JP4667186B2 - 回転精度測定方法 - Google Patents
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この発明は、工作機械の主軸回転精度評価(含む、超精密工作機械用主軸)、ベアリングの性能評価、各種モータの回転精度評価、HDD、DVD装置などのスピンドルの回転精度評価、真円度測定機の回転軸の回転精度評価、高精度真円度測定、その他、各種回転軸系の回転精度および真円度評価に利用することができる。
この発明では回転同期信号により測定対象物の回転周期を検出する一方で、各周期におけるサンプル数をカウントし1周期と他の周期とでサンプル数が異なるときは測定対象物に回転ムラがあるとして前後の周期のサンプル数から線形補間によりサンプル数を前後の周期と一致させ回転ムラのない状態における測定を実現する。例えば図4の一定回転の1周期のサンプル数が黒点で示す6個である場合に回転速度が遅い時のサンプル数が黒点で示す7個であったとすればこれは回転速度が遅くなっていると判断して線形補間によりサンプル数を白点で示す6個に補正する。(図4における回転が遅い時の補正においては先頭の白点は先頭の黒点と重なるため表示されていない)
またこの発明では測定対象物の同一の回転軌跡と一致するエッジをもつマークを測定対象物の表面上に設け、このエッジを検出器が測定することによって、検出器の中心が測定対象物上の同一回転軌跡上にある状態を実現する。例えば図6の2つの矩形マークのエッジが回転軌跡と一致して形成して2個分のマークのエッジが一直線上にあるとすると、検出器の中心がこの2個分のエッジを検出することによって検出器が回転軌跡に正しく位置していることを確認できる。
図1及び図2において、1は回転精度を測定しようとする軸受14に取り付けられた回転軸であり、2はこの発明の真円度測定装置である。回転軸は回転測定対象物の一例である。回転軸1の特定断面を含む平面内に3個の変位計A、B及びCを配置する。変位計A、B、及びCとしては静電容量型変位計、渦電流形変位計、その他任意の変位計を使用することができる。回転中の回転軸1の運動を変位計によって測定する。変位計A、B、及びCの出力には回転軸の回転精度成分だけでなく回転軸1の形状成分も含まれる。変位計A、B、Cの出力から形状成分を検出し、その分を変位計の出力について補正する。この実施態様では回転軸形状の検出に3点法真円度測定法を応用し、変位計A、B及びCからの信号を増幅器17を介してコンピュータ16に入力する。コンピュータ16では変位計A、B、Cからの出力をサンプリングし、3点法回転精度測定法により処理して回転精度を測定する。処理の手法については昭和55年特許出願公開第82008号公報に詳細に記載されている。
次に回転ムラの補正について述べる。
この発明では回転軸の回転速度の変化(回転ムラ)に対して、補正する機能を持っている。図3(a)に示すように、A/D変換器のサンプリング周期は一定のため、回転速度が変化するとサンプリング点数が変化する。
この発明では、図3(b)に示すように回転ムラを検出するために回転同期信号が必要であり、その信号はA/D変換器の入力信号として集録される。
回転同期信号はエッジの鋭いロジック信号を規格としているが、インターフェース回路の周波数特性からエッジは傾斜を持った波形となる。又ノイズも混入する。集録した回転同期信号は1周期を精度良く分離するために、正(“1”)の安定電圧、負(“0”)の安定電圧から自動的にしきい値を補正する機能を持っている。従い、傾斜を持つエッジでも1周期の精度良く分離ができる。
次にこの発明ではすべての変位計が回転軸1の同一の回転軌跡を測定している状態を確保することができる。この発明では3個の変位計の出力を用いるので、そのすべての変位計が回転軸の同一の回転軌跡上の同一測定部位を測定している状態でなければならない。そこでこの状態を確保するために回転軸の回転軌跡上にマーク11をつける(図5)。
1)真円度と回転精度
回転軸の回転軌跡上に特別なマークがあっても、真円度の形状として数値化とグラフ化できる。(非接触変位計の校正用マークとしても利用できる。)
一例は、回転軸の回転軌跡上にマジックインクで黒線を引く、反射型光センサは回転信号として取り出すことができる。又、3点のプローブの中心位置が黒線を過ぎっても、回転精度に影響はない。
マークはシール(フィルム)、レーザマーク、フォトエッチングにより付する。こうして、周辺部とマークに濃淡差があれば、エッジを検出することができ、各プローブの中心位置は、測定対象物の同一線上にあることを確認できる。
マーク形状としては一例として図6に示すものがある。この例では合わせマークの端面を検出すると波形が跳ねるので、図示の様にカットした。
3点法の解析次数を指定して、真円度の解析をする。これによって、回転軸の表面の形状、うねり成分を分離することができる。次に変位計の出力をFFT処理をして3点法で得られた回転精度X、Y成分の周波数分析をする。
次に従来の2プローブを使用した真円度測定方法ではNRROの検出についてプローブの配置方向によって感度がよい方向と悪い方向とがあるが、この発明では、3点法で得られたX、Y方向成分のベクトルから、全方向に良好な感度を得ることができる。
1)回転軸の真円度と回転精度を同時に測定することができる。
2)3点法の解析次数を指定することができる
3)測定基準(高精度な球や円筒、あるいは回転軸自体を測定基準とできる)の真円度と回転精度成分の周波数分析を行い、その結果をグラフィックス表示できる。
4)3点法演算結果をNRRO(Non Repeatable Run−out)表示できる。
5)ディジタルフィルタリング処理により、指定した周波数成分の通過や遮断が可能で、後の演算処理の精度を高めることができる。これは、NC工作機械の主軸回転精度測定においてしばしば問題となるNC装置からの雑音成分の除去等に有効である。
6)A/D変換のサンプリングに影響を及ぼす回転軸の回転変動の補正機能を有する。特に、3点法の特徴を活かし、回転軸に貼り付けたマーカーにより回転同期信号を取得、真円度に現れるマーカーの影響を3点法のアルゴリズムで補正することが可能である。測定基準の球の表面にごくわずかな凹凸をマーカーとして、フォトエッチングで形成することが有効と考えられる。
7)3本の非接触変位形間の最適な角度の評価、変位計間の角度を指定した場合における測定精度への影響についての指針を与えることが可能。
8)A/D変換のサンプリングに影響を及ぼす回転軸の回転変動の補正機能を実現した。特に、フォトエッチング等の技術により測定基準の球や円筒の表面に形成したごくわずかな凹凸をマーカーとして用いることにより、回転同期信号を容易に取得することができる。また、真円度に表れるマーカーの影響を3点法のアルゴリズムで補正することが可能であることから、回転精度測定に使用する非接触変位計を高精度な回転同期信号の取得にも利用することが可能となる。
9)3本の非接触変位計間の最適な角度の評価、変位計間の角度を指定した場合における測定精度への影響についての指針を考えることが可能となる。
2 回転精度測定装置
11 マーク
14 軸受
16 コンピュータ
17 増幅器
A 変位計
B 変位計
C 変位計
Claims (1)
- 3個の非接触型の変位計のプローブのそれぞれの中心位置が回転する測定対象物の外周面上の同一回転軌跡上にあるように配置し、前記測定対象物の前記外周面上に前記プローブが検出可能で前記測定対象物上の前記回転軌跡位置を示すマークを設け前記それぞれの非接触型の変位計によって前記測定対象物の前記回転軌跡の回転運動を測定し、前記測定対象物の回転精度成分と前記測定対象物の形状成分とを含む前記変位計の出力信号を処理して前記形状成分を分離して前記測定対象物の回転精度を測定する3点法回転精度測定方法であって、前記処理の前に前記変位計の出力信号における前記回転の回転速度のムラを補正することとし、前記回転速度のムラの補正は、回転同期信号によって周回毎のサンプル数が違うときに、前後のデータからの線形補間により、サンプル数が一致するように補正するものであることを特徴とする回転精度測定方法。
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