JP5586941B2 - 鍛造加工方法および鍛造加工装置 - Google Patents

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この発明は、金型を用いてワークを鍛造加工するようにした鍛造加工方法および鍛造加工装置に関する。
型鍛造用の鍛造加工装置は、例えば下金型(ダイス)に設けられた成形孔内に、鍛造素材(ワーク)を設置しておいて、上金型(パンチ)を成形孔に打ち込むことにより、鍛造素材を加圧成形して鍛造加工品が製造されるようになっている。
このような鍛造加工装置は、特許文献1に示すように、下金型における成形孔の底部に、上方に飛び出し可能にノックアウトピンが設けられており、型開き後に、ノックアウトピンを突出させて、そのノックアウトピンによって、下金型内の鍛造加工品を突き上げて排出するようにしている。
特開2007−118040号
しかしながら、上記従来の鍛造加工装置においては、下金型に、鍛造加工品を突き出すためのノックアウトピンを設けているため、ノックアウトピンや、そのピンを駆動させる駆動部等が別途必要となり、その分、金型の部品が多数になることによる複雑化、大型化を来してしまう。
また上記従来の鍛造加工装置では、上金型の打込処理(ワーク成形処理)を行った後、直ちに鍛造加工品を取り出す処理(ワーク排出処理)を行うことができず、ワーク排出処理に多くの時間が必要となる。このため、サイクルタイムが長くなり、生産性の低下を来す、という課題も抱えている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、金型の部品を少なくして簡素化および小型化、並びに生産性の向上を図ることができる鍛造加工方法および鍛造加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]両端が開放された貫通孔を有し、その貫通孔の一側部がワーク設置孔として構成されるとともに、他側部がワーク成形孔として構成されるダイス本体と、
前記ワーク成形孔の他端開口部に対向するように配置される成形面を有する他端面成形金型と、
前記ワーク設置孔に、その一端側から打ち込まれるパンチとを用いて鍛造加工を行うようにした鍛造加工方法であって、
前記ワーク設置孔に、鍛造素材を設置した状態で、前記パンチの打込によって、鍛造素材を押圧して、鍛造素材の一端側を前記ワーク設置孔に残存させつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔に圧入することにより、前記ワーク設置孔に残存された部分を大径部とし、かつ前記ワーク成形孔に圧入された部分を1次成形部とする1次成形品を得る1次成形工程と、
前記1次成形品の大径部を前記ワーク設置孔に配置し、かつ前記1次成形部を前記ワーク成形孔に配置した状態で、前記パンチの打込によって、前記1次成形品を押圧して、1次成形品の一端側を塑性流動させて前記ワーク設置孔に圧入しつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔の他端開口部から流出させた後、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させることにより、前記ワーク成形孔に圧入された部分を本体部とし、かつ前記他端面成形金型の成形面に沿って拡径された部分をフランジ状部とする2次成形品を得る2次成形工程とを含み、
前記ワーク設置孔内において1次成形品上に鍛造素材を載置した状態で、前記パンチを前記ワーク設置孔内に打ち込むことにより、前記1次成形工程と、前記2次成形工程とを同時に行ってから、前記他端面成形金型を退避させて、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から他端側に押し出して排出するようにしたことを特徴とする鍛造加工方法。
[2]前記1次および2次成形工程が完了した後、前記パンチをさらに他端側へ押し込むことにより、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から押し出すようにした前項1に記載の鍛造加工方法。
[3]前記ダイス本体および前記他端面成形金型間における前記ワーク成形孔の外周に沿って、フランジ状部外周成形金型が設けられ、
前記2次成形工程において、塑性流動される1次成形品の他端側を前記フランジ状部外周成形金型内に充填することにより、前記フランジ状部を形成するようにした前項1または2に記載の鍛造加工方法。
[4]前記フランジ状部外周成形金型が周方向に沿って複数に分割され、分割された各フランジ状部外周成形金型内に、塑性流動される1次成形品の他端側が充填される際に、前記各フランジ状部外周成形金型を外径方向に移動させるとともに、
その外径方向に移動する前記各フランジ状部外周成形金型に背圧を付与するようにした前項3に記載の鍛造加工方法。
[5]前記2次成形工程において、塑性流動される1次成形品の他端側が、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させる際に、前記他端面成形金型を他端側に移動させるとともに、
その他端側に移動する前記他端面成形金型に背圧を付与するようにした前項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[6]前記2次成形工程を行う直前の状態では、前記他端面成形金型の成形面を、前記ダイス本体における前記ワーク成形孔の周縁部に接触させておくものとした前項5に記載の鍛造加工方法。
[7]前記2次成形工程の開始してから完了するまでの間、前記他端面成形金型の成形面を、前記ダイス本体における前記ワーク成形孔から間隔をおいて配置した状態に維持しておくものとした前項1〜4のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
[8]鍛造素材として、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを用いる前項1〜7のいずれか1項に記載の鍛造方法。
[9]両端が開放された貫通孔を有し、その貫通孔の一側部が ワーク設置孔として構成されるとともに、他側部がワーク成形孔として構成されるダイス本体と、
前記ワーク成形孔の他端開口部に対向するように配置される成形面を有する他端面成形金型と、
前記ワーク設置孔に、その一端側から打ち込まれるパンチとを備え、
前記ワーク設置孔に、鍛造素材を設置した状態で、前記パンチの打込によって、鍛造素材を押圧して、鍛造素材の一端側を前記ワーク設置孔に残存させつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔に圧入することにより、前記ワーク設置孔に残存された部分を大径部とし、かつ前記ワーク成形孔に圧入された部分を1次成形部とする1次成形品を得る1次成形処理と、
前記1次成形品の大径部を前記ワーク設置孔に配置し、かつ前記1次成形部を前記ワーク成形孔に配置した状態で、前記パンチの打込によって、前記1次成形品を押圧して、1次成形品の一端側を塑性流動させて前記ワーク設置孔に圧入しつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔の他端開口部から流出させた後、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させることにより、前記ワーク成形孔に圧入された部分を本体部とし、かつ前記他端面成形金型の成形面に沿って拡径された部分をフランジ状部とする2次成形品を得る2次成形処理程とを実行させるものとし、
前記ワーク設置孔内において1次成形品上に鍛造素材を載置した状態で、前記パンチを前記ワーク設置孔内に打ち込むことにより、前記1次成形処理と、前記2次成形処理とを同時に行ってから、前記他端面成形金型を他端側に移動させて、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から他端側に押し出して排出するようにしたことを特徴とする鍛造加工装置。
発明[1]の鍛造加工方法によれば、ダイス本体の貫通孔に一端側から投入したワークに成形加工を行って、貫通孔の他端側から押し出して排出するものであるため、成形品を突き出すためのノックアウトピン等を設ける必要がなく、その分、金型の簡素化および小型化を図ることができる。さらに、鍛造素材の成形を行った後、成形品を押し出すだけで短時間で排出することができるため、成形品の排出処理、ひいてはサイクルタイムを短くでき、生産性の向上を図ることができる。
発明[2]の鍛造加工方法によれば、鍛造素材の排出を、より一層確実に行うことができる。
発明[3]〜[7]の鍛造加工方法によれば、高い寸法精度を有する鍛造加工品を確実に得ることができる。
発明[8]の鍛造加工方法によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の鍛造加工品を得ることができる。
発明[9]によれば、上記と同様の作用効果を奏する鍛造加工装置を提供することができる。
図1はこの発明の第1実施形態である鍛造加工装置を示す断面図である。 図2は第1実施形態の鍛造加工装置における駆動系を説明するためのブロック図である。 図3は第1実施形態の鍛造加工装置によって成形される鍛造素材を示す斜視図である。 図4は第1実施形態の鍛造加工装置によってで成形された1次成形品を示す斜視図である。 図5は第1実施形態の鍛造加工装置によって成形された鍛造加工品を示す斜視図である。 図6Aは第1実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図6Bは第1実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを1次成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図6Cは第1実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図6Dは第1実施形態の鍛造加工装置においてワークを成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図6Eは第1実施形態の鍛造加工装置において先行のワークをダイスから押し出した直後の状態を示す概略断面図である。 図6Fは第1実施形態の鍛造加工装置において先行のワーク(鍛造加工品)を排出している途中の状態を示す概略断面図である。 図6Gは第1実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図7はこの発明の第2実施形態である鍛造加工装置を示す断面図である。 図8は第2実施形態の鍛造加工装置における駆動系を説明するためのブロック図である。 図9Aは第2実施形態の鍛造加工装置におけるフランジ状部外周金型周辺を初期状態で示す下面図である。 図9Bは第2実施形態の鍛造加工装置におけるフランジ状部外周金型周辺を成形完了直後の状態で示す下面図である。 図9Cは第2実施形態の鍛造加工装置におけるフランジ状部外周金型周辺をワーク排出直前の状態で示す下面図である。 図10Aは第2実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図10Bは第2実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを1次成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図10Cは第2実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図10Dは第2実施形態の鍛造加工装置においてワークを成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図10Eは第2実施形態の鍛造加工装置において先行のワークをダイスから押し出した直後の状態を示す概略断面図である。 図10Fは第2実施形態の鍛造加工装置において先行のワークを排出している途中の状態を示す概略断面図である。 図10Gは第2実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Aは第3実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Bは第3実施形態の鍛造加工装置において1枚目のワークを1次成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Cは第3実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Dは第3実施形態の鍛造加工装置においてワークを成形した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Eは第3実施形態の鍛造加工装置において先行のワークをダイスから押し出した直後の状態を示す概略断面図である。 図11Fは第3実施形態の鍛造加工装置において先行のワークを排出している途中の状態を示す概略断面図である。 図11Gは第3実施形態の鍛造加工装置において後続のワークを投入した直後の状態を示す概略断面図である。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態である鍛造加工装置を示す断面図である。同図に示すように、この鍛造加工装置は、後に詳述するように、鍛造素材W0を鍛造加工して1次成形品W1を得る1次成形工程(1次成形処理)と、1次成形品W1を鍛造加工して2次成形品W2を得る2次成形工程(2次成形処理)とを同時に行うものである。
図3に示すように本実施形態で用いられる鍛造素材W0は、短寸円柱形状ないし厚板円盤形状を有している。この鍛造素材W0の材質は、アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられ、例えば、6000系合金、4000系合金、2000系合金等を好適例として挙げることができる。
本発明において、鍛造素材W0としては、鋳造部品、押出成形品、鍛造部品、据込部品、機械加工品等を用いることができるが、本実施形態では、鋳造部品が用いられている。鋳造部品により構成される鍛造素材W0は、例えば、連続鋳造によって得られた鋳造棒材に対し、必要に応じて、熱処理およびピーリング処理を行った後、所定の長さ(厚さ)に切断することによって得られるものである。
図4に示すように、本実施形態で形成される中間成形品としての1次成形品W1は、1次成形部としての円柱形状の小径部W11と、その小径部W11における軸心方向の一端側に設けられ、かつ小径部W11よりも大径の大径部W12とを一体に有するものである。
図5に示すように、本実施形態で形成される鍛造加工品としての2次成形品W2は、円柱形状の本体部W21と、その本体部W21における軸心方向の他端外周(下端外周)に外径方向に突出するよう形成されたフランジ状部W22とを一体に有するものである。この2次成形品W2における本体部W21の外径寸法は、1次成形品W1の小径部W11の外径寸法と等しくなっている。
なお本発明において、フランジ状部とは、主成形方向に対して、横方向(傾斜方向)に凸状に突出した部位を言い、必ずしも、本体部W21の全周に設けられる必要はなく、少なくとも一部に設けられていれば良い。
また本実施形態(本発明)において、ワークWは、鍛造素材W0、1次成形品W1および2次成形品W2の全てを含む総称として用いられている。
図1に示すように、本実施形態の鍛造加工装置は、上方に配置されるパンチ(上金型)1と、パンチ1の下方に対応して配置されるダイス(下金型)2とを備えている。
なお本実施形態においては、上方側が一端側に相当し、下方側が他端側に相当するものである(以下の第2,3実施形態においても同じ)。
ダイス2は、上側に配置されるダイス本体3と、下側に配置され、かつ下方受盤等とも称される下端面成形金型(他端面成形金型)4とを備えている。
ダイス本体3には、その上側部に、水平断面円形のワーク設置孔31が形成されるととに、下側部に、ワーク設置孔31よりも小径で水平断面円形のワーク成形孔32が形成されている。
ワーク設置孔31およびワーク成形孔32は、互いの軸心が一致されるように配置されており、互いに連通されている。
ワーク設置孔31は、上方(一方側)に開放されており、後述するように、その上端開口部からパンチ1が挿入されるようになっている。さらにワーク成形孔32は、下方(他方側)に開放されており、後述するように、その下端開口部から2次成形品W2が排出されるようになっている。
ワーク設置孔31は、その内径寸法が、1次成形品W1の大径部W12の各外径寸法に対応する大きさに設定されている。さらにワーク成形孔32は、その内径寸法が、1次成形品W1の小径部W11および2次成形品W2の本体部W21の外径寸法に対応する大きさに設定されている。
なお本実施形態においては、ワーク設置孔31およびワーク成形孔32によって、上下両端が開放された貫通孔が構成されている。
下端面成形金型4は、2次成形品W2の下端面(他端面)を成形するためのものであって、ダイス本体3のワーク成形孔32の下方に対向して配置され、かつワーク成形孔32の軸心に対し直交する成形面40を有している。
この下型面成形金型4は、図1に示す初期状態では成形面40が、ワーク成形孔32の下端開口部から所定の間隔をおいて配置されている。なおこの間隔は、2次成形品W2におけるフランジ状部W22の厚さ寸法(軸心方向の寸法)に対応している。
下端面成形金型4の下方に対応して、鍛造金型装置の基台には、シリンダ41が上向きに配置された状態で取り付けられており、このシリンダ41のロッド先端(上端)に下端面成形金型4が取り付けられている。そしてロッドが後退(収縮)することによって、下端面成形金型4が降下するようになっている。
なお、下端面成形金型4は、初期状態において、所定の受圧力を備えており、鍛造加工時のパンチ荷重を受け止めることができるようになっている。
パンチ1は、ダイス2におけるワーク設置孔31の上方に対応して設けられており、水平断面形状が、鍛造素材W0の水平断面形状に対応して、円形に形成されており、ワーク設置孔31の上端開口部から挿入可能に構成されている。
パンチ1は、後述のフライホイール11を駆動源として、上下に昇降駆動するようになっており、上昇位置から降下させた際に、ダイス2のワーク設置孔31内に打ち込まれるようになっている。
図2は第1実施形態の鍛造加工装置における駆動系を説明するためのブロック図である。同図に示すように、パンチ1は、上記したようにフライホイール11を駆動源として上下に昇降駆動できるように構成されている。さらに下端面成形金型4を昇降自在に支持するシリンダ41が、フライホイール11にリンク機構12を介して連係されており、後述するように所定のタイミングで、下端面成形金型4が昇降するようになっている。
次に、上記構成の鍛造加工装置を用いて、鍛造素材W0を鍛造加工する際の動作について説明する。
初期状態では、パンチ1が上昇して型開き状態となっている。さらにダイス2の下端面成形金型4は上昇して、成形面40がダイス本体3におけるワーク成形孔32の下端開口部から所定の間隔をおいた位置に配置されている。
鍛造条件に関し、一例として、冷間鍛造で行う場合には、パンチ1およびダイス2の温度が20〜200℃に設定される。熱間鍛造で行う場合には、パンチ1の温度が150±50℃、ダイス本体3の温度が250±50℃、下端面成形金型4の温度が150±50℃に設定される。
鍛造素材W0の温度は、一例として、冷間鍛造の場合、常温(25℃程度)に設定され、熱間鍛造の場合、400〜460℃に設定される。さらに鍛造素材W0は、必要に応じて、予備潤滑、ボンデ処理が行われる。
鍛造加工時に用いられる潤滑剤としては、水溶性潤滑剤や、油性潤滑剤等の潤滑剤が単独または併用して用いられる。
以上の条件の下で、鍛造加工が行われるが、本実施形態の鍛造加工装置において、1回目の鍛造加工では、1次成形のみが行われ、2回目以降の鍛造加工では、1次および2次成形が同時に並行して行われる。
すなわち図6Aに示すように、1枚目の鍛造素材W0がダイス本体3のワーク設置孔31の上端開口部から投入されて、ワーク設置孔31内の底面におけるワーク成形孔32の上端外周縁部に設置される。
続いて図6Bに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内の鍛造素材W0に打ち込まれる。すると、鍛造素材W0の下側部(他側部)が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入される。これにより、ワーク設置孔31に残存する鍛造素材W0の上側部(一側部)を大径部W12とし、かつワーク成形孔32内に圧入された部分を小径部W11とする1次成形品W1が形成される(1次成形工程、1次成形処理)。
次に図6Cに示すように、パンチ1が上昇した後、2枚目の鍛造素材W0がワーク設置孔31に投入され、2枚目(後続)の鍛造素材W0が、先に投入された1枚目(先行)のワーク(1次成形品)W1の上に載置される。
そしてその状態で図6Dに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内のワークW0,W1に打ち込まれる。すると、上記と同様に、後続(上側)のワークW0の下側部が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されつつ、先行(下側)のワークW1を下方に押し込む。この押込によって、先行のワーク(1次成形品)W1の上側部(大径部W12)の周辺部が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されるとともに、下側部(小径部W11)の周辺部が塑性流動してワーク成形孔32を通って下端開口部から流出されて、下端面成形金型4の成形面(上面)40に突き当たった後、下端面成形金型4の成形面40に沿って軸心方向に対し直交する方向(外径方向)に拡がっていく。これにより、先行のワークWの金属材料(メタル)のうち、ワーク成形孔32に圧入された部分を本体部W21とし、かつ下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に拡がった部分をフランジ状部W22とする2次成形品W2が形成される(2次成形工程、2次成形処理)。
なお言うまでもなく、後続のワーク(鍛造素材)Wは、ワーク設置孔31に残存する部分を大径部W12とし、かつワーク成形孔32内に圧入された部分を小径部W11とする1次成形品W1に成形される。
続いて、1次および2次成形の完了直後に下端面成形金型4の降下が開始される一方、成形完了後も、継続してパンチ1が少量降下する。これにより図6Eに示すように、先行のワークW2が後続のワークW1に突き出されて(ノックアウトされて)、ワーク成形孔32の下端から下方に排出される(ワーク排出工程、ワーク排出処理)。
ワーク成形孔32から排出された先行のワーク(2次成形品)W2は、下端面成形金型4と共に所定位置まで降下する。
下端面成形金型4上の2次成形品(鍛造加工品)W2が所定位置まで降下した後、図6Fに示すように、鍛造加工品W2は、キック部材6によってけり出されて、下端面成形金型4上からシューター(図示省略)に送り込まれる。そしてそのシューターによって鍛造加工品W2が鍛造加工装置の外部に搬出される。
なお、図1には、キック部材6を備えたキック機構は図示されていないが、キック機構は、図1の紙面に対し向こう側(奥側)に配置されるとともに、シューターが図1の紙面に対し手前に配置されている。
鍛造加工品W2を排出した後は、図6Gに示すように、パンチ1および下端面成形金型4が上昇して、初期状態に戻ってから、後続のワークW0がワーク設置孔31内に投入される。その後、上記したように、後続のワーク(鍛造素材)W0を1次成形品W1に成形すると同時に、先行のワーク(1次成形品)W1を2次成形品(鍛造加工品)W2に成形されて、先行のワークW2が下方に排出される。
このような動作が繰り返し行われることにより、2次成形品W2としての鍛造加工品が順次製造されている。
以上のように、この鍛造加工装置によれば、先行のワークW上に後続のワークWが載置された状態で、後続のワークWの上方からパンチ1が打ち込まれることにより、後続のワークWが1次成形されるとともに、その後続のワークWによって押圧されて、先行のワークWが2次成形されて下方に排出されるようにしているため、成形後に、下金型内に配置された鍛造加工品を上方へ排出するためのノックアウトピンや、そのピンを駆動するための駆動部等が必要なく、金型の簡素化および小型化を図ることができるとともに、コストを削減することができる。
しかも、後続のワークWによって、先行のワークWを押し出して排出するようにしているため、パンチ1の打込処理(1次および2次成形処理)を行った後、そのパンチ打込の勢いで瞬時に鍛造加工品W2を押し出して排出することができる。このため、ワークW2の排出処理に時間を要せず、サイクルタイムを短縮できて、生産性を向上させることができ、より一層コストを削減することができる。
またダイス本体3におけるワーク成形孔32の下端開口部と、下端面成形金型4の成形面40との間に隙間を設けて、ワークWの金属材料を下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に塑性流動させるものであるため、その外径方向への塑性流動によって、パンチ1の打込時に、下端面成形金型4に作用するパンチ荷重が軽減される。従って下端面成形金型4への負荷が軽減されて、下端面成形金型4や、その支持機構の破損や損傷を有効に防止でき、耐久性を向上させることができるとともに、長期間安定した状態で鍛造加工を行うことができる。
なお本実施形態においては、ダイス本体3および下端面成形金型4間の外径方向の全周を開放し、外径方向に金属材料を塑性流動させることによって、パンチ荷重を逃がすようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、ダイス本体3および下端面成形金型間の外径方向の少なくとも一部のみを開放し、それ以外は密閉するようにしても良い。この場合は、開放部を介して金属材料が外径方向に塑性流動することによって、パンチ荷重を軽減させることができる。
もっとも、下端面成形金型4によって、大きなパンチ荷重を確実に受け止めるように構成すようにすれば、ダイス本体3および下端面成形金型4間の全周を囲むように、フランジ状部外周成形金型を設置して、密閉鍛造するようにしても良い。
また本実施形態においては、ワークWを、2次成形で、ワークWの上側部から下側部にかけて全領域を塑性変形するものである。つまりワークWを構成する金属材料の全てを塑性流動させるものであるため、成形後において、鍛造前の金属組織、例えば鋳造による金属組織が残存することがなく、鍛造加工品W2を構成する全ての金属材料を、鍛造の塑性流動による一様な金属組織に形成することができる。このため、鍛造加工品W2、特にそのフランジ状部W22の強度をより一層向上させることができ、高品質の鍛造加工品W2を確実に得ることができる。
参考までに、従来の鍛造加工方法において、フランジ状部付き部品を製造するには、前方押出加工を行って、鍛造素材の上側部の径寸法をほとんど変形させずに、下側部を縮径変形させることにより、上側部を大径のフランジ状部とし、かつ下側部を小径の本体部とする鍛造加工品を製作し、その鍛造加工品をノックアウトピンで突き上げてダイスの上方から排出するのが通例である。しかしながら、この鍛造加工方法では、鍛造素材の上側部は、下側部に比べて変形率が小さくなり、ワークの下側部は大きく塑性流動されるものの、上側部はほとんど塑性流動されることがない。このため、鍛造加工品の上側部に、鍛造前の金属組織、例えば鋳造による金属組織が残存することになり、鍛造加工品の内部全域において、一様な鍛造の塑性流動による金属組織に形成できず、十分な強度を確保することが困難になるおそれがある。
これに対し、本実施形態では既述したように、鍛造加工品の内部全域を、鍛造の塑性流動による一様な金属組織に形成することができ、十分な強度を確保することができる。
<第2実施形態>
図7はこの発明の第2実施形態である鍛造加工装置を示す断面図である。同図に示すように、この鍛造加工装置においては、ダイス本体3および下端面成形金型4間に、左右一対のフランジ状部外周成形金型5,5が設けられており、この点が、上記第1実施形態の鍛造加工装置と大きく相違している。
すなわちこの第2実施形態の鍛造加工装置において、一対のフランジ状部外周成形金型5,5は、ダイス本体3および下端面成形金型4間における左右両側において、水平方向(図7の左右方向)に移動自在に設けられている。両フランジ状部外周成形金型5,5の両側方には、シリンダ等の可動手段51,51が設けられており、この可動手段51,51に、両フランジ状部外周成形金型5,5がガススプリング52,52等の背圧付与手段を介して連結されている。そして可動手段51,51によって、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が水平方向に移動することにより、互いに接離(開閉)するようになっている。
図9Aに示すように、一対のフランジ状部外周成形金型5,5における互いの対向面としての成形面50,50は、平面視(下面視)において、相対向する略半円弧状に形成されている。各金型5,5の成形面50,50における曲率半径は、2次成形品(鍛造加工品)W2におけるフランジ状部W22の外周縁部の曲率半径に等しくなるように形成されている。さらに各フランジ状部外周成形金型5,5の成形面50,50における円弧方向の長さは、鍛造加工品W2におけるフランジ状部W22の半周長さよりも少し短く形成されている。
そして図9Aに示すように、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が接触(接近)した初期状態では、平面視(下面視)において、両金型5,5の互いの成形面50,50によって、2次成形品W2のフランジ状部W22よりも少し小さくて円形に近い成形ラインが形成されるようになっている。
図8は第2実施形態の鍛造加工装置における駆動系を説明するためのブロック図である。同図に示すように、フランジ状部外周成形金型5,5を水平移動させる可動手段51,51が、フライホイール11にリンク機構13,13を介して連係されており、後述する所定のタイミングで、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が接離(開閉)移動するようになっている。
この第2実施形態の鍛造加工装置において、他の構成は、上記第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に、同一符号を付して、重複説明は省略する。
次に、この第2実施形態の鍛造加工装置を用いて、鍛造素材W0を鍛造加工する際の動作について説明する。
初期状態では、一対のフランジ状部外周成形金型5,5は図9A,10Aに示すように接触した状態(閉じた状態)に配置されている。その他の初期状態は、上記第1実施形態と同様である。
また鍛造条件としての一対のフランジ状部外周成形金型5,5の温度は、冷間鍛造の場合、20〜200℃に設定され、熱間鍛造の場合、150±50℃に設定される。その他の鍛造条件は、上記第1実施形態と同様である。
この状態において図10Aに示すように、1枚目の鍛造素材W0がダイス本体3のワーク設置孔31に投入される。
続いて図10Bに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内の鍛造素材W0に打ち込まれる。これにより、鍛造素材W0の下側部(他側部)が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されて、その圧入された部分を小径部W11とし、かつワーク設置孔31内に残存する部分を大径部W12とする1次成形品W1が形成される。
次に図10Cに示すように、パンチ1が上昇した後、2枚目(後続)の鍛造素材W0がワーク設置孔31に投入される。
そしてその状態で図10Dに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内のワークW0,W1に打ち込まれる。すると、後続(上側)のワークW0の下側部が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されつつ、先行(下側)のワークW1を下方に押し込む。この押込によって、先行のワークWの上側部(大径部W12)周辺が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されるとともに、下側部(小径部W11)周辺が塑性流動してワーク成形孔32を通って下端開口部から排出されて、下端面成形金型4の成形面(上面)40に突き当たった後、下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に拡がるように塑性流動していく。さらに図9Bにも示すように外径方向に沿って塑性流動する金属材料は、両側のフランジ状部外周成形金型5,5をガススプリング52,52の付勢力に抗して両側方へ押し込みながら外径方向に拡がっていく。これにより、先行のワークWの金属材料のうち、ワーク成形孔32に圧入された部分を本体部W21とし、かつ端面成形金型4の成形面40に沿ってフランジ状部外周成形金型5,5を押し広げながら外径方向に拡がった部分をフランジ状部W22とする2次成形品W2が形成される。
なお本実施形態では、ワーク成形孔32から流出される金属材料が、一対のフランジ状部外周成形金型5,5間の空間に充填される際に、両金型5,5をガススプリング52,52の付勢力に逆らいながら押し込むものであるため、このガススプリング52,52の付勢力が、金属材料充填時の背圧として機能する。
こうして2次成形品W2が形成されると、上記第1実施形態と同様に、図10Eに示すように、成形完了直後に下端面成形金型4の降下が開始される一方、成形完了後も継続してパンチ1が少量降下し、さらに図9Cにも示すように、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が両側に開く。これにより、先行のワークW2が後続のワークW1に突き出されて(ノックアウトされて)、ワーク成形孔32の下端から下方に排出される。
ワーク成形孔32から排出された先行のワーク(2次成形品)W2は、下端面成形金型4に載置された状態でその金型4と共に所定位置まで降下する。
その後、図10Fに示すように、鍛造加工品W2が、キック部材6によって側方にけり出されて、下端面成形金型4上から所定の箇所に回収されて搬出される。
続いて、図10Gに示すように、パンチ1および下端面成形金型4が上昇し、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が接近移動して、初期状態に戻ってから、後続のワークW0がワーク設置孔31内に投入される。
このような動作が繰り返し行われることにより、2次成形品W2としての鍛造加工品が順次製造されている。
なおこの第2実施形態においては、図9B,9Cに示すように、一対のフランジ状部外周成形金型5,5が離間するものであるため、一対のフランジ状部外周成形金型5,5間から金属材料が外側に流出することによって、2次成形品W2のフランジ状部外周に、突部W23,W23が形成されることになる。この突部W23,W23は、必要に応じて、後の工程で切除するようにすれば良い。
この第2実施形態の鍛造加工装置においても、上記と同様に、同様の効果を得ることができる。
その上さらに本実施形態では、2次成形において一対のフランジ状部外周成形金型5,5間に金属材料を充填する際に、ガススプリング52,52によって背圧を付与するしているため、フランジ状部外周成形金型5,5の移動に追従して金属材料がスムーズに拡がっていき、所望の形状に正確に成形することができる。従って、寸法精度に優れた高品質の鍛造加工品W2を確実に製造することができる。
なお上記実施形態においては、背圧付与手段として、ガススプリングを用いるようにしたが、それだけに限られず、本発明においては、他の背圧付与手段、例えば機械式バネ、油圧機構、ショックアブソーバ等を用いるようにしても良い(以下の第3実施形態においても同じ)。
<第3実施形態>
図11A〜Gはこの発明の第3実施形態である鍛造加工装置を示す概略断面図である。これらの図に示すように、この鍛造加工装置において、下端面成形金型4を昇降自在に支持するためのシリンダ41のロッド先端に、支持台45が設けられ、その支持台45上に、ガススプリング46,46等の背圧付与手段を介して、下端面成形金型4が設けられている。
この第3実施形態の鍛造加工装置において、他の構成は、上記第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に、同一符号を付して、重複説明は省略する。
次に、この第3実施形態の鍛造加工装置を用いて、鍛造素材W0を鍛造加工する際の動作について説明する。
なお初期状態では、下端面成形金型4の成形面(上面)40が、ダイス本体3の下端面に接触した状態にあり、ダイス本体3および下端面成形金型4間に隙間が形成されないようになっている。その他の初期状態は、上記第1実施形態と同様である。さらに鍛造条件も、上記第1実施形態と同様である。
この状態において図11Aに示すように、1枚目の鍛造素材W0がダイス本体3のワーク設置孔31に投入される。
続いて図11Bに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内の鍛造素材W0に打ち込まれる。これにより、鍛造素材W0の下側部が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されて、その圧入された部分を小径部W11とし、かつワーク設置孔31に残存する部分を大径部W12とする1次成形品W1が形成される。
次に図11Cに示すように、パンチ1が上昇した後、2枚目(後続)の鍛造素材W0がワーク設置孔31に投入される。
そしてその状態で図11Dに示すように、パンチ1が降下して、ワーク設置孔31内のワークW0,W1に打ち込まれる。すると、後続(上側)のワークW0の下側部が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されて、先行(下側)のワークW1を下方に押し込む。この押込によって、先行のワークWの上側部(大径部W12)周辺が塑性流動してワーク成形孔32内に圧入されるとともに、下側部(小径部W11)周辺が塑性流動してワーク成形孔32を通って下端面成形金型4の成形面40に突き当たって、下端面成形金型4を、ガススプリング46の付勢力に抗して下方に押し込みまがら、ワーク成形孔32の下端開口部から流出される。さらにワーク成形孔32から下方に流出される金属材料は、下端面成形金型4を、ガススプリング46の付勢力に抗して下方に押し込みながら、下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に拡がっていく。これにより、先行のワークWの金属材料のうち、ワーク成形孔32に圧入された部分を本体部W21とし、かつ下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に拡がった部分をフランジ状部W22とする2次成形品W2が形成される。
なお本実施形態では、ワーク成形孔32から排出される金属材料が、下端面成形金型4をガススプリング46の付勢力に逆らって押し込みながら、外径方向に拡がっていくが、この下端面成形金型4を押し込み際におけるガススプリング46の付勢力が、背圧として機能する。
こうして2次成形品W2が形成されると、上記第1実施形態と同様に、図11Eに示すように、下端面成形金型4が降下する一方、成形完了後もパンチ1が継続して少量降下する。これにより、先行のワークW2が後続のワークW1に突き出されて(ノックアウトされて)、ワーク成形孔32の下端から下方に排出される。
ワーク成形孔32から排出された先行のワーク(2次成形品)W2は、下端面成形金型4と共に所定位置まで降下する。
その後、図11Fに示すように、鍛造加工品W2がキック部材6によって側方にけり出されて、下端面成形金型4上から所定の箇所に回収されて搬出される。
続いて、図11Gに示すように、パンチ1および下端面成形金型4が上昇して、それぞれ初期状態に戻ってから、後続のワークW0がワーク設置孔31内に投入される。
このような動作が繰り返し行われることにより、2次成形品W2としての鍛造加工品が順次製造される。
この第3実施形態の鍛造加工装置においても、上記と同様に、同様の効果を得ることができる。
その上さらに、2次成形においてワーク成形孔32から排出される金属材料を、下端面成形金型4の成形面40に沿って外径方向に流動させる際に、下端面成形金型4に対しガススプリング46によって上方向に背圧を付与するようにしているため、金属材料は、軸心方向(パンチ打込方向)に対し直交する方向(外径方向)へ均等にスムーズに拡がっていく。このため、2次成形品W2の特にフランジ状部W22を所望の形状に正確に成形することができ、寸法精度に優れた高品質の鍛造加工品W2を確実に製造することができる。
<変形例>
本発明においては、上記第2,第3実施形態を組み合わせて、背圧機能付きの一対のフランジ状部外周拘束金型と、背圧機能付きの下端面成形金型とを備えた鍛造加工装置を構成するようにしても良い。
上記実施形態においては、ダイス本体3の貫通孔におけるワーク成形孔32がワーク設置孔31に対し小径のものを用いるようにしているが、本発明のダイス本体の構成は、それだけに限られることはない。本発明において、ダイス本体は、両端が開放された貫通孔を有し、その貫通孔の一側部がワーク設置孔として構成されるとともに、他側部がワーク成形孔として構成されたものであって、一端側からワーク設置孔に投入したワーク(鍛造素材)を設置可能(載置可能)な構成、つまりパンチで押していない状態で、ワークが貫通孔の他端側から抜け落ちないような構成であれば採用することができる。
そのような構成のダイス本体としては、上記実施形態のように、ワーク成形孔の径がワーク設置孔の径よりも小径である構造(孔の形状が円形状でない場合はその外接円径)のもの以外に、ワーク成形孔の径とワーク設置孔の径(孔の形状が円形状でない場合はその外接円径)とが同じであるが、ワーク(鍛造素材)の投影形状とワーク成形孔の入口形状とが異なる形状のもの、例えばワーク設置孔が円形で、ワーク成形孔の入口形状が五角形や、三つ葉形状等のものを採用することができる。
さらにダイス本体として、ワークの投影形状とワーク成形孔の入口形状とが同じであるが、ワーク成形孔の壁面の少なくとも一部に貫通方向(軸心方向)に対して螺旋状等の溝部、突条部が形成されたものも採用することができる。
また本発明においては、鍛造素材W0、1次成形品(中間成形品)W1、2次成形品(鍛造加工品)W2の形状は、上記のものに限定されるものではない。例えば鍛造加工品W2として、本体部W21が円柱形状のものだけに限られず、本体部W21が、多角形状、楕円形状等の断面形状の他、異形断面形状に形成された鍛造加工品を製造することも可能である。さらに本体部がねじれた形状、例えば本体部の外周に、軸心方向に延びる突条部が周方向に間隔をおいて複数形成された鍛造加工品や、つる巻き線状に延びる突条部が周方向に間隔をおいて複数形成された鍛造加工品等も製造することができる。また本体部W21の径(円柱状でない場合は外接円径)がフランジ状部に近づくにつれて、大きくなっているもの、例えば円錐台形状のものも製造することができる。
さらにフランジ状部W22も、上記実施形態のように、円形断面に限られず、多角形断面や、楕円形断面、または点対称、線対称でない異形断面の鍛造加工品も製造することができる。
また鍛造素材W0や、1次成形品W1は、上記実施形態のものだけに限られず、鍛造加工品W2の形状等に応じて、適当な形状のものを採用するようにすれば良い。
また、上記実施形態において、下端面成形金型4上の鍛造加工品W2を、キック機構によってけり出して、所定箇所に回収するようにしているが、それだけに限られず、本発明では、他の回収方式を用いるようにしても良い。例えば、下端面成形金型上の鍛造加工品に圧縮エアーを吹き付けて、その鍛造加工品を吹き飛ばして所定箇所に回収するようにしたエアーブロー方式も採用することができる。
また上記実施形態では、ダイス本体3のワーク成形孔32から鍛造加工品W2を排出する際、下端面成形金型4をワーク排出方向(下方)に移動(退避)させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、下端面成形金型(他端面成形金型)を、ワーク排出方向(軸心方向)に対し直交する方向等、軸心方向と平行でない方向に退避させるようにしても良い。
この発明の鍛造加工方法は、金型を用いてワークを鍛造加工するようにした型鍛造技術に適用可能である。
1:パンチ
3:ダイス本体
31:ワーク設置孔
32:ワーク成形孔
4:下端面成形金型(他端面成形金型)
40:成形面
5:フランジ状部外周成形金型
50:成形面
6:キック部材
W:ワーク
W0:鍛造素材(ワーク)
W1:1次成形品(ワーク)
W11:小径部(1次成形部)
W12:大径部
W2:2次成形品(鍛造加工品、ワーク)
W21:本体部
W22:フランジ状部
W23:突部

Claims (8)

  1. 両端が開放された貫通孔を有し、その貫通孔の一側部がワーク設置孔として構成されるとともに、他側部がワーク成形孔として構成されるダイス本体と、
    前記ワーク成形孔の他端開口部に対向するように配置される成形面を有する他端面成形金型と、
    前記ワーク設置孔に、その一端側から打ち込まれるパンチとを用いて鍛造加工を行うようにした鍛造加工方法であって、
    前記ワーク設置孔に、鍛造素材を設置した状態で、前記パンチの打込によって、鍛造素材を押圧して、鍛造素材の一端側を前記ワーク設置孔に残存させつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔に圧入することにより、前記ワーク設置孔に残存された部分を大径部とし、かつ前記ワーク成形孔に圧入された部分を1次成形部とする1次成形品を得る1次成形工程と、
    前記1次成形品の大径部を前記ワーク設置孔に配置し、かつ前記1次成形部を前記ワーク成形孔に配置した状態で、前記パンチの打込によって、前記1次成形品を押圧して、1次成形品の一端側を塑性流動させて前記ワーク設置孔に圧入しつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔の他端開口部から流出させた後、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させることにより、前記ワーク成形孔に圧入された部分を本体部とし、かつ前記他端面成形金型の成形面に沿って拡径された部分をフランジ状部とする2次成形品を得る2次成形工程とを含み、
    前記ワーク設置孔内において1次成形品上に鍛造素材を載置した状態で、前記パンチを前記ワーク設置孔内に打ち込むことにより、前記1次成形工程と、前記2次成形工程とを同時に行ってから、前記他端面成形金型を退避させて、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から他端側に押し出して排出する一方、
    前記ダイス本体および前記他端面成形金型間における前記ワーク成形孔の外周に沿って、フランジ状部外周成形金型が設けられ、
    前記2次成形工程において、塑性流動される1次成形品の他端側を前記フランジ状部外周成形金型内に充填することにより、前記フランジ状部を形成するようにしたことを特徴とする鍛造加工方法。
  2. 前記1次および2次成形工程が完了した後、前記パンチをさらに他端側へ押し込むことにより、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から押し出すようにした請求項1に記載の鍛造加工方法。
  3. 前記フランジ状部外周成形金型が周方向に沿って複数に分割され、分割された各フランジ状部外周成形金型内に、塑性流動される1次成形品の他端側が充填される際に、前記各フランジ状部外周成形金型を外径方向に移動させるとともに、
    その外径方向に移動する前記各フランジ状部外周成形金型に背圧を付与するようにした請求項1または2に記載の鍛造加工方法。
  4. 前記2次成形工程において、塑性流動される1次成形品の他端側が、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させる際に、前記他端面成形金型を他端側に移動させるとともに、
    その他端側に移動する前記他端面成形金型に背圧を付与するようにした請求項1〜のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  5. 前記2次成形工程を行う直前の状態では、前記他端面成形金型の成形面を、前記ダイス本体における前記ワーク成形孔の周縁部に接触させておくものとした請求項に記載の鍛造加工方法。
  6. 前記2次成形工程の開始してから完了するまでの間、前記他端面成形金型の成形面を、前記ダイス本体における前記ワーク成形孔から間隔をおいて配置した状態に維持しておくものとした請求項1〜のいずれか1項に記載の鍛造加工方法。
  7. 鍛造素材として、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを用いる請求項1〜のいずれか1項に記載の鍛造方法。
  8. 両端が開放された貫通孔を有し、その貫通孔の一側部がワーク設置孔として構成されるとともに、他側部がワーク成形孔として構成されるダイス本体と、
    前記ワーク成形孔の他端開口部に対向するように配置される成形面を有する他端面成形金型と、
    前記ワーク設置孔に、その一端側から打ち込まれるパンチとを備え、
    前記ワーク設置孔に、鍛造素材を設置した状態で、前記パンチの打込によって、鍛造素材を押圧して、鍛造素材の一端側を前記ワーク設置孔に残存させつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔に圧入することにより、前記ワーク設置孔に残存された部分を大径部とし、かつ前記ワーク成形孔に圧入された部分を1次成形部とする1次成形品を得る1次成形処理と、
    前記1次成形品の大径部を前記ワーク設置孔に配置し、かつ前記1次成形部を前記ワーク成形孔に配置した状態で、前記パンチの打込によって、前記1次成形品を押圧して、1次成形品の一端側を塑性流動させて前記ワーク設置孔に圧入しつつ、他端側を塑性流動させて前記ワーク成形孔の他端開口部から流出させた後、前記他端面成形金型の成形面に沿って外径方向に拡径させることにより、前記ワーク成形孔に圧入された部分を本体部とし、かつ前記他端面成形金型の成形面に沿って拡径された部分をフランジ状部とする2次成形品を得る2次成形処理程とを実行させるものとし、
    前記ワーク設置孔内において1次成形品上に鍛造素材を載置した状態で、前記パンチを前記ワーク設置孔内に打ち込むことにより、前記1次成形処理と、前記2次成形処理とを同時に行ってから、前記他端面成形金型を他端側に移動させて、前記2次成形品を前記ワーク成形孔から他端側に押し出して排出する一方、
    前記ダイス本体および前記他端面成形金型間における前記ワーク成形孔の外周に沿って、フランジ状部外周成形金型が設けられ、
    前記2次成形工程において、塑性流動される1次成形品の他端側を前記フランジ状部外周成形金型内に充填することにより、前記フランジ状部を形成するようにしたことを特徴とする鍛造加工装置。
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