JP2009280555A - モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置 - Google Patents

モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】省エネルギーでモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造できるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】モノ低級アルキルアミン(AA:原料I)とアルキレンオキシド(AO:原料II)との混合原料11を原料主供給ラインL0により供給してなる反応・蒸留塔12と、液状で分離された反応生成物13を蒸留して目的反応生成物20(モノマー)と、残渣(ダイマー)21とを分離する精製蒸留塔19とを具備し、塔頂部12aからラインL1を介して未反応原料16を分離すると共に、その塔底部12bからラインL2を介して反応生成物13を分離する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商業的需要が高いモノ低級アルキルモノアルカノールアミンをモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応により得るモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置に関するものである。
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンは、一般的な有機合成の中間原料、例えば、カチオン系凝集剤や医農薬中間体、樹脂用エッチング液、合成繊維用の柔軟剤、腐蝕防止剤、石油精製又は石油プロセス用中和剤、分散剤など商業的需要が高い有用な化合物である。
モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造については古くから文献等で報告されている(例えば、非特許文献1)。
モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応では、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンとモノ低級アルキルジアルカノールアミンとが並行して生成される。この反応において、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを選択的に得るためには、アルキレンオキシドに対しモノ低級アルキルアミンを大過剰に使用する必要がある。そのため、この反応では、未反応のモノ低級アルキルアミンが大量に残存する。
また、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応とを反応させて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法として、ゼオライトを触媒として用いるゼオライト触媒法が提案されている(特許文献1)。
ここで、従来のゼオライト触媒を用いたモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の一例を図8に示す。図8に示すように、符号1は反応器である液・液反応塔であり、ゼオライト触媒が充填されており、原料I(モノ低級アルキルアミン)と原料II(アルキレンオキシド)とが供給され、ここでゼオライト触媒法により反応して、未反応原料を含む生成物2を得る。この未反応原料を含む生成物2には、未反応の原料として未反応のモノ低級アルキルアミン(未反応原料I)及びアルキレンオキシド(未反応原料II)を含むので、これらと反応生成物3とを未反応原料回収蒸留塔4により蒸留分離すると共に、前記分離回収した未反応のモノ低級アルキルアミン(原料I)及びアルキレンオキシド(原料II)を未反応原料5として前記反応器1に送り戻している。
そして、非水蒸留塔6により、前記未反応原料回収蒸留塔4から導出された反応生成物3から水及び軽質分7を蒸留法により除去し、これら水及び軽質分7を除去した後の反応生成物3aを精製蒸留塔8に送るようにしている。ここで、非水とは、成分中に含まれる水分量が1000ppm以下となっている状態を示す。
その後、水及び軽質分7を除去した後の反応生成物3aを精製蒸留塔8に送り、ここで、反応により生成したモノ低級アルキルモノアルカノールアミンとモノ低級アルキルジアルカノールアミン(残渣であるダイマー)とを蒸留法により分離して、前記モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを目的反応生成物9として回収するようにしている。
一方、前記ゼオライト触媒を用いない方法としては、例えば超臨界条件(温度条件が100〜200℃、圧力条件が17〜24MPa)で製造する方法が提案されている(特許文献2)。
また、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法としては、この反応を水の存在下で行う製造方法(水触媒法と称す。)が広く知られている。しかし、この方法には、精製系で大量の水を蒸留除去するために大きな熱負荷が必要であるという問題があった。
さらに、モノメチルアミンとエチレンオキサイドからモノメチルアミノエタノールを製造する方法が開示されている(特許文献3)。この特許文献3に記載の方法では、アミン回収系の蒸留塔に粗液をアルコールと混合後、または別ラインで粗液とアルコールを仕込むことによって、未反応のモノメチルアミンを回収している。
小田良平、寺村一広、「界面活性剤」、槇書店、1965年、p.262〜263 特開2004−275933号公報 特開昭59−13751号公報 特開平8−333310号公報
しかしながら、特許文献1にかかる「ゼオライト触媒法」では、触媒の劣化により反応率の低下や選択率の低下が起こる、という問題がある。また、反応器1内の温度を均一に保持することが困難であるので、生成物を安定して製造することができない、という問題がある。さらに、ゼオライト触媒法では、蒸留工程にてモノ低級アルキルアミンを分離する蒸留塔において、コンデンサー等の冷却設備を使用する必要があり、エネルギー消費が大きくなる、という問題がある。これは、前記ゼオライト触媒法では、固体(ゼオライト触媒)と液体(原料)とが接触して反応が起こり、固体と液体が接触しない位置では反応が進行しないため、不均一反応となるからである。
また、特許文献2にかかる「超臨界法」では、温度条件が100〜200℃、圧力条件が17〜24MPaとする必要があり、運転に必要な動力・コストが大きくなる、という問題がある。
また、特許文献3にかかる技術では、モノメチルアミンを回収するために、アルコールと混合する必要があり、また、モノメチルアミンを再利用するためには、更なる蒸留塔が必要である等、工程が煩雑であり、しかも、設備費が高くなるという問題があった。
そして、そのためのより効率的な製造方法及び装置が提供されることが要望される。
また、前述した水触媒法によりモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率を向上させるためには、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとのモル比を小さくする必要があり、この場合モノ低級アルキルアミンを循環使用することになるため、蒸留塔のリボイラー負荷が増大し、エネルギー消費が大きくなる、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、省エネルギーでモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造できるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置を提供することにある。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法において、反応塔にモノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを供給すると共に、反応塔内において気液混相状態で反応させ、前記反応塔内から反応生成物を液体状態で分離することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記反応塔が、反応・蒸留塔であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第3の発明は、第2の発明において、前記反応・蒸留塔が多段式であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第4の発明は、第2の発明において、前記反応・蒸留塔の反応温度が40〜200℃であると共に、反応・蒸留塔の塔頂温度が40〜100℃であり、反応・蒸留塔の塔底温度が120〜200℃であり、反応・蒸留塔の圧力が0.45〜1.3MPaであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第5の発明は、第1の発明において、反応塔が、気液混相反応塔であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第6の発明は、第5の発明において、反応温度が80〜200℃、圧力0.2〜0.8MPaにおいて、モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを気体状態で反応させ、反応生成物を液体として、該反応生成物を液相から分離することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第7の発明は、第2又は5の発明において、モノ低級アルキルアミン(AA)を反応・蒸留塔の塔頂から分離・回収し、再利用することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第8の発明は、第2又は5の発明において、分離した未反応原料を原料主供給部に戻すか、又は分離した未反応原料を反応・蒸留塔の原料主供給部の供給位置より塔頂側の箇所から内部に供給することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第9の発明は、第2又は5の発明において、アルキレンオキシド(AO)の供給割合を分割すると共に、アルキレンオキシド(AO)の分割した一部を原料主供給部から反応・蒸留塔内に供給すると共に、その残りを該原料主供給部の供給位置より塔頂側に位置する副供給部から反応・蒸留塔内に供給することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
第10の発明は、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを供給すると共に、塔内において気液混相状態で反応させ、該塔底部から反応生成物を液体状態で分離すると共に、未反応原料を気体状態で回収する反応・蒸留塔と、液体状態で分離した生成物を精製して目的生成物を蒸留する精製蒸留塔とを具備することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
第11の発明は、第10の発明において、前記反応・蒸留塔の反応温度が40〜200℃であると共に、反応・蒸留塔の塔頂温度が40〜100℃であり、反応・蒸留塔の塔底温度が120〜200℃であり、反応・蒸留塔の圧力が0.45〜1.3MPaであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
第12の発明は、第10又は11の発明において、モノ低級アルキルアミン原料とアルキレンオキシド原料との比率(モノ低級アルキルアミン原料/アルキレンオキシド原料)が0.05〜0.5であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
第13の発明は、第10乃至12のいずれか一つの発明において、反応器に供給する原料の水分量が20%以下であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
第14の発明は、第10の発明において、前記反応・蒸留塔にゼオライト系触媒を充填してなると共に、原料を非水状態で供給してなることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
前記構成の本発明によれば、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下、本発明に係るモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法について説明する。本発明に係るモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法は、モノ低級アルキルアミン(原料I:AA)とアルキレンオキシド(原料II:AO)とを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法において、反応塔に原料I(AA)と原料II(AO)とを供給すると共に、反応塔内において気液混相状態で反応させ、該反応塔内から反応生成物(アミンモノマー)を液体状態で分離するようにしている。ここで、反応塔内において気液混相状態で反応させる前記反応塔としては、反応・蒸留塔又は気液混相反応塔であることが好ましい。
本発明では、反応塔内において気液混相状態で反応させるようにして、液体状態で目的生成物を得るようにしているので、反応収率が向上する。また、アルキレンオキシド原料とモノ低級アルキルアミン原料との比率(アルキレンオキシド原料/モノ低級アルキルアミン原料)も小さくすることがないので、未反応原料として回収するリボイラー量の低減も図ることができるものとなる。
以下、反応塔として、反応・蒸留塔及び気液混相反応塔の具体的な実施例について詳細に説明する。
本発明による実施例に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。
図1に示すように、実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−1は、モノ低級アルキルアミン(AA:原料I)とアルキレンオキシド(AO:原料II)との混合原料11を原料主供給ラインL0により供給してなる反応・蒸留塔12と、液状で分離された反応生成物13を蒸留して目的反応生成物20(モノマー)と、残渣(ダイマー)21とを分離する精製蒸留塔19とを具備するものである。なお、符号18はリボイラーを図示する。
ここで、前記反応・蒸留塔12においては、その塔頂部12aからラインL1を介して未反応原料16を分離すると共に、その塔底部12bからラインL2を介して反応生成物13を分離するものである。
また、未反応原料16はラインL1に介装された冷却器14により冷却され、フラッシュドラム15において液体となり、ラインL3を介して一時的に貯留するために貯留槽17に送られている。そして、該貯留槽17からラインL4を介して、そのほとんどが原料Iであるので原料Iの供給ライン側に戻すようにしている。
本実施例では、前記フラッシュドラム15からラインL5を介して反応・蒸留塔12の内部に再投入原料16aを供給して、その未反応原料16の一部を原料主供給ラインL0側に戻すことなく、直ちに再利用するようにしている。
本実施例の反応・蒸留塔は多段式であり、蒸留量の規模によるが、例えば10〜20段程度としている。
ここで、本実施例においては、前記反応・蒸留塔12の反応温度を例えば40〜200℃とするのが好ましい。
また、前記反応・蒸留塔12の塔頂温度を例えば40〜100℃、好ましくは70〜80℃とするのが好ましい。
また、反応・蒸留塔12の塔底温度を例えば120〜200℃、好ましくは140〜180℃とするのが好ましい。
また、反応・蒸留塔12の圧力を例えば0.45〜1.3MPa、好ましくは0.6〜1.0MPaとするのが好ましい。
このように規定するのは、反応温度及び圧力が上記範囲外であると効率的な反応が進行しないからである。
ここで、本発明で使用する原料Iのモノ低級アルキルアミンに特に制限はないが、例えばモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノsec−ブチルアミン、モノt−ブチルアミン、モノn−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、モノn−ヘキシルアミンなどの1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状モノアルキルアミンを用いることができる。好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノt−ブチルアミンを用いることができ、特に好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミンを用いることができる。
本発明で使用する原料IIのアルキレンオキシドに特に制限はないが、好適にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを用いることができ、特に好適にはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを用いることができる。
また、本発明の水触媒法において、反応器に供給する原料中の水濃度は、水濃度が1〜40重量%の範囲で行うことが好ましい。また、好適な水濃度範囲は5〜30重量%であり、特に好適な水濃度は5〜20重量%である。
本発明の水触媒法によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造においては、水の濃度によって反応速度が異なり、水の濃度が高いほど反応速度が大きくなるので好ましい。
また、本発明では原料の供給比率も規定している。すなわち、アルキレンオキシド原料とモノ低級アルキルアミン原料とのモル比(モノ低級アルキルアミン(AA:原料I)/アルキレンオキシド(AO:原料II))が0.05〜0.5の範囲、より好ましくは0.1〜0.3の範囲とすることが好ましい。
これはモル比が0.5を超える場合では、未反応原料を回収する未反応原料回収蒸留塔のリボイラー負荷は低減されるが、反応に時間を要し、一方、0.05未満の場合には、反応時間の短縮を図ることはできるものの大幅なリボイラー負荷となり、好ましくないからである。
ここで、本実施例では、精製蒸留塔19を設けて、残渣(ダイマー)21を除去するようにしているが、目的反応生成物20のモノマーにおいて残渣(ダイマー)21が混入しても良い場合には、反応・蒸留塔12だけとしてもよい。
また、この反応は発熱反応であるので、反応・蒸留塔12の内部又は外部に冷却手段を設けて所定温度に除熱するようにしてもよい。
このように、実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置によれば、反応・蒸留塔12で反応塔内において気液混相状態で原料を反応させていると共に、液体状態で反応生成物13を回収すると共に、未反応原料を気体状態で分離することとなるので、従来のような別途の蒸留塔を設ける必要がなくなり、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
また、反応・蒸留塔12内から生成したモノマーを反応系から積極的に抜出すことにより、モノマーと未反応原料16との反応が抑制され、残渣21であるダイマーの生成が抑制されるので、目的反応生成物20の収率向上にも寄与することとなる。
また、モノ低級アルキルアミン原料とアルキレンオキシド原料との比率(モノ低級アルキルアミン原料/アルキレンオキシド原料)を大きくすることができるので、設備がコンパクトになり、ユーティリティー消費量も低減することとなり、廉価にモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造することができる。
本実施例について図2を参照して説明する。
図2は、実施例2に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。
図2に示すように、実施例2に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−2は、原料Iと原料IIとの混合原料11を原料主供給ラインL0により供給してなる反応・蒸留塔12と、分離された反応生成物13を蒸留して目的反応生成物20(モノマー)と、残渣(ダイマー)21とを分離する精製蒸留塔19とを具備すると共に、原料II(AO)の供給割合を分割すると共に、原料II(AO)の分割した一部を原料主供給ラインL0から供給すると共に、原料II(AO)の残りを該原料主供給ラインL0の供給位置より塔頂側に位置する副供給ラインL6から内部に供給するようにしている。
これは、図6に示すように、反応・蒸留塔が複数段(図6では13段)の場合、塔頂側にいくにつれて原料I(AA)のモル分率が増加するので、原料II(AO)を分けて供給することで反応効率を上昇させるようにしている。
このように、実施例2に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置によれば、反応・蒸留塔で反応塔内において気液混相状態で原料を反応させていると共に、原料IIの供給を蒸留・反応塔の塔内に分けて入れることとなるので、反応効率が向上し、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
本実施例について図3を参照して説明する。
図3は、実施例3に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。
図3に示すように、実施例3に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−3は、実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−1において、反応生成物13中に混入している水分を除去する非水蒸留塔22を設け、水23を除去した反応生成物13aを精製蒸留塔19に送り、目的反応生成物20を得るようにしている。
これにより、水分を除去した目的反応生成物20を得ることができる。
このように、実施例3に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置によれば、非水蒸留塔22を設けて、水分を除去することとなるので、非水状態のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
本実施例について図4を参照して説明する。
図4は、実施例4に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。
図4に示すように、実施例4に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−4は、実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−1において、反応・蒸留塔12内に触媒充填槽30a、30bを充填してなり、触媒充填槽30a、30bに充填された触媒反応により反応生成物13を生成するようにしている。
ここで、触媒充填槽に充填する触媒としては、ゼオライト触媒法で用いる公知の合成ゼオライトとして知られるZSM−5が挙げられる。なお、ZSMとは、開発した会社の名に由来したZAOlitAOf Socony Mobilの略である。またMEL構造を有するものとしては、同じく合成ゼオライトとして知られるZSM−11が挙げられる。本発明では、ゼオライトを用いることが好ましく、特に、ZSM−5を用いることが好ましい。
ここで、前記触媒としては、非水系での反応となるので、原料Iが水溶液(例えば水分40%)の場合には、非水蒸留塔31を設け、水分23をあらかじめ除去しておくようにすることが必要である。
このように、実施例4に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置によれば、反応・蒸留塔にゼオライト系触媒を充填してゼオライト法により、反応塔内において気液混相状態で原料を反応させているので、反応効率が向上し、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
本発明による実施例に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置について、図面を参照して説明する。
図5は、実施例5に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。
図5に示すように、実施例5に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置10−5は、原料Iと原料IIとの混合原料11を原料主供給ラインL0により供給してなる気液混相反応塔40と、液状で分離された反応生成物13を蒸留して目的反応生成物20(モノマー)と、残渣(ダイマー)21とを分離する精製蒸留塔19とを具備するものである。
ここで、前記気液混相反応塔40においては、その内部では気体状態で原料Iと原料IIとが反応し、得られた反応生成物13が塔底部に貯まるのでそれをラインL2により反応生成物13を分離するものである。
ここで、前記気液混相反応塔の反応温度としては、例えば80〜200℃、圧力としては例えば0.2〜0.8MPaとするのが好ましい。
なお、未反応原料16はラインL1に介装された冷却器14により冷却され、フラッシュドラム15において液体とし、ラインL3を介して一時的に貯留するために貯留槽17に送られている。そして、該貯留槽17からラインL4を介して、そのほとんどが原料Iであるので原料Iの供給ライン側に戻すようにしている。
このように、実施例5に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置によれば、気液混相反応塔40を用いて、該気液混相反応塔40内において気液混相状態で原料Iと原料IIとの混合原料11を反応させているので、反応効率が向上し、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
[試験例]
以下、試験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
図7に示す実施例3と同様の構成のアミンの製造装置10−3を用いた。反応・蒸留塔12、非水蒸留塔22、精製蒸留塔19の運転条件(温度、圧力)を図7及び下記に示す。図7では、四角で囲っているのが温度(℃)であり、丸で囲っているのが圧力(MPa)である。
(反応・蒸留12)
入口:温度80℃(圧力2.6MPa)
塔底部出口:温度163℃(圧力0.82MPa)
塔頂部出口:温度40℃(圧力0.80MPa)
反応・蒸留塔12入口における(原料II/原料I)モル比:0.1
反応・蒸留塔入口における水分濃度:8重量%
原料のモル比を0.1とすることでリボイラー量が従来に較べて、2割割程度減少し、これにより、リボイラー量の低減を図ることができた。
なお、ゼオライト触媒法の場合には、反応・蒸留塔12の塔底部出口の温度が173℃(圧力1.02MPa)、塔頂部出口の温度が40℃(圧力1.0MPa)とした。
以上のように、本発明に係るモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置によれば、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを高い収率でしかも省エネルギーで製造することができる。
実施例1に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 実施例2に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 実施例3に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 実施例4に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 実施例5に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 モル分率と反応塔の段数との関係図である。 試験例に係るモノ低級アルカノールアミンの製造装置の概略図である。 従来のゼオライト触媒を用いたモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の一例を示す図である。
符号の説明
10−1〜10−5 モノ低級アルカノールアミンの製造装置
11 混合原料
12 反応・蒸留塔
13 反応生成物
15 フラッシュドラム
16 未反応原料
17 貯留槽
18 リボイラー
19 精製蒸留塔
20 目的反応生成物

Claims (14)

  1. モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法において、
    反応塔にモノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを供給すると共に、反応塔内において気液混相状態で反応させ、前記反応塔内から反応生成物を液体状態で分離することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記反応塔が、反応・蒸留塔であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記反応・蒸留塔が多段式であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  4. 請求項2において、
    前記反応・蒸留塔の反応温度が40〜200℃であると共に、
    反応・蒸留塔の塔頂温度が40〜100℃であり、
    反応・蒸留塔の塔底温度が120〜200℃であり、
    反応・蒸留塔の圧力が0.45〜1.3MPaであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  5. 請求項1において、
    反応塔が、気液混相反応塔であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  6. 請求項5において、
    反応温度が80〜200℃、圧力0.2〜0.8MPaにおいて、モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを気体状態で反応させ、反応生成物を液体として、該反応生成物を液相から分離することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  7. 請求項2又は5において、
    モノ低級アルキルアミン(AA)を反応・蒸留塔の塔頂から分離・回収し、再利用することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  8. 請求項2又は5において、
    分離した未反応原料を原料主供給部に戻すか、
    又は分離した未反応原料を反応・蒸留塔の原料主供給部の供給位置より塔頂側の箇所から内部に供給することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  9. 請求項2又は5において、
    アルキレンオキシド(AO)の供給割合を分割すると共に、
    アルキレンオキシド(AO)の分割した一部を原料主供給部から反応・蒸留塔内に供給すると共に、
    その残りを該原料主供給部の供給位置より塔頂側に位置する副供給部から反応・蒸留塔内に供給することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
  10. モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、
    モノ低級アルキルアミン(AA)とアルキレンオキシド(AO)とを供給すると共に、塔内において気液混相状態で反応させ、該塔底部から反応生成物を液体状態で分離すると共に、未反応原料を気体状態で回収する反応・蒸留塔と、
    液体状態で分離した生成物を精製して目的生成物を蒸留する精製蒸留塔とを具備することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
  11. 請求項10において、
    前記反応・蒸留塔の反応温度が40〜200℃であると共に、
    反応・蒸留塔の塔頂温度が40〜100℃であり、
    反応・蒸留塔の塔底温度が120〜200℃であり、
    反応・蒸留塔の圧力が0.45〜1.3MPaであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
  12. 請求項10又は11において、
    モノ低級アルキルアミン原料とアルキレンオキシド原料との比率(モノ低級アルキルアミン原料/アルキレンオキシド原料)が0.05〜0.5であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一つにおいて、
    反応器に供給する原料の水分量が20%以下であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
  14. 請求項10において、
    前記反応・蒸留塔にゼオライト系触媒を充填してなると共に、原料を非水状態で供給してなることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
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