JP2009281204A - ガス循環型エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】循環経路の内圧の過大な上昇を抑えること。
【解決手段】酸化剤,酸化剤によって燃焼が促される被酸化燃料及び当該被酸化燃料の燃焼に伴って動力を発生させる空気よりも比熱比の高い作動ガスが供給される燃焼室CCと、燃焼室CCの吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路20と、を備え、作動ガスが大気へと放出されることなく循環経路20を介して再び燃焼室CCに供給されるよう構成したガス循環型エンジンにおいて、循環経路20の内圧が所定圧力よりも高いときに作動して当該循環経路20における燃焼室CCからの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整装置80を備えること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃焼室と当該燃焼室の吸気側及び排気側を繋ぐ循環経路とを備えたガス循環型エンジンに係り、特に、酸化剤,この酸化剤によって燃焼が促される被酸化燃料及び当該被酸化燃料の燃焼に伴って動力を発生させる作動ガスが供給される燃焼室と、この燃焼室の吸気側と排気側と繋ぐ循環経路と、を備え、その作動ガスが大気へと放出されることなく循環経路を介して再び燃焼室に供給されるよう構成した作動ガス循環型エンジンに関する。
この種の作動ガス循環型エンジンとは、所謂閉サイクルエンジンと呼ばれるものであり、例えば下記の特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1の作動ガス循環型エンジンにおいては、酸化剤として酸素が供給されると共に被酸化燃料として水素が供給され、熱効率を高めるべく作動ガスとしてアルゴンが循環させられている。この作動ガス循環型エンジンは、燃焼室内での水素の燃焼によってアルゴンを熱膨張させ、これによりピストンを押し下げて動力を発生させる。ここで、その燃焼室内では水素の燃焼に伴って水蒸気が発生するので、循環経路には、アルゴンと共にその水蒸気が排出される。これが為、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その水蒸気を液化させて取り除く凝縮器を循環経路上に配設し、作動ガスたるアルゴンのみが循環して再び燃焼室に供給されるように構成している。
特開平11−93681号公報
ここで、この作動ガス循環型エンジンにおいては、所謂開サイクルエンジンのように燃焼室から排出された高温のガスが大気へと放出されないので、運転が繰り返されることによって循環経路が暖められ、その循環経路内を巡っている作動ガスの温度が上昇する。これが為、その循環経路においては、内圧が上昇して、様々な不都合を生じさせる可能性がある。例えば、その内圧の上昇は、循環経路の耐久性を低下させる虞がある。また、その内圧の上昇は、エンジン本体と循環経路を成す循環通路との繋ぎ目や循環通路と凝縮器との繋ぎ目からの作動ガスの漏洩を招く虞がある。また、循環経路における燃焼室から凝縮器までの間においては、特に作動ガスの温度が高く、内圧が高くなりやすいので、燃焼室の内圧の急上昇をも引き起こす虞がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、循環経路の内圧の過大な上昇を抑え得るガス循環型エンジンを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、燃焼室と、この燃焼室の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路と、を備えたガス循環型エンジンにおいて、循環経路の内圧が所定圧力よりも高いときに作動して当該循環経路における燃焼室からの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整装置を備えている。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、酸化剤,酸化剤によって燃焼が促される被酸化燃料及び当該被酸化燃料の燃焼に伴って動力を発生させる空気よりも比熱比の高い作動ガスが供給される燃焼室と、この燃焼室の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路と、を備え、作動ガスが大気へと放出されることなく循環経路を介して再び燃焼室に供給されるよう構成したガス循環型エンジンにおいて、循環経路の内圧が所定圧力よりも高いときに作動して当該循環経路における燃焼室からの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整装置を備えている。
これら各請求項1又は2に記載のガス循環型エンジンは、循環経路の内圧が所定圧力を超えたときに、その循環経路の排出ガスが大気へと放出されるので、その循環経路の内圧の過度の上昇を抑えることができる。
ここで、請求項3記載の発明の如く、被酸化燃料の燃焼に伴う生成物と作動ガスを含む燃焼後の排出ガスの中から当該生成物を凝縮して取り除く一方、その作動ガスを作動ガス排出口から循環経路に戻す凝縮器と、排出ガスの中の酸化剤の濃度を検出する酸化剤濃度検出手段と、排出ガスの中の被酸化燃料の濃度を検出する被酸化燃料濃度検出手段と、を循環経路に設ける。そして、循環経路内圧調整装置は、循環経路における凝縮器の作動ガス排出口よりも下流側で且つ酸化剤濃度検出手段及び被酸化燃料濃度検出手段の上流側に配設することが望ましい。これにより、この請求項3記載のガス循環型エンジンにおいては、循環経路内圧調整装置への高温の排出ガスの流入が回避されるので、その循環経路内圧調整装置の熱負荷を軽減することができる。また、酸化剤濃度検出手段や被酸化燃料濃度検出手段において、排気ガス中の酸化剤の濃度や被酸化燃料の濃度を適切に検出することができる。
また、循環経路内圧調整装置は、請求項4記載の発明の如く、循環経路の内圧が前記所定圧力よりも高いときに弁体が作動して当該循環経路の流路を大気へと開放させる開閉弁を備えたものとすればよい。
具体的に、この循環経路内圧調整装置は、請求項5記載の発明の如く、循環経路の内圧が所定圧力よりも高いときに弁体が作動して、その循環経路における当該循環経路内圧調整装置の配設部分よりも上流側の流路と下流側の流路の間を遮断させる一方、その上流側の流路を大気へと開放させる開閉弁と、この開閉弁の弁体を作動させた後、所定時間経過してから前記上流側の流路の内圧を検出して当該開閉弁の動作確認を行う動作確認手段と、を備えればよい。これにより、この請求項5記載のガス循環型エンジンにおいては、その開閉弁が正常に作動しているのか否かの適切な判断が可能になる。
また、循環経路内圧調整装置は、請求項6記載の発明の如く、開閉弁の下流側の流路に配設した消音手段を備えてもよい。この請求項6記載のガス循環型エンジンによれば、開閉弁の作動音の伝播を消音手段が抑えることができる。
また、請求項7記載の発明の如く、開閉弁の開弁に伴い循環経路の流路を大気へと開放させる排出ガス通路と、この排出ガス通路における開閉弁の下流側と循環経路とを繋ぐリターン通路と、循環経路の排出ガスを強制的に開閉弁に流す第1流路切替手段と、排出ガス通路とリターン通路との繋ぎ目部分に配設した第2流路切替手段と、開閉弁の動作確認を行う動作確認手段と、開閉弁の上流側に配設して検出信号を動作確認手段に送信する圧力検出手段と、を設ける。そして、その動作確認手段は、開閉弁に開弁指令を与えると共に、循環経路の排出ガスを強制的に開閉弁に流すべく第1流路切替手段を制御し、且つ、排出ガス通路における繋ぎ目部分よりも上流側とリターン通路との間のみを連通させるべく第2流路切替手段を制御するように構成してもよい。
この請求項7記載のガス循環型エンジンは、開閉弁が正常に作動するならば、強制的に送られた排出ガスが開閉弁を通過して、リターン通路を介して循環経路に戻る。一方、開閉弁が正常に作動しないときには、強制的に送られた排出ガスの殆ど又は全てが開閉弁を通過することができず、圧力検出手段の検出値(開閉弁の上流側の内圧)が高くなる。従って、動作確認手段は、その開閉弁の上流側の内圧を監視しているので、その内圧が高くなったときに開閉弁の作動不良と判定することができる。
本発明に係るガス循環型エンジンは、循環経路の内圧の過大な上昇の抑制が可能なので、その循環経路の耐久性を維持することができ、また、その循環経路における各繋ぎ目からの排出ガスの漏れの回避が可能となり、作動ガス不足による熱効率の低下を防ぐことができる。
以下に、本発明に係るガス循環型エンジンの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。以下においては、作動ガス循環型エンジンを例に挙げて説明する。
[実施例1]
本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
この作動ガス循環型エンジンは、酸化剤,この酸化剤によって燃焼が促される被酸化燃料及び当該被酸化燃料の燃焼に伴って動力を発生させる作動ガスが供給される燃焼室と、この燃焼室の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路と、を備え、その作動ガスが大気へと放出されることなく循環経路を介して再び燃焼室に供給されるよう構成した所謂閉サイクルエンジンである。この作動ガス循環型エンジンは、燃焼室内で被酸化燃料を燃焼させ、これにより作動ガスを熱膨張させて動力を発生させる。
最初に、本実施例1において例示する作動ガス循環型エンジンの構成についての説明を図1に基づき行う。
この作動ガス循環型エンジンは、燃焼室CCが形成されるエンジン本体10と、その燃焼室CCの吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路20と、その燃焼室CCに酸化剤を供給する酸化剤供給装置30と、その燃焼室CCに被酸化燃料を供給する被酸化燃料供給装置40と、を備えている。その燃焼室CCと循環経路20には作動ガスが充填されており、その作動ガスは、燃焼室CCと循環経路20との間で循環する。尚、図1においては1気筒のみを図示しているが、本発明は、これに限らず、多気筒のエンジン本体10にも適用可能である。
先ず、エンジン本体10について説明する。
このエンジン本体10は、燃焼室CCを形成するシリンダヘッド11,シリンダブロック12及びピストン13を備えている。そのピストン13は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト(図示略)に連結し、シリンダヘッド11の下面の凹部11aとシリンダブロック12のシリンダボア12aとの空間内に往復運動し得るように配置する。尚、燃焼室CCは、そのシリンダヘッド11の凹部11aの壁面とシリンダボア12aの壁面とピストン13の頂面13aとで囲まれた空間によって構成される。
そのシリンダヘッド11には、循環経路20の一部を成す吸気ポート11bと排気ポート11cが形成されている。その吸気ポート11bと排気ポート11cは、夫々に一端が燃焼室CC内に開口している。吸気ポート11bの開口部分には、その開口を開弁時に開く一方、閉弁時に閉じる吸気バルブ15が配設されている。また、排気ポート11cの開口部分には、その開口を開弁時に開く一方、閉弁時に閉じる排気バルブ16が配設されている。
その吸気バルブ15や排気バルブ16としては、例えば、図示しないカムシャフトの回転と弾性部材(弦巻バネ)の弾発力に伴って開閉駆動されるものがある。この種の吸気バルブ15や排気バルブ16においては、そのカムシャフトとクランクシャフトの間にチェーンやスプロケット等からなる動力伝達機構を介在させることによってそのカムシャフトをクランクシャフトの回転に連動させ、予め設定された開閉時期に開閉駆動させる。また、このエンジン本体10は、吸気バルブ15と排気バルブ16の開閉時期やリフト量を変更可能な所謂可変バルブタイミング&リフト機構等の可変バルブ機構を具備してもよく、これにより、その吸気バルブ15や排気バルブ16の開閉時期やリフト量を運転条件に応じた好適なものへと変更できるようになる。更にまた、このエンジン本体10においては、かかる可変バルブ機構と同様の作用効果を得るべく、電磁力を利用して吸気バルブ15や排気バルブ16を開閉駆動させる所謂電磁駆動弁を利用してもよい。
次に、循環経路20について説明する。
この循環経路20は、上述した吸気ポート11b及び排気ポート11cと、その吸気ポート11bの他端と排気ポート11cの他端とを繋ぐ循環通路21と、によって構成する。これにより、この循環経路20内と燃焼室CC内とは、閉塞された空間を成す。
この作動ガス循環型エンジンにおいては、その閉塞された空間の中に作動ガスを充填して、その作動ガスを循環経路20の吸気ポート11b側から燃焼室CC内へと、この燃焼室CCから循環経路20の排気ポート11c側へと、そして、この排気ポート11c側から循環通路21を介して吸気ポート11b側へと循環させる。ここでは、吸気バルブ15が開弁した際に、循環通路21の作動ガスが吸気ポート11bを介して燃焼室CCに供給される。また、その燃焼室CC内の作動ガスは、排気バルブ16が開弁した際に、排気ポート11cを介して被酸化燃料の燃焼後ガスと共に排出ガスとして循環通路21に排出される。つまり、その作動ガスは、この循環経路20によって大気に放出されることなく燃焼室CCとの間で循環する。
ここで、その作動ガスとしては、空気よりも比熱比の高いものであって、単原子ガス(具体的にはアルゴンやヘリウム等の希ガス)を使用する。本実施例1においては、アルゴンArを用いるものとする。
本実施例1の循環通路21は、具体的に、第1から第3の循環通路21a〜21cで構成されている。その第1循環通路21aは、吸気ポート11bの他端と酸化剤供給装置30における後述する酸化剤供給手段32の排出口32aとを繋ぐものである。また、第2循環通路21bは、排気ポート11cの他端と後述する凝縮器60の排出ガス導入口60aとを繋ぐものである。また、第3循環通路21cは、その凝縮器60の作動ガス排出口60bと酸化剤供給手段32の作動ガス導入口32bとを繋ぐものである。
次に、酸化剤供給装置30について説明する。
この酸化剤供給装置30は、酸化剤が高圧の状態で貯留された酸化剤貯留タンク31と、その酸化剤を循環通路21に供給する酸化剤供給手段32と、その酸化剤貯留タンク31と酸化剤供給手段32を繋ぐ酸化剤供給通路33と、この酸化剤供給通路33上に配備されたレギュレータ34及び酸化剤流量計35と、を備える。その酸化剤供給通路33上には、上流側(酸化剤貯留タンク31側)から順にレギュレータ34及び酸化剤流量計35が配設される。
ここで、本実施例1においては、酸化剤を単に循環通路21へと供給するのではなく、その循環通路21の作動ガスと混ぜ合わせて循環通路21に送り込ませる。これが為、ここで用いる酸化剤供給手段32としては、酸化剤供給通路33から流入してきた酸化剤と循環通路21から流入してきた作動ガスとを混合して、その酸化剤及び作動ガスを排出口32aから循環通路21の下流側(吸気ポート11b側)に流す酸化剤混合手段を利用する。従って、酸化剤は、吸気バルブ15の開弁に伴い吸気ポート11bを介して作動ガスと共に燃焼室CCに供給されることになる。
レギュレータ34は、酸化剤供給通路33における自身よりも下流側(酸化剤流量計35側)の圧力を電子制御装置(ECU)50の指令に従った目標圧力に調整するものである。換言するならば、このレギュレータ34は、酸化剤供給通路33における酸化剤の流量を制御する為に使用される。また、酸化剤流量計35は、酸化剤供給通路33における酸化剤の流量を計測する手段であって、レギュレータ34で調整された酸化剤の流量の計測を行う。この酸化剤流量計35の計測信号は、電子制御装置50に送信される。
本実施例1においては、その酸化剤として酸素Oが供給されるものとする。これが為、酸化剤貯留タンク31には、酸素Oが例えば70MPaで貯留されている。
次に、被酸化燃料供給装置40について説明する。
この被酸化燃料供給装置40は、被酸化燃料が高圧の状態で貯留された被酸化燃料貯留タンク41と、その被酸化燃料を噴射する被酸化燃料噴射手段42と、その被酸化燃料貯留タンク41と被酸化燃料噴射手段42を繋ぐ被酸化燃料供給通路43と、この被酸化燃料供給通路43上に配備されたレギュレータ44,被酸化燃料流量計45及びサージタンク46と、を備える。その被酸化燃料供給通路43上には、上流側(被酸化燃料貯留タンク41側)から順にレギュレータ44,被酸化燃料流量計45及びサージタンク46が配設される。
ここで、本実施例1においては、被酸化燃料を燃焼室CC内に直接噴射させるべく、シリンダヘッド11に被酸化燃料噴射手段42を配設する。この被酸化燃料噴射手段42は、電子制御装置50によって制御される所謂燃料噴射弁である。例えば、その電子制御装置50は、エンジン回転数等の運転状態に応じて被酸化燃料の噴射時期や噴射量を制御する。
レギュレータ44は、被酸化燃料供給通路43における自身よりも下流側(被酸化燃料流量計45及びサージタンク46側)の圧力を設定圧力に調整するものである。換言するならば、このレギュレータ44は、被酸化燃料供給通路43における被酸化燃料の流量を制御する為に使用される。また、被酸化燃料流量計45は、被酸化燃料供給通路43における被酸化燃料の流量を計測する手段であって、レギュレータ44で調整された被酸化燃料の流量の計測を行う。この被酸化燃料流量計45の計測信号は、電子制御装置50に送信される。また、サージタンク46は、被酸化燃料噴射手段42による被酸化燃料の噴射時に被酸化燃料供給通路43内に発生する脈動の低減を図るものである。
本実施例1においては、その被酸化燃料として水素Hが供給されるものとする。これが為、被酸化燃料貯留タンク41には、水素Hが例えば70MPaで貯留されている。
本実施例1の作動ガス循環型エンジンは、燃焼室CC内に被酸化燃料たる水素Hと酸化剤たる酸素Oを供給し、その水素Hを拡散燃焼させるものとして例示する。従って、この作動ガス循環型エンジンにおいては、燃焼室CC内に形成された高温の圧縮ガス(酸素O及びアルゴンAr)の中に高圧の水素Hを噴射することによりその水素Hの一部が自己着火し、その水素Hと圧縮ガス(酸素O)が拡散混合しながら燃焼する。その水素Hの燃焼によって、燃焼室CCの中では、水素Hと酸素Oが結合して水蒸気HOが生成されると共に、比熱比の高いアルゴンArが熱膨張を起こす。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、水素Hの拡散燃焼とアルゴンArの熱膨張によってピストン13が押し下げられ、これにより動力を発生する。その水蒸気HOは、被酸化燃料たる水素Hの燃焼に伴う生成物である。
その水素Hの燃焼とアルゴンArの熱膨張が一通り終わった際(例えば、ピストン13が下死点近くに位置している際)、燃焼室CC内からは、排気バルブ16の開弁に伴って、水蒸気HOとアルゴンArが排気ポート11cに排出される。ここで、排出されたアルゴンArは、エンジン本体10の熱効率を高める為に、循環経路20を経て再び吸気側から燃焼室CCに供給する必要がある。しかしながら、同時に排出された水蒸気HOは、3原子からなり、単原子からなるアルゴンArよりも比熱比が小さいので、アルゴンArと共に燃焼室CCへ循環させると、エンジン本体10の熱効率を低下させる要因となる。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、排出ガスの中に含まれる水蒸気HOを取り除く手段を循環経路20上に設ける。
その水蒸気HOを取り除く手段としては、図1に示す凝縮器60を利用する。この凝縮器60は、循環通路21上(第2循環通路21bと第3循環通路21cとの間)に配設し、排出ガスの中に含まれる水蒸気HOを液化・凝縮してアルゴンArと凝縮水HOとに分離するものである。この凝縮器60は、その内部に冷却水が循環されており、その冷却水によって水蒸気HOの液化・凝縮を行う。分離されたアルゴンArは、凝縮器60の作動ガス排出口60bを介して第3循環通路21cに排出される。一方、凝縮水HOは、凝縮器60の凝縮水排出口60cを介して凝縮水通路22に排出され、作動ガス循環型エンジンの外部に排水される。
ここで、燃焼室CCから排出された排出ガスの中には、水蒸気HOやアルゴンArだけでなく、水素H又は酸素Oが含まれていることがある。例えば、酸素Oに対して水素Hの燃焼室CCへの供給量の方が多いときには、未燃焼の水素Hが残り、そのまま循環経路20へと排出される。また、水素Hに対して酸素Oの燃焼室CCへの供給量の方が多いときには、酸素Oが残り、そのまま循環経路20へと排出される。その排出ガス中の水素Hや酸素Oは、凝縮器60で分離されて、アルゴンArと共に第3循環通路21cに排出される。従って、その水素Hや酸素Oについても再び燃焼室CCに供給される。
そこで、後の燃焼室CC内における水素H又は酸素Oの過多を防ぐ為に、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その排出ガス中の水素H又は酸素Oの量を把握し、その水素H又は酸素Oが燃焼室CCに到達する時期を見計らって、被酸化燃料供給装置40からの水素Hの噴射量又は酸化剤供給装置30からの酸素Oの供給量を調節する。ここでは、排出ガス中の被酸化燃料の濃度を検出する被酸化燃料濃度検出手段(排出ガス中の水素濃度を検出する水素濃度検出手段であって、具体的には水素濃度センサ71)と、排出ガス中の酸化剤の濃度を検出する酸化剤濃度検出手段(排出ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段であって、具体的には酸素濃度センサ72)と、を循環通路21の第3循環通路21cに配設する。その水素濃度センサ71と酸素濃度センサ72は、各々検出信号を電子制御装置50に送信する。従って、電子制御装置50は、その各検出信号から排出ガス中の水素H又は酸素Oの残存量を把握し、その水素H又は酸素Oが燃焼室CCに到達する時期を見計らって、被酸化燃料噴射手段42の水素Hの噴射量又はレギュレータ34の目標圧力(つまり酸素Oの供給量)を制御する。
ところで、この作動ガス循環型エンジンにおいては、燃焼室CC内が被酸化燃料(水素H)の燃焼によって高温になり、その高温の熱を受け取った作動ガス(アルゴンAr)が熱膨張を起こす。これが為、循環経路20には、高温の排出ガスが送られることになる。
ここで、その排出ガスは凝縮器60によって冷却されることになるが、この作動ガス循環型エンジンは、所謂開サイクルエンジンのように排出ガスが大気へと放出されないので、運転の繰り返しによって循環経路20が暖められていき、その循環経路20内の作動ガスの温度が上がって循環経路20の内圧が上昇していく。そして、その内圧の上昇は、循環経路20の耐久性を低下させる虞があり、また、循環経路20における夫々の繋ぎ目からの排出ガス(主に作動ガス)の漏洩を招く虞がある。その繋ぎ目とは、主として、排気ポート11cと第2循環通路21bとの繋ぎ目,その第2循環通路21bと凝縮器60の排出ガス導入口60aとの繋ぎ目,その凝縮器60の作動ガス排出口60bと第3循環通路21cとの繋ぎ目,その第3循環通路21cと酸化剤供給手段32の作動ガス導入口32bとの繋ぎ目,その酸化剤供給手段32の排出口32aと第1循環通路21aとの繋ぎ目及びその第1循環通路21aと吸気ポート11bとの繋ぎ目である。特に、凝縮器60で冷却される前の循環経路20(つまり排気ポート11c及び第2循環通路21b)においては、排出ガスの温度が高く、内圧が高圧になりやすい。従って、排出ガスの漏洩は、特に排気ポート11cと第2循環通路21bとの繋ぎ目や第2循環通路21bと凝縮器60の排出ガス導入口60aとの繋ぎ目において生じる可能性が高い。また、その排気ポート11cと第2循環通路21bの内圧の上昇は、燃焼室CCの内圧の急上昇をも引き起こす虞がある。
そこで、本実施例1においては、循環経路20の内圧の上昇を抑えるべく、その内圧の調整を行う循環経路内圧調整装置80を設ける。その循環経路内圧調整装置80は、循環経路20の内圧が所定圧力よりも高ければ、その内圧を少なくとも所定圧力になるまで低下させるように構成したものであって、循環経路20における燃焼室CC側の端部(つまり排気ポート11cの開口部分)から酸化剤供給手段32の作動ガス導入口32bに至るまでの間に配設する。
具体的に、本実施例1においては、循環経路20における凝縮器60の作動ガス排出口60b部分から上記の水素濃度センサ71及び酸素濃度センサ72に至るまでの間に循環経路内圧調整装置80を配設する。つまり、循環経路内圧調整装置80は、第3循環通路21cにおける凝縮器60の作動ガス排出口60bよりも下流側で且つ水素濃度センサ71及び酸素濃度センサ72よりも上流側(凝縮器60側)に設ける。そのような配置にした理由は、凝縮器60よりも上流側(つまり第2循環通路21b)に循環経路内圧調整装置80を設けると、その循環経路内圧調整装置80において水蒸気HOが液化してしまう可能性があり、凝縮水HOの処理を行う構造等が別途必要になってエンジン全体の大型化やコスト増加を招く虞があるからである。更に、循環経路内圧調整装置80を凝縮器60よりも上流側に配置しない理由としては、その循環経路内圧調整装置80への高温の排出ガスの流入を避けて、その循環経路内圧調整装置80の熱負荷を軽減する為でもある。また、水素濃度センサ71及び酸素濃度センサ72よりも下流側に配置した場合は、燃焼室CCに送られる実際の残存量が把握できなくなり、適切な水素H及び酸素Oの供給制御を阻害してしまう可能性があるからである。
次に、本実施例1の循環経路内圧調整装置80の構成について説明する。この循環経路内圧調整装置80は、第3循環通路21cの内圧が所定圧力よりも高くなった際に当該第3循環通路21cの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整手段81を備える。その所定圧力とは、例えば循環経路20の耐久性の低下や循環経路20における繋ぎ目からの排出ガスの漏れが生じることのない循環経路20の内圧であって、実験やシミュレーションの結果に基づいて予め設定しておく。以下においては、後述する第2所定圧力の存在を考慮して、この所定圧力のことを「第1所定圧力」という。
この循環経路内圧調整装置80においては、その第3循環通路21cから分岐して一方を大気に開放させた排出ガス通路82を用意し、その排出ガス通路82上に循環経路内圧調整手段81を配備する。
また、本実施例1の循環経路内圧調整手段81としては、例えば、その排出ガス通路82の流路を第3循環通路21c(又は排出ガス通路82における第3循環通路21c側)の内圧に応じて遮断又は開放させることの可能な開閉弁、換言すれば、第3循環通路21cの流路を大気に開放させることの可能な開閉弁を使用する。つまり、この循環経路内圧調整手段81としては、その内圧が第1所定圧力以下のときに排出ガス通路82の流路を遮断させるべく閉弁状態にあり、また、その内圧が第1所定圧力を超えた際に排出ガス通路82の流路を開放させるべく開弁する構造の開閉弁を適用する。具体的に、この場合の開閉弁としては、弁体81aに掛かる第3循環通路21cの内圧が第1所定圧力以下ならば、その内圧に抗する力を弁体81aに作用させて閉弁状態を保たせる一方、その弁体81aに掛かる第3循環通路21cの内圧が第1所定圧力よりも高圧ならば、その内圧に抗することができず弁体81aによって縮められて開弁させる弾性部材(弦巻ばね等)81bを具備した所謂逆止弁を適用すればよい。
この場合の開閉弁においては、閉弁状態において循環経路20における循環経路内圧調整装置80の配設部分よりも上流側の流路と下流側の流路の間が連通状態になっている。具体的には、この場合の開閉弁が閉弁していれば、第3循環通路21cにおける排出ガス通路82との繋ぎ目部分の上流側と下流側とが連通状態のままである。以下においては、その第3循環通路21cにおける排出ガス通路82との繋ぎ目部分の上流側を「第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部」といい、その第3循環通路21cにおける排出ガス通路82との繋ぎ目部分の下流側を「第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部」という。従って、この場合の開閉弁は、開弁状態となった際に、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部における排出ガスの一部を排出ガス通路82から大気へと放出させると共に、その残りを第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部に流す。
このように、循環経路内圧調整装置80は、第3循環通路21cの内圧が第1所定圧力を超えた際に、その第3循環通路21cの排出ガスの一部を大気へと放出する。そして、これにより、この循環経路内圧調整装置80は、循環経路20の内圧の過度な上昇を抑えることができる。従って、この作動ガス循環型エンジンにおいては、循環経路20の耐久性を保つことができ、また、循環経路20の繋ぎ目からの排出ガスの漏れを回避することもできる。
また、この循環経路内圧調整装置80は、第3循環通路21cの排出ガスの一部の大気への放出によって第3循環通路21cの内圧を低下させていく。そして、その第3循環通路21cの内圧が第1所定圧力以下になったときには、循環経路内圧調整手段81が閉弁しての排出ガスの大気への放出が止まる。つまり、この循環経路内圧調整装置80は、第3循環通路21cの内圧が第1所定圧力を超えた際に、一時的に排出ガスの一部を大気に放出させるものであると言える。従って、この作動ガス循環型エンジンにおいては、作動ガスの燃焼室CCへの供給量不足という事態に陥らないので、作動ガス不足に伴う熱効率の低下を抑えることができる。
ここで、その循環経路内圧調整手段81は、その弁体81aの開閉動作に伴って作動音を発生させる虞がある。そのような作動音は、何ら有益なものを生まず、作動ガス循環型エンジンの搭載された車両の使用者等に伝わると、却って不快感を与えるものとなる。
そこで、本実施例1の作動ガス循環型エンジンにおいては、その循環経路内圧調整手段81の作動音のエンジン外部への伝播を抑えるべく消音装置90を排出ガス通路82上に設ける。その消音装置90は、例えば開サイクルエンジンに用意されている一般に知られた所謂膨張型の消音器のことであって、排出ガス通路82における循環経路内圧調整手段81よりも下流側(大気側)に配置する。このように消音装置90として膨張型の消音器を採用した場合には、既存のものが流用できるので、低コストで不快な循環経路内圧調整手段81の作動音の伝播を抑えることができる。また、この消音装置90としては、図2に示す排出ガスの流路91に複数の突出部92を設けて絞り構造を構築した所謂絞り型の消音器を採用してもよい。この絞り型の消音器は、膨張型よりも一般に小型なので、搭載スペースの確保等が容易になる。
以上示した如く、本実施例1の作動ガス循環型エンジンは、循環経路20の排出ガスの一部を大気に放出させることで、その循環経路20の内圧の過度の上昇を抑えることができる。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、その循環経路20の耐久性を維持することができる。また、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その循環経路20における各繋ぎ目からの排出ガスの漏れを回避することもできるので、作動ガス不足による熱効率の低下を防ぐことができる。
[実施例2]
次に、本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施例2を図3及び図4に基づいて説明する。
本実施例2の作動ガス循環型エンジンは、前述した実施例1の作動ガス循環型エンジンにおいて、循環経路内圧調整装置80を下記の循環経路内圧調整装置180に置き換えたものである。
その循環経路内圧調整装置180は、図3に示す如く、実施例1の循環経路内圧調整装置80と同等の位置に配設する。
また、この循環経路内圧調整装置180は、図3に示す如く、実施例1の循環経路内圧調整装置80と同様に、循環経路20(具体的には第3循環通路21c)の内圧を調整する循環経路内圧調整手段181と、その循環経路内圧調整手段181が配置された排出ガス通路182と、を備える。
その排出ガス通路182は、実施例1の排出ガス通路82と同様に、第3循環通路21cから分岐して一方を大気に開放させたものである。循環経路内圧調整手段181は、この排出ガス通路182上に配設する。尚、この排出ガス通路182における循環経路内圧調整手段181よりも下流側には、実施例1と同様の消音装置90が配設されている。
本実施例2の循環経路内圧調整手段181としては、電子制御装置50の循環経路内圧制御手段によって図示しない弁体の開閉動作が実行される開閉弁を利用する。その循環経路内圧制御手段は、第3循環通路21c(又は排出ガス通路182における第3循環通路21c側)の内圧に応じて排出ガス通路182の流路を遮断又は開放させるように構成する。具体的には、その内圧が所定圧力(以下、「第2所定圧力」という。)よりも低圧のときに排出ガス通路182の流路を遮断させるべく循環経路内圧調整手段181を閉弁させる一方、その内圧が所定圧力(例えば実施例1と同じ第1所定圧力)を超えた際に排出ガス通路182の流路を開放させるべく循環経路内圧調整手段181を開弁させるよう構成する。つまり、この循環経路内圧調整手段181は、第3循環通路21cの流路を大気へと開放させることの可能な開閉弁である。
第3循環通路21c(又は排出ガス通路182における第3循環通路21c側)の内圧は、圧力検出手段によって検出させる。ここでは、第3循環通路21cに圧力センサ183を配設し、その圧力センサ183の検出信号を電子制御装置50に送信して第3循環通路21cの内圧を検出させる。ここで、第3循環通路21cの内圧は、何処を取っても略同じ値になっている。これが為、第3循環通路21cの内圧については、第3循環通路21c上の何処から検出してもよい。本実施例2においては、その第3循環通路21cにおける排出ガス通路182との繋ぎ目部分の上流側(第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部)に圧力センサ183を配設する。
また、第2所定圧力については、実施例1と同様に第1所定圧力と同じ値を設定してもよく、その第1所定圧力よりも低い値を設定してもよい。後者の第2所定圧力とする場合には、例えば第1所定圧力から実験やシミュレーションで求めたヒステリシス分を減算した値にする。
以下に、本実施例2の循環経路20の内圧上昇抑制制御について図4のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置50の循環経路内圧制御手段は、圧力センサ183の検出信号を利用して循環経路20の内圧(具体的には第3循環通路21cの内圧)を検出する(ステップST5)。
続いて、この循環経路内圧制御手段は、その検出した循環経路20の内圧が上述した第1所定圧力を超えているのか否かの判断を行う(ステップST10)。
このステップST10において循環経路20の内圧が第1所定圧力以下であると判断された場合、循環経路内圧制御手段は、本制御を一旦終える。
一方、このステップST10において循環経路20の内圧が第1所定圧力を超えているとの判断が為された場合、循環経路内圧制御手段は、開閉弁(循環経路内圧調整手段181)の弁体を開弁させ、循環経路20の内圧上昇抑制制御を実行する(ステップST15)。その際、循環経路内圧調整手段81の弁体は、僅かな開弁状態から全開状態までの何れかの状態に制御する。そして、この循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧上昇に係る警告を行う(ステップST20)。
ここで、そのステップST15の制御が実行されることにより、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部における排出ガスは、その一部が排出ガス通路182を経て大気へと放出されるようになる。これにより、作動ガスの燃焼室CCへの供給を継続させたまま循環経路20の内圧が低下していく。
また、循環経路20の内圧上昇に係る警告とは、例えば、電子制御装置50の記憶装置に記憶させ、車両診断時等にその旨が読み込まれて作業者に知らしめる形態のものであってもよく、車室内のインスツルパネル等に視覚(聴覚でもよい)に訴える情報として表示して運転者に知らしめる形態のものであってもよい。
続いて、循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧(第3循環通路21cの内圧)が上述した第2所定圧力よりも低くなっているのか否かの判断を行う(ステップST25)。
その結果、その内圧が第2所定圧力以上であると判断された場合、循環経路内圧制御手段は、ステップST15に戻って循環経路20の内圧上昇抑制制御を継続させる。
一方、この循環経路内圧制御手段は、そのステップST25で内圧が第2所定圧力よりも低圧であると判断した場合、循環経路20の内圧上昇抑制制御の禁止指令を実行する(ステップST30)。
このステップST30においては、循環経路内圧制御手段が開閉弁(循環経路内圧調整手段181)の弁体を閉弁(原則として全閉)させる。これにより、この作動ガス循環型エンジンにおいては、排出ガス通路182の流路が遮断されて、排出ガスの大気への放出が止められる。
以上示した如く、本実施例2の作動ガス循環型エンジンは、循環経路20の排出ガスの一部を電子制御装置50の制御により大気に放出させることで、その循環経路20の内圧の過度の上昇を抑えることができる。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、その循環経路20の耐久性を維持することができる。また、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その循環経路20における各繋ぎ目からの排出ガスの漏れを回避することもできるので、作動ガス不足による熱効率の低下を防ぐことができる。
[実施例3]
次に、本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施例3を図4から図7に基づいて説明する。
本実施例3の作動ガス循環型エンジンは、前述した実施例2の作動ガス循環型エンジンにおいて、循環経路内圧調整装置180を下記の循環経路内圧調整装置280に置き換えたものである。
その循環経路内圧調整装置280は、図5に示す如く、実施例2の循環経路内圧調整装置180と同等の位置に配設する。
ここで、循環経路20の内圧は、或る所定の周期等で必ず過大に上昇するというものではなく、耐用限界が来るまで使用されても、その間に全く過大な上昇が起こらない場合もある。従って、実施例2の循環経路内圧調整装置180においては、その循環経路内圧調整手段(開閉弁)181を一度も開閉動作させることなく耐用限界まで到達する可能性がある。このような長期に渡り循環経路内圧調整手段181が作動しない状況下においては、何らかの要因により循環経路内圧調整手段181の弁体が固着等してしまい、いざ循環経路20の内圧を低下させる必要のある事態になったとしても、循環経路内圧調整手段181を作動させることができずに内圧の上昇を抑えることができなくなる虞がある。
そこで、本実施例3の循環経路内圧調整装置280は、そのような循環経路内圧調整手段181の作動不良を回避すべく、その循環経路内圧調整手段181を定期的に作動させて動作確認を行うように構成する。
具体的に、本実施例3の循環経路内圧調整装置280は、図5に示す如く、実施例2の循環経路内圧調整装置180の構成(循環経路内圧調整手段181,排出ガス通路182及び圧力センサ183)に加えて、循環経路20の排出ガスを強制的に排出ガス通路182を介して循環経路内圧調整手段181へと流す第1流路切替手段284と、循環経路内圧調整手段181の動作確認時に当該循環経路内圧調整手段181を通過した排出ガスを循環経路20へと戻す排出ガスリターン通路285と、循環経路内圧調整手段181を通過した排出ガスの流路を当該循環経路内圧調整手段181の動作確認の有無に応じて切り替える第2流路切替手段286と、を備える。
先ず、第1流路切替手段284としては、例えば、第3循環通路21cにおける排出ガス通路182との繋ぎ目部分の下流側(第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部)に配置した開閉弁を使用すればよい。その開閉弁は、その開閉動作が電子制御装置50によって制御される。電子制御装置50の動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181の動作確認制御実行時に第1流路切替手段284を閉弁させて第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部の流路を遮断させる一方、通常時(その動作確認の非制御時)に第1流路切替手段284を開弁させて第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部の流路を開放させるよう構成する。これにより、その動作確認制御実行時となった場合には、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の排出ガスが全て排出ガス通路182へと流れるようになる。
ここで、その動作確認制御実行時には、必ずしも循環経路20の内圧が過大に上昇しているわけではないので、循環経路内圧調整手段181を通過した排出ガスを通常時のように大気へと放出させるべきではない。つまり、必要以上に排出ガスを大気に放出すると、それと同時に作動ガスも大気に放出されてしまい、作動ガスの燃焼室CCへの供給量不足を引き起こすので、動作確認制御実行時に循環経路内圧調整手段181を通過した排出ガスは、循環経路20に戻すことが望ましい。上述した排出ガスリターン通路285は、かかる排出ガスの循環経路20への戻りを実現させる為のものであり、排出ガス通路182の循環経路内圧調整手段181よりも下流側(ここでは、更に消音装置90よりも上流側)と第3循環通路21cにおける第1流路切替手段284よりも下流側とを繋いだものとして構成する。
第2流路切替手段286は、その排出ガス通路182と排出ガスリターン通路285との繋ぎ目部分に配設して、これらの間の排出ガスの流路を電子制御装置50の動作確認手段の指示に従って切り替えるものである。この第2流路切替手段286は、少なくとも、排出ガス通路182における自身の前後の流路を連通させると共にその前後部分と排出ガスリターン通路285との間を遮断させる第1状態と、排出ガス通路182における自身の前側の流路と排出ガスリターン通路285とを連通させると共にその前側の流路及び排出ガスリターン通路285と排出ガス通路182における自身の後側の流路との間を遮断させる第2状態と、に切り替えることができる。動作確認手段は、通常時に第2流路切替手段286を第1状態に制御させ、動作確認制御実行時に第2流路切替手段286を第2状態に制御させるよう構成する。
以下に、本実施例3の循環経路20の内圧上昇抑制制御について図4のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置50の循環経路内圧制御手段は、実施例2のときと同様にして、圧力センサ183の検出信号を利用して循環経路20の内圧を検出し(ステップST5)、その内圧が第1所定圧力を超えているのか否かの判断を行う(ステップST10)。
このステップST10において循環経路20の内圧が第1所定圧力を超えているとの判断が為された場合、循環経路内圧制御手段は、循環経路内圧調整手段181の弁体を開弁させると共に第2流路切替手段286を第1状態に制御して、循環経路20の内圧上昇抑制制御を実行する(ステップST15)。その際、循環経路内圧調整手段181の弁体は、僅かな開弁状態から全開状態までの何れかの状態に制御する。そして、この循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧上昇に係る警告を行う(ステップST20)。
これにより、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部における排出ガスは、その一部が排出ガス通路182を経て大気へと放出されるようになる。ここで、この循環経路20の内圧上昇抑制制御実行時における第1流路切替手段284は、全開状態から全閉状態までの何れかの状態に弁体を制御すればよい。例えば、第1流路切替手段284が全開状態のときには、残りの排出ガスが第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目下流部に流れるので、作動ガスの燃焼室CCへの供給を継続させたまま循環経路20の内圧を低下させることができる。一方、第1流路切替手段284が全閉状態のときには、全ての排出ガスが排出ガス通路182から大気に放出されるので、より短時間の内に循環経路20の内圧を低下させることができる。
続いて、循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧(第3循環通路21cの内圧)が第2所定圧力よりも低くなっているのか否かの判断を行う(ステップST25)。
その結果、その内圧が第2所定圧力以上であると判断された場合、循環経路内圧制御手段は、ステップST15に戻って循環経路20の内圧上昇抑制制御を継続させる。
一方、この循環経路内圧制御手段は、そのステップST25で内圧が第2所定圧力よりも低圧であると判断した場合、循環経路20の内圧上昇抑制制御の禁止指令を実行する(ステップST30)。
このステップST30においては、循環経路内圧制御手段が循環経路内圧調整手段181の弁体を閉弁(原則として全閉)させると共に第2流路切替手段286を第2状態に制御し、更に第1流路切替手段284の弁体を開弁(原則として全開)させる。これにより、この作動ガス循環型エンジンにおいては、排出ガス通路182の流路が遮断されて、排出ガスの大気への放出が止められる。
次に、本実施例3における循環経路内圧調整手段181の動作確認制御について図6のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置50の動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181の動作確認制御の実行時に該当しているのか否かについての判断を行う(ステップST55)。その動作確認制御の実行時とは、例えば、作動ガス循環型エンジンの運転時間の積算値が所定時間を経過したとき等が考えられる。
このステップST55で動作確認制御の実行時に該当していないとの判断であれば、動作確認手段は、本制御を一旦終える。
一方、この動作確認手段は、動作確認制御の実行時に該当していると判断した場合、循環経路内圧調整手段181の動作確認制御を実行する(ステップST60)。このステップST60において、動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181に対して弁体の開弁指令を行い、且つ、第1流路切替手段284を閉弁(原則として全閉)させると共に第2流路切替手段286を第2状態に制御する。つまり、この動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181に開弁指令を与えると共に、循環経路20の排出ガスを強制的に循環経路内圧調整手段181に流すべく第1流路切替手段284を制御し、且つ、排出ガス通路182における排出ガスリターン通路285との繋ぎ目部分よりも上流側と、排出ガスリターン通路285と、の間のみを連通させるべく第2流路切替手段286を制御する。
続いて、この動作確認手段は、圧力センサ183の検出信号を利用して、循環経路内圧調整手段(開閉弁)181の弁体を作動させた後、所定時間経過後に循環経路20(具体的には第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部)の内圧を検出し(ステップST65)、その内圧が所定圧力(以下、「第3所定圧力」という。)よりも低くなっているのか否かを判断する(ステップST70)。つまり、このステップST70においては、その所定時間経過後の内圧を観ることによって循環経路内圧調整手段181が正常に動作しているのか否かの動作確認を行う。
ここで、循環経路内圧調整手段181の動作確認制御を実行後、所定時間経過してからの第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の内圧を検出する理由は、図7に示す如く、動作確認制御開始直後の内圧は第3所定圧力よりも低く、循環経路内圧調整手段181が正常に作動しているのか否かを判断しかねるからである。その所定時間とは、動作確認制御実行時の第1流路切替手段284と第2流路切替手段286の弁体の状態で実験やシミュレーションを行って設定した閾値のことであり、正常に作動する循環経路内圧調整手段181を用いた場合と正常に作動しない循環経路内圧調整手段181を用いた場合において、少なくとも夫々の場合における第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の内圧に変化が表れた直後の値を設定すればよい。尚、その図7の横軸は、動作確認制御実行時の排出ガス積算排出量(換言するならば、時間)を示し、縦軸は、循環経路20(第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部)の内圧を示している。
また、第3所定圧力とは、動作確認制御実行時の第1流路切替手段284と第2流路切替手段286の弁体の状態で実験やシミュレーションを行って設定した閾値のことであり、循環経路内圧調整手段181の弁体が動作確認手段の指令通りに正しく作動しないときの第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部における最小の内圧を設定すればよい。
従って、このステップST70で内圧が第3所定圧力よりも低圧と判断した場合、動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181が正常に作動していると判断して、本動作確認制御を終了させる(ステップST75)。そのように低圧と判断された場合には、循環経路内圧調整手段181の弁体が正しく開弁しているので、図7に示す如く、上昇してきた第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の内圧が下がっていく。また、この場合には、循環経路内圧調整手段181が強制的に作動させられているので、その後の弁体の固着等による作動不良を防ぐことができる。
このステップST75において、動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181の弁体を全閉させ、且つ、第1流路切替手段284を開弁(原則として全開)させると共に第2流路切替手段286を第2状態のまま維持させる。従って、この作動ガス循環型エンジンは、通常時の状態に戻り、循環経路20を作動ガスが循環するようになる。
一方、上記ステップST70で内圧が第3所定圧力以上と判断した場合、動作確認手段は、循環経路内圧調整手段181が正常に作動していないと判断して、その循環経路内圧調整手段181の動作異常警告を行う(ステップST80)。そのように内圧が高いと判断された場合には、循環経路内圧調整手段181の弁体が正しく開弁していないので、強制的に送られた排出ガスの殆ど又は全てが循環経路内圧調整手段181を通過することができず、図7に示す如く、上昇してきた第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の内圧が更に上がっていく。従って、動作確認手段は、その内圧を圧力センサ183で監視しながら、かかる上昇状態のときに循環経路内圧調整手段181の作動不良と判定する。
ここで、その動作異常警告としては、例えば、電子制御装置50の記憶装置に記憶させ、車両診断時等に動作異常である旨が読み込まれて作業者に知らしめる形態のものであってもよく、車室内のインスツルパネル等に視覚(聴覚でもよい)に訴える情報として表示して運転者に知らしめる形態のものであってもよい。
以上示した如く、本実施例3の作動ガス循環型エンジンは、循環経路20の排出ガスの一部又は全部を電子制御装置50の制御により大気に放出させることで、その循環経路20の内圧の過度の上昇を抑えることができる。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、その循環経路20の耐久性を維持することができる。また、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その循環経路20における各繋ぎ目からの排出ガスの漏れを回避することもできるので、作動ガス不足による熱効率の低下を防ぐことができる。更に、本実施例3の作動ガス循環型エンジンにおいては、循環経路内圧調整手段181の動作確認を定期的に行って、その弁体が作動させられるので、循環経路内圧調整手段181の作動不良を防ぐことができる。これが為、この作動ガス循環型エンジンにおいては、循環経路20の内圧が過大に高くなってしまうときに、循環経路内圧調整手段181を正しく作動させることができ、その内圧の過度の上昇を適切に抑えることができるようになる。
ところで、本実施例3の循環経路内圧調整手段181の動作確認については、その循環経路内圧調整手段181を実施例1の循環経路内圧調整手段81に置き換えたとしても実行可能である。つまり、第1流路切替手段284を閉弁させた際には、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部の内圧が上昇していくので、循環経路内圧調整手段81が正常に作動するならば、その弁体81aに働く圧力(=圧力センサ183の検出値)が第1所定圧力を超えたときに強制的に弁体81aが開弁方向に作動して、圧力センサ183の検出値が下がっていく。一方、循環経路内圧調整手段81が正常に作動しないならば、その弁体81aに働く圧力(=圧力センサ183の検出値)が第1所定圧力を超えて更に上昇していく。これが為、動作確認制御を実行して、その圧力センサ183の検出値を観察すれば、循環経路内圧調整手段81の動作確認を行うことができる。
[実施例4]
次に、本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施例4を図4及び図8に基づいて説明する。
本実施例4の作動ガス循環型エンジンは、前述した実施例3の作動ガス循環型エンジンにおいて、循環経路内圧調整装置280を下記の循環経路内圧調整装置380に置き換えたものである。本実施例4の循環経路内圧調整装置380とは、実施例3の循環経路内圧調整装置280よりも簡単な構成で循環経路内圧調整手段(循環経路内圧調整手段381)の動作確認を行わせるものである。
その循環経路内圧調整装置380は、図8に示す如く、実施例3の循環経路内圧調整装置280と同等の位置に配設する。
この循環経路内圧調整装置380は、図8に示す如く、実施例3の排出ガス通路182,圧力センサ183,排出ガスリターン通路285及び第2流路切替手段286と同等の排出ガス通路382,圧力センサ383,排出ガスリターン通路385及び流路切替手段386を備えている。これら排出ガス通路382,圧力センサ383,排出ガスリターン通路385及び流路切替手段386は、実施例3のものと同等の位置関係で配置され、実施例3のものと同等の機能を有する。
また、この循環経路内圧調整装置380は、実施例3の循環経路内圧調整手段181に替えて図8に示す循環経路内圧調整手段381を用意する。その循環経路内圧調整手段381としては、電子制御装置50の循環経路内圧制御手段によって図示しない弁体の開閉動作が実行される開閉弁であって、その弁体の弁開度を示すリフト量の検出を行うリフトセンサ付きのものを利用する。その循環経路内圧制御手段は、第3循環通路21c(又は排出ガス通路382における第3循環通路21c側)の内圧に応じて排出ガス通路382の流路を遮断又は開放させるように構成する。具体的には、その内圧が第2所定圧力よりも低圧のときに排出ガス通路382の流路を遮断させるべく循環経路内圧調整手段381を閉弁させる一方、その内圧が第1所定圧力を超えた際に排出ガス通路382の流路を開放させるべく循環経路内圧調整手段381を開弁させるよう構成する。つまり、この循環経路内圧調整手段381は、第3循環通路21cの流路を大気へと開放させることの可能な開閉弁である。
ここで、そのリフトセンサの検出信号は、電子制御装置50に送信される。従って、この電子制御装置50の動作確認手段は、循環経路内圧調整手段381に与えた指示(目標弁開度)とリフトセンサの検出値(実弁開度)を比較して、循環経路内圧調整手段381が正常に作動しているのか否かを判断することができる。
以下に、本実施例4の循環経路20の内圧上昇抑制制御について図4のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置50の循環経路内圧制御手段は、実施例2,3のときと同様にして、圧力センサ383の検出信号を利用して循環経路20の内圧を検出し(ステップST5)、その内圧が第1所定圧力を超えているのか否かの判断を行う(ステップST10)。
このステップST10において循環経路20の内圧が第1所定圧力を超えているとの判断が為された場合、循環経路内圧制御手段は、循環経路内圧調整手段381の弁体を開弁させると共に流路切替手段386を実施例3と同じ第1状態に制御して、循環経路20の内圧上昇抑制制御を実行する(ステップST15)。その際、循環経路内圧調整手段381の弁体は、僅かな開弁状態から全開状態までの何れかの状態に制御する。そして、この循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧上昇に係る警告を行う(ステップST20)。
これにより、第3循環通路21cの排出ガス通路繋ぎ目上流部における排出ガスは、その一部が排出ガス通路382を経て大気へと放出されるようになる。従って、この作動ガス循環型エンジンにおいては、作動ガスの燃焼室CCへの供給を継続させたまま循環経路20の内圧を低下させることができる。
続いて、循環経路内圧制御手段は、循環経路20の内圧(第3循環通路21cの内圧)が第2所定圧力よりも低くなっているのか否かの判断を行う(ステップST25)。
その結果、その内圧が第2所定圧力以上であると判断された場合、循環経路内圧制御手段は、ステップST15に戻って循環経路20の内圧上昇抑制制御を継続させる。
一方、この循環経路内圧制御手段は、そのステップST25で内圧が第2所定圧力よりも低圧であると判断した場合、循環経路20の内圧上昇抑制制御の禁止指令を実行する(ステップST30)。
このステップST30においては、循環経路内圧制御手段が循環経路内圧調整手段381の弁体を閉弁(原則として全閉)させると共に、流路切替手段386を実施例3と同じ第2状態に制御する。これにより、この作動ガス循環型エンジンにおいては、排出ガス通路382の流路が遮断されて、排出ガスの大気への放出が止められる。
以上示した如く、本実施例4の作動ガス循環型エンジンは、循環経路20の排出ガスの一部を電子制御装置50の制御により大気に放出させることで、その循環経路20の内圧の過度の上昇を抑えることができる。これが為、この作動ガス循環型エンジンは、その循環経路20の耐久性を維持することができる。また、この作動ガス循環型エンジンにおいては、その循環経路20における各繋ぎ目からの排出ガスの漏れを回避することもできるので、作動ガス不足による熱効率の低下を防ぐことができる。更に、本実施例4の作動ガス循環型エンジンにおいては、リフトセンサ付き循環経路内圧調整手段381を利用しているので、第1流路切替手段284が不要となり、且つ、その第1流路切替手段284や流路切替手段386に対する動作確認制御時の制御動作も不要となる。これが為、この作動ガス循環型エンジンにおいては、簡素化した構成によって所望とあれば直ぐに循環経路内圧調整手段381の動作確認を行うことができる。
ところで、上述した各実施例1〜4においては被酸化燃料が燃焼室CC内に直接噴射されるよう被酸化燃料噴射手段42を配設しているが、その被酸化燃料噴射手段42は、被酸化燃料を吸気ポート11bに噴射させるべくシリンダヘッド11に取り付けてもよい。つまり、上述した各実施例1〜4に示した本発明は、所謂ポート噴射式の作動ガス循環型エンジンに適用してもよく、その場合においても各実施例1〜4と同様の効果を奏する。
また、上述した各実施例1〜4の作動ガス循環型エンジンは、被酸化燃料たる水素Hを拡散燃焼させるものとして例示したが、その被酸化燃料に対して図示しない点火プラグで点火して所謂火花点火燃焼させる形態のものであってもよく、その被酸化燃料に対して点火プラグで点火して着火の補助を行い拡散燃焼させる形態のものであってもよい。そして、そのような燃焼形態の異なる作動ガス循環型エンジンにおいても、各実施例1〜4に示した本発明は、これら各実施例1〜4で説明したものと同様の効果を奏する。
ここで、循環経路20に作動ガスが存在していなくても、ガス循環型エンジンにおいては、燃焼室CC内の燃焼動作に伴って循環経路20の内圧が上昇することがある。そして、その内圧の上昇は、空気よりも比熱比の高い作動ガスが存在しているときに比べれば小さいが、その場合でも循環経路20の耐久性等に影響を与える可能性がある。これが為、上述した各実施例1〜4の本発明は、循環経路20に作動ガスが存在していないガス循環型エンジンに適用してもよく、これにより同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明に係るガス循環型エンジンは、作動ガスの循環経路の内圧の過大な上昇を抑える技術に有用である。
本発明に係るガス循環型エンジンの実施例1の構成を示す図である。 消音手段の一例について示す図である。 本発明に係るガス循環型エンジンの実施例2の構成を示す図である。 循環経路の内圧上昇抑制制御について説明するフローチャートである。 本発明に係るガス循環型エンジンの実施例3の構成を示す図である。 実施例3における循環経路内圧調整手段の動作確認制御について説明するフローチャートである。 循環経路内圧調整手段の動作確認制御時における内圧の変化について説明する図である。 本発明に係るガス循環型エンジンの実施例4の構成を示す図である。
符号の説明
10 エンジン本体
11b 吸気ポート
11c 排気ポート
20 循環経路
21 循環通路
21a 第1循環通路
21b 第2循環通路
21c 第3循環通路
30 酸化剤供給装置
31 酸化剤貯留タンク
32 酸化剤供給手段
33 酸化剤供給通路
34 レギュレータ
35 酸化剤流量計
40 被酸化燃料供給装置
41 被酸化燃料貯留タンク
42 被酸化燃料噴射手段
43 被酸化燃料供給通路
44 レギュレータ
45 被酸化燃料流量計
46 サージタンク
50 電子制御装置(ECU)
60 凝縮器
80,180,280,380 循環経路内圧調整装置
81,181,381 循環経路内圧調整手段
81a 弁体
81b 弾性部材
82,182,382 排出ガス通路
90 消音装置
183,383 圧力センサ
284 第1流路切替手段
285,385 排出ガスリターン通路
286 第2流路切替手段
386 流路切替手段
CC 燃焼室

Claims (7)

  1. 燃焼室と、該燃焼室の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路と、を備えたガス循環型エンジンにおいて、
    前記循環経路の内圧が所定圧力よりも高いときに作動して当該循環経路における前記燃焼室からの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整装置を備えたことを特徴とするガス循環型エンジン。
  2. 酸化剤,該酸化剤によって燃焼が促される被酸化燃料及び当該被酸化燃料の燃焼に伴って動力を発生させる空気よりも比熱比の高い作動ガスが供給される燃焼室と、該燃焼室の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路と、を備え、前記作動ガスが大気へと放出されることなく循環経路を介して再び前記燃焼室に供給されるよう構成したガス循環型エンジンにおいて、
    前記循環経路の内圧が所定圧力よりも高いときに作動して当該循環経路における前記燃焼室からの排出ガスを大気へと放出させる循環経路内圧調整装置を備えたことを特徴とするガス循環型エンジン。
  3. 前記被酸化燃料の燃焼に伴う生成物と前記作動ガスを含む燃焼後の排出ガスの中から当該生成物を凝縮して取り除く一方、前記作動ガスを作動ガス排出口から前記循環経路に戻す凝縮器と、前記排出ガスの中の酸化剤の濃度を検出する酸化剤濃度検出手段と、前記排出ガスの中の被酸化燃料の濃度を検出する被酸化燃料濃度検出手段と、を前記循環経路に設け、
    前記循環経路内圧調整装置は、前記循環経路における前記凝縮器の作動ガス排出口よりも下流側で且つ前記酸化剤濃度検出手段及び前記被酸化燃料濃度検出手段の上流側に配設したことを特徴とする請求項2記載のガス循環型エンジン。
  4. 前記循環経路内圧調整装置は、前記循環経路の内圧が前記所定圧力よりも高いときに弁体が作動して当該循環経路の流路を大気へと開放させる開閉弁を備えたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のガス循環型エンジン。
  5. 前記循環経路内圧調整装置は、前記循環経路の内圧が前記所定圧力よりも高いときに弁体が作動して、該循環経路における当該循環経路内圧調整装置の配設部分よりも上流側の流路と下流側の流路の間を遮断させる一方、該上流側の流路を大気へと開放させる開閉弁と、該開閉弁の弁体を作動させた後、所定時間経過してから前記上流側の流路の内圧を検出して当該開閉弁の動作確認を行う動作確認手段と、を備えたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のガス循環型エンジン。
  6. 前記循環経路内圧調整装置は、前記開閉弁の下流側の流路に配設した消音手段を備えることを特徴とした請求項4又は5に記載のガス循環型エンジン。
  7. 前記開閉弁の開弁に伴い前記循環経路の流路を大気へと開放させる排出ガス通路と、該排出ガス通路における前記開閉弁の下流側と前記循環経路とを繋ぐリターン通路と、前記循環経路の排出ガスを強制的に前記開閉弁に流す第1流路切替手段と、前記排出ガス通路と前記リターン通路との繋ぎ目部分に配設した第2流路切替手段と、前記開閉弁の動作確認を行う動作確認手段と、前記開閉弁の上流側に配設して検出信号を前記動作確認手段に送信する圧力検出手段と、を設け、
    前記動作確認手段は、前記開閉弁に開弁指令を与えると共に、前記循環経路の排出ガスを強制的に前記開閉弁に流すべく前記第1流路切替手段を制御し、且つ、前記排出ガス通路における前記繋ぎ目部分よりも上流側と前記リターン通路との間のみを連通させるべく前記第2流路切替手段を制御するように構成したことを特徴とする請求項4,5又は6に記載のガス循環型エンジン。
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