JP2004117390A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光スポットの安定性に優れ、走査結像レンズの結像倍率の安定性が高い光走査装置と、これを用いた画像形成装置を実現する。
【解決手段】光源1からの光ビームを偏向する偏向手段5と、この偏向手段により偏向された光ビームを被走査面7上に導き、被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像レンズ6とを有する光走査装置において、走査結像レンズ6が2以上の走査レンズ6A、6Bを有し、偏向手段5に最も近い走査レンズ6Aは主走査方向に正の屈折力を持ち、副走査方向の屈折力が略ゼロであり、被走査面7に最も近い走査レンズ6Bは、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を持つ。
【選択図】         図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光走査装置を用いる画像形成装置が、光プリンタやデジタル複写装置、ファクシミリ装置、光プロッタ等として広く実施されている。これら画像形成装置に用いられる光走査装置としても、従来のシングルビーム走査方式のものに加え、マルチビーム走査方式のものも実現されつつあり、画像形成装置の構成としては、モノクロームの画像形成を行うものに加え、カラー画像や多色画像の形成を行うものが実用化されつつあり、中でも「タンデム式」とよばれるものが活発に開発されている(特許文献1〜6参照)。
【0003】
光走査装置による書込は高密度化が進み、1200dpi、1600dpiさらにはそれ以上の書込密度の実現が意図されている。高密度書込の実現には、光スポットの安定性、即ち、「被走査面上を光走査する光スポットのスポット径が像高により大きく変動しないこと」が不可欠である。
【0004】
光スポットの像高に応じてスポット径が変動する原因の1つは周知の如く「走査結像光学系による像面湾曲」であり、光スポットの安定性を高めるために「像面湾曲を良好に補正した走査結像光学系」は多数のものが知られている。
【0005】
マルチビーム走査方式の光走査装置では、光スポットの安定に加え、偏向光ビームを被走査面に向かって集光させる走査結像光学系の結像倍率が、光スポットの像高によらず略一定していることも重要である。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−157128号公報
【特許文献2】
特開平 9−127443号公報
【特許文献3】
特開平 9− 54263号公報
【特許文献4】
特開2001−  4948号公報
【特許文献5】
特開2001− 10107号公報
【特許文献6】
特開2001− 33720号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、光スポットの安定性に優れ、走査結像レンズの結像倍率の安定性が高い光走査装置と、これを用いた画像形成装置の実現を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は「光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向された光ビームを被走査面上に導き、被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像レンズとを有する光走査装置」であり、以下の如き特徴を有する(請求項1)。
【0009】
即ち、走査結像レンズが2以上の走査レンズを有し、これら2以上の走査レンズのうち「偏向手段に最も近い走査レンズ」は、「主走査方向に正の屈折力」を持ち「副走査方向の屈折力が略ゼロ」であり、2以上の走査レンズのうち「被走査面に最も近い走査レンズ」は、「主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力」を持つ。
【0010】
請求項1記載の光走査装置における走査結像レンズは「2枚の走査レンズ」で構成することができる。この場合、走査面側の走査レンズは「主走査断面内の形状が被走査面に凸面を向けた負メニスカス形状」であることが好ましい(請求項2)。
【0011】
「主走査断面」は、走査レンズの光軸を含み、主走査方向に平行な仮想的な平断面である。主走査方向に直交する仮想的な平断面は「副走査断面」と呼ぶ。
【0012】
請求項1または2記載の光走査装置における走査結像レンズは「副走査方向に関して、偏向手段における偏向の起点と被走査面とを幾何光学的に略共役な関係とする機能を持ち、偏向手段と被走査面との間の、光軸上における副走査方向の横倍率:β、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(1) 0.9<|β/β|<1.1
を満足する」ことが好ましい(請求項3)。
【0013】
請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置における走査結像レンズは「副走査方向に関して、偏向手段における偏向の起点と被走査面とを幾何光学的に略共役な関係とする機能を持ち、偏向面と被走査面の間の光軸上における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(2) 0.2<|β|<0.6
を満足する」ことが好ましい(請求項4)。
【0014】
請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装置は「偏向手段の偏向の起点から被走査面に至る光軸上の距離:L、複数の走査レンズにおける光軸上におけるレンズ間隔の最大の距離:aが、条件:
(3) 0.3<|a/L|<0.6
を満足する」ことが好ましい(請求項5)。
【0015】
請求項1〜8の任意の1に記載の光走査装置における走査結像レンズを構成する2以上の走査レンズのうち、少なくとも1枚をプラスチックレンズとすることができる(請求項6)。この場合において「偏向手段に最も近い走査レンズをプラスチックレンズ」とすることができる(請求項7)。
【0016】
請求項1〜7の任意の1に記載の光走査装置は「複数の光源を有し、各光源からの光ビームが共通の偏向手段により偏向されて、走査結像レンズにより別個の被走査面上に導かれ、対応する被走査面上に光スポットとして集光され、走査結像レンズを構成する2以上の走査レンズのうち、偏向手段に近い走査レンズが、異なる被走査面に向かう複数の光ビームに共通化されている」構成とすることができる(請求項8)。
【0017】
この請求項8記載の光走査装置においては「異なる被走査面に向かう複数の光ビームが、これらに共通する、偏向手段に最も近い走査レンズを、副走査方向に於いて互いに略平行に通過する」ようにできる(請求項9)。
【0018】
請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置は「複数の光源を有し、偏向手段が偏向反射面を有する反射型のもので、同一の偏向反射面で偏向される全ての光ビームが主走査方向において、偏向面近傍の略1点で交わる」ように構成することができる(請求項10)。
【0019】
上において「同一の偏向反射面で偏向される全ての光ビームが主走査方向において、偏向面近傍の略1点で交わる」とは、同一の偏向反射面に入射する複数の光ビームを副走査方向から見た場合に、これら光ビームが偏向反射面近傍の略1点で交差することを言う。
【0020】
光走査装置により光走査される被走査面の実態は光導電性の感光体等の「感光性媒体」の感光面であるが、上における請求項8、9の説明における「互いに異なる被走査面」は、異なる感光性媒体の感光面以外に、同一の感光性媒体における「異なる画像を書込まれる別個の光走査位置」をも含む。
【0021】
また、複数の光ビームは異なる被走査面を光走査する場合もあるが、マルチビーム走査方式のように、1被走査面を複数の光ビームが光走査する場合もある。
【0022】
この発明の画像形成装置は「感光性媒体に光走査を行って画像形成を行う画像形成装置」であって、請求項1〜10の任意の1に記載の光走査装置を有するものである(請求項11)。感光性媒体としては、上述の光導電性の感光体を用いることができるほか、銀塩フィルムを用いることもできる。銀塩フィルムに光走査により形成される潜像は、通常の銀塩写真の現像プロセスで可視化できる。
【0023】
このように感光性媒体として銀塩フィルムを用いる画像形成装置は、光製版機や(CTスキャンの画像を形成する)光描画装置として実施することができる。
【0024】
請求項11記載の画像形成装置は「複数の光導電性の感光体を感光性媒体として、転写媒体の搬送路に沿って配列し、各感光体に光走査を行って静電潜像を形成し、各静電潜像を異なる色のトナー画像として可視化し、各色トナー画像を同一のシート状記録媒体に重ね合わせて転写・定着して合成的に画像を得る画像形成装置」として構成することができる(請求項12)。
【0025】
「シート状記録媒体」は、転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等である。
上記「転写媒体」は、シート状記録媒体自体であることもできるが、中間転写ベルト等の中間転写媒体であることもできる。即ち、各感光体上に形成されたトナー画像は、シート状記録媒体に直接転写してもよいし(直接転写方式)、中間転写媒体を介して転写しても良い(中間転写方式)。
【0026】
請求項12記載の画像形成装置は、光走査装置として請求項8〜10の任意の1に記載のものを用いて「タンデム型の画像形成装置」として構成できる(請求項13)。この場合、光導電性の感光体の数が3もしくは4とし、カラー画像を形成することができる(請求項14)。
【0027】
請求項1記載の光走査装置では、走査結像レンズが2以上の走査レンズを有し、偏向手段に最も近い走査レンズは、主走査方向に正の屈折力を持ち、副走査方向の屈折力は略ゼロであり、被走査面に最も近い走査レンズは、主走査方向に負、副走査方向に正の屈折力を持つ。
【0028】
従って、fθ特性のような等速特性を実現する機能を「偏向手段に最も近い走査レンズ」に配分すると共に、副走査方向の結像機能を主として「被走査面に最も近い走査レンズ」に配分することにより、特に副走査方向の像面湾曲の良好な補正が可能になる。また、副走査方向の結像機能が被走査面に近い走査レンズに配分されることにより、副走査方向の結像倍率が小さくなり、小径の光スポットを実現でき、像高による倍率の変動も補正しやすい。
【0029】
請求項2記載の光走査装置では、走査結像レンズが2枚の走査レンズで構成され、被走査面側の走査レンズは、主走査断面内の形状が「被走査面に凸面を向けた負メニスカス形状」であるので、像高に対して光学倍率を一定にすることが容易である。
【0030】
副走査方向の少なくとも2つの面を「副走査断面内の曲率中心を主走査方向に連ねた曲率中心線が、主走査断面内で主走査方向の非円弧形状とは異なる曲線となるように、副走査断面内の曲率半径を主走査方向に変化させた面」とし、これら2つのレンズ面をベンディングさせて「副走査方向の主点位置を調整する」場合、これら2つの面の間隔が広いほど、主点位置の変化量を大きく取ることができ、副走査方向の横倍率を像高間で容易に補正可能となる。
【0031】
請求項2記載の光走査装置では低コスト化の観点から、走査結像レンズを2枚構成とし、最も偏向手段に近い走査レンズは副走査方向の屈折力をほぼゼロとしている。このため前記2つの面は被走査面側の走査レンズの第1、第2面となるが、これらの面を主走査断面内において「被走査面に凸面を向けた負メニスカス形状」とすることにより、上記2つの面の間隔が、光軸を離れるにつれて増大するようにし、「周辺側における副走査方向の主点位置の調整」を容易にし、光スポットの像高に対する副走査方向の結像倍率の変化を有効に小さくすることができる。
【0032】
すなわち、中心像高に対し、周辺像高は光路長が長くなるため、副走査方向の横倍率を像高に拘わらず一定に保つには、周辺像高での主点位置が中心像高に対し偏向手段側にある要がある。これを実現するため、上記負メニスカス形状の凸側を被走査面側とし、周辺像高での主点位置が中心像高に対し偏向手段側に位置できるようにし、更に、被走査面に最も近い走査レンズの第1、第2面を「副走査断面内の曲率中心を主走査方向に連ねた曲率中心線が、主走査断面内で主走査方向の非円弧形状とは異なる曲線となるように、副走査断面内の曲率半径を主走査方向に変化させた面」を用い、2つのレンズ面をベンディングさせて「副走査方向の主点位置を調整する」ことで、像高に対して光学倍率を略一定にすることが可能となる。
【0033】
請求項3における条件(1)は、走査結像レンズの副走査方向における結像倍率の有効走査領域内における「望ましい範囲」であり、この範囲を外れると、光スポットのスポット径の有効走査領域内での変動が大きくなり、形成された画像に影響がでる。条件(1)を満足することにより、マルチビーム走査方式の光走査を行う場合にも、複数走査線間のピッチを一定に保つことができ、マルチビーム化による高密度化、高速化にも対応可能となる。
【0034】
請求項4における条件(2)の下限値を越えると、狙いのスポット径に対し、偏向手段と被走査面の間の光軸上における副走査方向の横倍率:βを大きく設定した場合、ビーム整形用のアパーチャにおける開口径を小さく設定する必要が生じ、光量不足の問題や、アパーチャにおける回折の影響によるスポット径の劣化が生じやすい。条件(2)の上限値を越えると、偏向手段に最も近い走査レンズと被走査面との間隔が大きくなり、画像形成装置の大型化を招来しやすい。
【0035】
例えば、偏向手段を共用するタンデム式の画像形成装置を構成するような場合、複数の走査レンズ間で最も離れている光軸上の間隔内に、各色に対応する被走査面へ光路を分離するためのミラーなどを配置するが、このような場合、請求項5における条件(3)の下限値を越えると、複数の走査レンズ間で最も離れている光軸上の間隔が短くなり過ぎ、光路分離用のミラー等の配置が困難となる。
【0036】
また、条件(3)の上限値を越えると、偏向手段側の走査レンズが偏向手段側に近づくが、この走査レンズは主走査方向に強い正の屈折力を持つため、被走査面上の有効走査領域を光走査するための画角が狭くなって、画角が広い場合に比して走査時間が短くなり、光源に用いられるLD等のオン・オフの応答速度が書込密度に対し対応できなくなる虞がある。
【0037】
請求項6、7のように、走査レンズにプラスチックレンズを用いると、低コストで作製でき、非球面等の複雑な面形状も容易に形成できる。反面、プラスチックレンズは温度変化等により光学特性の変化が生じやすい。特に、偏向手段として一般的な回転多面鏡等では、ポリゴンミラー等を回転させる駆動モータの発熱で周囲温度が上昇しやすい。
【0038】
請求項7記載の光走査装置のように、偏向手段側の走査レンズをプラスチックレンズにすると、駆動モータの発熱の影響で温度変化を生じやすく、感光体ごとに別個の走査結像レンズを用いるタンデム式のカラー画像形成装置では、走査結像レンズの「温度変化に起因する等速特性の変化」が走査結像レンズごとに区々となって合成カラー画像に色ずれや色相変化が発生しやすいが、請求項8、9の光走査装置のように、偏向手段に最も近い走査レンズ(等速特性を補正する機能をもっている)を「異なる被走査面に向かう複数の光ビームに共通化」すると、等速性の変動は各色で同様に生じることになり、色ずれや色相変化の発生は抑制される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、光走査装置の実施の1形態における光学配置を示している。
この光走査装置は、光源1からの光ビームを偏向する偏向手段5と、この偏向手段5により偏向された光ビームを被走査面7上に導き、被走査面7上に光スポットとして集光させる走査結像レンズ6とを有する光走査装置であって、走査結像レンズ6が2以上の走査レンズ6A、6Bを有し、これら2以上の走査レンズ6A、6Bのうち偏向手段5に最も近い走査レンズ6Aは、主走査方向に正の屈折力を持ち、副走査方向の屈折力が略ゼロであり、2以上の走査レンズのうち被走査面7に最も近い走査レンズ6Bは、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を持つ(請求項1)。
【0041】
若干詳しく説明すると、光源1から射出された光ビームは、カップリングレンズ2により平行光束(弱い収束性もしくは弱い発散性としてもよい)に変換され、以後の光学系にカップリングされる。カップリングされた光ビームは、被走査面7上に所望のスポット径を得るためアパーチャ3の開口を通過してビーム整形されたのち、シリンドリカルレンズ4により副走査方向に集束され、ミラーIMを介して偏向手段5の偏向反射面5Aの近傍に「主走査方向に長い線像」として結像され、偏向手段5により等角速度的に偏向される。偏向手段5は回転多面鏡である。
【0042】
偏向手段5により偏向された光ビームは、走査結像レンズ6を構成する走査レンズ6A、6Bにより被走査面7上に光スポットとして集光し、被走査面7を等速的に光走査する。
【0043】
この光走査装置において、走査結像レンズ6を構成する2枚の走査レンズ6A、6Bは何れもプラスチックレンズである。偏向手段5側の走査レンズ6Aには「主走査方向に正の屈折力」を持たせ、この正の屈折力を「等速性(fθ特性)が良好に補正される」ように設定している。被走査面7側の走査レンズ6Bには「主走査方向に負の屈折力」を持たせている。
【0044】
このように、主走査方向に関して、走査レンズ6Aの屈折力を正、走査レンズの屈折力を負とすることにより、温度変化等の環境変動や、光源1における発光波長変動に起因する各走査レンズ6A、6Bの光学特性の変化を相殺し、環境変動や波長変動に起因する走査結像レンズ6の光学特性の劣化を軽減させている。
【0045】
被走査面側の走査レンズ6Bは、図示の如く「長尺形状」であり、これを「主走査方向に正の屈折力を持つレンズ」として構成する場合には、レンズ長手方向のレンズ肉厚に対して周辺部の肉厚が薄くなり、長手方向の中央部と周辺部の肉厚さのため、整形加工の際に「引け」等によるレンズ形状の変形が生じやすい。
【0046】
しかしながら、走査レンズ6Bは「主走査方向に負」の屈折率を持つため、長手方向に「大きな肉厚差」が発生しないため、整形加工が容易である。
【0047】
走査レンズ6Aは、上記の如く等速性を補正する機能を持つが、該レンズ6Aは副走査方向に屈折力を持たないので、偏向光束の入射位置が副走査方向にずれても走査結像レンズ6としての等速性が劣化しない。また、主走査方向の結像性能の劣化も抑制可能である。
【0048】
副走査方向に関しては、走査レンズ6Aの屈折力が実質的に0であるので、走査レンズ6Bは強い正の屈折力を持つ。従って、副走査方向に関しては、走査レンズ6Bが「偏向光束を被走査面上に集光させる」機能を持つ。このように、副走査方向における結像機能が、被走査面7に近い走査レンズ6Bに担われているため、走査結像レンズ6は副走査方向に関して「縮小系」となり、光スポットの結像位置、スポット径等が、光学部品の組み付け誤差、形状誤差等の影響を受け難い。勿論、走査結像レンズ6は、副走査方向に関して「偏向手段5による偏向の起点と被走査面7とを幾何光学的な共役関係」としており、このため、偏向手段5における「面倒れ補正機能」を有している。
【0049】
偏向手段側の走査レンズ6Aの「主走査方向の面形状」は非円弧形状とすることができる。また、被走査面側の走査レンズ6Bの面形状は「主走査方向に非円弧形状で、副走査断面内の曲率中心を主走査方向に連ねた曲率中心線が、主走査断面内で主走査方向の非円弧形状とは異なる曲線となるように、副走査断面内の曲率半径を主走査方向に変化させた面」を用いることで、主・副走査両方向の像面湾曲を良好に補正可能である。
【0050】
このようにして、「等速化機能」を良好に保ちつつ、主・副走査方向の像面湾曲を良好に補正し光スポットの安定性を実現可能である。
【0051】
図2は「タンデム式の画像形成装置」の光走査装置の実施の1形態を説明するための図である。この画像形成装置は、カラー画像を形成する装置である。
【0052】
図2(a)は光学配置を副走査方向から見た図を説明図的に示している。図を簡単化するため、偏向手段から被走査面側においては、偏向光束の光路を平面状に展開した状態で示している。
【0053】
カラー画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の「4色のトナー画像」を合成して形成される。以下の説明における符号中、「Y」はイエロー、「M」はマゼンタ、「C」はシアン、「K」は黒に関連するものである。
【0054】
図2(a)に示すように、光源から偏向手段(回転多面鏡)5に至る部分においては、4個の光源1Y〜1K、4個のカップリングレンズ2Y〜2K、4個のアパーチャ3Y〜3K、4個のシリンドリカルレンズ4Y〜4Kが配置されている。即ち、光源1Yは副走査方向(図面に直交する方向)から見て、他の3つの光源1M、1C、1Kと重なり合い、カップリングレンズ2Yは副走査方向から見て、他の3つのカップリングレンズ光源2M、2C、2Kと重なり合い、アパーチャ3Yは副走査方向から見て、他の3つのアパーチャ3M、3C、3Kと重なり合い、シリンドリカルレンズ4Yは副走査方向から見て、他の3つのシリンドリカルレンズ4M、4C、4Kと重なり合っている。
【0055】
光源1Y〜1Kは半導体レーザ等である。光源1Y(1M、1C、1K)から放射された光ビームは、カップリングレンズ2Y(2M、2C、2K)によりカップリングされて以後の光学系に適した光束形態、例えば平行光束に変換され、アパーチャ3Y(3M、3C、3K)によりビーム整形され、シリンドリカルレンズ4Y(4M、4C、4K)により偏向手段の偏向反射面4Aの近傍に「主走査方向に長い線像」として結像し、共通の偏向手段5により同時に偏向される。
【0056】
各光源から偏向手段に入射する4本の光ビーム(の主光線)は、副走査方向において互いに平行である。
【0057】
図2(b)は偏向手段から被走査面7Y〜7Kに至る光路を直線的に展開した状態を示している。被走査面7Y〜7Kの実体は「光導電性の感光体」であって、図2(c)に示すように、それぞれ円筒状に形成されて互いに平行に配列されている。図2(b)は、被走査面7Y〜7Kが同一面となるように描いている。
【0058】
図2(b)に示すように、光源1Y〜1Kからの光ビームは、共通の偏向手段5により偏向面の回転軸に直交する方向へ「互いに平行」に反射されて偏向し、走査レンズL1を透過する。透過レンズL1は、4本の光ビームに共通である。
【0059】
走査レンズL1を透過した各光ビームは、走査レンズL2Y〜L2Kにより対応する被走査面7Y〜7Kに向って集光し、各被走査面上に光スポットを形成し、被走査面を光走査する。
【0060】
走査レンズL1と走査レンズL2Yは「被走査面7Yに光スポットを結像させる走査結像レンズ」を構成し、走査レンズL1と走査レンズL2M(L2C、L2K)は「被走査面7M(7C、7K)に光スポットを結像させる走査結像レンズ」を構成する。各走査レンズL2Y〜L2Kは同一のものである。
【0061】
各走査結像レンズによる結像光束の光路は、図2(c)に示すように、光路折曲げミラーMにより適宜に屈曲されて対応する感光体7Y〜7Kに導光される。
【0062】
各感光体7Y〜7Kに形成された光スポットは感光体を光走査して静電潜像を書き込む。
【0063】
この実施の形態において、走査結像レンズを構成するレンズは何れもプラスチックレンズであり、偏向手段5に最も近い走査レンズL1も勿論、プラスチックレンズである(請求項7)。
【0064】
また、図2の光走査装置は、複数の光源1Y〜1Kを有し、各光源からの光ビームは、共通の偏向手段5により偏向されて、走査結像レンズL1、L2Y〜L2Kにより別個の被走査面7Y〜7K上に導かれ、対応する被走査面上に光スポットとして集光され、走査結像レンズを構成する2以上の走査レンズのうち、偏向手段5に近い走査レンズL1は、異なる被走査面7Y〜7Kに向かう複数の光ビームに共通化されている(請求項8)。
【0065】
偏向手段5側の走査レンズL1は副走査方向に屈折力を持たないため、異なる被走査面7Y〜7Kに向かう複数の光ビームは、走査レンズL1を、図2(b)に示すように副走査方向(図2(b)の上下方向)に於いて互いに略平行に通過する(請求項9)。このように、走査レンズL1を透過した各光ビーム(の主光線)が互いに平行であり、相互に近づかないので、光路分割ミラーMの配設が容易である。
【0066】
図2の実施の形態では、走査結像レンズを構成するレンズのうち、偏向手段5側の走査レンズL1を、被走査面7Y〜7Kに向かう複数(=4)の光ビームに対して共通化した。偏向手段5は回転多面鏡で、モータ部、基盤による発熱が大きく、光学箱内の温度はモータ部の発熱で上昇する。この温度変動により偏向手段5に最も近い走査レンズL1に温度分布が生じ、光学特性を変化させる。
【0067】
走査レンズL1は走査特性を補正する機能(等速化機能)を有しているため、上記光学特性の変化により等速特性に変化が生じるが、このような等速特性の変化が生じても、走査レンズL1は感光体7Y〜7Kを光走査する各光ビームに共用されているので、等速特性の変化は各感光体7Y〜7Kに対して共通化されることになり、感光体相互における「等速特性の差異」は発生しない。従って、連続プリント時等に環境変動が変動して、走査結像レンズの等速特性が変化しても、この「等速特性の変化に起因」するカラー画像の色相変化や色ずれの発生を抑制できる。
【0068】
図2の実施の形態においては、光源からシリンドリカルレンズに至る部分を、イエロー、マゼンタ、シアン、黒について「副走査方向に互いに平行に重ね合せて配置」しているが、光走査装置のレイアウト上、折返しミラーなどで適宜に折返し、複数の光源やカップリングレンズ等が主走査方向に距離を持つように配置してもよい。
【0069】
また、偏向手段5から走査レンズL1へは4つの感光体7Y〜7Kを光走査する光ビームが副走査方向に並列して入射する構成であるが、別の構成として、例えば、4本の光ビームが共通の偏向手段に関して互いに逆向きに反射されるようにし、走査レンズL1に相当する走査レンズを偏向手段の両側に1個づつ配置し、偏向手段の両側に振り分けられた2本づつの光ビームが、これら2個の走査レンズを共通に透過するようにしてもよい。
【0070】
上には、複数の被走査面をシングルビーム走査方式により光走査する場合の実施の形態を説明した。前述したように、被走査面の光走査はマルチビーム走査方式で行っても良い。この場合の実施の形態を、図3を参照して説明する。
【0071】
図3(a)において、符号31で示す光源装置は、2個の半導体レーザと、これら半導体レーザから放射された光ビームをカップリングする2個のカップリングレンズとを有する。各半導体レーザから放射され対応するカップリングレンズによりカップリングされた2本の光ビームは、シリンドリカルレンズ32により偏向手段(回転多面鏡)33の同一の偏向反射面位置に「副走査方向に分離した主走査方向に長い線像」として結像する。このとき、各半導体レーザからの2本の光束は、偏向反射面近傍の位置の略1点において主走査方向に交叉する。
【0072】
偏向手段33により偏向された各光ビームは、走査結像レンズ35を構成する走査レンズ34A、34Bを透過し、光路折り返しミラー36により光路を折り返されて被走査面の実体をなす光導電性の感光体37上に向って集光し、副走査方向に分離した2個の光スポットを形成し、被走査面をマルチビーム走査方式で光走査する。
【0073】
即ち、この実施の形態では、光走査装置は複数の光源を有し、偏向手段33が偏向反射面を有する反射型のものであり、同一の偏向反射面で偏向されて同一の被走査面37を光走査する全ての光ビームが主走査方向において、偏向面近傍の略1点で交わるように構成されている(請求項10)。
【0074】
図3(b)の上図は、偏向反射面に異なる位置で入射する場合を示している。2本の光束(主光線を実線と破線で示す)が被走査面37の同一位置P0に到達するときの偏向反射面の位置を、実線の光ビームにつきD、破線の光ビームに対してDとすると、図3(b)上図の場合、結像位置P0にいたる走査レンズ34A、34Bを通過する光路が大きく異なり、光路の差により光学作用も異なるため、結像位置P0において形成される光スポットのスポット径や結像倍率等が、実線と破線の光ビームで異なったものとなり易く、特に、走査線ピッチの像高間変動に対する影響が大きく、走査線曲がりが発生し易い。
【0075】
これに対し、図3(a)に示すように、光源側からの2本の光ビームが偏向反射面近傍で主走査方向に交わるようにすると、被走査面37上の結像位置P0に至る光路は、実線・破線の各光ビームに対して略同一となり、走査線曲がりを効果的に低減する事ができる。また、偏向手段5から被走査面側における各部品のばらつきによる光ビーム間の「主走査方向の書込位置変動」は、全光ビームで略同量となり、光ビーム間での主走査方向の書込位置ずれを抑制できる。
【0076】
更に、同じ結像位置に結像する全光ビームが「走査光学レンズの主走査方向の略同じ位置を通過する」ことにより、走査結像レンズを構成する走査レンズの収差の影響を小さく抑えることができ、主走査方向の結像位置を各ビームとも精度良く合致させることができ、同期検知後、全光ビームに共通に遅延時間を設定しても、書込始め像高での主走査方向の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0077】
また、複数の光ビームが偏向反射面近傍で主走査方向に交わるようにすると、偏向反射面の大きさを最小にでき、回転多面鏡の内接円半径を最小にできる。
【0078】
図3の実施の形態では、単一の被走査面37をマルチビーム走査方式で光走査する場合を説明したが、図2の実施の形態におけるように、異なる被走査面に向かう光ビームを偏向手段の同一偏向反射面で偏向する場合、光源側のレイアウトにより「各光ビームが同一の偏向反射面に対し、主走査方向に互いに角をなす場合」には、各光ビームをポリゴンミラー5の偏向反射面5Aの近傍で主走査方向において交差させることで、同様の効果が得られる。
【0079】
各光ビームの交差位置のずれは、偏向反射面上で0.5mm以内とすることが好ましい。
【0080】
図1に実施の形態を示した光走査装置を用いる画像形成装置の実施の1形態として「レーザプリンタ」を図4に示す。
【0081】
レーザプリンタ100は「感光性媒体」として、円筒状に形成された光導電性の感光体111を有する。感光体111の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。
【0082】
更に、レーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
【0083】
図4において、符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイ、符号Pは「シート状記録媒体」としての転写紙を示している。
【0084】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。
【0085】
転写紙Pを収納したカセット118は、画像形成装置100本体に脱着可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対119に捉えられる。
【0086】
レジストローラ対119は、感光体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。
【0087】
トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置116へ送られ、定着装置116においてトナー画像を定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写された後の感光体111の表面は、クリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
【0088】
光走査装置117としては、図1に即して説明した如きものが用いられる。
【0089】
図5には、先に図2に即して説明した如き光走査装置を用いる「タンデム式のカラー画像形成装置」の実施の1形態を示す。図中、符号50で示す部分は、図2において説明した光走査装置部分であり、符号5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ、光導電性の感光体7Y、7M、7C、7Kを光走査する偏向光ビームを示している。この部分の説明は、図2に関する説明を援用する。
【0090】
感光体7Y(7M、7C、7K)の周囲には、帯電手段YC(MC、CC、KC)、現像手段YD(MD、CD、KD)、転写手段YT(MT、CT、KT)、クリーニング手段YL(ML、CL、KL)が配置され、感光体7Y、7M、7C、7Kに接触するように搬送ベルト2Aが配設されている。
【0091】
感光体7Y〜7Kは時計方法へ回転しつつ、対応する帯電手段YC〜KCにより均一帯電され、光ビーム5Y〜5Kにより光走査されて静電潜像をネガ潜像として書込まれる。これら静電潜像は現像装置YD〜KDにより現像され、感光体7Y、7M、7C、7Kにそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー画像が形成される。
【0092】
カラー画像を形成されるシート状記録媒体である転写紙は、カセット1Aから給紙されてレジストローラ9により搬送ベルト2A上に載せかけられる。搬送ベルト2Aはチャージャ18のよるコロナ放電で帯電され、転写紙は搬送ベルト2A上に静電吸着される。
【0093】
このようにして搬送ベルト2Aに保持された転写紙は転写部を順次搬送されつつ、感光体7Kから「黒トナー画像」、感光体7Cから「シアントナー画像」、感光体7Mから「マゼンタトナー画像」、感光体7Yから「イエロートナー画像」を転写手段KT〜YTの作用により順次転写される。
【0094】
このようにして転写紙上にカラー画像が合成的に形成される。カラー画像を担持した転写紙は除電チャージャ11より除電され、転写紙自体の腰の強さにより搬送ベルト2Aから分離し定着装置14に進み、カラー画像を定着され、排出ローラ15によりトレイ15’上に排出される。トナー画像転写後の感光体7Y〜7Kは、クリーニング手段YL〜KLによりそれぞれクリーニングされる。
【0095】
即ち、図5に示す画像形成装置は、複数の光導電性の感光体7Y〜7Kを感光性媒体として、転写媒体(転写紙)の搬送路に沿って配列し、各感光体に光走査を行って静電潜像を形成し、各静電潜像を異なる色のトナー画像として可視化し、各色トナー画像を同一のシート状記録媒体に重ね合わせて転写・定着して合成的に画像を得る画像形成装置(請求項12)である。また、タンデム型の画像形成装置(請求項13)で、光導電性の感光体の数が4でカラー画像を形成するタンデム型の画像形成装置(請求項14)である。
【0096】
【実施例】
以下、光走査装置の光学系の具体的な実施例を3例挙げる。想定しているのは、図1、図2に示す光走査装置である。
【0097】
記号の説明
記号の意味は以下の通りである。
【0098】
RY:主走査方向の面(アパーチャの面を含む)の曲率半径
RZ:副走査方向の面(アパーチャの面を含む)の曲率半径(光軸上)
N:使用波長(780nm)での材質の屈折率
X:光軸方向の距離
Y:光軸からの主走査方向の距離
Z:光軸からの副走査方向の距離
Figure 2004117390
【0099】
「*印」を付した面は「共軸非球面」である。非球面固有の数値は示さないが、カップリングレンズから射出する「平行光束」の波面収差が良好に補正されるように設定されている。また、偏向手段は内接円直径:18mm、偏向反射面数:6の回転多面鏡である。
【0100】
Figure 2004117390
「*印」を付した各面は、主走査断面内の形状が非円弧形状で、副走査断面内の形状は直線となっている。このレンズ面は以下の式:1で表される。
【0101】
即ち、Cm=1/RY、Cs(Y)=1/RZとして、
X(Y,Z)=Y・Cm/[1+√{1−(1+K)・(Y・Cm)}]+ A・Y+B・Y+C・Y+D・Y10+E・Y12+ Cs(Y)・Z/[1+√{1−(Cs(Y)・Z)}]       (式:1)。
【0102】
「**印」を付した各面は、主走査方向の形状が非円弧形状で、副走査方向の曲率半径が主走査方向のレンズ高さ(Y)により連続的に変化する面であり、各面形状は、上記式:1における「Cs(Y)」を、
Cs(Y)=1/RZ+a・Y+b・Y+c・Y+d・Y+e・Y+f・Y+g・Y+h・Y+i・Y+j・Y10+k・Y11+l・Y12       (式:2)
として、上記式:1により表わされる。
【0103】
実施例1における非球面係数は以下の通りである。
【0104】
Figure 2004117390
【0105】
上の表示において例えば「E−30」は「10−30」を意味し、この数値が直前の数値にかかるものである。
【0106】
この光学系においては、シリンドリカルレンズと偏向手段との間に、厚さ:1.9mmの防音ガラス(屈折率:1.511)を、副走査方向に対して傾き角:8度で配置している。
【0107】
実施例2
「偏向手段より光源側の光学系」
実施例1におけるものと同一である。
【0108】
Figure 2004117390
「*印、**印」を付した各面の形状は実施例1におけると同様、式:1および式:2を用いた式:1で表される。
【0109】
実施例2における非球面係数は以下の通りである。
【0110】
Figure 2004117390
【0111】
この光学系においても、シリンドリカルレンズと偏向手段との間に、厚さ:1.9mmの防音ガラス(屈折率:1.511)を、副走査方向に対して傾き角:8度で配置している。
【0112】
実施例3
「偏向手段より光源側の光学系」
実施例1におけるものと同一である。
【0113】
Figure 2004117390
「*印、**印」を付した各面の形状は実施例1におけると同様、式:1および式:2を用いた式:1で表される。
【0114】
実施例3における非球面係数は以下の通りである。
【0115】
Figure 2004117390
【0116】
この光学系においても、シリンドリカルレンズと偏向手段との間に、厚さ:1.9mmの防音ガラス(屈折率:1.511)を、副走査方向に対して傾き角:8度で配置している。
【0117】
図6〜図8に、実施例1〜3に関する像面湾曲と等速化特性(fθ特性・リニアリティ)の図を示す。これらの図から明らかなように、実施例1〜3とも性能は極めて良好である。
【0118】
実施例1〜3の光学系における走査結像レンズは何れも、光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向された光ビームを被走査面上に導き、上記被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像レンズとを有する光走査装置において用いられ、2枚の走査レンズで構成され、偏向手段側の走査レンズは、主走査方向に正の屈折力を持ち、副走査方向の屈折力がゼロであり、被走査面側の走査レンズは、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を持つ(請求項1)。また、2枚の走査レンズのうち、走査面側の走査レンズは「主走査断面内の形状が被走査面に凸面を向けた負メニスカス形状」で(請求項2)、副走査方向に関して、偏向手段における偏向の起点と被走査面とを幾何光学的に略共役な関係とする機能を持ち、偏向手段と被走査面との間の、光軸上における副走査方向の横倍率:β、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(1) 0.9<|β/β|<1.1
を満足し(請求項3)、上記横倍率:βが、条件:
(2) 0.2<|β|<0.6
を満足する(請求項4)。
【0119】
また、偏向手段の偏向の起点から被走査面に至る光軸上の距離:L、複数の走査レンズにおける光軸上におけるレンズ間隔の最大の距離:aは、条件:
(3) 0.3<|a/L|<0.6
を満足し(請求項5)、走査結像レンズを構成する2枚の走査レンズは共にプラスチックレンズであり(請求項6、7)。
【0120】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な光走査装置および画像形成装置を実現できる。この発明の光走査装置は上記の如く、「fθ機能等の等速化機能」を良好に保ちつつ、主走査方向、副走査方向の像面湾曲を良好に補正し安定した光スポットを実現でき、従って、この光走査を用いる画像形成装置は良好な画像形成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査装置の実施の1形態における光学配置を示す図である。
【図2】この発明の光走査装置と、これを用いたタンデム式の画像形成装置の光走査部を説明するための図である。
【図3】この発明の光走査装置を用いたマルチビーム走査方式の光走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図4】図1の光走査装置を用いた画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
【図5】図2の光走査装置を用いたタンデム式のカラー画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
【図6】実施例1の像面湾曲と等速化特性を示す図である。
【図7】実施例2の像面湾曲と等速化特性を示す図である。
【図8】実施例3の像面湾曲と等速化特性を示す図である。
【符号の説明】
1   光源
2   カップリングレンズ
4   シリンドリカルレンズ
5   偏向手段
6   走査結像レンズ

Claims (14)

  1. 光源からの光ビームを偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向された光ビームを被走査面上に導き、上記被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像レンズとを有する光走査装置において、
    走査結像レンズが2以上の走査レンズを有し、
    これら2以上の走査レンズのうち上記偏向手段に最も近い走査レンズは、主走査方向に正の屈折力を持ち、副走査方向の屈折力が略ゼロであり、上記2以上の走査レンズのうち上記被走査面に最も近い走査レンズは、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を持つことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    走査結像レンズが2枚の走査レンズで構成され、
    これら2枚の走査レンズのうち、走査面側の走査レンズは、主走査断面内の形状が被走査面に凸面を向けた負メニスカス形状であることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2記載の光走査装置において、
    走査結像レンズが、副走査方向に関して、偏向手段における偏向の起点と被走査面とを幾何光学的に略共役な関係とする機能を持ち、
    偏向手段と被走査面との間の、光軸上における副走査方向の横倍率:β、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
    (1) 0.9<|β/β|<1.1
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の光走査装置において、
    走査結像レンズが、副走査方向に関して、偏向手段における偏向の起点と被走査面とを幾何光学的に略共役な関係とする機能を持ち、
    偏向面と被走査面の間の光軸上における副走査方向の横倍率:βが、条件:
    (2) 0.2<|β|<0.6
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装置において、
    偏向手段の偏向の起点から被走査面に至る光軸上の距離:L、複数の走査レンズにおける光軸上におけるレンズ間隔の最大の距離:aが、条件:
    (3) 0.3<|a/L|<0.6
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の光走査装置において、
    走査結像レンズを構成する2以上の走査レンズのうち、少なくとも1枚がプラスチックレンズであることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項6記載の光走査装置において、
    偏向手段に最も近い走査レンズがプラスチックレンズであることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1〜7の任意の1に記載の光走査装置において、
    複数の光源を有し、
    各光源からの光ビームは、共通の偏向手段により偏向されて、走査結像レンズにより別個の被走査面上に導かれ、対応する被走査面上に光スポットとして集光され、
    上記走査結像レンズを構成する2以上の走査レンズのうち、上記偏向手段に近い走査レンズは、異なる被走査面に向かう複数の光ビームに共通化されていることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項8記載の光走査装置において、
    異なる被走査面に向かう複数の光ビームが、これらに共通する、偏向手段に最も近い走査レンズを、副走査方向に於いて互いに略平行に通過することを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置において、
    複数の光源を有し、
    偏向手段が偏向反射面を有する反射型のものであり、同一の偏向反射面で偏向される全ての光ビームが主走査方向において、上記偏向面近傍の略1点で交わるように構成さていることを特徴とする光走査装置。
  11. 感光性媒体に光走査を行って画像形成を行う画像形成装置において、
    請求項1〜10の任意の1に記載の光走査装置を有する画像形成装置。
  12. 請求項11記載の画像形成装置において、
    複数の光導電性の感光体を感光性媒体として、転写媒体の搬送路に沿って配列し、各感光体に光走査を行って静電潜像を形成し、各静電潜像を異なる色のトナー画像として可視化し、各色トナー画像を同一のシート状記録媒体に重ね合わせて転写・定着して合成的に画像を得る画像形成装置。
  13. 請求項12記載の画像形成装置において、
    光走査装置として請求項8〜10の任意の1に記載のものを用いたことを特徴とするタンデム型の画像形成装置。
  14. 請求項14記載の画像形成装置において、
    光導電性の感光体の数が3もしくは4であり、カラー画像を形成することを特徴とするタンデム型の画像形成装置。
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