JP2009280017A - 車両換気装置 - Google Patents

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JP2009280017A JP2008132384A JP2008132384A JP2009280017A JP 2009280017 A JP2009280017 A JP 2009280017A JP 2008132384 A JP2008132384 A JP 2008132384A JP 2008132384 A JP2008132384 A JP 2008132384A JP 2009280017 A JP2009280017 A JP 2009280017A
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Abstract

【課題】セキュリティー性の低下を確実に防止しつつ、車室内の快適性を実用上十分に向上させることが可能な車両換気装置を提供する。
【解決手段】車両の車室内を車室外の空気によって換気する車両換気装置1であって、車室内外の空気汚染率及び/又は気温を検出する雰囲気検出手段12と、雰囲気検出手段12による検出結果に基づいて、車室内の換気を行うか否かを判定する換気判定手段13と、開閉されるドアを検知するドア検知手段11と、換気判定手段13が換気を行うと判定したとき、ドア検知手段11の検知結果に基づいて、開閉されるドアに対応した位置の車窓を選択して開閉制御する開閉制御手段14とを有するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両換気装置に関し、特に、車両の駐停車時に車室内を自動で換気する車両換気装置に適用して好適なものである。
近年、特に夏場の駐停車時に日射等により車室内の気温が高温となった車両において、自動で車室内を換気することにより、乗車時の快適性を向上する車両の換気装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−306780号公報
ところで、上記特許文献1の車両の換気装置においては、空調装置(エアコン)等を作動させることなく、車窓の開閉により空気を攪拌させて換気を行うため、エネルギー(バッテリや燃料など)の消費を抑えつつ、乗車時の快適性を向上させることができる。しかしながら、かかる特許文献1の換気装置では、予め設定された設定値に基づいて車窓を開閉して換気を行うことから、車両の持ち主または使用者などの搭乗者が不在の場合であっても車窓が開閉されてしまう。このため、上記特許文献1の換気装置では、セキュリティー性において未だ不十分な問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、セキュリティー性の低下を確実に防止しつつ、車室内の快適性を実用上十分に向上させることが可能な車両換気装置を提供することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、車両の車室内を車室外の空気によって換気する車両換気装置であって、車室内外の空気汚染率及び/又は気温を検出する雰囲気検出手段と、雰囲気検出手段による検出結果に基づいて、車室内の換気を行うか否かを判定する換気判定手段と、開閉されるドアを検知するドア検知手段と、換気判定手段が換気を行うと判定したとき、ドア検知手段の検知結果に基づいて、開閉されるドアに対応した位置の車窓を選択して開閉制御する開閉制御手段とを有するようにした。
この本発明の一態様によれば、換気を行う際、ドアが開閉されることによって生じる風圧を利用し、開閉されるドアから流入する車室外の空気を、開閉されるドアに対応した位置の車窓から排出することで、車室内に空気を効率よく循環させて換気を行うことができる。これにより、本発明の車両換気装置では、車室内の快適性を実用上十分に向上させることができる。
このとき、雰囲気検出手段は、車室内外の空気汚染率及び車室内外の気温を検出し、開閉制御手段は、雰囲気検出手段によって検出された空気汚染率又は気温差に基づいて換気を行う。このため、開閉制御手段は、車室内における空気を浄化すると共に、車室内気温を調整する換気を行うことができ、車室内雰囲気を適正にすることができる。また、開閉制御手段は、換気を行う際、ドアの開閉動作なくして車窓の開閉制御を行わないため、セキュリティー性の低下を招くことはない。
また、本発明の一態様において、換気判定手段は、雰囲気検出手段の検出結果が、車室外の空気汚染率が第1の所定値以下であると共に、車室外の気温が第1の所定温度以下であって、車室内の空気汚染率が第2の所定値以上であるか、車室内の気温が第2の所定温度以上であるとき、換気を行うと判定し、開閉制御手段は、換気判定手段の判定結果に基づいて、ドアの開動作に追従して該ドアに対角する位置の車窓を開閉制御した後、ドアの閉動作に追従して該ドアに対向する位置の車窓を開閉制御する換気制御モードに切り換えることが好ましい。
これにより、開閉制御手段は換気制御モード時、ドアの開動作によって発生する圧力差を用いて、車窓の開口部から空気を効率よく流入させ、該空気を車室内に循環させた後、開かれたドアから排出させる。一方、ドアの閉動作によって発生する風圧を用いて、閉動作中のドアから車室内に空気を取り込み易くし、該空気を車室内に循環させた後、開閉制御される車窓から排出させる。従って、本発明の車両換気装置では、ドアの開閉動作を利用して車窓を開閉することにより、車室内を効率よく換気することができる。
さらに、本発明の一態様において、開閉制御手段は、ドアの開閉速度に応じて車窓の開閉速度を調整することが好ましい。これにより、ドアの開閉に起因した気流渦の発生を抑制して効率よく換気することが可能となる。
さらに、本発明の一態様において、ドア検知手段は、開閉されるドア近傍の人の存在を検出する人検出手段を備え、開閉制御手段は、開閉制御する車窓外近傍に人検出手段によって人の存在が検出されたとき、該人の存在が検出された車窓に隣接する車窓を開閉制御することが好ましい。これにより、搭乗する人のいない、すなわち開閉されることのないドアの車窓を他のドアの開閉を利用して開閉することによって、車室内の換気を行うことができる。しかも、開閉する車窓近傍に搭乗者以外の他人が存在するとき、該他人が存在する位置の車窓が開閉することはないため、車両のセキュリティーを確保することができる。
さらに、本発明の一態様において、換気判定手段は、雰囲気検出手段の検出結果が、車室外の空気汚染率が第1の所定値以上であるか、車室内外の空気汚染率の差が第3の所定値以上であると共に、車室内外の気温差が第3の所定温度以上であるとき、換気を行わないと判定し、開閉制御手段は、換気判定手段の判定結果に基づいて、車窓を開閉することなく、開閉されるドアの開度及び開閉速度を制御する環境維持モードに切り換えることが好ましい。これにより、車室内の雰囲気状態が適正に保たれている状況又は、車室外の雰囲気状態が適正でない場合において、同乗者の乗降によりドアが開閉動作されることによって車室内外の空気が循環することを極力抑え、車室内雰囲気を一定に維持することができる。
さらに、本発明の一態様において、ドアの開度を検出するドア開度検出手段と、ドアの開閉速度を検出する開閉速度検出手段とを設け、開閉制御手段は、環境維持モードであるとき、ドア開度検出手段及び開閉速度検出手段の検出結果に基づいて、開閉されるドアの開度及び開閉速度を制御するこれにより、車室内雰囲気が適正に保たれている状況下において、ドアの開閉による空気の循環の発生をより一層抑えることができる。
さらに、本発明の一態様において、換気判定手段は、雰囲気検出手段の検出結果が、車室外の空気汚染率が第1の所定値以下であって、車室内外の空気汚染率の差が第3の所定値以下であると共に、車室内外の気温差が第3の所定温度以下であるとき、換気を行わないと判定し、開閉制御手段は、換気判定手段の判定結果に基づいて、開閉されるドア及び車窓を開閉制御しない通常モードに切り換えることが好ましい。これにより、車室内外ともに雰囲気状態に差がなく一定である状況において、不要な換気制御を省くことによって、エネルギーの消費を抑えることができる。
本発明の車両換気装置では、換気を行う際、開閉制御手段は、雰囲気検出手段によって検出された空気汚染率又は気温差に基づいて換気を行うため、車室内における空気を浄化すると共に、車室内気温を調整する換気を行うことができる。しかも、開閉制御手段は、ドアが開閉されることによって生じる風圧を利用し、開閉されるドアから流入する車室外の空気を、開閉されるドアに対応した位置の車窓から排出するため、車室内に空気を効率よく循環させて車室内雰囲気を適正にする換気を行うことができる。このとき、開閉制御手段は、換気を行う際、ドアの開閉動作なくして車窓の開閉制御を行わないため、セキュリティー性の低下を招くことはない。かくして、セキュリティー性の低下を確実に防止しつつ、車室内の快適性を実用上十分に向上させることが可能な車両換気装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
<実施の形態>
図1は、本発明による車両換気装置の一実施の形態を示す概略構成図である。図1において、車両換気装置1は、開閉されるドアを検知するドア検知手段としてのユーザ検知部11と、車室内外の空気汚染率および気温をそれぞれ検出する雰囲気検出手段としての環境情報取得部12とを有している。
また、車両換気装置1は、環境情報取得部12による検出結果に基づいて、車室内の換気を制御するモード(すなわち、詳細については後述する換気制御モード、環境維持モード、通常モードのいずれか)としての制御モードを判定する換気判定手段としての制御内容判定部13を有している。
さらに、車両換気装置1は、ユーザ検知部11の検知結果に基づいて、開閉されるドアに対応する位置の車窓を選択的に開閉制御する開閉制御手段としての車両制御部14を有している。さらに、車両換気装置1は、車両における各座席のドア開閉情報や車窓開閉情報を取得する車両情報取得部15を有している。
かかる構成に加えて、ユーザ検知部11は、車室内外の搭乗者(乗員)や、車室外におけるドア近傍に人(すなわち、乗員以外の車両に関係しない他人)が存在するか否かを検出する人検出手段としての人感センサ11Aを有している。人感センサ11Aは、各座席のドア近傍に配設され、人の存在を検出すると、該検出した結果を車両情報取得部15へ伝達するようになされている。
このため、車両情報取得部15は、ユーザ検知部11からの開閉されるドア検知情報と、人感センサ11Aからの人検出情報と、上記ドア開閉情報および車窓開閉情報を取得するようになされており、各情報を必要に応じて、制御内容判定部13や車両制御部14へと伝達するようになっている。この場合、ドア近傍とは、ドアを開閉することが可能なドア付近の範囲を示している。
また、環境情報取得部12は、図2に示すように、車室内外の雰囲気状態、つまり、車室内外の気温差を検出する車室外気温センサ12AAおよび車室内気温センサ12ABと、車室内外の空気の汚染率(すなわち、空気の汚れや臭い)を検出する車室外COセンサ12BAと、車室内COセンサ12BBを有している。
そして、制御内容判定部13は、環境情報取得部12の各センサ12AA、12AB、12BA、12BBの検出結果に基づき算出される車室内外の気温差及び又は空気の汚染率に基づいて、車室内における換気の制御モードを判定している。このとき、制御内容判定部13は、車両情報取得部15が取得したユーザ検知部11による検知結果を伝達されることにより、該検知結果を上記換気の必要性(言い換えれば、上記制御モードをいずれかに選択する以前に、換気自体が必要か否か)の判定材料として考慮している。
さらに、本実施の形態の場合、車両制御部14は、制御内容判定部13の判定結果に基づいて、車室内の換気を制御する換気制御部16を有している。また、車両制御部14は、ドアの開閉速度に応じて車窓の開閉速度を調整するように各座席における車窓の開閉動作を制御することにより、ドアの開閉に起因した気流渦の発生を抑制して効率よく換気することが可能となっているばかりでなく、各ドアの開閉動作についても制御し得るようになっている。
ここで、上述した制御モードについて説明する。換気制御モードは、車室内の雰囲気状態が換気を必要とする状況、すなわち、車室外の空気汚染率および気温が適正範囲内(空気汚染率が第1の所定値以下、且つ気温が第1の所定温度以下)であって、車室内の気温または空気汚染率が適正範囲外(気温が第2の所定温度以上、または空気汚染率が第2の所定値以上)であるときに選択される。そして、後述するように、ドアの開閉動作を利用して該開閉動作されるドアに対応した車窓を選択的に開閉制御することにより、車室内を車室外の空気によって換気するモードである。
次に環境維持モードは、車室外の空気汚染率が適正範囲外(空気汚染率が第1の所定値以上)であるとき、または車室内外の雰囲気状態が一定範囲外(空気汚染率の差が第3の所定値以上、または気温差が第3の所定温度以上)であるときに選択される。言い換えれば、環境維持モードは、車室内の雰囲気状態が例えば空調装置(以下、これをエアコンと称す)の作動などによって適正な状態に保たれている場合に選択される。そして、後述するように、ドアの開閉動作時に車窓を開閉することなく、開閉されるドアの開度および開閉速度を所定値に制限することにより、同乗者の乗降等でドアが開閉動作される際に、車室外の空気が車室内を循環することを極力抑え、車室内雰囲気を一定状態に維持するモードである。
また、通常モードは、車室外の空気汚染率が適正範囲内(空気汚染率が第1の所定値以下)であって、車室内の気温または空気汚染率が適正範囲内(気温が第2の所定温度以下、または空気汚染率が第2の所定値以下)であると共に、車室内外の雰囲気状態に差がない、つまり該雰囲気状態の差が一定範囲内(空気汚染率の差が第3の所定値以下、または気温差が第3の所定温度以下)であるときに選択される。そして、後述するように、ドアの開閉動作を利用した車窓の開閉動作制御(換気制御モード)や、ドアのみの開閉動作制御(環境維持モード)を行うことなく、言い換えれば、どのドアが開閉されても該ドアの開閉動作を制御せず、またドアの開閉動作に追従した車窓の開閉動作制御を行わず、いわゆる通常の状態であるモードである。
本発明の車両換気装置1は、制御内容判定部13において、車両の走行・停止状態および乗員の有無などの条件から制御モードを選定する場合、かかる換気制御モード、環境維持モード、通常モードのいずれかを判定して実行することにより、車室内外の雰囲気状態に応じた換気を行うようになされている。
そして、かかる車両換気装置1における車両制御部14は、室内外環境情報取得部12による検出結果に基づいて、換気内容判定部13が換気制御モードと判定するとき、該判定された結果を換気制御部16にて取得する。そして、換気制御部16は取得した判定結果に基づき、車両制御部14における制御モードを換気制御モードに切り換えると、車両制御部14は、ドアの開閉動作を利用して、該開閉されるドアに対応する車窓を選択すると共に、該選択した車窓を開閉制御する。
すなわち、車両制御部14は、ドアの開動作に追従して該ドアに対角する位置の車窓を開閉する一方、ドアの閉動作に追従して該ドアに対向する位置の車窓を開閉するように、各々対応する車窓を開閉制御する。このようにして、車両換気装置1は、車室内の換気が必要な場合、すなわち換気制御モード時、車両のドア開閉動作を利用して車窓を開閉することにより、車室内を車室外の空気によって換気するようになされている。
これにより、車両換気装置1は、ドアの開動作時に発生する圧力差を用いて、車窓の開口部から空気を効率よく流入させ、該空気を車室内に循環させた後、ドアの開口部から排出させる。また、車両換気装置1は、ドアの閉動作時に発生する風圧を用いて、閉動作中のドア開口部から車室内に空気を取り込み易くし、該空気を車室内に循環させた後、車窓の開口部から排出させる。
従って、車両換気装置1は、ドアの開閉動作を利用して車窓を開閉することにより、車室内を効率よく換気することができる。しかも、車両換気装置1は、ドアの開閉動作なくして車窓の開閉動作を行わないため、セキュリティー性の低下を招くことはない。
このとき、車両制御部14は、開閉する車窓外近傍において、人感センサ11Aにより人の存在が検出されたとき、該人の存在が検出された車窓に隣接する車窓を開閉するように上記車窓の開閉動作を制御する。これにより、搭乗する人のいない、すなわち開閉されることのないドアの車窓を他のドアの開閉を利用して開閉することによって、車室内の換気を行うことができる。
しかも、開閉する車窓近傍に搭乗者以外の上記車両に関係しない他人が存在するとき、該他人が存在する位置の車窓が開閉することはないため、車両のセキュリティーを確保することができる。
さらに、車両換気装置1は、ドア近傍に設けられ、該ドアの開度を検出するドア開度検出手段としてのドア開度検出センサ17と、同じくドア近傍に設けられ、該ドアの開閉速度を検出する開閉速度検出手段としての開閉速度センサ18とを有している。
そして、室内外環境情報取得部12による検出結果に基づいて、制御内容判定部13が環境維持モードと判定するとき、車両制御部14は、該判定結果を換気制御部16にて取得する。換気制御部16は、取得した判定結果に基づいて制御モードを環境維持モードへと切り換える。
そして、車両制御部14は、ドアの開閉に追従して車窓を開閉しないように各車窓を開閉制御すると共に、ドア開度検出センサ17および開閉速度センサ18の検出結果に基づいて、開閉されるドアの開度および開閉速度を制限するように開閉されるドアを開閉制御するようになっている。
これにより、エアコンが作動しているときのように、車室内の雰囲気が適正に保たれている状況において、同乗者の乗降時によるドアの開閉動作によって車室内外の空気が循環することを極力抑え、車室内雰囲気を一定に保つことができる。
しかも、車両制御部14は、ドア開度検出部17および開閉速度検出部18の検出結果に基づいて制限されるドアの開度および開閉速度となるように、開閉されるドアに対し操作反力を負荷するようになっている。このため、車室内雰囲気が適正に保たれている状況下において、ドアの開閉動作による空気の循環の発生をより一層抑えることができる。
さらに、かかる車両換気装置1における車両制御部14は、室内外環境情報取得部12による検出結果に基づいて、制御内容判定部13が車室内の換気を不要とする(つまり、車室内外の雰囲気状態に差がなく、適正な範囲である)通常モードと判定するとき、該判定結果を換気制御部16にて取得する。
そして、換気制御部16は取得した判定結果に基づいて制御モードを通常モードへ切り換える。これにより、車両制御部14は上述したような換気制御モードにおける車窓の開閉動作および環境維持モードにおけるドアの開閉動作を制御することなく、次に制御内容判定部13が制御モードを判定するまで通常の状態を維持するようになされている。
従って、車両換気装置1では、通常モードを設けることにより、車室内外ともに雰囲気状態に差がなく適正である状況において、不要な換気制御を省くことができるため、エネルギーの消費(バッテリの消耗や燃費の低下)を抑えることができる。
<実施例>
以下、本発明による車両換気装置1について一実施例を用いて説明する。但し、本実施例においては、車両換気装置1の詳細構成に関し、上述した実施の形態の説明と重複する部分については、割愛する。
<車両の説明>
図3は、本発明の車両換気装置1を採用した車両10としての4ドアセダンタイプの一般的な乗用車の概略構成を示す上面図である。なお、図3においては、車室101についての説明に重きをおくため、車両10の屋根等の車室101を上面から見た際に被る部位については、説明の便宜上、破線にて表示した。
図3に示す車両10の車室101内には、運転席DS、助手席PS、運転席側後部席(以下、これを右後部席と称す)RRSおよび助手席側後部席(以下、これを左後部席と称す)RLS毎に、それぞれドア102A、102B、102Cおよび102Dが開閉自在に設けられている。また、これらドア102A、102B、102Cおよび102Dには、それぞれ開閉自在な車窓103A、103B、103Cおよび103Dが配設されており、それぞれ図1に示す車両制御部14によって開閉動作が制御されるようになっている。
そして、各ドア102A、102B、102Cおよび102D近傍には、図1に示す人感センサ11Aと、ドア開度検出センサ17および開閉速度センサ18が配設されている。そして、上記人感センサ11A、ドア開度検出センサ17または開閉速度センサ18の検出結果に基づいて、車両制御部14(図1参照)が、各ドア102A〜Dまたは車窓103A〜103Dを開閉制御するようになっている。
また、車室101内外には、それぞれ図2に示す車室内気温センサ12AB、車室外気温センサ12AA、車室内COセンサ12BBおよび車室外COセンサ12BAが配設されており、それぞれ検出した車室内外の気温および空気の汚染率を図1に示す環境情報取得部12へと伝達するようになされている。
<換気判定処理の説明>
以下、制御内容判定部13が換気判定処理を行なう際の処理手順について説明する。図4は、制御内容判定部13が実行する換気判定処理の処理手順を示すフローチャートである。制御内容判定部13は、まずステップSP1において換気判定処理を開始し、続くステップSP2に移動し、車両10(図3参照)が現在、停止している状態にあるか否かを車速センサやシフトポジションなどにより判断する。
制御内容判定部13は、ステップSP2において肯定結果を得ると次のステップSP3へと移動し、車室101(図3参照)に乗員がいるか否かを人感センサ11A(図1参照)により判断する。このとき、否定結果を得ると、制御内容判定部13は、次のステップSP4に移動し、車室外に搭乗車が存在するか否かを人感センサ11A(図1参照)により判断する。
そして、制御内容判定部13は、ステップSP3またはステップSP4において肯定結果を得ると、ステップSP5へ移動して制御モード判定処理へ推移する。
また、制御内容判定部13は、ステップSP2およびステップSP4において否定結果を得るとステップSP2へ移動し、再び車両10(図3参照)が、停止している状態にあるか否かを判断する。この後、制御内容判定部13は、ステップSP2またはステップSP4において肯定結果を得るまで、このルーチンを繰り返す。
<制御モード判定処理の説明>
次に、制御内容判定部13が制御モード判定処理を行なう際の処理手順について説明する。図5は、制御内容判定部13が実行する制御モード判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、制御内容判定部13は、制御モード判定処理に推移すると、ステップSP10において、車室内外の気温を図2に示す環境情報取得部12における車室外気温センサ12AAおよび車室内気温センサ12ABによって検出し、次のステップSP11に移る。
制御内容判定部13は、ステップSP11において、図3に示す車室101内外の空気汚染率を図2に示す車室外COセンサ12BAおよび車室内COセンサ12BBによって検出し、続くステップSP12へ移る。かかるステップSP12において、制御内容判定部13は、外気(つまり、車室外の空気)の汚染率が第1の所定値以下である適正範囲内か否かを判断する。この場合、車室外の空気汚染率の適正範囲は大気中のCO濃度5〔ppm〕以下であり、これを超えると外気が喚起に適さない。このため、大気中のCO濃度5〔ppm〕以下が適していると言える。
ステップSP12において肯定結果が得られる、つまり車室外の空気汚染率が適正範囲内であると、制御内容判定部13は、次のステップSP13へ移り、図3に示す車室101内の気温が第2の所定温度以上であるか、または車室101内の空気汚染率が第2の所定値以上である適正範囲外であるか否かを判断する。この場合、車室内の気温の適正範囲は、25〔℃〕以下であり、25〔℃〕を超えると、車室内が高温となる。このため、車室内の気温は25〔℃〕以下が適していると言える。また、車室内の空気汚染率の適正範囲は大気中のCO濃度5〔ppm〕以下となるように調整する必要がある。なお、これらの車室内外の空気汚染率および温度は任意に変更することができる。
ステップSP13において肯定結果が得られる、つまり車室内の気温または空気汚染率が上述した適正範囲外であると、制御内容判定部13は、次のステップSP14へ移行し、車室外の気温が第1の所定温度である適正範囲内であるか否かを判断する。この場合、車室外の気温の適正範囲は、25〔℃〕以下であり、25〔℃〕を超えると、車室内の気温における適正範囲を超えるため、換気が困難となる。このため、車室外の気温は25〔℃〕以下が適していると言える。
ステップSP14において肯定結果が得られる、つまり車室外の気温が適正範囲内であると、制御内容判定部13は、次のステップSP15へ移り、換気制御部16(図1参照)に対し、制御モードを換気制御モードに切り換えるよう伝達する。これにより、換気制御部16は、制御モードを換気制御モードへ切り換え、後述する換気制御モード処理を行う。
一方、上述したステップSP12で否定結果が得られる、つまり車室外の空気汚染率が上述した適正範囲外であると、制御内容判定部13はステップSP16へ移行し、換気制御部16に対して制御モードを環境維持モードへ切り換えるよう伝達する。これにより、換気制御部16は制御モードを換気制御モードへと切り換え、後述する環境維持モード処理を行う。
他方、上述したステップSP13において否定結果、つまり車室内の気温または空気汚染率が上述した適正範囲内であると、制御内容判定部13は、ステップSP17へ移り、車室内と車室外との気温差が第3の所定温度以下であると共に、車室内と車室外との空気汚染率の差が第3の所定値以下である一定範囲内か否かを判断する。
そして、ステップSP17において否定結果を得る、つまり車室内と車室外との気温および空気汚染率の差が一定範囲外であると、制御内容判定部13はステップSP16へ移行し、換気制御部16に対して制御モードを環境維持モードへ切り換えるよう伝達する。これにより、換気制御部16は制御モードを環境維持モードへと切り換え、後述する環境維持モード処理を行う。
さらに、上述したステップSP17において肯定結果、つまり車室内と車室外との気温および空気汚染率の差が一定範囲内であると、制御内容判定部13はステップSP18へ移行し、換気制御部16に対して制御モードを通常モードへ切り換えるよう伝達する。
これにより、換気制御部16は制御モードを通常モードへと切り換え、換気制御モードのように、ドアの開閉動作に追従して対応する車窓を開閉制御したり、環境維持モードのように、ドアの開閉動作や車窓の開閉動作を制限するよう制御したりすることなく、通常の状態を維持した状態でステップSP19に移行して制御モード判定処理を終了する。
<換気制御モードの説明>
次に、換気制御部16が換気制御モード処理を行なう際の処理手順について説明する。図6は、換気制御部16が実行する換気制御モードの処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、換気制御部16は、制御内容判定部13によって換気制御モードが選択されると、ステップSP30において換気制御モード処理を開始し、ユーザ検知部11の人感センサ11Aによって、車両10(図3参照)の近傍に搭乗者または搭乗者以外の他人が存在するか否か検知し、次のステップSP31へ移行する。
ステップSP31において、換気制御部16は人感センサ11Aの検出結果に基づき、開動作されるドアを予測すると共に、該予測したドアに対応する車窓の位置を判定し、続くステップSP32へ移る。換気制御部16は、ステップSP32において上記予測したドアが開動作されるか判断し、肯定結果が得られるまで、ステップSP30、ステップSP31およびステップSP32のルーチンを繰り返す。
そして、ステップSP32において肯定結果、すなわち上記予測したドアが開かれると、次のステップSP33へ移行し、開閉速度センサ18によって、開動作されるドアの加速度を検出する。次いで換気制御部16は、続くステップSP34へ移り、車両制御部14に対し、ドアの開動作に追従して対応する車窓の開閉動作を行うよう制御し、次のステップSP35へ移行する。
これにより、車両換気装置1では、図3との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、例えば運転席DSのドア102Aが開動作される場合、当該ドア102Aの開動作時に発生する圧力差を用いて、ドア102Aに対応する左後部席RLSにおける車窓103Dの開口部104から空気を効率よく流入させ(図7中、矢印K1で示す)、該空気を車室101内に循環させた後、ドア102Aの開口部105から排出させる(図7中、矢印K2で示す)ことができる。
このとき、車両制御部14は開閉速度センサ18によって検出されるドア102Aの加速度に応じて、車窓103Dの開閉速度を制御することにより、ドア102Aの開閉動作に起因した気流渦の発生を抑制して効率よく換気することができる。因みに、ここで説明した車室外の空気の流入から排出に関しては、図7に示すドア102Aの開動作開始時tから開動作終了時tまでの期間におけるものである。
次に、換気制御部16はステップSP35において、閉動作されるドアを該ドアの開状態から予測(この場合、運転席DSのドア102Aが開かれた状態にあるので、ドア102Aが予測される)すると共に、該予測したドアに対応する車窓の位置を判定し、続くステップSP36へ移る。換気制御部16は、ステップSP36において上記予測したドアが閉動作されるか判断し、肯定結果が得られるまで、ステップSP35およびステップSP36のルーチンを繰り返す。
そして、ステップSP36において肯定結果、すなわち上記予測したドアが閉じられると、次のステップSP37へ移行し、開閉速度センサ18によって、閉動作されるドアの加速度を検出する。次いで換気制御部16は、続くステップSP38へ移り、車両制御部14に対し、ドアの閉動作に追従して対応する車窓の開閉動作を行うよう制御し、次のステップSP39へ移行し、換気制御モードを終了する。
これにより、車両換気装置1では、図3との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、例えば運転席DSのドア102Aが閉動作される場合、ドア102Aの閉動作時に発生する風圧を用いて、閉動作中のドア102A開口部105から車室101内に空気を取り込み易くする(図8中、矢印K3で示す)と共に、該空気を車室101内に循環させた後、助手席PSの車窓103Bの開口部106から排出させる(図8中、矢印K4で示す)ことができる。
このとき、車両制御部14は開閉速度センサ18によって検出されるドア102Aの加速度に応じて、車窓103Bの開閉速度を制御することにより、ドア102Aの開閉動作に起因した気流渦の発生を抑制して効率よく換気することができる。因みに、ここで説明した車室外の空気の流入から排出に関しては、図8に示すドア102Aの閉動作開始時t10から閉動作終了時t11までの期間におけるものである。
因みに、上述した実施例では換気制御モード処理において、車両10の運転席DSのドア102Aが開閉動作される場合について説明したが、開閉されるドアに対して車両制御部14が開閉制御対象の車窓を選定する基本パターンとしては、以下のようになる。
すなわち、車両制御部14は、助手席PSのドア102Bが開閉される場合、ドア102Bの開動作時において右後部席RRSの車窓103Cを開閉制御し、ドア102Bの閉動作時において運転席DSの車窓103Aを開閉制御する。
また、車両制御部14は、右後部席RRSのドア102Cが開閉される場合、ドア102Cの開動作時において助手席PSの車窓103Bを開閉制御し、ドア102Cの閉動作時において左後部席RLSの車窓103Dを開閉制御する。
さらに、車両制御部14は、左後部席RLSのドア102Dが開閉される場合、ドア102Dの開動作時において運転席DSの車窓103Aを開閉制御し、ドア102Dの閉動作時において右後部席RRSの車窓103Cを開閉制御する。
なお、上述した換気制御モード時において、同乗者が搭乗する場合、同乗者が開動作するドアの車窓が開いてしまっていると、ドアの開閉動作時に圧力差が発生しないため、換気制御モードにおける上述した効果が見込めない。また、搭乗者に関係のない歩行者などの他人が車両10近傍に存在する場合においても、上記他人が存在する近傍の車窓が開動作されることは、セキュリティー性が低下する原因につながることが懸念される。
従って、本実施例の車両換気装置1では、上述したドアおよび対応する車窓の開閉動作を基本パターンとし、車両制御部14が選定した車窓近傍に人が存在する場合、車両制御部14によって上記選定した車窓に隣接する車窓を開閉制御するものとする。これにより、上述したセキュリティー性の低下を防止することが可能となる。
<環境維持モードの説明>
次に、換気制御部16が環境維持モード処理を行なう際の処理手順について説明する。図9は、換気制御部16が実行する環境維持モードの処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、換気制御部16は、制御内容判定部13によって環境維持モードが選択されると、ステップSP40において環境維持モード処理を開始し、開動作されるドアが存在するか判断し、肯定結果が得られるまでこのステップSP40のルーチンを繰り返す。
そして、換気制御部16はステップSP40において肯定結果を得られると次のステップSP41に移り、換気制御部16は図1に示すドア開度検出センサ17によって、開動作されるドアの開度を検出する。次いで、換気制御部16は、ステップSP42に移行し、図1に示す開閉速度センサ18によって開動作されるドアの加速度を検出し、続くステップSP43へ移る。
ステップSP43において、換気制御部16は、ドア開度検出センサ17および開閉速度センサ18によって検出された検出結果に基づいて、開動作されるドアの開度を所定角度に制限すると共に、開動作されるドアの加速度を所定速度に制限するように、車両制御部14を介して当該開動作されるドアに対し操作反力を負荷する。この場合、開度を制限されるドアの所定角度は、45〔°〕程度に設定されると共に、加速度を制限されるドアの所定速度は、0〔m/sec〕程度に設定されるのが好ましい。
次いで、換気制御部16は、続くステップSP44に移り、開動作されたドアの閉動作が開始されるか否か判断し、肯定結果が得られるまでステップSP44のルーチンを繰り返す。そして、ステップSP44において肯定結果が得られると、換気制御部16は次のステップSP45へ移行し、開閉速度センサ18によって閉動作されるドアの加速度を検出する。
次に、換気制御部16は、続くステップSP46に移行し、開閉速度センサ18の検出結果に基づき、閉動作されるドアの加速度を所定速度に制限するように、車両制御部14を介して当該閉動作されるドアに対し操作反力を負荷する。この場合、加速度を制限されるドアの所定速度は、0〔m/sec〕程度に設定されるのが好ましい。
この後、換気制御部16は、次のステップSP47に移行し、閉動作されたドアの閉動作が終了したか否かを判断し、肯定結果が得られるまでステップSP47のルーチンを繰り返す。そして、ステップSP47において肯定結果が得られると、換気制御部16は次のステップSP48へ移行し、環境維持モード処理を終了する。
このように、車両換気装置1では環境維持モード時、開動作されるドアの最大開度を制限することにより、無駄にドアが開かれるのを防止することができる。このとき、制限される角度以上にドアを開く場合には所定以上の操作反力が負荷されるようにした。
また、車両換気装置1では環境維持モード時、開閉されるドアの開閉速度を制限することにより、急激なドアの開閉動作が行われないように該開閉動作時の加速度に応じた操作反力を負荷するようにした。
かくして、車両換気装置1では、エアコンが作動しているときのように、車室101内(図3参照)の雰囲気が適正に保たれている状況において、同乗者の乗降によるドアの開閉動作によって車室101内外の空気が循環することを極力抑え、車室101内の雰囲気を一定に保つことができる。
しかも、換気制御部16は、ドア開度検出部17および開閉速度検出部18の検出結果に基づいたドアの開度および開閉速度となるように車両制御部14を制御し、開閉されるドアに対して操作反力を負荷するようになっている。このため、車室101内の雰囲気が適正に保たれている状況下において、ドアの開閉動作による空気の循環の発生をより一層抑えることができる。
<実施例における作用・効果>
このように、本実施例の車両換気装置1では、換気制御モード時、例えば、運転席DSのドア102Aが開閉される場合、開動作されるドア102Aに対角する位置(左後部席RLS)の車窓103Dを開閉し、閉動作されるドア102Aに対向する位置(助手席PS)の車窓103Bを開閉する。
これにより、ドア102Aの開動作時に発生する圧力差を用いて、車窓103Dの開口部から空気を効率よく流入させ、該空気を車室101内に循環させた後、ドア102Aの開口部から排出させる。また、ドア102Aの閉動作時に発生する風圧を用いて、閉動作中のドア102A開口部から車室101内に空気を取り込み易くし、該空気を車室101内に循環させた後、車窓103Bの開口部から排出させる。
従って、本実施例の車両換気装置1は、ドア102Aの開閉動作(言い換えれば、開動作と閉動作との双方の動作)を利用して車窓103Dおよび103Bを順次開閉することにより、乗車前の僅かな期間であっても車室101内に空気を効率よく循環させて換気を行うため、車室101内の快適性を実用上十分に向上させることができる。このとき、車両換気装置1は、ドア102Aの開閉動作なくして車窓103Dおよび103Bの開閉動作を行わないため、セキュリティー性の低下を招くことはない。
かくして、セキュリティー性の低下を確実に防止しつつ、車室内の快適性を実用上十分に向上させることが可能な車両換気装置を実現することができる。
また、本実施例の車両換気装置1では、環境情報取得部12において検出される雰囲気状態は、車室内外の空気汚染率及び車室内外の気温差であり、制御内容判定部13は、環境情報取得部12によって検出された空気汚染率又は気温差に基づいて、制御モードを判定するようにした。これにより、車室101内における空気を浄化すると共に、車室101内気温を調整することができ、車室101内の雰囲気を一定に保つことができる。
さらに、本実施例の車両換気装置1では、車両制御部14は、ドアの開閉速度に応じて車窓の開閉速度を調整するようにした。これにより、ドアの開閉動作に起因した気流渦の発生を抑制して効率よく換気することが可能となる。
さらに、本実施例の車両換気装置1では、ユーザ検知部11は、開閉されるドア近傍の人の存在を検出する人感センサ11Aを有し、車両制御部14は、開閉する車窓外近傍に人感センサ11Aによって人の存在が検出されたとき、該人の存在が検出された車窓に隣接する車窓を開閉するようにした。
これにより、搭乗する人のいない、すなわち開閉されることのないドアの車窓を他のドアの開閉を利用して開閉することによって、車室101内の換気を行うことができる。しかも、開閉する車窓近傍に搭乗者以外の他人が存在するとき、該他人が存在する位置の車窓が開閉することはないため、車両10のセキュリティーを確保することができる。
さらに、本実施例の車両換気装置1では、ドアの開度を検出するドア開度検出センサ17と、ドアの開閉速度を検出する開閉速度センサ18とを設け、換気制御部16は、制御内容判定部13が車室101内の雰囲気状態を維持する環境維持モードと判定するとき、ドアの開閉に追従して車窓を開閉しないように車両制御部14を制御すると共に、ドア開度検出センサ17及び開閉速度センサ18の検出結果に基づいて、開閉されるドアの開度及び開閉速度を制限するようにした。
これにより、エアコンが作動しているときのように、車室101内の雰囲気状態が適正に保たれている状況又は、車室101外の雰囲気状態が適正でない場合において、同乗者の乗降によりドアが開閉動作されることによって車室101内外の空気が循環することを極力抑え、車室101内の雰囲気を一定に維持することができる。
しかも、本実施例の車両換気装置1では、換気制御部16は、ドア開度検出センサ17及び開閉速度センサ18の検出結果に基づいたドアの開度及び開閉速度となるように、開閉されるドアに対して操作反力を負荷するようにした。これにより、車室101内の雰囲気が適正に保たれている状況下において、ドアの開閉による空気の循環の発生をより一層抑えることができる。
さらに、本実施例の車両換気装置1では、換気制御部16は、制御内容判定13が車室101内の換気を不要とする通常モードと判定するとき、車両制御部14によってドアおよび車窓の開閉動作を制御することなく、いわゆる通常の状態を維持するようにした。
これにより、車室101内外ともに雰囲気状態に差がなく適正である状況において、不要な換気制御を省くことによって、エネルギーの消費(バッテリの消耗や燃費の低下)を抑えることができる。
<他の実施例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施例の車両換気装置1では、人検出手段として人感センサ11Aを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、人検出手段としては、開閉されるドア近傍の人の存在を検出するものであれば、例えば、車室101内外にカメラを設置することで人の存在を検出したり、いわゆるリモートコントロールキー、キーレスエントリーシステムまたはスマートキー等による鍵暗号の照合を用いて人の存在を検出したりしてもよく、この他、種々の手段を広く適用することができる。
因みに、人検出手段として、キー自身と車両10との間で鍵暗号を照合することによりドアを施錠及び解錠するリモートコントロールキーを用いる場合、ユーザ検知部11は、リモートコントロールキーとの間の鍵暗号の照合によって、開動作されるドアを検知する。これにより、既存のリモートコントロールキーを活用して、開閉されるドアの判定を容易に実現することができる利点がある。さらに、リモートコントロールキーの場合、規定される範囲において、車両10に対し鍵暗号を認識させることが可能である分、乗車までの期間を延長して車両10における換気の実行開始を早めることができ、格段と効率よく換気を行うことができる。
また、上述した実施の形態においては、環境情報取得部12が、車室内外の空気の汚染率を検出する車室外COセンサ12BAおよび車室内COセンサ12BBを有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、空気の汚染率を検出する手段としては、この他、例えば排気ガス検出装置など、この他種々の検出手段を広く適用することができる。
さらに、上述した実施例においては、車両10として、4ドアセダンタイプの一般的な乗用車を用いる場合について述べるが、本発明はこれに限ることなく、車両としては、この他、例えばクーペ、ワゴン、ピックアップトラックなど複数の開閉動作するドアおよび車窓を有する種々のタイプの車両に広く適用することができる。
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
本発明による車両換気装置の一実施の形態を示す概略構成図である。 図1における環境情報取得部12の詳細構成について示す構成図である。 本発明による車両換気装置を搭載した車両の一実施例を示す車両上面図である。 換気判定処理手順を示すフローチャートである。 制御モード判定処理手順を示すフローチャートである。 換気制御モードの処理手順を示すフローチャートである。 換気制御モードにおけるドア開動作時の説明に要する車両上面図(a)およびタイムチャート(b)である。 換気制御モードにおけるドア閉動作時の説明に要する車両上面図(a)およびタイムチャート(b)である。 環境維持モードの処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両換気装置
10…車両
11…ユーザ検知部(ドア検知手段)
11A…人感センサ(人検出手段)
12…環境情報取得部(雰囲気検出手段)
12AA…車室外気温センサ
12AB…車室内気温センサ
12BA…車室外COセンサ
12BB…車室内COセンサ
13…制御内容判定部(換気判定手段)
14…車両制御部(窓開閉手段)
15…車両情報取得部
16…換気制御部
17…ドア開閉検出センサ
18…開閉速度センサ
102A、102B、102C、102D…ドア
103A、103B、103C、103D…車窓

Claims (7)

  1. 車両の車室内を車室外の空気によって換気する車両換気装置であって、
    車室内外の空気汚染率及び/又は気温を検出する雰囲気検出手段と、
    前記雰囲気検出手段による検出結果に基づいて、前記車室内の換気を行うか否かを判定する換気判定手段と、
    開閉されるドアを検知するドア検知手段と、
    前記換気判定手段が前記換気を行うと判定したとき、前記ドア検知手段の検知結果に基づいて、前記開閉されるドアに対応した位置の車窓を選択して開閉制御する開閉制御手段とを有する
    ことを特徴とする車両換気装置。
  2. 前記換気判定手段は、
    前記雰囲気検出手段の検出結果が、前記車室外の空気汚染率が第1の所定値以下であると共に、前記車室外の気温が第1の所定温度以下であって、前記車室内の空気汚染率が第2の所定値以上であるか、前記車室内の気温が第2の所定温度以上であるとき、前記換気を行うと判定し、
    前記開閉制御手段は、前記換気判定手段の判定結果に基づいて、
    前記ドアの開動作に追従して該ドアに対角する位置の車窓を開閉制御した後、前記ドアの閉動作に追従して該ドアに対向する位置の車窓を開閉制御する換気制御モードに切り換える
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両換気装置。
  3. 前記開閉制御手段は、前記ドアの開閉速度に応じて前記車窓の開閉速度を調整する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両換気装置。
  4. 前記ドア検知手段は、前記開閉されるドア近傍の人の存在を検出する人検出手段を備え、
    前記開閉制御手段は、前記開閉制御する車窓外近傍に前記人検出手段によって人の存在が検出されたとき、該人の存在が検出された車窓に隣接する車窓を開閉制御する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両換気装置。
  5. 前記換気判定手段は、
    前記雰囲気検出手段の検出結果が、前記車室外の空気汚染率が前記第1の所定値以上であるか、前記車室内外の空気汚染率の差が第3の所定値以上であると共に、前記車室内外の気温差が第3の所定温度以上であるとき、前記換気を行わないと判定し、
    前記開閉制御手段は、前記換気判定手段の判定結果に基づいて、
    前記車窓を開閉することなく、前記開閉されるドアの開度及び開閉速度を制御する環境維持モードに切り換える
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両換気装置。
  6. 前記ドアの開度を検出するドア開度検出手段と、
    前記ドアの開閉速度を検出する開閉速度検出手段とを設け、
    前記開閉制御手段は、前記環境維持モードであるとき、
    前記ドア開度検出手段及び前記開閉速度検出手段の検出結果に基づいて、前記開閉されるドアの開度及び開閉速度を制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両換気装置。
  7. 前記換気判定手段は、
    前記雰囲気検出手段の検出結果が、前記車室外の空気汚染率が前記第1の所定値以下であって、前記車室内外の空気汚染率の差が前記第3の所定値以下であると共に、前記車室内外の気温差が前記第3の所定温度以下であるとき、前記換気を行わないと判定し、
    前記開閉制御手段は、前記換気判定手段の判定結果に基づいて、
    前記開閉されるドア及び車窓を開閉制御しない通常モードに切り換える
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両換気装置。
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