JPH10282306A - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents

反射防止膜およびそれを配置した表示装置

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JPH10282306A
JPH10282306A JP9085419A JP8541997A JPH10282306A JP H10282306 A JPH10282306 A JP H10282306A JP 9085419 A JP9085419 A JP 9085419A JP 8541997 A JP8541997 A JP 8541997A JP H10282306 A JPH10282306 A JP H10282306A
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JP
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layer
core
film
polymer
antireflection film
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JP9085419A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Sotozono
裕久 外園
Tomokazu Yasuda
知一 安田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、大量かつ大面積製造適性があ
り、かつ、十分な膜強度を有する反射防止膜を得ること
である。 【解決手段】 平均粒径が200nm以下のコアシェル
構造微粒子を含む層を有し、該微粒子のシェルポリマー
のガラス転移温度がコアポリマーのガラス転移温度より
も低いものであり、該層が低屈折率層であることを特徴
とする反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、量産性、対汚染性
に優れ、同時に、高い膜強度を実現する反射防止膜およ
びそれを配置した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の普及、大型化や野
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、指紋
や油脂等の付着防止や易除去性、炎天下や自動車室内の
ような高温環境下での諸性能の維持などである。一般に
反射防止膜を得るには基材の最表面に可能な限り屈折率
の低い超薄層を設ける方法が知られている。このような
低屈折率層を有する反射防止膜を低コストで、また大量
かつ大面積製造適性のある方法で提供する方法として、
特願平8−34661号には含フッ素重合体微粒子の積
層から成る反射防止膜に関する技術が記載されている。
しかしながら該反射防止膜は粒子間の空隙を積極的に残
して粒子積層層の屈折率低下を実現しているため、必然
的に粒子構成ポリマーは変形を防止するためにガラス転
移点の高いものに限られ、膜の脆化に起因する膜強度低
下が問題となることが判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低コ
ストで、また、大量かつ大面積製造適性のある反射防止
膜形成法である含フッ素微粒子積層法において、粒子間
空隙を残存させつつ、十分な膜強度を有する反射防止膜
を得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の課題は下記の反射
防止膜によって解決される。 (1) 平均粒径が200nm以下のコアシェル構造微
粒子を含む層を有し、該微粒子のシェルポリマーのガラ
ス転移温度がコアポリマーのガラス転移温度よりも低い
ものであり、該層が低屈折率層であることを特徴とする
反射防止膜。 (2) 該低屈折率層が少なくとも3体積%以上の空隙
を含有していることを特徴とする上記(1)に記載の反
射防止膜。 (3) 該微粒子のシェルポリマーが少なくとも一種の
反応性官能基を有することを特徴とする上記(1)また
は(2)に記載の反射防止膜 (4) 該微粒子のコアポリマーが架橋構造を有するこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
反射防止膜。 (5) 形成された低屈折層が少なくとも0.3重量%
以上のフッ素原子を含むことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の反射防止膜。 (6) 該低屈折率層がそれよりも高い屈折率を有する
層の上に形成されたことを特徴とする上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の反射防止膜。 (7) 前記反射防止膜のヘイズ値が3〜30%である
ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載
の反射防止膜。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の反射防
止膜を配置した表示装置。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止膜によって得ら
れる優れた反射防止膜について以下に説明する。以下の
説明では本発明のコアシェル微粒子を製膜して得られる
反射防止膜中の空隙を「ミクロボイド」と称する。
【0006】一般に反射防止機能を得るには基材の最表
面に可能な限り屈折率の低い超薄層を設ける方法が知ら
れている。本発明ではこの最表面層(低屈折率層)にコ
アシェル微粒子を用いることが特徴である。図1に、微
粒子からなる反射防止膜を示す。図中で、1は粒子間の
ミクロボイドがもたらした空気が膜を形成する粒子形成
ポリマーやバインダー成分と混在している層(ミクロボ
イド含有層)であり、3は基材である。ミクロボイドは
1の層中に均一に分散して存在する。また、このミクロ
ボイド層は、反射防止を行うべき透明基材の最表面に設
けられる。
【0007】このような低屈折率を有する微粒子層は、
図1に示す単層膜だけでなく、多層膜の最上層として用
いる事もできる。図2に、基材フィルム上に基材の屈折
率よりも高い屈折率を有する層2を設け、さらにその上
に本発明のコアシェル微粒子を含む層を設けた反射防止
膜を示す。このように多層化する事によってより広い波
長領域において有効な反射防止膜を得る事は、従来の技
術と同様な原理に基づくものである。例えば、特開昭5
9−50401号公報に示されているように、2層膜で
は、基材と接する第一層の膜の屈折率n1 と膜厚d1
よび第一層と接する第2層の屈折率n2 と膜厚d2 が以
下の関係を満たすようにする事によって、反射防止膜と
しての作用が最適化される。このような多層膜による反
射防止条件については古くから公知である。 第1層 mλ/4×0.7<n1 1 <mλ/4×1.3 第2層 nλ/4×0.7<n2 2 <nλ/4×1.3 ただし、mは正整数、nは奇の正整数である。
【0008】本発明においては、このコアシェル微粒子
により持ち込まれ、膜内に保持されるミクロボイドが均
一であること、およびミクロボイドが光を散乱しない大
きさであることに特徴がある。言い換えれば、該低屈折
率層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、
光学的あるいは巨視的には均一な膜とみなすことができ
る。このため、ミクロボイド含有膜の巨視的屈折率は、
重合体をコアシェル微粒子にすることによって持ち込ま
れる空気の体積分率に相当する分だけ低くなる。すなわ
ち、この膜の屈折率は膜を形成しているバインダー成分
の屈折率(1より大きな値を有する)と持ち込まれた空
気の屈折率(1.00である)の体積平均で表されるこ
とになり、用いられたバインダー成分の屈折率より低い
値を示す結果となる。
【0009】上記ミクロボイド含有膜を形成するために
は、構成微粒子が硬く、粒子変形によるミクロボイドの
消失が生じないことが必須である。このため微粒子を構
成するポリマー成分としては塗布製膜温度あるいは使用
温度以上のガラス転移温度(Tg)を有することが必須
となり、このような目的で通常ポリマーとしては高Tg
のポリマーを用いる、あるいは架橋モノマー共重合が行
われる。しかしながら上記硬質微粒子含有膜は通常非常
に脆く、またバインダー成分との親和性にも乏しく、膜
質的には不十分であった。
【0010】本発明者らは、上記問題点を解決すべく微
粒子をコアシェル構造にしたところ光学的性能と膜質的
性能を両立するミクロボイド含有低屈折率層を得ること
に成功した。すなわちコアにミクロボイドの消失を防ぐ
形状維持能を有する硬質微粒子を用い、シェルに膜質的
性能を維持するためのポリマー成分を用いたコアシェル
微粒子を用いることにより本発明の低屈折率層を得た。
【0011】本発明に用いられるコアシェル微粒子の粒
径は200nm以下のものである。粒子径が増大すると
前方散乱が増加し、200nmを越えると散乱光に色付
きが生じるため好ましくない。さらに、好ましくは、光
学性能的観点と膜質的観点から70nm以下のものであ
り、特に好ましいのは50nm以下である。このような
コアシェル微粒子はポリマーラテックスとして製造、入
手が可能である。以下に本発明のコアシェル微粒子につ
いて説明する。
【0012】本発明のコアシェル微粒子のコアを形成す
るモノマーとしては特に制限はなく市販、または合成の
重合性不飽和基を有するものを好適に使用できるが、形
成される低屈折層の屈折率を望ましい屈折率まで低下さ
せるためにはモノマーがフッ素原子を含有しているもの
を用いることが好ましい。これらのモノマーの具体例と
しては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロ
エチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエ
チレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ―
2、2―ジメチル―1、3―ジオキソールなど)、下記
一般式で表されるアクリル、メタクリル酸の部分または
完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部
分フッ素化ビニルエーテル類などであり、これらの任意
のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重合により目
的のポリマーを得ることができる。
【0013】
【化1】
【0014】また、このコアを形成するモノマーには上
記の含フッ素モノマーの他にフッ素原子を含有しないモ
ノマーを併用しても良い。併用可能なモノマー単位には
特に限定はなく、例えば、オレフィン類(エチレン、プ
ロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンな
ど)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど)、
メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど)、スチレン誘
導体(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
など)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテルな
ど)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなど)、アクリルアミド類(N−tertブチルア
クリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミドな
ど)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体な
どを挙げることができる。
【0015】上記に記載した含フッ素モノマーを用いた
場合に得られる重合体の屈折率は用いた全モノマー中の
フッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。本発明の目
的の反射防止膜の屈折率を充分に低くするためには、ポ
リマーが0.3重量%以上のフッ素原子を含むことが好
ましく、15重量%ないし80重量%のフッ素原子を含
むことが更に好ましく、特に好ましくは25重量%ない
し75重量%である。
【0016】上記の単官能モノマーに加え、多官能モノ
マーも好ましく用いることができ、多官能モノマーとし
ても特に制限はなく市販、または合成の一分子中に複数
個の重合性不飽和基を有するものであればこれを好適に
使用できる。また、形成される低屈折層の屈折率低下の
観点から、この多官能モノマーがフッ素原子を含有して
いるものを用いることも好ましい。上記の多官能モノマ
ーの具体例としては、例えばオレフィン類(例えばブタ
ジエン、ペンタジエン、ジビニルシクロヘキサンな
ど)、アクリル酸エステル類(エチレングリコールジア
クリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど)、メ
タクリル酸エステル類(エチレングリコールジメタクリ
レート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートな
ど)、スチレン誘導体(1,4−ジビニルベンゼン、4
−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステルな
ど)、ビニルスルホン類(ジビニルスルホンなど)、ア
クリルアミド類(メチレンビスアクリルアミドなど)、
メタクリルアミド類などを挙げることができる。
【0017】上記多官能モノマーの最適な含量は併用す
る単官能モノマーの種類や組み合わせにより異なるが、
好ましくはコア成分の0〜50重量%、より好ましくは
3〜30重量%である。上記に記載した架橋重合体微粒
子の屈折率はフッ素原子を有するモノマーを用いた場
合、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下
する。本発明の目的の反射防止膜の屈折率を充分に低く
するためには、ポリマーが15重量%ないし80重量%
のフッ素原子を含むことが好ましく、特に好ましくは2
5重量%ないし75重量%である。
【0018】本発明のコアシェル微粒子のコアを形成す
るポリマーは結晶性、非晶性のいずれのものも用いる事
ができる。また、コアポリマーのガラス転移点(Tg)
は特に制限は無いが製膜時のボイド保持の観点よりTg
が製膜温度以上であることが好ましい。
【0019】本発明のコアシェル微粒子のシェルを形成
するモノマーとしては特に制限はなく上記記載のコアを
形成するモノマーと同様なモノマーを用いることができ
る。シェルに求められる機能としては膜質的性能が挙げ
られ、具体的にはコアシェル微粒子間およびコアシェル
微粒子とバインダー間の製膜時における連続層形成能、
および膜内応力緩和能などが挙げられる。上記性能発現
のためシェルを形成するポリマーとしてはコアポリマー
よりも柔軟なもの、具体的にはコアポリマーよりも低い
Tgを有することが好ましい。またシェルポリマーとし
ては反応性官能基を有するものも好ましく用いることが
できる。反応性官能基を有するモノマーとしては例え
ば、エポキシ基を有するグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタリレート、アミノ基を有するジメチルアミノ
エチルメタクリレート、アミノメチルスチレン、カルボ
キシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、水酸基を
有する2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、N−メチロール基を有する
N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタク
リルアミド、イソシアネート基を有する2−イソシアン
酸エチルメタクリレート、アリル基を有するアリルメタ
クリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。本発明のコアシェル微粒子中のシェルポリマ
ーの体積分率としては特に制限はないが、シェルポリマ
ーが製膜温度において変形する場合はミクロボイドが減
少してしまうため、層の空隙は3体積%以上、50体積
%以下が好ましく、特に5体積%以上、35体積%以下
であることが好ましい。上記に記載したコアシェル微粒
子の屈折率はフッ素原子を有するモノマーを用いた場
合、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加に伴い低下
する。
【0020】本発明のコアシェル微粒子は、一般によく
知られている乳化重合法およびシード乳化重合法により
ポリマーラテックスとして調整することができる。乳化
重合法およびシード乳化重合法については室井宗一:高
分子ラテックスの化学(高分子刊行会)[1970]の
中で詳細に記されている。乳化重合法は、例えば、水あ
るいは水と水に混和しうる有機溶媒(例えばメタノー
ル、エタノール、アセトンなど)との混合溶媒を分散媒
とし、分散媒に対して5〜40重量%のモノマー混合物
と、モノマーに対して0.05〜5重量%の重合開始
剤、0.1〜20重量%の分散剤を用い、30〜100
℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜8時間、かくは
ん下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー
の濃度、開始剤量、分散剤量、反応温度、時間などの条
件は目的とする粒子の平均粒径などを考慮し、適宜設定
すればよい。開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の無機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸
のナトリウム塩等のアゾニトリル化合物、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩等のアゾ
アミジン化合物、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチ
ル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の
環状アゾアミジン化合物、2,2′−アゾビス{2−メ
チル−N−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)−2
−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド等のアゾアミド
化合物が挙げられる。この中でも過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムが好ましい。分散剤としてはアニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができる
が、好ましくはアニオン性界面活性剤である。
【0021】コアシェルポリマーラテックスは、コアラ
テックスポリマーを乳化重合して得られる水分散物に対
し、シェルを形成するモノマーを一括投入または滴下し
ながらさらに乳化重合するシード乳化重合法により容易
に得ることができる。コアラテックスは上記乳化重合に
より得ることもできるし市販品を用いてもよい。シード
乳化重合においてコアラテックス存在下シェルモノマー
を添加する際には分散剤を追添してもよいし、追添しな
くてもよいが、シェルモノマー追添重合による系の不安
定化が生じない限りは過剰の分散剤は別粒子生成の原因
となるため分散剤の追添は行わないことが好ましい。ま
た別粒子生成を防ぐために透析処理により過剰の分散剤
を除去することも好ましく行われる。本発明のコアシェ
ル微粒子は上記シード乳化重合法により水分散物として
得ることができるが、コアシェル構造を維持したままで
微粒子粉体とすることもできる。このような粉体化の方
法としては、凍結乾燥法や強酸または塩を用いた凝集、
濾過法、あるいはラテックス液の凍結−解凍の繰り返し
による凝集、濾過法などの公知の手法を用いることがで
きる。
【0022】本発明に用いられるコアシェル微粒子は一
つの反射防止膜内に任意の2種以上の粒子を任意の割合
で混合して用いても良い。また、本発明のコアシェル微
粒子と本発明外の微粒子を併用しても良い。この場合、
併用する本発明外のポリマーに特に制限はないが通常の
乳化重合で得られる粒子でも良いし、別途に調製した有
機溶媒系の溶液重合により得られる水不溶性ポリマーの
乳化物でも、水溶性ポリマーであっても良い(以下バイ
ンダーと称す)。またバインダーとしては上記ポリマー
の外に単官能モノマー、多官能モノマーあるいはオリゴ
マーも好ましく用いることができる。本発明のコアシェ
ル微粒子と併用するバインダーの混合比率は特に制限は
ないが、膜質強化の観点と膜内への有効な空隙導入の観
点から本発明の微粒子が30重量%ないし100重量%
が好ましく、50重量%ないし100重量%が特に好ま
しい。
【0023】また、併用されるバインダーのTgは本発
明の微粒子を形成するポリマー成分のTgよりも低いこ
とが好ましい。これにより、併用するバインダーが製膜
時に変形し本発明の微粒子間の結着剤の役目を果たし、
充分な膜強度が期待できる。ただし、併用するバインダ
ーのTgが本発明の微粒子を形成するポリマー(特にコ
アポリマー)成分のTgに極めて近いと本発明の微粒子
が変形してミクロボイドが減少してしまうため、併用す
るバインダーのTgは本発明の粒子のコアポリマーのT
gに比べて5℃以上低いことが好ましく、Tgの幅や製
膜温度のゆらぎを考慮して20℃以上低いことが特に好
ましい。
【0024】また、上記の微粒子や併用バインダーに光
や電子線の様な放射線エネルギーあるいは加熱や電磁波
の様な熱エネルギーで相互に反応して架橋反応可能な官
能基を導入することによっても粒子間の共有結合生成に
よる膜強度向上ができる。架橋性基として好適に使用で
きるものとしては、放射線や熱により反応する官能基で
あれば特に限定はなく、例えば、イソシアナート基、ブ
ロックイソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、
オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラ
ジン基、カルボキシル基、メチロール基、活性メチレン
基を有する化合物のほか、ビニルスルホン酸、酸無水
物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化
メチロール、エステル、ウレタンなどから選ばれる官能
基を含む微粒子やバインダーを挙げることができる。ま
た、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上
記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよ
い。使用する架橋性化合物は相互反応可能な基を導入し
た2種以上の化合物を併用しても良いし、ビニル基、活
性メチレン基など自己架橋が可能な基を分子内に複数個
有する化合物を用いても良い。
【0025】本発明の反射防止膜を形成する基材として
は、各種のプラスチックフィルムが使用でき、セルロー
ス誘導体(例えば、トリアセチル−(TAC)、ジアセ
チル−、プロピオニル−、ブタノイル−、アセチルプロ
ピオニル−アセテート、ニトロ−など)、ポリアミド、
ポリカーボネート、特公昭48−40414号に記載の
ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート、ポリ
−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4−ジ
カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートなど)、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポ
リエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート等のよう
な各種透明樹脂が好ましく用いられる。
【0026】また、多層膜として用いる場合には、本発
明の低屈折率層の下方に設けられる高屈折率層の素材と
して、以下の様なものを用いることができる。有機材料
としては比較的屈折率の高い被膜形成性物質、たとえば
ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状
基、またはフッ素以外のハロゲン基を有する各種重合体
組成物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ないしエポキ
シ樹脂などを硬化剤とする各種熱硬化性樹脂形成性組成
物、脂環式ないしは芳香族イソシアネートおよびまたは
これらとポリオールからなるウレタン形成性組成物、お
よび上記の化合物に2重結合を導入することにより、ラ
ジカル硬化を可能にした各種変性樹脂またはプレポリマ
を含む組成物などが好ましく用いられる。また無機系微
粒子を分散させた有機材料としては一般に無機系微粒子
が高屈折率を有するため有機材料単独で用いられる場合
よりも低屈折率ものも用いられる。上記に述べた有機材
料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエス
テル(アルキドを含む)系重合体、繊維素系重合体、ウ
レタン系重合体、およびこれらを硬化せしめる各種の硬
化剤、硬化性官能基を有する組成物など透明性があり無
機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料が使用
可能である。さらに有機置換されたケイ素系化合物をこ
れに含めることができる。
【0027】これらのケイ素系化合物は一般式 R1 a 2 b SiX4-(a+b) (ここでR1 、R2 は各々アルキル基、アルケニル基、
アリル基、またはハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、
メルカプト基、メタクリルオキシ基ないしシアノ基を有
する炭化水素基。Xはアルコキシル、アルコキシアルコ
キシル、ハロゲンないしアシルオキシ基から選ばれた加
水分解可能な置換基。a、bは各々0ないし2の整数で
かつa+bが1または2である。)
【0028】で表される化合物ないしはその加水分解生
成物である。これに分散される無機化合物としてはアル
ミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなど
の金属元素の酸化物が好ましく用いられる。これらは微
粒子状で粉末ないしは水および/またはその他の溶媒中
へのコロイド状分散体として提供されるものである。こ
れらは上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合
分散される。
【0029】被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料としては各種元素のアルコキ
シド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
がありこれらの好適な例としては、チタンテトラエトキ
シド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ
−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、
チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert
−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニ
ウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキ
シド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブト
キシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウム
テトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−
プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、
ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド、ジルコニウム
テトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合
物、さらにはジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチ
ルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチル
アセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルア
セトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アル
ミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−
ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、ト
リ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセ
テートなどのキレート化合物、さらには炭酸ジルコニー
ルアンモニウム、あるいはジルコニウムを主成分とする
活性無機ポリマーなどをあげることができる。上記に述
べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用で
きるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もし
くはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状
に分散したシリカゲルが用いられる。
【0030】本発明の反射防止フイルムを形成する各層
は一般によく知られた方法、例えばディップコート法、
エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコ
ート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或
いは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホ
ッパーを使用するエクストルージョンコート法等により
塗布することができる。また必要に応じて、米国特許第
2,761,791号、3,508,947号、2,9
41,898号、及び3,526,528号明細書、原
崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝
倉書店発行)等に記載された方法により2層以上の層を
同時に塗布することができる。
【0031】本発明の低屈折率反射防止層は、中間層と
してハードコート層、防湿、帯電防止層等を設ける事も
できる。ハードコート層としては、アクリル系、ウレタ
ン系、エポキシ系のポリマーの他に、シリカ系の化合物
が使用できる。
【0032】本発明の低屈折率反射防止膜層の表面に有
機、無機化合物によって凹凸を形成し、外光を散乱させ
て景色等の写り込みを防ぐアンチグレア効果を付与する
こともできる。しかし、反射防止膜のヘイズ値は3〜3
0%であることが好ましい。また、この反射防止膜は単
独であるいはアンチグレア効果を併用して液晶表示装置
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表
示装置(CRT)などの画像表示装置に適用し、外光の
反射を防止することで、視認性を大幅に改良することが
できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】(コアシェル微粒子の合成) 1)コア微粒子(C−1)の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた5リットル三ツ口フラス
コにドデシル硫酸ナトリウム30gを蒸留水2.7リッ
トルに溶解した溶液を入れ、次いでメタクリル酸ヘキサ
フルオロイソプロピルエステル480gとジビニルベン
ゼン120gの混合溶液を加え、窒素気流下で200r
pmの速度で攪拌した。この反応容器を75℃に加熱
し、過硫酸カリウム12gを水150mlに溶解した開
始剤液を添加して5時間重合させた。この反応液を室温
まで冷却し、分画分子量1万のセルロース膜を用いて透
析し、過剰な界面活性剤や無機塩類を除去した後、濾過
にて不溶分を除去して乳白色の分散液4510gを得
た。この分散液は不揮発分13.2重量%を含む平均粒
子径14.6nmの微細ラテックス液であった。粒子サ
イズはコールター社粒子測定装置N4を用いて動的光散
乱法により評価した。
【0035】2)コアシェル微粒子(CS−1)の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた100ml三ツ口フラス
コに上記1)で合成したコアラテックス(C−1)7
5.7g(固形分濃度13.2重量%、固形分10g)
と過硫酸カリウム0.022gを水10mlに溶解した
開始剤液を入れ、次いでメタクリル酸n−ブチルエステ
ル0.88g、メタクリル酸0.22gの混合溶液を加
え、窒素気流下、75℃で4時間、200rpmの速度
で攪拌し重合を行った。この反応液を室温まで冷却し、
濾過にて不溶分を除去して白色の分散液90.3gを得
た。この分散液は不揮発分11.6重量%を含む平均粒
子径18.0nmの微細ラテックス液であった。
【0036】本発明に用いるその他のコアシェル微粒子
は上記のシード乳化重合法と同じまたはこれに準じた方
法で合成した。これらの方法で合成した本発明のコアシ
ェル微粒子(CS1〜CS8)を下記表1にまとめて示
す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1(反射防止層の塗設と性能評価) 上記表1記載のコアシェル微粒子を用いて表2に示す組
成の水溶液(E1〜E10)を調整した。ただしバイン
ダー(B1〜B3)を併用する際は以下の添加剤をそれ
ぞれ添加した。B1およびB3:光重合開始剤(ジフェ
ニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸)5重量%対バ
インダー。B2:光重合開始剤(商品名:イルガキュア
907、チバガイギー社製)5重量%対バインダー、光
増感剤(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬社
製)1.3重量%対バインダー、乳化剤(ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム)5重量%対バインダー、酢
酸エチル300重量%対バインダー。表2記載の塗布液
をトリアセチルセルロース(以下TACと称す)フィル
ム上にスピンコータを用いて塗布し、100℃で10分
乾燥し、膜厚100nmの低屈折率層を形成した。さら
にバインダー併用膜については12W/cmの高圧水銀
灯を用いて1分間紫外線照射を行った。得られた膜(X
1〜X10)について屈折率、視感反射率(光波長40
0nm〜800nmの平均反射率値)、空隙率の測定お
よび膜表面強度測定を実施した。低屈折率層の空隙率は
層の屈折率を測定し、用いた層構成成分の組成から得ら
れる層の屈折率の計算値との差を空気によるものとして
計算した。膜表面強度はティッシュ、消しゴムでそれぞ
れ擦り目視観察し、いずれの方法でも傷つかないものを
○、ティッシュでは傷つかないが消しゴムで傷つくもの
を△、いずれの方法でも傷つくものを×とした。結果を
表3に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】上記実施例1で用いた本発明の微粒子を表
2に示すとおり本発明外の粒子(C1〜C3)に置き換
えた外は実施例1と同じにして比較サンプル溶塗布溶液
(F1〜F6)を調製し、同条件で製膜して比較サンプ
ル(Y1〜Y6)を得た。得られた膜について上記実施
例1と同じ測定を実施した。結果を表3に併せて示し
た。
【0042】実施例2(重層型反射防止フイルムの作
成) (1)第1層(ハードコート層)の塗設 90μmの厚みを有するTACフィルムに5重量%のジ
ペンタエリスルトールヘキサアクリレートと光重合開始
剤(商品名:イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.5重量%、光増感剤(商品名:カヤキュアーDET
X、日本化薬社製)0.2重量%を含むトルエン溶液を
ワイヤーバーを用いて8μmの厚さに塗布し、これを乾
燥後、100℃に加熱して12W/cmの高圧水銀灯を
用いて1分間紫外線照射し架橋した。その後室温まで放
冷した。
【0043】(2)第2層(高屈折率層)の塗設 別途合成したポリ(n−ブチルメタクリレート−コ−メ
タクリル酸)ラテックス(共重合組成重量比80:2
0、平均粒子径63nm、固形分濃度12.5重量%)
100g、酸化錫微粒子(石原産業(株)より入手の
物)25gを混合し、さらに、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート6g、光重合開始剤(商品名:イル
ガキュア907、チバガイギー社製)0.5g、光増感
剤(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬社製)
0.2g酢酸エチル20gをドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム1gを用いて水100gに乳化分散した乳
化物液を混合、攪拌して塗布溶液を調製した。この液を
上記で作成した第1層の上にワイヤーバーを用いて厚さ
0.16μmに塗布し、これを乾燥後、100℃に加熱
して12W/cmの高圧水銀灯を用いて1分間紫外線照
射し架橋、その後室温まで放冷した。上記方法により屈
折率1.55の高屈折率層を得た。
【0044】(3)第3層(低屈折率層)の作成 上記実施例1の表2記載の塗布液(E1〜E10)を上
記で作成した第2層の上にワイヤーバーを用いて厚さ
0.10μmに塗布し、100#Cで10分乾燥した。さ
らにバインダー併用膜については12W/cmの高圧水
銀灯を用いて1分間紫外線照射を行った。その後室温ま
で放冷し重層型反射防止フイルムARF1〜ARF10
を得た。これらのフイルムの表面性能を表4に示した。
また比較例として上記実施例1の表2記載の塗布液(F
1〜F6)を第3層に使用し比較フイルムCF1〜CF
6を得た。これらの表面性能も表4に併せて示す。
【0045】
【表4】
【0046】本実施例から明らかなように、本発明の反
射防止膜は非常に低い反射率と広い波長領域を有する優
れた反射防止性能を有するだけでなく、十分に強靱な膜
強度を有していることがわかる。
【0047】実施例3(反射防止フイルムを設置した表
示装置の作成) 上記実施例2で作成した反射防止フイルムARF1を日
本電気株式会社より入手したパーソナルコンピューター
PC9821Ns/340Wの液晶ディスプレイ表面に
貼り付け表示装置サンプルを作成し、その表面反射によ
る風景映り込み程度を目視にて評価した。同様に上記方
法で用いる反射防止フイルムを上記実施例2で作成した
フイルム(ARF2)、(ARF8)、(CF1)、
(CF5)を用いて表示装置サンプルを作成した。本発
明の反射防止フイルムへ(ARF1)、(ARF2)、
(ARF8)を設置した表示装置は周囲の風景映り込み
が殆どなく、快適な視認性を示したのに対し、比較用フ
イルム(CF5)を設置した表示装置は周囲の映り込み
が多く、視認性が劣るものであった。また比較用フイル
ムCF1を設置した表示装置は視認性は優れるものの表
面強度が弱く実用に耐え得るものではなかった。
【0048】実施例4(アンチグレア処理を施した反射
防止膜) 表面にアンチグレア処理を施した偏光板であるスミカラ
ンAG2(住友化学(株)製、ヘイズ値:9%)を基材
として、実施例2に記載の反射防止膜(ヘイズ値:9
%)を形成した。この反射防止処理した偏光板を、液晶
表示装置(LCD)の表面側に組み込んだところ、外光
の反射や背景の映り込み等が大幅に減少し、表示品位の
高いディスプレイを得ることができた。
【0049】
【発明の効果】本発明ではコアシェル微粒子を用いて膜
を塗設することにより、空隙を損なうことなく、粒子間
の付着性を改良することができる。これによって反射防
止膜として非常に良好な光学特性を発現し、膜強度、耐
傷性等の膜物性に優れた、安価で大面積な反射防止膜を
製造適性を有した形で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアシェル微粒子から成る層による反
射防止膜の断面図を示す。
【図2】本発明のコアシェル微粒子から成る層と、基材
よりも高い屈折率を有する層から成る反射防止膜の断面
図を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層 2 高屈折率層 3 基材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が200nm以下のコアシェル
    構造微粒子を含む層を有し、該微粒子のシェルポリマー
    のガラス転移温度がコアポリマーのガラス転移温度より
    も低いものであり、該層が低屈折率層であることを特徴
    とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 該低屈折率層が少なくとも3体積%以上
    の空隙を含有していることを特徴とする請求項1に記載
    の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 該微粒子のシェルポリマーが少なくとも
    一種の反応性官能基を有することを特徴とする請求項1
    または2に記載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 該微粒子のコアポリマーが架橋構造を有
    することを特徴とする請求項1乃至3記載の反射防止
    膜。
  5. 【請求項5】 前記反射防止膜のヘイズ値が3〜30%
    であることを特徴とする請求項1乃至4記載の反射防止
    膜。
  6. 【請求項6】 平均粒径が200nm以下のコアシェル
    構造微粒子を含む層を有し、該微粒子のシェルポリマー
    のガラス転移温度がコアポリマーのガラス転移温度より
    も低いものであり、該層が低屈折率層である反射防止膜
    を配置した表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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