以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電動パワーステアリング装置を搭載した車両を模式的に示した斜視図である。図2は、実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。図1に示すように、車両101は、電動パワーステアリング装置80を搭載している。図2に示すように、電動パワーステアリング装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、ユニバーサルジョイント84と、ロアシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、を備え、ピニオンシャフト87に接合されている。
図2に示すように、ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bと、を備える。入力軸82aの一方の端部がステアリングホイール81に連結され、入力軸82aの他方の端部が出力軸82bに連結される。また、出力軸82bの一方の端部が入力軸82aに連結され、出力軸82bの他方の端部がユニバーサルジョイント84に連結される。本実施形態では、入力軸82a及び出力軸82bは、機械構造用炭素鋼(SC材(Carbon Steel for Machine Structural Use))又は機械構造用炭素鋼鋼管(いわゆるSTKM材(Carbon Steel Tubes for Machine Structural Purposes))等の一般的な鋼材等から形成される。
図2に示すように、ロアシャフト85は、ユニバーサルジョイント84を介して出力軸82bに連結される部材である。ロアシャフト85の一方の端部がユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント86に連結される。また、ピニオンシャフト87の一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、ピニオンシャフト87の他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。
図2に示すように、ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bと、を備える。ピニオン88aは、ピニオンシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。ラック88bは、タイロッド89に連結される。
図2に示すように、操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、モータ93と、を備える。モータ93は、例えばブラシレスモータである。減速装置92は、例えばウォーム減速装置である。モータ93で生じたトルクは、減速装置92の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。減速装置92は、ウォーム及びウォームホイール(ウォームギヤ)によって、モータ93で生じたトルクを増加させる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。電動パワーステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
電動パワーステアリング装置80は、モータ制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)90と、入力軸82aの回転角度を出力する回転角度センサ10と、出力軸82bの回転角度を出力する回転角度センサ20と、車速センサ95と、を備える。車速センサ95は、車体に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により信号として車速SVをECU90に出力する。ECU90には、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置99(例えば車載のバッテリ)から電力が供給される。ECU90は、回転角度センサ10が出力する入力軸82aの回転角度信号、及び回転角度センサ20が出力する出力軸82bの回転角度信号を取得する。ECU90は、車速センサ95から車体の車速SVを取得する。ECU90は、回転検出部23から出力される情報を動作情報SYとして取得する。ECU90は、モータ93の取得した回転角度信号に基づく操舵トルクの情報と車速SVと動作情報SYとに基づいて補助操舵指令値を算出する。そして、ECU90は、その算出された補助操舵指令値に基づいてモータ93へ供給する電力値SXを調節する。
ステアリングホイール81に入力された操作者(運転者)の操舵力は、入力軸82aを介して操舵力アシスト機構83の減速装置92に伝わる。この時、ECU90は、入力軸82a及び出力軸82bの回転角度信号と、車速SVと、動作情報SYと、を取得する。そして、ECU90は、モータ93の動作を制御する。モータ93が作り出した補助操舵トルクは、減速装置92に伝えられる。
出力軸82bを介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント84を介してロアシャフト85に伝達され、さらにユニバーサルジョイント86を介してピニオンシャフト87に伝達される。ピニオンシャフト87に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ88を介してタイロッド89に伝達され、車輪を変位させる。
(トルクセンサ)
次に、図3から図5を参照して実施形態1に係るトルクセンサ400について説明する。図3は、実施形態1に係るトルクセンサの機能ブロックを示す模式図である。図4は、実施形態1に係るトルクセンサを模式的に示す斜視図である。図5は、実施形態1に係る入力軸の回転角度を出力する回転角度センサを模式的に示す平面図である。
図3に示すように、トルクセンサ400は、相対角度検出部300と、トルク演算部402と、を備える。相対角度検出部300は、入力軸82aと出力軸82bとの相対的な回転角度である相対角度Δθioを検出する相対角度検出装置ともいえる。相対角度検出部300は、相対角度Δθioをトルク演算部402に出力する。図4に示すように、入力軸82aと出力軸82bは、トーションバー82cによって連結されている。トーションバー82cは、例えば、鋼材で形成された弾性部材である。
図3に示すように、トルク演算部402は、相対角度Δθioに基づいて、操舵トルクTを算出する。例えば、トルク演算部402は、トーションバー82cの特性によって決まる、相対角度Δθioと操舵トルクTとの関係を記憶している。トルク演算部402は、相対角度検出部300から入力された相対角度Δθioと、記憶された相対角度Δθioと操舵トルクTとの関係と、に基づいて操舵トルクTを算出する。トルク演算部402は、算出した操舵トルクTをモータ制御部91に出力する。モータ制御部91は、上述した電力値SXを調整するECU90の制御部である。
図3に示すように、相対角度検出部300は、誤差が補正された入力軸82aの回転角度である第1補正角度θisを検出する第1角度検出部100と、誤差が補正された出力軸82bの回転角度である第2補正角度θosを検出する第2角度検出部200と、差分演算部302と、を備える。差分演算部302は、第1補正角度θisと第2補正角度θosとの差分を算出することで、相対角度Δθioを算出する。
図3に示すように、第1角度検出部100は、回転角度センサ10と、記憶部102と、入力軸側の角度補正部104と、異常検出部106と、を備える。図4に示すように、回転角度センサ10は、第1多極磁石12と、基板14と、入力軸側の第1磁気センサ16(以下、第1磁気センサ16という。)と、入力軸側の第2磁気センサ18(以下、第2磁気センサ18という。)と、を備える。
図4に示すように、第1多極磁石12は、例えば、ラジアル方向に着磁されたリング形状の磁石である。第1多極磁石12は、交互に配置されたS極及びN極を平面視で円形の外周面に有する。第1多極磁石12の磁極数mは、例えば、20であるがこれに限定されない。図4及び図5に示す基準回転軸Ax0は、入力軸82a又は出力軸82bの回転軸が誤差なく回転している場合の回転軸を示す。基準回転軸Ax0は、第1シャフトである入力軸82a、第2シャフトである出力軸82b、第1多極磁石12又は第2多極磁石22の回転中心の基準であって、後述する第1変位Xiがなかったとした場合の回転軸である。図4に示すように、第1多極磁石12は、例えば、入力軸82aの回転軸と同軸となるように、入力軸82aの出力軸82b側の端部に取り付けられている。第1多極磁石12には、必要な磁束密度に応じて、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石等が用いられる。なお、図5に示す第1多極磁石12の回転位置は、基準位置における位置を示している。基準位置において、入力軸82aの回転軸又は第1多極磁石12の回転中心が基準回転軸Ax0にあって、第1多極磁石12、第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18が予め定められた位置にある。同様に、基準位置において、出力軸82bの回転軸又は第2多極磁石22の回転中心が基準回転軸Ax0にあって、第2多極磁石22、第3磁気センサ26、及び第4磁気センサ28が予め定められた位置にある。例えば、図5において、基準位置は、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18が第1多極磁石12のN極とS極との境に対向した位置を示す。
図3に示すように、第2角度検出部200は、回転角度センサ20と、出力軸側の角度補正部204と、異常検出部206と、を備える。図4に示すように、回転角度センサ20は、第2多極磁石22と、基板24と、出力軸側の第3磁気センサ26(以下、第3磁気センサ26という。)と、出力軸側の第4磁気センサ28(以下、第4磁気センサ28という。)と、を備える。
図4に示すように、第2多極磁石22は、出力軸82bの入力軸82a側の端部に取り付けられ、出力軸82bと同期して回転すること以外は、第1多極磁石12と同様である。すなわち、第2多極磁石22は、磁極数及び磁極のピッチが第1多極磁石12と同じである。なお、第2多極磁石22は、磁極数及び磁極のピッチが第1多極磁石12と異なってもよい。
図5に示すように、第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18は、基準回転軸Ax0を中心とする半径Rの第1円C1上に配置され、かつ第1多極磁石12の外周面に対向するように、基板14に配置される。第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18が第1円C1上に配置されるとは、それぞれのセンサの検出基準位置16P、検出基準位置18Pが第1円C1上に位置することである。これにより、第1多極磁石12、第1磁気センサ16間のギャップと、第1多極磁石12、第2磁気センサ18間のギャップとの差が小さくなる。その結果、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18がそれぞれ同程度の感応度の領域で磁束を検知できるようになり、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18の検出値の信頼性が向上する。
図5に示す基板14は、例えば、車体に固定されている。図5に示す直線L0は、基準回転軸Ax0から第1多極磁石12の回転の基準方向へ引いた直線である。回転の基準方向は、第1多極磁石12の回転の基準方向を定めるために便宜上設定されており、任意に設定してよい。図5に示す直線L1は、基準回転軸Ax0と検出基準位置16Pとを結ぶ線分である。図5に示す直線L2は、基準回転軸Ax0と検出基準位置18Pとを結ぶ線分である。図5に示すギャップ方向46は、基準回転軸Ax0のラジアル方向である。すなわち、ギャップ方向46とは、第1多極磁石12と、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18と、が互いに近づく又は離れる方向である。図5に示すギャップ直交方向47は、ギャップ方向46と直交する方向である。
図6は、実施形態1に係る第1磁気センサを貫通する磁束の向きを説明するための説明図である。次に、図6を参照して、第1磁気センサ16の検出基準位置16Pを貫通する磁束の向きについて説明する。図6に示す磁力線12mは、第1多極磁石12の磁力線を示している。
図6に示すように、第1磁気センサ16の検出基準位置16Pを貫通する磁力線12mの向きは、第1多極磁石12が1磁極対分回転するごとに1回転する。第1多極磁石12が1磁極対分回転するとは、磁極数を20としている本実施形態において、入力軸82aの機械角で36度分回転することに相当する。つまり、第1磁気センサ16の検出基準位置16Pを貫通する磁束の向きは、第1多極磁石12の回転により周期的に変化する。
図5に示すように、第1磁気センサ16と第2磁気センサ18とは、第1多極磁石12の外周面の周方向に2磁極対分の機械角だけ離れた位置に配置されているがこれに限定されない。直線L1と、直線L2とが成す角度φ1は、第1磁気センサ16と第2磁気センサ18との相対的な位置関係を示している。角度φ1は、直線L1と、直線L2とが一致しなければ任意である。その結果、第1磁気センサ16と第2磁気センサ18とは、第1多極磁石12の周囲において異なる位置に配置される。角度φ1は、第1多極磁石12の1磁極対分の機械角を整数倍した角度であることが好ましい。これにより、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18を貫通する磁束の向きを揃えることができる。その結果、第1磁気センサ16が出力する角度信号の位相と第2磁気センサ18が出力する角度信号の位相とを一致させることができる。
次に、図7及び図8を参照して第1磁気センサ16が第1多極磁石12の回転を検出する原理について説明する。図7は、実施形態1に係る第1磁気センサが回転を検出する原理を説明するための説明図である。図7に示す磁束密度Bは、検出基準位置16Pを貫通する磁束密度を例示したものである。図7に示すセンサ検出基準方向Dは、第1磁気センサ16が検出する磁束密度の向きの基準方向である。図7に示す第1電気角θie1は、センサ検出基準方向Dと磁束密度Bとが成す角度である。
第1磁気センサ16は、例えば、円形垂直ホールセンサである。図7に示すように、第1磁気センサ16は、例えば、検出基準位置16Pを中心とする円周上に等間隔で配置されたホール素子h1からホール素子h24を内部に備える。ホール素子h1は、検出基準位置16Pからホール素子h1へ向かう方向の磁束密度を検出可能である。ホール素子h2からホール素子h24は、ホール素子h1同様に、検出基準位置16Pから各ホール素子へ向かう方向の磁束密度を検出可能である。
図8は、実施形態1に係る第1磁気センサが検出する磁束密度を示す概念図である。図8に示す磁束密度Bh1から磁束密度Bh24は、図7に示す磁束密度Bが検出基準位置16Pを貫通する場合に、ホール素子h1からホール素子h24がそれぞれ検出する磁束密度の値を示す。すなわち、図8の縦軸は、磁束密度の大きさを示す。図8に示す最大磁束密度Bimは、磁束密度Bh1から磁束密度Bh24の中での最大値である。図8に示す概念図は、横軸を角度θとして、磁束密度Bh1から磁束密度Bh24を15度の間隔でプロットしたものである。ホール素子h1からホール素子h24は、センサ検出基準方向Dを基準として、検出基準位置16Pを中心とする円上に15度の間隔で配置されている。つまり、角度θは、ホール素子h1からホール素子h24が配置された円周上の位置に対応している。図7及び図8に示すように、磁束密度Bの向きに位置するホール素子h5が出力する磁束密度Bh5は、磁束密度Bh1から磁束密度Bh24の中で最も値が大きい。このように、最大磁束密度Bimを検出するホール素子の位置は磁束密度Bの向きを表している。第1磁気センサ16は、図8に示す磁束密度Bh1から磁束密度Bh24と角度θとの対応関係を記憶している。図3及び図8に示すように、第1磁気センサ16は、最大磁束密度Bimを検出したホール素子の位置(角度θ)を第1電気角θie1として角度補正部104、及び異常検出部106に出力する。第1磁気センサ16は、最大磁束密度Bimを角度補正部104に出力する。なお、第1磁気センサ16は、最大磁束密度Bimと、最大磁束密度Bimを検出したホール素子に隣接するホール素子の磁束密度と、からホール素子間の角度を算出して第1電気角θie1を補完演算してもよい。
第1磁気センサ16は、ホール素子h1からホール素子h24の磁束密度を走査し、磁束密度Bh1から磁束密度Bh24の中で最も値が大きい値を出力する。このため、第1磁気センサ16の周囲の磁場が変化すると、最も値が大きい磁束密度の値が出力される。第1磁気センサ16は、ホール素子h1からホール素子h24の磁束密度を走査し、出力値を走査毎に更新する。更新された出力値は、第1磁気センサ16が検知する最大磁束密度Bimである。このため、第1磁気センサ16は、磁束の向きとは無関係に、常に、最大磁束密度Bimの出力値を出力することができる。
図3に示すように、第2磁気センサ18は、第1磁気センサ16同様に、検出基準位置18Pを貫通する磁束の向きを検出して第2電気角θie2を角度補正部104、及び異常検出部106に出力する。
記憶部102は、後述する式(7)から式(23)等の情報を少なくとも記憶するメモリである。メモリとは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった揮発性又は不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、及びDVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
次に、図3、図6、及び図9を参照して、角度補正部104が入力軸82aの回転角度である第1補正角度θisを算出する方法について説明する。図9は、実施形態1に係るトルクセンサの入力軸が基準回転軸から変位した場合の回転角度センサを模式的に示す平面図である。図9に示すように、入力軸82aは、車両101が走行した場合の振動、及びロアシャフト85から加わる偶力等の影響を受けて変位する。図9に示す回転軸Ax1は、入力軸82a又は出力軸82bの回転軸の位置が基準回転軸Ax0から変位した場合の入力軸82a又は出力軸82bの回転軸である。図9に示す直線L3は、基準回転軸Ax0から回転軸Ax1へ向けて引いた直線である。図9に示す第1変位Xiは、基準回転軸Ax0と回転軸Ax1との距離である。図9に示す角度Yiは、直線L3と、直線L0とが成す角度である。
図10は、実施形態1に係るトルクセンサが操舵トルクを算出する手順を示すフローチャートである。図3に示す角度補正部104は、第1電気角θie1、第2電気角θie2、及び最大磁束密度Bimを取得する(ステップST11)。次に、角度補正部104は、第1電気角θie1、第2電気角θie2、及び最大磁束密度Bimに基づいて、第1補正角度θisを算出する(ステップST12)。具体的には、まず、角度補正部104は、第1電気角θie1を磁極数mで除することで入力軸82aの回転角度(機械角)である第1入力軸角度θi1を算出する。次に、角度補正部104は、第2電気角θie2を磁極数mで除することで入力軸82aの回転角度(機械角)である第2入力軸角度θi2を算出する。
次に、角度補正部104は、記憶部102に記憶された式(7)、式(8)、及び式(9)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出する。式(7)に示す第1基準角度θ1は、第1多極磁石12の回転位置が基準位置に位置する場合の第1入力軸角度θi1の値でもある。式(8)に示す第2基準角度θ2は、第1多極磁石12の回転位置が基準位置に位置する場合の第2入力軸角度θi2の値でもある。式(9)に示す定数Kiは、第1多極磁石12からの距離の2乗の逆数と、その位置における磁束密度との比例定数である。式(9)に示す初期磁束密度Bi0は、入力軸82a又は出力軸82bの回転軸が誤差なく回転している場合において、第1多極磁石12及び第1磁気センサ16が基準位置に位置する時の最大磁束密度Bimの値である。
θi1=θ1+Z1+θis…(7)
θi2=θ2+Z2+θis…(8)
sqrt(Ki/Bim)−sqrt(Ki/Bi0)=Xicos(θ1−Yi)…(9)
式(7)に示す誤差Z1は、第1磁気センサ16と第1多極磁石12とがギャップ直交方向47へ相対的に変位したことによる第1入力軸角度θi1の誤差である。誤差Z1は、記憶部102に記憶された式(10)で定義される。式(8)に示す誤差Z2は、第2磁気センサ18と第1多極磁石12の回転軸とがギャップ直交方向47へ相対的に変位したことによる第2入力軸角度θi2の誤差である。誤差Z2は、記憶部102に記憶された式(11)で定義される。なお、第1基準角度θ1、第2基準角度θ2、定数Ki、半径R及び初期磁束密度Bi0は、記憶部102に予め記憶されている。
Z1=arctan{Xisin(θ1−Yi)/R}…(10)
Z2=arctan{Xisin(θ2−Yi)/R}…(11)
図6に示すように、第1磁気センサ16の検出基準位置16Pを貫通する第1多極磁石12の磁束(磁力線12m)の向きは、第1磁気センサ16がギャップ方向46よりもギャップ直交方向47に変位した場合に大きく変化する。一方、第1磁気センサ16は、検出基準位置16Pを貫通する磁束の向きに基づいて第1電気角θie1を出力する。角度補正部104は、第1電気角θie1に基づいて第1入力軸角度θi1を算出する。したがって、第1入力軸角度θi1は、第1磁気センサ16と第1多極磁石12とがギャップ直交方向47に相対変位した場合に、誤差が大きくなる。また、第2入力軸角度θi2は、第1入力軸角度θi1と同様の理由により、第2磁気センサ18と第1多極磁石12とがギャップ直交方向47に相対変位した場合に、誤差が大きくなる。
角度補正部104は、第1磁気センサ16と第1多極磁石12又は回転軸Ax1がギャップ直交方向47へ相対的に変位したことによる誤差Z1、及び第2磁気センサ18と第1多極磁石12又は回転軸Ax1がギャップ直交方向47へ相対的に変位したことによる誤差Z2の少なくとも1つを補正して第1補正角度θisを算出する。これによれば、第1角度検出部100は、第1多極磁石12の回転軸が基準回転軸Ax0から変位した場合でも、第1多極磁石12の回転角度(第1補正角度θis)を精度良く算出することができる。
以上説明したように、第1角度検出部100は、第1シャフトとして入力軸82aと、第1多極磁石12と、第1磁気センサ16と、第2磁気センサ18と、角度補正部104とを備える第1角度検出装置である。第1多極磁石12は、入力軸82aの回転に連動して回転する。そうすると、第1多極磁石12の回転により、第1磁気センサ16と第2磁気センサ18とは、第1多極磁石12の周囲において周方向に異なる位置に配置されているので、第1磁気センサ16は、第1多極磁石12の周囲の磁束を検出して、第1磁気センサ16が配置された位置の磁束の方向に対応する第1電気角θie1と、最大磁束密度Bimである第1磁束密度とを角度補正部104に出力する。第2磁気センサ18においては、第2磁気センサ18が配置された位置の磁束の方向に対応する第2電気角θie2を角度補正部104に出力する。
角度補正部104は、第1電気角θie1、第2電気角θie2、及び最大磁束密度Bimに基づいて、第1補正角度θisを算出する。第1補正角度θisは、上述した誤差Z1及び誤差Z2の少なくとも1つによる誤差が補正された第1多極磁石12又は入力軸82aの回転角度である。第1多極磁石12は、入力軸82aの回転に連動して回転するとは、入力軸82aの回転と、第1多極磁石12の回転とは、等速回転でなくてもよく、入力軸82aと第1多極磁石12との間に、所定のギヤ比のギヤ機構があってもよい。
誤差Z1及び誤差Z2の少なくとも1つとは、図9に示す第1変位Xiが第1磁気センサ16側又は第2磁気センサ18側のいずれか一方にしか生じない場合も図9に示す第1変位Xiが第1磁気センサ16側又は第2磁気センサ18側の両方に生じる場合も含む。本実施形態においては、図9に示す第1変位Xiは、基準回転軸Ax0と回転軸Ax1との距離である。図9に示す第1変位Xiは、基準回転軸Ax0と回転軸Ax1とが平行である場合に限られず、回転軸Ax1が基準回転軸Ax0に対して傾いている場合、あるいは、第1多極磁石12の回転軸が基準回転軸Ax0に対して傾いている場合でも生じ得る。これらの場合のいずれでも、第1角度検出部100は、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18がある平面における、図9に示す第1変位Xiによる誤差が補正された第1補正角度θisを精度良く算出することができる。
また、基準回転軸Ax0と入力軸82aの回転軸との距離が0であっても、入力軸82aの回転軸と第1多極磁石12の回転中心とがずれていれば、基準回転軸Ax0と第1多極磁石12の回転中心を回転軸Ax1とした場合に、図9に示す第1変位Xiが生じる。この場合でも、第1角度検出部100は、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18がある平面における、図9に示す第1変位Xiによる誤差が補正された第1補正角度θisを精度良く算出することができる。
なお、第1多極磁石12の回転軸Ax1が回転に伴い、回転軸Ax1の軸方向に変位しても、この変位が第1多極磁石12の軸方向の寸法よりも小さい変位であれば、回転軸Ax1の軸方向への変位の影響は、第1補正角度θisの精度に影響を及ぼしにくい。
図3に示す第3磁気センサ26は、第3電気角θoe1を角度補正部204及び異常検出部206に出力する。第3磁気センサ26は、最大磁束密度Bomを角度補正部204に出力する。第4磁気センサ28は、第4電気角θoe2を角度補正部204及び異常検出部206に出力する。
図10に示すように、図3に示す角度補正部204は、第3電気角θoe1、第4電気角θoe2、及び最大磁束密度Bomを取得する(ステップST21)。
次に、角度補正部204は、第3電気角θoe1、第4電気角θoe2、及び最大磁束密度Bomに基づいて、第2補正角度θosを算出する(ステップST22)。具体的には、まず、角度補正部204は、第3電気角θoe1を磁極数mで除することで出力軸82bの回転角度(機械角)である第1出力軸角度θo1を算出する。次に、角度補正部204は、第4電気角θoe2を磁極数mで除することで出力軸82bの回転角度(機械角)である第2出力軸角度θo2を算出する。
図11は、実施形態1に係る出力軸の回転角度を出力する回転角度センサを模式的に示す平面図である。図12は、実施形態1に係るトルクセンサの入力軸が基準回転軸から変位した場合の回転角度センサを模式的に示す平面図である。図11及び図12に示す直線L00は、基準回転軸Ax0から第2多極磁石22の回転の基準方向へ引いた直線である。
図4、及び図11に示すように、第3磁気センサ26、及び第4磁気センサ28は、検出基準位置26P、28Pが基準回転軸Ax0を中心とする半径Rの第2円C2上に配置され、かつ第2多極磁石22の外周面に対向するように基板24に配置される。これにより、第2多極磁石22、第3磁気センサ26間のギャップと、第2多極磁石22、第4磁気センサ28間のギャップとの差が小さくなる。その結果、第3磁気センサ26及び第4磁気センサ28がそれぞれ同程度の感応度の領域で磁束を検知できるようになり、第3磁気センサ26及び第4磁気センサ28の検出値の信頼性が向上する。なお、基板24は、例えば、車体に固定されている。なお、第1円C1の半径と第2円C2の半径とは、異なる長さでもよい。
基準回転軸Ax0と検出基準位置26Pとを結ぶ線分L23と、基準回転軸Ax0と検出基準位置28Pとを結ぶ線分L24とが成す角は、角度φ2となっている。基準回転軸Ax0と検出基準位置26Pとを結ぶ線分と、基準回転軸Ax0と検出基準位置27Pとを結ぶ線分とが成す角は、角度φ2’となっている。
図3に示す角度補正部204は、記憶部102に記憶された式(12)、式(13)、及び式(14)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出する。第3基準角度θ3、第4基準角度θ4、定数Ko、半径R及び初期磁束密度Bo0は、記憶部102に予め記憶されている。図12に示すように、基準回転軸Ax0に対しての相対的な第2変位がXoとされ、第2変位Xoの方向と基準回転軸Ax0から第2多極磁石22の回転中心へ引いた直線とが成す角度がYoとされる。
θo1=θ3+arctan{Xisin(θ3−Yo)/R}+θos…(12)
θo2=θ4+arctan{Xisin(θ4−Yo)/R}+θos…(13)
sqrt(Ko/Bom)−sqrt(Ko/Bo0)=Xocos(θ3−Yo)…(14)
以上説明したように、第2角度検出部200は、第2シャフトとして出力軸82bと、第2多極磁石22と、第3磁気センサ26と、第4磁気センサ28と、角度補正部204とを備える第2角度検出装置である。第2多極磁石22は、出力軸82bの回転に連動して回転する。そうすると、第2多極磁石22の回転により、第3磁気センサ26と第4磁気センサ28とは、第2多極磁石22の周囲において周方向に異なる位置に配置されているので、第3磁気センサ26は、第2多極磁石22の周囲の磁束を検出して、第3磁気センサ26が配置された位置の磁束の方向に対応する第3電気角θoe1と、最大磁束密度Bomである第2磁束密度とを角度補正部204に出力する。第4磁気センサ28においては、第4磁気センサ28が配置された位置の磁束の方向に対応する第4電気角θoe2を角度補正部204に出力する。
角度補正部204は、第3電気角θoe1、第4電気角θoe2、及び最大磁束密度Bomに基づいて、第2補正角度θosを算出する。第2補正角度θosは、第3磁気センサ26と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差及び第4磁気センサ28と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差の少なくとも1つによる誤差が補正された第2多極磁石22又は出力軸82bの回転角度である。これによれば、第2角度検出部200は、第1角度検出部100と同様の作用で第2補正角度θosを算出することができる。
本実施形態において、第1磁気センサ16の検出基準位置16P、及び第2磁気センサ18の検出基準位置18Pは、基準回転軸Ax0を中心とする半径Rの第1円C1上に配置され、第3磁気センサ26の検出基準位置26P、及び第4磁気センサ28の検出基準位置28Pは、基準回転軸Ax0を中心とする半径Rの第2円C2上に配置される。なお、第1多極磁石12の基準回転軸Ax0から第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18が配置される距離は、異なっていてもよい。また、第2多極磁石22の基準回転軸Ax0から第3磁気センサ26、及び第4磁気センサ28が配置される距離は、異なっていてもよい。
図10に示すように、図3に示す相対角度検出部300は、算出された第1補正角度θis及び第2補正角度θosに基づいて相対角度Δθioを算出する(ステップST31)。本実施形態において、相対角度検出部300は、第1シャフトである入力軸82aと、第2シャフトである出力軸82bとの相対角度Δθioを算出する相対角度検出装置である。相対角度Δθioには、上述した誤差Z1、誤差Z2、第3磁気センサ26と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差及び第4磁気センサ28と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差の少なくとも1つが減少するので、精度が高くなる。
本実施形態の相対角度検出部300は、角度補正部104とは別に、角度補正部204を備え、角度補正部104及び角度補正部204が、それぞれ第1角度検出装置又は第2角度検出装置の角度補正部として機能する。上述した角度補正部204がなく、角度補正部104が角度補正部204の処理をしてもよい。あるいは、上述した角度補正部104がなく、角度補正部204が角度補正部104の処理をしてもよい。
図10に示すように、図3に示すトルクセンサ400は、ステップST31において算出された相対角度Δθioに基づいて操舵トルクTを算出する(ステップST41)。これによれば、トルクセンサ400は、操舵トルクTを算出することができる。操舵トルクTは、上述した誤差Z1、誤差Z2、第3磁気センサ26と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差及び第4磁気センサ28と第2多極磁石22又は出力軸82bの回転軸がギャップ直交方向へ相対的に変位したことによる誤差の少なくとも1つが減少するので、精度が高くなる。
図10に示すように、図3に示すトルク演算部402は、操舵トルクTの情報を信号としてモータ制御部91に出力する(ステップST42)。モータ制御部91は、操舵トルクTの情報と車速SVと動作情報SYとに基づいて補助操舵指令値を算出する。そして、モータ制御部91は、その算出された補助操舵指令値に基づいてモータ93へ供給する電力値SXを調節する。その結果、電動パワーステアリング装置80は、操作者へ与える違和感の少ない補助操舵トルクを出力することができる。
次に、図13及び図14を参照して、異常検出部106が第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18の異常を検出する方法について説明する。図13は、実施形態1に係る異常検出部が回転角度センサの異常を検出する手順を示すフローチャートである。図14は、実施形態1に係る異常検出部が第1磁気センサ及び第2磁気センサの異常を検出する方法を説明するための説明図である。
図13に示すように、まず、異常検出部106は、比較ステップST51を実行する。比較ステップST51において、異常検出部106は、第1電気角θie1と第2電気角θie2とを比較して、第1磁気センサ16、及び第2磁気センサ18の異常を検出する。具体的には、図14に示すように、異常検出部106は、第1電気角θie1と第2電気角θie2との差が予め定められた閾値Thを超えた場合に、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18のうち少なくとも1つが異常であることを検出する。図14に示すt1は、第1電気角θie1と第2電気角θie2との差が閾値Thを超えた時刻を示す。
次に、異常検出部106は、回転角度センサ10が異常であるか否かを判定する(ステップST52)。具体的には、異常検出部106は、第1電気角θie1と第2電気角θie2との差が閾値Th以下である場合(ステップST52、Yes)に、回転角度センサ10が異常ではないと判定する。
ステップST52で異常検出部106が回転角度センサ10に異常があると判定した場合(ステップST52、No)、異常検出部106は、継続運転不可判定を行う(ステップST53)。具体的には、異常検出部106は、運転継続不可判定信号をモータ制御部91に出力する。モータ制御部91は、運転継続不可判定信号が入力された場合に、運転者へアラートを表示する。これによれば、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18が故障した場合に、運転者に故障を知らせることができる。また、モータ制御部91は、運転継続不可判定信号が入力された場合に、モータ93への電力の供給を停止する。これによれば、第1磁気センサ16及び第2磁気センサ18のうち少なくとも一方が故障した場合に、モータ制御部91が誤った電力値SXを出力することを防ぐことができる。
異常検出部206は、第3電気角θoe1と第4電気角θoe2とを比較して、第3磁気センサ26、及び第4磁気センサ28の異常を検出すること以外は、異常検出部106と同様である。
なお、角度補正部104、異常検出部106、異常検出部206、角度補正部204、差分演算部302、及びトルク演算部402は、ECU90に含まれる構成としたが、ECU90の外部に配置される構成としてもよい。
(実施形態2)
図15は、実施形態2に係るトルクセンサを模式的に示す斜視図である。図16は、実施形態2に係るアングル磁気センサと磁石との位置関係を説明するための平面図である。図17は、実施形態2に係るトルクセンサの機能ブロックを示す模式図である。図15から図17に示すように、実施形態2に係るトルクセンサ400aは、第1ギヤ30a、第2ギヤ32a、磁石34a、及びアングル磁気センサ36aを備え、相対角度検出部300に代えて相対角度検出部300aを備える点で、上述したトルクセンサ400とは異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図15及び図16に示すように、第1ギヤ30aは、入力軸82aに取り付けられている。第1ギヤ30aは、入力軸82aと同期して回転する。図16に示すように、第2ギヤ32aは、回転軸Ax2を回転軸として回転可能に固定されている。第2ギヤ32aは、例えば、車体に固定されている。第2ギヤ32aは、第1ギヤ30aと噛み合うように配置されている。第2ギヤ32aは、第1ギヤ30aと連動して回転する。第2ギヤ32aに対する第1ギヤ30aのギヤ比は、例えば、3である。つまり、第1ギヤ30aが1回転した場合に、第2ギヤ32aは、3回転する。
図15及び図16に示すように、磁石34aは、円柱形状の永久磁石である。磁石34aは、磁石34aの径方向に着磁されている。磁石34aは、第2ギヤ32aの内側に配置されている。磁石34aは、回転軸Ax2を回転軸として第2ギヤ32aと同期して回転する。磁石34aには、必要な磁束密度に応じて、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石等が用いられる。なお、磁石34aの着磁パターンは、アングル磁気センサ36aが磁石34aの回転を検出できるパターンであればよい。
図17に示すように、相対角度検出部300aは、第1角度検出部100に代えてθan演算部38a及び第1角度検出部100aを備える点で、相対角度検出部300と異なる。図15及び図16に示すように、アングル磁気センサ36aは、回転軸Ax2上に配置されている。アングル磁気センサ36aは、磁石34aの上面に対向して配置されている。アングル磁気センサ36aは、例えば、車体に固定されている。図17に示すように、アングル磁気センサ36aは、磁石34aが1回転するごとに、1周期の正弦波信号sinθan及び1周期の余弦波信号cosθanをθan演算部38aに出力する。アングル磁気センサ36aは、例えば、スピンバルブセンサである。スピンバルブセンサは、反強磁性層等で磁化の向きが固定された強磁性体のピン層と、強磁性体のフリー層とで非磁性層を挟んだ素子で、磁束の向きの変化を検出できるセンサである。スピンバルブセンサには、GMR(Giant Magneto Resistance)センサ、TMR(Tunnel Magneto Resistance)センサがある。なお、アングル磁気センサ36aは、磁石34aの回転を検出可能なセンサであればよい。アングル磁気センサ36aは、例えば、AMRセンサ、及び円形垂直ホールセンサでもよい。
図17に示すように、θan演算部38aは、アングル磁気センサ検出角度θanを、記憶部102に記憶された式(15)によって算出する。θan演算部38aは、算出したアングル磁気センサ検出角度θanを第1角度検出部100aに出力する。
θan=arctan{sinθan/cosθan}…(15)
第1角度検出部100aは、入力軸側の角度補正部104に代えて入力軸側の角度補正部104aを備える点で第1角度検出部100と異なる。角度補正部104aは、第1電気角θie1とアングル磁気センサ検出角度θanとに基づいて、入力軸82aの回転数を算出すること以外は、角度補正部104と同様である。
図18は、実施形態2に係る第1電気角及びアングル磁気センサ検出角度と第1多極磁石の磁極との関係を示す説明図である。図18の横軸に示す入力軸機械角は、入力軸82aの機械角(回転角度)を示す。図18の上段に示す電気角は、第1電気角θie1を示す。図18の下段に示す電気角は、アングル磁気センサ検出角度θanを示す。なお、図18は、便宜上第1多極磁石12の磁極数mを8として記載している。図18を参照して、第1多極磁石12の磁極数mが8である場合に、角度補正部104aが入力軸82aの回転数である回転数Nを算出する方法の一例について説明する。磁石34aは、第2ギヤ32aに対する第1ギヤ30aのギヤ比が3であることから、入力軸82aが360度回転した場合に1080度回転する。アングル磁気センサ36aは、磁石34aが360度回転した場合に1周期の信号を出力する。したがって、図18に示すように、アングル磁気センサ検出角度θanは、入力軸82aの機械角で120度の周期を有する。第1電気角θie1は、第1磁気センサ16の対向位置にある磁極が1磁極対分変化するごとに1周期の信号を出力する。したがって、図18に示すように、第1電気角θie1は、入力軸82aの機械角で90度の周期を有する。以上より、アングル磁気センサ検出角度θanと第1電気角θie1とは、入力軸82aの機械角で、360度毎に位相(電気角)が一致する。すなわち、アングル磁気センサ検出角度θanと第1電気角θie1とは、入力軸82aが1回転する毎に位相が一致する。角度補正部104aは、アングル磁気センサ検出角度θanと第1電気角θie1との位相が一致した場合に、第1多極磁石12の回転方向に応じて記憶部102に記憶された回転数Nに1を加算、又は減算する。これによれば、第1角度検出部100aは、入力軸82aが1回転を超えて回転した場合でも、角度補正部104aが入力軸82aの回転数をカウント(多回転検知)することができる。
なお、第2実施形態に係るトルクセンサ400aは、アングル磁気センサ検出角度θanと、第1電気角θie1及び第2電気角θie2のうちいずれか1つとのバーニア演算により、第1多極磁石12の回転角度を算出してもよい。この場合、アングル磁気センサ検出角度θanの周期と、第1電気角θie1の周期及び第2電気角θie2の周期とが異なる値となるように、適宜磁極数m及び第1ギヤ30aに対する第2ギヤ32aのギヤ比を選択すればよい。第1ギヤ30aに対する第2ギヤ32aのギヤ比は、例えば、2を磁極数mで除した値と異なっていればよい。これによれば、アングル磁気センサ検出角度θanの周期と第1電気角θie1の周期及び第2電気角θie2の周期とを異なった値にすることができる。その結果、バーニア演算により、第1多極磁石12の回転角度を検出することができる。また、アングル磁気センサ検出角度θanと、第1電気角θie1及び第2電気角θie2のうちいずれか1つとのバーニア演算により、第1多極磁石12の多回転の絶対角を算出してもよい。多回転の絶対角で算出するとは、入力軸82a(第1多極磁石12)の360度以下の回転角度、又は入力軸82a(第1多極磁石12)の360度を超える回転角度を絶対角で算出することである。
(実施形態3)
図19及び図20は、実施形態3に係る回転角度センサを模式的に示す平面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施形態3の回転角度センサ10は、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17を備えている。基準回転軸Ax0から検出基準位置16Pまでの半径は、Ri1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置18Pまでの半径は、Ri2である。基準回転軸Ax0から検出基準位置17Pまでの半径は、Ri3である。図19に示すように、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、検出基準位置16P、検出基準位置17P、検出基準位置18Pが第1円C1上に位置する。このため、半径Ri1、半径Ri2及び半径Ri3は、半径Rの大きさである。
第1磁気センサ16と第5磁気センサ17との配置において、基準回転軸Ax0と検出基準位置16Pとを結ぶ線分と、基準回転軸Ax0と検出基準位置17Pとを結ぶ線分とが成す角は、角度φ1’となっている。角度φ1’は、角度φ1とは異なる角度である。
実施形態3において、図3に示す異常検出部106は、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17に接続されている。異常検出部106は、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17のうちいずれの磁気センサが異常であるかを検出する。具体的には、異常検出部106は、第1磁気センサ16が出力する第1電気角θie1、第2磁気センサ18が出力する第2電気角θie2、及び第5磁気センサ17が出力する第5電気角θie5から電気角の差分値を算出してもよい。そして、該差分値が予め定められた閾値を超えているか否かを判定することでいずれの磁気センサが異常であるかを検出する構成とする。
例えば、異常検出部106によって、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17に異常が検出されなかった場合、図3に示す角度補正部104は、記憶部102に記憶された式(16)、式(17)、及び式(18)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出する。第1基準角度θ1、第2基準角度θ2、定数Ki、半径Ri1、半径Ri2及び初期磁束密度Bi0は、記憶部102に予め記憶されている。
θi1=θ1+arctan{Xisin(θ1−Yi)/Ri1}+θis…(16)
θi2=θ2+arctan{Xisin(θ2−Yi)/Ri2}+θis…(17)
sqrt(Ki/Bim)−sqrt(Ki/Bi0)=Xicos(θ1−Yi)…(18)
異常検出部106によって第2磁気センサ18に異常が検出された場合、角度補正部104は、異常検出部106によって異常が検出されなかった第1磁気センサ16の出力と、異常検出部106によって異常が検出されなかった第5磁気センサ17の出力とに基づいて、第1補正角度θisを算出する。具体的には、角度補正部104は、記憶部102に記憶された式(16)、式(18)、及び式(19)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出する。第2基準角度θ2’は、図19に示すように、第1基準角度θ1と角度φ1’を加算した角度である。第1基準角度θ1、第2基準角度θ2’、定数Ki、半径Ri1、半径Ri2、半径Ri3及び初期磁束密度Bi0は、記憶部102に予め記憶されている。
θi5=θ2’+arctan{Xisin(θ2’−Yi)/Ri3}+θis…(19)
これによれば、回転角度センサ10の磁気センサを冗長化させることができる。その結果、第1角度検出部100は、第2磁気センサ18が故障した場合でも、機能継続することができる。
図20に示すように、実施形態3の回転角度センサ20は、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27を備えている。基準回転軸Ax0から検出基準位置26Pまでの半径は、Ro1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置28Pまでの半径は、Ro2である。基準回転軸Ax0から検出基準位置27Pまでの半径は、Ro3である。図20に示すように、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27は、検出基準位置26P、検出基準位置27P、検出基準位置28Pが第2円C2上に位置する。このため、半径Ro1、半径Ro2及び半径Ro3は、半径Rの大きさである。なお、図20に示す直線L00は、基準回転軸Ax0から第2多極磁石22の回転の基準方向へ引いた直線である。角度φ2’は、角度φ2とは異なる角度である。
実施形態3において、図3に示す異常検出部206は、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27に接続されている。異常検出部106は、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27のうちいずれの磁気センサが異常であるかを検出する。具体的には、異常検出部206は、第3磁気センサ26が出力する第3電気角θoe1、第4磁気センサ28が出力する第4電気角θoe2、第6磁気センサ27が出力する第6電気角θoe6から電気角の差分値を算出してもよい。そして、該差分値が予め定められた閾値を超えているか否かを判定することでいずれの磁気センサが異常であるかを検出する構成とする。
例えば、異常検出部106によって、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27に異常が検出されなかった場合、図3に示す角度補正部204は、記憶部102に記憶された式(20)、式(21)、及び式(22)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出する。第3基準角度θ3、第4基準角度θ4、定数Ko、半径Ro1、半径Ro2及び初期磁束密度Bo0は、記憶部102に予め記憶されている。
θo1=θ3+arctan{Xisin(θ3−Yo)/Ro1}+θos…(20)
θo2=θ4+arctan{Xisin(θ4−Yo)/Ro2}+θos…(21)
sqrt(Ko/Bom)−sqrt(Ko/Bo0)=Xocos(θ3−Yo)…(22)
異常検出部206によって第4磁気センサ28に異常が検出された場合、角度補正部204は、異常検出部206によって異常が検出されなかった第3磁気センサ26の出力と、異常検出部206によって異常が検出されなかった第6磁気センサ27の出力とに基づいて、第2補正角度θosを算出する。具体的には、角度補正部104は、記憶部102に記憶された式(20)、式(22)、及び式(23)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出する。第4基準角度θ4’は、図20に示すように、第3基準角度θ3と角度φ2’を加算した角度である。
θo6=θ4’+arctan{Xosin(θ4’−Yo)/Ro3}+θos…(23)
これによれば、回転角度センサ20の磁気センサを冗長化させることができる。その結果、第2角度検出部200は、第4磁気センサ28が故障した場合でも、機能継続することができる。また、回転角度センサ20において、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27のうち1つが故障した場合でも、電動パワーステアリング装置80は、運転者の操舵をアシストすることができる。
(実施形態3の変形例1)
図21は、実施形態3の変形例1に係る回転角度センサを模式的に示す平面図である。実施形態3の変形例1に係る回転角度センサ10において、基準回転軸Ax0に対する第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17の位置が、上述した実施形態3とは異なる。なお、上述した実施形態3で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図21に示すように、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、検出基準位置16P、検出基準位置17P、検出基準位置18Pが直線PL1上に等間隔に並ぶように、基板14に配置されている。検出基準位置16Pと、検出基準位置17Pとの間は、距離W1であり、検出基準位置17Pと、検出基準位置18Pとの間は、距離W1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置16Pまでの半径は、Ri1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置18Pまでの半径は、Ri2である。基準回転軸Ax0から検出基準位置17Pまでの半径は、Ri3である。
図21に示す回転角度センサ10において、検出基準位置16Pと検出基準位置18Pとが基準回転軸Ax0と検出基準位置17Pとを結ぶ線に対して、線対称の位置にある。直線PL1と、基準回転軸Ax0と検出基準位置17Pとを結ぶ線とがなす角は直角である。このため、半径Ri1と半径Ri2とは大きさが同じであり、半径Ri1と半径Ri3とは大きさが異なる。
図22は、実施形態3の変形例1に係るトルクセンサの入力軸が変位した場合の回転角度センサを模式的に示す平面図である。図22に示す回転軸Ax1は、例えば、車両101の振動等により、入力軸82aの位置が変位した場合の入力軸82aの回転軸である。
第1変位Xiが生じていても、角度補正部104(図3参照)は、上述した記憶部102に記憶された式(16)、式(17)、及び式(19)のうち2つの式と式(18)との連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出する。ここで、記憶部102には、第1基準角度θ1、第2基準角度θ2、第2基準角度θ2’、半径Ri1、半径Ri2、及び半径Ri3が予め記憶されている。
図23は、実施形態3の変形例1に係る回転角度センサを模式的に示す平面図である。図24は、実施形態3の変形例1に係るトルクセンサの出力軸が変位した場合の回転角度センサを模式的に示す平面図である。図23に示すように、実施形態3の変形例1の回転角度センサ20は、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27を備えている。図23に示すように、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27は、検出基準位置26P、検出基準位置27P、検出基準位置28Pが直線PL2上に等間隔に並ぶように、基板24に配置されている。検出基準位置26Pと、検出基準位置27Pとの間は、距離W1であり、検出基準位置27Pと、検出基準位置28Pとの間は、距離W1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置26Pまでの半径は、Ro1である。基準回転軸Ax0から検出基準位置28Pまでの半径は、Ro2である。基準回転軸Ax0から検出基準位置27Pまでの半径は、Ro3である。半径Ro1と半径Ro2とは大きさが同じであり、半径Ro1と半径Ro3とは大きさが異なる。図24に示す回転軸Ax1は、例えば、車両101の振動等により、出力軸82bの位置が変位した場合の出力軸82aの回転軸である。図24に示すように、基準回転軸Ax0に対しての相対的な第2変位がXoとされ、角度Yiの代わりに、第2変位Xoの方向と基準回転軸Ax0から第2多極磁石22の回転中心へ引いた直線とが成す角度がYoとされる。
第2変位Xoが生じていても、角度補正部204(図3)は、記憶部102に記憶された式(20)、式(21)、及び式(23)のうち2つの式と式(22)との連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出する。ここで、記憶部102には、第3基準角度θ3、第4基準角度θ4、第4基準角度θ4’、半径Ro1、半径Ro2、及び半径Ro3が予め記憶されている。
この構造により、半径Ri1が半径Ri3と異なるが、実施形態3の変形例1の回転角度センサ10は、式(16)、式(18)、及び式(19)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出することができる。これにより、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17の配置の自由度が向上する。同様に、半径Ro1が半径Ro3と異なるが、実施形態3の変形例1の回転角度センサ20は、式(20)、式(22)、及び式(23)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出することができる。これにより、第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27の配置の自由度が向上する。
第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、入力軸82aの軸方向に直交する平面上において、直線PL1上に等間隔に並ぶ。これにより、基板14の形状の自由度が向上する。例えば、実施形態3のように、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、基準回転軸Ax0から等距離である必要はないので、基板14に曲線状の切り欠きを設ける必要はない。基板14を矩形とすることで、基板14の製造効率が向上する。また、基準回転軸Ax0と第1磁気センサ16の検出基準位置16Pの位置及び直線PL1と、基準回転軸Ax0と検出基準位置16Pとを結ぶ線とがなす角を規定するだけで、第1多極磁石12に対する、回転角度センサ10の組付け精度が向上する。
第3磁気センサ26、第4磁気センサ28、及び第6磁気センサ27は、出力軸82bの軸方向に直交する平面上において、直線PL2上に等間隔に並ぶ。これにより、基板24の形状の自由度が向上する。例えば、実施形態3のように、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、基準回転軸Ax0から等距離である必要はないので、基板24に曲線状の切り欠きを設ける必要はない。基板24を矩形とすることで、基板24の製造効率が向上する。また、基準回転軸Ax0と第3磁気センサ26の検出基準位置26Pの位置及び直線PL2と、基準回転軸Ax0と検出基準位置26Pとを結ぶ線とがなす角を規定するだけで、第2多極磁石22に対する、回転角度センサ10の組付け精度が向上する。
(実施形態3の変形例2)
図25は、実施形態3の変形例2に係る回転角度センサを模式的に示す平面図である。図21に示すように、直線PL1と、基準回転軸Ax0と検出基準位置17Pとを結ぶ線とがなす角は直角でなくてもよい。また、回転角度センサ20は、回転角度センサ10の構成と同様の構造をとることができる。
この構造により、半径Ri1が半径Ri2と異なるが、実施形態3の変形例1の回転角度センサ10は、式(16)、式(17)、及び式(18)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出することができる。同様に、半径Ro1が半径Ro2と異なるが、実施形態3の変形例1の回転角度センサ20は、式(20)、式(21)、及び式(22)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出することができる。これにより、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17の配置の自由度が向上する。
(実施形態3の変形例3)
図26は、実施形態3の変形例3に係る回転角度センサを模式的に示す平面図である。図22に示すように、第1磁気センサ16、第2磁気センサ18、及び第5磁気センサ17は、入力軸82aの軸方向に直交する平面上において、直線PL1上に並ぶ。そして、検出基準位置16Pと、検出基準位置17Pとの間は、距離W1であり、検出基準位置17Pと、検出基準位置18Pとの間は、距離W2である。距離W2は、距離W1よりも大きい。このため、第1磁気センサ16と第2磁気センサ18との距離は、第2磁気センサ18と第5磁気センサ17との距離とは異なる。この構造によれば、半径Ri1、半径Ri2及び半径Ri3が、それぞれ異なる大きさである。また、回転角度センサ20は、回転角度センサ10の構成と同様の構造をとることができる。
以上説明したように、半径Ri1が半径Ri2と異なるが、実施形態3の変形例3の回転角度センサ10は、式(16)、式(17)、及び式(18)の連立方程式を解くことで第1補正角度θisを算出することができる。同様に、半径Ro1が半径Ro2と異なるが、実施形態3の変形例3の回転角度センサ20は、式(20)、式(21)、及び式(22)の連立方程式を解くことで第2補正角度θosを算出することができる。