JP2009263746A - 無電解めっき方法及び活性化前処理方法 - Google Patents

無電解めっき方法及び活性化前処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貴金属触媒を使用せず、無電解めっきシステムと積層する金属の組み合わせの制限が緩い無電解めっき方法であり、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地金属上に無電解めっきにより金属を積層する方法を提供する。
【解決手段】無電解めっき液中に核体3が分散され、核体3表面に無電解めっきにより導電層1が析出中の核体3を、導電体2へ間欠的に接触させることを特徴とする導電体2への無電解めっき方法及び活性化前処理方法である。また、無電解めっき液中に核体3が分散され、核体3表面に無電解めっきにより導電層1が析出中の核体3が分散し、攪拌しているめっき液中へ、導電体2を浸漬することを特徴とする導電体2への無電解めっき方法及び活性化前処理方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、無電解めっき方法及び活性化前処理方法に関する。
金属は、導電性や剛直性、熱伝導性などの特徴を持ち、自動車、エレクトロニクス、半導体など各種分野で広く用いられている。特に、これら高度な技術発展が著しい分野では、金属は単一組成のものだけでなく、合金や樹脂含有金属など機能や特徴に合わせた複数の組成からなるものも用いられている。またこれらの金属の形態としては、延伸やプレス、打ち抜きなどの加工を用いて、板状や三次元的な成形物に加工し使用されている。
一方、プリント配線板や装飾分野では、導電層や腐食防止層などとして樹脂や金属の表面上に更に金属層を形成して使用している。このように樹脂上に金属層を形成したり、金属表面に異なる金属層を形成(積層)する方法としては、安価で簡便なめっき技術が用いられている。
めっき技術には、電気めっきと無電解めっき(化学めっき)があり、電気めっきは外部電源と金属電極を接続し、金属イオンを電気により還元して金属を析出させる方法である。一方、無電解めっきは一般的に化学めっきともよばれ、化学反応を用いて金属を析出させる方法であり、還元型と置換型がある。還元型無電解めっきは、めっき液に溶解させた金属イオンを還元剤で還元させて析出させる方法である。一方、置換型無電解めっきは、金属のイオン化傾向の差を利用し、下地の金属よりも貴な金属を積層する場合に使用できる。どちらも、電気めっきのように電源、通電端子の形成が不要であり、より安価で簡便なめっき方法として各種分野で用いられている。(以後、還元型無電解めっきは無電解めっき、置換型無電解めっきは置換めっきと記する。)
無電解めっきと置換めっきは、特に低価格化と高精細化が著しいプリント配線板などで用途が拡大している。例えば、ドリル穴あけ後のスルーホール内めっきでは、まずスルーホール内にパラジウム触媒付与を行い、無電解銅めっきを行って層間の導通を確保している。これは、無電解めっきが触媒付与を行うことにより、プラスチックなどの不導体へも金属析出が可能である特徴を利用し、樹脂上に銅の導電層を形成した例である。
一方、導体である金属上に各種の金属を積層する場合にも、無電解めっきや置換めっきは使用される。例えば、半導体実装用プリント配線板では、ワイヤーボンディング用端子として、銅配線上にバリア及び触媒層として置換パラジウムめっきを行い、この上に無電解ニッケルめっきを行い、銅のバリア層としてニッケル層を形成し、更に置換金めっきを施し、最外層に金層を形成して、金ワイヤーとの接合性の高い端子を得ている。場合によっては、置換金めっき後に無電解金めっきを施し、金層をより厚く(厚付けめっき)して接続信頼性を高くしている。
置換めっきは、無電解めっきと比較して簡便で、下地金属と密着性の良いめっき層を形成できるが、下地金属よりも貴な金属を積層する場合にのみ使用でき、下地金属よりも卑な金属を積層する場合には使用できず、積層する金属の選択性が低い。
一方、無電解めっきは、下地金属上に触媒付与を行えば、均一な金属層の形成が可能であり、積層する金属の選択肢が広い。しかし、触媒を付与する必要があり、工程が長くなる点や、触媒に貴金属が使用されるためコストが掛かる点が欠点である。よって、高価な貴金属触媒を使用せずに、下地金属上に無電解めっきによって金属を積層することが求め
られている。
特許文献1によると、触媒付与無しに銅にのみ選択的に直接無電解ニッケルめっきができるとしている。これはホウ素系還元剤を用いた無電解ニッケルシステムの場合に、銅が触媒作用を示すことを利用したものであるが、この場合はめっき処理が不安定となり、めっき安定化を図るためには、還元剤の他に添加剤を加えることが必要となり、めっき皮膜の特性が限定される。無電解ニッケルめっきとして一般的に広く使われている次亜リン酸ナトリウムを還元剤としたシステムでは達成されない。
特許第3393190号公報
このように、無電解めっきにおいては、下地金属と積層する金属、及び還元剤やpHを含めためっきのシステム全体が、積層させたい金属イオンの析出(還元)作用を発揮しなければならず、貴金属のような触媒を付与せずに金属を積層しようとすると、その金属の組み合わせは非常に限定的となってしまう。このため、無電解めっきを使用して、貴金属触媒を使用せず、積層する金属の組み合わせの制限がゆるい無電解めっき方法が求められていた。
本発明は、上記問題を解決するものであり、貴金属触媒を使用せず、無電解めっきシステムと積層する金属の組み合わせの制限が緩い無電解めっき方法を提供する。また、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地金属上に無電解めっきにより金属を積層する方法を提供する。更には、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地の金属より卑な金属を無電解めっき方法により積層する方法を提供する。更には、積層させる金属に対して触媒作用を発揮しない無電解めっきシステムを用いて、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地の金属上に異なる金属を無電解めっき方法により積層する方法を提供する。更には、パラジウムなどの貴金属触媒を使用せず、下地金属上に無電解めっきによって金属を積層させる為の、活性化前処理方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体を、導電体へ間欠的に接触させることを特徴とする導電体への無電解めっき方法であることを要旨とする。本発明の第1の特徴においては、無電解めっきにより導電層が析出中の核体を、導電体へ間欠的に接触することで、導電体表面の電位が、無電解めっきが進行中の核体表面の電位と近くなり、導電体上にも無電解めっき反応が発生し、導電層を析出することができる。更に、本発明の第1の特徴においては、核体を導電体へ間欠的に接触させるため、導電体上の導電層に核体が取り込まれず、導電体上に平滑な導電層を形成できる。更に、本発明の第1の特徴においては、核体を導電体へ間欠的に接触させるため、無電解めっき反応で析出する導電層と下地の導電体が同一組成であっても、異なっていても、下地の導電体によらず、選択的にムラ無く、均一な導電層を形成できる。
また、本発明の第2の特徴は、無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体が分散し、攪拌しているめっき液中へ、導電体を浸漬することを特徴とする導電体への無電解めっき方法であることを要旨とする。この発明によれば、導電層が析出中の核体が、導電体へ間欠的にムラなく接触することができる。
また、本発明の第3の特徴は、無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体が分散している液中へ、導電体を浸漬し、導電体を揺動することを特徴とする導電体への無電解めっき方法であることを要旨とする。この発明によれば、導電層が析出中の核体が、導電体へ間欠的にムラなく接触することができる。
また、本発明の第4の特徴は、導電体へ貴金属触媒の付与処理を行わないことを特徴とする無電解めっき方法であることを要旨とする。この発明によれば、パラジウムや金、銀、白金などの高価な貴金属触媒を使用しないため、コストがやすくなる。また、触媒付与の工程がなくなるため、工程短縮の効果がある。
また、本発明の第5の特徴は、核体が粉体または繊維状であることを特徴とする無電解めっき方法であることを要旨とする。この発明によれば、核体のサイズや形状を導電体の形状に合わせて選択できる。
また、本発明の第6の特徴は、無電解めっきにより析出する導電層がニッケルまたはニッケル合金、導電体が金または銅またはニッケルまたはニッケル合金であることを特徴とする無電解めっき方法であることを要旨とする。
また、本発明の第7の特徴は、核体の平均粒径が10nm以上10mm以下であることを特徴とする無電解めっき方法であることを要旨とする。この発明によれば、核体のサイズを任意に選択することが可能であることから、導電体の形状や無電解めっきまたは活性化前処理方法のシステムに合わせて核体の大きさを選択できる。
また、本発明の第8の特徴は、上記第1〜7の何れかの特徴を有する無電解めっき方法をめっき前処理とすることを特徴とする活性化前処理方法であることを要旨とする。
無電解めっきと下地金属の組み合わせの制限が緩い無電解めっきを提供する。更には、下地金属上に触媒処理を行わず、無電解めっきにより金属を析出させることができる。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分は、同一または類似の符号で表している。ただし、図面は模式的なものであり、数や長さ、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は、以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、これらは所望する機能や用途によってことなり、適宜判断するべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1に示す、本発明の第一の実施の形態に関わる導電層1とは、公知の無電解めっきで得ることが可能な材料である。本発明の無電解めっきとは、金属イオンを金属イオン還元剤の還元力で還元し析出させる方法を指す。このような導電層1として使用可能な具体的な材料は、金、プラチナ、銀、銅、鉛、パラジウム、錫、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛、アルミなどの金属及びこれらの合金などである。その他の無電解めっきで得られる材料は、リン含有ニッケル、ホウ素含有ニッケル、フッ素含有ニッケルなどが挙げられる。耐腐食性の観点からは、金、プラチナ、パラジウム、ニッケルなどの金属が好ましい。
次亜リン酸を還元剤に用いた一般的な無電解ニッケルめっきでは、ニッケル皮膜中にリンが共析する。ニッケル中のリン含有割合は、還元型無電解めっきの液成分によって1〜14重量パーセントの範囲で自在に変更可能である。更にリン含有率は、ニッケル−リン皮膜の電気抵抗や硬度、磁性などの諸特性を左右するため、目的にあわせてリン含有量を調整するとよい。例えば、電気抵抗が低いニッケル−リン皮膜を得る場合は、リン含有率が5パーセント以下であることが好ましく、リン含有率は3パーセント以下であることがより好ましい。更に低抵抗にするには、リン含有率が1パーセント以下であることが特に好ましい。
ニッケル皮膜の硬度は、リン含有量とアニール条件によって左右されるため、所望の状態に合わせてリン含有率を調整する必要がある。めっき直後の硬度を高くするには、リン含有率が低い方が良い。具体的には、リン含有率が8パーセント以下であることが好ましく、更には5パーセント以下であることがより好ましい。更に硬度を高くするにはリン含有率は3パーセント以下であることが更に望ましく、1パーセント以下であることが特に好ましい。
また、めっき後に例えば500℃以上でアニールを実施する場合は、結晶構造が変化するため、硬度は変化する。この場合、ニッケル−リン皮膜の硬度を高くするには、リン含有率は高い方が良い。具体的にはリン含有率が3パーセント以上であることが好ましく、更には5パーセント以上であることがより好ましい。より硬度を高くするにはリン含有率は8パーセント以上であることが更に望ましく、10パーセント以上であることが特に好ましい。
また、ニッケル−リン皮膜は、リン含有率が約8パーセント以上で非晶質構造となり、磁性は無くなる。よって、ニッケル−リン皮膜に磁性を持たせる場合は、リン含有率は8パーセント以下が好ましく、3パーセント以下がより好ましい。更には、リン含有率はゼロであれば最も好ましい。
本発明の第一の実施の形態に関わる核体3とは、無電解めっきによって、導電層1がその表面に析出する被めっき体及び該導電層1を表面に有した被めっき体を指す。核体3のサイズ及び形状は、本発明の無電解めっきによって、その表面に導電層1を析出させる初期の状態と定義する。
核体3のサイズ及び形状は、微粉体であることが好ましい。核体3の形状は、特に限定されないが、具体的には図2(a)〜(e)に示すように繊維状、粉末状、球状、楕円状、多孔体、多角形状または、これらの形状の複合体及び凝集体が挙げられる。また、核体3の表面は、凹凸が少ない方が、無電解めっきで均一なめっき皮膜が得られやすいことから好ましい。
核体3の形状が繊維状の場合、液中での絡まりや均一な分散性を確保するために、長さ方向は10mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。更には断面の最長長さは50μm以下が好ましく10μm以下がより好ましい。更に、核体3は液中での分散性や容器などへの付着がより少なくなること、または固液の分離がしやすいことから、繊維状よりも粉体の方が好ましい。核体3のサイズは、平均粒径10nm以上10mm以下が好ましい。
尚、核体3とめっき液の固液分離を行う必要がある場合は、核体3はより大きな方が好ましい。具体的には、平均粒径100nm以上10mm以下であることがより好ましく、平均粒径1μm以上10mm以下が特に好ましい。
また、核体3を均一に攪拌及び分散させる場合は、めっき槽の大きさにも依存するが核体3のサイズはより小さい方が好ましい。具体的には、平均粒径10nm以上1mm以下がより好ましく、平均粒径10nm以上100μm以下が特に好ましい。
尚、本発明で記載する平均粒径とは、メディアン径のことを指す。また、その粒度分布は限定しないが、ろ過を用いた固液分離を想定すると均一な方がより好ましい。具体的には、D50(メディアン径)と、D10またはD90の差の絶対値をD50で除して100を掛けた値が、200以内が好ましく、100以内がより好ましい。更には、50以内がさらに好ましく10以内が特に好ましい。尚、無電解めっきにより核体3の表面への導電層1の析出が進行するに従い、見掛けのサイズと形状は変化していくことは無論である。
本発明の第一の実施の形態に関わる核体3の材料は特に限定されない。表面に導電層1が析出中の核体3の断面を図3(a)〜(e)に示す。
図3(a)に示す様に、核体3は表面に形成される導電層1と同一組成で全てが構成されていても良く、この場合は前述の導電層1として記した金属や合金が使用できる。これらは、各種の金属や合金の様々なサイズのものが市場にあり、簡便に入手することができるため、汎用性が高い。
一方、図3(b)に示す様に、核体3は表面の導電層1と異なる材料で構成されていてもかまわない。例えば、核体3の表面導電層1以外の金属または合金、プラスチック、セラミック、有機物などが使用できる。具体的には、金、プラチナ、銀、銅、鉛、パラジウム、錫、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛、アルミなどの金属及びこれらの合金、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリスチレン樹脂(PS)、スチレン・アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(ABS)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリ4−メチルペンテン(TPX)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、酢酸セルロース、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、4フッ化・6フッ化プロピレン樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、4フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)、3フッ化塩化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンテレフタレート(PPO)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリウレタン樹脂、ポリエステルエラストマ、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの有機材質や、ガラス、石英、カーボン、シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機材質がある。更に核体3の材料としては、セルロースなどの有機物が使用できる。
核体3の構成は、図3(b)のように、上述の材料が複数層構造であっても良い。また、それらの凝集体でもよい。また、図3(c)、(d)に示す様に、凝集体の表面に層を形成されたものでもよい。特に核体3を均一にめっき液中に分散させるには、核体3の体積密度が軽いことが望ましいので、核体3にプラスチックを用いることが好ましく、プラスチック材料の比重がより軽いものが好ましい。
更には図3(b)に示すように、核体3が層構造であり、プラスチックの表面に金属が形成されている場合は、金属の厚みがより薄ければ、核体3全体の体積密度が支配的となり、より体積密度は軽くなり好ましい。具体的には、表面導電層1の厚さは核体3の平均粒径の50パーセント以下が好ましく、30パーセント以下がより好ましい。更には、10パーセント以下が更に好ましく、5パーセント以下が特に好ましい。例えば、平均粒径10μmのニッケル(リン含有率1パーセント以下)は、体積密度が8.9であるが、平均粒径10μmのポリスチレン粒子の表面にニッケル(導電層1)が厚さ0.1μm(平均粒径の1パーセント)で形成された核体3は、体積密度が約1.5となる。よって前者のニッケル単一組成の核体3よりも後者のポリスチレンとニッケルの核体3の方が、水(めっき液)中で弱い攪拌でより高分散する。
更に、核体3の表面が親水性の官能基をもつ材料であると、めっき液中での分散性が高まり、好ましい。親水性の官能基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホン基などが挙げられる。
また、図3(b)に示すように、核体3が層構造の場合、その表面は本発明の無電解めっきで形成する導電層1と同一材料であると、無電解めっきの際に自己触媒性により導電層1が析出し易く、好ましい。さらに、核体3の表面は、本発明の無電解めっきで形成する導電層1と同一材料でなくとも、無電解めっきに対して触媒作用のある金属を用いることができる。例えば、無電解ニッケルまたは銅めっきを行う場合は、図3(b)に示す様に、プラスチック粒子の表面にパラジウムや銀が形成されていると、核体3表面へニッケルまたは銅の導電層1が析出するため、好ましい。
尚、図3(a)に示すように、核体3全体が同一組成の場合は構成材料が、一方、図3(b)、(c)、(d)に示すように、核体3が層構造の場合は表面の材料が、貴金属または貴金属を含有すれば、後述するように核体3が繰り返し使用できて好ましい。
図3(b)、(c)、(d)のように、核体3が層状になっている場合、表面は連続した形状(層)でなくてもよく、具体的には図3(e)に示すように、表面に粒状な物体が付着したような形態であっても良い。
図1に示す導電体2の材料としては、金属、合金または有機成分もしくは無機成分含有金属など、導電性を有する材料が使用できる。導電体2の材料の具体的な例としては、金、プラチナ、銀、銅、鉛、パラジウム、錫、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛、アルミなどの金属及びこれらの合金などである。その他の無電解めっきで得られる材料は、リン含有ニッケル、ホウ素含有ニッケル、フッ素含有ニッケルなどが挙げられる。また、その形状は特に限定されないが、板状、球体、棒状などが上げられ、その表面は平滑、凹凸、その混合状態でもかまわない。
第一の実施の形態に関わる触媒とは、導電層1を形成させるための無電解めっきを実施する場合に、前記無電解めっきに対して触媒作用を発揮する物質を指す。触媒は、無電解めっきで析出させる導電層1と導電体2の組み合わせ及び使用する無電解めっきのシステムによって異なる。具体的には、導電体2が銅で、導電層1が次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした無電解ニッケルめっきで形成するニッケルまたはニッケル合金の場合は、パラジウム触媒、銀触媒、プラチナ触媒などが挙げられる。従来、無電解めっきによって析出させる導電層1が導電体2よりも卑な材料である場合は、金属のイオン化傾向の差を用いた置換めっきが不可能なため、導電体2上に無電解めっきに対して触媒作用のある金属を付与させる必要があったが、本発明では導電体2への触媒付与を必要としない。よって、本発明を実施した場合の状態である図1では、導電体2と導電層1の界面には触媒は存在しない。
本発明によると、導電体2への触媒付与処理を行わなくても無電解めっきで導電層1の形成が可能であるが、同時に核体3へも無電解めっきが進行する。例えば、導電体2へ無電解ニッケルめっきを行う場合、核体3または、核体3の表面が安定性の高い金やパラジウム、白金などを用いると、無電解めっき終了後に、核体3は表面にニッケル層を形成した形となる。核体3の表面に析出したニッケルを希硝酸等で溶解すると、核体3および核体3表面の金、パラジウム、白金などは溶解せず残っており、核体3を再利用することができる。また、パラジウム、白金などは無電解銅めっきや無電解ニッケルめっきに対して触媒作用を持つことから、核体3の材料として使用すると、より好ましい。
本発明の第一の実施の形態は、導電層1が析出中の核体3を、導電体2へ間欠的に接触させることにより、導電体2上に導電層1を無電解めっきする方法である。導電層1が析出中の核体3を間欠的に接触させる方法としては、導電体2と核体3を液中に浸漬し、マグネチックスターラー、撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)、空気揺動、振動、超音波印加などにより、攪拌し及び分散させることで達成される。また、導電体2をラックやケーブルなどの固定具によって保持し、上記に示した方法で、核体3を攪拌及び分散させた液中へ浸漬させると、導電体2を所望の時間で引き上げることができ、好ましく、核体3と導電体2を簡便に分離できるため、好ましい。また、導電体2を液中に浸漬し、この導電体2を揺動させることにより、核体3を導電体2に間欠的に接触させる方法が挙げられる。この場合、導電体2が攪拌羽の役目を負い、核体3が液中で攪拌及び分散されている。
本発明の第一の実施の形態に係る、核体3へ導電層1を析出させる無電解めっき方法としては、従来の無電解めっき方法を用いることができる。例えば、めっき液を建浴し、核体3を分散し、無電解めっきする方法(特開2003−157717号公報、特開2007−184115号公報)、核体3が浸漬された水溶液中へ、めっき液成分を滴下しながらめっきする逐次添加法(特許第2093116号公報、特許第2602495号公報)などが挙げられる。
具体的には、錯化剤を入れた水、触媒付与処理を行った核体3を分散させ、無電解めっき液成分の内、少なくとも金属イオンと、還元剤と、アルカリを分割し、それぞれの水溶液を個別に同時かつ平行に滴下していく方法である。但し、還元剤とアルカリは混ぜてあってもよい。尚、金属イオン、還元剤、アルカリ以外の無電解めっき成分、例えば添加剤、錯化剤などは、核体3が分割した水溶液、滴下溶液のどれに入っていてもよく、全てに入っていても良い。例えば、逐次添加法の場合に滴下を進めると、核体3の分散しためっき液は増加し、初期の錯化剤と核体3を建浴した初期懸濁水溶液の錯化剤濃度が低下していくので、錯化剤や添加剤を滴下溶液に予め適宜加えておくことで、滴下が進行しても、浴全体の錯化剤濃度や添加剤の濃度が変化せず、析出する導電層1の特性が均一となり、好ましい。図4に本発明に係る導電体2上に無電解めっきにより析出する導電層1が形成されていく経時変化を模式的に示した。なお、図4に示す時間経過と導電層1の厚みやその他サイズの比などは実際とは異なる。
(実施例1)
[導電体の調整]
導電体2として、10mm×10mmの銅板(ハルセル試験用銅板、株式会社山本鍍金試験器)を用意し、ガラス棒から被覆線を用いて吊り下げた。更に、比較サンプルとして、10mm×10mmのアクリル板、ポリスチレン板、スライドガラスを用意し、上記銅板を付けたガラス棒から同様にそれぞれを吊り下げた。このように、銅板、アクリル板、ポリスチレン板、スライドガラスが吊り下げられたガラス棒を3組(サンプルA1、B1、C1)用意した。銅板は希硫酸、他は水酸化ナトリウム水溶液で10秒洗浄し、直ぐに純水で水洗して使用した。
[導電体への無電解めっき]
1000mlのビーカーに水600ml、錯化剤として酒石酸ナトリウム16gを入れ80℃に温めた。ここへ、表面がニッケルで覆われた球状の核体3を4g(比重:2.0、平均粒径3μm)を投入し、撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)で撹拌(フッ素製4枚羽根、300rpm)して粒子を分散させた。この時の、分散液は灰色の懸濁状態であった。この懸濁液中へ、サンプルA1を投入した。次に、このビーカーへ定量ポンプを用いて表1に示しためっき液X、Yを、それぞれ同時に3.2ml/minの速度で滴下した。滴下開始30秒で懸濁液中から気泡の発生が確認され、核体3へのニッケルめっきが始まった。さらに滴下10分後の懸濁液中にサンプルB1を投入した。滴下開始から20分後にサンプルA1、及びB1を引き上げ、十分な流水洗を実施した。
このサンプルA1及びサンプルB1を、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、アクリル板、ポリスチレン板、スライドガラスには変化がなかったが、銅板表面は淡灰色を呈していた。この銅板の表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であった。
サンプルA1、B1、C1の銅板を王水に溶解し、原子吸光測定(偏向ゼーマン原子吸光光度計、Z−2300型、株式会社日立製作所製)を行ったところ、サンプルAとBは両方からニッケルと銅が検出されたが、C1からは銅だけ検出され、ニッケルは検出されなかった。このことから、サンプルA1とB1の銅板表面には、導電層1としてニッケルが析出したことが確認された。尚、サンプルA1、B1、C1の銅板はいずれからもパラジウム及び金、鉛は検出されなかった。また、EDX(堀場製作所製、EDX EX−300)を用いてサンプルA1及びB1の表面を分析したところ、析出したニッケルは2.5重量パーセントのリンを含有していた。銅板上に析出したニッケルは、鉛フリーで低リンであることがわかった。
このように、次亜リン酸ナトリウム系無電解ニッケルめっきを用いて、パラジウムのような触媒処理を施していない銅板上に、銅よりも卑な金属であるニッケルを無電解めっき方法で析出させることができた。
尚、めっき使用後の核体3を十分に乾燥させ、重量を測定したところ、めっき使用前より約4.1g重くなっていた。更に、めっき使用前後の核体3を20mg秤量し、約1mlの王水で溶解し、メスフラスコで20mlに希釈した後に100倍希釈した。これを原子吸光測定(偏向ゼーマン原子吸光光度計、Z−2300型、株式会社日立製作所製)を行ったところ、ニッケルが検出され、めっき使用前が3.2ppm、めっき使用後が6.8ppm検出された。尚、銅は検出されなかった。このことから、核体3には無電解ニッケルめっきが進行していたことが分かった。
表1に、ニッケルめっき用滴下液を示す。
Figure 2009263746

(実施例2)
[導電体の調整]
直径0.30mmの金ワイヤー5cm(株式会社ニラコ製)を、直径5mmのガラス棒に巻きつけ、らせん形状にした。この金ワイヤーを希硫酸中で10秒洗浄し、直ぐ流水洗を行い使用した。
[導電体への無電解めっき]
1000mlのビーカーに水600ml、錯化剤として酒石酸ナトリウム16gを入れ80℃に温めた。ここへ、表面にニッケル層を持つ核体3を4g(比重:2.0、平均粒径3μm)を投入し、撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)で撹拌(フッ素製4枚羽根、300rpm)して粒子を分散させた。この時の、分散液は灰色の懸濁状態であった。表1に示しためっき液XとYを同時に、0.5ml/minの速度で滴下した。滴下開始20分後に金ワイヤーを引き上げると、金ワイヤーは灰色を呈しておりニッケル皮膜が形成していた。光学顕微鏡を用いて落射光にてワイヤー表面の観察を行ったが、全面がニッケル皮膜で覆われており、表面は平滑で粒子の付着もなかった。
この金ワイヤーを王水で溶解し、この原液を原子吸光測定(偏向ゼーマン原子吸光光度計、Z−2300型、株式会社日立製作所製)を行ったが、パラジウムは検出されなかった。
(実施例3)
無電解ニッケルめっき液(ICPニコロンU、奥野製薬工業株式会社製)を85℃で建浴し、エアー攪拌を行った。
実施例1と同様の手順でサンプルA3とB3を得て、銅板は希硝酸中で10秒洗浄し、その他のサンプルはアルカリ水溶液中で10秒洗浄した。更に実施例2で処理した金ワイヤーを希硝酸液中で10秒洗浄し、直ちに流水洗を実施した。
これらのサンプルを、上記建浴した無電解ニッケルめっき液へ投入した。30分後、引き上げ十分な流水洗浄を行った。
このサンプルA3及びB3を、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、アクリル板、ポリスチレン板、スライドガラスには変化がなかったが、二つの銅板表面は全面が灰色を呈しており、ニッケル皮膜が形成されていた。このニッケル皮膜の表面は、凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑であった。また、金ワイヤーの表面も灰色を呈しており、凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑なニッケル皮膜が形成されていた。
サンプルA3及びB3の一部を、エポキシ樹脂を用いて注型してから研磨を行い、SEMを用いて銅配線の断面観察をおこなったところ、銅配線上のニッケル皮膜は約4μmであった。銅配線とニッケルとの界面に剥離や空隙は観察されず、良好な密着を得られていた。
更に、サンプルA3、B3の銅板及び金ワイヤーを王水に溶解し、原子吸光測定(偏向ゼーマン原子吸光光度計、Z−2300型、株式会社日立製作所製)を行ったところ、銅板と金ワイヤーからは、ニッケルが検出されたが、いずれからもパラジウムは検出されなかった。
このように実施例3では、本発明に係る実施例1と2の操作を行ったサンプルを、更に、通常の無電解ニッケルめっき浴にディップ(浸漬)することで、銅や金上にニッケルめっき膜を形成できることを示した。よって、本発明に係る実施例1と2の操作は、一般的なディップ(浸漬)による無電解めっき方法の前処理、例えば貴金属触媒処理や置換めっき処理などの活性化処理と同様の効果をもたらす前処理として使用することができることを示した。
尚、次亜リン酸系無電解ニッケルめっきでは、銅板に直接ニッケルを析出させることは難しく、銅板上へ予めパラジウムや銀などの貴金属触媒処理(活性化処理)を施す必要がある。
(実施例4)
ビーカー内に、参照電極(RE―1C飽和KCl/銀/塩化銀、ビー・エー・エス株式会社製)と金ワイヤーを入れ、両方をポテンションスタット(HA−151型、北斗電工株式会社製)へ接続したこと以外は、実施例2と同様の手順で操作を行った。金ワイヤーは作用電極へ接続した。
めっき液XとYの滴下を始めると、ポテンションスタットは−520mV〜−600mVへ変化した。その後ポテンションスタットの値は、−520mV〜−600mVの範囲で一定の値となった。
20分滴下したのち、金ワイヤーを引き上げ、流水洗浄を十分に行った。金ワイヤーの表面に、灰色を呈したニッケル皮膜が形成していた。ワイヤーを伸ばし、光学顕微鏡を用いて落射光にてワイヤー表面の観察を行ったが、全面がニッケル皮膜で覆われており、表面は平滑で粒子の付着もなかった。
ニッケルの析出が進行中の核体3が、金ワイヤー表面に接触することで、金ワイヤー表面の電位が、核体3表面の電位すなわちニッケル還元電位に変化した。攪拌によってビーカー中で分散している多数の核体3が金ワイヤーに間欠的に接触することで、金ワイヤー全体の電位が核体3表面の電位と近似し、触媒が無くても金ワイヤー表面にニッケル層が析出したと考えられる。実施例1も同様に、無数の核体3が銅板に間欠的にしかも継続的に接触することで銅板の電位が核体3表面の電位に近くなり、ニッケルの析出が起こったと考えられる。
(実施例5)
[導電体の調整]
導電体2として以下のサンプルを用意し、重量を測定した。
銅、25mm×22mm(ハルセル試験用銅板、株式会社山本鍍金試験器)
ニッケル、20mm×20mm(銅張り積層板の銅表面にニッケルめっき済み)※
金、20mm×20mm(銅張り積層板の銅表面にニッケル/金めっき済み)※
※銅張りエポキシ積層板:MCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)
これらを、ガラス棒から被覆線を用いて吊り下げ、3組(サンプルA5、B5、C5)用意した。銅板は希硫酸、他は希塩酸で10秒洗浄し、直ぐに純水で水洗して使用した。
[導電体への無電解めっき]
1000mlのビーカーに水600ml、錯化剤として酒石酸ナトリウム16gを入れ80℃に温めた。ここへ、核体3としてニッケル粒子28g(比重:8.9、平均粒径10μm)を投入し、撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)(フッ素製4枚羽根を使用)で撹拌(400rpm)して粒子を分散させた。この時の、分散液は灰色の懸濁状態であった。このビーカーへ定量ポンプを用いて表2に示しためっき液X、Yを、それぞれ同時に6.0ml/minの速度で滴下した。滴下開始30秒で懸濁液中から気泡の発生が確認され、核体3へのニッケルめっきが始まった。5分滴下し、泡の発生にムラが無く、ビーカー内の反応が十分均一になった後、懸濁液中にサンプルA5とB5を投入した。滴下開始から10分後にサンプルA5、及びB5を引き上げ、十分な流水洗を実施した。
無電解ニッケルめっき液(ICPニコロンU、奥野製薬工業株式会社製)を85℃で建浴し、エアーで攪拌を行った。ここへ、サンプルB5とC5を浸漬し、サンプルを揺動しながら30分めっきを実施した。サンプルをめっき液から引き上げ、十分な流水洗を実施した後、乾燥させた。
無電解めっき後のサンプルA5、B5、C5の重量測定結果と外観観察結果を、表2に示す。
Figure 2009263746


表2において、サンプルのニッケルの厚みは、以下の算出式に従って算出した。
Figure 2009263746


また、表2において、ニッケルの析出(外観)は、析出有りを〇、析出無しを×とした。
表2の結果より、本発明に係る無電解めっき方法を施したサンプルA5、B5は、Au板、Ni板、Cu板いずれの表面も、ニッケルの析出が確認された。一方、通常のディップによる無電解めっきの工程のみを施したサンプルC5では、Au板、Cu板の表面にニッケルの析出は確認されず、重量変化からNi板の表面にのみニッケルが析出した。これは、ニッケルは自己触媒性があるためと考えられる。
サンプルA5について、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、いずれの板の表面も一面に淡灰色を呈していた。これらの表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であった。また、そのニッケルの厚さは、Au板、Ni板、Cu板のいずれも約0.2μmであったことから、ニッケルの析出量は下地金属に依存していない。
このように貴金属のような触媒を用いずに、無電解めっきによって導電体2上に導電層1を形成することが可能であった。また、形成された導電層1は導電体2表面内でムラが無く、その厚みはサブミクロンレベルと極微量で、非常に薄い導電層1を均一に形成できた。更にこの導電層1は、導電体2に依存せず、ほぼ同じ厚みに導電層1を形成できることから、積層する金属の制限が緩い無電解めっき方法である。更に、異なる導電体2を同じめっき浴の中に入れ、同時に且つほぼ同量のニッケルを、無電解めっきによって析出させることができたことから、めっき工程を短縮する効果があり、めっきシステムの制限が緩い無電解めっき方法である。これによって、多品種の被めっき体(導電体2)を同時に処理することができる。
更に、サンプルB5のAu板、Ni板、Cu板について、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、いずれの板の表面も一面にムラ無く灰色を呈していた。これらの表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であった。また、析出したニッケルの厚みは4.4〜5.0μmであり、その厚みに下地金属の依存性は無かった。このように、下地金属に触媒付与処理を行わずとも、通常のディップによる無電解めっきが可能であった。また、下地金属に関係なく通常のディップによる無電解めっきによって均一な厚みのニッケル層を形成することが可能であった。このように、通常のディップによる無電解めっきで行われる貴金属触媒付与工程を代替する被めっき体の活性化前処理方法としての利用が可能であることを示した。
また、ニッケルは銅や金よりも卑な金属であり、通常の無電解めっき方法で金や銅の上にニッケルを析出させるには、貴金属を金や銅の上に付与することが必要であった。特に、次亜リン酸系の還元剤を利用した無電解ニッケルめっきにおいては、銅はニッケルに対して触媒作用を発揮しない為、貴金属触媒がなければニッケルは析出しない。本発明に係る無電解めっき方法では、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地の金属より卑な金属を無電解めっき方法により積層できた。更には、積層させる金属に対して触媒作用を発揮しない無電解めっきシステムを用いて、パラジウムや銀などの貴金属触媒を使用することなく、下地の金属上にことなる金属を無電解めっき方法により積層できた。
(実施例6)
[導電体の調整]
導電体2として銅板(25mm×22mm、ハルセル試験用銅板、株式会社山本鍍金試験器)を用意し、ガラス棒から被覆線を用いて吊り下げ、3組(サンプルA6、B6、C6)用意した。各サンプルを、ポリイミド製のテープで板の面積の約半分を保護し、希硫酸で10秒洗浄し、直ぐに純水で水洗した。水洗後直ぐに、置換金めっき(HGS−500、日立化成工業株式会社製、置換金めっき液、90℃)及び無電解金めっき(HGS−5400、日立化成工業株式会社製、無電解金めっき液、65℃)を行い、約1μmの金めっきを施した。ポリイミドテープを取り除き、金が半分、銅が半分露出したサンプルを得た。
[導電体への無電解めっき]
各サンプルは、(実施例5)と同様の手順で、無電解ニッケルめっきを実施した。このサンプルA6を、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、銅表面も金表面も全体が淡灰色を呈しており、ニッケルが析出した。また、表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であり、金と銅の下地の違いは無かった。
次に、サンプルB6を光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、銅表面も金表面も全体が灰色を呈していた。また、表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であり、こちらも金と銅の下地の違いは無かった。但し、サンプルC6は変化が無く、銅表面は酸化して変色していた。
サンプルB6をエポキシ樹脂を用いて注型してから研磨を行い、SEMを用いて銅配線の断面観察をおこなったところ、銅上のニッケル皮膜及び、金上のニッケル皮膜はともに約4μmであった。下地金属とニッケルとの界面に剥離や空隙は観察されず、良好な密着を得られていた。
このように、導電体2が異なる金属で形成され、連続(導通)した表面であっても、金属の違いによらず、均一なニッケル皮膜を形成できた。
(実施例7)
[導電体の調整]
以下の板状サンプルを用意し、重量を測定した。
銅、25mm×22mm(ハルセル試験用銅板、株式会社山本鍍金試験器)
ニッケル、20mm×20mm(銅張り積層板の銅表面にニッケルめっき済み)※
金、20mm×20mm(銅張り積層板の銅表面にニッケル/金めっき済み)※
ポリスチレン、20mm×20mm
※銅張りエポキシ積層板:MCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)
これらを、フッ素製攪拌羽根(直径3.5cm、4枚羽)の羽根の部分に1枚ずつしっかり固定した。これを撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)に固定した。使用する直前に希硫酸が入った300mlビーカーにサンプルの部分を浸漬し、10秒洗浄し、直ぐに洗瓶を用いて純水で水洗して使用した。
[導電体への無電解めっき]
1000mlのビーカーに水600ml、錯化剤として乳酸ナトリウム20gを入れ80℃に温めた。ここへ、表面にニッケル層を持つ核体3を6g(比重:2.0、平均粒径5μm)を投入した。サンプルが羽根に固定された撹拌機(スリーワンモーターBL600型、新東科学株式会社製)で撹拌して粒子を分散させた。撹拌機は、150rpm、正転5秒/逆転5秒で作動させた。分散液はこの動作で灰色の懸濁状態になり、核体3は分散していた。このビーカーへ定量ポンプを用いて表2に示しためっき液X、Yを、それぞれ同時に6.0ml/minの速度で滴下した。滴下開始30秒で懸濁液中から気泡の発生が確認され、核体3へのニッケルめっきが始まった。滴下開始から10分後にサンプルを素早く、めっき液から引き上げ、十分な流水洗を実施した。
このサンプルを攪拌羽根から取り外し、重量を測定したところ、金、銅、ニッケルのサンプルは重量が数mg増加していたが、ポリスチレンは変化していなかった。更に、光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、銅と金の表面は全体が淡灰色を呈しており、ニッケルが析出したことを確認した。また、表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であった。このように、導電体2を液中で揺動することで、導電層1が析出中の核体3と導電体2が接触し、導電体2に無電解ニッケルめっきを行うことができた。無電解めっきによって発生する泡(水素)によって、核体3が導電体2表面に付着しやすいため、核体3を十分に分散させ、攪拌する必要がある。導電体2を揺動すると、低い回転数の撹拌でも導電体2表面のニッケル層に核体3が取り込まれず、ニッケル層が形成できた。
次に、このサンプルをガラス棒から被覆線を用いて吊り下げた。無電解ニッケルめっき液を85℃で建浴し、エアーで攪拌を行った。(ICPニコロンU、奥野製薬工業株式会社製)サンプルを希硫酸中で10秒水洗後、流水洗を10秒実施し、直ぐにめっき液へ浸漬し、サンプルを揺動しながら30分めっきを実施した。サンプルをめっき液から引き上げ、十分な流水洗を実施した後、乾燥させた。
サンプルの各重量を測定したところ、金、銅、ニッケルのサンプルは重量が30〜40mg増加していたが、ポリスチレンは変化していなかった。金、銅、ニッケルには無電解めっきによってニッケルが析出した。また、サンプルを光学顕微鏡の落射光にて表面観察を行ったところ、金、銅、ニッケルの表面は全体が灰色を呈していた。また、表面に凹凸や粒子などの異物の付着はなく平滑な表面であり、金、銅、ニッケルのサンプルをエポキシ樹脂を用いて注型してから研磨を行い、SEMを用いて断面観察をおこなったところ、いずれもニッケル皮膜はともに約4μmであった。下地金属とニッケルとの界面に剥離や空隙は観察されず、良好な密着を得られていた。
(比較例1)
核体3に、アクリル製の球状粒子:8g(比重:1.0、平均粒径3μm)を使用した以外は(実施例1)と同様の手順で作業を行った。導電体2及び比較サンプルとして10mm×10mmの銅板(ハルセル試験用銅板、株式会社山本鍍金試験器)、アクリル板、ポリスチレン板、スライドガラスを用意し、ガラス棒から被覆線を用いて吊り下げたサンプルA11を用意した。
実施例1の手順に従い、核体3が分散した液の中へサンプルA11を投入し、定量ポンプを用いて表1に示しためっき液X、Yを、それぞれ同時に3.2ml/minの速度で滴下した。しかし、5分経っても変化は起こらなかったので、そのまま滴下を進めたところ、突然ビーカー内から泡が発生し黒い沈殿物が発生した。めっき液は分解し、ニッケルが異常析出して沈殿した。サンプルA11を引き上げ、流水洗を十分行い、観察したが、どの板にも変化がみられず、特に銅は、表面が参加して変色していたが、ニッケルの析出は見られなかった。
また、アクリルの核体3は異常析出したニッケルの塊に取り込まれたり、何の変化も無いものなどが見られた。しかし、核体3の表面に、無電解めっきで連続的に析出したと考えられるようなニッケル層は形成されていなかったことから、核体3へは無電解めっきが進行していなかったことがわかった。
このように、無電解めっきによって金属の析出が起こっていない核体3を、導電体2へ接触させても導電体2への無電解めっきは起こらなかった。
本発明の第1の実施の形態に係り、無電解めっきにより導電層が析出中の核体が間欠的に導電体へ接触したことで形成された導電層、及び導電体の断面図である。 本発明の実施の形態に係る核体の鳥瞰図である。 本発明の実施の形態に係る核体の断面図である。 本発明の実施の形態に係る、核体及び、導電体、導電層の断面図で、無電解めっきにより導電層が析出中の核体が間欠的に導電体へ接触したことによって、導電体上に導電層が析出していく過程を経時的に表した図である。
符号の説明
1…導電層
2…導電体
3…核体

Claims (8)

  1. 無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体を、導電体へ間欠的に接触させることを特徴とする導電体への無電解めっき方法。
  2. 無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体が分散し、攪拌しているめっき液中へ、導電体を浸漬することを特徴とする導電体への無電解めっき方法。
  3. 無電解めっき液中に核体が分散され、核体表面に無電解めっきにより導電層が析出中の核体が分散している液中へ、導電体を浸漬し、導電体を揺動することを特徴とする導電体への無電解めっき方法。
  4. 導電体への触媒付与処理を行わないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の無電解めっき方法。
  5. 核体が粉体または繊維状であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の無電解めっき方法。
  6. 無電解めっきにより析出する導電層がニッケルまたはニッケル合金、導電体が金または銅またはニッケルまたはニッケル合金であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の無電解めっき方法。
  7. 核体の平均粒径が10nm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の無電解めっき方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の無電解めっき方法をめっき前処理とする活性化前処理方法。
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