JP2016114198A - 摩擦係合装置の潤滑構造、及びこれを具える摩擦係合装置 - Google Patents

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康之 鈴木
謙一 秋元
Kenichi Akimoto
謙一 秋元
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Hisanao Kitabayashi
永有 北林
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Abstract

【課題】ハブが無回転の状態であっても、ドラムが回転していれば、摩擦板と相手プレートの摩擦面の潤滑効率を向上させることができる摩擦係合装置の潤滑構造を提供すること。【解決手段】潤滑構造10は、エンドプレート38がフィン50を有するから、エンドプレート38が回転することにより、フィン50が周辺の潤滑油をエンドプレート38と摩擦板46cの摩擦係合部分に向けて誘導し、摩擦板46が通油窓43を具えるから、潤滑油は、ポケット51,51aに溜まり、相手プレート(32,34,36,38)又は摩擦板46に付着するため、ドラム12の回転による遠心力によって摩擦板46と相手プレート(32,34,36,38)との摩擦面を全て潤滑することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、湿式の摩擦係合装置(湿式クラッチ・ブレーキの両方を含む。)の、特に、摩擦板と相手プレートの摩擦面の潤滑効率を向上させる構造、及びこれを具える摩擦係合装置に関する。
湿式の摩擦係合装置は、摩擦板と相手プレートを潤滑し冷却するため、これらに潤滑油を供給する必要がある。そのための潤滑方法としては、摩擦板と相手プレートを潤滑油中に浸す「油浴タイプ」、摩擦板と相手プレートにポンプで潤滑油をかける「ふりかけタイプ」、潤滑油を摩擦板と相手プレートの回転軸内部にポンプで送り、遠心力又は重力で回転軸外部に流出させ、摩擦板と相手プレートに供給するという「軸心給油タイプ」等がある。
軸心給油タイプは、高回転を伴う摩擦係合装置に好ましい潤滑方法であるが、潤滑油を効率よく必要部位へ供給するための流路の確保が困難な場合もあり、レイアウトやクラッチ作動環境によっては、摩擦板と相手プレートの間に潤滑油を比較的浸透させ難いという問題もある。この問題を解決するために、潤滑構造の様々な改良がなされており、その例として、以下に挙げるものがある。
特開2004−197777号公報
特許文献1には、同軸上に配設された回転軸にそれぞれ設けられ、径方向に互いに向き合う、内側軸方向面を有するハブ及び外側軸方向面を有するドラムを具え、外側軸方向面の内周側には径方向内側に向けて延びる複数の相手プレートがスプライン嵌合し、内側軸方向面の外周側には径方向外側に向けて延びる複数の摩擦板が相手プレートの間に位置するようにスプライン嵌合し、油圧によって相手プレートが軸方向に押され、摩擦板と摩擦係合することによってハブとドラムとの間のトルクを伝達するという、湿式多板クラッチが開示されている。なお、この湿式多板クラッチの潤滑方法は、ハブとドラムをそれぞれ支持する回転軸の内部にポンプで潤滑油が供給されるという、軸心給油タイプである。
特許文献1によれば、回転軸の径方向に延びるハブの径方向面に切起し部(符号25,26)が設けられているから、径方向面の外側(摩擦板が取付けられている側)を潤滑油が伝うと、その潤滑油が切起し部からハブの内側に移動し、内側軸方向面に設けられている貫通孔に導かれ、結果として、摩擦板と相手プレートの摩擦面の潤滑効率を向上させることができる、とされている。
ところで、近年、摩擦係合装置は、例えば、車両の発進用に湿式クラッチを使用する等、ハブが無回転でドラムが回転しているという状態から摩擦板とプレートを摩擦係合させるという使われ方が増えてきている。
特許文献1の湿式多板クラッチでは、ハブが回転していれば、潤滑油が内側軸方向面の貫通孔から遠心力によってハブの外側に流れ、摩擦板と相手プレートを潤滑することができる。しかし、ハブが無回転の状態であると、ハブの回転軸内部から供給される潤滑油には重力しか作用しないから、潤滑油は、内側軸方向面の貫通孔を通り難く、また、ハブの開口部からハブの外側に流れ出てしまうので、摩擦板と相手プレートを十分に潤滑することができない。
そこで、本発明は、前述した従来技術の問題点に鑑み、ハブが無回転の状態であっても、ドラムが回転していれば、摩擦板と相手プレートの摩擦面の潤滑効率を向上させることができる摩擦係合装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明は、同軸上に配設された回転軸にそれぞれ設けられ、径方向に互いに向き合う、径方向外側に位置する外側軸方向面を有するドラム及び径方向内側に位置する内側軸方向面を有するハブと、
前記外側軸方向面の内周側にスプライン嵌合し、該ドラム内に設けられる押圧手段の側からプレッシャプレート、中間プレート、エンドプレートの順に配列される相手プレートと、
前記相手プレート同士の間に設けられ、前記内側軸方向面の外周側にスプライン嵌合する摩擦板と、
前記内側軸方向面に設けられる貫通孔を具え、
前記プレッシャプレートがエンドプレート方向に前記押圧手段により押されて前記相手プレートと摩擦板が摩擦係合する湿式の摩擦係合装置において、
前記相手プレートの少なくともいずれかの内径側の端部に前記摩擦係合する部分へ向けての潤滑油誘導手段が設けられ、
少なくとも前記潤滑油誘導手段が設けられている前記相手プレートと摩擦係合する前記摩擦板が該摩擦係合する部分より内径側の面に軸方向に貫通する通油窓を具えることを特徴とする摩擦係合装置の潤滑構造によって前記課題を解決した。
本発明では、湿式の摩擦係合装置において、相手プレートの少なくともいずれか、すなわち、プレッシャプレート、中間プレート、又はエンドプレートの少なくともいずれかの内径側の端部に、相手プレートと摩擦板が摩擦係合する部分へ向けての潤滑油誘導手段が設けられているから、ドラムが回転していれば、潤滑油誘導手段によって、潤滑油を相手プレートと摩擦板の摩擦係合部分に向けて誘導することができる。誘導された潤滑油は、潤滑油誘導手段が設けられている相手プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットに溜まる。ここで、少なくとも潤滑油誘導手段が設けられている相手プレートと摩擦係合する摩擦板が相手プレートと摩擦係合する部分より内径側の面に軸方向に貫通する通油窓を具えているから、上記ポケットに溜まった潤滑油は通油窓を通過して隣のポケットにも溜まる。そして、ポケットに溜まった潤滑油は、相手プレート又は摩擦板に付着し、遠心力によって摩擦板と相手プレートとの間に入り込むため、潤滑効率を高めることができる。かくして、ハブの回転時は勿論、ハブが無回転の状態であっても、従来に比べ、摩擦板と相手プレートの摩擦面の潤滑効率を向上させ、冷却効率を格段に向上させることができる。なお、全ての摩擦板に通油窓が設けられていれば、摩擦板と相手プレートとの摩擦面を全て潤滑することができる。本発明は、前述した理由から、特に、ハブが無回転の状態から摩擦板とプレートを摩擦係合させる用途に使用する摩擦係合装置に好適である。
潤滑油誘導手段は、具体的には、プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられ、プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面に対し径方向内側に向かって延び、プレッシャプレート又はエンドプレートの回転方向側から反回転方向側に向けて中間プレート方向に傾斜する側面を有するフィンとすることができる。これにより、ドラムが回転すると、フィンがその周辺の液状及び霧状の潤滑油を掻き集め、また、フィンの回転によって発生する気流によって潤滑油を摩擦板方向に引込むので、摩擦板とフィンが設けられているプレッシャプレート又はエンドプレートとの摩擦面を効率良く潤滑することができる。潤滑油は、フィンが設けられているプレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットに溜まり、摩擦板に設けられている通油窓を通過して、当該プレッシャプレート又はエンドプレートの隣の中間プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットにも溜まる。そして、ポケットに溜まった潤滑油は、相手プレート又は摩擦板に付着し、遠心力によって摩擦板と相手プレートとの間に入り込むため、潤滑効率を高めることができる。なお、全ての摩擦板に通油窓が設けられていれば、摩擦板と相手プレートとの摩擦面を全て潤滑することができる。
また、プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面が、摩擦板とプレッシャプレート又はエンドプレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とすれば、プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間の潤滑油を溜めるポケットの大きさを大きくすることができるので、潤滑油をより多く溜めることができる。また、ポケットが当該摩擦係合する部分と距離が近い位置に形成されるので、その摩擦係合する部分へ潤滑油を導き易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
また、フィンの側面が内側軸方向面より軸方向外側に位置している構成とすれば、ハブの径方向面の外側を伝う潤滑油又はハブの開口部からハブの外側に流れ出る潤滑油をフィンによって効率良く掻き集めることができるので好適である。
一方、潤滑油誘導手段は、プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられ、軸方向外側から軸方向内側に向けて径方向外側に傾斜するテーパとすることもできる。これにより、テーパ面に付着した潤滑油を遠心力によりテーパを伝わせて摩擦板方向に誘導することができるので、摩擦板とテーパが設けられているプレッシャプレート又はエンドプレートの摩擦面を効率良く潤滑することができる。誘導された潤滑油は、テーパが設けられているプレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面、すなわち、テーパ面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットに溜まり、摩擦板に設けられている通油窓を通過して、当該プレッシャプレート又はエンドプレートの隣の中間プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットにも溜まる。そして、ポケットに溜まった潤滑油は、相手プレート又は摩擦板に付着し、遠心力によって摩擦板と相手プレートとの間に入り込むため、潤滑効率を高めることができる。なお、全ての摩擦板に通油窓が設けられていれば、摩擦板と相手プレートとの摩擦面を全て潤滑することができる。
また、テーパの外径側端が、摩擦板とプレッシャプレート又はエンドプレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とすれば、プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面(テーパ面)と内側軸方向面の外側の間の潤滑油を溜めるポケットの大きさを大きくすることができるので、潤滑油をより多く溜めることができる。また、テーパの外径側端と摩擦板とプレッシャプレート又はエンドプレートが摩擦係合する部分との距離が近くなるので、当該摩擦係合する部分へ潤滑油を導き易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
また、テーパの内径側端が内側軸方向面より軸方向外側に位置している構成とすれば、ハブの径方向面の外側を伝う潤滑油又はハブの開口部からハブの外側に流れ出る潤滑油をテーパによって効率良く集めることができるので好適である。
また、中間プレートの内径側の端面が、摩擦板と中間プレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とすれば、中間プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間の潤滑油を溜めるポケットの大きさを大きくすることができるので、潤滑油をより多く溜めることができる。また、ポケットが、当該摩擦係合する部分との距離が近い位置に形成されるので、その摩擦係合する部分へ潤滑油を導き易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
他方、潤滑油誘導手段は、中間プレートの内径側の端面に形成される、周方向に連続する波形部であってもよい。当該潤滑油誘導手段が形成された中間プレートが回転することにより、中間プレートと内側軸方向面の外側との間の潤滑油が撹拌されることによる遠心ポンプ効果によって、ハブの内側に存在する潤滑油を内側軸方向面の貫通孔を通じて中間プレート側に引込むことができる。引込まれた潤滑油は、波形部が設けられている中間プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットに溜まり、摩擦板に設けられている通油窓を通過して、当該中間プレートの隣の相手プレートの内径側の端面と内側軸方向面の外側の間に形成されるポケットにも溜まる。そして、ポケットに溜まった潤滑油は、相手プレート又は摩擦板に付着し、遠心力によって摩擦板と相手プレートとの間に入り込むため、潤滑効率を高めることができる。なお、全ての摩擦板に通油窓が設けられていれば、摩擦板と相手プレートとの摩擦面を全て潤滑することができる。
また、波形部の底面が摩擦板と中間プレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とすれば、中間プレートの端面とハブの内側軸方向面の外側との間の潤滑油を溜めるポケットが大きくなるため、より多くの潤滑油をポケットに溜めることができる。また、ポケットが摩擦板と中間プレートが摩擦係合する部分と近い位置に形成されるので、当該摩擦係合する部分へ潤滑油を導き易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
また、プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられる潤滑油誘導手段と、中間プレートに設けられる潤滑油誘導手段とを組合せることによって、潤滑効率を最大限に高めることができる。
本発明の第一実施形態の潤滑構造を適用した摩擦係合装置の縦断面図。 本発明の第一実施形態のエンドプレートの径方向半分の側面図。 (a)は、本発明の第一実施形態の潤滑油誘導手段(フィン)の側面図、(b)は、その正面図、(c)は、その底面図。 本発明の第一実施形態の摩擦板の径方向半分の側面図。 (a)は、本発明の第二実施形態のエンドプレートの径方向半分の側面図、(b)は、その潤滑油誘導手段(フィン)の側面図。 本発明の第三実施形態の潤滑構造を適用した摩擦係合装置の縦断面図。 本発明の第四実施形態の潤滑構造を適用した摩擦係合装置の縦断面図。 本発明の第四実施形態の中間プレートの径方向半分の側面図。
本発明の実施例を、図1〜8を参照して説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。また、下記説明において、「軸方向内側」とは、プレッシャプレート32又はエンドプレート38に対し、中間プレート34,36の側を意味し、「軸方向外側」とは、軸方向内側の反対側を意味する。
図1には、本発明の第一実施形態の潤滑構造10を適用した摩擦係合装置100の縦断面図が示されている。摩擦係合装置100は上下対称である。回転軸11は、図内中央の一点鎖線を軸心として設けられる。なお、回転軸11は、便宜上、想像線(2点鎖線)で示されているが、実際は、ドラム12とハブ42をそれぞれ支持する回転軸が同軸上に設けられ、ドラム12とハブ42は、互いに独立して回転できるように構成される。
ドラム12は、径方向外側に位置する外側軸方向面12aを、ハブ42は、径方向内側に位置する内側軸方向面42aを有し、外側軸方向面12aと内側軸方向面42aは、径方向に互いに向き合っている。
外側軸方向面12aの内周側には、後述する押圧手段であるピストン22の側から、プレッシャプレート32、中間プレート34,36、エンドプレート38の順に配列される相手プレート(32,34,36,38)がスプライン嵌合しており、エンドプレート38は、スナップリング31によって抜け止めされている。一方、内側軸方向面42aの外周側には、相手プレート(32,34,36,38)同士の間に位置するように、摩擦板46(46a〜46c)がスプライン嵌合している。摩擦板46には、摩擦板46の摩擦材48と相手プレート(32,34,36,38)が摩擦係合する部分より内径側の面に通油窓43が設けられている(図4参照。)。なお、通油窓43は、その数・形状を適宜変更することができ、本実施例のように、全ての摩擦板46に設けるのが好ましい。また、中間プレート34,36は、下記に説明するように、その内径側の端面33と内側軸方向面42aとの間のポケット51aが、大きく、且つ、摩擦係合する部分との距離が近い位置に形成されるタイプのものを適用しているが、一般的な中間プレートを適用することも可能であることは言うまでもない。
次に、押圧手段について説明する。プレッシャプレート32側には、押圧手段であるピストン22が設けられている。ピストン22は、油圧室24に作動油が供給されることにより、プレッシャプレート32の方向に移動し、プレッシャプレート32をエンドプレート38の方向に押し、相手プレート(32,34,36,38)と摩擦板46を摩擦係合させる。かくして、ドラム12とハブ42との間でトルクが伝達される。一方、油圧室24への作動油の供給が止まり、押付け荷重が無くなると、リターンスプリング23の反発力により、ピストン22は、プレッシャプレート32から離れ、これに伴い、相手プレート(32,34,36,38)と摩擦板46の摩擦係合状態が解除される。なお、図示されている押圧手段以外にも、プレッシャプレート32を軸方向に押して、相手プレート(32,34,36,38)と摩擦板46とを摩擦係合させられるものであれば、他の態様のものを適用することができる。
内側軸方向面42aには、貫通孔44が設けられている。貫通孔44は、通常、相手プレートに対応する位置等に、複数設けられている。これにより、ハブ42の内側(摩擦板46が位置する側と反対側)に存在する潤滑油を、貫通孔44を通じて、ハブ42の外側に流すことができる。また、ドラム12の外側軸方向面12aには、排出用貫通孔18が設けられており、相手プレート(32,34,36,38)と摩擦板を潤滑した潤滑油は、排出用貫通孔18から排出される。
潤滑構造10の潤滑油誘導手段は、エンドプレート38の内径側の端面39に対し径方向内側に向かって延び、エンドプレート38の回転方向(図2の場合、左回り)側から反回転方向(図2の場合、右回り)側に向けて中間プレート34,36方向に傾斜する側面56を有するフィン50である。フィン50の詳細な構造については後述する。図2に示すように、フィン50は、エンドプレート38のフィン取付部37にカシメ部材53で固定されることにより取付けられている。
エンドプレート38が回転することにより、フィン50は、周辺の油分を掻き集めるとともに、気流を発生させるので、これにより、潤滑油をエンドプレート38と摩擦板46cの摩擦係合部分に向けて誘導することができる。
誘導された潤滑油は、エンドプレート38の内径側の端面39と内側軸方向面42aの外側の間に形成されるポケット51に溜まり、摩擦板46b,46cに設けられている通油窓43(図4参照。)を通過して、中間プレート34,36の内径側の端面33と内側軸方向面42aの外側の間に形成されるポケット51aにも溜まる。さらに、潤滑油は、摩擦板46aに設けられている通油窓43(図4参照。)を通過して、プレッシャプレート32に付着する。そして、ポケット51,51aに溜まった潤滑油は、エンドプレート38若しくは中間プレート34,36又は摩擦板46に付着し、プレッシャプレート32に付着した潤滑油とともに、遠心力によって摩擦板46と相手プレート(32,34,36,38)との間に入り込むため、潤滑効率を高めることができる。このようにして、摩擦係合装置100では、全ての摩擦板46に通油窓43(図4参照。)が設けられているから、摩擦板46と相手プレート(32,34,36,38)との摩擦面を全て潤滑することができる。なお、図示されているように、フィン50を複数箇所に設けると、フィン50の周辺の油分を一層掻き集め易く、気流を発生させ易い。
図1に示すように、中間プレート34,36及びエンドプレート38の内径側の端面33,39が、摩擦板46の摩擦材48(図4参照。)と中間プレート34,36及びエンドプレート38が摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とすれば、ポケット51,51aが大きくなるため、より多くの潤滑油をポケットに溜めることができる。また、ポケット51,51aが上記摩擦係合する部分に近い位置に形成されることになるため、ポケット51,51aに溜まった潤滑油は、中間プレート34,36及びエンドプレート38と摩擦板46の間に入り込み易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
図3に示すように、フィン50は、取付部52、カシメ用孔52a、平面54、側面56を有する。平面54は、設けなくてもよく、一方で、軸方向外側から軸方向内側に向けて径方向外側に傾斜するように構成することもできる。図1に示すように、側面56がハブ42の内側軸方向面42aよりも軸方向外側に位置している構成とすれば、ハブ42の径方向面42bの外側(摩擦板46が位置する側)を伝う潤滑油(フィン50がプッシャプレート32に設けられている場合は、ハブ42の開口部41から流れてくる潤滑油。)をフィン50によって効率良く集めることができる。
以上、本発明の第一実施形態の潤滑構造10について、フィン50がエンドプレート38の内径側の端部に取付けられている態様で説明したが、フィン50は、場合によっては、上記と同様に、且つ、ピストン22やキャンセラ26に干渉しないように、プレッシャプレート32の内径側の端部に設けることもできる。
図5は、フィンの別の態様を示している。フィンは、図5(b)に示されているように、環状の部材に側面56を設けたフィン50aとして、そのカシメ用孔52aとエンドプレート38aのフィン取付部37aのカシメ用孔35aを合わせてカシメ固定するという構成にしてもよい。要するに、フィンは、プレッシャプレート32又はエンドプレート38の回転方向側から反回転方向側に向けて中間プレート34,36方向に傾斜する側面56を有するもので、プレッシャプレート32又はエンドプレート38の回転によって、周辺の潤滑油を相手プレートと摩擦板46の摩擦係合部分に向けて誘導することができるものであればよい。
図6には、本発明の第三実施形態の潤滑構造10aを適用した摩擦係合装置100aの縦断面図が示されている。基本的構成及び動作は、摩擦係合装置100と同じであるため、重複する部分についての説明は省略する。なお、摩擦係合装置100aでは、回転軸の図示は省略している。
潤滑構造10aの潤滑油誘導手段は、エンドプレート38aに設けられ、軸方向外側から軸方向内側に向けて径方向外側に傾斜するテーパ50bである。テーパ50bのテーパ面58aに付着した潤滑油は、ドラム12の回転による遠心力によって、テーパ面58aを伝って摩擦板46cの方向に流れる。これにより、潤滑油をエンドプレート38aと摩擦板46の摩擦係合部分に向けて誘導することができる。
誘導された潤滑油は、エンドプレート38aの内径側の端面(テーパ面58a)と内側軸方向面42aの外側の間に形成されるポケット51に溜まり、摩擦板46b,46cに設けられている通油窓43(図4参照。)を通過して、中間プレート34,36の内径側の端面33と内側軸方向面42aの外側の間に形成されるポケット51aにも溜まる。さらに、潤滑油は、摩擦板46aに設けられている通油窓43(図4参照。)を通過して、プレッシャプレート32に付着する。このようにして、摩擦係合装置100の場合と同様に、潤滑効率を高めることができる。
ここで、テーパ50bの外径側端58cを、摩擦板46cの摩擦材48(図4参照。)とエンドプレート38aが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側(符号Aの点辺り)に位置している構成とすれば、テーパ面58aと内側軸方向面42aの外側の間の潤滑油を溜めるポケット51の大きさを大きくすることができるので、潤滑油をより多く溜めることができる。また、テーパ50bの外径側端58cと上記摩擦係合する部分との距離が近くなるので、潤滑油が摩擦板46cとエンドプレート38aとの間に入り込み易くなるから、潤滑効率を一層高めることができる。
図示しているように、テーパ50bの内径側端58bが内側軸方向面42aよりも軸方向外側に位置している構成とすれば、ハブ42の径方向面42bの外側を伝う潤滑油をテーパ50bによって効率良く集めることができる。また、上記に説明したように、摩擦板46に通油窓43(図4参照。)を設けるのがよい。
また、図示しての説明は省略するが、テーパ50bを有するエンドプレート38aに、上述したフィンを取り付ける構成とすることも可能である。なお、フィン50,50aの場合と同様に、テーパ50bをプレッシャプレート32の内径側の端部に設ける構成とすることもできる。
図7には、本発明の第四実施形態の潤滑構造10bを適用した摩擦係合装置100bの縦断面図が示されている。摩擦係合装置としての基本的構成及び動作は、摩擦係合装置100と同じであるため、重複する部分についての説明は省略する。なお、摩擦係合装置100bでは、回転軸の図示は省略している。
潤滑構造10bの潤滑油誘導手段は、図8に示すように、中間プレート34a又は36aの内径側の端面33に、周方向に連続するように形成された波形部39である。本構成によれば、ドラム12の回転によって、波形部39が形成された中間プレート34a,36aが回転すると、中間プレート34a,36aと内側軸方向面42aの外側との間の潤滑油が撹拌されることによる遠心ポンプ効果によって、ハブの内側に存在する潤滑油を内側軸方向面42aの貫通孔44を通じて中間プレート34a,36a側に引込むことができる。
引込まれた潤滑油は、中間プレート34a,36aの内径側の端面33(図8参照。)と内側軸方向面42aの外側の間に形成されるポケット51aに溜まり、摩擦板46に設けられている通油窓43(図4参照。)を通過して、隣同士のポケット51a間を移動してそこに溜まり、一方で、プレッシャプレート32やエンドプレート38bに付着する。このようにして、摩擦係合装置100,100aの場合と同様に、潤滑効率を高めることができる。なお、波形部39は、図示では、流線形であるが、潤滑油を撹拌することができるのであれば、その形状は変更することができる。
また、波形部39の底面33aは、図7に示すように、摩擦板46と中間プレート34a,36aが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している構成とするのがよい。これにより、中間プレート34a,36aの端面33とハブ42の内側軸方向面42aの外側との間の潤滑油を溜めるポケット51aが大きくなるため、より多くの潤滑油をポケットに溜めることができる。また、ポケット51aが、摩擦板46と中間プレート34a,36aが摩擦係合する部分と距離が近い位置に形成されるので、ポケット51aに溜まった潤滑油が摩擦板46と中間プレート34a,36aとの間に入り込み易いから、潤滑効率を一層高めることができる。
本発明は、前述した、プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられる潤滑油誘導手段と、中間プレートに設けられる潤滑油誘導手段とを組合せることによって、両方の潤滑油誘導手段による相乗効果で、潤滑効率を最大限に高めることができる。
上述した本発明の潤滑構造は、軸心給油タイプの摩擦係合装置に好適に適用できるものであるが、他の潤滑方法を採用している摩擦係合装置に用いることも可能である。
以上に説明した通り、本発明によれば、ドラムが回転していれば、潤滑油誘導手段によって、潤滑油を相手プレートと摩擦板の摩擦係合部分に向けて誘導することができるので、摩擦係合装置における潤滑効率を一層高めることができる。
10,10a,10b 潤滑構造
11 回転軸
12 ドラム
12a 外側軸方向面
22 押圧手段(ピストン)
32 相手プレート(プレッシャプレート)
34,34a,36,36a 相手プレート(中間プレート)
38,38a,38b 相手プレート(エンドプレート)
39 エンドプレートの内径側の端面
33 中間プレートの内径側の端面
33a 波形部の底面
42 ハブ
42a 内側軸方向面
43 通油窓
44 貫通孔
46,46a,46b,46c 摩擦板
50,50a,50b,50c 潤滑油誘導手段(フィン、テーパ、波形部)
54 平面
56 側面
58b 内径側端
58c 外径側端
100,100a,100b 摩擦係合装置

Claims (12)

  1. 同軸上に配設された回転軸にそれぞれ設けられ、径方向に互いに向き合う、径方向外側に位置する外側軸方向面を有するドラム及び径方向内側に位置する内側軸方向面を有するハブと、
    前記外側軸方向面の内周側にスプライン嵌合し、該ドラム内に設けられる押圧手段の側からプレッシャプレート、中間プレート、エンドプレートの順に配列される相手プレートと、
    前記相手プレート同士の間に設けられ、前記内側軸方向面の外周側にスプライン嵌合する摩擦板と、
    前記内側軸方向面に設けられる貫通孔を具え、
    前記プレッシャプレートがエンドプレート方向に前記押圧手段により押されて前記相手プレートと摩擦板が摩擦係合する湿式の摩擦係合装置において、
    前記相手プレートの少なくともいずれかの内径側の端部に前記摩擦係合する部分へ向けての潤滑油誘導手段が設けられ、
    少なくとも前記潤滑油誘導手段が設けられている前記相手プレートと摩擦係合する前記摩擦板が該摩擦係合する部分より内径側の面に軸方向に貫通する通油窓を具えることを特徴とする、
    摩擦係合装置の潤滑構造。
  2. 前記潤滑油誘導手段が、前記プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられ、該プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面に対し径方向内側に向かって延び、前記プレッシャプレート又はエンドプレートの回転方向側から反回転方向側に向けて前記中間プレート方向に傾斜する側面を有するフィンである、請求項1の摩擦係合装置の潤滑構造。
  3. 前記プレッシャプレート又はエンドプレートの内径側の端面が、前記摩擦板と該プレッシャプレート又はエンドプレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している、請求項2の摩擦係合装置の潤滑構造。
  4. 前記側面が前記内側軸方向面より軸方向外側に位置している、請求項2又は3の摩擦係合装置の潤滑構造。
  5. 前記潤滑油誘導手段が、前記プレッシャプレート又はエンドプレートに設けられ、軸方向外側から軸方向内側に向けて径方向外側に傾斜するテーパである、請求項1の摩擦係合装置の潤滑構造。
  6. 前記テーパの外径側端が、前記摩擦板と該プレッシャプレート又はエンドプレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している、請求項5の摩擦係合装置の潤滑構造。
  7. 前記テーパの内径側端が前記内側軸方向面より軸方向外側に位置している、請求項5又は6の摩擦係合装置の潤滑構造。
  8. 前記中間プレートの内径側の端面が、前記摩擦板と該中間プレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している、請求項1から7のいずれかの摩擦係合装置の潤滑構造。
  9. 前記潤滑油誘導手段が前記中間プレートの内径側の端面に形成される周方向に連続する波形部である、請求項1の摩擦係合装置の潤滑構造。
  10. 前記波形部の底面が、前記摩擦板と該中間プレートが摩擦係合する部分の内径側端部に近い径方向内側に位置している、請求項8の摩擦係合装置の潤滑構造。
  11. 前記潤滑油誘導手段が、請求項2乃至4のいずれかのフィン又は請求項5乃至7のいずれかのテーパと請求項9又は10の波形部の組合せである、摩擦係合装置の潤滑構造。
  12. 請求項1から11のいずれかの摩擦係合装置の潤滑構造を具える、摩擦係合装置。
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