JP2009277802A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤの線幅や、巻芯部に対する巻軸方向の巻回長さによることなく、所望のインダクタンスを安定して実現することのできるコイル部品を提供する。
【解決手段】巻芯部10と、横断面円形の導電ワイヤ20が巻芯部10に対して螺旋巻回されたコイル部40と、を含むコイル部品100であって、コイル部40が、巻芯部10の一端側から他端側に向けて巻軸方向WDに整列巻回された第一層目を含む単層または複数層に導電ワイヤ20が巻回されてなり、第一層目の終端位置E1の巻線長WL1が、終端隣接位置E2の巻線長WL2よりも短いことを特徴とするコイル部品100。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻芯部に導電ワイヤを整列巻回したコイル部品に関する。
この種の技術に関しては、巻芯部に導電ワイヤを整列巻回する巻線工程において、導電ワイヤの管理が不十分であると導電ワイヤの巻線間隔が不揃いとなる場合がある。
図14に、かかる不揃いが生じた状態のコイル部品1000の模式図を示す。
巻芯部1010に導電ワイヤ1020を整列巻回するに際しては、巻芯部1010の基端側(図中右側)に設けられた鍔部1012に導電ワイヤ1020の開始端1021を固定し、巻回される次のターンの位置を前のターンに隣接させることで、導電ワイヤ1020は基端側から先端側に向けて整列して巻回されてゆく。導電ワイヤ1020を良好に整列巻回するためには、ターン位置を巻芯部1010の先端側に徐々に送りつつも、導電ワイヤ1020に所定のバックテンションを付与して、前のターンで巻回された導電ワイヤ1020に当接させることが求められる。
しかし、巻回される導電ワイヤ1020の送り速度やバックテンションの管理が厳密でない場合、ターン間隔が不揃いとなって巻線ずれ1030が生じることがある。また、図14に示すように、コイル部品1000の巻線仕様によっては、巻芯部1010の一部長さに対してのみ導電ワイヤ1020を巻回する場合がある。このようなコイル部品1000においては、鍔部1012に隣接する第1ターンT1の近傍では巻線ずれ1030が生じる虞は少ないものの、巻き終わりに位置する最終ターンTFの近傍では、導電ワイヤ1020が弛んで巻線ずれ1030が生じやすい。特に導電ワイヤ1020が横断面円形の、いわゆる丸ワイヤの場合、導電ワイヤ1020と巻芯部1010との摩擦が小さいことから、巻線ずれ1030の発生が顕著である。
また、導電ワイヤ1020を複数層に巻回するコイル部品1000にあっては、一層目にあたる導電ワイヤ1020に巻線ずれ1030が生じると、二層目以降の巻線が巻線ずれ1030に落ち込んで整列巻回が達成できなくなるという問題がある。
このように、導電ワイヤに巻線ずれが生じると、コイル部品においてはインダクタンスに代表される電磁気特性が変動する。この結果、コイル部品を用いた製品個々の品質が低下して問題となる。特に送信アンテナなどの信号処理系統に用いられるコイル部品については、インダクタンスの僅かな変動が製品の性能に与える影響が甚大であるため、導電ワイヤの巻線ずれが顕著な問題となる。
かかる問題に対し、下記特許文献1には、巻芯部の周囲に複数条のガイド溝を設け、巻回される導電ワイヤを案内することのできるコイル部品が記載されている。
また、下記特許文献2には、両端に鍔部が設けられた巻芯部の中央を太径とし、両端を細径としたうえで、横断面多角形の導電ワイヤ(角ワイヤ)を巻芯部の巻軸方向の全長に亘って整列巻回したコイル部品が記載されている。
特公平6−3764号公報 特開2007−214453号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコイル部品の場合、巻芯部の周囲にガイド溝を予め形成しておく必要がある。また、ガイド溝のピッチに応じた巻線間隔でしか導電ワイヤの整列巻回ができず、線幅の異なる導電ワイヤへの汎用性が乏しいという問題がある。
特に、近年のコイル部品の小型化により、導電ワイヤはきわめて細線化され、平均線幅に対する線幅のばらつきの影響が相対的に大きくなっている。
すなわち、導電ワイヤの線幅にはロットごとにもばらつきがあることから、特許文献1のように巻芯部の周囲にガイド溝を形成した場合には、高い巻線密度による整列巻回を汎用的に実現することができない。
また、導電ワイヤが適切なガイド溝を飛び越して巻回されてしまった場合、特許文献1の巻芯部では、不適切なガイド溝から導電ワイヤが抜け出すことができず、巻回中の巻線の不揃いが解消されないという問題がある。
また、特許文献2に記載のコイル部品の場合、基端から中央にかけて巻回していく場合には、導電ワイヤが鍔部に押し当てられて巻乱れが防止されるものの、太径の中央から細径の先端にかけて導電ワイヤを巻回していく際に、巻線ずれがむしろ生じやすくなることが問題となる。
また、特許文献2のコイル部品では、巻芯部の基端から先端に亘って巻軸方向の全長に導電ワイヤが巻回されるため、一層目の導電ワイヤが整列して巻回されたならば、以後の巻き弛みや、二層目以降の導電ワイヤの落ち込みは生じないとも考えられる。しかし、特許文献2のコイル部品の場合、図14に示したように巻芯部の中央と先端の間の途中位置まで導電ワイヤが巻回された場合に、巻き弛みに起因する巻線ずれが顕著に発生して問題となる。すなわち、特許文献2の巻芯部は中央から先端にかけて徐々に細径となるため、導電ワイヤの巻き終わりの終了端に関しては、前のターンの導電ワイヤに押し当てられることなく、先端側に容易に巻き弛んでしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ワイヤの線幅や、巻芯部に対する巻軸方向の巻回長さによることなく、所望のインダクタンスを安定して実現することのできるコイル部品を提供することを目的とする。
本発明のコイル部品は、巻芯部と、横断面円形の導電ワイヤが前記巻芯部に対して螺旋巻回されたコイル部と、を含むコイル部品であって、
前記コイル部が、前記巻芯部の一端側から他端側に向けて巻軸方向に整列巻回された第一層目を含む単層または複数層に前記導電ワイヤが巻回されてなり、
前記第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、前記巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短いことを特徴とする。
上記発明においては、第一層目の巻き終わり位置における巻芯部の巻線長を、その巻軸方向の先端側に隣接する位置の巻芯部の巻線長よりも短くすることにより、整列巻回された導電ワイヤの最終ターンが、巻軸方向に巻き弛むことが抑制される。
ここで、所定位置における巻芯部の巻線長とは、当該位置に導電ワイヤが巻回された場合の1ターン分の巻線の長さを意味するものであり、当該位置に実際に導電ワイヤが巻回されているか否かは問わない。
なお、巻芯部が周面に凹部、凸部またはコーナー部を有する場合、所定のテンションをもって巻回される導電ワイヤは、かかる周面形状に必ずしも追随して巻回されるわけではない。したがって、このような周面形状を有する巻芯部の場合は、巻芯部の周面の道のりと、上記「巻線長」とは相違する場合がある。
そして、第一層目の巻き終わり位置における巻芯部の巻線長とは、第一層目の最終ターンの導電ワイヤの長さを意味する。なお、導電ワイヤの巻き終わり位置に対して巻軸方向の先端側(前方側)に隣接する位置には、当然のことながら導電ワイヤは巻回されていない。したがって、当該隣接する位置における巻芯部の巻線長とは、導電ワイヤが最終ターンと同等のテンションで当該隣接位置に巻張された場合に要する1ターン分の巻線の長さを意味するものである。
また、上記発明において、巻き終わり位置に「隣接する位置」とは所定の広がりをもつ領域を意味する。ここで、上記発明においては、第一層目の巻き終わり位置における巻線長よりも長い巻線長をもつ上記「隣接する位置」が、導電ワイヤの最終ターンに近接するものであるほど、導電ワイヤの巻き弛みは好適に防止される。換言すると、上記発明の目的が達成される限りにおいて、上記「隣接する位置」と導電ワイヤの巻き終わり位置との間隔は適宜設定することができる。具体的には、導電ワイヤの線幅一本分未満、または一本分から数本分とすることができる。
また、導電ワイヤが横断面円形であるとは、いわゆる角ワイヤを除く趣旨であり、導電ワイヤを長手方向に垂直に切った断面形状が真円形である場合と、長円形や楕円形である場合を含む。以下、横断面円形の導電ワイヤを「丸ワイヤ」という場合がある。
また、導電ワイヤの第一層目の巻き終わり位置とは、第一層目として巻回された導電ワイヤが巻芯部から径方向に離間する位置を意味する。
また、本発明のコイル部品は、より具体的な形態として、前記第一層目の前記巻き終わり位置が、前記巻芯部における前記巻軸方向の途中位置であってもよい。
また、本発明のコイル部品は、より具体的な形態として、前記コイル部が、前記巻軸方向に並ぶ複数のコイル巻線区域に分割されており、
それぞれの前記コイル巻線区域には、前記導電ワイヤが単層または複数層に巻回されるとともに、当該コイル巻線区域における第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、当該巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短くてもよい。
なお、巻芯部をはじめとする本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
本発明のコイル部品によれば、第一層目の巻き終わり位置における巻芯部の巻線長よりも、その巻軸方向の先端側における巻線長の方が長いため、整列巻回された導電ワイヤの最終ターンが巻軸方向に巻き弛むことが抑制される。これにより、導電ワイヤを複数層に巻回した場合に、二層目以降の落ち込みが生じることが抑制される。すなわち、本発明のコイル部品は、導電ワイヤの巻回工程において、および巻回後の工程において、巻き弛みに起因するインダクタンスの変動が防止される構造である。また、本発明によれば、整列巻回された導電ワイヤに対して各種調整工程や樹脂封止工程などにおいて外力が付与された場合も巻き弛みの発生が抑制されるため、ハンドリング性と歩留まり性に優れたコイル部品が提供される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第一実施形態>
図1(a)は本発明の第一実施形態にかかるコイル部品100の一例を示す平面模式図であり、同図(b)はその縦断面図である。
はじめに、本実施形態のコイル部品100の概要について説明する。
コイル部品100は、巻芯部10と、横断面円形の導電ワイヤ20(丸ワイヤ)が巻芯部10に対して螺旋巻回されたコイル部40と、を含む。コイル部40は、巻芯部10の一端側(同図右側:基端側)から他端側(同図左側:先端側)に向けて巻軸方向WD(同図左右方向)に整列巻回された第一層目を含む単層または複数層に導電ワイヤ20が巻回されてなる。そして、第一層目の巻き終わり位置(終端位置E1)における巻芯部10の巻線長WL1は、巻き終わり位置に対して他端側に隣接する位置(終端隣接位置E2)の巻芯部10の巻線長WL2よりも短い。
次に、本実施形態のコイル部品100について詳細に説明する。
本実施形態においては、導電ワイヤ20は巻芯部10の巻回面15に対して単層に巻回されている。導電ワイヤ20は、巻芯部10の基端側から先端側に向けて整列巻回されており、各ターンの導電ワイヤ20は互いに接している。そして、第一層目の終端位置E1は、巻芯部10における巻軸方向WDの途中位置である。
同図(b)に、終端位置E1および終端隣接位置E2を二点鎖線にて示す。
本実施形態の巻芯部10には、少なくとも一端側に鍔部12が形成されている。
具体的には、本実施形態の場合、巻芯部10の一端側(基端側)と他端側(先端側)に、それぞれ鍔部12a,12bが設けられている。導電ワイヤ20の開始端21は基端側の鍔部12aに固定され、第1ターンT1においては導電ワイヤ20が鍔部12aの内側表面13に押し当てられるように巻回される。そして、第2ターンT2以降については、先のターンで巻回された他の導電ワイヤ20に押し当てられるよう、導電ワイヤ20にはバックテンションが付与されながら、巻回位置を巻芯部10の先端側に移動させる。
巻芯部10は円柱状をなしている。そして巻芯部10には、基端側から先端側に向かって拡径するテーパー部を、少なくとも巻回面15のうち巻軸方向WDの一部に設けられている。
また、導電ワイヤ20の最終ターンTFは、巻回面15のうちテーパー部に対して巻回されている。したがって、導電ワイヤ20の第一層目の終端位置E1は、テーパー部に含まれることとなる。
具体的には、本実施形態のコイル部品100では、テーパー部が巻芯部10の基端から先端までその全長に亘って形成されている。これにより、第一層目の終端位置E1が巻軸方向WDの途中位置である本実施形態においても、導電ワイヤ20の最終ターンTFはテーパー部の上に位置する。
本実施形態においては、テーパー部のテーパー角度は1度以上、30度以下に形成されている。また、テーパー角度は3度以上、10度以下がさらに好ましい。
なお、ここでいうテーパー角度とは、巻芯部10の巻回面15と巻軸方向との為す角度、すなわち巻芯部10の半頂角を意味する。
導電ワイヤ20は、所定のテンションをもって巻芯部10に巻回されており、第一層目の終端位置E1に位置する最終ターンTFの導電ワイヤ20が巻芯部10の表面(巻回面15)から受ける垂直抗力は、巻軸方向WDの先端側から基端側に向かう成分を含んでいる。これにより、最終ターンTFは、バックテンションによる基端側への付勢力とともに、巻回面15からの垂直抗力の巻軸方向成分によって、より基端側のターンの導電ワイヤ20に対して押し当てられ、巻き弛みが防止される。
なお、かかる付勢力は、テーパー部に巻回された導電ワイヤ20に対して等しく発生する。したがって、本実施形態の場合、整列巻回された導電ワイヤ20の全体に対して基端側への付勢力が作用し、最終ターンTFのみならず各ターンが互いに押し当てられて密に巻回される。
導電ワイヤ20は、巻き終わり位置(終端位置E1)で巻芯部10の巻回面15から離間した後、巻芯部10に設けられた絡げ端子(図示せず)に対し、所定のテンションをもって巻き付けられて固定される。
上記本実施形態のコイル部品100の作用効果について説明する。
本実施形態のコイル部品100は、第一層目の巻き終わり位置(終端位置E1)における巻芯部10の巻線長WL1が、終端位置E1に対して他端側に隣接する位置(終端隣接位置E2)の巻芯部10の巻線長WL2よりも短く構成されている。これにより、最終ターンの導電ワイヤ20は、かかる終端隣接位置E2を越えて巻軸方向の先端側に移動することが規制される。したがって、巻回工程および巻回後の工程において、最終ターンの導電ワイヤ20に巻き弛みが生じることが防止される。
本実施形態のコイル部品100は、第一層目の終端位置E1が、巻芯部10における巻軸方向の途中位置である。本実施形態においては、このように導電ワイヤ20の終端位置E1が鍔部12a,12bのいずれにも隣接していなくとも、最終ターンの巻き弛みが生じない。このため、本実施形態のコイル部品100においては、導電ワイヤ20の巻軸方向の長さ(巻線幅)を任意に設定することができるため、様々な仕様に対して巻芯部10を汎用的に用いることができる。
これにより、異なる線幅の導電ワイヤ20を用いる場合や、導電ワイヤ20の巻回数を相違させる場合に備えて、巻芯部10を十分な長さに形成した場合に、その一部長さについてのみ導電ワイヤ20を巻回して用いることが可能である。
本実施形態のコイル部品100においては、導電ワイヤ20が所定のテンションをもって巻芯部10に巻回されており、第一層目の終端位置E1の導電ワイヤ20が巻芯部10の表面から受ける垂直抗力が、他端側から一端側に向かう成分を含んでいる。これにより、最終ターン(nターン目)の導電ワイヤ20は、その一端側に既に巻回されたn−1ターン面の導電ワイヤ20に対して付勢されるため、巻き弛みが生じない。かかる付勢力は、巻回工程の終了により導電ワイヤ20の両端が巻芯部10に固定された後も持続するため、コイル部品100に不意の外力が付与された場合であっても導電ワイヤ20の巻き弛みが生じることが防止される。
本実施形態の巻芯部10には、少なくとも一端側に鍔部12が形成されている。これにより、整列巻回の最初のターンにおいて、導電ワイヤ20の開始端21を鍔部12に固定した状態でこれを行うことができる。また、2ターン目以降の導電ワイヤ20に対して作用する一端側への付勢力が鍔部12にて受け止められるため、巻回される導電ワイヤ20は鍔部12より他端側に向けて密に整列する。
本実施形態の巻芯部10は、一端側から他端側に向かって拡径するテーパー部を少なくとも巻軸方向の一部に備え、第一層目の終端位置E1はテーパー部に含まれている。したがって、導電ワイヤ20の第一層目の終端位置E1は、テーパー状に拡径して巻線長が増大する他端側には移動することができず、整列巻回された導電ワイヤ20には巻き弛みが生じない。
本実施形態のテーパー部は巻芯部10の一端から他端まで形成されている。これにより、導電ワイヤ20の第一層目の終端位置E1が巻芯部10の巻軸方向のどの位置であっても、すなわち、導電ワイヤ20の巻回ターン数によることなく、最終ターンの巻き弛みを抑制することができる。
また、巻回中の導電ワイヤ20に対しても、他端側のワイヤから一端側のワイヤに対して常に付勢力が与えられるため、かかるコイル部品100においては、整列巻回中の導電ワイヤ20に巻線ずれ1030(図14を参照)が生じることがない。
テーパー部のテーパー角度は1度以上が好ましく、3度以上がさらに好ましい。また、テーパー角度は30度以下が好ましく、10度以下がさらに好ましい。巻芯部10に与えるテーパー角度を30度以下とすることで、巻回される導電ワイヤ20が、巻芯部10から離間して、既に巻回されたワイヤに乗り上げてしまうことが防止される。また、テーパー角度を10度以下とすることで、巻回面15の凹凸精度や導電ワイヤ20の真円度の公差を勘案した場合も、ワイヤの上記乗り上げが防止される。
一方、テーパー角度を1度以上とすることで、巻回される導電ワイヤ20が好適に整列され、また最終ターンの導電ワイヤ20の巻き弛みが防止される効果が得られる。また、テーパー角度を3度以上とすることで上記効果が十分に享受され、巻回面15の一般的な凹凸精度を勘案した場合も、巻回される導電ワイヤ20を好適に整列させることができる。同様に、3度以上の十分なテーパー角度を与えることで、導電ワイヤ20に経時的な伸びが生じた場合も、最終ターンの巻き弛み防止の上記効果を維持することができる。
なお本実施形態については種々の変形を許容する。
図2(a)は、本実施形態のコイル部品100の第一の変形例を示す断面模式図である。また、同図に破線Xで囲んだ基端部の拡大図を、同図(b)に示す。
本変形例においては、導電ワイヤ20が複数層、具体的には、5層に積層して巻回されている。
かかる変形例においては、第一層目の導電ワイヤ20同士の間に、第二層目の導電ワイヤ20が嵌り込んでいる。また、第三層目および第五層目の導電ワイヤ20の第1ターンT1は、鍔部12aの内側表面13と、下層の導電ワイヤ20とによって支持されている。
また、第一層目の導電ワイヤ20は、上記のように全体が巻回面15のテーパー部の上に位置し、最終ターンTFの巻き弛みが防止されるとともに、すべてのターンが互いに密に巻回されている。したがって、第二層目以降の導電ワイヤ20に対し、下層の導電ワイヤ20は巻線ガイドの役割を果たすとともに、これを位置決めする。また、下層の導電ワイヤ20が密に巻回されているため、上層の導電ワイヤ20が下層に落ち込むことがない。
巻芯部10の巻回面15に対し、奇数層目の導電ワイヤ20は基端側から先端側に、偶数層目の導電ワイヤ20は先端側から基端側に向かって整列巻回される。したがって、偶数層目、例えば第二層目の導電ワイヤ20は、巻芯部10がより大径の先端側から、より小径の基端側にむけて整列巻回されることとなる。
しかし、本実施形態の場合、テーパー部のテーパー角度θを30度以下とすることにより、下層に巻回された奇数層目の導電ワイヤ20による巻線ガイドから脱落することなく、偶数層目の導電ワイヤ20を、巻芯部10の先端側から基端側に向けてその上層に整列巻回することができる。これは、下層と上層の導電ワイヤ20の幾何的配置により、テーパー角度θが30度を超えると、上層の導電ワイヤ20を下層の導電ワイヤ20同士の間に保持できなくなるからである。
図3は、本実施形態のコイル部品100の第二の変形例における基端部の拡大図である。
本変形例は、図2(b)に示すコイル部品100に対し、鍔部12aの内側表面13と、巻芯部10の巻回面15とが直交する点で相違する。
すなわち、基端側の鍔部12aは、巻軸方向WDに対して基端側に傾斜しており、その傾斜角度θは巻回面15のテーパー角度と同等である。
上記変形例によれば、所定のテーパー角度をもつ巻回面15に対して導電ワイヤ20を巻回するに際して、直筒状の巻回面および直立した鍔部を備える一般的な巻芯部に対して導電ワイヤを巻回するのと同様に、複数層の導電ワイヤ20を密に整列することができる。
すなわち、巻芯部10の巻回面15に対して複数層に導電ワイヤ20を積層して巻回する場合に、各層の第1ターンT1と鍔部12aとが干渉することがない。具体的には、三層以上に導電ワイヤ20が巻回される場合に、奇数層目の導電ワイヤ20の基端側の巻回位置を、巻回面15に対する直交方向(面直方向)に揃えることができる。これにより、各層における導電ワイヤ20の巻回位置が、偶数層目または奇数層目同士で互いに面直方向に揃えられ、導電ワイヤ20を巻芯部10に対して最密に巻回することができる。
図4は、本実施形態の他の変形例を示す断面模式図である。かかる変形例では、導電ワイヤ20が巻芯部10の巻軸方向の全長さに亘って巻回されている。すなわち、導電ワイヤ20は、第1ターンT1が鍔部12aに隣接し、最終ターンTFが鍔部12bに隣接している。本実施形態のコイル部品100においては、このように巻芯部10の全長さに亘って導電ワイヤ20を整列巻回する場合、最終ターンTFに至るまで、巻回されるターンが前のターンに付勢されて密に並ぶため、高い巻線密度で導電ワイヤ20が巻回される。
<第二実施形態>
図5(a)は、本実施形態にかかるコイル部品100を構成する巻芯部10の一例を示す斜視図である。また、同図(b)は、かかる巻芯部10を巻軸方向WDに沿って切った縦断面図である。
本実施形態の巻芯部10は、導電ワイヤ20が巻回される樹脂製のボビン102と、ボビン102に挿通される磁性コア104とを組み合わせてなる点で第一実施形態と相違している。巻芯部10の巻回面15はテーパー円筒状、すなわち円錐台状をなしている。
本実施形態のボビン102は回転対称形をなし、その回転軸の延在方向は巻軸方向WDと一致している。ボビン102の軸中心には円管状の貫通孔103が穿設され、かかる貫通孔103に磁性コア104が挿抜可能に装着されている。
本実施形態の巻芯部10は、導電ワイヤ20が巻回される樹脂製のボビン102と、ボビン102に挿通される磁性コア104とを組み合わせてなる。これにより、共通の磁性コア104に対して、巻回面15のテーパー角度の相違する複数種のボビン102を選択的に組み合わせることが可能である。よって、樹脂製のボビン102の加工容易性と、磁性コア104の汎用性とをバランスして享受しつつ、導電ワイヤ20の仕様に応じたボビン102を採用することができる。
<第三実施形態>
図6(a)は、本実施形態にかかるコイル部品100を構成する巻芯部10の一例を示す斜視図である。また、同図(b)は、かかる巻芯部10を巻軸方向WDに沿って切った縦断面図である。
本実施形態の巻芯部10は、巻軸方向WDに対する直交断面(横断面)形状が矩形である点で上記第一実施形態と相違している。矩形断面の巻芯部10は、上記実施形態と同様に、巻軸方向WDの基端側から先端側に拡径するテーパー状をなしている。すなわち、巻芯部10の巻回面15は角錐台状である。
なお、本実施形態において、巻芯部10が拡径するとは、巻芯部10の巻線長が増大することを意味するものである。
図7(a)は、本実施形態の巻芯部10の第一変形例を示す斜視図であり、同図(b)はこれを巻軸方向WDに沿って切った縦断面図である。
本実施形態の第一変形例にかかる巻芯部10は、矩形管状の貫通孔103が巻軸方向WDに沿って穿設された樹脂製のボビン102と、貫通孔103に挿通される角柱状の磁性コア104とを組み合わせてなる。
このように、巻芯部10は、第一実施形態のような円柱状と、本実施形態のような角柱状とをとることができる。さらに、巻芯部10は、その横断面が基端側と先端側とで相違するものでもよい。
図8(a)は、本実施形態の巻芯部10の第二変形例を示す斜視図であり、同図(b)はこれを巻軸方向WDから見た正面図である。なお、図8各図においては、鍔部12a,12bは図示を省略している。
本実施形態の第二変形例にかかる巻芯部10は、基端側(同図(a)における右手前側)の横断面CS1が六角形状をなし、先端側(同図(a)における左奥行側)の横断面CS2が、当該六角形を包含する四角形状をなしている。そして、巻芯部10は、基端側から先端側にかけて、上記断面の形状が連続的に変化している。すなわち、本変形例の巻芯部10は、角柱体をベースとして、巻軸方向WDに沿って伸びる稜線に設けたC面取りの面取り長さを、基端側から先端側にかけて徐々に小さくして得ることができる。
これにより、巻芯部10の巻回面15の巻線長は、基端側においてもっとも短く、先端側にかけて徐々に長くなる。
このように、本実施形態においては、巻芯部10の基端側の横断面CS1の周長よりも、先端側の横断面CS2の周長を長くし、基端側から先端側にかけて巻芯部10を連続的に変化させることにより、第一層目の終端位置E1における巻線長WL1に対し、終端隣接位置E2における巻線長WL2を長くすることができる。
例えば本変形例の巻芯部10は、基端側の横断面CS1の形状を円形とし、先端側の横断面CS2の形状を、当該円形よりも周長の長い矩形状としてもよい。同様に、本変形例の巻芯部10は、角柱体をベースとして、巻軸方向WDに沿って伸びる稜線にR面取りを設け、その曲率半径を基端側から先端側にかけて徐々に小さくしてもよい。
以上のように、巻芯部10は、図1から7に示すように基端側から先端側にかけて同一断面形状がテーパー状に拡大するものであってもよく、または、図8に示すように断面形状が変化してその周長が基端側から先端側にかけて徐々に長くなるものであってもよい。
<第四実施形態>
図9(a)は、本実施形態にかかるコイル部品100の一例を示す斜視図である。また、同図(b)は、かかる巻芯部10を巻軸方向WDに沿って切った縦断面図である。
図10(a)は、本実施形態に用いられる巻芯部10の斜視図であり、同図(b)はその縦断面図である。
図11(a)は、本実施形態の変形例にかかる巻芯部10の斜視図であり、同図(b)はその縦断面図である。
本実施形態のコイル部品100は、コイル部40が、巻軸方向に並ぶ複数のコイル巻線区域41a〜cに分割されている。そして、それぞれのコイル巻線区域41a〜cには、導電ワイヤ20が単層または複数層に巻回されるとともに、コイル巻線区域41a〜cにおける第一層目の終端位置E1における巻芯部10の巻線長WL1が、終端隣接位置E2における巻芯部10の巻線長WL2よりも短く構成されている。
具体的には、本実施形態の場合、コイル巻線区域41a〜cには、それぞれ導電ワイヤ20が複数層に巻回されている。
本実施形態の巻芯部10には、導電ワイヤ20を整列巻回するための複数の巻線領域が設けられている。そして、コイル巻線区域41a〜cには、導電ワイヤ20が基端側から先端側にかけてそれぞれ整列巻回されて、いわゆるセクション巻きがなされている。
本実施形態のコイル部品100においては、コイル巻線区域41a〜cにおける最終ターンTFが、より巻線長の長い先端側に移動することができないため、各セクションにおいて巻き弛みが生じない。
コイル巻線区域41a〜cの数は特に限定されないが、本実施形態の場合は、互いに同一形状のコイル巻線区域41a〜cが、巻芯部10に直列に三つ並んで配置されている。
また、本実施形態のコイル巻線区域41a〜cは、横断面が矩形状に形成されている点で第三実施形態と共通する。
本実施形態の巻芯部10の一端、およびコイル巻線区域41a〜c同士の間には、鍔部12a,12c,12dがそれぞれ設けられている。このうち、コイル巻線区域41a〜cの間に設けられる鍔部12c,12dには、その周面上に配線溝13c,13dが設けられている。配線溝13cは、基端側のコイル巻線区域41aの最終ターンTFと、中間のコイル巻線区域41bの第1ターンT1との間の導電ワイヤ20を案内するための溝である。
すなわち、配線溝13cは、まずコイル巻線区域41aに巻回された導電ワイヤ20の先端をコイル巻線区域41aから導出し、コイル巻線区域41bに導入するための通路となる。同様に、配線溝13dは、中間のコイル巻線区域41bの最終ターンTFと、先端側のコイル巻線区域41cの第1ターンT1との間の導電ワイヤ20の案内溝である。
コイル巻線区域41a〜cには、それぞれ一端側(基端側)から他端側(先端側)に向かって拡径するテーパー部が個別に設けられている。
本実施形態の場合、コイル巻線区域41a〜cには、それぞれ三層以上の奇数層に導電ワイヤ20が整列巻回されている。上層の導電ワイヤ20は、下層の導電ワイヤ20同士の間に嵌り合って巻回されている。
本実施形態のコイル部品100においては、第一層目の導電ワイヤ20の各ターンに亘って基端側への付勢力が与えられ、互いに密に整列するとともに、最終ターンTFの巻き弛みが生じない。したがって、第二層目以降の導電ワイヤ20に対して下層の導電ワイヤ20が巻線ガイドの機能を奏する。
各コイル巻線区域41a〜cにおいては、奇数層目の導電ワイヤ20は基端側から先端側に、偶数層目の導電ワイヤ20は先端側から基端側に向かって整列巻回される。
このとき、本実施形態の巻芯部10に関しても、テーパー角度を30度以下とすることで、下層に巻回された奇数層目の導電ワイヤ20による巻線ガイドから脱離することなく、偶数層目の導電ワイヤ20をその上層に整列巻回することができる。
また、本実施形態の巻芯部10は、導電ワイヤ20が巻回される樹脂製のボビン102と、ボビンに挿通される磁性コア104とを組み合わせてなる。
ボビン102には、鍔部12a〜dを貫通する貫通孔103が設けられ、ボビン102と同等の長さを有する磁性コア104が貫通孔103に挿抜可能に装着されている。
図11に示す本実施形態の変形例にかかる巻芯部10は、コイル巻線区域41a〜cの横断面形状が円形である点で、図10に示す巻芯部10と相違している。
なお、本実施形態のコイル部品100においては、コイル巻線区域41a〜cを構成する巻芯部10の横断面形状が、各セクションにおいて互いに相違するものであってもよい。
上記本実施形態のコイル部品100の作用効果について説明する。
本実施形態のコイル部品100は、コイル部40が、巻軸方向に並ぶ複数のコイル巻線区域41a〜cに分割され、それぞれのコイル巻線区域41a〜cには、導電ワイヤ20が単層または複数層に巻回されている。そして、コイル巻線区域41a〜cにおける第一層目の終端位置E1の巻線長WL1が、終端隣接位置E2の巻線長WL2よりも短く構成されている。これにより、コイル巻線区域41a〜cに対してセクション巻きを行った場合、各コイル巻線区域41a〜cの最終ターンは、いずれも巻き弛むことがなく、所望のインダクタンスLを安定して実現することができる。
また、巻芯部10に対して複数層に導電ワイヤ20を巻回して高いインダクタンスLを得る場合も、本実施形態の場合は各コイル巻線区域41a〜cに分割してセクション巻きされているため、層間に生じる寄生容量を抑えることができる。これは、積層された導電ワイヤ20の層間における電圧降下が低減されるためである。したがって、本実施形態によれば、優れた電磁気特性を有するコイル部品100を得ることができる。
本実施形態の巻芯部10の一端、およびコイル巻線区域41a〜c同士の間には、鍔部12a,12c,12dがそれぞれ設けられている。これにより、各コイル巻線区域41a〜cに導電ワイヤ20を整列巻回するに際し、その開始端21を各鍔部12a,12c,12dに固定して、セクションごとにコイル部40を位置決めすることができる。
コイル巻線区域41a〜cには、それぞれ一端側から他端側に向かって拡径するテーパー部が個別に設けられている。これにより、セクション巻きされたコイル部品100の各コイル巻線区域41a〜cにおいて、導電ワイヤ20の終端位置E1を巻軸方向のいずれの位置としても、第一層目の最終ターンの巻き弛みを抑制することができる。
本実施形態の巻芯部10は、導電ワイヤ20が巻回される樹脂製のボビン102と、ボビンに挿通される磁性コア104とを組み合わせてなる。かかる構成により、樹脂製のボビン102には、鍔部12a,12c,12dの近傍に導電ワイヤ20が分散して巻回されることとなる。よって、導電ワイヤ20によるボビン102の締め付け力が巻軸方向に分散され、かつ、ボビン102のうち径方向の剛性の高い鍔部12a,12c,12dの近傍に導電ワイヤ20が巻回されることにより、ボビン102に対する磁性コア104の着脱性を損なうことがない。
これにより、ボビン102に導電ワイヤ20が整列巻回された後に、ボビン102に対する磁性コア104の挿入深さを調整して、コイル部品100のインダクタンスLを微調整することができる。すなわち、本実施形態によれば、コイル部品100において所望のインダクタンスLを安定して実現するという本発明の目的が更に好適に達成される。
<第五実施形態>
図12は、本実施形態にかかるコイル部品100を巻軸方向WDに沿って切った縦断面模式図である。
本実施形態の巻芯部10は一端側(図中右側)から他端側(図中左側)に向けて拡径する棒状を為し、複数本の導電ワイヤ20が、巻芯部10に対して、互いに共通の螺旋方向に整列巻回されてなる。
各導電ワイヤ20は、それぞれ単層または複数層に巻回されており、同一強度の信号が入力された場合に形成する磁場強度が等しくなるよう構成されている。
本実施形態のコイル部品100では、二本の導電ワイヤ20が互いに積層されて一層ずつ整列巻回されている。また、個々の導電ワイヤ20は、螺旋方向が同じ向きとなるように巻回されている。これにより、本実施形態のコイル部品100は、棒状のコモンモードチョークコイルとして機能する。
ただし、個々の導電ワイヤ20の巻線方向に関しては、入力される信号の向きに応じて、螺旋方向を本実施形態のように互いに同一方向としても、または互いに反対方向としてもよい。
なお、本実施形態の巻芯部10において、各導電ワイヤ20は、巻芯部10の全体に亘って、すなわち巻芯部10の両端に設けられた鍔部12aと鍔部12bとの間の全長に亘って巻回されていてもよく、またはその一部長さにのみ巻回されていてもよい。
ここで、コモンモードチョークコイルにおいては、入力されるノイズを高性能にキャンセルするため、所望のインダクタンスLを各本の導電ワイヤ20に対して実現する必要がある。これに対し、第一層目の巻回時および巻回後に巻き弛みのない本実施形態のコイル部品100によれば、かかる整列巻回された導電ワイヤ20を複数組み合わせることで、優れた電磁気特性のコモンモードチョークコイルを得ることができる。
<第六実施形態>
図13(a)は、本実施形態にかかるコイル部品100の平面模式図であり、同図(b)はこれに用いられる巻芯部10の平面模式図である。
本実施形態のコイル部品100は、巻芯部10が環状をなし、複数のコイル巻線区域41a,41bが、巻芯部10における回転対称位置に設けられている。本実施形態のコイル部品100は、トロイダル・コモンモードチョークコイルとして機能する。
環状の巻芯部10に設けられた複数のコイル巻線区域41a,41bは、互いに同一形状をなしている。具体的には、コイル巻線区域41a,41bは、それぞれ同一の周回方向に向かって拡径するテーパー状をなしている。
本実施形態の場合、コイル巻線区域41a,41bは180度の回転対称位置に設けられている。したがって、コイル巻線区域41aの基端部とコイル巻線区域41bの先端部とは連続し、コイル巻線区域41aの先端部とコイル巻線区域41bの基端部とは連続している。このため、コイル巻線区域41a,41bには、その小径の基端部において、他のコイル巻線区域41b,41aの大径の先端部が、鍔部12として機能する。
本実施形態のコイル部品100には、二本の導電ワイヤ20が、コイル巻線区域41a,41bに対してそれぞれ一本ずつ巻回される。導電ワイヤ20の巻回方向は互いに共通である。
導電ワイヤ20は、コイル巻線区域41a,41bに対し、それぞれ基端側から先端側に向けて、単層または複数層に整列巻回されている。すなわち、各導電ワイヤ20の第1ターンT1は、他方の導電ワイヤ20が巻回されるコイル巻線区域41a,41bの大径の先端部を鍔部12として固定されている。
そして、導電ワイヤ20の第一層目の巻き終わり位置(終端位置E1)にある最終ターンTFは、基端と先端との間の途中位置に巻回されている。
本実施形態のコイル部品100によれば、各コイル巻線区域41a,41bにおいて、終端位置E1の巻線長WL1よりも終端隣接位置E2の巻線長WL2の方が長くなるため、最終ターンTFの導電ワイヤ20の巻き弛みが防止される。また、本実施形態の巻芯部10は、基端から先端にかけて連続してテーパーが設けられている。これにより、導電ワイヤ20の各ターンは先端側から基端側に付勢力を受けて密に巻回され、かかる巻回状態がコイル巻線区域41a,41bにおいて等しく生じる。よって、本実施形態のコイル部品100においては、各コイル巻線区域41a,41bにおいて所望のインダクタンスLが安定して得られ、電磁気特性に優れたトロイダル・コモンモードチョークコイルが実現される。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記各実施形態において、巻芯部10は一端側から他端側にかけて一様に拡径するテーパー状に形成されているが、これに代えて、同径のフラット部と、他端側に拡径するテーパー部とが巻軸方向に連続して設けられていてもよい。
また、巻芯部10には、径が基端側から先端側にかけて大径化する段差部を多段に設けてもよい。段差部の各段の高さは、導電ワイヤ20の線幅の半分以下とするとよい。これにより、大径部分に巻回された導電ワイヤ20が、一段分だけ小径に巻回された前のターンの導電ワイヤ20に対して、先端側から基端側への付勢力を与えることができる。
また、巻芯部10は、小径の中央部を挟んで両端側が大径に形成された、鼓状(蝶形)であってもよい。すなわち、上記実施形態におけるテーパー状の巻芯部10を基端部同士で背中合わせとする。そして、中央部を第1ターンT1として、先端側との間で導電ワイヤ20を往復揺動させてこれを整列巻回することにより、両端側から中央部に向けて各ターンには付勢力が付与される。そして、巻芯部10の中央部から、いずれかの先端側に向けて拡径する途上において導電ワイヤ20の最終ターンTFを設けることにより、導電ワイヤ20の巻き弛みを防止することができる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)巻芯部と、横断面円形の導電ワイヤが前記巻芯部に対して螺旋巻回されたコイル部と、を含むコイル部品であって、
前記コイル部が、前記巻芯部の一端側から他端側に向けて巻軸方向に整列巻回された第一層目を含む単層または複数層に前記導電ワイヤが巻回されてなり、
前記第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、前記巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短いことを特徴とするコイル部品。
(2)前記第一層目の前記巻き終わり位置が、前記巻芯部における前記巻軸方向の途中位置である上記記載のコイル部品。
(3)前記コイル部が、前記巻軸方向に並ぶ複数のコイル巻線区域に分割されており、
それぞれの前記コイル巻線区域には、前記導電ワイヤが複数層に巻回されるとともに、当該コイル巻線区域における第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、当該巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短いことを特徴とする上記記載のコイル部品。
(4)前記導電ワイヤが所定のテンションをもって前記巻芯部に巻回されており、
前記第一層目の前記巻き終わり位置の前記導電ワイヤが前記巻芯部の表面から受ける垂直抗力が、前記他端側から前記一端側に向かう成分を含む上記記載のコイル部品。
(5)前記巻芯部には、少なくとも前記一端側に鍔部が形成されている上記記載のコイル部品。
(6)前記巻芯部が、前記一端側から前記他端側に向かって拡径するテーパー部を少なくとも前記巻軸方向の一部に備え、前記第一層目の前記巻き終わり位置が、前記テーパー部に含まれる上記記載のコイル部品。
(7)前記テーパー部が、前記巻芯部の一端から他端まで形成されている上記記載のコイル部品。
(8)前記鍔部の内側表面と、前記巻芯部の巻回面とが直交する上記記載のコイル部品。
(9)前記テーパー部のテーパー角度が1度以上、30度以下である上記記載のコイル部品。
(10)前記巻芯部の一端、および前記コイル巻線区域同士の間に、鍔部がそれぞれ設けられている上記記載のコイル部品。
(11)前記コイル巻線区域には、それぞれ前記一端側から前記他端側に向かって拡径するテーパー部が個別に設けられている上記記載のコイル部品。
(12)前記巻芯部が、前記導電ワイヤが巻回される樹脂製のボビンと、前記ボビンに挿通される磁性コアとを組み合わせてなる上記記載のコイル部品。
(13)前記巻芯部が前記一端側から前記他端側に向けて拡径する棒状をなし、複数本の前記導電ワイヤが、前記巻芯部に対して互いに共通の螺旋方向に整列巻回されてなる上記記載のコイル部品。
(14)前記巻芯部が環状を為している上記記載のコイル部品。
(a)は第一実施形態にかかるコイル部品の一例を示す平面模式図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は本実施形態のコイル部品の第一の変形例を示す断面模式図であり、(b)はその拡大図である。 本実施形態のコイル部品の第二の変形例における基端部の拡大図である。 本実施形態の他の変形例を示す断面模式図である。 (a)は第二実施形態の巻芯部の一例を示す斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は第三実施形態の巻芯部の一例を示す斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は本実施形態の巻芯部の第一変形例を示す斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は本実施形態の巻芯部の第二変形例を示す斜視図であり、(b)はその正面図である。 (a)は第四実施形態のコイル部品の一例を示す斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は、本実施形態の巻芯部の斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 (a)は、本実施形態の変形例にかかる巻芯部の斜視図であり、(b)はその縦断面図である。 第五実施形態のコイル部品の縦断面模式図である。 (a)は第六実施形態のコイル部品の平面模式図であり、(b)は巻芯部の平面模式図である。 導電ワイヤの巻線間隔が不揃いとなった従来のコイル部品の模式図である。
符号の説明
10 巻芯部
12,12a〜d 鍔部
13 内側表面
13c,13d 配線溝
15 巻回面
20 導電ワイヤ
21 開始端
40 コイル部
41a〜c コイル巻線区域
100 コイル部品
102 ボビン
103 貫通孔
104 磁性コア
CS1,CS2 横断面
E1 終端位置
E2 終端隣接位置
T1 第1ターン
T2 第2ターン
TF 最終ターン
WD 巻軸方向
WL1,WL2 巻線長

Claims (3)

  1. 巻芯部と、横断面円形の導電ワイヤが前記巻芯部に対して螺旋巻回されたコイル部と、を含むコイル部品であって、
    前記コイル部が、前記巻芯部の一端側から他端側に向けて巻軸方向に整列巻回された第一層目を含む単層または複数層に前記導電ワイヤが巻回されてなり、
    前記第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、前記巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短いことを特徴とするコイル部品。
  2. 前記第一層目の前記巻き終わり位置が、前記巻芯部における前記巻軸方向の途中位置である請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記コイル部が、前記巻軸方向に並ぶ複数のコイル巻線区域に分割されており、
    それぞれの前記コイル巻線区域には、前記導電ワイヤが単層または複数層に巻回されるとともに、当該コイル巻線区域における第一層目の巻き終わり位置における前記巻芯部の巻線長が、当該巻き終わり位置に対して前記他端側に隣接する位置の前記巻芯部の巻線長よりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載のコイル部品。
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