JP5920386B2 - 回転角センサ用磁石および回転角センサ - Google Patents
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Description
ところで、検出対象である回転軸等が回転角センサを貫通する軸貫通型のセンシング方式では、磁気ベクトル検出手段101は、回転軸中心に配置できないために、図22(A)に例示するように、回転軸100を中心に円環状に配置される磁気ベクトル検出用のリング状磁石102に対してその内縁103近傍に配置される。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
したがって、磁束の向きの変化が小さくなる内縁近傍に磁気ベクトル検出手段を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石に対して磁気ベクトル検出手段が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
以下、本発明の回転角センサ用磁石20を備える回転角センサ10を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、回転角センサ10の概略構成を示す説明図であり、図1(A)は断面図を示し、図1(B)は軸方向から見た図を示す。なお、図1では、軸方向をzにて示し、径方向をrにて示し、周方向をθにて示す。また、図1(B)では、便宜上、ブッシング31等の図示を省略している。
図2に示すように、センサチップ11は、公知の回転角検出用の素子として、2つのGMR素子12,13を備えている。両GMR素子12,13は、軸方向に直交する平面について回転角センサ用磁石20の回転に応じて変化する磁束の方向に応じて、GMR素子12が正弦波信号(sin信号)を出力し、GMR素子13がその正弦波信号から位相が90°変化した余弦波信号(cos信号)を出力するように配置されている。このため、センサチップ11にて検出される回転角センサ用磁石20の磁束の方向を磁気ベクトルの振れ角θsとするとき、GMR素子12からA(t)sinθsに相当するsin信号が出力され、GMR素子13からA(t)cosθsに相当するcos信号が出力される。
図1および図3に示すように、回転角センサ用磁石20は、周方向にN極とS極とが交互に配置される4極の環状磁石として形成されており、内縁21におけるN極とS極との磁極間には、磁束を生じない領域(非磁性領域)として凹部22a〜22hが軸方向一側端面から他側端面まで設けられている。各凹部22a〜22hは、突起23a〜23hによりそれぞれ区画されており、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられている。
図11から分かるように、周方向角度Aが小さい場合には、径方向長さBにかかわらず角度検出誤差Ezを十分に小さくすることができない。周方向角度Aが小さくなることから内縁21のうち各凹部22a〜22hの占める周方向長さが小さくなると、凹部22a〜22hを介して周方向に隣り合うN極とS極との距離が短くなるため、N極の突起からS極の突起に向かう磁束の向きの変化を効果的に小さくできないからである。
したがって、回転角センサ10では、磁束の向きの変化が小さくなる内縁21近傍にセンサチップ11を配置することで、上述のように構成される回転角センサ用磁石20に対してセンサチップ11が位置ズレしてもこの位置ズレに起因する角度検出誤差を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図13は、第2実施形態に係る回転角センサ用磁石20bの平面図である。
本第2実施形態に係る回転角センサ用磁石では、内縁21に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
次に、本発明の第3実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図14は、角度検出誤差Erと凹部の形状との関係を示す説明図である。図15は、第3実施形態に係る回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフである。
次に、本発明の第4実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図16は、角度検出誤差Ewと凹部の形状との関係を示す説明図である。図17は、第4実施形態に係る回転角センサ用磁石20を採用する場合のセンサチップ11の相対位置と検出される磁気ベクトルの振れ角θsとの関係を示す等高線グラフである。
次に、本発明の第5実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図18は、第5実施形態に係る回転角センサ10aの概略構成を示す説明図であり、図18(A)は断面図を示し、図18(B)は軸方向から見た図を示す。なお、図18(B)では、便宜上、ブッシング31a等の図示を省略している。
本第5実施形態に係る回転角センサ用磁石40および回転角センサ10aでは、規定位置のセンサチップ11が回転角センサ用磁石40の外縁41上に位置する点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
次に、本発明の第6実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図19は、第6実施形態に係る回転角センサ用磁石40aの平面図である。
本第6実施形態に係る回転角センサ用磁石では、外縁41に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第5実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
次に、本発明の第7実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図20は、第7実施形態に係る回転角センサ10bの概略構成を示す説明図であり、図20(A)は断面図を示し、図20(B)は軸方向から見た図を示し、図20(C)は図20(B)のX1−X1線相当の切断面による断面図を示す。なお、図20(B)では、便宜上、ブッシング31等の図示を省略している。
本第7実施形態に係る回転角センサ用磁石50および回転角センサ10bでは、規定位置のセンサチップ11が回転角センサ用磁石50の軸方向端面51上に位置する点が、上記第1実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
次に、本発明の第8実施形態に係る回転角センサ用磁石および回転角センサについて図面を参照して説明する。図21(A)は、第8実施形態に係る回転角センサ用磁石50aの平面図であり、図21(B)は図21(A)のX2−X2線相当の切断面による断面図である。
本第8実施形態に係る回転角センサ用磁石では、軸方向端面51に設けられる磁束を生じない領域を、着磁処理を利用して設ける点が、上記第7実施形態に係る回転角センサ用磁石と主に異なる。
(1)磁束を生じない領域(各凹部22a〜22hや着磁されていない磁石用材料25a〜25h等)は、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられることに限らず、少なくとも一部が異なる形状に形成されてもよいし周方向にて等間隔にならないように配置されてもよい。
11…センサチップ(磁気ベクトル検出手段)
20,20a,20b,40,40a,50,50a…回転角センサ用磁石
21…内縁
22a〜22h,42a〜42h,52a〜52h…凹部(磁束を生じない領域)
25a〜25h,44a〜44h,54a〜54h…磁石用材料(磁束を生じない領域)
30…回転軸
41…外縁
51…軸方向端面
θr…回転軸の回転角
θs…磁気ベクトルの振れ角
Claims (5)
- 回転角(θr)を測定する回転角センサ用に用いられる回転角センサ用磁石(20,20a,20b)であって、
周方向にN極とS極とが交互に配置されて環状に形成され、
内縁(21)における前記N極と前記S極との磁極間には、磁束を生じない領域(22a〜22h,25a〜25h)が設けられ、
前記磁束を生じない領域は、その径方向長さが当該磁束を生じない領域を含めた磁石の径方向長さの40%以上60%以下になるように形成されることを特徴とする回転角センサ用磁石。 - 前記磁束を生じない領域は、前記内縁のうち当該磁束を生じない領域の占める周方向長さが前記N極または前記S極の占める周方向長さよりも長くなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の回転角センサ用磁石。
- 前記磁束を生じない領域は、それぞれ同じ形状であって周方向等間隔に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の回転角センサ用磁石。
- 前記磁束を生じない領域は、前記磁極間に形成される凹部(22a〜22h)により設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転角センサ用磁石(20,20a,20b)と、
前記回転角センサ用磁石に対して磁束の向きを磁気ベクトル(θs)として検出する磁気ベクトル検出手段(11)と、を備える回転角センサ(10)であって、
検出対象(30)の回転中心(L)を基準に固定される前記回転角センサ用磁石について前記磁気ベクトル検出手段により前記磁気ベクトルを検出することで、前記検出対象の回転角(θr)を測定することを特徴とする回転角センサ。
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