JP2009280711A - 高透明フッ素樹脂および該樹脂の用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる
群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
反射防止層としては、低屈折率層および高屈折率層を有し、その屈折率の違いによりそれぞれの界面で反射される光の干渉を利用することにより、反射光を低減するもの、反射防止層の表面側を低屈折率とし、表示画面方向の深さ方向に向かって徐々に屈折率を大きくすることにより、反射光を低減するものがある。
群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
本発明の成形体は、前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の微粒子は、前記高透明フッ素樹脂から形成されるコアと、熱可塑性樹脂から形成されるシェルとを有することが好ましい。
本発明の光学フィルムは低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、前記低屈折率層に前記微粒子を含むことが好ましい。
〔高透明フッ素樹脂〕
本発明の高透明フッ素樹脂は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群から選択
される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする。
本発明に含まれるフッ素系重合体は、架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群か
ら選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合している重合体である。
および、‐CHF‐基からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基となり、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合し、本発明に用いるフッ素系重合体となると推定される。なお、原料重合体の一種であるスチレン・ジビニルベンゼン・エチルスチレン共重合体に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を行うと、芳香族C−H伸縮振動の3100〜3000cm-1のピーク、メチレンC−H伸縮振動の2960〜2850cm-1のピーク、および芳香族C=C伸縮振動の1610〜1490cm-1のピークが消失もしくは減衰し、代わってC−F伸縮振動の1270〜1100cm-1のピークが出現する。
中でも、原料重合体製造時における重合速度の調節、原料重合体の成形性、原料重合体の成形物や成形塗膜等の可撓性、耐候性等の観点から、原料重合体は、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることが好ましい。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートとを示す。
これらの中でも、原料重合体に直接フッ化処理を行った際に、直接フッ化処理の前後における屈折率変化が大きい芳香族ジビニル化合物を用いることが好ましく、ジビニルベンゼン、ジイゾプロペニルベンゼン、4,4’‐ジビニルビフェニルを用いることがより好ましい。
これらの中でも、原料重合体に直接フッ化処理を行った際に、直接フッ化処理の前後における屈折率変化が大きい芳香族ビニル化合物を用いることが好ましく、スチレン、o,m,p‐エチルスチレン、イソプロペニルベンゼン、p‐フェニルスチレンを用いることがより好ましい。
前記原料重合体が、ジビニルベンゼン、ジイゾプロペニルベンゼン、4,4’‐ジビニルビフェニルからなる群から選択される少なくとも1種の多官能性モノマーと、スチレン、o,m,p‐エチルスチレン、イソプロペニルベンゼン、p‐フェニルスチレンからなる群から選択される少なくとも1種の単官能性モノマーとの共重合体である場合には、重合体の骨格が炭素骨格となり特に好ましい。また、溶剤やバインダーへの分散性等を考慮すると芳香族を有しない極性のあるアクリルモノマーを共重合することも可能である。
前記フッ素化処理では、前記原料重合体が有する水素原子とフッ素原子とが置換するだけではなく、原料重合体中に芳香環を有する場合には、芳香環へのフッ素原子の付加反応が起こる場合がある。芳香環へのフッ素原子の付加により、芳香環のπ共役系が壊され、得られるフッ素系重合体の原料重合体と比較した際の屈折率をより大きく下げることができる。
また、重合度の調節の為にメルカプタン類のような公知の連鎖移動剤を使用することも可能である。さらに一般的に用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを添加することにより耐光性や耐熱性を向上させることも勿論可能ある。
からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素置換メチレン基を有し、前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合している重合体であり、原料重合体の有する、前記鎖が有するメチレン基と、前記環とに含まれる水素原子の少なくとも一部をフッ素原子で置換することにより形成される。また、前記環が芳香環である場合にはフッ素原子が付加していてもよい。フッ素原子で置換する方法としては、求電子・求核フッ素化剤等を用いる方法等が挙げられるが、簡便にフッ素化を行うには通常は、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理により行われる。なお、直接フッ化処理においては、原料重合体が芳香環を有する場合には、水素原子のフッ素原子による置換だけではなく、芳香環にフッ素原子が付加する傾向がある。
てもよい。
本発明の成形体および微粒子は、前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
(微粒子)
本発明の微粒子としては、前記高透明フッ素樹脂を含んでいれば特に限定は無く、多層構造の微粒子であっても、層構造を有さない微粒子であってもよい。
コア・シェル構造を有する微粒子としては、コアが前記高透明フッ素樹脂から形成され、シェルが熱可塑性樹脂から形成されることが、成形加工性および他の樹脂、溶剤への分散性向上の観点から好ましい。また、シェルがフッ素を含有する熱可塑樹脂である事が低屈折率化という観点からは好ましい。
前記微粒子が層構造を有さない微粒子である場合には、該微粒子の平均粒径の上限としては、通常200nm以下であり、その下限としては、通常10nm以上である。上記範囲内では硬度及び透明性の点から好ましい。
V)を用いて3万〜8万倍の倍率で見える100個の微粒子の最大径(長軸径)を測定し、最大径の平均値を算出することにより、コアの平均粒径を求めることができる。
シェルを形成するためのモノマーとしては、単官能性モノマーが好ましく、例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等のアルキルスチレン類、イソプロペニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、tert‐ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルエステル化合物、アクリロニトリル等を用いることができる
。これらの単官能性モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(成形体)
本発明の成形体としては、前記高透明フッ素樹脂を含んでいれば特に限定は無い。
これらの成形体においては、前記高透明フッ素樹脂を得た後に、各種形状に成形してもよいが、原料重合体を各種形状に成型した後に、直接フッ化処理により表面に前記高透明フッ素樹脂を形成し、本発明の成形体を得る方法が、成形性、表面の均一な改質のため好ましい。例えば、形状がフィルムである場合には、前記原料重合体を含む樹脂を用いて、フィルムを成形し、該フィルムの表面を直接フッ化処理により、フッ素化することにより、表面に前記高透明フッ素樹脂を形成することができる。
〔光学フィルム〕
本発明の光学フィルムは、低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学
フィルムであって、前記低屈折率層に前記高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする。
なお、本発明においてフィルムには、シートを含むものとする。
支持体上に反射防止層が形成された光学フィルムの製造方法としては、支持体上に、前記原料重合体を含む層(高屈折率層)を形成し、高屈折率層の表層部にフッ素ガス処理を施し、表層部に高透明フッ素樹脂を含む層を形成することが好ましい。
前記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリアクリロニトリル等があげられる。
また、前記バインダー樹脂としては、フッ素ガス処理を行う前の微粒子を均一に分散し、好適に塗膜を形成することができるUV硬化性樹脂が好ましい。バインダー樹脂としてUV硬化性樹脂を用いる場合には、通常、支持体上に塗布液を塗布した後に、UV照射によりUV硬化性樹脂を硬化することにより、高屈折率層を形成する。
げられる。前記フィルムを形成する方法としては、例えば原料重合体を、押し出し成形することによりフィルム状に成形する方法が挙げられる。
なお、前記高透明フッ素樹脂を含む低屈折率層の厚みの測定は以下のようにして行うことができる。透過型電子顕微鏡を用いてフィルムの断面を撮影し、その画像から高透明フッ素樹脂を含む低屈折率層の厚みを求めることができる。透過型電子顕微鏡画像では、フッ素は電子密度が高いため、低屈折率層とフッ素樹脂を含まない高屈折率層との明暗がわかれ、確認可能である。
〔製造例1〕コア・シェル構造を有する有機微粒子の製造
(コアの製造)
ガラス容器に純水180g、1重量%エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム2水塩水溶
液0.6g、1%酒石酸水溶液6gを投入、攪拌し、窒素を吹き込んだ。
して重合を終了し、微粒子分散水溶液を得た。
(有機微粒子の製造)
前記コアの製造で作成した微粒子分散水溶液を70℃に昇温し、予め窒素置換したスチレン9.65g、アクリロニトリル3.22g、n‐ドデシルメルカプタン0.05g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液0.13gを投入、更に窒素雰囲気下で5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液5.2g、5%ナトリウム
ホルムアルデヒドスルフォキシレート5.2gを投入して重合反応を行った。2時間後に更に5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液2.6g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート2.6gを追加投入して重合を継続、4時間後に冷却して重合を終了し、コア・シェル構造を有する有機微粒子を含む微粒子分散水溶液を得た。重合終了時の微粒子分散水溶液中の有機微粒子の粒径は、48nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
(有機微粒子の塩析)
前記有機微粒子の製造で作成した、微粒子分散水溶液200gを90℃の3%塩化カルシウム水溶液200g中に滴下し、塩析を行った。次いで沈殿物のろ過を行い、水洗、40℃乾燥を行い、白い粉末(有機微粒子)を得た。
(コアの製造)
ガラス容器に純水900g、1重量%エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム2水塩水溶
液3.1g、1%酒石酸水溶液30.0gを投入、攪拌し、窒素を吹き込んだ。
(有機微粒子の製造)
前記コアの製造で作成した微粒子分散水溶液を70℃に昇温し、予め窒素置換したスチレン131.3g、アクリロニトリル43.8g、n‐ドデシルメルカプタン0.35g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液1.75gを投入、更に窒素雰囲気下で5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液70.7g、5%ナトリウム ホルムアルデヒドスルフォキシレート70.0gを投入して重合反応を行った。2時間後に更にスチレン131.3g、アクリロニトリル43.8g、n‐ドデシルメルカプタン0.35g、50%ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド水溶液1.75g、5%tert‐ブチルハイドロパーオキサイド水溶液70.7g、5%ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート70.0gを追加投入して重合を継続、4時間後に冷却して重合を終了し、コア・シェル構造を有する有機微粒子を含む微粒子分散水溶液を得た
。重合終了時の微粒子分散水溶液中の有機微粒子の粒径は、162nmであった。なお、粒径の測定は、ベックマンコールター社製サブミクロン粒子アナライザーN4を用いて行った。
(有機微粒子の塩析)
前記有機微粒子の製造で作成した、微粒子分散水溶液200gを90℃の0.5%塩化カルシウム水溶液400g中に滴下し、塩析を行った。次いで沈殿物のろ過を行い、水洗、40℃乾燥を行い、白い粉末(有機微粒子)44gを得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80g、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン20g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン3g、メチルイソブチルケトン100gを混合して紫外線硬化性ハードコート液(固形分50%)を調製した。
上記製造例1で得た、コア・シェル構造を有する有機微粒子(コア/シェル比=70/30(重量比))および製造例3で得た紫外線硬化性ハードコート液を、コア/シェル/紫外線硬化性ハードコート液(固形分)=233/100/100(重量部)となるように調製し、コート液を得た(コア/紫外線硬化性ハードコート液(固形分)=100/43(重量部))。
〔比較例1〕
前記製造例4のコア・シェル構造を有する有機微粒子を含有するハードコート液をバーコーティングによって透明PET(テトロンフィルムHS−74、帝人デュポンフィルム(株))基材上に塗工し、ドライヤー乾燥でメチルイソブチルケトン溶媒を飛ばし、UV
照射(800mJ/cm2)を行い、膜を作成(厚み10μm)し、基材/高屈折率層の
層構造を有するフィルムを得た。
比較例1で得た基材/高屈折率層の層構造を有するフィルムを2枚用意し、該フィルム
の基材面同士を重ね合わせ、その端部をシールプレッシャー(キュートシーラー 富士インパルス製)を用いて熱融着した。
参照)であった。
前記製造例2のコア・シェル構造を有する有機微粒子(コア/シェル比=30/70(
重量比))を用いて、プレス機にて230℃で有機微粒子からなる高屈折率フィルムを形成した。なお、高屈折率フィルムの寸法は10×10cm、厚み0.24mmであった。
比較例2の高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、高屈折率フィルムの表層部に低屈折率層を形成し、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この実施例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
スチレン48重量部、ジビニルベンゼン30重量部、エチルスチレン22重量部を混合した後に、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを1.5重量部添加してよく攪拌し、重合性単量体混合物を得た。
比較例3で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この実施例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
透明PET(テトロンフィルムHS−74 帝人デュポンフィルム(株))をフッ素ガ
ス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この比較例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
ポリスチレン(PS)ペレット(和光純薬)を、プレス機を使用し、230℃でプレスを行い、得られたサンプルを高屈折率フィルムとした。なお、高屈折率フィルムの寸法は10×10cm、厚み0.3mmであった。
比較例5で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧1500Pa)雰囲気下、室温で、25分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この比較例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20g、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン80g、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン3g、メチルイソブチルケトン100gを混合して紫外線硬化性ハードコ
ート液(固形分50%)を調製した。これを、透明PET(テトロンフィルムHS−74 帝人デュポンフィルム(株))基材上に塗工し、ドライヤー乾燥でメチルイソブチルケト
ン溶媒を飛ばし、UV照射(800mJ/cm2)を行い、膜を作成(厚み10μm)し
、基材/高屈折率層の層構造を有するフィルムを得た。
実施例、比較例で得たフィルムについて、以下の評価を行った。
(硬度(鉛筆硬度)測定)
引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機)を使用し、JIS K−5600−5−4に従い、荷重は1kg条件下で鉛筆H〜9H(三菱鉛筆)を用いて、実施例および比較例4、6、7においては低屈折率層、比較例1においては高屈折率層、比較例2、3、5においては高屈折率フィルムの硬度を、引っ掻き傷がついたか否かで判断した。
(光線透過率測定)
日立分光光度計U4000を使用して波長300〜1200nmにおけるフィルムの光線透過率(%)を測定した。
(フッ素原子の有無の測定)
XPSによって検証した。
評価フィルムの反射測定面の反対面を#1200の耐水研磨紙を用いて荒らした後、顔料インクを用いた不透明マーカーで黒塗りする事により、反射測定面以外で反射が生じないような測定サンプルを作成した。この測定サンプルを日立製分光光度計U4000に5度正反射付属装置をセットして反射率の測定を行った。
(拭取り試験 フッ素ガス処理時の樹脂の分解(浮き出し))
フッ素ガス処理における樹脂の分解の有無を以下の拭取り試験で測定した。
その際にフッ素化された樹脂が除去されてしまうか否かを検査した。
スチレン48重量部、ジビニルベンゼン30重量部、エチルスチレン22重量部を混合した後に、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレートを1.5重量部添加してよく攪拌し、重合性単量体混合物を得た。
〔参考例2〕
参考例1で得た高屈折率フィルムをフッ素ガス処理用チャンバーに入れ、酸素の除去を行うため充分に真空引きを行った後、窒素混合をしたフッ素ガス(全圧93000Pa、フッ素分圧27000Pa)雰囲気下、室温で、50分間フッ素ガス処理を行い、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の層構造を有する反射防止フィルムを得た。また、この参考例で得られる反射防止フィルムは、フィルムの両面が低屈折率層となる。
得られたIRスペクトルを、図3に点線で示す。
図3より、原料重合体に、直接フッ化処理を施すことにより、原料重合体の有する芳香族C−H伸縮振動の3100〜3000cm-1のピーク、メチレンC−H伸縮振動の2960〜2850cm-1のピーク、および芳香族C=C伸縮振動の1610〜1490cm-1のピークが消失もしくは減衰し、代わってC−F伸縮振動の1270〜1100cm-1のピークが出現することがわかる。
Claims (8)
- 架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、
前記鎖が、‐CF2‐基および、‐CHF‐基からなる群から選択される少なくとも1
種のフッ素置換メチレン基を有し、
前記環を構成する炭素原子の少なくとも一部に、フッ素原子が結合しているフッ素系重合体を含有することを特徴とする高透明フッ素樹脂。 - 架橋構造と、炭素・炭素二重結合を有する重合性基が重合することにより形成される鎖と、芳香環および脂環からなる群から選択される少なくとも1種の環とを有し、前記鎖がメチレン基を有する重合体(原料重合体)に、フッ素ガスを用いた直接フッ化処理を施すことにより得られるフッ素系重合体を含有することを特徴とする高透明フッ素樹脂。
- 前記原料重合体が、多官能性モノマーの重合体または、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の高透明フッ素樹脂。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする成形体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする微粒子。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高透明フッ素樹脂から形成されるコアと、熱可塑性樹脂から形成されるシェルとを有することを特徴とする微粒子。
- 低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、
前記低屈折率層に請求項1〜3のいずれかに記載の高透明フッ素樹脂を含むことを特徴とする光学フィルム。 - 低屈折率層と、高屈折率層とを有する反射防止層を含む光学フィルムであって、
前記低屈折率層に請求項5または6に記載の微粒子を含むことを特徴とする光学フィルム。
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CN111316454A (zh) * | 2017-11-02 | 2020-06-19 | 创光科学株式会社 | 紫外线发光装置、紫外线发光装置的制造方法及紫外线发光模块的制造方法 |
CN111316454B (zh) * | 2017-11-02 | 2023-03-28 | 创光科学株式会社 | 紫外线发光装置、紫外线发光装置的制造方法及紫外线发光模块的制造方法 |
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