JP2001057761A - レゾルバの組立装置 - Google Patents

レゾルバの組立装置

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JP2001057761A
JP2001057761A JP11230032A JP23003299A JP2001057761A JP 2001057761 A JP2001057761 A JP 2001057761A JP 11230032 A JP11230032 A JP 11230032A JP 23003299 A JP23003299 A JP 23003299A JP 2001057761 A JP2001057761 A JP 2001057761A
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Shinji Shibata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は部品の加工精度を基に、基準面に部品
を当て組み付けていたため、加工精度不良により歩留ま
りが悪くなり、また、加工精度を高めるとコストがかか
るという問題点があったが、本発明ではコストを高める
ことなく歩留まりを向上できるレゾルバの組立装置を提
供する。 【解決手段】 レゾルバ組立時に、レゾルバ1の出力信
号から振幅計算器2と内挿演算器3とがそれぞれ出力信
号の振幅と位相とを算出し、記憶器4がこれらを対応づ
けて保持し、記憶器4が保持したデータをフーリエ変換
器5がフーリエ変換して3周期の振幅と位相を算出し、
第1の演算器6が、この3周期の振幅と位相とから軸ず
れ量Xを算出し、第2の演算器7が軸ずれ量Yを算出
し、この算出した軸ずれ量X,Yに基づいて、XYテー
ブル8が制御され、ロータ部に対するステータ部の相対
位置を調節するレゾルバの組立装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の位置検
出器に用いられているレゾルバを組み立てるレゾルバの
組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リラクタンス型レゾルバは、図2に示す
ように、所定の回転軸に対して偏心して取り付けられた
円筒状の磁性体からなるロータ部20と、このロータ部
20の外周に配置され、回転軸21にて直交する2方向
にそれぞれ4つの極歯を持った磁性体からなるステータ
部30とから構成されている。ここで、ステータ部30
の極歯には、それぞれ巻線32,33,34,35が巻
回され、それぞれに対応する電流検出抵抗42,43,
44,45が接続されている。また、ロータ部20の所
定の回転軸は、このステータ部30の極歯の内周の中心
(形状中心31)になるように組み立てられる。従来、
このリラクタンス型レゾルバは、ステータ部30とロー
タ部20のハウジングの外周を機械的に位置あわせして
組み立てていた。つまり、ステータ部30の加工精度の
公差を管理し、この加工精度を基に基準面にロータ部と
ステータ部とのハウジング外周を当てて組み付け、その
後、製品検査により良品を選別していた。
【0003】以下、このリラクタンス型レゾルバを用い
た位置検出について具体的に説明する。図2は、ロータ
部20が形状中心31(本来回転軸となるべき位置)か
らΔxだけずれた回転軸21に固定されたリラクタンス
型レゾルバの正面図であり、図3はリラクタンス型レゾ
ルバの位置検出を行う回路の一例を示すブロック図であ
り、図4はそのタイミングチャート図である。
【0004】図3において、タイミング発生器40は、
同期した励磁タイミング信号EX1とADスタート信号
STの2信号を発生する。励磁回路41は励磁タイミン
グ信号EX1を電流増幅した矩形波信号である励磁信号
EX2を発生する。
【0005】円筒形のロータ部20は、回転軸21を中
心にして回転するようにハウジングに偏心して固定され
ている。ステータ部30は、珪素鋼板等の磁性体からな
り、4つの極歯としての凸部を持つ。また、極歯にはそ
れぞれ巻線32〜35が巻回され、ロータ部20が回転
すると、ロータ部20と、ステータ部30の各極歯との
間のエアギャップが変化し、ロータ部20の1回転につ
き1周期分の三角関数に相当するインダクタンス変化が
各巻線32〜35にもたらされる。
【0006】図3に示すように、巻線32〜35の一方
の端には、励磁信号EX2が入力され、もう一方の端に
は、対応する電流検出抵抗42〜45が接続されてい
る。巻線32〜35は、ロータ部20の回転に伴うイン
ダクタンスの変化を電流の変化とし、電流検出抵抗42
〜45は、この電流の変化を電圧の変化として検出す
る。電流検出抵抗42〜45に発生した出力電圧は、そ
れぞれ差動増幅器46、47に入力され、差動増幅され
信号A1,B1になる。A/D変換器48,49は、A
Dスタート信号STの立ち下がりで、信号A1,B1を
デジタル信号A,Bに変換する。内挿演算器50は、デ
ジタル信号A,Bを割り算した結果のアークタンジェン
ト(逆正接)をとることにより目的の検出角度θを算出
し出力する。
【0007】ここで、リラクタンス型レゾルバの組立時
に、ロータ部20の回転軸21がステータ部30の極歯
の形状中心31からずれていると、この軸ずれにより検
出角度の誤差が生じる。すなわち、本来ならば、レゾル
バ検出信号であるデジタル信号A,Bは、正確な正弦関
数(sin)となるはずであるが、軸ずれがあると次の
[数1]のように、2次高調波を含む関数となる。
【0008】
【数1】 A=V1・SIN(θ)−V2・COS(θ・2+α) B=V1・COS(θ)+V2・COS(θ・2+α) ここで、θは、レゾルバの入力軸の回転角度であり、V
1は、レゾルバの特性により決定される基本波成分の振
幅を示す係数であり、V2は、レゾルバの2次高調波成
分の振幅を示す係数であり、αは、レゾルバの2次高調
波成分の位相を示す係数である。ここで、V2とαは、
レゾルバのステータ部30とロータ部20の軸ずれの特
性により決定される。従って、このデジタル信号A,B
に基づいて、割り算を行い、逆正接を演算すると、ロー
タ部20が一回転するときに、その回転周期に対して、
1周期の誤差と3周期の誤差とを含むことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のレ
ゾルバの組立では、レゾルバの部品加工の公差を管理
し、加工精度を基に基準面にロータ部とステータ部との
ハウジングの外周を位置あわせして組立てているため、
ロータ部の回転軸は、ステータ部外周の中心となる。こ
こでステータ部の加工誤差等により、ステータ部の外周
の中心と極歯の内周の中心(形状中心)とがずれている
と、ステータ部の形状中心に対し、ロータ部の回転軸が
ずれることになり、レゾルバによる検出角度に誤差を生
じ、このレゾルバは、良品でないものとして選別される
ことになる。これでは、バリ等の予期せぬ加工精度不良
により歩留まりが悪くなるという問題点があった。
【0010】歩留まりを高めるためには、ステータ部の
形状を高い精度で加工すればよいが、そうするとコスト
がかかるという問題点があった。
【0011】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、コストを増大させることなく、歩留まりを改善でき
るレゾルバの組立装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための本発明は、磁性体からなり、所定の回転軸
周りに偏心して固定されたロータ部の前記回転軸と、巻
線を巻いた極歯を具備するステータ部の前記極歯の内周
中心との相対位置を軸ずれ量として検出する検出器と、
前記検出器が検出した軸ずれ量に基づいて前記相対位置
を調整する調整器とを具備するレゾルバの組立装置にお
いて、前記検出器は、前記ロータ部の回転により前記ス
テータ部の前記巻線に生じたインダクタンスの変化を検
出してフーリエ変換し、当該インダクタンス変化の高調
波成分の振幅と位相とを検出するフーリエ変換器と、前
記フーリエ変換器が出力する振幅と位相とに基づいて、
前記ロータ部の回転軸に対する軸ずれ量を検出する演算
器とを含むことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の実施の形態に係るレゾルバ
の組立装置を示すブロック図である。図1に示すよう
に、本発明の実施の形態に係るレゾルバの組立装置は、
振幅計算器2と、内挿演算器3と、記憶器4と、フーリ
エ変換器5と、第1の演算器6と、第2の演算器7と、
XYテーブル8とから構成されている。ここで、振幅計
算器2と、内挿演算器3と、記憶器4と、フーリエ変換
器5と、第1の演算器6と、第2の演算器7とが検出器
に相当し、XYテーブル8が調整器に相当する。
【0015】以下、これらの各部を説明すると、振幅計
算器2は、組立の対象となるレゾルバ1が出力するデジ
タル信号A,Bに基づいて、[数2]に示される計算を
行い、振幅Rを出力する。
【0016】
【数2】R=√(A+B) 内挿演算器3は、組立の対象となるレゾルバ1が出力す
るデジタル信号A,Bに基づいて、[数3]に示される
演算をし、回転位置Pを出力する。
【0017】
【数3】A≧0 かつ B>0 のとき P=TAN−1(A/B)/(2・π)・N B<0 のとき P=(π+TAN−1(A/B))/(2・π)・N A<0 かつ B≧0 のとき P=(3/2・π−TAN−1(B/A))/(2・
π)・N ただし、Nはレゾルバ1回転当たりのサンプル数
【0018】記憶器4は、レゾルバの回転位置Pと、そ
れに対する振幅Rとを対応づけてN個記憶し、このN個
のデータが全てセットされると完了信号Qを出力する。
【0019】フーリエ変換器5は、完了信号Qを受ける
と、一般に良く知られた方法により振幅Rに含まれるレ
ゾルバ1回転あたりの3周期成分の振幅Gと位相βを算
出し出力する。ここで求められた振幅Gは、ロータ部に
対するステータ部の軸ずれ量に比例し、位相βはその軸
ずれの方向を示すので、第1、第2の演算器6,7が単
位変換およびXY平面座標に変換する。
【0020】すなわち、第1の演算器6は、[数4]に
示される演算を行い、X軸方向の軸ずれ量Xを出力す
る。
【0021】
【数4】X=K・G・SIN(β) 第2の演算器7は、[数5]に示される演算を行い、Y
軸方向の軸ずれ量Yを出力する。
【0022】
【数5】Y=K・G・COS(β) この[数4]及び[数5]で、Kは、レゾルバの構造に
よって決定される単位変換係数である。XYテーブル8
は、軸ずれ量X,Yを指令値としてロータ部20に対し
てステータ部30を移動させ、この軸ずれを修正する。
【0023】すなわち、本発明の実施の形態に係るレゾ
ルバの組立装置は、XYテーブル8上でレゾルバ1を仮
に組み付けておき、このレゾルバ1が出力する信号をフ
ーリエ変換して、高調波成分を取得し、高調波成分に基
づいて軸ずれ量を検出してレゾルバ1のロータ部20と
ステータ部30との相対位置を調整して実際の組み付け
をする。
【0024】このように本発明の実施の形態に係るレゾ
ルバの組立装置によれば、レゾルバが出力する信号の振
幅の3周期成分によってロータ部20に対するステータ
部30の軸ずれ量を算出して修正するので、軸ずれを低
減でき、位置検出誤差の低いレゾルバを組立できる。ま
た、実際の部品を用いて検出した値で軸ずれを修正する
ようにしているので、高精度の部品加工を必要とせず、
レゾルバの部品を安価にできる。また、部品に加工不良
があっても、その影響を受けず、高精度に組付けがで
き、組み立てたレゾルバの位置検出の精度を向上でき、
歩留まりを向上できる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ロータ部とステータ部
との軸ずれ量を検出する検出器が、組立の対象となるレ
ゾルバが出力する信号の高調波成分に基づいて軸ずれ量
を検出し、軸ずれを修正するので、部品に加工不良があ
っても、高精度の組み付けができ、部品加工のコストを
高めることなく、歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるレゾルバ組立装
置の構成ブロック図である。
【図2】 ロータ部とステータ部との芯ずれがある1X
リラクタンスレゾルバの構造を表す説明図である。
【図3】 一般的なリラクタンスレゾルバの位置検出回
路の一例を示す構成ブロック図である。
【図4】 一般的なリラクタンスレゾルバの位置検出回
路における信号のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 レゾルバ、2 振幅計算器、3 内挿演算器、4
記憶器、5 フーリエ変換器、6 第1の演算器、7
第2の演算器、8 XYテーブル、20 ロータ部、2
1 回転軸、30 ステータ部、31 形状中心、32
〜35 巻線、40 タイミング発生器、41 励磁回
路、42〜45 電流検出抵抗、46,47 差動増幅
器、48,49 AD変換器、50 内挿演算器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体からなり、所定の回転軸周りに偏
    心して固定されたロータ部の前記回転軸と、巻線を巻い
    た極歯を具備するステータ部の前記極歯の内周中心との
    相対位置を軸ずれ量として検出する検出器と、前記検出
    器が検出した軸ずれ量に基づいて前記相対位置を調整す
    る調整器とを具備するレゾルバの組立装置において、 前記検出器は、前記ロータ部の回転により前記ステータ
    部の前記巻線に生じたインダクタンスの変化を検出して
    フーリエ変換し、当該インダクタンス変化の高調波成分
    の振幅と位相とを検出するフーリエ変換器と、 前記フーリエ変換器が出力する振幅と位相とに基づい
    て、前記ロータ部の回転軸に対する軸ずれ量を検出する
    演算器とを含むことを特徴とするレゾルバの組立装置。
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