JP2009281491A - 回転ブレーキ板及びそれを備えた湿式ブレーキ装置 - Google Patents

回転ブレーキ板及びそれを備えた湿式ブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブレーキ板が浸漬される潤滑油の循環及び冷却を効果的に行う。
【解決手段】車軸2に接続される回転ブレーキ板26をピストン31で押圧して制動する湿式ブレーキ装置4に用いられる回転ブレーキ板26であって、車軸2に接続される円環板状のベース板部41と、ベース板部41の表面の一部にベース板部41と略同心円状に設けられ、制動時に非回転ブレーキ25と接触する円環状の摩擦部42と、を備え、少なくとも摩擦部42の内周縁42aから外周縁42bまで径方向に連通するように、摩擦部42とベース板部41との二層にわたって油通路44が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転ブレーキ板及びそれを備えた湿式ブレーキ装置に関するものである。
建設機械等のブレーキ容量の大きな車両には、湿式ブレーキが採用されている(例えば、特許文献1)。一般的な湿式ブレーキは、車軸に対して軸方向移動自在に接続された回転ブレーキ板と、ハウジングに対して軸方向移動自在に接続された非回転ブレーキ板とを交互に重ね、これらブレーキ板をピストンで軸方向に押圧するように構成されており、各ブレーキ板はハウジング内に貯留された潤滑油に浸漬している。
回転ブレーキ板は、車軸に接続される円環板状のベース板部と、そのベース部の表面に形成されて制動時に非回転ブレーキと接触する円環状の摩擦部とを有している。この摩擦部には、ブレーキ板を潤滑・冷却するための油溝が径方向に延設されており、回転ブレーキ板の回転による遠心力で内周側から外周側へと潤滑油を循環させるようになっている。また、油溝を通って回転ブレーキ板の外周側に送られた潤滑油は、ハウジングの壁面から外部に放熱することにより冷却される。
特公平4−72090号公報
しかしながら、油溝は、回転ブレーキ板の表面に形成された薄肉の摩擦部に形成されており、その通油断面積は小さく、摩擦部の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却が不十分になりやすい。この対策として、循環ポンプを設けてハウジング内の潤滑油を積極的に循環させると共に、オイルクーラを設けて潤滑油を強制冷却させるものもあるが、部品点数や装置サイズが増大するため望ましくない。
そこで本発明は、湿式ブレーキ装置においてブレーキ板が浸漬される潤滑油の循環及び冷却を効果的に行うことができるようにすることを目的としている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る回転ブレーキ板は、車軸に接続される回転ブレーキ板をピストンで押圧して制動する湿式ブレーキ装置に用いられる回転ブレーキ板であって、前記車軸に接続される円環板状のベース板部と、前記ベース板部の表面の一部に前記ベース板部と略同心円状に設けられた摩擦部と、を備え、少なくとも前記摩擦部の内周縁から外周縁まで径方向に連通するように、前記摩擦部と前記ベース板部との二層にわたって油通路が形成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、回転ブレーキ板の油通路は、摩擦部とベース板部との二層にわたって形成されているため、油通路を板厚方向に深く形成することができ、油通路の通油断面積を大きくすることが可能となる。そして、その油通路は、摩擦部の内周縁から外周縁まで径方向に連通しているので、回転ブレーキ板の回転による遠心ポンプ作用で、摩擦部よりも内周側にある潤滑油を摩擦部の外周側に向けてスムーズに送油することが可能となる。したがって、湿式ブレーキ装置においてブレーキ板の摩擦部の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却を効果的に行うことができる。
前記油通路は、前記摩擦部と前記ベース板部の二層を板厚方向に貫通する貫通孔により形成されていてもよい。
前記構成によれば、油通路の通油断面積が大きくなるので、前述した潤滑及び冷却をより効果的に行うことが可能となる。また、回転ブレーキ板の製造時には、回転ブレーキ板を打ち抜き加工するだけで油通路を簡単に形成することができ、加工性も良好となる。
前記油通路は、前記摩擦部の表面から前記ベース板部の途中まで板厚方向に凹設された溝部により形成されていてもよい。
前記構成によれば、油通路の通油断面積を大きくしながらも、回転ブレーキ板の強度を良好に保つことが可能となる。
前記ベース板部の外周縁は、前記摩擦部の外周縁よりも外周側に位置しており、前記油通路は、前記摩擦部の外周縁よりも外周側まで延在していてもよい。
前記構成によれば、摩擦部よりも内周側にある潤滑油をよりスムーズに摩擦部の外周側まで送油することが可能となる。
前記油通路の前記径方向の外端は、前記ベース板部の外周縁よりも内周側で終端していてもよい。
前記構成によれば、油通路の径方向の外側にベース板部が残存しているので、回転ブレーキ板の強度を良好に保つことが可能となる。
前記ベース板部の内周縁は、前記摩擦部の内周縁よりも内周側に位置しており、前記油通路は、前記摩擦部の内周縁よりも内周側まで延在していてもよい。
前記構成によれば、摩擦部よりも内周側にある潤滑油をよりスムーズに油通路に導くことが可能となる。
前記油通路の前記径方向の内端は、前記ベース板部の内周縁よりも外周側で終端していてもよい。
前記構成によれば、油通路の径方向の内側にベース板部が残存しているので、回転ブレーキ板の強度を良好に保つことが可能となる。
また本発明の湿式ブレーキ装置は、車軸に接続された前述の回転ブレーキ板と、前記回転ブレーキ板の前記摩擦部に対向した環状の摺動面を有する非回転部材と、前記回転ブレーキ板の前記摩擦部が前記非回転部材の前記摺動面に接触するように前記回転ブレーキ板を押圧するピストンと、を備え、前記回転ブレーキ板の外周縁は、前記非回転部材の前記摺動面の外周縁の少なくとも一部よりも外周側に位置し、かつ、前記回転ブレーキ板の内周縁は前記非回転ブレーキ板の前記摺動面の内周縁の少なくとも一部よりも内周側に位置し、前記回転ブレーキ板の前記油通路は、前記非回転部材の前記摺動面の内周縁の少なくとも一部よりも内周側まで延在し、かつ、前記非回転部材の前記摺動面の外周縁の少なくとも一部よりも外周側まで延在していることを特徴とする。
前記構成によれば、回転ブレーキ板の油通路の径方向の両端は、非回転部材の摺動面の内周部及び外周部の少なくとも一部に対面しないこととなる。これにより、油通路の径方向の両端近傍における流路が大きくなり、潤滑油が油通路にスムーズに出し入れされることとなる。したがって、湿式ブレーキ装置においてブレーキ板の摩擦部の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却を効果的に行うことができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、湿式ブレーキ装置においてブレーキ板の摩擦部の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却を効果的に行うことが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るアクスル装置1の縦断面図である。なお、以下の説明で用いる方向の概念は図1を見たときの方向を基準とする。図1に示すように、アクスル装置1は、建設機械等の車両の駆動輪を駆動する車軸2の軸端に設けられている。このアクスル装置1は、遊星歯車減速機3及び湿式ブレーキ装置4を備え、遊星歯車減速機3のキャリア5の外周部がタイヤホイール6に固定されている。アクスルハウジング7は、車軸2に外嵌された状態で、タイヤホイール6の軸方向中央部まで進出配置されており、その左端部にはインターナルギヤハブ8のハブ本体9がスプライン結合で外嵌されている。インターナルギヤハブ8の外周側は、ホイールハブ13により囲繞されている。ホイールハブ13の右端部は、一対の軸受14を介してアクスルハウジング7及びハブ本体9に回転自在に支持されている。
湿式ブレーキ装置4は、アクスルハウジング7の右端面に固定されたブレーキハウジング23を有し、ブレーキハウジング23の右端面には第2のアクスルハウジング24が固定されている。但し、ブレーキハウジング23とアスクルハウジング24とは一部材から構成されていてもよい。湿式ブレーキ装置4は多板式であり、ブレーキハウジング23内には複数の非回転ブレーキ板25(非回転部材)と複数の回転ブレーキ板26とが交互に積層配置されている。アクスルハウジング7及びブレーキハウジング23により形成されるブレーキ空間32内には、潤滑油が貯留されており、各ブレーキ板25,26はその潤滑油に浸漬されている。
非回転ブレーキ板25には、アクスルハウジング7及びブレーキハウジング23に固定されたピン27が貫通している。これにより、非回転ブレーキ板25は、軸方向に移動可能で且つ絶対回転不可の状態となっている。回転ブレーキ板26は、車軸2に外嵌固定されたリング部材28にスプライン接続されている。これにより、回転ブレーキ板26は、軸方向に移動可能で且つ相対回転不可の状態となっている。
アクスルハウジング7には、非回転ブレーキ板25及び回転ブレーキ板26からなるブレーキ板群29のうち一番左側にある非回転ブレーキ板25の外側面に対向するように重圧部材30が設けられている。一方、ブレーキ板群29のうち一番右側にある非回転ブレーキ板25に右側面に対向するように、軸方向に移動可能なピストン31が配置されている。
ブレーキハウジング23には、ピストン31の非回転ブレーキ板25を直接押圧する面の反対面(右側面)に圧油を供給するための油圧孔23aが形成されている。つまり、油圧孔23aに圧油が供給されることで、ピストン31は左側へ移動する圧力を受けて一番右側の非回転ブレーキ板25を直接押圧し、回転ブレーキ板26の摩擦部42(図2参照)が非回転ブレーキ板25の摺動面25e(図2参照)に接触して湿式ブレーキ装置4が制動状態となる。また、ピストン31は、リターンスプリング33により、ブレーキ板群29から離反するように右側に向けて付勢されている。
図2は図1に示す湿式ブレーキ装置4の回転ブレーキ板26を示す平面図である。図3は図2のIII−III線断面図である。図2及び3に示すように、回転ブレーキ板26は、車軸2に外嵌固定されたリング部材28(図1参照)に内周縁41aでスプライン接続される円環板状のベース板部41と、そのベース板部41の表面の一部にベース板部41と略同心円状に設けられた円環状の摩擦部42とを備えている。摩擦部42は、ベース板部41よりも非回転ブレーキ板25(図1参照)側に突出しているので、制動時には摩擦部42が非回転ブレーキ25の摺動面25eと接触し、ベース板部41は非回転ブレーキ25と接触しない。ベース板部41は焼き入れ鋼(例えば、S44−55)からなり、摩擦部42はパルプペーパーや焼結金属などからなる。摩擦部42は、ベース板部41よりも薄肉である。
ベース板部41は、その内周縁41aが摩擦部42の内周縁42aよりも内周側に位置し、その外周縁41bが摩擦部42の外周縁42bよりも外周側に位置している。即ち、摩擦部42は、平面視でベース板部41に包含されるように配置されている。回転ブレーキ板26には、摩擦部42の内周縁42aから外周縁42bまで径方向に連通するように、摩擦部42とベース板部41との二層を板厚方向に貫通する平面視長孔状の貫通孔43が径方向に延設されている。貫通孔43は、周方向に等間隔をあけて複数設けられており、ブレーキ空間32に貯留された潤滑油を循環させるための油通路44を形成している。
貫通孔43は、摩擦部42の外周縁42bよりも外周側まで延在している。即ち、油通路44は、摩擦部42の外周縁42bよりも径方向外側に突出している。さらに、貫通孔43の径方向の外端43bは、ベース板部41の外周縁41bよりも内周側に配置されている。即ち、油通路44の径方向の外端44bは、ベース板部41の外周縁41bよりも径方向内側で終端している。また、貫通孔43の径方向の外端43bは、平面視円弧状に形成されている。
また、貫通孔43は、摩擦部42の内周縁42aよりも内周側まで延在している。即ち、油通路44は、摩擦部42の内周縁42aよりも径方向内側に突出している。また、貫通孔43の径方向の内端43aは、ベース板部41の内周縁41aよりも外周側に配置されている。即ち、油通路44の径方向の内端44aは、ベース板部41の内周縁41aよりも径方向外側で終端している。また、貫通孔43の径方向の内端43aは、平面視円弧状に形成されている。
また、ベース板部41には、その内周縁41aから摩擦部42の内周縁までの領域において周方向に等間隔をあけて複数の小孔45が形成されている。よって、ブレーキ空間32に貯留された潤滑油が、小孔45を通過して油通路44の内端44aに供給されうる。
図2において二点鎖線で表した非回転ブレーキ板25は、円環板状であり、回転ブレーキ板26との対向面が摺動面25eである。摺動面25eの内周縁25a、即ち、非回転ブレーキ板25の内周縁25aは摩擦部42の内周縁42aと平面視で略一致する。摺動面25eの外周縁25b、即ち、非回転ブレーキ板25の外周縁25bは摩擦部42の外周縁42bと平面視で略一致している。非回転ブレーキ板25は、その外周縁25bから径方向外方に突出するタブ部25cを周方向に間隔をあけて複数有している。そして、このタブ部25cの穴25dにピン27(図1参照)が挿入されることで、非回転ブレーキ板25が軸方向に移動可能で且つ回転不可の状態となる。
ベース板部41の内周縁41aは、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側に位置している。そして、回転ブレーキ板26の貫通孔43は、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側まで延在している。即ち、油通路44は、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも径方向内側に突出している。
ベース板部41の外周縁41bは、非回転ブレーキ板25の外周縁25bよりも外周側に位置している。そして、回転ブレーキ板26の貫通孔43は、非回転ブレーキ板25の外周縁25bよりも外周側まで延在している。即ち、油通路44は、非回転ブレーキ板25の外周縁25bよりも径方向外側に突出している。
以上に説明した構成によれば、回転ブレーキ板26の油通路44は、摩擦部42とベース板部41との二層にわたって形成されているため、油通路44の通油断面積を大きくすることが可能となる。そして、その油通路44は、摩擦部42の内周縁42aから外周縁42bまで径方向に貫くように連通しているので、回転ブレーキ板26の回転による遠心ポンプ作用で、摩擦部42よりも内周側にある潤滑油を摩擦部42の外周側に向けてスムーズに送油することが可能となる。
また、油通路44の径方向の両端44a,44bは、回転ブレーキ板26に重ねられる非回転ブレーキ25の内周部及び外周部の少なくとも一部に対面していない。これにより、油通路44の径方向の両端近傍における流路が大きくなり、潤滑油が油通路44にスムーズに出し入れされることとなる。したがって、湿式ブレーキ装置4において回転ブレーキ板26の摩擦部42の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却を効果的に行うことが可能となる。
さらに、回転ブレーキ板26の製造時には、回転ブレーキ板26を打ち抜き加工して貫通孔43を形成するだけで油通路44を簡単に設けることができるので、加工性も良好となる。また、貫通孔43の径方向の内端43aは、ベース板部41の内周縁41aよりも外周側で終端し、かつ、貫通孔43の径方向の外端43bは、ベース板部41の外周縁41bよりも内周側で終端しているので、回転ブレーキ板26の強度を良好に保つことが可能となる。なお、本実施形態では油通路44を貫通孔43により形成しているが、貫通孔43の代わりに、摩擦部42の表面からベース板部41の途中まで板厚方向に凹設された溝部を設けてもよい。
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態に係る湿式ブレーキ装置の回転ブレーキ板126を示す平面図である。図4に示すように、本実施形態の回転ブレーキ板126では、ベース板部141の外周縁141bと摩擦部142の外周縁142bとが、平面視で略一致している。そして、ベース板部141及び摩擦部142の外周縁141b,142bは、非回転ブレーキ板25の外周縁25bと平面視で略一致している。ベース板部141の内周縁141aは、摩擦部142の内周縁142aよりも内周側に位置している。摩擦部142の内周縁142aは、非回転ブレーキ板25の内周縁25aと平面視で略一致している。
回転ブレーキ板126には、摩擦部142の内周縁142aから外周縁142bまで径方向に連通するように、摩擦部142とベース板部141との二層を板厚方向に貫通する貫通孔143が径方向に延設されている。貫通孔143は、ブレーキ空間32に貯留された潤滑油を循環させるための油通路144を形成している。
貫通孔143は、ベース板部141及び摩擦部142の外周縁141b,142bを開口するようにその外周縁141b,142bまで切り欠かれている。また、貫通孔143は、摩擦部142の内周縁142aよりも内周側まで延在しており、その内端143aは、ベース板部141の内周縁141aよりも径方向外側で終端している。さらに、ベース板部141の内周縁141aは、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側に位置している。そして、回転ブレーキ板126の貫通孔143は、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側まで延在している。
以上の構成によれば、回転ブレーキ板126の油通路144が、摩擦部142とベース板部141との二層にわたって形成されているため、油通路144の通油断面積を大きくすることが可能となる。かつ、その油通路144は、摩擦部142の内周縁142aから外周縁142bまで径方向に貫くように連通しているので、回転ブレーキ板126の回転による遠心ポンプ作用で、摩擦部142よりも内周側にある潤滑油を摩擦部142の外周側に向けてスムーズに送油することが可能となる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態に係る湿式ブレーキ装置の回転ブレーキ板226を示す平面図である。図6は図2のVI−VI線断面図である。図5及び6に示すように、本実施形態では、ベース板部241の内周縁241a及び外周縁241b、摩擦部242の内周縁242a及び外周縁242b、非回転ブレーキ板25の内周縁25a及び外周縁25bの平面視における位置関係は、前述した第2実施形態と同様である。
回転ブレーキ板226には、摩擦部242の内周縁242aから外周縁242bまで径方向に連通するように、摩擦部242の表面からベース板部241の途中まで板厚方向に凹設された溝部243が径方向に延設されている。溝部243は、ブレーキ空間32に貯留された潤滑油を循環させるための油通路244を形成している。
溝部243は、ベース板部241及び摩擦部242の外周縁241b,242bを開口するようにその外周縁241b,242bまで切り欠かれている。また、溝部243は、摩擦部242の内周縁242aよりも内周側まで延在しており、その内端243aは、ベース板部241の内周縁241aよりも径方向外側で終端している。さらに、ベース板部241の内周縁241aは、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側に位置している。そして、回転ブレーキ板226の溝部243は、非回転ブレーキ板25の内周縁25aよりも内周側まで延在している。
以上の構成によれば、溝部243が摩擦部42とベース板部41との二層にわたって形成されており、油通路244を板厚方向に深く形成することができるので、油通路244の通油断面積を大きくしながらも、回転ブレーキ板226の強度を良好に保つことが可能となる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、前述した各実施形態では、本発明を多板式の湿式ブレーキ装置に適用したが、単板式の湿式ブレーキ装置に適用してもよい。前述した各実施形態では、回転ブレーキ板26の摩擦部42が接触する非回転部材は、非回転ブレーキ板25としているが、それには限定されない。例えば、非回転部材はピストン31と一体とし、ピストン31を回転ブレーキ板26の摩擦部42に対向させ、その対向面を非回転部材の摺動面として用いてもよい。または、非回転部材は、ハウジングと一体とし、ハウジングを回転ブレーキ板26の摩擦部42に対向させ、その対向面を非回転部材の摺動面として用いてもよい。
以上のように、本発明に係る回転ブレーキ板及びそれを備えた湿式ブレーキ装置は、ブレーキ板の摩擦部の潤滑・冷却及び潤滑油の冷却が効果的に行われる優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる湿式ブレーキ等に広く適用すると有益である。
本発明の第1実施形態に係るアクスル装置の縦断面図である。 図1に示す湿式ブレーキ装置の回転ブレーキ板を示す平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る湿式ブレーキ装置の回転ブレーキ板を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る湿式ブレーキ装置の回転ブレーキ板を示す平面図である。 図2のVI−VI線断面図である。
符号の説明
2 車軸
4 湿式ブレーキ装置
25 非回転ブレーキ板(非回転部材)
25e 摺動面
26,126,226 回転ブレーキ板
41,141,241 ベース板部
42,142,242 摩擦部
43,143 貫通孔
44,144,244 油通路
243 溝部

Claims (8)

  1. 車軸に接続される回転ブレーキ板をピストンで押圧して制動する湿式ブレーキ装置に用いられる回転ブレーキ板であって、
    前記車軸に接続される円環板状のベース板部と、
    前記ベース板部の表面の一部に前記ベース板部と略同心円状に設けられた摩擦部と、を備え、
    少なくとも前記摩擦部の内周縁から外周縁まで径方向に連通するように、前記摩擦部と前記ベース板部との二層にわたって油通路が形成されていることを特徴とする回転ブレーキ板。
  2. 前記油通路は、前記摩擦部と前記ベース板部の二層を板厚方向に貫通する貫通孔により形成されている請求項1に記載の回転ブレーキ板。
  3. 前記油通路は、前記摩擦部の表面から前記ベース板部の途中まで板厚方向に凹設された溝部により形成されている請求項1に記載の回転ブレーキ板。
  4. 前記ベース板部の外周縁は、前記摩擦部の外周縁よりも外周側に位置しており、
    前記油通路は、前記摩擦部の外周縁よりも外周側まで延在している請求項1乃至3のいずれかに記載の回転ブレーキ板。
  5. 前記油通路の前記径方向の外端は、前記ベース板部の外周縁よりも内周側で終端している請求項4に記載の回転ブレーキ板。
  6. 前記ベース板部の内周縁は、前記摩擦部の内周縁よりも内周側に位置しており、
    前記油通路は、前記摩擦部の内周縁よりも内周側まで延在している請求項1乃至5のいずれかに記載の回転ブレーキ板。
  7. 前記油通路の前記径方向の内端は、前記ベース板部の内周縁よりも外周側で終端している請求項6に記載の回転ブレーキ板。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載され、車軸に接続された回転ブレーキ板と、
    前記回転ブレーキ板の前記摩擦部に対向した環状の摺動面を有する非回転部材と、
    前記回転ブレーキ板の前記摩擦部が前記非回転部材の前記摺動面に接触するように前記回転ブレーキ板を押圧するピストンと、を備え、
    前記回転ブレーキ板の外周縁は、前記非回転部材の前記摺動面の外周縁の少なくとも一部よりも外周側に位置し、かつ、前記回転ブレーキ板の内周縁は前記非回転ブレーキ板の前記摺動面の内周縁の少なくとも一部よりも内周側に位置し、
    前記回転ブレーキ板の前記油通路は、前記非回転部材の前記摺動面の内周縁の少なくとも一部よりも内周側まで延在し、かつ、前記非回転部材の前記摺動面の外周縁の少なくとも一部よりも外周側まで延在していることを特徴とする湿式ブレーキ装置。
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