JP2005133006A - 無鉛高オクタン価ガソリン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ETBEを1〜25容量%、(B)特定の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%、又は特定の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜15容量%、特定性状の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%、(C)特定性状の軽質接触分解ガソリンを10〜50容量%含み、RONが98以上、MONが86以上、芳香族分含有量が45容量%以下、オレフィン分含有量が25容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、T50が80〜110℃、E70が20〜45容量%、RVPが44〜93kPa、かつ60℃における気液比が30〜70の無鉛高オクタン価ガソリン。
【選択図】 なし
Description
従来、特許文献1に記載される軽質で高オクタン価の含酸素基材であるメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)を配合することにより、一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)が低減でき、低温運転性にも優れたガソリンの生産・販売が最近まで行われていた。
しかし、MTBEの環境面への影響が懸念され、現在はMTBEを配合したガソリンの生産・販売が自粛され、そのオクタン価低下を補うために、重質で芳香族分含有量の多い高オクタン価基材を配合したガソリンが生産されるようになってきた。
このような低温時の運転性の向上を図るには、低沸点留分のオクタン価を高めることが重要であり、その要求を満たすものとしては軽質・高オクタン価でプラグの対くすぶり性にも有効な性質を有する含酸素化合物が挙げられる。その含酸素化合物としては、例えば、前述のメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)以外に、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)やターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)(SAE 912313)が知られている。
また、アルコールやエーテル類等の含酸素化合物を混合したガソリン(SAE902132)も知られているが、これらのガソリンは始動性、運転性などの点において、未だ満足できない場合もあり、一層の改良が望まれている。
即ち、本発明は、下記構成の無鉛ガソリンであり、これにより上記本発明の目的が達成される。
1.(A)エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を1〜25容量%、
(B)(b−1)リサーチ法オクタン価(RON)が100以上、モーター法オクタン価(MON)が88以上、リード蒸気圧(RVP)が30kPa以上、及び沸点範囲が30〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%、又は
(b−2)RONが78以上、MONが70以上、RVPが85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜15容量%、RONが101以上、MONが89以上、RVPが3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%、および
(C)RONが93以上、MONが81以上、RVPが90kPa以上、沸点範囲が25〜110℃の軽質接触分解ガソリンを10〜50容量%
含み、RONが98以上、MONが86以上、芳香族分含有量が45容量%以下、オレフィン分含有量が25容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50%留出温度(T50)が80〜110℃、70℃留出量(E70)が20〜45容量%、RVPが44〜93kPa、かつ60℃における気液比(V/L)が30〜70であることを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン(以下「無鉛ガソリンI」という)。
2.さらに、(D)RONが93以上、MONが90以上、RVPが40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃、C8留分が65容量%以上のアルキレートを5〜30容量%含むことを特徴とする上記1に記載の無鉛高オクタン価ガソリン(以下「無鉛ガソリンII」という)。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンIは、成分(A)、(B)および(C)を必須成分として含む。無鉛高オクタン価ガソリンIIは、上記成分(A)〜(C)に加えて成分(D)を必須成分として含む。
成分(A)のエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)は、エタノールとイソブチレンの反応生成物として得られるもので、純度95.0%以上のものが好ましい。
脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンは、重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の軽質留分である。該軽質留分は、RONが78以上、好ましくは78〜90、MONが70以上、好ましくは70〜83、RVPが85kPa以上、好ましくは85〜105kPa、沸点範囲が26〜80℃の性状を有する。
脱ベンゼン重質接触改質ガソリンは、改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の重質留分である。該重質留分は、RONが101以上、好ましくは101〜110、MONが89以上、好ましくは89〜98、RVPが3kPa以上、好ましくは3〜15kPa、沸点範囲90〜200℃の性状を有する。
無鉛高オクタン価ガソリンIIは、上記無鉛高オクタン価ガソリンIの成分(A)、(B)、(C)と成分(D)であるアルキレートを5〜30容量%、好ましくは5〜25容量%の範囲で適宜配合すれば良い。
なお、(A)成分のETBEが25容量%を超えるものは、発熱量の低下による燃費への影響が懸念される。
無鉛高オクタン価ガソリンI及びIIの芳香族分が上記範囲以上になると、プラグのくすぶりが発生する可能性、あるいは排気ガス中の有害成分が増加する場合がある。また、オレフィン分が上記範囲を超えると、酸化安定性が劣る場合、排出ガス中のNOxが増加する場合があるため好ましくない。
また、T50、E70、RVP、あるいは60℃におけるV/Lが上記範囲外では、始動性、加速性、運転性に不具合を生じる場合があり好ましくない。
また、ベンゼン含有量が1容量%を超えると排出ガス中のベンゼン濃度が高くなる場合があり、硫黄分が10質量ppmを超えると排出ガス浄化性能に影響する可能性があるため好ましくない。
(実施例1、2及び4)
接触分解装置、接触改質装置又は常圧蒸留装置から生成するC4留分(ブタン、ブテン類)、下記性状の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、アルキレート、およびETBEを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
・脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン
芳香族分が1.1容量%、オレフィン分が1.7容量%、T50が45.0℃、E70が100容量%、RVPが102.5kPa、RONが86.3、MONが79.2
・脱ベンゼン重質接触改質ガソリン
芳香族分が88.2容量%、オレフィン分が0.4容量%、T50が123.0℃、E70が0.0容量%、RVPが7.0kPa、RONが103.9、MONが91.5
・軽質接触分解ガソリン
芳香族分が1.2容量%、オレフィン分が44.3容量%、T50が48.5℃、E70が91.5容量%、RVPが105.0kPa、RONが93.7、MONが81.7
・アルキレート
芳香族分が0.2容量%、オレフィン分が0.0容量%、T50が106.0℃、E70が8.5容量%、RVPが48.0kPa、RONが94.6、MONが91.9
実施例1,2及び4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、軽質接触分解ガソリン、アルキレート、ETBEおよび下記性状の脱ベンゼン接触改質ガソリンを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
・脱ベンゼン接触改質ガソリン
芳香族分が70.8容量%、オレフィン分が0.9容量%、T50が124.0℃、E70が10.0容量%、RVPが41.5kPa、RONが102.2、MONが90.0
実施例1、2及び4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、及びETBEを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
実施例1、2及び4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、及びアルキレートを表1に記載に従って配合し、表1に記載する性状のガソリンを得た。
実施例1、2及び4に記載の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、及び軽質接触分解ガソリンの配合により、表1に記載する性状のガソリンを得た。
実施例1、2及び4に記載の脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、及びアルキレートを表1に記載に従って配合し、表1に記載する性状のガソリンを得た。
総排気量2L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT)の車両を用い、−10℃の試験温度条件で、1サイクル約30分(エンジン始動⇒10−20km/hの加減速を10回繰り返し⇒28分間冷却)の繰返し試験を行い、そのプラグの絶縁抵抗を測定することによりプラグの汚損度を測定した。なお、プラグのくすぶりは、プラグの絶縁抵抗値が100MΩ以下で発生したと判定した。
代表的な国産乗用車(総排気量1.5L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT))を用いて、環境温度(室温、油温)−10℃にてエンジンを始動し、完爆時間(クランキング後、エンジンが自力で回転を続けられるようになるまでの時間)を測定した。
代表的な国産乗用車(総排気量1.5L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT))を用いて、CRC Report No.490に準拠して行った。
ここで、加速性試験は、40km/hから120km/hになるまでの時間(加速時間)を測定し、下記数式(1)を用いて加速時間増加率を求めた。
また、高温再始動性試験は、キーオフソーク後の始動時間を測定した。
加速時間増加率(%)=[(キーオフソーク後加速時間(sec)−基準加速時間(sec))/基準加速時間(sec)]×100・・・・・数式(1)
国産乗用車(総排気量2.5L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT)、三元触媒装着)を用いて、10・15モードでの排出ガス試験を行い、一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)、窒素酸化物(NOx)を測定した。
Claims (2)
- (A)エチルターシャリーブチルエーテルを1〜25容量%、
(B)(b−1)リサーチ法オクタン価が100以上、モーター法オクタン価が88以上、リード蒸気圧が30kPa以上、及び沸点範囲が30〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%、又は
(b−2)リサーチ法オクタン価が78以上、モーター法オクタン価が70以上、リード蒸気圧が85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜15容量%、リサーチ法オクタン価が101以上、モーター法オクタン価が89以上、リード蒸気圧が3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%、および
(C)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価81以上、リード蒸気圧が90kPa以上、沸点範囲が25〜110℃の軽質接触分解ガソリンを10〜50容量%含み、リサーチ法オクタン価が98以上、モーター法オクタン価が86以上、芳香族分含有量が45容量%以下、オレフィン分含有量が25容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50%留出温度が80〜110℃、70℃留出量が20〜45容量%、リード蒸気圧が44〜93kPa、かつ60℃における気液比(V/L)が30〜70であることを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。 - さらに、(D)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が90以上、リード蒸気圧が40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃、C8留分が65容量%以上のアルキレートを5〜30容量%含むことを特徴とする請求項1に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
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