が多ければ、それに応じてフィッティング係数の精度を上がり、求める角度の精度が高くできる。
ついで、ステップS303で、実測定を行い、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号BzX及びBzYを得る。
そして、ステップS304で、次式により回転角度θを算出する。Xホール素子3(第1の磁電変換素子に対応)及びYホール素子4(第2の磁電変換素子に対応)の出力信号に対する、磁石2の中心のZ軸からのずれの影響をそれぞれ近似した第1の近似関数Hz(X)と第2の近似関数Hz(Y)との比が、Xホール素子3の出力信号BzXとYホール素子4の出力信号BzYとの比に等しいことを用いる。
H(θ)=BzX*Hz(Y)−BzY*Hz(X)=0 (10)
図4は、本発明に一実施例において、θ=100度での測定値(BzX、BzY)=(−244,4634)を用いて、H(θ)をθの関数として示したグラフである。H(θ)のゼロクロス点の角度が、回転角度θを与える。ゼロクロス点付近において、H(θ)は単調変化しているため、逐次2分法により収束計算することで角度θを求めることができる。ゼロクロス点付近の適当な角度θiをスタートとし、角度をΔだけ動かし、関数H(θ)が正、負に変化する具合を見ながら、動かす量Δを小さくして収束させる。
回転角度算出部の構成
図5は、本発明の回転角度センサが備える回転角度算出部を示している。回転角度算出部6は、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号をデジタル化するA/D変換部9と、デジタル化された出力信号を保持する出力信号レジスタ10(出力信号保持部に対応)と、係数k1x、k1y、k2x、k2y、k3x、k3y、k4x、k4y、φx、及びφyを記憶した係数保持レジスタ7(係数記憶部に対応)と、角度と正弦および余弦との対応関係を記憶したROMテーブル8と、出力信号レジスタ10、係数保持レジスタ7、及びROMテーブル8と接続された演算部11とを備える。
演算部11は、積和演算装置(MAC)12と、ファームウェア部13と、作業レジスタ14とを備える。積和演算装置12は、出力信号レジスタ10に保持されたデジタル化された出力信号、係数保持レジスタ7に記憶された係数、及びROMテーブル8の値をファームウェア部13のプログラムにより読み込み、積和演算を行う。
ファームウェア部13のプログラムは、角度θを求める逐次2分法の演算を行う。まず、求める角度θに近い角度値θi及びθi+1を推定し、この角度に基づき、式(8)及び(9)の近似関数Hz(X)及びHz(Y)を計算し、更に、式10の関数H(θi)及びH(θi+1)を計算する。これら2つのH(θ)の積の符号を判定して負であれば、2つの推定角度値θiとθi+1との間に更に精度の高い角度θがあることになる(図4参照)。従って、たとえば最初の推定角度値θiを(θi+θi+1)/2と更新して同様の演算を繰り返し、角度精度を高めていく。作業レジスタ14は、この演算の途中結果を格納する。
具体的には、Xホール素子3及びYホール素子4からの出力信号BzX、及びBzYの符号から、求める角度θが、360度を4分割したときの象限位置が分かる。その象限の中心角度をθ0とし、θ1を、例えば、θ0+46(度)、若しくはθ0−46(度)とし、式10の関数H(θ0)とH(θ1)の積を計算する。図4の場合では、θ0=135度、θ1=89度の場合に積H(θ0)*H(θ1)が負となり、89度と135度の間に関数H(θ)をゼロとする求める角度θがあることが分かる。θ1=181度の場合には積が正になるので、この角度区間には関数H(θ)をゼロとする角度はない。次に、角度θi+2=(θi+θi+1)/2の計算は、図4の場合では、角度θ2=112度で、H(θ1)*H(θ2)が負になり、θ1とθ2の間に求める角度θがある。以下、これを繰り返して角度精度を上げる。最初に求める角度θ0は、出力信号BzX、BzYの値を用いてアークタンジェントの計算をして決めてもよい。角度θ1は例えば、θ0から±5度のところとして計算開始をしてもよい。
図6に本実施例で求めた角度誤差の例を示す。±.5度以内の角度誤差に収まっている例であるが、この大きさは、角度演算係数の精度に依存する。
なお、専用ハードウェアによる演算について説明したが通常のマイコンを利用して角度を求めることもできることに留意されたい。
また、式(10)の演算では、式(8)及び(9)の積を展開してcos(θ)、sin(θ)についてまとめ、ROMテーブル8を利用する回数を減らすなど、式の展開を工夫することが可能である。これらは、ファームウェアにより扱うことができる。
また、式(6)及び(7)の項を、2次以上の分まで追加して角度フィッティング精度を上げることもできるが、その際には、本実施例のハードウェア演算処理ではファームウェアのプログラムを追加し、同様の処理を重ねることで対応が可能となる。
また、求める角度精度に応じて、角度演算係数レジスタの数を減らすことが可能である。
また、Xホール素子3及びYホール素子4の感度が高い精度であっている場合には、係数k1x及びk1yを1つの係数k1にすることが可能である。
また、k2xとk2yは、式(A),(B)から分かるように、Xホール素子とYホール素子の原点からの距離が高い精度であっている場合には1つの感度係数レジスタとして扱うことが可能である。
また、k3x、k4x、k3y、及びk4yの4つの係数は、(δSx、δSy)と、Xホール素子3及びYホール素子4の位置ずれ量に対応した相対係数という3つ係数レジスタとすることが可能である。フィッティング係数として、(δSx、δSy)と、このXホール素子3及びYホール素子4の位置の違いによる補正係数の3個を使うことも可能である。
式(8)及び(9)では、係数を5個用いているので、5つの角度での磁場測定で係数を係数を決めることができる。k1x及びk1y、k2xとk2yをそれぞれ1つの係数、k3x、k4x、k3y、k4yの4つの係数を3つの係数として扱える場合は、全体で7つの係数で、式(8)、(9)が表現可能となる。この場合は、4回の角度測定で係数が求められる。また、角度計算に必要な係数記憶部が7個となる。
実施例
Yホール素子4のX座標値は理想的にはゼロであるが、設置上のX座標値の誤差が0.1mmあったとする。半径Rが5mmの円板磁石2を用いた場合には、次式により、Y軸から約1.1度の角度オフセットが発生することになる。通常、円板磁石2を回転体1の先端に張り合わせるか、または凹部にはめ込む場合、組み立て精度によるが50〜数100μmのずれが発生することが考えられる。
(0.1/R)*(180/π)=1.1 (11)
Xホール素子3及びYホール素子4を回転軸系に対して固定し、円板磁石2を回転軸系とは独立にXYステージを使って動かせるようにした。円板磁石2の中心を移動した後に固定し、ついで回転体1を1回転させて、Xホール素子3及びYホール素子4の出力信号を取得した。そしてパラメータフィッティングにより式(8)及び(9)の係数を算出した。
図7には、円板磁石2の中心を動かした順番を示した。100μmの間隔で動かした。
図8は、円板磁石2が1番目の位置にあるときのXホール素子3からの出力信号の測定値と、その測定値に基づいてフィッティングした曲線Hz(X)とを示しており、図9は、Yホール素子4からの出力信号の測定値と、その測定値に基づいてフィッティングした曲線Hz(Y)と示している。縦軸は、AD変換後の値である。フィッティングして得た曲線は、実験値とよく一致していることが分かる。
図10は、円板磁石2の中心を移動させ、その位置でフィッティングを行い求めたHz(X)の係数のうち、k3xとk4xを図示したものである。図7の移動の順番に対応して、(k3x,k4x)の点が格子状に変化しており、円板磁石2の中心のずれ量と(k3x,k4x)とが対応していることを示している。
図11〜13は、複数の磁石中心位置で求めた(k2x,k2y)、(k3x,k3y)、及び(k4x,k4y)をプロットし、Hz(X)とHz(Y)との間での係数の相関を見たものである。k3、k4では、HzYの係数がHzXより、ともに16%程度大きくなっているが、これは前述の式(6)及び(7)にかかる補正係数の違いによるものと考えられる。各係数とも相関が高く、式(8)及び(9)の妥当性を示している。
本発明の回転角度センサを示す図である。 磁気モーメントMのずれを示す図である。 本発明に係る回転角度センサによる回転角度測定の実施手順を説明するための図である。 本発明に一実施例において、θ=100度での測定値(BzX、BzY)=(−244,4634)を用いて、H(θ)をθの関数として示したグラフである。 本発明の回転角度センサが備える回転角度算出部を示す図である。 一実施例で求めた角度誤差の例を示す図である。 実施例において、円板磁石2の中心を動かした順番を示す図である。 円板磁石2が1番目の位置にあるときのXホール素子3からの出力信号の測定値と、その測定値に基づいてフィッティングした曲線Hz(X)とを示す図である。 円板磁石2が1番目の位置にあるときのYホール素子4からの出力信号の測定値と、その測定値に基づいてフィッティングした曲線Hz(Y)とを示す図である。 円板磁石2の中心を移動させ、その位置でフィッティングを行い求めたHz(X)の係数のうち、k3xとk4xを図示した図である。 複数の磁石中心位置で求めた(k2x,k2y)を示す図である。 複数の磁石中心位置で求めた(k3x,k3y)を示す図である。 複数の磁石中心位置で求めた(k4x,k4y)を示す図である。 特許文献2の技術を説明するための図である。 出力信号の基本成分と高調波歪成分の割合を示した図である。
符号の説明
1 回転体
2 円板磁石(磁石に対応)
3 Xホール素子
4 Yホール素子
5 センサ基板
6 回転角度演算部
7 係数保持レジスタ7(係数記憶部に対応)
8 ROMテーブル
9 A/D変換部
10 出力信号レジスタ10(出力信号保持部に対応)
11 演算部
12 積和演算装置(MAC)
13 ファームウェア部
14 作業レジスタ

Claims (4)

  1. 回転軸を有する回転体の、前記回転軸と直交する面上に設けられた磁石であって、動径方向に着磁された磁石と、
    前記回転軸と直交する平面上に、前記回転軸からみて90度の関係で配置された第1の磁電変換素子および第2の磁電変換素子と
    を備え、前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号に基づいて前記回転体の回転角度を算出する回転角度センサにおいて、
    前記回転角度の算出は、前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号に対する、前記磁石の中心の前記回転軸からのずれの影響をそれぞれ近似した第1の近似関数と第2の近似関数との比が、前記第1の磁電変換素子の出力信号と前記第2の磁電変換素子の出力信号との比に等しいことを用いて行うことを特徴とする回転角度センサ。
  2. 前記第1の磁電変換素子および前記第2の磁電変換素子の出力信号をデジタル化するA/D変換部と、
    前記A/D変換部がデジタル化した出力信号を保持する出力信号保持部と、
    予め求めた、前記第1の近似関数および前記第2の近似関数の係数を記憶した係数記憶部と、
    前記出力信号保持部に保持された出力信号および前記係数記憶部に記憶された係数を読み込み、前記回転角度の前記算出を行う演算部と
    を有する回転角度算出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回転角度センサ。
  3. 前記回転軸をZ軸、前記回転軸からみて前記第1の磁電変換素子が配置された方向をX軸、前記回転軸からみて前記第2の磁電変換素子が配置された方向をY軸、前記回転体の回転角度をθとした場合に、前記第1の近似関数は、k1x、k2x、k3x、k4x、及びφxを係数として、
    Hz(X) = k1x*(cos(θ + φx)-k2x)*(1+k3x*cos(θ + φx) - k4x*sin(θ + φx))
    であり、前記第2の近似関数は、k1y、k2y、k3y、k4y、及びφyを係数として、
    Hz(Y) = k1y*(sin(θ + φy)-k2y)*(1+k3y*sin(θ + φy) + k4y*cos(θ + φy))
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転角度センサ。
  4. 前記回転角度の前記算出は、逐次2分法により実行されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転角度センサ。
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