JP2009269073A - ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造欠陥を確実に防止することが可能なダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置を提供する。
【解決手段】ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態から、プランジャチップ17を前進させて、可動スリーブ10内部に溶湯を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16を介して可動スリーブ10の外へ排出させる。可動スリーブ10内部における溶湯の充填率が100%に到達した時点で、ゲート14と可動スリーブ10内部とを連通させて、可動スリーブ10内部に充填された溶湯をキャビティ3に充填させる。これにより、鋳造欠陥がない高い品質の鋳造品(製品)を安定して得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態から、プランジャチップ17を前進させて、可動スリーブ10内部に溶湯を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16を介して可動スリーブ10の外へ排出させる。可動スリーブ10内部における溶湯の充填率が100%に到達した時点で、ゲート14と可動スリーブ10内部とを連通させて、可動スリーブ10内部に充填された溶湯をキャビティ3に充填させる。これにより、鋳造欠陥がない高い品質の鋳造品(製品)を安定して得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置に関する。
一般に、ダイカスト鋳造法では、スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させることにより、スリーブ内に注湯された溶湯が金型内部に形成されたキャビティに供給(充填)される。このようなダイカスト鋳造法においては、プランジャチップを前進させた時にスリーブ内の溶湯が波立った場合、溶湯にエアが巻き込まれることがある。このように、溶湯にエアが巻き込まれた場合、鋳造品(製品)に、例えば、鋳巣、湯流れ不良等の内部欠陥が発生するおそれがある。
そこで、特許文献1には、スリーブ内における溶湯の充填率とプランジャ速度とを段階的に変化(設定)させることにより、溶湯の波立ちを防止して溶湯にエアが巻き込まれることを防止した技術が開示されている。しかしながら、従来技術は、溶湯に巻き込まれたエアを排出する手段を持たないことから、溶湯がエアを巻き込んでしまった場合には、例えば、湯流れ不良、鋳造品の内部欠陥等の鋳造欠陥が発生するおそれがある。
特開平9−253821号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、鋳造欠陥を確実に防止することが可能なダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のダイカスト鋳造方法は、スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、前記スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造方法であって、前記スリーブの内部に溶湯を注湯する注湯ステップと、前記プランジャチップを第1速度で前進させて、前記ゲートとの連通が遮断された前記スリーブ内部に溶湯を充填させつつ、前記スリーブ内部に残存するエアをエアベントによって排出する充填ステップと、前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率に到達した時点で、前記ゲートを前記スリーブ内部に連通させると同時に、前記プランジャチップを前記第1速度よりも高速の第2速度で前進させて、前記スリーブ内部に充填された溶湯を前記キャビティへ射出する射出ステップと、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のダイカスト鋳造装置は、スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、前記スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造装置であって、前記ゲートと前記スリーブ内部とを遮断/連通させる遮断/連通手段と、前記スリーブ内部のエアを前記スリーブ外へ排出させるエアベントと、前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出する検出手段と、を有し、前記遮断/連通手段によって前記ゲートと前記スリーブ内部とを遮断し、この状態で、前記プランジャチップを前進させて前記スリーブ内部に溶湯を充填しつつ、前記スリーブ内部に残存するエアを前記エアベントによって排出し、前記検出手段によって前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出した時点で、前記遮断/連通手段によって前記ゲートと前記スリーブ内部とを連通させて、前記スリーブ内部に充填された溶湯を前記キャビティに射出することを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(6)項の各々が、請求項1〜6の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(6)項の各々が、請求項1〜6の各々に相当する。
(1)スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造方法であって、スリーブの内部に溶湯を注湯する注湯ステップと、プランジャチップを第1速度で前進させて、ゲートとの連通が遮断されたスリーブ内部に溶湯を充填させつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントによって排出する充填ステップと、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率に到達した時点で、ゲートをスリーブ内部に連通させると同時に、プランジャチップを第1速度よりも高速の第2速度で前進させて、スリーブ内部に充填された溶湯をキャビティへ射出する射出ステップと、を含むダイカスト鋳造方法。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、ゲートとスリーブ内部との連通を遮断した状態でプランジャチップを前進させてスリーブ内部に溶湯を充填させつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントからスリーブ外へ排出し(充填ステップ)、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率、例えば、100%に到達した時点で、ゲートとスリーブ内部とを連通させてスリーブ内部に充填された溶湯をキャビティに射出するので(射出ステップ)、例えば、充填ステップにおいて溶湯がエアを巻き込んだとしても、溶湯に巻き込まれたエアをエアベントからスリーブ外へ排出することができる。これにより、射出ステップでは、内部にエアが残存しない溶湯をキャビティに充填させることができ、鋳造品(製品)の品質を確保することができる。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、ゲートとスリーブ内部との連通を遮断した状態でプランジャチップを前進させてスリーブ内部に溶湯を充填させつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントからスリーブ外へ排出し(充填ステップ)、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率、例えば、100%に到達した時点で、ゲートとスリーブ内部とを連通させてスリーブ内部に充填された溶湯をキャビティに射出するので(射出ステップ)、例えば、充填ステップにおいて溶湯がエアを巻き込んだとしても、溶湯に巻き込まれたエアをエアベントからスリーブ外へ排出することができる。これにより、射出ステップでは、内部にエアが残存しない溶湯をキャビティに充填させることができ、鋳造品(製品)の品質を確保することができる。
(2)スリーブは、鋳造型によって前進/後退可能に支持され、さらに、スリーブの前端部側面には、スリーブ内部に充填された溶湯を臨む開口部が設けられ、射出ステップでは、遮断位置に位置するスリーブを前進させて連通位置に保持することにより、ゲートがスリーブの開口部に臨んでスリーブ内部に連通され、鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、スリーブが後退して遮断位置に復帰してゲートとスリーブ内部との連通が遮断される(1)のダイカスト鋳造方法。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、射出ステップでは、遮断位置に位置するスリーブを前進させることでスリーブの開口部に臨み、これにより、ゲートとスリーブ内部とが連通される。そして、鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、スリーブが後退して遮断位置に復帰する。これにより、ゲートとスリーブ内部との連通が遮断される。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、射出ステップでは、遮断位置に位置するスリーブを前進させることでスリーブの開口部に臨み、これにより、ゲートとスリーブ内部とが連通される。そして、鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、スリーブが後退して遮断位置に復帰する。これにより、ゲートとスリーブ内部との連通が遮断される。
(3)射出ステップでは、プランジャチップの推力をスリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させて、内部に溶湯が充填されたスリーブを前進させる(1)、(2)のダイカスト鋳造方法。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、プランジャチップの推力をスリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させることにより、スリーブを前進させることができる。すなわち、スリーブは、プランジャチップによって押圧されるスリーブ内部の溶湯と共に押し出されるように前進する。
本項の態様では、射出ステップでスリーブをプランジャチップの推力によって前進させるが、前述したように、鋳造完了後、スリーブは、プランジャチップを後退させることで後退し、遮断位置に復帰する。例えば、スリーブを遮断位置に復帰には、例えば、コイルばねを使用することができる。この場合、射出ステップでは、プランジャチップの推力によって、コイルばねのばね力に抗してスリーブを前進させる。鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、スリーブを、コイルばねのばね力によって後退させて遮断位置に復帰させることができる。これにより、ゲートとスリーブ内部との連通が遮断され、この状態で、注湯ステップでスリーブ内部に溶湯を注湯する。
本項に記載のダイカスト鋳造方法によれば、プランジャチップの推力をスリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させることにより、スリーブを前進させることができる。すなわち、スリーブは、プランジャチップによって押圧されるスリーブ内部の溶湯と共に押し出されるように前進する。
本項の態様では、射出ステップでスリーブをプランジャチップの推力によって前進させるが、前述したように、鋳造完了後、スリーブは、プランジャチップを後退させることで後退し、遮断位置に復帰する。例えば、スリーブを遮断位置に復帰には、例えば、コイルばねを使用することができる。この場合、射出ステップでは、プランジャチップの推力によって、コイルばねのばね力に抗してスリーブを前進させる。鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、スリーブを、コイルばねのばね力によって後退させて遮断位置に復帰させることができる。これにより、ゲートとスリーブ内部との連通が遮断され、この状態で、注湯ステップでスリーブ内部に溶湯を注湯する。
(4)スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造装置であって、ゲートとスリーブ内部とを遮断/連通させる遮断/連通手段と、スリーブ内部のエアをスリーブ外へ排出させるエアベントと、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出する検出手段と、を有し、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部とを遮断し、この状態で、プランジャチップを前進させてスリーブ内部に溶湯を充填しつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントによって排出し、検出手段によってスリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出した時点で、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部とを連通させて、スリーブ内部に充填された溶湯をキャビティに射出するダイカスト鋳造装置。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部との連通を遮断した状態で、プランジャチップを前進させてスリーブ内部に溶湯を充填しつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントからスリーブ外へ排出する。そして、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率、例えば、100%に到達したことが検出手段によって検出されると、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部とが連通され、スリーブ内部に充填された溶湯がキャビティに射出される。したがって、例えば、プランジャチップを前進させて溶湯をスリーブ内部に充填させる過程で、溶湯がエアを巻き込んだとしても、溶湯に巻き込まれたエアはエアベントによってスリーブ外へ排出される。これにより、内部にエアが残存しない溶湯をキャビティに充填させることができ、鋳造品(製品)の品質を確保することができる。
本項の態様において、エアベントは、例えば、スリーブに設けられる溝あるいは孔である。エアベントとしての溝あるいは孔は、スリーブ内部のエアのみが通過できる断面(形状および面積)を有し、さらに、溶湯による目詰まりが発生しないように設定する。また、エアベントは、スリーブに設けることに限定するものではなく、必要に応じて、例えば、鋳造型に設けることができる。なお、エアベントをスリーブあるいは鋳造型に設けた場合、スリーブ内部のエアは、エアベントを通過してキャビティに連通するランナーに排出される。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部との連通を遮断した状態で、プランジャチップを前進させてスリーブ内部に溶湯を充填しつつ、スリーブ内部に残存するエアをエアベントからスリーブ外へ排出する。そして、スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率、例えば、100%に到達したことが検出手段によって検出されると、遮断/連通手段によってゲートとスリーブ内部とが連通され、スリーブ内部に充填された溶湯がキャビティに射出される。したがって、例えば、プランジャチップを前進させて溶湯をスリーブ内部に充填させる過程で、溶湯がエアを巻き込んだとしても、溶湯に巻き込まれたエアはエアベントによってスリーブ外へ排出される。これにより、内部にエアが残存しない溶湯をキャビティに充填させることができ、鋳造品(製品)の品質を確保することができる。
本項の態様において、エアベントは、例えば、スリーブに設けられる溝あるいは孔である。エアベントとしての溝あるいは孔は、スリーブ内部のエアのみが通過できる断面(形状および面積)を有し、さらに、溶湯による目詰まりが発生しないように設定する。また、エアベントは、スリーブに設けることに限定するものではなく、必要に応じて、例えば、鋳造型に設けることができる。なお、エアベントをスリーブあるいは鋳造型に設けた場合、スリーブ内部のエアは、エアベントを通過してキャビティに連通するランナーに排出される。
(5)スリーブは、前端部が閉塞された有底筒状に形成されると共に、鋳造型によって前進/後退可能に支持され、さらに、スリーブの前端部側面には、スリーブ内部に充填された溶湯を臨む開口部が設けられ、遮断/連通手段は、スリーブを前進させて連通位置で保持することにより、ゲートがスリーブの開口部に臨み、該ゲートがスリーブ内部に連通され、また、遮断/連通手段は、スリーブを後退させて連通位置で保持することにより、スリーブの開口部が鋳造型によって閉塞されてゲートとスリーブ内部との連通が遮断される(4)のダイカスト鋳造装置。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段は、スリーブを遮断位置に保持することで、スリーブの開口部を鋳造型によって塞いでゲートとスリーブ内部との連通を遮断することができる。また、遮断/連通手段は、スリーブを前進させて連通位置に保持することで、ゲートがスリーブの開口部に臨み、ゲートとスリーブ内部とを連通させることができる。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段は、スリーブを遮断位置に保持することで、スリーブの開口部を鋳造型によって塞いでゲートとスリーブ内部との連通を遮断することができる。また、遮断/連通手段は、スリーブを前進させて連通位置に保持することで、ゲートがスリーブの開口部に臨み、ゲートとスリーブ内部とを連通させることができる。
(6)遮断/連通手段は、プランジャチップの推力を、スリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させて、内部に溶湯が充填されたスリーブを前進させる(4)、(5)のダイカスト鋳造装置。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段は、プランジャチップの推力をスリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させることで、スリーブを前進させることができる。すなわち、スリーブは、プランジャチップによって押圧されるスリーブ内部の溶湯と共に押し出されるように前進する。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、遮断/連通手段は、プランジャチップの推力をスリーブ内部に充填された溶湯を介してスリーブに作用させることで、スリーブを前進させることができる。すなわち、スリーブは、プランジャチップによって押圧されるスリーブ内部の溶湯と共に押し出されるように前進する。
(7)遮断/連通手段は、スリーブを遮断位置に復帰させる復帰手段を含む(4)ないし(6)のダイカスト鋳造装置。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、復帰手段として、例えば、コイルばねを使用することができる。この場合、遮断/連通手段は、プランジャチップの推力によって、コイルばねのばね力に抗してスリーブを前進させることにより、ゲートとスリーブ内部とを連通させることができる。そして、鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、遮断/連通手段は、スリーブをコイルばねのばね力によって後退させて遮断位置に復帰させことにより、ゲートとスリーブ内部との連通を遮断することができる。
本項の態様において、復帰手段は、コイルばねに限定されない。例えば、プランジャチップの後退動作に連動してスリーブを後退させるように復帰手段を構成してもよい。
本項に記載のダイカスト鋳造装置によれば、復帰手段として、例えば、コイルばねを使用することができる。この場合、遮断/連通手段は、プランジャチップの推力によって、コイルばねのばね力に抗してスリーブを前進させることにより、ゲートとスリーブ内部とを連通させることができる。そして、鋳造完了後、プランジャチップを後退させることにより、遮断/連通手段は、スリーブをコイルばねのばね力によって後退させて遮断位置に復帰させことにより、ゲートとスリーブ内部との連通を遮断することができる。
本項の態様において、復帰手段は、コイルばねに限定されない。例えば、プランジャチップの後退動作に連動してスリーブを後退させるように復帰手段を構成してもよい。
鋳造欠陥を確実に防止することが可能なダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図4に基いて説明する。
図1に示されるように、本実施形態のダイカスト鋳造装置1は、鋳造型2と、該鋳造型2の内部に形成されるキャビティ3に溶湯6を射出充填させる射出装置4と、を有する。鋳造型2は、固定プラテン5に取り付けられる固定型7と、可動プラテンに取付けられる可動型8と、によって構成される。固定型7と可動型8との間には、キャビティ3に連通するランナー9が形成される。なお、ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ3の背圧を除去する背圧除去装置を有する。
図1に示されるように、本実施形態のダイカスト鋳造装置1は、鋳造型2と、該鋳造型2の内部に形成されるキャビティ3に溶湯6を射出充填させる射出装置4と、を有する。鋳造型2は、固定プラテン5に取り付けられる固定型7と、可動プラテンに取付けられる可動型8と、によって構成される。固定型7と可動型8との間には、キャビティ3に連通するランナー9が形成される。なお、ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ3の背圧を除去する背圧除去装置を有する。
図1に示されるように、射出装置4は、固定プラテンに設けられる固定スリーブ9と、該固定スリーブ9を含む鋳造型2によって前進/後退可能に支持されて注湯口11から内部に溶湯6が注湯される可動スリーブ10(スリーブ)と、を有する。なお、本実施形態では、図1における左方向への移動を前進、図1における右方向への移動を後退と規定する。図4にも示されるように、可動スリーブ10は、前端部(図1における左端部)が閉塞された有底円筒状に形成され、その前側部分(図1における左側部分)が、鋳造型2に形成されたスリーブ収容部13に収容される。なお、スリーブ収容部13には、キャビティ3に連通するゲート14が開口する。
図4に示されるように、可動スリーブ10の前端部側面には、上方へ開口する開口部12が設けられる。そして、ダイカスト鋳造装置1は、可動スリーブ10を図1および図2に示される遮断位置(後退端位置)に保持した状態では、開口部12がスリーブ収容部13によって閉塞されて、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断され、他方、可動スリーブ10が図3に示される連通位置(前進端位置)に保持した状態では、開口部12がゲート14に臨み、ゲート14と可動スリーブ10内部とが連通される。なお、スリーブ収容部13の前端部底面と可動スリーブ10の前端部端面との間にはコイルばね15(復帰手段)が配設されており、本発明の遮断/連通手段は、該コイルばね15のばね力によって、可動スリーブ10を遮断位置に復帰させる。
そして、ダイカスト鋳造1は、スリーブ収容部13にエアベント16が設けられる。該エアベント16は、スリーブ収容部13の固定型7側壁面に形成されて前後方向(図1における左右方向)へ延びる複数本の溝によって構成される。エアベント16を構成する各溝は、その断面形状および断面積が、エアを通過させ且つ溶湯6を通過させないように設定される。また、ダイカスト鋳造装置1は、可動スリーブ10の内部圧力を検出する圧力センサ(検出手段)を備え、該圧力センサの検出信号に応じてプランジャチップ17の速度を制御する(切替える)ことができる。
前述した構成により、本実施形態では、図1に示される可動スリーブ10が遮断位置(後退端)に保持した状態、すなわち、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態から、可動スリーブ10に嵌装されたプランジャチップ17を前進(図1における左側へ移動)させて、図2に示されるように、可動スリーブ10内部の閉塞された空間(ただし、エアベント16による外部との連通は無視する)に溶湯6を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16を介して可動スリーブ10の外(本実施形態では、鋳造型2に形成されるライナー)へ排出させる。そして、可動スリーブ10内部における溶湯6の充填率が100%(規定充填率)に到達した時点で、プランジャチップ17の推力を増加させる。
これにより、可動スリーブ10には、プランジャチップ17の推力が可動スリーブ10内部に充填された溶湯6を介して作用する、すなわち、可動スリーブ10は、可動スリーブ10内部に充填された溶湯6を介してプランジャチップ17によって押圧され、コイルばね15のばね力を圧縮しながら前進する。そして、可動スリーブ10が図3に示される連通位置(前進端)に位置することで、ゲート14が可動スリーブ10の開口部12に臨み、この結果、ゲート14と可動スリーブ10内部とが連通される。これにより、可動スリーブ10内部に100%の充填率で充填された溶湯6、すなわち、エアが残存していない溶湯6がゲート14およびランナーを介してキャビティ3に充填される構造になっている。
なお、本実施形態では、圧力センサ(検出手段)によって、可動スリーブ10内部の圧力が規定圧力に到達したことを検出することで、可動スリーブ10内部に充填された溶湯6の充填率が100%に到達したことを検知し、この検知により、可動スリーブ10内部のエアが完全に可動スリーブ10の外へ排出されたと認知する。また、コイルばね15は、可動スリーブ10および可動スリーブ10内部に充填された溶湯6を介して可動スリーブ10内部の圧力を受けるが、当然、規定圧力に満たない圧力で圧縮されて可動スリーブ10が前進しないように、ばね力が設定される。
次に、本実施形態のダイカスト鋳造方法を説明する。
まず、溶湯6を注湯口11から可動スリーブ10内部へ注湯する。この時、可動スリーブ10は図1に示される遮断位置(後退端)に位置し、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態にあり、且つ、プランジャチップ17は、注湯位置(後退端)に位置する。次に、プランジャチップ17を第1速度(低速)で前進させる。このプランジャチップ17の前進に伴い、閉塞された可動スリーブ10内部に溶湯6を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16によって可動スリーブ10の外(本実施形態では、ライナー)へ排出する。
まず、溶湯6を注湯口11から可動スリーブ10内部へ注湯する。この時、可動スリーブ10は図1に示される遮断位置(後退端)に位置し、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態にあり、且つ、プランジャチップ17は、注湯位置(後退端)に位置する。次に、プランジャチップ17を第1速度(低速)で前進させる。このプランジャチップ17の前進に伴い、閉塞された可動スリーブ10内部に溶湯6を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16によって可動スリーブ10の外(本実施形態では、ライナー)へ排出する。
そして、図2に示されるように、圧力センサ(検出手段)によって、可動スリーブ10内部の圧力が規定圧力に到達して可動スリーブ10内部に充填された溶湯6の充填率が100%に到達した、すなわち、可動スリーブ10内部のエアが完全に排出されたことが検出されると、プランジャチップ17の推力が増大されてプランジャチップ17の速度が第1速度から第1速度よりも高速の第2速度(高速)に切替えられる。これにより、可動スリーブ10内部の圧力も増大し、この圧力が、可動スリーブ10内部に充填された溶湯6を介して可動スリーブ10に作用することで、可動スリーブ10は、コイルばね15(復帰手段)のばね力を圧縮しながら前進する。
そして、可動スリーブ10が図3に示される連通位置(前進端)に位置することで、ゲート14が可動スリーブ10の開口部12に臨み、この結果、ゲート14と可動スリーブ10内部とが連通される。これにより、可動スリーブ10内部に100%の充填率で充填された溶湯6、すなわち、エアが残存していない溶湯6がゲート14およびランナーを介してキャビティ3に充填される。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態では、可動スリーブ10が遮断位置(後退端)に保持した状態、すなわち、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態から、可動スリーブ10に嵌装されたプランジャチップ17を前進させて、可動スリーブ10内部の閉塞された空間に溶湯6を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16を介して可動スリーブ10の外へ排出させる。そして、可動スリーブ10内部における溶湯6の充填率が100%(規定充填率)に到達した時点で、可動スリーブ10を前進させて、連通位置(前進端)に保持する。これにより、ゲート14が可動スリーブ10の開口部12に臨み、この結果、ゲート14と可動スリーブ10内部とが連通されて、可動スリーブ10内部に100%の充填率で充填された溶湯6、すなわち、エアが残存していない溶湯6がゲート14およびランナーを介してキャビティ3に充填される。
したがって、本実施形態によれば、鋳造欠陥がない高い品質の鋳造品(製品)を安定して得ることができる。
本実施形態では、可動スリーブ10が遮断位置(後退端)に保持した状態、すなわち、ゲート14と可動スリーブ10内部との連通が遮断された状態から、可動スリーブ10に嵌装されたプランジャチップ17を前進させて、可動スリーブ10内部の閉塞された空間に溶湯6を充填させつつ、可動スリーブ10内部のエアをエアベント16を介して可動スリーブ10の外へ排出させる。そして、可動スリーブ10内部における溶湯6の充填率が100%(規定充填率)に到達した時点で、可動スリーブ10を前進させて、連通位置(前進端)に保持する。これにより、ゲート14が可動スリーブ10の開口部12に臨み、この結果、ゲート14と可動スリーブ10内部とが連通されて、可動スリーブ10内部に100%の充填率で充填された溶湯6、すなわち、エアが残存していない溶湯6がゲート14およびランナーを介してキャビティ3に充填される。
したがって、本実施形態によれば、鋳造欠陥がない高い品質の鋳造品(製品)を安定して得ることができる。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施形態では、エアベント16を、鋳造型2のスリーブ収容部13に形成した溝としたが、エアベントを、例えば、可動スリーブ10側に設けてもよい。また、エアベント16の形態は、溝に限らず、エアベント16を、可動スリーブ10内部のエアのみを排出する形状および外径を有する孔としてもよい。さらに、エアベント16を固定スリーブ9に設けることで、可動スリーブ10内部のエアを後方(固定プラテン5側)へ排出してもよい。
また、本実施形態では、検出手段として可動スリーブ10内部の圧力を検出する圧力センサとし、該圧力センサの検出信号に基づき可動スリーブ10内部の溶湯6の充填率が規定充填率に到達したことを認知したが、例えば、検出手段としてタイマーを用いて、プランジャチップ17の前進開始から規定時間が経過することを以って、可動スリーブ10内部の溶湯6の充填率が規定充填率に到達したことを認知するように構成してもよい。
また、本実施形態では、復帰手段をコイルばね15とし、可動スリーブ10内部の圧力が規定圧力に満たない状態では、可動スリーブ10を遮断位置に保持したが、図5に示されるように、プランジャロッド18に設けた係合部19を可動スリーブ10に設けた被係合部20に係合させてプランジャチップ17の後退動作に連動させることにより、可動スリーブ10を遮断位置に復帰させるように、復帰手段を構成してもよい。
本実施形態では、エアベント16を、鋳造型2のスリーブ収容部13に形成した溝としたが、エアベントを、例えば、可動スリーブ10側に設けてもよい。また、エアベント16の形態は、溝に限らず、エアベント16を、可動スリーブ10内部のエアのみを排出する形状および外径を有する孔としてもよい。さらに、エアベント16を固定スリーブ9に設けることで、可動スリーブ10内部のエアを後方(固定プラテン5側)へ排出してもよい。
また、本実施形態では、検出手段として可動スリーブ10内部の圧力を検出する圧力センサとし、該圧力センサの検出信号に基づき可動スリーブ10内部の溶湯6の充填率が規定充填率に到達したことを認知したが、例えば、検出手段としてタイマーを用いて、プランジャチップ17の前進開始から規定時間が経過することを以って、可動スリーブ10内部の溶湯6の充填率が規定充填率に到達したことを認知するように構成してもよい。
また、本実施形態では、復帰手段をコイルばね15とし、可動スリーブ10内部の圧力が規定圧力に満たない状態では、可動スリーブ10を遮断位置に保持したが、図5に示されるように、プランジャロッド18に設けた係合部19を可動スリーブ10に設けた被係合部20に係合させてプランジャチップ17の後退動作に連動させることにより、可動スリーブ10を遮断位置に復帰させるように、復帰手段を構成してもよい。
1 ダイカスト鋳造装置、2 鋳造型、3 キャビティ、6 溶湯、10 可動スリーブ(スリーブ)、12 開口部、13 スリーブ収容部、14 ゲート、15 コイルばね(遮断/連通手段)、16 エアベント、17 プランジャチップ
Claims (6)
- スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、前記スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造方法であって、
前記スリーブの内部に溶湯を注湯する注湯ステップと、
前記プランジャチップを第1速度で前進させて、前記ゲートとの連通が遮断された前記スリーブ内部に溶湯を充填させつつ、前記スリーブ内部に残存するエアをエアベントによって排出する充填ステップと、
前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填率に到達した時点で、前記ゲートを前記スリーブ内部に連通させると同時に、前記プランジャチップを前記第1速度よりも高速の第2速度で前進させて、前記スリーブ内部に充填された溶湯を前記キャビティへ射出する射出ステップと、
を含むことを特徴とするダイカスト鋳造方法。 - 前記スリーブは、前記鋳造型によって前進/後退可能に支持され、さらに、前記スリーブの前端部側面には、前記スリーブ内部に充填された溶湯を臨む開口部が設けられ、
前記射出ステップでは、遮断位置に位置する前記スリーブを前進させて連通位置に保持することにより、前記ゲートが前記スリーブの開口部に臨んで前記スリーブ内部に連通され、
鋳造完了後、前記プランジャチップを後退させることにより、前記スリーブが後退して前記遮断位置に復帰して前記ゲートと前記スリーブ内部との連通が遮断されることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造方法。 - 前記射出ステップでは、前記プランジャチップの推力を前記スリーブ内部に充填された溶湯を介して前記スリーブに作用させて、内部に溶湯が充填された前記スリーブを前進させることを特徴とする請求項1または2に記載のダイカスト鋳造方法。
- スリーブに嵌装されたプランジャチップを前進させて、前記スリーブ内部の溶湯を鋳造型のゲートから導入してキャビティに充填させるダイカスト鋳造装置であって、
前記ゲートと前記スリーブ内部とを遮断/連通させる遮断/連通手段と、
前記スリーブ内部のエアを前記スリーブ外へ排出させるエアベントと、
前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出する検出手段と、
を有し、
前記遮断/連通手段によって前記ゲートと前記スリーブ内部とを遮断し、この状態で、前記プランジャチップを前進させて前記スリーブ内部に溶湯を充填しつつ、前記スリーブ内部に残存するエアを前記エアベントによって排出し、前記検出手段によって前記スリーブ内部における溶湯の充填率が規定充填に到達したことを検出した時点で、前記遮断/連通手段によって前記ゲートと前記スリーブ内部とを連通させて、前記スリーブ内部に充填された溶湯を前記キャビティに射出することを特徴とするダイカスト鋳造装置。 - 前記スリーブは、前端部が閉塞された有底筒状に形成されると共に、前記鋳造型によって前進/後退可能に支持され、さらに、前記スリーブの前端部側面には、前記スリーブ内部に充填された溶湯を臨む開口部が設けられ、
前記遮断/連通手段は、前記スリーブを前進させて連通位置で保持することにより、前記ゲートが前記スリーブの開口部に臨み、該ゲートが前記スリーブ内部に連通され、
また、前記遮断/連通手段は、前記スリーブを後退させて連通位置で保持することにより、前記スリーブの開口部が前記鋳造型によって閉塞されて前記ゲートと前記スリーブ内部との連通が遮断されることを特徴とする請求項4に記載のダイカスト鋳造装置。 - 前記遮断/連通手段は、前記プランジャチップの推力を、前記スリーブ内部に充填された溶湯を介して前記スリーブに作用させて、内部に溶湯が充填された前記スリーブを前進させることを特徴とする請求項4または5に記載のダイカスト鋳造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008123373A JP2009269073A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置 |
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JP2008123373A JP2009269073A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | ダイカスト鋳造方法およびダイカスト鋳造装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8863817B2 (en) | 2011-06-30 | 2014-10-21 | United Technologies Corporation | System and method for high temperature die casting tooling |
CN106735069A (zh) * | 2016-12-29 | 2017-05-31 | 宁波环亚机械制造有限公司 | 用于压铸生产线的压铸模 |
CN112872314A (zh) * | 2019-11-29 | 2021-06-01 | 贺利氏阿姆洛伊技术有限公司 | 用于对无定形金属进行注射成型的注射成型系统 |
-
2008
- 2008-05-09 JP JP2008123373A patent/JP2009269073A/ja active Pending
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US8863817B2 (en) | 2011-06-30 | 2014-10-21 | United Technologies Corporation | System and method for high temperature die casting tooling |
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