JP2009280634A - 予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧縮比を備えた予混合圧縮自己着火燃焼において、着火性に優れ、十分に優れた排気ガス特性、高い熱効率及び運転可能範囲の広い燃料油組成物を提供すること。
【解決手段】リサーチ法オクタン価(RON)が60以上89以下、RONとモーター法オクタン価(MON)の差(RON−MON)が6以下、硫黄分が10massppm以下、50%留出温度(T50)が75℃〜110℃、15℃における動粘度が0.5〜0.7mm2/s、25℃における表面張力が15〜25mN/m、アロマ分が15vol.%以下、オレフィン分とアロマ分の合計量が25vol.%以下である性状を有しており、調製に用いた調合基材のうち、アロマ分が90vol.%以上の基材の配合量が10 vol.%以下であり、かつアロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材の配合量が40vol.%以下である予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車エンジン用などの燃料に関し、更に詳しくは、着火性に優れ、優れた排気ガス特性及び高い熱効率を示す予混合圧縮自己着火燃焼を広範囲に達成することができる燃料油組成物に関する。
近年、地球温暖化問題とともに地域的な大気環境汚染問題が注目されており、二酸化炭素(CO2)の削減や、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の低減が望まれている。自動車は、大気汚染物質の主要な排出源の一つであり、エネルギー効率の向上と排出ガスの低減が求められている。自動車を動かす内燃機関の一つに、燃料と空気の予混合気をピストンにより圧縮し火花点火させ火炎伝播により燃焼させるガソリンエンジンがあり、ガソリンエンジンは、理論空燃比近傍で運転するために排出ガスの後処理が容易である反面、圧縮比が低いため熱効率に劣るといった欠点がある。
このガソリンエンジンの高効率・低公害化のために、予混合圧縮自己着火燃焼の実用化が期待されている。しかし、予混合圧縮自己着火燃焼は、燃料・空気予混合気が多点で同時期に着火するために燃焼速度が速く、着火制御が困難であり、燃焼温度が低いがゆえ未燃焼炭化水素(HC)排出量が多いなど実用化に向けて多くの課題を抱えている。着火制御に関しては、吸気温度制御、圧縮比調整、燃料噴射系制御、残留ガスあるいはEGR(排気ガス再循環)の利用などエンジン側での制御方法が挙げられ、各方面で研究が活発に行われている(例えば、非特許文献1参照)。一方、予混合圧縮自己着火燃焼における着火は与えられた場における燃料の酸化反応に依存しており、燃料の化学構造も予混合圧縮自己着火燃焼をコントロールする重要な因子の一つである。予混合圧縮自己着火燃焼において優れた着火性を有するものとして開発された燃料油組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、そのような燃料油組成物をもってしても、十分な熱効率や排出ガス特性及び可能な運転範囲が限られるという問題がある。
Edited by Fuquan Zhao, Homogeneous Charge Compression Ignition Engines, SAE PT-94. 特開2007-291309号公報
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑みてなされたものであり、高圧縮比を備えた予混合圧縮自己着火燃焼において、着火性に優れ、十分に優れた排気ガス特性、高い熱効率及び運転可能範囲の広い燃料油組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、一般的なガソリンのオクタン価よりも低オクタン価でかつ、特定の基材を配合し、かつ特定の組成を有する燃料組成物により、上記目的が達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、次の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物を提供する。
(1)リサーチ法オクタン価(RON)が60以上89以下、リサーチ法オクタン価(RON)とモーター法オクタン価(MON)の差(RON−MON)が6以下、硫黄分が10massppm以下、50%留出温度(T50)が75℃〜110℃、15℃における動粘度が0.5〜0.7mm2/s、25℃における表面張力が15〜25mN/m、アロマ分が15vol.%以下、オレフィン分とアロマ分の合計量が25vol.%以下である性状を有しており、調製に用いた調合基材のうち、アロマ分が90vol.%以上の基材の配合量が10 vol.%以下であり、かつアロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材の配合量が40vol.%以下であることを特徴とする予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物によれば、一般的なガソリンなどを用いた場合に比べて、高圧縮比を備えた予混合圧縮自己着火燃焼において、着火性に優れ、十分に優れた排気ガス特性、高い熱効率及び運転可能範囲の拡大が達成される。本発明の燃料油組成物の上記優れた作用効果は、本発明に規定する燃料油組成物の諸性状に関する要件と、調製に用いる調合基材に関する要件とが相俟って達せられるものと考えられ、これらの要件のいずれが欠けても本発明の燃料油組成物の上記優れた作用効果は達せられない。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、リサーチ法オクタン価(RON)が60以上89以下であり、好ましくは63以上86以下である。RONが60未満であると、予混合圧縮自己着火燃焼時に上死点よりも早く自己着火する過早着火となる場合があり、適切な燃焼が達成されない。一方、89より高いと着火させるために吸入空気温度を高く設定する必要があり、吸気効率の低下による燃費の悪化が生じる場合があることに加え、予混合圧縮自己着火が達成されない場合がある。
また、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、モーター法オクタン価(MON)が54以上89以下であることが好ましく、更に好ましくは57以上88以下である。MONが54以上89以下であれば、適切な時期に混合気の自己着火が生じ、かつ予混合圧縮自己着火燃焼において未燃炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの排出を抑制できる。
そして、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物では、リサーチ法オクタン価(RON)とモーター法オクタン価(MON)の差(RON−MON)を6以下、好ましくは5.5以下とする。RON−MONが6を超えると、予混合圧縮着火自己燃焼において未燃炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの排出が多くなる場合がある。なお、RONとMONは、JIS K 2280に準拠して測定できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、硫黄分が10massppm以下であり、好ましくは8massppm以下である。硫黄分が10massppm以下であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止し、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度上昇を防止できる。なお、硫黄分は、JIS K 2541に準拠して測定できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、50%留出温度(T50)が75℃〜110℃であり、好ましくは75℃〜105℃、より好ましくは75℃〜95℃の範囲である。T50が上記範囲内であれば、運転性や加速性といった自動車用内燃機関としての特性を発揮できる。なお、T50は、JIS K 2254に準拠して測定できる。
また、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物では、70℃流出量(E70)が18〜40vol.%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは20〜40vol.%の範囲である。E70が上記範囲内であれば燃料空気予混合気の形成が容易であり、かつ運転性や加速性といった自動車用内燃機関としての特性を発揮できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、15℃における動粘度が0.5〜0.7mm2/sであり、好ましくは0.51〜0.69mm2/sである。動粘度が上記範囲内であれば、適切な燃料噴霧が達成され、燃料空気予混合気の形成が容易になり、HCやCOなどの不完全燃焼生成物を抑制することができる。なお、動粘度は、JIS K 2249に準拠して測定できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、25℃における表面張力が15〜25mN/mであり、好ましくは16〜24mN/mである。表面張力が上記範囲内であれば、適切な燃料噴霧が達成され、燃料空気予混合気の形成が容易になり、HCやCOなどの不完全燃焼生成物を抑制することができる。なお、表面張力は、JIS K 2241に準拠して測定できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、リード蒸気圧(RVP)が44〜93kPaの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは50〜90kPaの範囲である。上記範囲内であれば、エンジンの始動性に問題なく、かつ車輌からの蒸発ガスの抑制ができる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、アロマ分が15vol.%以下、好ましくは13vol.%以下、より好ましくは10 vol.%以下であり、オレフィン分とアロマ分の合計量が25vol.%以下であり、好ましくは20vol.%以下、より好ましくは15 vol.%以下である。アロマ分やオレフィン分の含有量が上記上限を超えると、予混合圧縮着火自己燃焼において未燃炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの排出が多くなる場合がある。なお、アロマ分やオレフィン分含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、その調製に用いる調合基材のうち、アロマ分が90vol.%以上の基材の配合量が10 vol.%以下であり、かつアロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材の配合量が40vol.%以下である。当該燃料油組成物の調製に当たり、これらアロマ分が90vol.%以上の基材や、アロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材の各配合量が、上記範囲を超えると、予混合圧縮着火自己燃焼において未燃炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの排出が多くなる場合がある。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物の調製に用いる調合基材としては、例えばアロマ分が90vol.%以上の基材が挙げられ、これは重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法など)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ単体に白金や路地有無と塩素とを担持したものなど)と接触処理して得られた改質ガソリンのうち、蒸留により分けられた100℃以上の留分からなる重質接触改質ガソリンやそれから更に分留して得られるトルエン留分、キシレン留分、炭素数9以上の芳香族留分などである。
また、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物の調製に用いる調合基材としては、例えばアロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材が挙げられ、これは灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリンなどである。
しかして、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、上記記載の基材と配合量が制限される以外は、調合基材について特に制限されるものではなく、種々の方法で得られた、種々の調合基材を用いることができる。例えば、原油を常圧蒸留し得られるライトナフサ留分やヘビーナフサ留分を脱硫処理して得られる水素化ライトナフサや水素化ヘビーナフサ、水素化ライトナフサを異性化し得られるアイソメレート、アルキレーション装置から得られるアルキレート、接触改質装置から得られるライトリフォーメートなどのアロマやオレフィン含有量の比較的少ない基材を好適に使用できる。また、合成ガスからFT反応により得られるGTLナフサ留分及びFT反応により得られるWAX分を水素化分解処理して得られるナフサなども利用できる。
上記ライトナフサは、原油を常圧蒸留した直留ナフサを脱硫処理して得られた脱硫直留ナフサを蒸留により、軽質留分と重質留分に分けた軽質留分であり、本発明の燃料油組成物に用いられるライトナフサは、RONが65以上、好ましくは67以上、リード蒸気圧(RVP)が80kPa以上、好ましくは85kPa以上、沸点範囲が25〜100℃、T50が65℃以下、好ましくは60℃以下、アロマ分が5 vol.%以下、好ましくは3 vol.%以下、オレフィン分が2 vol.%以下、好ましくは1.5 vol.%以下の性状を有することが望ましい。
上記ヘビーナフサは、原油を常圧蒸留した直留ナフサを脱硫処理して得られた脱硫直留ナフサを蒸留により、軽質留分と重質留分に分けた重質留分であり、本発明の燃料油組成物に用いられるヘビーナフサは、RONが40以上、好ましくは42以上、沸点範囲が80〜180℃、T50が130℃以下、好ましくは120℃以下、アロマ分が15 vol.%以下、好ましくは10 vol.%以下、オレフィン分が2 vol.%以下、好ましくは1.5 vol.%以下の性状を有することが望ましい。
上記アルキレートは、イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるものである。本発明の燃料油組成物では、各種のアルキレートを用いることができるが、C8留分が65 vol.%以上、好ましくは70 vol.%以上のもので、イソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)が28 vol.%以上、好ましくは30 vol.%以上であるものが望ましい。また、該アルキレートは、RON 93以上、好ましくは94以上、T50が104℃以上、好ましくは105℃以上のものが望ましい。
更に、本発明の燃料油組成物には、原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、又は分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、あるいはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン等を配合することも好適である。
また、上記ライトリフォーメートは、重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた軽質留分であり、本発明の燃料油組成物には、RON 70以上、好ましくは73以上、沸点範囲25〜100℃、T50が40℃以上、好ましくは43℃以上、アロマ分が5 vol.%以下、好ましくは3 vol.%以下、オレフィン分が3 vol.%以下、好ましくは2 vol.%以下のものが望ましい。
また、上記合成ガスからフィッシャートロプッシュ(FT)反応により得られるGTLナフサ留分、及びFT反応により得られるWAX分を水素化分解処理して得られるナフサは、沸点範囲によりライトナフサ留分とヘビーナフサ留分に分けることができ、それぞれ沸点範囲25〜100℃、100〜180℃程度の範囲にあり、アロマ分が5 vol.%以下、好ましくは3 vol.%以下、オレフィン分が3 vol.%以下、好ましくは2 vol.%以下のものが望ましい。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物は、上記のような種々の基材を調合基材として用いて、但し上記一定の基材の配合量は上記のように制限して、上記本発明で規定する性状を有するように適宜混合することによって調製することができる。
また、得られた本発明の燃料油組成物は、15℃密度が0.650〜0.783g/cm3の範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.650〜0.770g/cm3の範囲である。密度が上記範囲内であれば、車輌燃費の低下や未燃炭化水素や一酸化炭素の排出を抑制できる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。この添加剤としては、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミン、ポリイソブチレンアミン等の清浄分散剤、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種又は数種組み合わせて添加することができる。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1〜10、比較例1〜7
表1に示す性状の基材を表2に示す処方で燃料油組成物を調製し、表3に示す実施例1〜10、比較例1〜7の燃料油組成物を得た。得られた燃料油組成物について以下に述べる各種性能評価試験を実施した。試験結果を表4に示した。
なお、表1に示す基材のうち、C4はブタン、UFT-LNは直留ライトナフサを水素化精製した水素化ライトナフサ(沸点30〜90℃程度)、UFT-HNは直留ヘビーナフサを水素化精製した水素化ヘビーナフサ(沸点100〜150℃程度)、Isomerateは直留ライトナフサを水素化精製後、異性化処理したアイソメレート(沸点30〜80℃程度)、L-RMTは直留ヘビーナフサを水素化精製後に改質処理し得られたリフォーメートのベンゼンより軽い留分を主体とするライトリフォーメート(沸点30〜70℃程度)、H-RMTは直留ヘビーナフサを水素化精製後に改質処理し得られたリフォーメートのベンゼンより重質な留分を主体とするヘビーリフォーメート(沸点100〜170℃程度)、Alkylateはアルキレーション装置から得られるアルキレート(沸点30〜180℃程度)、L-FCCGは流動接触分解装置から得られるライトFCCガソリン(沸点30〜90℃程度)、FCCGは流動接触分解装置から得られるFCCガソリン留分(沸点30〜200℃程度)、HCNは流動接触分解装置から得られる重質FCCガソリン留分(沸点100〜200℃程度)、GTL-St-LNは合成ガスからFT合成により得られるライトナフサ留分を水素化精製処理したもの(沸点30〜80℃程度)、GTL-St-HNは、合成ガスからFT合成により得られるヘビーナフサ留分を水素化精製処理したもの(沸点90〜150℃程度)、GTL-Cr-LNは合成ガスからFT合成により得られるWAX分を水素化分解処理して得られるライトナフサ留分(沸点30〜80℃程度)、GTL-Cr-HNは合成ガスからFT合成により得られるWAX分を水素化分解処理して得られるヘビーナフサ留分(沸点90〜150℃程度)をそれぞれ示す。
なお、表中のRONとMONはJIS K 2280、密度はJIS K 2249、蒸気圧はJIS K 2258、硫黄分はJIS K 2541、E70やT50はJIS K 2254、アロマやオレフィン含有量は石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)、動粘度はJIS K 2249、表面張力はJIS K 2241により測定した。
(試験に用いたエンジン)
直列4気筒、排気量2000cc、圧縮比14のDOHC 4valveのシリンダー内直接燃料噴射式エンジンを用いた。エンジンはエンジンベンチダイナモに設置され、燃焼室内圧力が筒内圧センサーにより測定できる。
(着火性試験)
エンジン回転数を1500rpm、吸入空気温度を200℃一定とし、空燃比が50となるような条件において、実施例及び比較例の燃料油組成物の自己着火時期を計測した。この時、上死点よりも10°以上前に着火してしまった場合を「過早着火」、着火時期が上死点前10°から上死点後10°までに着火する場合を、「適切な着火時期」と定義し、上死点後10°を過ぎても着火せず失火する場合を「着火せず」と定義した。
(燃費・排ガス試験)
エンジン回転数が1500rpm、図示平均有効圧が250kPaの条件で、着火時期が上死点前10°から上死点後10°の範囲になるように吸入空気温度を調整して運転した際の燃料消費率、HC及びCOの排出ガスを測定した。燃料消費は燃料流量計により、排出ガスはエンジン排ガス測定装置により計測した。
燃料消費が200g/kWh以下のとき良好な燃費特性が得られていると判定し、HCが2500ppm以下、COが0.18%以下のときエンジンから排出される排出ガスの不完全燃焼分が十分低いと判断した。
(運転可能範囲試験)
エンジン回転数1500rpmにおいて、吸入空気温度を調整しながらノッキング強度が50kPa以下、COV(燃焼指圧により得られる図示平均有効圧の変動率)が5%以下である図示平均有効圧の範囲を計測した。図示平均有効圧の上限が400kPa以上である場合に広範に予混合圧縮自己着火燃焼が達成されると判定した。
Figure 2009280634
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Figure 2009280634
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第4表から明らかなように、本発明の実施例の燃料油組成物は、適切な予混合圧縮自己着火時期を示しており、燃料消費率、HC、COの排出ガスレベルに優れ、かつ予混合圧縮自己着火燃焼の運転可能範囲も十分広範であることが分かる。
一方、比較例1、6のようにRONが60以上89以下の範囲にない燃料油組成物の場合、予混合圧縮自己着火時期が適切でなく、運転可能範囲が狭いことがわかる。
また、比較例3、4のようにRON−MON及びアロマ量やアロマ分+オレフィン分量が上記規定範囲から外れる燃料油組成物の場合、HCやCO排出レベルが高い、あるいは運転可能範囲が狭いことがわかる。
更に、比較例2、5のようにRON、RON−MON及びアロマ分量やアロマ分+オレフィン分量が上記規定範囲から外れる場合には、予混合圧縮自己着火時期が適切でなく、HCやCO排出レベルが高く、かつ運転可能範囲が狭いことがわかる。
また、RONが60以上89以下の範囲にあっても、動粘度や表面張力などが上記規定範囲を外れる比較例7の場合、HCやCO排出レベルが最も高く、かつ運転可能範囲が狭いことがわかる。
本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物によれば、一般的なガソリンなどを用いた場合に比べて、高圧縮比を備えた予混合圧縮自己着火燃焼において、着火性に優れ、十分に優れた排気ガス特性、高い熱効率及び運転可能範囲の拡大が達成されるので、本発明の燃料油組成物は、予混合圧縮自己着火燃焼内燃機関において広く用いられるものとみられる。

Claims (1)

  1. リサーチ法オクタン価(RON)が60以上89以下、リサーチ法オクタン価(RON)とモーター法オクタン価(MON)の差(RON−MON)が6以下、硫黄分が10massppm以下、50%留出温度(T50)が75℃〜110℃、15℃における動粘度が0.5〜0.7mm2/s、25℃における表面張力が15〜25mN/m、アロマ分が15vol.%以下、オレフィン分とアロマ分の合計量が25vol.%以下である性状を有しており、調製に用いた調合基材のうち、アロマ分が90vol.%以上の基材の配合量が10 vol.%以下であり、かつアロマ分とオレフィン分を合計45vol.%以上含む基材の配合量が40vol.%以下であることを特徴とする予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物。
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