JP2009280828A - 新規なポリ(モノパーオキシカーボネート類) - Google Patents
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Abstract
Description
のポリ(モノパーオキシカーボネート)化合物として化学の技術分野に分類される物質の、新規な組成物、これらの組成物の製造方法、およびその製造方法で使用される中間生成物に関する。
および、ビニル単量体の重合開始および不飽和ポリエステル樹脂硬化のための、これらの組成物の使用を開示している。この技術はt−オクチルヒドロパーオキシドから誘導されるトリス−およびテトラキス−(モノ−t−オクチルパーオキ−シカーボネート)を網羅するが、t−ブチルおよびt−アミルヒドロパーオキシドから誘導される本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物を開示していない。
米国特許第5,314,970号は、スチレンを特許のビス(モノパーオキシカーボネート)組成物と重合させる技術においては何らの発展も示唆していない。
R'((CO)nOOR)m
の枝別れ重合開始剤(ここで、nは0または1、mは3から6、R'は最大25までの非水素原子からなる多官能有機ラジカル、およびRはC1-15の第3級アルキルまたはC7-15の第3級アラルキルである)、およびb)I)メルカプタン、テルペン、ハロゲノ炭素および最大20までの炭素を有するハロヒドロ炭素、II)重合化された単量体の混合物の揮発によって生成される循環液、および、III)I)およびII)由来の有機ゲル還元剤の混合物から構成される群より選ばれる、10から2,000ppmの1つ以上の有機ゲル還元剤の存在の下でモノビニリデン芳香族単量体(例えばスチレン)を重合することを特徴とする、275,000以上の分子量を有するモノビニリデン芳香族単量体(例えば、スチレン)を生成する方法を開示している。フリーラジカルを発生させる枝別れ重合開始剤として好ましいものは、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン:
全体として、上記技術は構造Aのポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物を開示していない。
ジオールは、構造R(−OH)2と定義され、ここでRは、例えばR(−)2のジラジカルである。オリオールは、構造R(−OH)3と定義され、ここでRは、例えばR(−)3のトリラジカルである。ポリオールは、構造R(−OH)nと定義され、ここでRは、例えばR(−)nのトリラジカル、およびnは2以上の整数である。テロラオールは、構造R(−OH)4と定義され、ここでRは、例えばR(−)4のテトララジカルである。
nが2である時、Rは炭素数2から12のアルキレン、炭素数4から8のアルケニレンおよびラジカル構造(n)および(o)から選ばれるジラジカルであり、
nが3の時、Rは、1,3,5−シクロヘキサトリイル(1,3,5-cyclohextriyl)、R2C(CH2−)3、−CHR2CH(−)CH2−および構造(a)、(b)、(c)、(d)および(e)より選ばれるトリラジカルであり、
b.不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化、
c.熱可塑性重合体およびエラストマー重合体組成物の架橋および硬化、および、
e.ポリオレフィン組成物の分子量を変性すること。
構造Aの新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物は、一つ以上の構造B
同様に、例えばUnion Carbide Corporationに製造され、例えばTone(登録商標)0301、Tone(登録商標)1303、Tone(登録商標)0305、Tone(登録商標)0310、Tone(登録商標)4411等の商品名Tone(登録商標)を使用して販売されているポリカプロラクトントリオールおよびテトラオール(それぞれ、構造FおよびG):
R3、R6、q、r、s、t、v、x、yおよびzの定義は、〔発明の概要〕の箇所で与えられる。
無機または有機の塩基、任意の溶媒、ポリオール、およびt−アルキルヒドロパーオキシドの無制限の例が、上記の表に挙げられている。構造Lの適切なt−アルキルパーオキシハロホルムエステルの無制限の例として、t−アミル−1−ブチン−3−イルパーオキシクロロ蟻酸エステル、2−メチル−2−ペンチルパーオキシクロロ蟻酸エステル、3−メチル−3−ペンチルパーオキシクロロ蟻酸エステルおよび3−メチル−1−ブチン−3−イルパーオキシクロロ蟻酸エステルが挙げられる。
上記ビス(ハロホルムエステル)は、テトラアルキル尿素(例えば、テトラメチル尿素)の存在または不在の下で、および溶媒の存在または不在の下で、反応が完了するまで0%から100%の過剰の二ハロゲン化水素カルボニル(例えば、二臭化物または二塩化物、即ちホスゲン)をそれに対応するジオールと反応させることによって生成されうる。過剰な二臭化カルボニルまたはホスゲンは、ストリッピングによるかまたは蒸留によって除去される。
〔構造Aの新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物の例示〕
構造Aの新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物の無制限の例には、実験に使用されている例に加えて、次のもの、即ち、1,1,1−トリス(t−アミルパーオキシカルボニルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(t−アミルパーオキシカルボニルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリス(t−アミルパーオキシカルボニルオキシメチル)ブタン、1.1−ビス[2−(t−アミルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]−1−[2−(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン、1−[2−(t−アミルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]−1,1−ビス[2−(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン、1,2,3−トリス(t−アミルパーオキシカルボニルオキシ)プロパン、1,2,3−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、1,2,3−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘプタン、1,2,4−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ブタン、1,2,6−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、1,3,5−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)シクロヘキサン、テトラキス−(t−アミルパーオキシカルボニルオキシメチル)メタン、1,2,3,4−テトラキス(t−アミル−パーオキシカルボニルオキシ)ブタン、1,1,1,5,5,5−(t−ブチルパーオキシカルボニル−オキシメチル)−3−オキサペンタン、1.5−ビス[1,1,4−トリメチル−4(t−アミルパーオキシ)ペンチルパーオキシカルボニルオキシ]−3−オキサペンタン、1,1,1−トリス[1,1,4−トリメチル−4(t−ブチルパーオキシ)ペンチルパーオキシカルボニルオキシメチル]プロパン、1,1,1,5,5,9,9,9−オクタ(t−ブチルパーオキシカルボニル−オキシメチル)−3,7−ジオキサノナン、およびポリカプロラクトントリオールおよびテトラオールおよびポリエーテルトリオールおよびテトラオールのトリス−およびテトラキス(t−アルキルモノパーオキシカーボネート)、即ち、それぞれM,N,OおよびP:
A.エチレン性不飽和単量体の重合
適当な温度圧力でエチレン性不飽和単量体のフリーラジカル重合において、本発明の構造の新規な過酸化物組成物は、効率(還元された開始剤の必要条件等)に関しては効果的な開始剤であることが見出された。エチレン性不飽和単量体の例として、エチレン、プロピレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモ−スチレン、塩化ビニルベンジル、ビニルピリジンおよびジビニルベンゼン等のオレフィン、1,3−ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等のジオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウル酸ビニル、安息香酸ビニルおよび炭酸ジビニル等のビニルエステル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、アクリル酸無水物、アリル、メチル、エチル、n−ブチル、2−ヒドロキシメチル、グリシジル、アクリル酸およびメタクリル酸のラウリルおよび2−エチルヘキシルおよびアクリルアミドおよびメタクリルアミド等のエステルおよびアミド、マレイン酸無水物およびイタコン酸無水物、マレイン酸、イタコン酸およびフマル酸およびそれらのエステル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン等のハロビニルおよびジハロビニリデン、テトラフルオロ−エチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレン等のペルハロオレフィン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびn−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、酢酸アリル、安息香酸アリル、炭酸アリルエチル、リン酸トリアリル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、炭酸ジアリル、ジエチレングリコールビス(炭酸アリル)(即ちADC)等のアリルエステル、アクロレイン、メチルビニルケトン、またはそれらの混合物が挙げられる。
0℃から190℃、好ましくは20℃から175℃、より好ましくは30℃から160℃の温度および単量体に基づいて0.002から10重量%、好ましくは0.005から2重量%、より好ましくは0.01から1重量%の構造A(純粋な塩基上)のトリス−およびポリ(モノパーオキシカーボネート)の水準は、通常は、エチレン性不飽和の単量体の従来の重合および共重合、およびエチレン性不飽和の単量体の重合体の支柱へのグラフト重合に用いられる。本発明の新規な過酸化物組成物は、1,5−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)−3−オキサペンタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(イソプロポキシカルボニルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2−(2−エチルヘキソキシカルボニルパーオキシ)−5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−アミルベンゾネート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレートおよび米国特許第4,525,308号(Pennwalt Corporation、1985年6月25日)の第4欄の下および第5欄の上に記載されている物質のいくつか等の他のフリーラジカル開始剤と組み合わせて使用されうる。本発明の過酸化物組成をこれらの開始剤と組み合わせて使用することにより、重合体製造者の重合方法に自由度が増し、重合方法を「精巧に調整」することが可能となる。
フリーラジカル硬化剤の存在の下で適当な硬化温度で加熱することによる不飽和の樹脂組成物の硬化において、本発明の構造Aの新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物は、硬化可能な不飽和のポリエステル樹脂組成物で高められた硬化活性を示す。本発明の構造Aの新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物によって硬化されうる不飽和のポリエステル樹脂には、通常不飽和のポリエステルおよび一つ以上のエチレン性不飽和の単量体が挙げられる。
フリーラジカル硬化剤の存在の下で適当な硬化温度でADC単量体を加熱することによるジエチレングリコールビス(炭酸アリル)(ADC)
本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物によって硬化されうるエラストマーの樹脂組成物として、エチレンープロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三重合体(EPDM)、ポリブタジエン(PBD)、シリコンゴム(SR)、ニトリルゴム(NR)、ネオプレン、フッ化エラストマーおよび酢酸エチレン−ビニル共重合体(EVA)等のエラストマーが挙げられる。
ポリオレフィン(例えば、PPの重合体分子量および重合体分子量分布を減少させ、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)および共重合体の分子量およびフィルムを形成する性質を高めることによるポリプロピレンの有益な分解)および共重合体の変性方法において、構造Aの本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物は、ポリオレフィン変性活性を示す。トリス−およびポリ(モノパーオキシカーボネート)と変性されうる他の重合体として、高密度PE(HDPE)、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
次の実施例は、本発明を実施するための最良の方法についてさらに説明し、そして本発明の製造および有用性について詳しく示すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた300ml水ジャケット付き反応器に、70.0g(0.25mol)の20%水性水酸化カリウム溶液、25g(0.25mol)の90.2%t−ブチルヒドロパーオキシドおよび10滴のTERGITOL(登録商標)NP−10[ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、α−(4−ノニルフェニル)−ω−ヒドロキシ−;CAS登録番号第26027−38−3号、およびポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、α−ヒドロ−ω−ヒドロキシ−;CAS登録番号第25322−68−3号を含有する表面活性剤混合物;ユニオンカーバイド社製造]を装入し、得られた溶液を約25℃で10分間撹拌した。22〜29℃の撹拌溶液に、17.2g(0.05mol)の89.3%1,1,1−トリス(クロロカルボニルオキシメチル)エタンを25分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を3時間、30〜35℃で撹拌し、その後、150mlのMTBEを加え、反応物を30〜35℃で1分撹拌した。下方の水性層を次いで分離し、有機層を17℃に冷却し、100mlの水性10%水酸化カリウムで洗浄した。有機層を次に、50ml部分の水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で3回洗浄し、そして100mlの水性10%水酸化ナトリウム溶液で、次いで飽和水性硫酸ナトリウム溶液で洗浄して、pHを7〜8にした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、7.4g(理論値の31.6%、未補正)の融点55〜60℃の白色固体が残った。生成物の赤外(IR)スペクトルは、1790cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1755cm-1で主なカーボネートカルボニルバンドを示した。OHバンドはIRスペクトルになかった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は9.42%の活性酸素(理論値10.25%)を含有していた。従って、生成物の収率は91.9%であり、補正収率は29.1%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた300ml水ジャケット付き反応器に、56.0g(0.20mol)の20%水性水酸化カリウム溶液および19.5g(0.20mol)の92%t−ブチルヒドロパーオキシドを装入し、得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜31℃の撹拌溶液に、18.3g(0.05mol)の87.7%1,1,1−トリス(クロロカルボニルオキシメチル)プロパンおよび50mlのMTBEを30分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を3時間、30〜32℃で撹拌し、その後、50mlのMTBEを加え、反応物を30〜32℃で1分撹拌した。下方の水性層を次いで分離し、有機層を12℃に冷却し、50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。得られた有機層を次に、50ml部分の水性3%炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄した。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、10.8g(理論値の44.8%、未補正)の透明で無色の液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1792cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1767cm-1で主なカーボネートカルボニルバンドを示した。ほんのわずかのOHバンドがIRスペクトルにあった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は8.65%の活性酸素(理論値9.95%)を含有していた。従って、生成物の収率は86.9%であり、補正収率は38.9%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.12molのポリカプロラクトントリオール(C−1)、(TONE(登録商標)0301;分子量=300;ユニオンカーバイド社製造;
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、28.0g(0.10mol)の20%水性水酸化カリウム溶液、12.9g(0.10mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドおよび3滴(約0.1g)のTERGITOL(登録商標)NP−10を、20〜30℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜29℃の撹拌溶液に、16.1g(0.03mol)の91.0%ポリカプロラクトントリス(クロロホルメート)を20分かけてゆっくり加えた。良好な撹拌を維持するために約50mlのMTBEを加えた。添加完了後、反応物を3時間、30℃で撹拌し、この間、MTBE(50〜60ml)をさらに加えた。反応物を次に、液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を15℃に冷却し、これを50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、そして50ml部の水性10%水酸化カリウム溶液で、次いで50ml部分の飽和水性硫酸ナトリウム溶液でpHが7〜8となるまで洗浄した。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、19.6g(理論値の約100%、未補正)の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1740cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。OHバンドはIRスペクトルになかった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は6.69%の活性酸素(理論値7.40%)を含有していた。従って、生成物の収率は90.4%であり、補正収率は91.3%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.05molのポリカプロラクトントリオール(C−2)、(TONE(登録商標)0305;分子量=540;ユニオンカーバイド社製造;
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた200ml水ジャケット付き反応器に、15.7g(0.07mol)の25%水性水酸化カリウム溶液および9.0g(0.07mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。24〜28℃の撹拌溶液に、14.8g(0.02mol)の97.9%ポリカプロラクトントリス(クロロホルメート)を15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を3.5時間、28〜32℃で撹拌し、その後、80mlのMTBEを加え、反応物を28〜32℃で1分撹拌し、そして分離させた。下方の水性層を次いで分離し、有機層を15℃に冷却し、25mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。得られた有機層を次に、25mlの水性10%水酸化カリウム溶液で、そして50ml部分の飽和水性硫酸ナトリウム溶液でpHが7〜8となるまで洗浄した。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、17.4g(理論値の98%、未補正)の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1730cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。ほんのわずかなOHバンドがIRスペクトルにあった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は5.00%の活性酸素(理論値5.40%)を含有していた。従って、生成物の収率は92.6%であり、補正収率は90.7%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた200ml水ジャケット付き反応器に、29.4g(0.105mol)の20%水性水酸化カリウム溶液および13.5g(0.105mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドおよび3滴(約0.1g)のTERGITOL(登録商標)NP−10を20〜30℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜29℃の撹拌溶液に、14.0g(0.03mol)の97.4%ポリエーテルトリス(クロロホルメート)および20mlのMTBEよりなる溶液を、15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を2.5時間、30℃で撹拌し、その後、80〜90mlのMTBEを加え、反応物を30℃で1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、廃棄した。有機層を15℃に冷却し、50mlの水性10%水酸化カリウム溶液で洗浄した。粗生成物溶液を次に、50mlの水性亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。得られた有機層を次に、50mlの飽和水性炭酸水素カリウム溶液で洗浄した。次に、有機溶液を50mlの飽和水性硫酸ナトリウム溶液で洗浄して約7のpHにした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、18.3g(理論値の約100%、未補正)の無色液体生成物が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよびほぼ1735cm-1で主なカーボネートバンドを示した。OHバンドはIRスペクトルになかった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は7.52%の活性酸素(理論値7.81%)を含有していた。従って、生成物の収率は94.2%であり、補正収率は93.7%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.03molのポリカプロラクトンテトラオール(C−4)、実験用カプロラクトンオリゴマーテトラオール(TONE(登録商標)4411;分子量=1006;ユニオンカーバイド社製造;
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた200ml水ジャケット付き反応器に、11.2g(0.05mol)の25%水性水酸化カリウム溶液および6.4g(0.05mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを、20〜30℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。24〜31℃の撹拌溶液に、12.9g(0.01mol)の97.3%ポリカプロラクトンテトラキス(クロロホルメート)および30mlのMTBEを15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を3時間、30〜35℃で撹拌し、その後、70mlのMTBEを加え、反応物を30〜35℃で1分撹拌し、そして分離させた。下方の水性層を次いで分離し、有機層を15℃に冷却し、50mlの水性10%水酸化カリウム溶液で洗浄した。粗生成物溶液を次に、50mlの水性亜硫酸水素ナトリウムで洗浄した。得られた有機層を次に、水性10%炭酸水素カリウム溶液で洗浄して、約7のpHにした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、14.9g(理論値の約100%、未補正)の粘性の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1730cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。OHバンドはIRスペクトルになかった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は3.73%の活性酸素(理論値4.35%)を含有していた。従って、生成物の収率は85.7%であり、補正収率は86.9%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.075molのポリエーテルテトラオール(C−5)、
(PLURACOL(登録商標)PeP550;分子量=500;BASF社製造;(式中、q、r、sおよびtの合計は約6〜7である)を、過剰のホスゲン(0.60mol)と3〜7℃で反応させた。反応混合物を次に、10〜20℃で2〜3時間撹拌し、そして20〜25℃で一晩放置した。過剰のホスゲンを生成物から20〜30℃および減圧下でストリップして、透明な液体のポリエーテルテトラキス(クロロホルメート)を収率100%、補正収率97.4%で生成した。
をt−ブチルヒドロパーオキシドと、水性水酸化カリウムの存在下で反応させて生成物を得た:
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、29.2g(0.13mol)の25%水性水酸化カリウム溶液および16.7g(0.13mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを、22〜29℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜28℃の撹拌溶液に、18.8g(0.025mol)の100%ポリエーテルテトラキス(クロロホルメート)を15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を3時間、25〜30℃で撹拌し、その後、100mlのMTBEを加え、反応物を約30℃で1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を12℃に冷却し、50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウムで洗浄し、次いで50mlの水性10%水酸化カリウム溶液で、および50ml部分の飽和水性硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄して、約7〜8のpHにした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、22.4g(理論値の約92.9%、未補正)の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1752cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。ほんのわずかなOHバンドがIRスペクトルにあった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は6.16%の活性酸素(理論値6.64%)を含有していた。従って、生成物の収率は92.8%であり、補正収率は86.3%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.03molのポリカプロラクトンジオール(C−6)、
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた400ml水ジャケット付き反応器に、14.9g(0.12mol)の45%水性水酸化カリウム溶液および10.0gの水および14.1g(0.11mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを、20〜30℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜31℃の撹拌溶液に、32.7g(0.05mol)の100%ポリカプロラクトンビス(クロロホルメート)を約25分かけてゆっくり加えた。添加完了後、75mlのMTBEを加え、反応物を約2時間、30±2℃で撹拌し、その後、125mlの追加のMTBEを加え、反応物を30℃で1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、廃棄した。有機層を15℃に冷却し、15〜25℃の50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。得られた物質の2つの液体相への分離は、非常にゆっくりしていた。硫酸ナトリウムをさらに加えると、相への分離速度は速まった。下方の水性相を除去し、廃棄した。上方の有機溶液を次に、20〜30℃の水性20%水酸化カリウム溶液の50ml部分で2回洗浄した。得られた有機層を飽和水性硫酸ナトリウム溶液で洗浄して、約7のpHにした。有機生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、33.8g(理論値の約89%、未補正)の粘性の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1731cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。OHバンドはIRスペクトルになかった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は3.97%の活性酸素(理論値4.20%)を含有していた。従って、生成物の収率は94.5%であり、補正収率は84.1%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた200ml水ジャケット付き反応器に、19.6g(0.070mol)の20%水性水酸化カリウム溶液、8.0g(0.070mol)の91%t−アミルヒドロパーオキシドおよび3滴(約0.1g)のTERGITOL(登録商標)NP−10を、約20〜25℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。24〜32℃の撹拌溶液に、9.3g(0.020mol)の98.7%ポリエーテルトリス(クロロホルメート)(VORANOL(登録商標)234−630から)を15分かけてゆっくり加えた。添加の間、50mlのMTBEを加えた。次に、反応物を3時間、約30℃で撹拌した。この反応の終わりで、50、mlの追加のMTBEを加え、さらに2分間撹拌した後、反応物を液体相に分離した。下方の水性層を次いで分離し、廃棄した。有機層を20℃に冷却し、50mlの水性20%水酸化カリウム溶液で洗浄した。粗生成物溶液を次に、50mlの水性15%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。得られた有機層を次に、飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄してpHを約7にした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、10.8g(理論値の約82.2%、未補正)の無色液体生成物が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1753cm-1で主なカーボネートバンドを示した。小さなOHバンドがIRスペクトルにあった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は7.52%の活性酸素(理論値7.31%)を含有していた。従って、生成物の収率は79.9%であり、補正収率は65.7%であった。
製造法、収率データおよびIRスペクトルデータに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、ポリエーテルテトラオール(C−5)、(PLURACOL(登録商標)PeP 550)を、過剰のホスゲンと反応させて、実施例7のポリエーテルテトラキス(クロロホルメート)を生成した。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、28.1g(0.10mol)の20%水性水酸化カリウム溶液、10.1g(0.09mol)の92.6%t−アミルヒドロパーオキシドおよび2滴(約0.1g)のALIQUAT(登録商標)336(塩化トリカプリリルメチルアンモニウム、ヘンケル社製造)を装入し、得られた溶液を約25℃で撹拌した。43〜45℃の撹拌溶液に、15.2g(0.020mol)の100%ポリエーテルテトラキス(クロロホルメート)を10分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を5時間、約35〜40℃で撹拌し、その後、75mlのMTBEを加え、反応物を約25℃に冷却し、1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を50mlの水性20%水酸化カリウム溶液で、次いで50gの水性緩衝化亜硫酸ナトリウム溶液(1.2gの酢酸、2.5gの酢酸ナトリウムおよび4.3gの亜硫酸ナトリウムを42.0gの水に溶解することによって製造)で洗浄した。水性層を廃棄し、有機層を100gの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、18.0g(理論値の約88.2%、未補正)の無色液体が残った。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は5.56%の活性酸素(理論値6.27%)を含有していた。従って、生成物の収率は88.7%であり、補正収率は80.0%であった。
製造法、収率データに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.06molのポリエーテルトリオール(C−7)、
(PLURACOL(登録商標)TP−740;分子量=730;BASF社製造)を、過剰のホスゲン(0.28mol)と3〜7℃で反応させた。反応混合物を次に、10〜20℃で2〜3時間撹拌し、そして20〜25℃で一晩放置した。過剰のホスゲンを生成物から20〜30℃および減圧下でストリップして、透明な液体のポリエーテルトリス(クロロホルメート)Aを収率100%、補正収率93.8%で生成した。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、19.6g(0.07mol)の25%水性水酸化カリウム溶液および9.0g(0.07mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを、22〜29℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。33〜40℃の撹拌溶液に、18.3g(0.02mol)の100%ポリエーテルトリス(クロロホルメート)Aを15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を40℃で1.5時間撹拌し、その後、17gのエチルベンゼン(EB)を加え、そして反応物を約30℃で2分撹拌し、液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を25℃に冷却し、50gの水性20%水酸化カリウム溶液で洗浄し、次いで50gの水性緩衝化亜硫酸ナトリウム溶液(1.2gの酢酸、2.5gの酢酸ナトリウムおよび4.3gの亜硫酸ナトリウムを42.0gの水に溶解することによって製造)で、そして50gの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。生成物溶液を1.7gの無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、35.7gの無色液体が得られた。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物溶液は2.49%の活性酸素(理論値4.45%)を含有していた。従って、生成物の収率は55.9%であり、補正収率は92.4%であった。
製造法および収率データに基づいて、この反応で得られた生成物は、EB中の55.9%溶液としての所望の表題生成物であった。
この実施例では、生成物は2つの合成工程で製造した。第1工程では、0.05molのポリエーテルトリオール(C−8)、
(PLURACOL(登録商標)GP−730;分子量=730;BASF社製造)を、過剰のホスゲン(0.40mol)と3〜7℃で反応させた。反応混合物を次に、10〜20℃で2〜3時間撹拌し、そして20〜25℃で一晩放置した。過剰のホスゲンを生成物から20〜30℃および減圧下でストリップして、透明な液体のポリエーテルトリス(クロロホルメート)Bを収率100%、補正収率96.3%で生成した。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、19.6g(0.07mol)の25%水性水酸化カリウム溶液および9.0g(0.07mol)の水性70%t−ブチルヒドロパーオキシドを、22〜29℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜28℃の撹拌溶液に、18.3g(0.02mol)の100%ポリエーテルトリス(クロロホルメート)Bを15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を約25〜30℃で3時間撹拌し、その後、100mlのMTBEを加え、反応物を約30℃で1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を12℃に冷却し、50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、次いで50mlの水性10%水酸化カリウム溶液で、そして50ml部分の飽和水性硫酸ナトリウム溶液で洗浄して、pHを7〜8にした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、20.3g(理論値94%、未補正)の無色液体が残った。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は4.23%の活性酸素(理論値4.45%)を含有していた。従って、生成物の収率は95.1%であり、補正収率は89.3%であった。
製造法および収率データに基づいて、この反応で得られた生成物は所望の表題生成物であった。
機械撹拌機、温度計および添加漏斗を備えた250ml水ジャケット付き反応器に、8.0g(0.05mol)の25%水性水酸化ナトリウム溶液および11.0g(0.043mol)の91%1,1,4−トリメチル−4−(t−ブチルパーオキシ)ペンチルヒドロキシパーオキシドを、22〜29℃で装入した。得られた溶液を約25℃で撹拌した。23〜28℃の撹拌溶液に、5.8g(0.025mol)の99%ジエチレングリコールビス(クロロホルメート)(C−9)を15分かけてゆっくり加えた。添加完了後、反応物を約30〜35℃で3.5時間撹拌し、その後、50mlのMTBEを加え、反応物を約30℃で1分撹拌し、そして液体相に分離させた。下方の水性層を次いで分離し、残りの有機層を17℃に冷却し、50mlの水性10%亜硫酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、次いで50mlの水性20%水酸化ナトリウム溶液で、そして50ml部分の飽和水性硫酸ナトリウム溶液で洗浄して、pHを7〜8にした。生成物溶液を5重量%の無水MgSO4で乾燥し、使用済み乾燥剤を濾過によって分離した後、溶媒を真空中で除去すると、14.7g(理論値の88.6%、未補正)の無色液体が残った。生成物のIRスペクトルは、1785cm-1で主なモノパーオキシカーボネートカルボニルバンドおよび1752cm-1で主なカーボネートまたはエステルカルボニルバンドを示した。ほんのわずかなOHバンドがIRスペクトルにあった。パーオキシエステル活性酸素法により、生成物は4.48%の活性酸素(理論値5.10%)を含有していた。従って、生成物の収率は87.0%であり、補正収率は77.0%であった。
この実施例で用いた不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルとスチレンモノマーとの混合物であった。不飽和ポリエステルは、次の成分をエステル化することによって製造したアルキド樹脂であった:
・粘度(20r.p.m.でブルックフィールドNo.2) −13.0ポイズ
・比重 − 1.14
t−ブチルパーオキシベンゾエート(A−2)、(不飽和ポリエステル樹脂組成物の硬化に用いられる工業用過酸化物生成物)、およびポリカプロラクトントリス(モノ-t−ブチルパーオキシカーボネート)、I−4、本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)のゲル化および硬化特性は、標準SPI発熱法(第24回Annual Technical Conference-Reinforced Plastics/Composites Division,Society of the Plastics Industry,Inc.,1969で発表されたSPI Procedure for Running Exotherm Curves-Polyester Resins)を用いて測定した。この方法を280°F(138℃)で用いて、A−2およびI−4を比較評価した。I−4の使用量は、活性酸素含有量において、不飽和ポリエステル樹脂100g当たり1.0gの純粋なA−2と等しかった。この結果は実施例14の表に示す。この結果は、I−4はA−2よりも樹脂をずっと速くゲル化および硬化し、従って、I−4は工業用過酸化物触媒A−2よりも、不飽和ポリエステル樹脂の硬化においてより活性であったことを示している。
スチレン重合は、95%スチレンおよび5%エチルベンゼン(EB)を含有するモノマー溶液を用いて行った。使用開始剤は、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(A−3)、即ち、Lupersol331(エルフアトケムノースアメリカ社製造;促進重合速度での高分子量ポリスチレンの製造に一般に用いられる工業用開始剤)、1,5−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)−5−オキサペンタン(A−4;当業分野のビス(モノパーオキシカーボネート)組成物;米国特許第3,652,631号)、ポリカプロラクトンビス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(A−1)(当業分野のビス(モノパーオキシカーボネート)組成物;米国特許第5,314,970号)、および本発明のいくつかのポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物、即ち、1,1,1−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシメチル)エタン(I−1)、1,1,1−トリス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシメチル)プロパン(I−2)、ポリカプロラクトントリス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−3)、ポリカプロラクトントリス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−4)、1,1,1−トリス[2−(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン(I−5)、およびポリカプロラクトンテトラキス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−6)であった。
室温の95%スチレンおよび5%エチルベンゼンの溶液に、1000gのスチレン溶液当たり0.00277molの活性酸素(または1リッターのスチレン溶液当たり0.00252molの活性酸素)に等しい濃度の遊離ラジカル開始剤を加えた。得られたスチレン溶液を窒素でパージし、その後、ガラスアンプル(外径10mm、内径8mm)に封入した。
スチレン溶液を含むアンプル(各溶液に対して数個)を、温度が温度プログラム装置によって調節される循環油浴に浸した。試料は、0.17℃/分のプログラム速度で100〜151℃の直線温度勾配で加熱した(5時間プログラム)。各溶液の試料を5時間のプログラムの間、1時間間隔で浴から引き上げ、氷水浴に浸すことによって冷却した。スチレン溶液を次にアンプルから取り出し、ポリスチレン重量平均分子量(Mw)および残留スチレンモノマー含有量について分析した。
トリス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)I−1、I−2,I−3、I−4およびI−5、並びにテトラキス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)I−6の効力を、上記の方法に従って、当業分野の組成物A−1、A−3およびA−4と比較した。得られた結果は、以下の実施例15の表にまとめる:
ポリスチレン重量平均重量(Mw)の結果に基づくと、本発明のトリス−およびポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物、即ち、I−1、I−2,I−3、I−4、I−5、およびI−6を、スチレン重合開始剤として用いると、5時間重合プログラム後のMw値は、当業分野の組成物A−1(Mw、約290,000)、A−3(Mw、約280,000)およびA−4(Mw、約300,000)で得られるよりも、著しく高い(330,000〜375,000)結果となった。ポリスチレンの分子量の増加において、A−1(当業分野のビス(モノパーオキシカーボネート)組成物)(最高Mwは約290,000であった)は、本発明のトリス−およびポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物(Mwは約330,000〜375,000)と比較してあまり効果がなかった。従って、本発明のトリス−およびポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物は、スチレンのようなエチレン系不飽和モノマーの重合分野を著しく前進させるものである。
スチレン重合は、実施例15に記載の手順を用いて行った。以下の構造Aのいくつかの追加ポリ(モノパーオキシカーボネート)を、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(A−3)と比較して、遊離ラジカル開始剤として評価した:ポリエーテルテトラキス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−7)、ポリエーテルテトラキス(モノ−t−アミルパーオキシカーボネート)(I−9)、PLURACOL(登録商標)TP−740からのポリエーテルトリス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−10)、PLURACOL(登録商標)GP−730からのポリエーテルトリス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−11)、および1,5−ビス(1,1,4−トリメチル−4−(t−ブチルパーオキシ)ペンチルパーオキシカルボニルオキシ)−3−オキサペンタン(I−12)。この実施例で用いた遊離ラジカル開始剤の濃度は、1000gのスチレン溶液当たり0.00277molの活性酸素(または1リッターのスチレン溶液当たり0.00252molの活性酸素)に等しかった。
スチレン溶液を含むアンプル(各溶液に対して数個)を、温度が温度プログラム装置によって調節される循環油浴に浸した。試料は、0.17℃/分のプログラム速度で100〜151℃の直線温度勾配で加熱した(5時間プログラム)。各溶液の試料を5時間のプログラムの間、1時間間隔で浴から引き上げ、氷水浴に浸すことによって冷却した。スチレン溶液を次にアンプルから取り出し、ポリスチレン重量平均分子量(Mw)および残留スチレンモノマー含有量について分析した。
ポリ(モノパーオキシカーボネート)I−7、I−9,I−10,I−11およびI−12の効力を、上記の方法に従って、当業分野の組成物A−3と比較した。得られた結果は、以下の実施例16の表にまとめる:
ポリスチレン重量平均重量(Mw)結果に基づくと、本発明のポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物、即ち、I−7、I−9,I−10、I−11およびI−12をスチレン重合開始剤として用いると、5時間重合プログラム後のMw値は、A−3(Mw、約280,000)で得られるものよりも、著しく高い(300,000〜390,000)結果となった。さらに、5時間後において、本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物によって生成されたポリスチレンに対する残留スチレン濃度は、A−3によって生成されたポリスチレンよりも著しく低かった(5〜10%残留スチレン対17〜18%残留スチレン)。I−12はこの点において特に魅力的であった。これらの結果は、本発明のポリ(モノパーオキシカーボネート)組成物が、スチレンのようなエチレン系不飽和モノマーの重合分野を著しく前進させるものであることを示している。
スチレン重合は、95%スチレンおよび5%エチルベンゼン(EB)を含有するモノマー溶液を用いて行った。この実施例で用いた重合法は、実施例15に記載の手順の変形であった。この実施例では、2種の遊離ラジカル開始剤の組み合わせを用いた。組み合わせの一方の開始剤は、本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボーネート)、即ち、1,1,1−トリス[2−(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)エトキシメチル]プロパン(I−5)またはポリエーテルテトラキス(モノ−t−ブチルパーオキシカーボネート)(I−7)であった。開始剤組み合わせの第2の開始剤は、当業分野の組成物の1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(A−3)であった。
この実施例で用いる遊離ラジカル開始剤の組み合わせの濃度は、合計で、1000gのスチレン溶液当たり0.00230molの活性酸素(または1リッターのスチレン溶液当たり0.00209molの活性酸素)に等しかった。
スチレン溶液を含むアンプル(各溶液に対して数個)を、温度が温度プログラム装置によって調節される循環油浴に浸した。試料は、0.19℃/分のプログラム速度で100〜145.6℃の直線温度勾配で加熱した(4時間プログラム)。4時間後に、試料を浴から引き上げ、氷水浴に浸すことによって冷却した。スチレン溶液を次にアンプルから取り出し、ポリスチレン重量平均分予量(Mw)について分析した。
結果
実施例17の表に、開始剤組み合わせA(I−5およびA−3)および開始剤組み合わせB(I−7およびA−3)を遊離ラジカル開始剤系として用いたときに得られたポリスチレンの重量平均分子量をまとめる:
組み合わせた開始剤の合計濃度は、0.00230molの活性酸素に等しい。
スチレン重合は、95%スチレンおよび5%エチルベンゼン(EB)を含有するモノマー溶液を用いて行った。この実施例で用いた重合法は、実施例15に記載の手順の変形であった。この実施例では、2種の遊離ラジカル開始剤の組み合わせを用いた。組み合わせの開始剤の一方は、本発明の新規なポリ(モノパーオキシカーボーネート)、即ち、ポリエーテルテトラキス(モノ-t−ブチルパーオキシカーボーネート)(I−7)であり、開始剤組み合わせの第2の開始剤は、当業分野のモノパーオキシド、即ち、t−ブチルパーオキシベンゾエート(A−2)であった。
この実施例で用いる遊離ラジカル開始剤の合計濃度は、1000gのスチレン溶液当たり0.00277molの活性酸素(または1リッターのスチレン溶液当たり0.00230molの活性酸素)に等しかった。
スチレン溶液を含むアンプル(各溶液に対して数個)を、温度が温度プログラム装置によって調節される循環油浴に浸した。試料は、0.17℃/分のプログラム速度で100〜151℃の直線温度勾配で加熱した(5時間プログラム)。5時間後に、試料を浴から引き上げ、氷水浴に浸すことによって冷却した。スチレン溶液を次にアンプルから取り出し、ポリスチレン重量平均分子量(Mw)について分析した。
実施例18の表に、開始剤組み合わせC(I−7およびA−2)を遊離ラジカル開始剤系として用いたときに得られたポリスチレンの重量平均分子量をまとめる:
Claims (6)
- 次式で表されるポリ(モノパーオキシカーボネート):
R1は炭素数4から12のt−アルキル基、1,1,4−トリメチル−4−(t−ブチルパーオキシ)ペンチル基、1,1,4−トリメチル−4−(t−アミルパーオキシ)ペンチル基、炭素数6から10のt−シクロアルキル基、炭素数9から13のt−アラルキル基および3−メチル−1−ブチン−3−イルおよび3−メチル−1−ペンチン−3−イルから成る群より選ばれ、
R4およびR5は、同一または異なり、水素および炭素数1から4のアルキル基より選ばれ、
r、sおよびtは、0から6の整数であり、qは0から4の整数であり、但しq、r、sおよびtの合計は2から16であり、
R6は、C(CH2−)4および
- R1がt−ブチルおよびt−アミルから選ばれる請求項1に記載のポリ(モノパーオキシカーボネート)。
- 800から1100の分子量を有する請求項2に記載のポリ(モノパーオキシカーボネート)。
- a.任意に不飽和エラストマーの存在の下で、エチレン性不飽和単量体組成物を重合すること、
b.不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化すること、
c.熱可塑性重合体およびエラストマー組成物を架橋および硬化すること、および、
d.ポリオレフィン組成物の分子量を変性すること、
から成る群より選ばれるフリーラジカル反応の実施方法であって、フリーラジカル開始剤として開始有効量の請求項1〜3何れか一項に記載の1つ以上のポリ(モノパーオキシカーボネート)の存在の下で、当該パーオキシ化合物を少なくとも部分的に分解し、フリーラジカル反応を行うのに充分な時間、上記基剤を加熱することから成る方法。 - スチレンモノマーを重合する請求項4に記載の方法。
- 請求項4の反応aにおいて、ジアシル過酸化物、ジパーオキシケタール、パーオキシエステル、モノパーオキシカーボネートおよびジアルキル過酸化物から成る群より選ばれる少なくとも1つの他の過酸化物または2過酸化物と組み合わせて請求項1〜3何れか一項に記載の1つ以上のポリ(モノパーオキシカーボネート)を使用する請求項4または5に記載の方法。
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