JP2009265403A - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、感光体での副走査方向の像面湾曲の良好な補正、副走査方向の倍率を一定を実現しつつ、光走査装置の薄型化した光走査装置を提供することである。
【解決手段】 その目的を達成するために、本発明では、光偏向器6の偏向面にて偏向走査された光束が2度入射する透過型の結像光学素子11の副走査断面内の形状、及び、光偏向器6と被走査面12の間の光路中に配置された反射型光学素子7の副走査方向のチルト角度α、透過型の結像光学素子11と反射型光学素子7の位置関係を規定した。
【選択図】 図3
【解決手段】 その目的を達成するために、本発明では、光偏向器6の偏向面にて偏向走査された光束が2度入射する透過型の結像光学素子11の副走査断面内の形状、及び、光偏向器6と被走査面12の間の光路中に配置された反射型光学素子7の副走査方向のチルト角度α、透過型の結像光学素子11と反射型光学素子7の位置関係を規定した。
【選択図】 図3
Description
本発明は、光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
従来より、レーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ等には光走査装置が用いられている。
この光走査装置においては画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束(光ビーム)を回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させている。
そして、偏向された光束をfθ特性を有する結像光学系によって感光体面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行っている。
また、従来から装置全体のコンパクト化を目的として結像光学系を1枚の結像レンズで構成した光走査装置が種々提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、結像光学系に、それぞれ自由曲面の透過面と反射面を備え、透過面を透過した光偏向器からの光束を反射面で反射して、透過面を再透過させた光走査装置が開示されている。
特開2003−287695号公報の「0021」、図1、図16
特許文献1の光走査装置では、副走査断面内において光偏向器の偏向面に対し斜め方向から光束を入射させているので、偏向面のシフト偏心誤差により副走査方向にピッチムラが発生してしまう問題が起こってしまう。
特許文献1の光走査装置では、副走査断面内に投影した場合、光偏向器の偏向面の法線に対して(又は結像光学系の光軸に対して)斜め方向から光束を入射させている。
よって、ポリゴンミラー等の光偏向器の加工精度を上げる必要性が生じてくる。
よって、ポリゴンミラー等の光偏向器の加工精度を上げる必要性が生じてくる。
また、特許文献1の光走査装置では、副走査断面内において、透過面を最初に通過する光束と透過面を再通過する光束を分離すると共に、感光体での副走査方向の像面湾曲の良好な補正、副走査方向の倍率を一定を実現するために、透過面のパワー、反射面のパワーを規定しているので、光走査装置の薄型化が実現できていない問題が残っている。
そこで、本発明では、透過面を最初に通過する光束と透過面を再通過する光束を分離すると共に、感光体での副走査方向の像面湾曲の良好な補正、副走査方向の倍率を一定を実現しつつ、光走査装置の薄型化を実現することを目的とする。
そのために、本発明では、光源手段と、偏向手段と、前記光源手段から出射した光束を前記偏向手段に入射させる入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束を被走査面上に結像させる1枚の透過型の結像光学素子を備えた結像光学系と、前記偏向手段と前記被走査面との間の光路中に1枚の反射型光学素子と、を有する光走査装置であって、
前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束が前記透過型の結像光学素子の第一の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第二の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を通過し、前記反射型光学素子の反射面にて反射された後、前記透過型の結像光学素子の第三の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第四の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を再通過しており、
前記第一の透過面の副走査方向のパワーは、負のパワーであり、かつ、前記第四の透過面の副走査方向のパワーは、正のパワーであり、かつ、以下の条件式を満たすことを特徴とする光走査装置。
L2×tan(2α)>(w1+w2)/2
0deg.<α<20deg.
L2(mm):前記第一の透過面から前記反射面までの光路長
α:副走査断面内における前記反射型光学素子の反射面の法線と前記偏向面の法線の成す角度
w1(mm):前記第一の透過面での副走査方向の光束幅
w2(mm):前記第四の透過面での副走査方向の光束幅
前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束が前記透過型の結像光学素子の第一の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第二の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を通過し、前記反射型光学素子の反射面にて反射された後、前記透過型の結像光学素子の第三の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第四の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を再通過しており、
前記第一の透過面の副走査方向のパワーは、負のパワーであり、かつ、前記第四の透過面の副走査方向のパワーは、正のパワーであり、かつ、以下の条件式を満たすことを特徴とする光走査装置。
L2×tan(2α)>(w1+w2)/2
0deg.<α<20deg.
L2(mm):前記第一の透過面から前記反射面までの光路長
α:副走査断面内における前記反射型光学素子の反射面の法線と前記偏向面の法線の成す角度
w1(mm):前記第一の透過面での副走査方向の光束幅
w2(mm):前記第四の透過面での副走査方向の光束幅
本発明の構成をとると、透過面を最初に通過する光束と透過面を再通過する光束を分離すると共に、被走査面上での副走査方向の像面湾曲の良好な補正、副走査方向の倍率を一定を実現しつつ、光走査装置の薄型化を実現できる効果が得られる。
本発明の実施例において、結像光学系の座標系は、絶対座標系と相対座標系の双方で定義されており、相対座標系の原点及び方向余弦は、全て絶対座標系で表されている。
絶対座標系の定義を以下に示す。
絶対座標系の原点は、被走査面の垂直二等分線と入射光学系の光軸が偏向手段の偏向面上で交わる交点である。
言い方を換えれば、絶対座標系の原点は、図1及び図2において光偏向器6の偏向面6aにて偏向走査され被走査面12の走査中心に到達する光束の主光線が光偏向器6の偏向面6aで偏向反射される位置と定義される。
絶対座標系における主走査方向(Y方向)とは、偏向手段の偏向面により光束が偏向走査される方向である。
絶対座標系における副走査方向(Z方向)とは、偏向手段の回転軸と平行な方向である。
絶対座標系における結像光学系の光軸(X方向)は、主走査方向(Y方向)及び副走査方向(Z方向)と直交する方向である。
絶対座標系における主走査断面とは、副走査方向(Z方向)を法線とする断面である。
絶対座標系における副走査断面とは、結像光学系を構成する結像光学素子の光学面の法線を含み主走査断面と直交する断面である。
相対座標系の定義を以下に示す。
図4に示す第一の透過面R1(S1)、第ニの透過面R2(S2)、第三の透過面R3(S2)、第四の透過面R4(S3)及び平面反射ミラー7は、表2に示す相対座標系(絶対座標系からみた各面のローカルな座標系)で定義される。
図4の各面に示した矢印は、座標系を模式的に示したものである。
まず、第一の透過面R1(S1)の相対座標系の定義を示す。
第一の透過面R1(S1)の原点は、表2に示すように絶対座標系の(X,Y,Z)=(45,0,0)に位置し、X軸の方向余弦は(gx,gy、gz)=(1,0,0)である。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のX軸の方向余弦が第一の透過面R1(S1)での光軸(X方向)となる。
第一の透過面R1(S1)での光軸(X方向)は、絶対座標系における結像光学系の光軸(X方向)と一致している。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のY軸の方向は、絶対座標系の主走査方向(Y方向)と一致している。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のY軸の方向が第一の透過面R1(S1)での主走査方向(Y方向)となる。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のX軸の方向余弦及び第一の透過面R1(S1)の相対座標系のY軸に直交する方向がZ軸である。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のZ軸の方向が第一の透過面R1(S1)での副走査方向(Z方向)となる。
第一の透過面R1(S1)の相対座標系のZ軸の方向は、絶対座標系の副走査方向(Z方向)と一致している。
次に、第2の透過面R2(S2)の相対座標系の定義を示す。
第二の透過面R2(S2)の原点は、表2に示すように絶対座標系の(X,Y,Z)=(56,0,0)に位置し、X軸の方向余弦は(gx,gy,gz)=(0.99357,0,−0.11320)である。
第二の透過面R2(S2)の相対座標系のX軸の方向余弦が第二の透過面R2(S2)での光軸(X方向)となる。
第二の透過面R2(S2)の相対座標系のY軸の方向は、絶対座標系の主走査方向(Y方向)と一致している。
第二の透過面R2(S2)の相対座標系のY軸の方向が第二の透過面R2(S2)での主走査方向(Y方向)となる。
第二の透過面R2(S2)の相対座標系のX軸の方向余弦及び第二の透過面R2(S2)の相対座標系のY軸に直交する方向がZ軸である。
第二の透過面R2(S2)の相対座標系のZ軸の方向が第二の透過面R2(S2)での副走査方向(Z方向)となる。
第三の透過面R3(S2)の原点は、表2に示すように絶対座標系の(X,Y,Z)=(56.1922,0,1.6871)に位置し、X軸の方向余弦は(gx,gy,gz)=(−0.99357,0,0.11320)である。
第三の透過面R3(S2)の相対座標系のX軸の方向余弦が第三の透過面R3(S2)での光軸(X方向)となる。
第三の透過面R3(S2)の相対座標系のY軸の方向は、絶対座標系の主走査方向(Y方向)と一致している。
第三の透過面R3(S2)の相対座標系のY軸の方向が第三の透過面R3(S2)での主走査方向(Y方向)となる。
第三の透過面R3(S2)の相対座標系のX軸の方向余弦及び第三の透過面R3(S2)の相対座標系のY軸に直交する方向がZ軸である。
第三の透過面R3(S2)の相対座標系のZ軸の方向が第三の透過面R3(S2)での副走査方向(Z方向)となる。
尚、第二の透過面R2面と第三の透過面R3面を構成するS2面は、R2面の相対座標系で面形状が定義されている。
次に、第四の透過面R4(S3)の相対座標系の定義を示す。
例えば、第四の透過面R4(S3)の原点は、表2に示すように絶対座標系の(X,Y,Z)=(45.0844,0,4.2516)に位置し、X軸の方向余弦は(gx,gy,gz)=(−0.97437,0,0.22495)である。
第四の透過面R4(S3)の相対座標系のX軸の方向余弦が第四の透過面R4(S3)での光軸(X方向)となる。
第四の透過面R4(S3)の相対座標系のY軸の方向は、絶対座標系の主走査方向(Y方向)と一致している。
第四の透過面R4(S3)の相対座標系のY軸の方向が第四の透過面R4(S3)での主走査方向(Y方向)となる。
第四の透過面R4(S3)の相対座標系のX軸の方向余弦及び第四の透過面R1(S1)の相対座標系のY軸に直交する方向がZ軸である。
第四の透過面R4(S3)の相対座標系のZ軸の方向が第一の透過面R2(S2)での副走査方向(Z方向)となる。
本実施例において、有効域とは、画像形成用の光束が通過する領域を意味する。
図1は、本発明の実施形態1の主走査断面図(主走査方向の要部断面図)である。
図2は、副走査断面図(副走査方向の要部断面図)である。
図1、図2の符号について説明する。
1は光源手段であり、半導体レーザーより成っている。
2はコリメーターレンズであり、光源手段1を通過した光束を主走査断面内及び副走査断面内ともに平行光束に変換している。
3はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力(パワー)を有している。
4は開口絞りであり、主走査方向に長い楕円形状の開口部になっている。
尚、コリメーターレンズ2、そして、シリンドリカルレンズ3の各要素は入射光学系51の一要素を構成している。
6は偏向手段としての光偏向器であり、例えば、回転多面鏡より成り、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
1は光源手段であり、半導体レーザーより成っている。
2はコリメーターレンズであり、光源手段1を通過した光束を主走査断面内及び副走査断面内ともに平行光束に変換している。
3はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力(パワー)を有している。
4は開口絞りであり、主走査方向に長い楕円形状の開口部になっている。
尚、コリメーターレンズ2、そして、シリンドリカルレンズ3の各要素は入射光学系51の一要素を構成している。
6は偏向手段としての光偏向器であり、例えば、回転多面鏡より成り、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
本実施例では、6面の回転多面鏡を使用している。
11は、fθ特性を有する結像レンズであり、副走査断面内において光偏向器6の偏向面6aと被走査面としての感光体面12との間を共役関係にすることにより、光偏向器の面倒れ補正機能を有している。
本実施例では、1枚の透過型の結像光学素子としての結像レンズ11で結像光学系が構成されている。
7は、反射型光学素子としての平面反射ミラーであり、結像レンズ11を通過した光束を、副走査方向に角度を有して反射させ、結像レンズ11に光束を再入射させている。
平面反射ミラー7は、光偏向器6の偏向面6aと被走査面としての感光体面12の間の光路中に配置されている。
この平面反射ミラーは、光走査装置を小型かつ薄型化するための機能と、結像レンズ11を通過した光束を結像レンズ11に再入射させて光学性能を良好に保つ機能を有している。
12は被走査面としての感光体であり、光偏向器の偏向面にて偏向走査された光束が等速でスポットを形成している。
本実施例において画像情報に応じて光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメーターレンズ2により平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ3に入射する。
光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメーターレンズ2により主走査断面及び副走査断面の両断面内において平行光束に変換されている。
シリンドリカルレンズ3を通過した光束は、開口絞り4で主走査方向及び副走査方向ともに所定のビーム径に整形される射出する。
そして、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ3を通過した光束は、副走査方向にのみ収束して光偏向器6の偏向面6aに主走査方向に長手の線像として結像する。
光偏向器6の偏向面6aに入射する光束は、主走査断面内において、第一の透過面S1(R1面)の光軸に対して斜め方向から入射している。
本実施例において、光偏向器6の偏向面6aに入射する光束を結像光学系11の光軸を含む副走査断面内に投影した場合、光偏向器6の偏向面6aに入射する光束と結像光学系11の光軸の成す角度は零である。
そして、光偏向器6の偏向面6aで偏向走査された光束は、結像レンズ11により感光体面12上にスポット状に結像される。
光偏向器6を矢印A方向に回転させることによって、感光体面12上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。
これにより記録媒体である感光体面12上に画像記録を行っている。
本実施例の結像レンズ11は、樹脂材料で成形され、屈折面を3面(S1面、S2面、S3面)有する単一の透過型の結像光学素子より成っている。
図3に示すように、光偏向器6の偏向面で偏向走査された光束は、最も光偏向器6側の第一の透過面S1(R1面)に入射する。
そして、第一の透過面S1から光束は、第二の透過面S2(R2面)から平面反射ミラー7に向けて射出される。
平面反射ミラー7の反射面で反射された光束は、第三の透過面S2(R3面)に入射し、第三の透過面(入射面)S2からの光束は、最も被走査面12側の第四の透過面S3(R4面)を透過し、感光体面12に到達する。
平面反射ミラー7は、第二の透過面S2(R2面)と第三の透過面S2(R3面)の間の光路中に配置されている。
表1に、本実施例の結像レンズ11の面形状を示す。
また、表2に各透過面(光学面)の相対座標系原点と基準光軸の方向余弦を示し、図4にその模式図を示す。
尚、表2に示す相対座標系は、絶対座標系の原点を基準に示してある。
絶対座標系の原点は、光偏向器6の偏向面6aにて偏向走査され被走査面12の走査中心に到達する光束の主光線が光偏向器6の偏向面6aで偏向反射される位置と定義される。
軸上光束は、主走査断面内において、光偏向器6の偏向面6aにて偏向走査され被走査面12の走査中心に到達する光束と定義される。
本実施例1の光学特性を図5に示す。
図5a、図5b、図5cの横軸は、像高(mm)である。像高は、被走査面12上の主走査方向の位置を意味する。
図5aは、被走査面12上での像面湾曲量を示す図である。実線が主走査方向の像面湾曲量であり、点線が副走査方向の像面湾曲量である。
図5bは、被走査面12上での像高ずれ量を示す図である。像高ずれ量は、主走査方向のスポットの位置ずれ量を意味する。
図5cは、被走査面12上での走査線湾曲量を示す図である。走査線湾曲量は、副走査方向の走査線のずれ量を示す。
本実施例において、結像レンズ11のS1〜S3の形状は、以下の数式により表される。
図4における第一の透過面S1(R1面)、第二の透過面S2(R2面)、第三の透過面S2(R3面)、第三の透過面S3(R4面)のそれぞれのレンズ面の原点および基準光軸の方向余弦は、表2および図4に示す座標系で決定している。
本実施例の面形状は、表1に示すように光軸に対して走査開始側と走査終了側で、結像光学系11の光軸をx軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をy軸、副走査断面内で光軸と直交する方向をz軸とし、以下の連続関数で表せる。
走査開始側sの定義式は以下の式である。
走査終了側eの定義式は以下の式である。
Rは曲率半径、K、B4、B6、B8、B10は非球面係数である。
又、母線をZ方向に湾曲させているため、子線の面頂点を連ねた母線を湾曲させているため、母線湾曲を表す関数を以下のように定めている。
Aiは母線のZ方向の湾曲を表す係数
本実施例の子線の面頂点、副走査方向の曲率半径、副走査方向のパワー、主走査方向の曲率半径、主走査方向のパワーは、相対座標系を前提として定義される。
子線の面頂点は、結像レンズ11のレンズ面(光学面)の法線を含む副走査断面内で定義される点である。
本実施例において、結像レンズ11の副走査方向の曲率半径は、結像レンズ11のレンズ面(光学面)の法線を含む副走査断面内で定義される曲率半径である。
本実施例において、結像レンズ11の副走査方向のパワーは、結像レンズ11のレンズ面(光学面)の法線を含む副走査断面内で定義されるパワーである。
本実施例において、結像レンズ11の主走査方向の曲率半径は、主走査断面内で定義される曲率半径である。
本実施例において、結像レンズ11の主走査方向のパワーは、主走査断面内で定義されるパワーである。
本実施例では、第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)は、主走査断面内の形状を光軸に対し非対称に構成し、S2面は、光軸に対して対称に構成している。
即ち、S1面とS3面は、走査開始側と走査終了側の非球面係数を異ならせ、S2面は、走査開始側と走査終了側の非球面係数を一致させている。
そうすることで、偏向面を有効利用するために結像レンズ11の光軸を偏芯させて配置することにより発生する像面の傾きを補正している。
また、結像レンズ11の光軸に対して走査開始側と走査終了側で、結像レンズ11のS1面とS3面の副走査方向の曲率半径を、結像レンズ11の有効部内において連続的に非対称に変化させている。
これは、回転多面鏡6の偏向面のサグによる非対称収差の影響をキャンセルさせるためである。
サグとは、回転多面鏡6が回転することで偏向面が第一の透過面S1(R1面)の光軸方向に移動することを意味する。
回転多面鏡6は、回転軸が偏向面6a上になく、回転軸が偏向面6aから離れた位置にあるので、回転多面鏡6の回転に伴い、偏向面に入射する光束が偏向面にて反射する偏向反射点が第一の透過面S1(R1面)の光軸方向に移動する。
その偏向反射点の移動量が、主走査断面内において、第一の透過面(S1面)の光軸を中心として、非対称に移動されることで、感光体面12上で非対称収差(像面湾曲、歪曲収差、等)が起こる。
さらに、子線の面頂点をY方向に連ねた線(母線)をZ方向に湾曲させ、感光体面12におけるスポット形状(波面収差)と走査線湾曲を低減させている。
副走査断面内の形状は、光軸に対して走査開始側と走査終了側で、第一の透過面(S1面)の光軸をx軸、主走査断面内において光軸と直交する方向をy軸、第一の透過面(S1面)の光軸を含む副走査断面内で光軸と直交する方向をz軸とし、以下の連続関数で表せる。なお、前述したように子線面頂点zはY座標に応じて変化している。
走査開始側sの定義式は以下の式である。
走査終了側eの定義式は以下の式である。
(r’は、副走査方向の曲率半径、D2、D4、D6、D8、D10は係数)
係数のサフィックスsは走査開始側、eは走査終了側を表している。
ここで、副走査方向の曲率半径(子線方向の曲率半径)とは、結像レンズ11のレンズ面(光学面)の法線を含む副走査断面内で定義される曲率半径である。
表−2に本実施例1の光走査装置の諸数値を示す。
ここで「E−x」は「10−x」を示している。
図3に、結像レンズ11の副走査断面内の拡大図を示す。
光偏向器6の偏向面で偏向走査された光束は、第一の透過面(S1面)の光軸を含む副走査断面内に投影した場合、第一の透過面(S1面)に有限の角度を有さずに入射し、第一の透過面(S1面)で主走査方向に正のパワー(凸のパワー)、副走査方向には負のパワー(凹のパワー)で屈折され、第二の透過面(S2面)に入射する。
言い方を換えれば、光偏向器6の偏向面で偏向走査された光束は、第一の透過面S1(R1面)の光軸を含む副走査断面内に投影した場合、偏向面の法線方向と一致している。
第一の透過面(S1面)は、子線面頂点を主走査方向に連ねた線(母線)が副走査方向(z方向)に偏芯しており、かつ副走査方向(z方向)に湾曲している。
第一の透過面S1(R1面)の光軸は、光偏向器6の偏向面の法線(絶対座標系のX軸)と平行に配置されている。
これは、被走査面12上のスポット形状(波面収差)を良好に補正するとともに、走査線湾曲を低減さるためである。
第二の透過面(S2面)は、軸上(第二の透過面S2(R2面)の光軸)の近傍において、主走査方向に正のパワー(凸のパワー)、副走査方向に平面(パワーは零)で構成されている。
また、第二の透過面(S2面)の光軸は、副走査断面内において、偏向面の法線(X軸)に対して6.5°の傾いて配置され、第二の透過面(S2面)で屈折された光束は平面反射ミラー7へ入射する。
平面反射ミラー7の反射面は、フロートガラスの母材上に反射膜を蒸着し、所定の大きさに切断しただけの研磨レスミラーを用いて構成されている。
平面反射ミラー7の反射面の法線は、副走査断面において、偏向面の法線(絶対座標系)に対し6.5°傾けて配置されている。
反射型光学素子としての平面反射ミラー7で反射された光束は、第三の透過面(S2面)に再入射し、主走査方向に正のパワー(凸のパワー)で屈折され、第四の透過面(S3面)へ入射する。
副走査断面内において、第四の透過面(S3面)の光軸は、光偏向器6の偏向面の法線(絶対座標系のX軸)に対して13°傾いて配置され、主走査方向及び副走査方向共に正のパワー(凸のパワー)を有する面で構成されている。
また、第一の透過面(S1面)と同様に子線面頂点を主走査方向に連ねた線(母線)が副走査方向(z方向)に偏芯し、かつ副走査方向(z方向)に湾曲している。
これは、第一の透過面(S1面)とあわせて被走査面上のスポット形状(波面収差)を良好に補正するとともに、走査線湾曲を低減させるためである。
本実施例では、プラスチックレンズの成形型の加工上、有利になるように第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)の母線形状を一致させている。
また、副走査方向の横倍率を低減させて面倒れの影響を軽減し、より高精細な光走査装置を達成するために、第一の透過面(S1面)の副走査方向のパワーを負(凹)のパワー、第四の透過面(S3面)の副走査方向のパワーを正(凸)のパワーとし、S1面とS3面を異なる副走査断面の形状で構成している。
第一の透過面(S1面)の副走査方向のパワーを正(凸)のパワーにすると、副走査方向の横倍率が高くなるので好ましくない。
図3に示す第一の透過面(S1面)、第四の透過面(S3面)上の副走査方向の軸上光束の光束幅をw1、w2とする。
そして、第一の透過面(S1面)から平面反射ミラー7までの光路長をL2、副走査断面内における平面反射ミラー7の反射面の法線と光偏向器6の偏向面の法線の成す角度をα(チルト角度)としたとき、
L2=18.5mm
W1=1.91mm
w2=3.64mm
α=6.5deg.
tan(2α)=0.23で
tan(2α)>{(w1+w2)/2}/L2・・(1)
を満たすように平面反射ミラー7のチルト角度α(deg.)を決定している。
L2=18.5mm
W1=1.91mm
w2=3.64mm
α=6.5deg.
tan(2α)=0.23で
tan(2α)>{(w1+w2)/2}/L2・・(1)
を満たすように平面反射ミラー7のチルト角度α(deg.)を決定している。
条件式(1)を満足すると、光走査装置を薄型化出来る共に、副走査断面内において、結像レンズ11の第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)で光束が分離でき、高精細な光走査光学系を達成することができる。
また、光走査装置を薄型化するためには、平面反射ミラー7のチルト角度αを20°(deg.)以下にすることが望ましく、平面反射ミラー7のチルト角度αが20°を超えると光走査装置の薄型化が困難になる。
光走査装置を薄型化をより高めるためには、平面反射ミラー7のチルト角度αは、10°以下の好ましい。
平面反射ミラー7のチルト角度αを10°以下とすると、感光体面12上でのスポットの形状の乱れをより抑制できる効果も得られる。
つまり、0deg.<α<20deg.であると良い。
よって、結像レンズ11が大型化し、コストアップを招くのでよくない。
また、平面反射ミラー7のチルト角度αを2°(deg.)以下とすると、第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)で光束が重なってしまい、高精細な光走査装置が達成できなくなるのでよくない。
好ましくは、2deg.<α<20deg.であると良い。
図9a、図9dに結像レンズ11の主走査断面図、図9b、図9cに副走査断面図を示す。
図9aは、結像レンズ11の上視図(X−Y面)を示し、図9b、図9cは、図9aのY=63.5mm位置での断面(B−B−断面)及びY=0での断面(A−A断面)を拡大し、副走査断面内で結像レンズ11をチルトさせて描いた図である。
図9dは、第一の透過面(R1面)及び第四の透過面(R4面)の有効部を破線で示しており、境界部101の両端にR1面の有効部102及びR4面の有効部103が形成されている。
本実施例では、表1及び図6に示すように、第一の透過面S1(R1面)及び第四の透過面S3(R4面)の副走査方向の曲率半径がY方向に変化しており、かつ、表1及び図7に示すように子線面頂点が変化しているので、段差量δがY方向で異なる値を有する。
図6aの縦軸は、第一の透過面S1(R1面)の副走査方向(子線方向)の曲率半径(mm)と示しており、図6aの横軸は、レンズ面の主走査方向の位置(mm)を示している。
図6bの縦軸は、第四の透過面S3(R4面)の副走査方向(子線方向)の曲率半径(mm)と示しており、図6bの横軸は、レンズ面の主走査方向の位置(mm)を示している。
図7aの縦軸は、第一の透過面S1(R1面)の子線面頂点位置(mm)を示し、図7aの横軸は、レンズ面の主走査方向(Y方向)の位置(mm)を示す。
図7bの縦軸は、第四の透過面S3(R4面)の子線面頂点位置(mm)を示し、図7bの横軸は、レンズ面の主走査方向(Y方向)の位置(mm)を示す。
図8に本実施例の段差量δ(mm)とY(mm)の関係を示す。
Y(mm)は、レンズ面の主走査方向(Y方向)の位置(mm)を示す。
本実施例では、段差δの絶対値が小さくなるように第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)の肉厚を異ならせ、段差量δがレンズ有効域内の少なくとも一箇所で|δ|=0を満たすように肉厚を定めている。
第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)の光軸方向(X軸方向)の段差量δ(mm)は、結像レンズ11のレンズ有効域内において、
(L2/2)×tan(2α)−(w1+w2)/4>|δ|、0.74>|δ|・・(2)
の条件式を満たすように構成されている。
(L2/2)×tan(2α)−(w1+w2)/4>|δ|、0.74>|δ|・・(2)
の条件式を満たすように構成されている。
条件式(2)を満たすように段差量を決定すると段差近傍で成形時に発生する面不良(クセ)の影響を回避できるとともに、結像レンズ11の配置誤差等で生じる光束のレンズ通過位置誤差の影響も回避できる。
尚、図8において、段差量のプラスとは、第一の透過面S1(R1面)側に突出していることを示している。
本実施例1では、レンズ肉厚を異ならせることによりレンズ有効域内の段差量を低減させたが、段差量δを低減させる方法は肉厚を変えることに限定されない。
例えば、母線の形状を変えても同様の効果を得ることができるし、段差量δを低減するために段差部を面取りして同様の効果を得てもよい。
また、段差部の面取りを行うと段差部近傍の光学面の成形安定性向上させることができ、面取り量を段差量δに応じてY方向に変化させることが好ましい。
尚、本実施例1の段差は、平面反射ミラー7の反射面の法線方向に形成されている。
本実施例では、屈折のパワーのみで屈折光学素子である結像レンズ11を構成したが、回折のパワーを有する回折光学素子でも同様の効果を得ることができる。
また、本発明では、屈折光学素子の屈折面に回折格子を設けた複合光学素子でも良い。
また、反射型光学素子としての平面反射ミラー7は、フロートガラス製の母材そのものを研磨せずに用いたが、研磨して面精度を向上させたミラーを用いても同様の効果を得ることができる。
また、結像レンズを一枚で構成したが、2枚以上で構成してもよい。
以上のように、本実施例では、偏向面6aに入射する光束を光偏向器6の偏向面6aに副走査断面内で斜め入射させることなく、条件式(1)を満足させて、以下の効果を得ている。
その効果は、光走査装置を薄型化出来る共に、副走査断面内において、結像レンズ11の第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)で光束が分離でき、高精細な光走査装置を達成することである。
本実施例2において、実施例1と異なる点は、実施例1よりも光偏向器6から感光体12面までの光路長を短縮したことである。
その他の構成は、実施例1と同様である。
図10は、本実施例の光走査装置の主走査断面図である。
又、表3に光走査装置の光学系の配置および形状データを示し、図11にその光学性能を示す。
図11aは、被走査面12上での像面湾曲量を示す図である。実線が主走査方向の像面湾曲量であり、点線が副走査方向の像面湾曲量である。
図11bは、被走査面12上での像高ずれ量を示す図である。像高ずれ量は、主走査方向のスポットの位置ずれ量を意味する。
図11cは、被走査面12上での走査線湾曲量を示す図である。走査線湾曲量は、副走査方向の走査線のずれ量を示す。
本実施例2の座標系と非球面式は、実施例1と同様である。
また、同一要素には同一符番を符してある。
本実施例2では、光偏向器6から感光体12面までの光路長を短縮し、実施例1よりコンパクトな光走査装置を達成するために、
(A)入射光学系2、3、4から光偏向器の偏向面に入射する光束は主走査断面内において弱収束光束である点
(B)実施例1より走査角度を広げた点
が特徴である。
(A)入射光学系2、3、4から光偏向器の偏向面に入射する光束は主走査断面内において弱収束光束である点
(B)実施例1より走査角度を広げた点
が特徴である。
上記(A)の説明を続けると、本実施例2では、光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメーターレンズ2により主走査断面内において弱収束光束に変換されている。
また、光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメーターレンズ2により副走査断面内において平行光束に変換されている。
そして、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ3を通過した光束は、副走査方向に収束して光偏向器6の偏向面6aに主走査方向に長手の線像として結像する。
よって、本実施例では、結像レンズ11に入射する光束は、主走査断面において、弱収束光束となる。
表4に、第一の透過面S1(R1面)、第二の透過面S2(R2面)、第三の透過面S2(R3面)、第四の透過面S3(R4面)の各面の面形状を決定するための座標原点と、基準光軸の方向余弦を示す。
本実施例の各面の座標原点は、実施例1と同様に、絶対座標系の原点を基準に相対座標系で示してある。
又、第一の透過面S1(R1面)、第二の透過面S2(R2面)、第三の透過面S2(R3面)、第四の透過面S3(R4面)の各面の面形状も実施例1と同様の関数を用いて表現している。
本実施例における第一の透過面S1(R1面)、第四の透過面S3(R4面)上の副走査方向の軸上光束に対する光束幅をw1、w2、S1面から平面反射ミラー7までの距離をL2、平面反射ミラー7のチルト角度αとしたとき、
L2=16.5mm
W1=1.76mm
w2=3.18mm
α=6.5deg.
tan(2α)=0.23で
tan(2α)>{(w1+w2)/2}/L2・・(1)
を満たすように平面反射ミラー7のチルト角度(deg.)を決定している。
L2=16.5mm
W1=1.76mm
w2=3.18mm
α=6.5deg.
tan(2α)=0.23で
tan(2α)>{(w1+w2)/2}/L2・・(1)
を満たすように平面反射ミラー7のチルト角度(deg.)を決定している。
条件式(1)を満足すると、光走査装置を薄型化出来る共に、副走査断面内において、結像レンズ11の第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)で各透過面を通過する光束を分離することができる。
よって、高精細な光走査光学系を達成することができる。
また、光走査装置を薄型化するためには、平面反射ミラー7のチルト角αを20°以下にすることが望ましい。
平面反射ミラー7のチルト角αが20°を超えると、光走査装置の薄型化が困難になるとともに、結像レンズ11が大型化し、コストアップを招くのでよくない。
また、平面反射ミラー7のチルト角度αを2°(deg.)以下とすると、第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)で光束が重なってしまい、高精細な光走査装置が達成できなくなるのでよくない。
本実施例では、表3及び図12に示すように、第一の透過面(S1面)、第四の透過面(S3面)の副走査方向の曲率半径が主走査方向(Y方向)に変化している。
また、表3、図13に示すように、子線面頂点がY方向に変化しているので、段差量δがY方向で異なる値を有する。
図14に本実施例の段差量δとYの関係を示す。
本実施例では、段差量δの絶対値が小さくなるように第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)の肉厚を異ならせ、段差量δがレンズ有効域内の少なくとも一箇所で|δ|=0を満たすように肉厚を定めている。
本実施例では、段差量の絶対値|δ|=0を満たす点を軸上近傍に設けている。
そして、結像レンズ11のレンズ有効域内における段差量δがレンズ有効域の全域でほぼマイナスになるように設定し、第四の透過面S3(R4面)を常に光偏向器の偏向面側に突出するようしている。
これは、プラスチックレンズ成形時に面形状が劣化することを低減するためである。
このように構成すると、第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)が隣接する段差部の近傍を光束が通過しても光学性能が劣化せず、光走査装置を更に薄型化できる。
第一の透過面S1(R1面)と第四の透過面S3(R4面)が隣接する段差部の段差量δ(mm)は、
(L2/2)×tan(2α)−(w1+w2)/4>|δ|・・(2)
0.66>|δ|
で、条件式(2)を満たすように構成されている。
(L2/2)×tan(2α)−(w1+w2)/4>|δ|・・(2)
0.66>|δ|
で、条件式(2)を満たすように構成されている。
条件式(2)を満たすように段差量δを決定すると段差部の近傍でプラスチックレンズ成形時に発生する面不良(クセ)の影響を回避できるとともに、結像レンズの配置誤差等で生じる光束のレンズ通過位置誤差の影響も回避できる。
本実施例2では、レンズ肉厚を異ならせることによりレンズ有効域内の段差量をコントロールしたが、実施例1と同様に、段差量δをコントロールする方法はレンズ肉厚を変えることに限定されない。
また、入射光学系2、3、4から光偏向器の偏向面に入射する光束は主走査断面内において収束光束にすると、光偏向器6の偏向面の偏芯ばらつきにより感光体12面上にて主走査方向の印字位置ずれ(収束ジッター)が発生する。
光偏向器6の偏向面の偏芯ばらつきとは、回転多面鏡の回転軸から各偏向面までの距離のばらつきを意味する。
本実施例では、6面の回転多面鏡6を使用しているので、回転多面鏡の回転軸(A方向に回転)から6つの偏向面の各偏向面までの距離には、製造誤差、等でばらつきが生じる。
被走査面12上における主走査方向の印字位置ずれ(収束ジッター)とは、被走査面12上にて結像する光束の主走査方向の位置が設計値からずれることを意味する。
光偏向器6の偏向面の偏芯ばらつきがあると、主走査断面内において、結像レンズ11に収束光束が入射する場合、結像レンズ11に平行光束が入射する場合には起こらない被走査面12上における収束ジッターが起こる。
回転多面鏡6の偏向面の偏芯ばらつきがあると、偏向面に入射する光束が反射される偏向反射点が、回転多面鏡6の偏向面毎に光軸方向にずれるので、偏向面毎に偏向反射された光束の偏向反射点と結像レンズ11の第一の透過面S1(R1面)までの距離が異なることになる。
その場合、主走査断面内において、結像レンズ11に入射する光束の主走査方向の位置が異なることになるので、被走査面12上における収束ジッターが起こる。
本実施例では、入射光学系により弱収束光束にしているが、主走査断面内において、自然収束点は偏向面から1450mmであり、収束度が弱い。
従って、偏向面6aの偏芯量20μmあたりの収束ジッターが1μm以下と微小なので、偏芯量が少ない高価な偏向手段としてのポリゴンミラーを用いる必要はない。
以上のように、本実施例では、偏向面6aに入射する光束を光偏向器6の偏向面6aに副走査断面内で斜め入射させることなく、条件式(1)を満足させて、以下の効果を得ている。
その効果は、光走査装置を薄型化出来る共に、副走査断面内において、結像レンズ11の第一の透過面(S1面)と第四の透過面(S3面)で光束が分離でき、高精細な光走査装置を達成することである。
図15のように、本実施例3において、実施例2と異なる点は、光偏向器6の両側に結像光学系11a、11bを配置した点である。
本実施例の光走査装置は、共通の光偏向器6と、光偏向器6の両側に配置された結像光学系11a、11bと、光偏向器6の両側に配置された平面反射ミラー8、光偏向器6の両側に配置された入射光学系(図示せず)で構成されている。
図15は、2つの光走査装置が横方向に並べられ、光走査装置の各々に2個の感光体が割り当てられたカラー画像形成装置を示している。
本実施例の光走査装置の各々において、共通の光偏向器6の異なる偏向面で偏向走査された光束にて複数の被走査面12a、12b(又は12c、12d)を偏向走査するようにした点である。
その他の構成は、実施例1と同様である。
本実施例3も、座標系と非球面式について実施例1と同様である。
また、同一要素には同一符番を符してある。
図15は、本実施例3の副走査断面図である。
各光走査装置において、本実施例の結像レンズ11a、11bは、副走査方向の曲率半径が主走査方向(Y方向)に非対称に変化しているので、結像レンズ11a、11bは異なるレンズになっている。
各光走査装置を構成する結像レンズ11a、11bを通過した後の光束の各々は、光偏向器6の上側でクロスし、平面反射ミラー8で被走査面としての感光体(感光ドラム)12a、12b、12c、12dに導かれる。
このように配置することにより、光走査装置の各々の小型化を達成している。
(画像形成装置)
図16は、本発明の画像形成装置の実施例を示す副走査断面図である。
図16は、本発明の画像形成装置の実施例を示す副走査断面図である。
図16おいて、60はカラー画像形成装置、11は各々実施例1〜3に示したいずれかの構成を有する光走査装置である。
21、22、23、24は各々像担持体としての感光体(感光ドラム)である。
そして、31、32、33、34は、各々感光ドラムの上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器、51は搬送ベルトである。
図16において、カラー画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。
これらの色信号は、画像形成装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。
これらの画像データは、それぞれ光走査装置11に入力される。
そして、これらの光走査装置からは、各画像データに応じて変調された光束41、42、43、44が出射され、これらの光束によって感光ドラム21、22、23、24の感光面が主走査方向に走査される。
本実施例におけるカラー画像形成装置は、1つの光走査装置(11)から、各C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応した光束を射出し、感光ドラム21、22、23、24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
本実施例におけるカラー画像形成装置は、上述の如く1つの光走査装置11により各々の画像データに基づいた光束を用いて各色の静電潜像を各々対応する感光ドラム21、22、23、24面上に形成している。
その後、トナー像を被転写材に転写する転写手段により記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
外部機器52としては、例えば、CCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。
この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
次に、本発明の電子写真プロセスを説明する。
先に説明したように、光源手段から射出される光束は、画像データに基づいて変調されており、この光束を照射することによって感光ドラムの表面に静電潜像を形成せしめる。
この静電潜像は、光束の照射位置よりもさらに感光ドラムの回転方向の下流側で感光ドラムに当接するように配設された現像器によってトナー像として現像される。
現像器によって現像されたトナー像は、感光ドラムの下方で、感光ドラムに対向するように配設された転写ローラによって被転写材たる用紙上に転写される。
用紙は感光ドラムの前方の用紙カセット内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。
用紙カセット端部には、給紙ローラが配設されており、用紙カセット内の用紙を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙は、さらに感光ドラム後方の定着器へと搬送される。
定着器は、内部に定着ヒータを有する定着ローラとこの定着ローラに圧接するように配設された加圧ローラとで構成されており、転写部から搬送されてきた用紙を定着ローラと加圧ローラの圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙上の未定着トナー像を定着せしめる。
更に定着ローラの後方には排紙ローラが配設されており、定着された用紙を画像形成装置の外に排出せしめる。
プリンタコントローラ53は、先に説明データの変換だけでなく、モータを始め画像形成装置内の各部や、光走査装置内の回転多面鏡のモータなどの制御を行う。
1 光源手段
2 コリメータレンズ
3 シリンドリカルレンズ
4 絞り
6 偏向手段(光偏向器)
7 平面反射ミラー
11 結像レンズ
12 被走査面
2 コリメータレンズ
3 シリンドリカルレンズ
4 絞り
6 偏向手段(光偏向器)
7 平面反射ミラー
11 結像レンズ
12 被走査面
Claims (6)
- 光源手段と、偏向手段と、前記光源手段から出射した光束を前記偏向手段に入射させる入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束を被走査面上に結像させる1枚の透過型の結像光学素子を備えた結像光学系と、前記偏向手段と前記被走査面との間の光路中に1枚の反射型光学素子と、を有する光走査装置であって、
前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束が前記透過型の結像光学素子の第一の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第二の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を通過し、前記反射型光学素子の反射面にて反射された後、前記透過型の結像光学素子の第三の透過面及び前記透過型の結像光学素子の第四の透過面の順で前記透過型の結像光学素子を再通過しており、
前記第一の透過面の副走査方向のパワーは、負のパワーであり、かつ、前記第四の透過面の副走査方向のパワーは、正のパワーであり、かつ、以下の条件式を満たすことを特徴とする光走査装置。
L2×tan(2α)>(w1+w2)/2
0deg.<α<20deg.
L2(mm):前記第一の透過面から前記反射面までの光路長
α:副走査断面内における前記反射型光学素子の反射面の法線と前記偏向面の法線の成す角度
w1(mm):前記第一の透過面での副走査方向の光束幅
w2(mm):前記第四の透過面での副走査方向の光束幅 - 副走査断面内において、前記第一の透過面と前記第四の透過面は、前記反射型光学素子の反射面の法線方向に段差を有しており、前記段差量をδ(mm)としたとき、前記段差量δは、前記透過型の結像光学素子の有効域内において、以下の条件式を満たす請求項1に記載の光走査装置。
(L2/2)×tan(2α)−(w1+w2)/4>|δ| - 前記段差量δは、主走査方向に沿って変化しており、前記透過型の結像光学素子の有効域内において、|δ|=0を満たす請求項2に記載の光走査装置。
- 前記偏向手段の偏向面に入射する光束を前記第一の透過面の光軸を含む副走査断面内に投影した場合、前記偏向手段の偏向面に入射する光束と前記第一の透過面の光軸の成す角度は零である請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光ドラムと、前記光走査装置で走査された光束によって前記感光ドラムの上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着手段とを有する画像形成装置。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の光走査装置と、外部機器から入力した画像データを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有している画像形成装置。
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