JP2009276246A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空間に放射され、空間の物体で反射した波動を受信し、放射から受信までの時間で物体の距離を計測するレーダ装置であり、受信手段が受信信号に周波数変換して生成した中間周波受信信号から、中間周波信号最大値検出手段がその最大値を検出し、中間周波信号抽出手段でこの最大値の時刻を含む所定時間区間で抽出した中間周波信号から、2信号抽出手段が予め設定された時間間隔だけ離れた2つの中間周波受信信号値を抽出し、包絡線算出手段が、2信号抽出手段で抽出された2つの受信信号値から中間周波受信信号の包絡線を算出する。
【選択図】図1
Description
距離計測は、送信光にパルス変調を施し、送受信の時間差を計測することにより行う。したがって、距離分解能はパルス幅によって定まる。例えば送信パルス幅を 200 ns とすれば、距離分解能は30 mとなる。
この発明は、少ない演算量で精度の高い測距処理を行うことを目的とする。
受信した波動に周波数変換を施し、中間周波受信信号を生成する受信手段、
受信手段からの中間周波受信信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するAD変換手段、
ディジタル信号に変換された中間周波受信信号の最大値を検出する中間周波信号最大値検出手段、
中間周波信号最大値検出手段で検出された受信信号の最大値の時刻を含む時間区間で中間周波信号を抽出する中間周波信号抽出手段、
中間周波信号抽出手段で抽出された信号から、予め設定した時間間隔だけ離れた2つの中間周波受信信号値を抽出する2信号抽出手段、
2信号抽出手段で抽出された受信信号値からから物体の距離計測をするための中間周波受信信号の包絡線を算出する包絡線算出手段を備える。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を表すブロック図である。
次に図1のレーダ装置について説明する。
送信部1は送信パルスを発生する。この送信パルスは単一周波数の連続波をパルス変調したものである。以下ではレーザ光を想定した記述を行うが、この発明は特に送受信する波動の種類を限定するものではなく、光の周波数領域以外の一般の電磁波、あるいは音波などにも同様に適用することができる。
中間周波信号最大値検出手段としてのIF信号ピーク検出部11では、処理対象となるIF信号の時間区間中で信号値の最大値を検出し、その時刻tpeakを出力する。中間周波信号抽出手段としてのピーク近傍抽出部12では、tpeakを含む近傍の時間範囲tmin<t<tmaxのIF信号を抽出する。2信号抽出手段に対応する擬似I/Q生成部13は抽出されたIF信号を入力し、擬似I/Q信号を生成する。なお、擬似I/Q生成部13は、予め設定した時間間隔Δtで2つのIF信号を抽出し、それを組み合わせることで擬似的にI/Q信号を生成する。
また、もしレーダ装置のハードウェアの設定により、IF信号の時刻差fIFΔtがIF信号の周期のk/4 (kは奇数)となるようにIF信号の中心周波数fIFまたは時刻差Δtを選択することが可能な場合は、次式のように瞬時電力A2(t1)はより少ない演算量で算出することが可能になる。
以上の実施の形態1では、IF信号の最大値またはIF信号の絶対値の最大値を検出し、その近傍のIF信号を抽出するようにしたものであった。しかし、IF信号に直流成分がオフセットとして含んでいる場合には、IF信号の絶対値を取ってもその効果が得られない。事前にIF信号から直流成分を除去するようにしても良いが、図4の構成を持つ信号処理部を用いる方法でもオフセットの影響を取り除くことが可能である。
本実施の形態によれば、IF信号の信号値がオフセットを持つ場合にも、適切にIF信号を抽出することが可能となる。
以上の実施の形態では、ドップラー周波数が予め既知であることを前提としていた。そこで、ドップラー周波数が未知である場合にも正しく測距を行う実施の形態を次に示す。
図5は本実施の形態のレーダ装置の信号処理部6の内部構成を表すブロック図である。レーダ装置全体の構成は前述の実施の形態1のレーダ装置の構成である図1と同じであるが、信号処理部6の内部構成が、ピーク近傍抽出部12が抽出したIF信号は擬似I/Q生成部13と周波数解析手段としてのフーリエ変換部41に入力され、これら擬似I/Q生成部13とフーリエ変換部41の出力が包絡線算出部14に入力される構成になっている。
ピーク近傍抽出部12で抽出されたIF信号はフーリエ変換部41にも入力され、フーリエ変換が施される。フーリエ変換により算出されたIF信号のドップラースペクトルのピーク位置から、IF信号の中心周波数を算出する。包絡線算出部14では、擬似I/Q生成部13から入力した擬似I/Q信号から、フーリエ変換部41により算出されたIF信号の中心周波数を用いて式(5)による擬似I/Q信号の包絡線電力を算出する。
本実施の形態によれば、レーダ装置と目標の間の相対速度が予め分からない場合にも、精度の良い測距を行うことが可能になる。
前述の実施の形態では、ドップラー周波数が予め分かっていない場合に、ドップラー周波数を信号処理で推定し、測距処理に用いるものであった。次に、外部からの情報をもとにドップラー周波数を定める実施の形態を示す。本実施の形態では、レーダ装置が移動体に搭載され、目標は静止している状況を想定している。
Claims (14)
- 波動を空間に放射するとともに、空間に存在する物体で反射された波動を受信し、放射から受信までの波動の所要時間から物体の距離を計測するレーダ装置であって、
受信した波動に周波数変換を施し、中間周波受信信号を生成する受信手段、
受信手段からの中間周波受信信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するAD変換手段、
ディジタル信号に変換された中間周波受信信号の最大値を検出する中間周波信号最大値検出手段、
中間周波信号最大値検出手段で検出された受信信号の最大値の時刻を含む時間区間で中間周波信号を抽出する中間周波信号抽出手段、
中間周波信号抽出手段で抽出された信号から、予め設定された時間間隔だけ離れた2つの中間周波受信信号値を抽出する2信号抽出手段、
2信号抽出手段で抽出された受信信号値から物体の距離計測をするための中間周波受信信号の包絡線を算出する包絡線算出手段
を備えたことを特徴とするレーダ装置。 - 中間周波信号最大値検出手段は、中間周波受信信号の絶対値の最大値を検出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 中間周波受信信号の最小値を検出する中間周波信号最小値検出手段を備え、中間周波信号抽出手段は、中間周波信号最大値検出手段で検出された最大値と中間周波信号最小値検出手段で検出された最小値の間の時間区間の中間周波受信信号を抽出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 中間周波信号抽出手段は、中間周波数における一波長の時間区間長の信号を抽出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 2信号抽出手段は、抽出する2信号の時間差が中間周波信号の周期の1/4の奇数倍であり、包絡線算出手段は、2信号抽出手段で抽出された信号の2乗和または2乗和の平方根を算出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 包絡線算出手段は、中間周波信号のドップラー周波数偏移を考慮し、2信号抽出手段で抽出された受信信号値から包絡線振幅を算出する構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 中間周波信号のドップラー周波数を算出する周波数解析手段を備え、包絡線算出手段は、周波数解析手段で得られたドップラー周波数を用い、2信号抽出手段で抽出された受信信号値から包絡線振幅算出を行う構成にされたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
- 周波数解析手段は、解析対象となる中間周波受信信号を、中間周波信号最大値検出手段で検出された最大値の近傍から抽出する構成にされたことを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
- 周波数解析手段は、中間周波受信信号を抽出する区間長を概ね送信パルス幅とすることを特徴とする請求項8記載のレーダ装置。
- 自レーダ装置が移動中のとき、自レーダ装置の移動速度を外部から入力し、入力した移動速度から中間周波信号のドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出手段を備え、包絡線算出手段はドップラー周波数算出手段で得られたドップラー周波数を用いて、2信号抽出手段で抽出された受信信号値から包絡線算出を行う構成にされたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。
- 包絡線算出手段は、ドップラー周波数偏移がないことを想定して、2信号抽出手段で抽出された受信信号値から包絡線算出を行う構成にされたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 包絡線算出手段から出力された包絡線に低域通過フィルタ処理を施す低域通過フィルタ手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 受信手段は、周波数解析手段により算出されたドップラー周波数に基づき、2信号抽出手段において抽出する2信号の時間差が中間周波信号の周期の1/4の奇数倍となるように、出力する中間周波数を制御する機能を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
- AD変換手段は、周波数解析手段により算出されたドップラー周波数に基づき、2信号抽出手段において抽出する2信号の時間差が中間周波信号の周期の1/4の奇数倍となる信号をサンプルできるように、サンプル速度を制御する機能を有することを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。
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