JP2009280711A - 高透明フッ素樹脂および該樹脂の用途 - Google Patents

高透明フッ素樹脂および該樹脂の用途 Download PDF

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Yuko Sekimori
裕子 関森
Hiroyuki Oba
弘行 大場
Katsuichi Machida
克一 町田
Yasuhiro Suzuki
康弘 鈴木
Akio Shirahata
秋夫 白畑
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Abstract

【課題】本発明は、反射防止フィルムを得る際に用いることが可能であり、またフッ素ガスを用いて直接フッ化処理を行い製造した場合であっても、低分子量化が問題にならない高透明フッ素樹脂および、該樹脂を含む成形体、微粒子並びに光学フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる
群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、高透明フッ素樹脂および該樹脂の用途に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD)等の各種表示装置の開発は、近年盛んに行われており、高品質化、低コスト化が開発の主題となっている。
高品質化における重要なテーマとして視認性の向上が挙げられる。視認性の向上としては、高視野角化や、高精細化に加えて、反射防止性を向上させることが重要な技術的アプローチの一つである。なお、反射防止とは、表示画面へ入射した外光(入射光)に由来する反射光によるコントラストの低下やいわゆる映り込みを防止することを示す。
また、携帯電話、携帯端末、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等は現在急速に普及が進んでいるが、その使用環境は屋外であることが多い。屋外では、屋内と比べて反射光により視認性が損なわれやすい。また屋外で使用する機器は一般に手で触れたり、他の物と接触する可能性が高い。このため屋内で使用する機器と比べ、高い反射防止性と表示画面の保護が求められる。
表示画面の反射光を低減するために、反射防止層を有する光学フィルムを表示画面の表面に設けることが一般に行われている。
反射防止層としては、低屈折率層および高屈折率層を有し、その屈折率の違いによりそれぞれの界面で反射される光の干渉を利用することにより、反射光を低減するもの、反射防止層の表面側を低屈折率とし、表示画面方向の深さ方向に向かって徐々に屈折率を大きくすることにより、反射光を低減するものがある。
ところで、フッ素原子を含むフッ素系重合体は一般に屈折率が低く、また防汚性を付加することも可能であり、非晶性フッ素系重合体は一般に透明性にも優れるため反射防止層を形成する重合体として用いられることが多い。
反射防止層を形成する代表的な重合体としては、フッ素置換されたアルキルアクリレートの重合体等が知られていた。しかしながらこれらの重合体は、他のフィルム等の基材へコートしても柔らかいという欠点が有り、またコート面と基材との密着性も不充分であった。
また特許文献1には、ポリフェニレンスルフィド等の硫黄含有樹脂を含む硫黄含有樹脂基材層を有するフィルムの硫黄含有樹脂基材層表面をフッ素ガスを用いて直接フッ化処理を行うことにより、反射率の低い反射防止フィルムが得られることが記載されている。
特開2007−178796号公報
本発明者らは、特許文献1に記載の硫黄含有樹脂は、フッ素ガスを用いて直接フッ化処理を行うと、フッ素ガス処理条件によっては、重合体鎖中の炭素‐硫黄結合等の炭素‐ヘテロ原子結合が切断される場合があり、結果として、得られたフッ素系樹脂が低分子量化して表面に油状に付着した状態(浮き出し)となり、エタノール等の溶剤で拭き取れてしまうことを見出した。
また、反射防止フィルム等に利用される低屈折率物質は、空気層(屈折率1.0)との屈折率差が、小さいものを用いることが好ましいことが、一般に知られている。加えて、反射防止フィルムは光線透過率に優れること、画面保護の観点から高硬度であることが望まれる。
本発明は上記従来技術の有する課題を鑑みてされたものであり、反射率の低い反射防止フィルムを得る際に用いることが可能であり、またフッ素ガスを用いて室温等の工業的条件下で直接フッ化処理を行い製造した場合であっても、低分子量化が問題にならない高透明フッ素樹脂および、該樹脂を含む成形体、微粒子並びに光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のフッ素系重合体を含む高透明フッ素樹脂は、低屈折率であり、また透明性に優れることを見いだし本発明を完成させた。
すなわち、本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる
群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
また、本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体(原料重合体)に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を施すことにより得られるフッ素系重合体を含有することを特徴とするものであってもよい。
前記原料重合体が、多官能性モノマーの重合体または、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることが好ましい。
本発明の成形体は、前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の微粒子は、前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の微粒子は、前記高透明フッ素樹脂から形成されるコアと、熱可塑性樹脂から形成されるシェルとを有することが好ましい。
本発明の光学フィルムは低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、前記低屈折率層に前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の光学フィルムは低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、前記低屈折率層に前記微粒子を含むことが好ましい。
本発明の高透明フッ素樹脂に含まれるフッ素系重合体は、従来のフッ素系重合体と比べて、より低い屈折率を有しており、光線透過率にも優れている。また、フッ素系重合体は架橋構造を有しており、そのため硬度に優れる。
本発明の成形体、透明微粒子は、上記高透明フッ素樹脂を含んでおり、反射防止層を有する光学フィルムに好適に用いることができる。
次に本発明について具体的に説明する。
〔高透明フッ素樹脂〕
本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群から選択
される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
言い換えると、本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体(原料重合体)に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を施すことにより得られるフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
本発明の高透明フッ素樹脂は、該樹脂の屈折率・光線透過率がフッ素によって制御されている。またフッ素系重合体は架橋構造を有するため、本発明の高透明フッ素樹脂は、硬度にも優れている。
(フッ素系重合体)
本発明に含まれるフッ素系重合体は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群か
ら選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合している重合体である。
該重合体は言い換えると、本発明に含まれるフッ素系重合体は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を施すことにより得られる重合体である。
なお、直接フッ化処理を施す前の、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体を本発明において、原料重合体とも記す。また、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を単に、直接フッ化処理とも記す。
本発明に用いるフッ素系重合体は、前記鎖および環にフッ素原子が含まれているため、従来のフッ素系重合体と比べて、より低い屈折率を有しており、光線透過率にも優れている。また、フッ素系重合体は架橋構造を有しており、そのため硬度に優れる。
本発明に含まれるフッ素系重合体は低屈折率・高光線透過率の観点から、炭素とフッ素との存在量のモル比(F/C)が、0.2以上あることが好ましい。フッ素の割合を多くするためには前記環が脂環であることがより好ましい。
本発明に用いる原料重合体としては、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体であることがより好ましい。原料重合体の有する環が芳香環であると、直接フッ化処理の前後における屈折率変化が大きいという点で好ましい。
前記原料重合体は、直接フッ化処理により、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖が有するメチレン基の水素原子が置換され、‐CF2‐基
および、‐CHF‐基からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基となり、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合し、本発明に用いるフッ素系重合体となると推定される。なお、原料重合体の一種であるスチレン・ジビニルベンゼン・エチルスチレン共重合体に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を行うと、芳香族C−H伸縮振動の3100〜3000cm-1のピーク、メチレンC−H伸縮振動の2960〜2850cm-1のピーク、および芳香族C=C伸縮振動の1610〜1490cm-1のピークが消失もしくは減衰し、代わってC−F伸縮振動の1270〜1100cm-1のピークが出現する。
一般に重合体に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を行うと、重合体の分子鎖の一部が切断される場合があるが、本発明に用いる原料重合体は、架橋構造を有しているため、多少の分子鎖が切断された場合であっても、得られるフッ素系重合体は、低分子量化が生じて、耐溶剤性が落ちたりすることがない。
また、直接フッ化処理においては、炭素‐炭素結合と比べて、炭素‐ヘテロ原子結合は切断されやすいため、原料重合体の骨格が炭素骨格であることがより好ましい。なお、骨格とは重合体の構造式から水素原子と置換基を取り除いた骨組みのことを示す。
本発明の原料重合体としては、特に限定はないが、多官能性モノマーの重合体または、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることが好ましい。
中でも、原料重合体製造時における重合速度の調節、原料重合体の成形性、原料重合体の成形物や成形塗膜等の可撓性、耐候性等の観点から、原料重合体は、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることが好ましい。
多官能性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、ジイゾプロペニルベンゼン、4,4’‐ジビニルビフェニル等の芳香族ジビニル化合物、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエチルジフェニル)プロパン等のビスフェノールA誘導体、9,9−ビス(4−メタクリロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のジフェニルフルオレン誘導体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートを用いることができる。また多官能モノマーとしては前記モノマーの有する水素原子の一部にフッ素が導入されたモノマーを用いてもよい。
これらの多官能性モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートとを示す。
これらの中でも、原料重合体に直接フッ化処理を行った際に、直接フッ化処理の前後における屈折率変化が大きい芳香族ジビニル化合物を用いることが好ましく、ジビニルベンゼン、ジイゾプロペニルベンゼン、4,4’‐ジビニルビフェニルを用いることがより好ましい。
また単官能性モノマーとしては、例えばスチレン、o,m,p‐エチルスチレン、イソプロペニルベンゼン、p‐フェニルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、tert‐ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル化合物を用いることができる。また単官能モノマーとしては前記モノマーの有する水素原子の一部にフッ素が導入されたモノマーを用いてもよい。
これらの単官能性モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、原料重合体に直接フッ化処理を行った際に、直接フッ化処理の前後における屈折率変化が大きい芳香族ビニル化合物を用いることが好ましく、スチレン、o,m,p‐エチルスチレン、イソプロペニルベンゼン、p‐フェニルスチレンを用いることがより好ましい。
なお、原料重合体を製造する際に用いるモノマーの中で、少なくとも1種は、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環を有することが必要である。
前記原料重合体が、ジビニルベンゼン、ジイゾプロペニルベンゼン、4,4’‐ジビニルビフェニルからなる群から選択される少なくとも1種の多官能性モノマーと、スチレン、o,m,p‐エチルスチレン、イソプロペニルベンゼン、p‐フェニルスチレンからなる群から選択される少なくとも1種の単官能性モノマーとの共重合体である場合には、重合体の骨格が炭素骨格となり特に好ましい。また、溶剤やバインダーへの分散性等を考慮すると芳香族を有しない極性のあるアクリルモノマーを共重合することも可能である。
前記原料重合体が、前記単官能性モノマーに由来する構成単位と、前記多官能性モノマーに由来する構成単位とを有する場合には、そのモル比(単官能性モノマーに由来する構成単位:多官能性モノマーに由来する構成単位)は、重合容易性の観点から10:90〜95:5であることが好ましく、30:70〜90:10であることがより好ましい。
なお、単官能性モノマーに由来する構成単位と、前記多官能性モノマーに由来する構成単位とのモル比は、そのモノマーの仕込み量から求めることができる。
前記フッ素化処理では、前記原料重合体が有する水素原子とフッ素原子とが置換するだけではなく、原料重合体中に芳香環を有する場合には、芳香環へのフッ素原子の付加反応が起こる場合がある。芳香環へのフッ素原子の付加により、芳香環のπ共役系が壊され、得られるフッ素系重合体の原料重合体と比較した際の屈折率をより大きく下げることができる。
前記原料重合体の合成法としては特に限定はないが、例えば以下の合成法が挙げられる。原料重合体の合成方法としては、前記多官能性モノマーを重合する方法、前記多官能性モノマーと単官能性モノマーとを共重合する方法が挙げられる。
重合方法としては、原料重合体を板、フィルムとして成形する場合には、対向する2枚の板の周辺部をテープなどを用いてシールした内部に重合開始剤を混合した前記モノマーを入れて熱又は光等で重合を行うことにより得る事ができる。また、ガラス、フィルム等の上に光重合開始剤を混合した前記モノマーを入れて紫外線によって重合することにより原料重合体をフィルムとして作成することが可能である。
前記原料重合体の合成方法に用いることが可能な重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−(2,4−ジメチル)バレロニトリル等の有機アゾ化合物が挙げられる。
また、光重合開始剤として公知のベンゾインエーテル系化合物類、ベンゾフェノン化合物類、アセトフェノン化合物類、ベンジルケタール化合物類、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物類等から選択した物を用いる事ができる。この中で厚みのある板を光重合で作成する場合はビスアシルホスフィンオキサイド化合物類が好ましい。
これらの開始剤を一種単独で用いても二種以上を用いてもよい。
また、重合度の調節の為にメルカプタン類のような公知の連鎖移動剤を使用することも可能である。さらに一般的に用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することにより耐光性や耐熱性を向上させることも勿論可能ある。
また、後述する高透明フッ素樹脂を含む微粒子を得る場合には、原料重合体を微粒子として得ることが好ましい。なお、原料重合体の微粒子の製造は、通常は乳化重合により行われる。
本発明に用いるフッ素系重合体は、前述のように、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基
からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合している重合体であり、原料重合体の有する、前記鎖が有するメチレン基と、前記環とに含まれる水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換することにより形成される。また、前記環が芳香環である場合にはフッ素原子が付加していてもよい。フッ素原子で置換する方法としては、求電子・求核フッ素化剤等を用いる方法等が挙げられるが、簡便にフッ素化を行うには通常は、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理により行われる。なお、直接フッ化処理においては、原料重合体が芳香環を有する場合には、水素原子のフッ素原子による置換だけではなく、芳香環にフッ素原子が付加する傾向がある。
直接フッ化処理の具体例としては、前記原料重合体を密閉空間に配置し、予め酸素の除去を行うために、真空引きを行った後に、該空間にフッ素ガスを導入し、フッ素ガスの分圧が600Pa〜1.5MPa、密閉空間の全圧が1000Pa〜1.5MPa、温度−50℃〜100℃の条件下で、5秒〜1000分保持する方法が挙げられる。
なお、密閉空間にフッ素ガスを導入する際には、フッ素ガス単独でもよいが、窒素や、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを同時に導入してもよく、また、これらの不活性ガスで希釈したフッ素ガスを用いても良い。また、最初の酸素除去の為に真空引きを行った後にこれらの不活性ガスを導入し、再度真空引きを行うと該空間内の残存する酸素をより低減することができるため好ましい。
フッ素ガスを用いた直接フッ化処理では、原料重合体が有する水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換、もしくは芳香環に付加することができ、好適にフッ素系重合体を得ることができる。
直接フッ化処理を用いずに、フッ素を含有するモノマーを用いて重合を行い、フッ素系重合体を得たり、原料重合体に化学的にフッ素原子を導入することにより得られるフッ素系重合体は、極薄いフィルムや複雑な形状の成形体を作製することが困難だが、原料重合体にフッ素ガス処理を施す場合には、原料重合体を所望の形状に成形してからフッ素を導入することが可能である上、原料重合体の極表面だけをフッ素系重合体へ改質することもできる。
また、直接フッ化処理においては、フッ素ガスは非常に反応性が高いガスであるため、水素原子の位置、反応性を問わず、原料重合体が有するメチレン基の水素原子をフッ素原子で置換することや、芳香環の水素原子をフッ素原子に置換、もしくは芳香環にフッ素原子の付加をすることができる。
本発明の高透明フッ素樹脂は、前記フッ素系重合体を含むことを特徴としている。高透明フッ素樹脂は、フッ素系重合体のみから形成されていてもよく、他の成分を含有してい
てもよい。
本発明の高透明フッ素樹脂は、透明性に優れ、低屈折率であるため、反射防止フィルム等を形成するための光学材料として用いることができる。また、フッ素系重合体が架橋構造を有しているため、硬度にも優れており、硬度が求められる分野へ用いることもできる。
〔成形体・微粒子〕
本発明の成形体および微粒子は、前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
(微粒子)
本発明の微粒子としては、前記高透明フッ素樹脂を含んでいれば特に限定は無く、多層構造の微粒子であっても、層構造を有さない微粒子であってもよい。
中でも、様々な機能を付与できるため、多層構造の微粒子であることが好ましく、コアとシェルとを有する微粒子、所謂コア・シェル構造を有する微粒子がより好ましい。
コア・シェル構造を有する微粒子としては、コアが前記高透明フッ素樹脂から形成され、シェルが熱可塑性樹脂から形成されることが、成形加工性および他の樹脂、溶剤への分散性向上の観点から好ましい。また、シェルがフッ素を含有する熱可塑樹脂である事が低屈折率化という観点からは好ましい。
前記シェルを構成する熱可塑性樹脂は、バインダー樹脂等に対する分散性を、微粒子に付与するために、バインダー樹脂との相溶性に優れていることが好ましく、具体的には、未架橋の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また前記コア・シェル構造を有する微粒子は、コアが硬度に優れる前記高透明フッ素樹脂から形成されるため、硬度に優れる。
前記微粒子が層構造を有さない微粒子である場合には、該微粒子の平均粒径の上限としては、通常200nm以下であり、その下限としては、通常10nm以上である。上記範囲内では硬度及び透明性の点から好ましい。
微粒子がコア・シェル構造を有する場合には、微粒子のコアの平均粒径は200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。上記範囲では、微粒子が分散した分散液を支持体等に塗工した際の透明性により優れる傾向があるため好ましい。
また、コアの平均粒径は10nm以上であることが好ましい。上記範囲を下回ると、微粒子の製造自体が困難になる傾向や、該粒子を用いて製膜を行いフィルム等の成形体を得た場合には、製膜時の硬度に劣る傾向がある。
微粒子がコア・シェル構造を有する場合には、微粒子全体の平均粒径は、通常は、430nm以下であり、好ましくは215nm以下であることが好ましい。また、微粒子全体の平均粒径は11nm以上であることが好ましい。上記範囲ではバインダーまたは溶剤に対する微粒子の分散性が良好であり、また透明性により優れる傾向があるため好ましい。
上記微粒子の粒径(コアの粒径、もしくはシェルも含む粒径)は、微粒子作成時にベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて測定することができる。
また微粒子が他の樹脂等に分散された、フィルム等の成形体においては、シェル部分は他の樹脂と区別することが困難である場合が多く、コア部分の粒径のみ確認することができる。該コアの粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM 日立製作所H−7000 100k
V)を用いて3万〜8万倍の倍率で見える100個の微粒子の最大径(長軸径)を測定し、最大径の平均値を算出することにより、コアの平均粒径を求めることができる。
微粒子がコア・シェル構造を有する場合には、前記コアとシェルとの組成比はコア/シェル=10/90〜90/10(重量比)であり、より好ましくは30/70〜70/30(重量比)である。
前記フッ素系重合体を含む微粒子の製造方法としては、特に限定はないが、例えば、前記原料重合体を含む微粒子を乳化重合法により製造し、該微粒子に含まれる原料重合体の有する前記鎖を構成するメチレン基および前記環が有する、水素原子の少なくとも一部を、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理によりフッ素に置換する方法(I)や、前記原料重合体を含む微粒子を乳化重合法により製造し、次いで該微粒子をコアとして、シェルを乳化重合法により形成し、コア・シェル構造を有する微粒子を得た後に、該コア・シェル構造を有する微粒子に含まれる原料重合体の有する前記鎖を構成するメチレン基および前記環が有する、水素原子の少なくとも一部を、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理によりフッ素に置換する方法(II)等が挙げられる。なお、コア・シェル構造を有する微粒子に含まれる原料重合体の有する水素原子の少なくとも一部をフッ素により置換する際には、通常シェルを構成する樹脂が有する水素原子の少なくとも一部もフッ素原子により置換される。
なお、フッ素系重合体を含む微粒子の製造の際には、通常前記原料重合体の有する水素原子の少なくとも一部を、直接フッ化処理によりフッ素に置換する前に、各種用途に応じて成形等が行われる。具体例としては、フッ素ガス処理を行う前の微粒子を、バインダー樹脂等と混合し、フィルム上に形成した後に、該フィルムの表層部にフッ素ガス処理を施し、表層部のみに本発明の微粒子を形成する方法が挙げられる。
前記方法(II)の具体例としては、まず、前記原料重合体を得るために用いられるモノマーを、コアを構成する原料モノマーとして、界面活性剤、重合開始剤等と共に、水へ添加して乳化重合を行い、原料重合体を得る。続いてシェルを形成するモノマーを追加し、乳化重合を行う事によってコア・シェル構造を有する微粒子を得る。必要に応じて該微粒子を他のバインダー樹脂等と混合し、成形を行う。次に該微粒子にフッ素ガス処理を行うことにより、本発明の微粒子を得る方法が挙げられる。
乳化重合に使用される界面活性剤としては、一般的に用いられるアニオン系界面活性剤の他、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
界面活性剤の具体例としては、アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、エーテルリン酸塩等、ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等、カチオン系界面活性剤としてはアルキル四級アンモニウム塩が挙げられる。
前記シェルは、微粒子が、溶剤やバインダー樹脂等への分散性や相溶性を発揮するためには、以下のモノマーから得られる非架橋重合体であることが好ましい。
シェルを形成するためのモノマーとしては、単官能性モノマーが好ましく、例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等のアルキルスチレン類、イソプロペニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、tert‐ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル化合物、アクリロニトリル等を用いることができる
。これらの単官能性モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの単官能性モノマーとしては、少なくともフッ素化された場合に低屈折率となりやすい芳香族ビニルモノマーを用いることが好ましく、微粒子の溶剤やバインダーとの相溶性を向上させるため、アクリロニトリル、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等を、芳香族ビニルモノマーと併用して用いる事が好ましい。
前記方法(I)や方法(II)で得られる、フッ素ガス処理を行う前の微粒子は、乳化重合により得られる、該微粒子の分散した水溶液そのままで使用してもよいが、微粒子をポリマー固体物として回収後、溶剤等に再分散して使用することが好ましい。
フッ素ガス処理を行う前の微粒子をポリマー固体物として回収する方法に関しては特に制限はないが、前記微粒子の分散した水溶液を直接乾燥する方法、前記微粒子の分散した水溶液に酸を添加して回収する酸析法、前記微粒子の分散した水溶液に塩を添加して回収する塩析法、前記微粒子の分散した水溶液を凍結した後に再溶解し、沈殿物をろ過し回収する方法、前記微粒子の分散した水溶液を凍結し、凍結乾燥を行い回収する方法等公知の方法を用いる事ができる。得られたポリマー固体物については、適当な溶剤によって再分散して使用するが分散に際しては通常の攪拌法の外に超音波やホモジナイザーなどを使用することも可能である。
このようにして得られた、フッ素ガス処理を行う前の微粒子は、バインダー樹脂等と混合することにより、塗布液として使用することができる。例えば、微粒子を反射防止層に含む光学フィルムを得る場合には、前記フッ素ガス処理を行う前の微粒子とバインダー樹脂等を含む塗布液を調整し、該液を支持体上に塗布し、フッ素ガス処理を行う前の微粒子およびバインダー樹脂を含む塗布層を形成した後に、該塗布層の表層部にフッ素ガス処理施し、表層部に本発明の微粒子を含む低屈折率層を形成することにより、反射防止層を含む光学フィルムを得ることができる。
また、別の例としては、フッ素ガス処理を行う前の微粒子を、押し出し成形機等を用いて、溶融押し出しすることにより、フィルムを形成し、該フィルムの表層部にフッ素ガス処理を施し、表層部に微粒子を含む低屈折率層を形成することにより、反射防止層を含む光学フィルムを得ることができる。
なお、これらの例では、塗布層のフッ素ガス処理が施されない部分、およびフィルムのフッ素ガス処理が施されない部分が、高屈折率層に相当する。
(成形体)
本発明の成形体としては、前記高透明フッ素樹脂を含んでいれば特に限定は無い。
成形体の形状としては、フィルム、板、レンズ等が挙げられる。
これらの成形体においては、前記高透明フッ素樹脂を得た後に、各種形状に成形してもよいが、原料重合体を各種形状に成型した後に、直接フッ化処理により表面に前記高透明フッ素樹脂を形成し、本発明の成形体を得る方法が、成形性、表面の均一な改質のため好ましい。例えば、形状がフィルムである場合には、前記原料重合体を含む樹脂を用いて、フィルムを成形し、該フィルムの表面を直接フッ化処理により、フッ素化することにより、表面に前記高透明フッ素樹脂を形成することができる。
成形体の中でも、上記高透明フッ素樹脂を反射防止層に含む光学フィルムが、好適な用途である。
〔光学フィルム〕
本発明の光学フィルムは、低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学
フィルムであって、前記低屈折率層に前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明の光学フィルムは、前記低屈折率層に含まれる、前記高透明フッ素樹脂が、前記微粒子として含まれることが好ましい。
なお、本発明においてフィルムには、シートを含むものとする。
本発明の光学フィルムとしては、支持体上に反射防止層が形成されていてもよく、支持体を有さない、反射防止層のみから形成されていてもよい。
支持体上に反射防止層が形成された光学フィルムの製造方法としては、支持体上に、前記原料重合体を含む層(高屈折率層)を形成し、高屈折率層の表層部にフッ素ガス処理を施し、表層部に高透明フッ素樹脂を含む層を形成することが好ましい。
特に、高屈折率層を、前記フッ素ガス処理を行う前の微粒子とバインダー樹脂等を含む塗布液を支持体上に塗布することにより形成することが、得られる低屈折率層の硬度、支持体と反射防止層との密着性、反射防止層の膜圧の均一性の点で好ましい。
なお、前記支持体の材質としては、樹脂、ガラス、金属、金属化合物、セラミックス等を用いることができる。中でも透明な樹脂やガラスが好ましい。
前記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリアクリロニトリル等があげられる。
また、前記支持体の厚さとしては、支持体の材質等によっても異なるが、通常は1μm〜1mm、好ましくは10〜200μmである。
また、前記バインダー樹脂としては、フッ素ガス処理を行う前の微粒子を均一に分散し、好適に塗膜を形成することができるUV硬化性樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてUV硬化性樹脂を用いる場合には、通常、支持体上に塗布液を塗布した後に、UV照射によりUV硬化性樹脂を硬化することにより、高屈折率層を形成する。
UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられるがこの中でも多官能(メタ)アクリレートを主成分としたアクリル樹脂がフッ素化反応時の分解を考慮すると好ましい。また、これらの樹脂には予めフッ素原子が含まれる物を用いる事もできる。これらUV硬化性樹脂は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。これらのUV硬化性樹脂には、前記樹脂に加えて、UV硬化性を好適に発現するための、光重合開始剤や光重合促進剤等を配合して用いる。
バインダー樹脂としてUV硬化性樹脂を用いた塗布液を、高屈折率層の形成に用いる場合には、前記フッ素ガス処理を行う前の微粒子(コア・シェル構造を有する微粒子の場合にはコア部)と、UV硬化性樹脂との重量比は、フッ素ガス処理を行う前の微粒子100重量部あたり、UV硬化性樹脂が通常は10〜3600重量部、好ましくは20〜1000重量部である。
支持体上に、塗布液を塗布する方法としては、カーテンフロートコート、ディッピング、ロールコーティング、バーコーティング、スピンコート、スプレーコーティング等の塗工方法が挙げられる。
反射防止層のみから形成される光学フィルムの製造方法としては、前記原料重合体または該重合体を含む組成物から形成されるフィルム(高屈折率層)を製造し、フッ素ガス処理により、該フィルムの表層部に高透明フッ素樹脂を含む低屈折率層を形成する方法が挙
げられる。前記フィルムを形成する方法としては、例えば原料重合体を、押し出し成形することによりフィルム状に成形する方法が挙げられる。
支持体上に反射防止層が形成された光学フィルムにおいて、前記高透明フッ素樹脂を含有する低屈折率層の厚みが、通常は50〜300nmであり、好ましくは80〜280nmである。また、高屈折率層は0.1〜25μmであり、好ましくは0.5〜20μmである。
反射防止層のみから形成される光学フィルムにおいて、前記高透明フッ素樹脂を含有する低屈折率層の厚みが、通常は50〜300nmであり、好ましくは80〜280nmである。また、高屈折率層は0.1〜500μmであり、好ましくは10〜350μmである。
前記各層の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM 例えば日立製作所製H−7000 100kV)によって測定できる。
なお、前記高透明フッ素樹脂を含む低屈折率層の厚みの測定は以下のようにして行うことができる。透過型電子顕微鏡を用いてフィルムの断面を撮影し、その画像から高透明フッ素樹脂を含む低屈折率層の厚みを求めることができる。透過型電子顕微鏡画像では、フッ素は電子密度が高いため、低屈折率層とフッ素樹脂を含まない高屈折率層との明暗がわかれ、確認可能である。
本発明の光学フィルム等が有する、前記高透明フッ素樹脂を含む層は、硬度に優れている。具体的には、高透明フッ素樹脂を含む層の、JIS K−5600−5−4に従い、荷重は1kg条件下で測定した鉛筆硬度が通常は2H以上であり、好ましくは3H以上である。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔製造例1〕コア・シェル構造を有する有機微粒子の製造
(コアの製造)
ガラス容器に純水180g、1重量%エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム2水塩水溶
液0.6g、1%酒石酸水溶液6gを投入、攪拌し、窒素を吹き込んだ。
前記ガラス容器を湯浴中で70℃に加熱した後に、予め窒素置換を行った混合モノマー(スチレン14.3gおよび57重量%ジビニルベンゼン15.7g)および界面活性剤として5%アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液40gを投入し、窒素雰囲気下で混合し、70℃まで昇温を行った。
次いで重合開始剤として5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液16.8g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート水溶液16.8gを投入し窒素雰囲気下70℃で重合を行った。2時間後更に5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液8.4g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート水溶液8.4g、5%アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液20gを追加投入し、4時間後にも5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液8.4g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート8.4gを追加投入して重合反応を継続、6時間後に冷却
して重合を終了し、微粒子分散水溶液を得た。
終了時点での微粒子分散水溶液中の微粒子の粒径は36nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
(有機微粒子の製造)
前記コアの製造で作成した微粒子分散水溶液を70℃に昇温し、予め窒素置換したスチレン9.65g、アクリロニトリル3.22g、n‐ドデシルメルカプタン0.05g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液0.13gを投入、更に窒素雰囲気下で5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液5.2g、5%ナトリウム
ホルムアルデヒドスルフォキシレート5.2gを投入して重合反応を行った。2時間後に更に5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液2.6g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート2.6gを追加投入して重合を継続、4時間後に冷却して重合を終了し、コア・シェル構造を有する有機微粒子を含む微粒子分散水溶液を得た。重合終了時の微粒子分散水溶液中の有機微粒子の粒径は、48nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
なお、コアとシェルとの重量比(コア/シェル)は、モノマー使用量から30/12.87(70/30)であった。
(有機微粒子の塩析)
前記有機微粒子の製造で作成した、微粒子分散水溶液200gを90℃の3%塩化カルシウム水溶液200g中に滴下し、塩析を行った。次いで沈殿物のろ過を行い、水洗、40℃乾燥を行い、白い粉末(有機微粒子)を得た。
〔製造例2〕コア・シェル構造を有する有機微粒子の製造
(コアの製造)
ガラス容器に純水900g、1重量%エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム2水塩水溶
液3.1g、1%酒石酸水溶液30.0gを投入、攪拌し、窒素を吹き込んだ。
前記ガラス容器を湯浴中で70℃に加熱した後に、予め窒素置換を行った混合モノマー(スチレン71.3gおよび57重量%ジビニルベンゼン78.7g)および界面活性剤として5%アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液150gを投入し、窒素雰囲気下で混合し、70℃まで昇温を行った。
次いで重合開始剤として5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液42.0g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート水溶液42.0gを投入し窒素雰囲気下70℃で重合を行った。2時間後更に5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液42.0g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート水溶液42.0gを追加投入し、4時間後にも5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液42.0g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート42.0gを追加投入して重合反応を継続、6時間後に冷却して重合を終了し、微粒子分散水溶液を得た。
終了時点での微粒子分散水溶液中の微粒子の粒径は131nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
(有機微粒子の製造)
前記コアの製造で作成した微粒子分散水溶液を70℃に昇温し、予め窒素置換したスチレン131.3g、アクリロニトリル43.8g、n‐ドデシルメルカプタン0.35g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液1.75gを投入、更に窒素雰囲気下で5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液70.7g、5%ナトリウム ホルムアルデヒドスルフォキシレート70.0gを投入して重合反応を行った。2時間後に更にスチレン131.3g、アクリロニトリル43.8g、n‐ドデシルメルカプタン0.35g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液1.75g、5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液70.7g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート70.0gを追加投入して重合を継続、4時間後に冷却して重合を終了し、コア・シェル構造を有する有機微粒子を含む微粒子分散水溶液を得た
。重合終了時の微粒子分散水溶液中の有機微粒子の粒径は、162nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
なお、コアとシェルとの重量比(コア/シェル)は、モノマー使用量から30/70であった。
(有機微粒子の塩析)
前記有機微粒子の製造で作成した、微粒子分散水溶液200gを90℃の0.5%塩化カルシウム水溶液400g中に滴下し、塩析を行った。次いで沈殿物のろ過を行い、水洗、40℃乾燥を行い、白い粉末(有機微粒子)44gを得た。
〔製造例3〕紫外線硬化性ハードコート液の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80g、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン20g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン3g、メチルイソブチルケトン100gを混合して紫外線硬化性ハードコート液(固形分50%)を調製した。
〔製造例4〕コア・シェル構造を有する有機微粒子を含有するハードコート液の調製
上記製造例1で得た、コア・シェル構造を有する有機微粒子(コア/シェル比=70/30(重量比))および製造例3で得た紫外線硬化性ハードコート液を、コア/シェル/紫外線硬化性ハードコート液(固形分)=233/100/100(重量部)となるように調製し、コート液を得た(コア/紫外線硬化性ハードコート液(固形分)=100/43(重量部))。
次いで前記コート液を溶媒メチルイソブチルケトン(和光純薬)で固形分20wt%に調製し、コア・シェル構造を有する有機微粒子を含有するハードコート液を得た。
〔比較例1〕
前記製造例4のコア・シェル構造を有する有機微粒子を含有するハードコート液をバーコーティングによって透明PET(テトロンフィルムHS−74、帝人デュポンフィルム(株))基材上に塗工し、ドライヤー乾燥でメチルイソブチルケトン溶媒を飛ばし、UV
照射(800mJ/cm2)を行い、膜を作成(厚み10μm)し、基材/高屈折率層の
層構造を有するフィルムを得た。
〔実施例1〕
比較例1で得た基材/高屈折率層の層構造を有するフィルムを2枚用意し、該フィルム
の基材面同士を重ね合わせ、その端部をシールプレッシャー(キュートシーラー 富士インパルス製)を用いて熱融着した。
前記基材同士が融着されたフィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧7000Pa)雰囲気下、室温で、10分間フッ素ガス処理を行い、高屈折率層の表層部に低屈折率層を形成し、融着している端部を切り離し、基材/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを2枚得た。
得られた反射防止フィルムは、その透過型電子顕微鏡による断面観察において、低屈折率層が250nm(図1参照)の厚さで形成されており、コアの粒子径が40nm(図2
参照)であった。
〔比較例2〕
前記製造例2のコア・シェル構造を有する有機微粒子(コア/シェル比=30/70(
重量比))を用いて、プレス機にて230℃で有機微粒子からなる高屈折率フィルムを形成した。なお、高屈折率フィルムの寸法は10×10cm、厚み0.24mmであった。
〔実施例2〕
比較例2の高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、高屈折率フィルムの表層部に低屈折率層を形成し、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この実施例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
〔比較例3〕
スチレン48重量部、ジビニルベンゼン30重量部、エチルスチレン22重量部を混合した後に、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを1.5重量部添加してよく攪拌し、重合性単量体混合物を得た。
次いでこの重合性単量体混合物を2枚の対向するガラス製円板(厚さ5mm、2枚のガラス製円板間隔0.5mm)の周辺部をテープでシールする事により作成した重合板作成用型の中に流し込み、テープで封入した。この重合板作成用型を40℃で8時間保持し、5時間かけて65℃まで昇温し、2時間かけて120℃に昇温し、120℃で1時間保持し、2時間かけて70℃に降温するという加熱プログラムを組んだオーブンに入れて重合を行った後サンプル型より重合体を取り出し高屈折率フィルムを得た。
〔実施例3〕
比較例3で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この実施例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
〔比較例4〕
透明PET(テトロンフィルムHS−74 帝人デュポンフィルム(株))をフッ素ガ
ス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この比較例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
〔比較例5〕
ポリスチレン(PS)ペレット(和光純薬)を、プレス機を使用し、230℃でプレスを行い、得られたサンプルを高屈折率フィルムとした。なお、高屈折率フィルムの寸法は10×10cm、厚み0.3mmであった。
〔比較例6〕
比較例5で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この比較例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
〔比較例7〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20g、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン80g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン3g、メチルイソブチルケトン100gを混合して紫外線硬化性ハードコ
ート液(固形分50%)を調製した。これを、透明PET(テトロンフィルムHS−74 帝人デュポンフィルム(株))基材上に塗工し、ドライヤー乾燥でメチルイソブチルケト
ン溶媒を飛ばし、UV照射(800mJ/cm2)を行い、膜を作成(厚み10μm)し
、基材/高屈折率層の層構造を有するフィルムを得た。
前記基材/高屈折率層の層構造を有するフィルムを2枚用意し、該フィルムの基材面同士を重ね合わせ、その端部をシールプレッシャー(キュートシーラー 富士インパルス製)を用いて熱融着した。
前記基材同士が融着されたフィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧7000Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、高屈折率層の表層部に低屈折率層を形成し、融着している端部を切り離し、基材/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを2枚得た。
〔フィルムの評価〕
実施例、比較例で得たフィルムについて、以下の評価を行った。
(硬度(鉛筆硬度)測定)
引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機)を使用し、JIS K−5600−5−4に従い、荷重は1kg条件下で鉛筆H〜9H(三菱鉛筆)を用いて、実施例および比較例4、6、7においては低屈折率層、比較例1においては高屈折率層、比較例2、3、5においては高屈折率フィルムの硬度を、引っ掻き傷がついたか否かで判断した。
なお、比較例4および7においては、低屈折率層の樹脂の分解(浮き出し)が起こり、硬度の測定ができなかった。
(光線透過率測定)
日立分光光度計U4000を使用して波長300〜1200nmにおけるフィルムの光線透過率(%)を測定した。
なお、比較例4および7においては、低屈折率層の樹脂の分解(浮き出し)が起こり、光線透過率の測定ができなかった。
(フッ素原子の有無の測定)
XPSによって検証した。
XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)(X線光電子分光)とは、X線照射によって放出される光電子エネルギー分布を測定し、試料表面の元素の種類、存在量、化学状態を調べることが可能な分析方法である。
(反射率測定)
評価フィルムの反射測定面の反対面を#1200の耐水研磨紙を用いて荒らした後、顔料インクを用いた不透明マーカーで黒塗りする事により、反射測定面以外で反射が生じないような測定サンプルを作成した。この測定サンプルを日立製分光光度計U4000に5度正反射付属装置をセットして反射率の測定を行った。
なお、比較例4および7においては、低屈折率層の樹脂の分解(浮き出し)が起こり、反射率の測定ができなかった。
(拭取り試験 フッ素ガス処理時の樹脂の分解(浮き出し))
フッ素ガス処理における樹脂の分解の有無を以下の拭取り試験で測定した。
エタノールをケミカルワイプに染み込ませ、フッ素ガス処理を行った層の表面を拭取る。
その際にフッ素化された樹脂が除去されてしまうか否かを検査した。
フッ素化された樹脂が除去されるものを×、除去されないものを○として評価した。
表1の結果より、本発明の高透明フッ素樹脂を用いて低屈折率層を形成した光学フィルムは、光線透過率に優れ、反射率が小さく、反射防止フィルムとして有用であることがわかる。また、架橋構造を有する特定のフッ素系重合体を用いるため硬度にも優れ、樹脂の分解(浮き出し)も改善されていることがわかる。
〔参考例1〕
スチレン48重量部、ジビニルベンゼン30重量部、エチルスチレン22重量部を混合した後に、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを1.5重量部添加してよく攪拌し、重合性単量体混合物を得た。
次いでこの重合性単量体混合物を2枚の対向するガラス製円板(厚さ5mm、2枚のガラス製円板間隔0.5mm)の周辺部をテープでシールする事により作成した重合板作成用型の中に流し込み、テープで封入した。この重合板作成用型を40℃で8時間保持し、5時間かけて65℃まで昇温し、2時間かけて120℃に昇温し、120℃で1時間保持し、2時間かけて70℃に降温するという加熱プログラムを組んだオーブンに入れて重合を行った後サンプル型より重合体を取り出し高屈折率フィルムを得た。
該フィルムのIRスペクトルを、パーキンエルマー製の赤外分光分析FT−IRを用いて、ATR法で測定した。なお、測定範囲は4000〜700cm-1であり、DuraScope製のダイヤモンドATRを用いて測定した。
得られたIRスペクトルを、図3に実線で示す。
〔参考例2〕
参考例1で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧27000Pa)雰囲気下、室温で、50分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この参考例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
参考例1と同様の条件でIRスペクトルを測定した。
得られたIRスペクトルを、図3に点線で示す。
図3より、原料重合体に、直接フッ化処理を施すことにより、原料重合体の有する芳香族C−H伸縮振動の3100〜3000cm-1のピーク、メチレンC−H伸縮振動の2960〜2850cm-1のピーク、および芳香族C=C伸縮振動の1610〜1490cm-1のピークが消失もしくは減衰し、代わってC−F伸縮振動の1270〜1100cm-1のピークが出現することがわかる。
実施例1で得られた反射防止フィルムの透過型電子顕微鏡による断面観察の結果を示すTEM像である。 実施例1で得られた反射防止フィルムの透過型電子顕微鏡による断面観察の結果を示すTEM像である。 参考例1で得られた高屈折率フィルムおよび参考例2で得られた反射防止フィルムのIRスペクトルである。

Claims (8)

  1. 架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、
    前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群から選択される少なくとも1
    種のフッ素置換メチレン基を有し、
    前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする高透明フッ素樹脂。
  2. 架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体(原料重合体)に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を施すことにより得られるフッ素系重合体を含有することを特徴とする高透明フッ素樹脂。
  3. 前記原料重合体が、多官能性モノマーの重合体または、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の高透明フッ素樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする微粒子。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂から形成されるコアと、熱可塑性樹脂から形成されるシェルとを有することを特徴とする微粒子。
  7. 低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、
    前記低屈折率層に請求項1〜3のいずれかに記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする光学フィルム。
  8. 低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、
    前記低屈折率層に請求項5または6に記載の微粒子を含むことを特徴とする光学フィルム。
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