JP4913430B2 - 無鉛高オクタン価ガソリン - Google Patents

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Description

本発明は、エタノールおよびエチル・ターシャリー・ブチル・エーテルを配合したガソリンに関し、詳しくは特定された蒸留性状及び特定された成分組成を有し、自動車用燃料として環境に配慮し、かつ始動性、運転性、及び吸気バルブの清浄性に優れた無鉛高オクタン価ガソリンに関する。
近年、ガソリンエンジン用燃料油としては、高オクタン価で運転性能に優れると共に、環境性能にも優れるものが要望されるようになってきた。
一般に、高オクタン価ガソリンとして、重質で芳香族分含有量の多い高オクタン価基材を配合し、特定の蒸留性状及び成分組成を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この高オクタン価ガソリンの場合、重質で芳香族分含有量が多い高オクタン価基材を配合するために、高沸点留分のオクタン価は向上するが、ガソリンの重質化、エンジン内のデポジットの生成、特に吸気バルブへのデポジットの付着、及び運転性への影響等が懸念される。
このような、ガソリンの重質化、吸気バルブへのデポジットの付着を改善するには、軽質・高オクタン価基材を配合することが重要であると考えられる。
また、自動車排出ガス中の一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)等の低減には、含酸素化合物であるメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)を配合したガソリンが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、MTBEの環境面への影響が懸念され、現在は日本国内でのMTBEを配合したガソリンの生産・販売が自制されている。MTBEはオクタン価が高い基材であるために、MTBEの配合を中止する場合には、それに代わる高いオクタン価基材が必要とされている。その中で、ガソリンのオクタン価低下を補い、また環境負荷が低いと考えられる、MTBE以外の含酸素有機化合物が新しいガソリン基材として注目されている。中でも、エタノールは、オクタン価も高く、芳香族分やオレフィン分を含まず、バイオマスとして考える場合には再生可能燃料としてとらえることができるといった利点を有している(例えば、非特許文献1参照)。
一方、CO削減の観点から、バイオマス由来のエタノールあるいはそれから派生するETBEをガソリンへ混合する議論がされている。しかしながら、CO削減量を多くするために、エタノールをよりガソリンに配合しようとすると、炭化水素とエタノールの共沸現象が顕著になり、蒸留曲線がいびつになることで運転性などが悪化する場合があることが知られている。これを回避するために、エタノールをイソブチレンと反応させて得られるETBEをガソリンへ配合することが考えられるが、バイオマス混合によるCO削減の観点から見ると、多量のETBEをガソリンへ配合する必要が生じ、ガソリン生産の経済性が劣ることになる。
エタノールとETBEをガソリンに配合したものとしては、エタノールを1〜10容量%、エチル・ターシャリー・ブチル・エーテルを1〜20容量%、炭素数4の炭化水素を5.5容量%以上含有したものや、エタノールを1〜3容量% 、エチル・ターシャリー・ブチル・エーテルを0〜20容量%含有するガソリン組成物が挙げられる(例えば、特許文献3、特許文献4)。
特許文献3は、エタノールの蒸気圧が従来の石油のみから製造されるガソリンよりも高いことから、エタノールを添加した場合でも、軽質な炭化水素の含有量を減らすことのないことを課題としており、特許文献4は、エタノールの水分の影響について検討し、比較的低濃度のエタノールを添加した場合でも相分離が起こりにくいガソリンの提供を課題としている。しかし、いずれもエタノールとETBEを配合したガソリンによる自動車の始動性や加速性については更なる改善が必要である。
特開平7-207286号公報 特公平5-53197号公報 特開2005-213332号公報 特開2005-187706号公報 「オートモーティブ フューエルス リファレンス ブック」第2版、Owen, K. and Coley, T., p268(1995)
本発明は、大気環境に配慮し、自動車の始動性や加速性及びIVD生成が抑制されて吸気バルブの清浄性にも優れたエタノールおよびエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル配合無鉛高オクタン価ガソリンを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、軽質な高オクタン価基材であるエタノール(EtOH)とエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(ETBE)を選定し、EtOHとETBEの特定量と特定の成分組成及び特定の蒸留性状を有するようにガソリンを構成することにより、燃料油中の芳香族分含有量を抑えつつ、吸気バルブの清浄性を改善し、かつ、優れた諸性能を有するガソリンが得られ、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記無鉛高オクタン価ガソリンを提供する。
[1] エタノール(EtOH)を0.5〜10.0容量%、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を0.5〜15.0容量%含み、下記(i)及び(ii)の少なくとも一方を含み、
(i)リサーチ法オクタン価(RON)が100以上、モーター法オクタン価(MON)が88以上、リード蒸気圧(RVP)が30kPa以上、沸点範囲が30〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%
(ii)リサーチ法オクタン価(RON)101以上、モーター法オクタン価(MON)が89以上、リード蒸気圧(RVP)が3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%
かつ、以下の性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
(1)リサーチ法オクタン価(RON)が97〜105
(2)モーター法オクタン価(MON)が84〜92
(3)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
(4)50%留出温度(T50)が75〜110℃
(5)芳香族分含有量が45容量%以下
(6)オレフィン分含有量が25容量%以下
(7)ベンゼン含有量が1容量%以下
(8)硫黄分含有量が10質量ppm以下
(9)60℃における気液比(V/L)が30〜70
(10)下記式(1)で表される多環芳香族指数が3.61以下
Y=(0.002×3R−A)+(0.01×4R−A)+(0.07×5R−A)+(0.2×6R+−A)・・・・(1)
(式中、3R−Aは3環芳香族分量を表し、4R−Aは4環芳香族分量を表し、5R−Aは5環芳香族分量を表し、6R+−Aは6環以上の芳香族分量を表す。なお、該芳香族分量はいずれもガソリン中の含有量で質量ppmを示す。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、エタノールとエチルターシャリーブチルエーテルを特定量配合し、自動車のガソリンエンジンに用いられ、大気環境の保全性に優れ、始動性や運転性にも優れたものであり、実用性能を維持しつつ大気環境の保全が図られるものである。また、多環芳香族分を環数の多いものほど含有量を順次低く制限して、エンジン内のデポジットの生成の抑制、特に吸気バルブへのデポジットの付着の抑制や、排出ガス中の有害成分量の一層の低減を図っている。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンに用いられるエタノール(EtOH)は、純度が92.0容量%以上であって、好ましくは95.0容量%以上、更に好ましくは99.5容量%以上である。
エタノールの製造方法は特に限定されるものではなく、一般的に製造される全てのエタノールが使用可能である。
エタノールの含有量は、エタノール配合ガソリン全量に対し0.5容量%以上10.0容量%以下の範囲にあり、好ましくは1.0容量%以上7.0容量%以下である。0.5容量%以上であれば、エタノール配合によるオクタン価向上の利点が得られ、10.0容量%以下とすることで他のガソリン基材との共沸現象により蒸発特性が著しく変化することがなく、ガソリン自動車の適正な運転性が確保できる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンに用いられるエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)は、公知の製造法から得られるもの全て使用可能であり、その製造方法は特に限定されるものではない。本発明の無鉛高オクタン価ガソリンにおけるETBEの配合量は0.5〜15.0容量%、好ましくは1.0〜10.0容量%である。ETBEの配合量が上記範囲内であれば、発熱量の低下による燃費への悪影響の懸念なく、排出ガス中のCO、THC等の低減などを図ることができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの(a)リサーチ法オクタン価(RON)は、97〜105、好ましくは97〜102、(b)モーター法オクタン価(MON)は、84〜92、好ましくは84〜90であり、RONが97以上ならば、高い運転性能を維持することが可能となり、MONが84以上であれば高速走行時のアンチノック性の低下を防止することができる。なお、このRON及びMONは、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのリード蒸気圧(RVP)は、45〜93kPa、好ましくは50〜90kPaである。RVPを93kPa以下にすることによって蒸発ガスの量を少なくすることができ、45kPa以上とすることで低温始動性、暖気性の低下を防ぐことができる。なお、このリード蒸気圧(RVP)は、JIS K 2258に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの蒸留性状は、50%留出温度(T50)が、75〜110℃、好ましくは75〜105℃であり、T50が上記範囲内であれば、始動性、運転性、加速性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの芳香族分含有量は、45容量%以下、好ましくは5〜45容量%である。この芳香族分含有量が45容量%以内であれば、排出ガス中の有害成分の増加を防ぐことができる。なお、この芳香族分含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのオレフィン分含有量は、25容量%以下、好ましくは5〜25容量%である。このオレフィン分含有量が25容量%以内であれば、酸化安定性の低下を防ぐことができる。なお、このオレフィン分含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのベンゼン含有量は、1容量%以下、好ましくは0.8容量%以下である。このベンゼン含有量が1容量%以内であれば、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる可能性がある。なお、このベンゼン含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの硫黄分含有量は、10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。この硫黄分含有量が10質量ppm以内であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止し、排出ガス中のNOx、CO、THCの濃度上昇を防止できる可能性がある。なお、この硫黄分含有量は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの60℃における気液比(V/L)は、30〜70、好ましくは30〜60である。このV/Lが30以上とすることで、良好な始動性を確保することができる。また、V/Lを70以下とすることで、加速性、運転性の不具合が低減できる可能性がある。なお、このV/Lは、ASTM D 2533-93aに準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンにおいて、炭素数9以上の芳香族分と全芳香族分の比(以下、(C9+A)/TAともいう。)は0.80以下、好ましくは0.10〜0.80である。炭素数9以上の芳香族分と全芳香族分の比が0.80以下ならば、プラグの対くすぶり性の低下を防止できる可能性があるので好ましい。なお、この芳香族分含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
そして、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、式(1)で表される多環芳香族分指数Yが6以下、好ましくは5.5以下、更に好ましくは5以下である。
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)・・・・(1)
〔式中、3R-Aは3環芳香族分量、4R-Aは4環芳香族分量、5R-Aは5環芳香族分量、6R+-Aは6環以上の芳香族分量(何れもガソリン中の含有量で質量ppm)を示す〕
ここで、多環芳香族指数Yは、多環芳香族分の含有量とエンジン内のデポジット量の関係から求められる実験式であり、3環、4環、5環、6環以上と多環になるほど高い値を示す。これは、排出ガス中の有害成分の増加、及びエンジン内のデポジットの生成が多環ほど高くなることを示している。
該指数Yが6以下であれば、排出ガス中の有害成分の増加、及びエンジン内のデポジットの生成の増加を防ぐことができる。なお、これら多環芳香族分含有量は、以下に示すガスクロマトグラフ法により環数別の定量を行った値であり、定量法は環数別の代表的な標準試料による絶対検量線法とした。すなわち、カラムには長さ30m、内径0.25mmであるジメチルシリコンのキャピラリーカラムを用い、検出器は水素イオン化検出器(FID)、キャリアガスは流量1.3ml/minのヘリウム、スプリットレス注入、注入口温度300℃、検出器温度350℃の条件において、カラム温度を初期温度50℃より終期温度350℃まで昇温させて測定した値である。
上記のような性状を有する無鉛高オクタン価ガソリンを製造するためのEtOHおよびETBE以外の基材については、特に制限はないが、例えば、下記のような各種留分を基材として用いることができる。
(イ)重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留により取り除いた脱ベンゼン接触改質ガソリン。
(ロ)上記接触改質法により接触処理して得られた改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の軽質留分(脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン)及び重質留分(脱ベンゼン重質接触改質ガソリン)。
(ハ)灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシ
クラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリンを蒸留して得られる軽質接触分解ガソリン。
(ニ)イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるアルキレート。
(ホ)原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分。
(ヘ)直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、あるいはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン、接触改質ガソリンから得られるトルエン、キシレン、あるいは炭素数9以上の芳香族を主体とする成分等。
上記のような各種留分を、前記各性状を満たすように、該各種留分の性状等に応じて配合量を適宜選択して、EtOH+ETBEと共に適宜配合することにより本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することができる。例えば、(I)EtOHを0.5〜10.0容量%、(II)ETBEを0.5〜15.0容量%、(III)RONが100以上、MONが88以上、RVPが30kPa以上、沸点範囲が30〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%、又は(IV)RONが78以上、MONが70以上、RVPが85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜15容量%、RONが101以上、MONが89以上、RVPが3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%、及び(V)RONが93以上、MONが81以上、RVPが90kPa以上、沸点範囲が25〜110℃の軽質接触分解ガソリンを10〜50容量%、前記各性状を満たすように配合して本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することができる。また、上記のような各基材の配合物に、更に(VI)RONが93以上、MONが90以上、RVPが40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃、C8留分が65容量%以上のアルキレートを5〜30容量%、又はブタン、ブテン類を主成分としたC4留分を1〜10容量%、前記各性状を満たすように配合して本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することもできる。
さらに、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することが出来る。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミン、ポリイソブチレンアミン等の清浄分散剤、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種または数種組み合わせて添加することが出来る。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1,2
接触分解装置、接触改質装置又は常圧蒸留装置から生成するC4留分(ブタン、ブテン類)、表2に示す性状の脱ベンゼン接触改質ガソリン、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、アルキレート、及びETBE、EtOHを表3に示す配合比で配合することにより、表3に記載する性状のガソリンを得た。
比較例1〜3
実施例1、2に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン接触改質ガソリン、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、及びアルキレートを表3に示す配合比で配合することにより、表3に記載する性状のガソリンを得た。
上記実施例と比較例で得られたガソリンを用いて、以下に述べる各種の性能評価試験を行った。
始動性、運転性、及びデメリット点数評価を、排気量2L、直接噴射方式(DI)、オートマチックトランスミッション(AT)の車両を用い、試験温度20℃、湿度50%の条件で行った。
また、吸気バルブデポジット(IVD)試験を、排気量1.5L、マルチポイントインジェクション(MPI)方式の車両を用い、シャシーダイナモにおいて、60−100km/hの加減速×1,500サイクル(8,000km走行)の条件で行った。
これらの評価ないし試験方法を以下に記し、結果を表3に示す。
(始動性)
クランキング開始から完爆までの時間(エンジンが自力で回転が続けられるようになるまでの時間)で評価した。
(加速性)
エンジン始動後、10秒間アイドリングを行い、アクセル開度50%で車速が40km/hに到達するまでの時間で評価した。
(デメリット点数)
CRC(Coordinating Research Council)Report No.483評価方法に準拠して評価した。
評価方法としては、発生した現象の程度によって与えられるデメリット点数(Σ=デメリット評点×不具合の係数)により判断した。
なお、アイドル時及び走行中ストールは演算せず、それぞれの係数を加算した。点数が小さい方が性能が優れていることを示す。
Figure 0004913430
(IVD試験)
運転前後の吸気バルブ重量を秤量することにより得られる、吸気バルブに付着したデポジット(IVD)重量及びIVD評点(Rating:CRC No.16)により評価した。なお、このRating値は、数値が大きい方が、IVD量が少ないことを示す。
(プラグのくすぶり性試験)
総排気量2L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT)の車両を用い、−10℃の試験温度条件で、1サイクル約30分(エンジン始動⇒10−20km/hの加減速を10回繰り返し⇒28分間冷却)の繰返し試験を行い、そのプラグの絶縁抵抗を測定することによりプラグの汚損度を測定した。なお、プラグのくすぶりは、プラグの絶縁抵抗値が100MΩ以下で発生したと判定した。
Figure 0004913430
Figure 0004913430
以上の結果から、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、エタノールとエチルターシャリーブチルエーテルを特定量配合し、始動性や運転性能及び吸気バルブの清浄性に優れ、実用性能を維持しつつ大気環境の保全が図れるものであることは明らかである。

Claims (1)

  1. エタノール(EtOH)を0.5〜10.0容量%、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を0.5〜15.0容量%含み、下記(i)及び(ii)の少なくとも一方を含み、
    (i)リサーチ法オクタン価(RON)が100以上、モーター法オクタン価(MON)が88以上、リード蒸気圧(RVP)が30kPa以上、沸点範囲が30〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜50容量%
    (ii)リサーチ法オクタン価(RON)が101以上、モーター法オクタン価(MON)が89以上、リード蒸気圧(RVP)が3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%
    かつ、以下の性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
    (1)リサーチ法オクタン価(RON)が97〜105
    (2)モーター法オクタン価(MON)が84〜92
    (3)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
    (4)50%留出温度(T50)が75〜110℃
    (5)芳香族分含有量が45容量%以下
    (6)オレフィン分含有量が25容量%以下
    (7)ベンゼン含有量が1容量%以下
    (8)硫黄分含有量が10質量ppm以下
    (9)60℃における気液比(V/L)が30〜70
    (10)下記式(1)で表される多環芳香族指数が3.61以下
    Y=(0.002×3R−A)+(0.01×4R−A)+(0.07×5R−A)+(0.2×6R+−A)・・・・(1)
    (式中、3R−Aは3環芳香族分量を表し、4R−Aは4環芳香族分量を表し、5R−Aは5環芳香族分量を表し、6R+−Aは6環以上の芳香族分量を表す。なお、該芳香族分量はいずれもガソリン中の含有量で質量ppmを示す。)
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