JP2009269464A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の緊急時におけるウェビングの巻き取り後に乗員の移動によるウェビングの引き出しを許容する。
【解決手段】ウェビング巻取装置10では、車両の緊急時に、プリテンショナ機構54が作動すると、ピニオン56が巻取方向へ回転されて、コイルスプリング64の他端が巻取方向へ回転されることで、コイルスプリング64が巻き締まりトーションシャフト22との間に摩擦力を発生して、ピニオン56及びスプール16が一体に巻取方向へ回転できる。さらに、乗員からウェビング18及びスプール16を介してトーションシャフト22にピニオン56に対する当該摩擦力を超える引出方向への回転力が付与される間は、トーションシャフト22がピニオン56に対し引出方向へ回転できて、スプール16からウェビング18を引き出すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェビングが巻取軸に巻き取られるウェビング巻取装置に関する。
ウェビング巻取装置(シートベルト巻取装置)としては、車両の緊急時に、プリテンショナ機構が作動されて、シリンダ内にガスが供給されることで、ピストンが一側へ移動されて、巻取軸がベルト巻取方向へ回転されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このウェビング巻取装置では、プリテンショナ機構が作動された後に、ベルトが引き出されて、巻取軸がベルト引出方向へ回転されることで、ピストンが他側へ移動される。
ここで、このようなウェビング巻取装置では、車両の緊急時におけるプリテンショナ機構の作動後に、さらなる乗員の移動に対してベルトの引き出しを許容できるのが好ましい。
特開2002−274325公報
本発明は、上記事実を考慮し、車両の緊急時におけるウェビングの巻き取り後に乗員の移動によるウェビングの引き出しを許容できるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、車両の乗員に装着されるウェビングが巻き取られ、巻取方向へ回転されることで前記ウェビングが巻き取られると共に、前記ウェビングが引き出されることで引出方向へ回転される巻取軸と、前記巻取軸に対し回転可能にされた回転部材と、移動されることで前記回転部材に巻取方向への回転力を付与する移動部材と、前記移動部材が収容され、車両の緊急時にガスが供給されることで前記移動部材がガスの圧力を受けて移動される収容部材と、前記巻取軸と前記回転部材との間で回転力を伝達可能にされ、前記移動部材から前記回転部材に前記巻取軸に対する巻取方向への回転力が付与されることで前記回転部材と一体に前記巻取軸を巻取方向へ回転させると共に、乗員から前記ウェビングを介して前記巻取軸に前記回転部材に対する所定回転力を越える引出方向への回転力が付与されることで前記巻取軸の前記回転部材に対する引出方向への回転を許可する伝達手段と、を備えている。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記回転部材の引出方向への回転を規制する規制手段を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、車両の乗員に装着されるウェビングが巻取軸に巻き取られると共に、巻取軸に対し回転部材が回転可能にされている。さらに、移動部材が収容部材に収容されており、車両の緊急時に、収容部材にガスが供給されて、移動部材がガスの圧力を受けて移動されることで、移動部材が回転部材に巻取方向への回転力を付与する。
ここで、伝達手段が巻取軸と回転部材との間で回転力を伝達可能にされている。
このため、移動部材から回転部材に巻取軸に対する巻取方向への回転力が付与されることで、回転部材と一体に巻取軸が巻取方向へ回転される。これにより、ウェビングが巻取軸に巻き取られることで、ウェビングによる乗員の拘束力を増加させることができる。
さらに、乗員からウェビングを介して巻取軸に回転部材に対する所定回転力を越える引出方向への回転力が付与されることで、巻取軸の回転部材に対する引出方向への回転が許可される。これにより、ウェビングの巻取軸からの引き出しを許容できる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置では、規制手段が回転部材の引出方向への回転を規制する。このため、乗員からウェビングを介して巻取軸に回転部材に対する引出方向への回転力を安定して付与することができる。
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置10の主要部が車幅方向外側から見た断面図にて示されており、図2には、ウェビング巻取装置10が車両前後方向一側から見た側面図にて示されている。さらに、図3には、ウェビング巻取装置10が車両前後方向他側から見た側面図にて示されており、図4には、ウェビング巻取装置10が車幅方向外側から見た断面図にて示されている。なお、図面では、車幅方向内側を矢印INで示し、車両前後方向一側を矢印LOで示し、上方を矢印UPで示す。
本実施の形態に係るウェビング巻取装置10には、断面U字形板状のフレーム12が設けられており、フレーム12には、車幅方向外側の背板12Aと、車両前後方向一側の脚板12Bと、車両前後方向他側の脚板12Cと、が設けられている。フレーム12は、背板12Aにおいて、車両に固定されており、これにより、ウェビング巻取装置10が車両に設置されている。
フレーム12には、脚板12Bと脚板12Cとの間において、巻取軸14を構成する略円筒状のスプール16が回転可能に配置されており、スプール16の中心軸は車両前後方向に平行に配置されている。スプール16には、長尺帯状のウェビング18(ベルト)が基端側から巻き取られており、ウェビング18は、フレーム12から上側へ延出されて、車両のシート(図示省略)に着座した乗員に装着されている。また、スプール16が巻取方向(図2及び図3の矢印A方向)へ回転されることで、ウェビング18がスプール16に巻き取られると共に、ウェビング18がスプール16から引き出されることで、スプール16が引出方向(図2及び図3の矢印B方向)へ回転される。
スプール16内には、中心軸に沿って、フォースリミッタ機構20及び巻取軸14を構成するエネルギー吸収部材としてのトーションシャフト22が挿入されており、トーションシャフト22の脚板12B側の一端及び脚板12C側の他端は、それぞれ、スプール16から突出されて、フレーム12の脚板12B外側及び脚板12C外側へ突出されている。また、トーションシャフト22は、一端近傍においてスプール16内に回転不能に嵌入されて、スプール16に一体回転可能に装着されている。
スプール16の脚板12C側には、ロック機構26が設けられており、ロック機構26には、巻取軸14を構成する保持部材としてのベースロック28が設けられている。
ベースロック28のスプール16側部分には、略円筒状の装着部28Aが設けられており、ベースロック28は、装着部28Aにおいてスプール16内に抜け止めされた状態で嵌入されて、スプール16に回転可能に装着されている。
ベースロック28のスプール16とは反対側部分には、略円柱状の保持部28Bが設けられている。保持部28Bのスプール16とは反対側の面には、凹状の収容部30が形成されており、収容部30は、保持部28Bの周方向に延伸されると共に、一端が保持部28Bの外周面から開放されている。
ベースロック28には、トーションシャフト22の他端近傍が回転不能に貫通されており、ベースロック28は、トーションシャフト22と一体に回転可能にされている。
ベースロック28(保持部28B)の収容部30には、ロック体としての略円弧形平板状のロックプレート32が移動(スライド)可能に収容されており、ロックプレート32の一端には、ロック歯32Aが形成されている。ロックプレート32のスプール16とは反対側の面には、円軸状のガイドピン32Bが設けられており、ガイドピン32Bは、ロックプレート32から突出されている。
フレーム12の脚板12Cには、ロック部としての略円状のラチェット孔34が貫通形成されており、ラチェット孔34の外周には、ラチェット歯34A(内歯)が形成されている。また、ラチェット孔34の内部には、ベースロック28の保持部28Bが配置されている。
ベースロック28(保持部28B)のスプール16とは反対側の面には、略円板状のロックカバー36が一体回転可能に取り付けられており、ロックカバー36は、保持部28B(収容部30を含む)を被覆すると共に、収容部30におけるロックプレート32(ガイドピン32Bを含む)の移動を許可している。また、ロックカバー36には、トーションシャフト22の他端が貫通されている。
ロックカバー36のスプール16とは反対側には、略有底円筒状のVギヤ38が設けられており、Vギヤ38は、トーションシャフト22の他端が貫通されて、トーションシャフト22に追従回転可能に支持されている。Vギヤ38には、屈曲形状のガイド孔38Aが貫通形成されており、ガイド孔38Aの一端には、ロックプレート32のガイドピン32Bが挿通されている。また、Vギヤ38の外周面には、ラチェット歯38Bが形成されている。
Vギヤ38の下側には、加速度センサ40が設けられており、加速度センサ40には、断面L字形板状のセンサハウジング42が設けられている。センサハウジング42の下側部分の上面には、球面形凹状の載置部42Aが形成されており、載置部42A上には、球状のボール44が載置されている。センサハウジング42の上側部分には、センサレバー46が基端において回動可能に支持されており、センサレバー46は、ボール44の上側に載置されている。
車両の緊急時(衝突時(急減速時))には、ボール44が載置部42A上を転動されて上側へ移動され、センサレバー46が上側へ回動されることで、センサレバー46がVギヤ38のラチェット歯38Bに噛合して、Vギヤ38の引出方向への回転が規制可能にされている。
Vギヤ38の引出方向への回転が規制された状態において、乗員によってウェビング18を介してスプール16が引出方向へ僅かに回転されると、Vギヤ38に対するベースロック28(保持部28B)の引出方向への回転によって、ロックプレート32のガイドピン32BがVギヤ38のガイド孔38Aの一端から他端へ移動されて、ロックプレート32が収容部30内を移動されることで、ロックプレート32のロック歯32Aがラチェット孔34外周のラチェット歯34Aに噛合される。さらに、乗員によってウェビング18を介してスプール16が移動されることで、ロック歯32Aとラチェット歯34Aとの噛合位置の略反対側において、ベースロック28の保持部28Bがラチェット孔34外周のラチェット歯34Aに食い込む。これにより、ベースロック28の引出方向への回転がロックされて、スプール16の引出方向への回転が規制可能にされている(スプール16の巻取方向への回転は許可される)。
ベースロック28の引出方向への回転がロックされた状態において、乗員からウェビング18へフォースリミッタ荷重を越える荷重が作用した際には、フォースリミッタ機構20が作動されて、ウェビング18からスプール16へ作用する引出方向への回転力によって、トーションシャフト22が一端近傍と他端近傍との間において引出方向へ捩れ変形されることで、スプール16が引出方向へ回転可能にされている。
ロックカバー36、Vギヤ38及び加速度センサ40は、樹脂製箱状のセンサホルダ48に収容されており、センサホルダ48は、樹脂製箱状のセンサカバー52に収容されている。センサカバー52及びセンサホルダ48は、一体にされて、フレーム12の脚板12Cに固定されており、センサホルダ48は、トーションシャフト22の他端を回転可能に支持している。
図1及び図2に示す如く、フレーム12の脚板12B外側には、ラック&ピニオン方式によるプリテンショナ機構54が設けられている。
プリテンショナ機構54の外周には、支持部材としてのプレートカバー24が設けられている。プレートカバー24の脚板12B側の面及び下側面は、開放されており、プレートカバー24は、フレーム12の側壁12Bに固定されている。プレートカバー24には、トーションシャフト22の一端が貫通されており、プレートカバー24は、トーションシャフト22の左端を回転可能に支持している。
プレートカバー24内には、回転部材としてのピニオン56が設けられており、ピニオン56の中心軸位置には、トーションシャフト22の一端が回転可能に貫通されている。ピニオン56の脚板12Bとは反対側部分には、歯車58が設けられている。ピニオン56の脚板12B側部分には、規制手段を構成する規制部としての有底筒状のギヤ60が設けられており、ギヤ60の外周には、ラチェット歯60Aが形成されている。
フレーム12の側壁12Bには、ピニオン56の外周近傍において、規制手段を構成するロック部材62が基端において回動可能に支持されている。ロック部材62は、ピニオン56側へ回動する方向へ付勢手段(図示省略)によって付勢されて、ピニオン56のギヤ60(ラチェット歯60A)に噛合(係合)されており、ロック部材62は、ピニオン56の引出方向への回転をロック(規制)すると共に、ピニオン56の巻取方向への回転を許可している。
トーションシャフト22の一端は、フォースリミッタ機構20を構成する伝達手段としての螺旋状のコイルスプリング64内に回転自在に貫通されており、コイルスプリング64は、一端(図1の左側端)がプレートカバー24に結合されると共に、他端(図1の右側端)がピニオン56に結合されて、トーションシャフト22の一端と接触されない配置にされている。ピニオン56が巻取方向へ回転された際には、コイルスプリング64の他端が巻取方向へ回転されて、コイルスプリング64が巻き締められることで、コイルスプリング64の径(内径)が小さくされて、コイルスプリング64の内周面全体がトーションシャフト22の一端外周に密着される。これにより、コイルスプリング64とトーションシャフト22の一端外周との間に摩擦力が発生して、ピニオン56とトーションシャフト22とが一体に巻取方向へ回転可能にされている。
ピニオン56の下側には、収容部材としての有底円筒状のシリンダ66が設けられており、シリンダ66は、上下方向に沿って配置されている。シリンダ66は、フレーム12の側壁12Bに固定されており、シリンダ66の上端は、ピニオン56の下側近傍において開口されている。
シリンダ66内の下端(底部)は、略円筒状の連通筒68の一端内に連通されており、連通筒68の他端には、ガス発生装置70(マイクロガスジェネレータ)が固定されている。ガス発生装置70は、連通筒68の他端を閉塞しており、車両の緊急時には、プリテンショナ機構54が作動されることで、ガス発生装置70が高圧のガスを瞬時に発生して連通筒68を介してシリンダ66内の下端に供給可能にされている。
シリンダ66内には、移動部材を構成するピストン72が設けられており、ピストン72は、シリンダ66内を上下方向へ移動可能にされている。
ピストン72の下端近傍には、外形円状のフランジ部74が設けられており、フランジ部74は、シリンダ66の内周面に比し、径が僅かに小さくされている。ピストン72の下端には、受圧部を構成する円柱状の円柱部76が設けられており、円柱部76は、フランジ部74の直下に配置されると共に、フランジ部74に比し径が小さくされている。
円柱部76の外周面には、移動部材の受圧部を構成する環状のシール部材78が嵌合されており、シール部材78は、弾性及びシール性を有している。シール部材78は、弾性変形された状態で、円柱部76の外周面及びフランジ部74の下面とシリンダ66の内周面とに接触されており、シール部材78は、ピストン72(円柱部76)とシリンダ66との間をシールしている。
ピストン72には、フランジ部74の上側において、矩形柱状のラック80が設けられており、ラック80の背板12A側部分には、下部を除く部分において、ラック歯78Aが形成されている。ラック80は、シリンダ66から突出されており、ラック80の先端は、ピニオン56の歯車58の下側近傍に配置されている。
車両の緊急時に、ピストン72の円柱部76及びシール部材78が、ガス発生装置70からシリンダ66内の下端へ供給された高圧のガスの圧力(内圧)を下側から受けて、ピストン72及びシール部材78が上側(一側)へ移動されると、ピストン72のラック80(ラック歯78A)がピニオン56の歯車58に噛合(係合)されて、ピニオン56が巻取方向へ回転可能にされている。また、シール部材78がピストン72とシリンダ66との間をシールすることで、シリンダ66内の下端へ供給された高圧のガスがピストン72とシリンダ66との間を介してピストン72のシール部材78より下側から上側へ抜ける(通過する)ことが抑制される。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成のウェビング巻取装置10では、車両の緊急時(衝突時)に、ロック機構26の加速度センサ40において、ボール44が載置部42A上を転動されて上側へ移動され、センサレバー46が上側へ回動されることで、センサレバー46がVギヤ38のラチェット歯38Bに噛合して、Vギヤ38の引出方向への回転が規制される。
Vギヤ38の引出方向への回転が規制された状態において、乗員によってウェビング18を介してスプール16が引出方向へ僅かに回転されると、Vギヤ38に対するベースロック28(保持部28B)の引出方向への回転によって、ロックプレート32のガイドピン32BがVギヤ38のガイド孔38Aの一端から他端へ移動されて、ロックプレート32が収容部30内を移動されることで、ロックプレート32のロック歯32Aがフレーム12のラチェット孔34外周のラチェット歯34Aに噛合される。さらに、乗員によってウェビング18を介してスプール16が移動されることで、ロック歯32Aとラチェット歯34Aとの噛合位置の略反対側において、ベースロック28の保持部28Bがラチェット孔34外周のラチェット歯34Aに食い込む。これにより、ベースロック28の引出方向への回転がロックされて、スプール16の引出方向への回転が規制される(スプール16の巻取方向への回転は許可される)ことで、ウェビング18のスプール16からの引き出しが規制されて、ウェビング18が乗員を拘束する。
さらに、車両の緊急時には、プリテンショナ機構54が作動されることで、ガス発生装置70が高圧のガスを瞬時に発生して連通筒68を介してシリンダ66内の下端に供給する。このため、当該高圧のガスの圧力をピストン72の円柱部76及びシール部材78が下側から受けて、ピストン72及びシール部材78が上側へ移動されることで、ピストン72のラック80(ラック歯48A)がピニオン56の歯車58に噛合されて、ピストン72がピニオン56に巻取方向への回転力を付与する。
ロック部材62は、付勢手段の付勢によってピニオン56のギヤ60(ラチェット歯60A)に噛合されており、ロック部材62は、ピニオン56の引出方向の回転を規制し、ピニオン56の巻取方向への回転は許可している。このため、ピストン72がピニオン56に巻取方向への回転力を付与した際には、ピストン72の上側への移動によってピニオン56が巻取方向へ回転されて、コイルスプリング64の他端が巻取方向へ回転されることで、コイルスプリング64が巻き締められて、コイルスプリング64とトーションシャフト22の一端外周との間に摩擦力が発生する。これにより、ピニオン56とトーションシャフト22とが一体に巻取方向へ回転されることで、スプール16にウェビング18が巻き取られて、ウェビング18による乗員の拘束力が増加される。
ピストン72の上側への移動力によるピニオン56の巻取方向への回転が停止された後(ピストン72の上側への移動によるピニオン56の巻取方向への回転力と乗員からウェビング18及びスプール16を介してトーションシャフト22に作用する引出方向への回転力とが等しくなった後)には、フォースリミッタ機構20が作動されて、ロック部材62が付勢手段の付勢力によってピニオン56のギヤ60(ラチェット歯60A)に噛合されることで、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックして、コイルスプリング64の他端の引出方向への回転がロックされる。
さらに、乗員からウェビング18へフォースリミッタ荷重を越える荷重が作用した際には、ウェビング18からスプール16へ作用する引出方向への回転力によって、トーションシャフト22が一端近傍と他端近傍との間の部分において引出方向へ捩れ変形されると共に、トーションシャフト22の一端がコイルスプリング64との間の摩擦力に抗して引出方向へ回転されることで、スプール16が引出方向へ回転されて、ウェビング18がスプール16から引き出される。
フォースリミッタ荷重(ウェビング18から乗員に作用する最大荷重)は、トーションシャフト22が一端近傍と他端近傍との間の部分において引出方向へ捩れ変形されるための荷重と、トーションシャフト22の一端がコイルスプリング64との間の摩擦力に抗して引出方向へ回転されるための荷重と、を加算したものである。
ここで、上述の如く、プリテンショナ機構54が作動されることで、ピニオン56を介してコイルスプリング64の他端が巻取方向へ回転されて、コイルスプリング64とトーションシャフト22の一端外周との間に摩擦力が発生する。これにより、コイルスプリング64がピニオン56とトーションシャフト22との間で当該摩擦力(所定回転力)以下の回転力を伝達できる。
さらに、フォースリミッタ機構20が作動される際において、乗員からウェビング18及びスプール16を介してトーションシャフト22(一端)にピニオン56に対する当該摩擦力を超える引出方向への回転力が付与される間は、トーションシャフト22の一端がピニオン56に対し引出方向へ回転できて、スプール16からウェビング18を引き出すことができる。
また、フォースリミッタ機構20が作動される際には、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックすることで、乗員からウェビング18及びスプール16を介してトーションシャフト22に引出方向への回転力が作用しても、ピニオン56が引出方向へ回転されることが抑制される。このため、ピニオン56の引出方向への回転によってピストン72が下側(他側)へ移動されることを抑制でき、シリンダ66内に残留するガス(シール部材78より下側のガス)の圧力によってピストン72の下側への移動が制限されてピニオン56、トーションシャフト22及びスプール16の引出方向への回転が制限されることを抑制できる。これにより、シリンダ66内に残留するガスの圧力によってフォースリミッタ荷重が増加することを抑制できる。
特に、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックする際において、ロック部材62が付勢手段の付勢力によってピニオン56のギヤ60に噛合されるまでに、コイルスプリング64の付勢力によってピニオン56が引出方向へ僅かに回転されてピストン72が下側へ僅かに移動されても、ピストン72がコイルスプリング64の付勢力によってシリンダ66内に残留するガスを下側へ押圧することができる。これにより、シリンダ66内に残留するガスの圧力によってピニオン56、トーションシャフト22及びスプール16の引出方向への回転が制限されることを抑制でき、シリンダ66内に残留するガスの圧力によってフォースリミッタ荷重が増加することを抑制できる。
さらに、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックすることで、乗員からウェビング18及びスプール16を介してトーションシャフト22にピニオン56に対する引出方向への回転力を安定して付与することができる。
また、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックすることで、コイルスプリング64の他端の引出方向への回転がロックされる。このため、コイルスプリング64の付勢力によってコイルスプリング64の巻締量(トーションシャフト22一端に対する巻締力)が少なくなることが抑制されて、コイルスプリング64とトーションシャフト22の一端との間の摩擦力が低下することが抑制される。これにより、トーションシャフト22の一端がコイルスプリング64との間の摩擦力に抗して引出方向へ回転されるための荷重を、フォースリミッタ荷重として利用することができる。
しかも、ロック部材62がピニオン56の引出方向への回転をロックすることで、コイルスプリング64の巻締量(トーションシャフト22一端に対する巻締力)が一定にされる。このため、トーションシャフト22の一端がコイルスプリング64に対し引出方向へ回転される際には、コイルスプリング64とトーションシャフト22の一端との間に一定の動摩擦力が作用する。これにより、トーションシャフト22の一端がコイルスプリング64との間の摩擦力に抗して引出方向へ回転されるための荷重を安定させることができる。
[第2の実施の形態]
図5には、本発明の第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置90が車両前後方向一側から見た側面図にて示されている。
本実施の形態に係るウェビング巻取装置90は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施の形態に係るウェビング巻取装置90では、プリテンショナ機構54において、上記第1の実施の形態におけるロック部材62(付勢手段を含む)が設けられていない。
ピニオン56の右側部分には、上記第1の実施の形態におけるギヤ60(ラチェット歯60Aを含む)に代えて、規制手段を構成する規制部としての円筒状の筒部92が設けられている。
フレーム12の左側の側壁12Bには、規制手段を構成する略円筒状のロック筒94が固定されており、ロック筒94内には、ピニオン56の筒部92が収容されている。
ロック筒94には、断面台形状のロック溝96が所定数貫通形成されており、ロック溝96は、ピニオン56側(ロック筒94内周側)に開放されている。ロック溝96の底面(ロック筒94外周側面)は、傾斜面96Aにされており、傾斜面96Aは、引出方向へ向かうに従いロック筒94内周側へ向かう方向へ傾斜されている。
ロック溝96内には、円軸状の規制手段を構成する規制体としての円軸状のロック軸98が設けられており、ロック軸98の外周面には、ローレット加工等によって、周方向に沿って凹凸が形成されている。ロック軸98は、ピニオン56の筒部92とロック筒94の傾斜面96Aとの間に挟持されており、ロック筒94は、ロック軸98を介してピニオン56を保持している。
プリテンショナ機構54が作動されて、ピニオン56が巻取方向へ回転される際には、ピニオン56の巻取方向への回転によってロック軸98がロック溝96内の巻取方向側に移動されることで、ピニオン56の筒部92とロック筒94の傾斜面96Aとの間へのロック軸98の挟持が解除される。これにより、ピニオン56の巻取方向への回転が許可される。
一方、フォースリミッタ機構20が作動されて、ピニオン56が引出方向へ回転される際には、ピニオン56の引出方向への回転によってロック軸98がロック溝96内の引出方向側に移動されることで、ピニオン56の筒部92とロック筒94の傾斜面96Aとの間にロック軸98が噛み込まれる(係合される)。これにより、ロック筒94がロック軸98を介してピニオン56の引出方向への回転をロック(規制)する。
ここで、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することとができる。
なお、本実施の形態において、ピニオン56の筒部92の外周面やロック筒94の傾斜面96Aに、ピニオン56の周方向に沿って凹凸を形成した構成としてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置の主要部を示す車幅方向外側から見た断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置を示す車両前後方向一側から見た側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置を示す車両前後方向他側から見た側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置を示す車幅方向外側から見た断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置を示す車両前後方向一側から見た側面図である。
符号の説明
10 ウェビング巻取装置
14 巻取軸
18 ウェビング
56 ピニオン(回転部材)
60 ギヤ(規制手段)
62 ロック部材(規制手段)
64 コイルスプリング(伝達手段)
66 シリンダ(収容部材)
72 ピストン(移動部材)
78 シール部材(移動部材)
90 ウェビング巻取装置
92 筒部(規制手段)
94 ロック筒(規制手段)
98 ロック軸(規制手段)

Claims (2)

  1. 車両の乗員に装着されるウェビングが巻き取られ、巻取方向へ回転されることで前記ウェビングが巻き取られると共に、前記ウェビングが引き出されることで引出方向へ回転される巻取軸と、
    前記巻取軸に対し回転可能にされた回転部材と、
    移動されることで前記回転部材に巻取方向への回転力を付与する移動部材と、
    前記移動部材が収容され、車両の緊急時にガスが供給されることで前記移動部材がガスの圧力を受けて移動される収容部材と、
    前記巻取軸と前記回転部材との間で回転力を伝達可能にされ、前記移動部材から前記回転部材に前記巻取軸に対する巻取方向への回転力が付与されることで前記回転部材と一体に前記巻取軸を巻取方向へ回転させると共に、乗員から前記ウェビングを介して前記巻取軸に前記回転部材に対する所定回転力を越える引出方向への回転力が付与されることで前記巻取軸の前記回転部材に対する引出方向への回転を許可する伝達手段と、
    を備えたウェビング巻取装置。
  2. 前記回転部材の引出方向への回転を規制する規制手段を備えた請求項1記載のウェビング巻取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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