JP2009279607A - 金属母材の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属の押棒4と、出没制御機構2より該押棒4を出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する保持部3から構成される型体1によるオス金型1a及びメス金型1bにより塑性成形を行うものであって、オス金型1aを構成する押棒4の先端を球面形状とした上で、オス金型1aを構成する複数の押棒4を部分ごとに反復して出没させながら金属母材6を打突し徐々に突出させることによって、金属母材は塑性流動が促され、順次塑性変形を起しつつ成形されるため、成形品における破断やしわ等の変形を防止できる。
【選択図】図4
Description
金属の押棒と、出没制御機構により該押棒を出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する保持部から構成される型体により成形品のオス金型及びメス金型を作成し、該オス金型及びメス金型により塑性成形を行う金属母材の成形方法であって、
前記オス金型を構成する押棒の先端を球面形状とした上で、
前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を、全面にわたり又は部分ごとに反復して出没させながら徐々に突出させることで、金属母材を打突しつつ順次塑性変形を起こさせ、メス金型により成形してなるものである。
また、成形する上記金属母材に合わせて押棒の素材も適宜変更することで、簡易且つ確実に成形することができる。
そして、オス金型やメス金型の押棒を出没させるにあたっては、ローラー、液圧、クランクシャフト、電磁誘導、超音波の印加乃至は振動モーターを動力として利用し、また前記押棒を出没と同時に回転させるにあたっては、プラグ押し抜き、モーター駆動、歯車連動乃至はベルト連動を動力として利用するものである。
前記オス金型を構成する押棒の先端を球面形状とした上で、
前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を、全面にわたり又は部分ごとに反復して出没させながら徐々に突出させることで、金属母材を打突しつつ順次塑性変形を起こさせるとともに、該金型により成形してなるものである。
更に成形後は突出している押棒を保持部内に没入させることで、成形品内よりオス金型を容易に抜出することができる。
前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を回転させてなるものである。
前記金属母材を成形すると同時に、孔部を穿設してなるものである。
なお、この実施例は、本願発明の好ましい一実施態様を説明するためのものであって、これにより本願発明が制限されるものでない。
ここで、オス金型1a及びメス金型1bとなる該型体1は、出没制御機構2により該押棒4を出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する保持部3から構成されるものである。
前記オス金型1aを構成する単数又は複数の押棒4aを、全面にわたり又は部分ごとに反復して出没させながら徐々に突出させることで、金属母材6を打突しつつ順次塑性変形を起こさせ、メス金型1bにより成形品7に成形してなるものである。
まず、オス金型1aから圧力を受けて成形を行うメス金型1bの作成にあたっては、まず成形品7aの表面に対して前記型体1の押棒4当接させる。
その結果該押棒4は成形品7aの表面形状に沿って保持部3に対して出没するため、成形品7aの表面形状は正確に型体1の押棒4に転写される。
そして成形品7aの表面形状に従って出没した該押棒4を出没制御機構2により固定することで、型体1は成形品7aの表面形状を押棒4bに転写したメス金型1bとなる(図3参照)。
そして、前記オス金型1aの押棒4aは、出没制御機構2aにより、中央よりその同心円状に部分ごとに反復して出没、且つ回転しながら金属母材6aを打突して徐々にメス金型1b側へ突出するものである。また、上述のオス金型1aの押棒4aは、金属母材6aの展伸性によっては、出没制御機構2aにより、中央よりその同心円状に部分ごとに連続して突出させながら金属母材6aに当接しつつ押勢して徐々にメス金型1b側へ突出するものとしても良いものである。
このとき、該押棒4aの打突或いは押勢、及び回転により発生する摩擦熱によって、金属母材6aでは塑性流動が促されるので、容易に、しかも徐々に塑性変形を起こしながらメス金型1bにより成形されるものとなる。
その結果、破断やシワ等の変形がなく、均一の厚さで、且つ高い加工硬化度を有する成形品7aを得ることができる(図4参照)。
すなわち、前記オス型1aとメス型1bにより成形された成形品7aに対して、オス金型1aの所定位置の押棒4a’を打突或いは押勢し、更にメス金型1b側に突出させると同時に、対向するメス金型1bの押棒4b’を保持部2へ没入させる。
その結果、前記オス金型1aの保持部2より突出する押棒4a’は成形品7aを貫通し、メス金型1b側へと打ち抜くので、該成形品7aにおいて孔部8が穿設されるものとなる(図5参照)。
そして、上記型体1により作製した該メス金型1bとともにオス金型1aによって、厚さ1mmのJIS 5083−Oのアルミニウム合金板6aを弁当箱形状の成形品7bに成形した。
なお、この成形にあたっては、まず成形品7bの隅部での板厚を確保できるように、該隅部に対応するオス金型1aの押棒4a”を550℃に加熱後すぐに反復して出没させながら突出させた。その後に、押棒4a全面を中心部から同心円状に、反復して0.3mmずつ保持部3より突出させるとともに0.2mm没入させ、且つ1サイクル0.1秒で打突しながら徐々にメス金型1b側に突出させた。
その結果、破断やシワ等の変形がなく、板厚がほぼ均一な深い造形を有する弁当箱形状の成形品7bを得ることができた(図6参照)。
そして、上記型体1により作製した該メス金型1bとともにオス金型1aによって、厚さ1mmのJIS 6016−T4のアルミニウム合金板6aをドーム形状の成形品7aに成形した。
なお、この成形にあたっては、オス金型1aの千鳥位置にある複数の押棒4全面を交互に、反復して0.3mmずつ保持部3より突出させるとともに0.2mm没入させ、且つ1サイクル0.1秒で打突しながら徐々にメス金型1b側に突出させた。このとき、金属母材6aの加工度が高い部分ではその温度が250℃にまで上昇するものとなった。
その結果、破断やシワ等の変形がなく、通常の塑性成形に得られる成形品の2倍の成形高を有する成形品7aを得ることができた。
まず、図7において示すように、使用するオス金型9となる型体1’は、円筒形状である保持部10と該円筒形状の保持部10の内周面に、出没制御機構(図示せず)により出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する押棒11から構成される。
一方、使用するメス金型12となる型体1”は、上記円筒形状のオス金型9の内径より小さい外径を有する円筒形状である保持部13の外周面に、出没制御機構により出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する押棒14から構成される。
そこで、オス金型9から圧力を受けて成形を行うメス金型12の作製にあたっては、成形品7cの内周面に対して前記型体1”の押棒14を当接させる。
その結果、該押棒14は成形品7cの内周面形状に沿って保持部13から出没し、成形品7cの内周面形状は正確に型体1”の押棒14に転写される。
そして、成形品7cの内周面形状に従って出没した該押棒14を出没制御機構により固定することで、型体1”は成形品7cの内周面形状を押棒14に転写したメス金型12となる。
そして、前記オス金型9の押棒11は、出没制御機構により、部分ごとに反復して出没、且つ回転しながら前記金属母材6bの外周面を打突してメス金型12側に徐々に突出するものである。
このとき、該オス金型9の押棒11の打突及び回転により発生する摩擦熱によって、金属母材6bでは塑性流動が促されるので、容易に、しかも徐々に塑性変形を起こしながら、該金属母材6b内に設置されたメス金型12により成形されるものとなる。
その結果、破断やシワ等の変形がなく、均一の厚さで、且つ高い加工硬化度を有する成形品7cを得ることができる(図8参照)。
そこで、上記のような場合において、上記管状の成形品7dの成形は次のようにして行うものである。
まず、使用する型体1”は、上述のように、円筒形状である保持部13の外周面に、出没制御機構により出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する押棒14から構成される。
そして、該型体1”は、金属母材6bに対して反復して出没、且つ回転しながら打突して塑性流動を促し、徐々に突出して塑性変形を起こすものである。
そこで、成形品7dの内周面に対して前記型体1”の押棒14を当接させることで、該押棒14は成形品7dの内周面形状に沿って保持部3bに対して出没するため、成形品7dの内周面形状は正確に該型体1”の押棒14に転写される。
そして、成形品7dの内周面形状に従って出没した該押棒14を出没制御機構(図示せず)により固定することで、型体1”は成形品7dの内周面形状を押棒14に転写したオス金型12となるものである。
なお、前記オス金型12の押棒14における反復して行う出没、回転及び突出は、保持部3b内の孔3b’内において充填封入される液体や気体を伝達媒体として、該孔3b’内に密嵌させるプラグ15の摺動によって発生する圧力により行うものである。
また、前記オス金型12の外周面に配設される各押棒14の突出量は成形品7dの内周面形状に合わせて突出量が出没制御機構により設定されている。その結果、すべての押棒14が保持部3bより突出すると、成形品7dの内周面形状が再現されるものである。
そこで、該管状の金属母材6b内にオス金型12を設置した後に、前記プラグ15をメス金型12の保持部3bの孔3b’内を摺動させることで圧力が発生し、オス金型12を構成する保持部3bより押棒14が突出し、且つ回転しながら金属母材6bを打突して徐々に突出させるものである。
このとき、該押棒14の打突及び回転により発生する摩擦熱によって、金属母材6bにおいては塑性流動が促されるので、容易に、しかも徐々に塑性変形を起こしながら該オス金型12の保持部3bより所定の長さに突出した押棒14により成形されるものである。
その結果、破断やシワ等の変形がなく、均一の厚さで、且つ高い加工硬化度を有する成形品7dを得ることができる(図9参照)。
更に、塑性成形後は、オス金型12の保持部3b内の孔3b’内を摺動するプラグ15を抜出する等により押棒14に加わる圧力を解除することで、該保持部3bより突出している押棒14は保持部3b内に没入するものとなる。
その結果、該オス金型12の外径は小さくなり、容易に成形体7d内より抜出することができる。
1a オス金型
1b メス金型
2、2a、2b 出没制御装置
3、3a、3b 保持部
3b’ 孔
4、4a、4a’、4a”、4b、4b’ 押棒
5 (押棒の)先端
6 金属母材
6a (板状の)金属母材
6b (管状の)金属母材
7、7a、7b、7c、7d 成形品
8 孔部
9 オス金型
10 保持部
11 押棒
12 メス金型
13 保持部
14 押棒
15 プラグ
Claims (4)
- 金属の押棒と、出没制御機構により該押棒を出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する保持部から構成される型体により成形品のオス金型及びメス金型を作成し、該オス金型及びメス金型により塑性成形を行う金属母材の成形方法であって、
前記オス金型を構成する押棒の先端を球面形状とした上で、
前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を、全面にわたり又は部分ごとに反復して出没させながら徐々に突出させることで、金属母材を打突しつつ順次塑性変形を起こさせ、メス金型により成形してなることを特徴とする金属母材の成形方法。 - 金属の押棒と、出没制御機構により該押棒を出没自在とし、且つ任意の位置で固定可能とするように複数拘束する保持部から構成される型体により成形品のオス金型を作成し、該金型により塑性成形を行う金属母材の成形方法であって、
前記オス金型を構成する押棒の先端を球面形状とした上で、
前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を、全面にわたり又は部分ごとに反復して出没させながら徐々に突出させることで、金属母材を打突しつつ順次塑性変形を起こさせるとともに、該金型により成形してなることを特徴とする金属母材の成形方法。 - 前記オス金型を構成する単数又は複数の押棒を回転させてなることを特徴とする上記請求項1又は2記載の金属母材の成形方法。
- 前記金属母材を成形すると同時に、孔部を穿設してなることを特徴とする上記請求項1乃至3記載の金属母材の成形方法。
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