JP2009263415A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低温での製膜や延伸配向により、良好な機械的強度や耐薬品性を有するポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上であるジオール成分とからなるポリエステルであって、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂からなるポリエステルフィルムb/a≧0.05(mW/mg・℃)・・・(1)なお、aは温度A1(℃)と、温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
【選択図】図1

Description

本発明は、操業性も良好で、低融点にも関わらず結晶性に優れたポリエステルからなるフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、かつ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等として幅広く用いられている。
近年、上記用途以外にも、リサイクル可能という観点から、これまでポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の他素材が使用されていた用途までポリエステルが使われるようになってきている。
しかし、PETや多くのポリエステルはこれらの他素材と比較して融点が高いため、他素材からの代替には製膜条件を大幅に変えねばならないという問題があった。
そこで、他素材の代替として種々の共重合成分を共重合したポリエステルを用いることが試みられている。例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルは、耐熱性や耐衝撃性が良好であることから成形用途においては幅広く用いられている。しかし、この共重合ポリエステルはPETと比較して結晶性に劣り、PETフィルムのように延伸を行うことで強度やガスバリア性を高めることができないという問題がある。
上記問題を回避する手段として、明確な結晶融点を示す共重合ポリエステルが望ましい。しかしながら構成成分によっては、例えば比較的安価であり広く用いられる脂肪族酸であるアジピン酸を共重合した場合、ポリエステルの結晶性は良好であるが、ガラス転移温度については低下してしまう。そのため、重合したポリエステルをストランド状に払い出してチップ化する際、ポリマーをガラス転移温度以下に冷却することが困難となり、ポリマーの固化が不足してしまうため、カッターブレードへのポリエステルの固着や、ストランド間の融着等が発生するなど、操業性に問題が生じる場合があった。
また、酸成分が芳香族ジカルボン酸と、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ラクトンからなり、ジオール成分が脂肪族ジオール成分からなり、融点が150〜200℃の範囲であるポリエステルも提案されている。(特許文献1参照)
しかし、この組成でも他素材と比較するとまだ低融点領域とはいえないため、製膜条件の変更を行わずに他素材へと置き換えることが出来ないという問題がある。
特開平9−12693号公報
本発明は、低融点でありながら結晶性が良好なポリエステルからなる、強度、耐薬品性に優れたポリエステルフィルムを提供しようとするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上であるジオール成分とからなるポリエステルであって、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂からなるポリエステルフィルムを要旨とするものである。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
本発明によれば、比較的低温での製膜や延伸配向により、良好な機械的強度や耐薬品性を有するポリエステルフィルムが得られる。このポリエステルフィルムは製膜時の操業性も良好である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ベースポリマーとなるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸 (以下、TPAとする)、ジオール成分として、1,4−ブタンジオール(以下、BDとする)と1,6−ヘキサンジオール(以下、HDとする)を主成分とし、HDが50モル%以上であることが必要である。
ジカルボン酸成分としては、TPAが60モル%以上、中でも80モル% 以上であることが好ましい。TPAが60モル%未満であると融点が本発明にて規定する範囲から外れたり、ポリマーの結晶性が低下しやすくなるため好ましくない。
なお、ジカルボン酸成分には、その特性を損なわない範囲でTPA以外の共重合成分を含有させることができる。他の共重合成分の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸、又は、これらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸、又は、これらのエステル形成性誘導体、フタル酸、イソフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、などに例示される芳香族ジカルボン酸、又は、これらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
ジオール成分において、HDは50モル%以上であり、中でも60〜95モル%であることが好ましい。HDが50モル%未満の場合、ポリマーの融点が150℃を超えるものとなり、また(1)式を満足しないものとなる。
また、ジオール成分において、BDは5〜40モル%とすることが好ましい。BDが5モル%未満であると、ポリマーの融点が本発明で規定する範囲外のものとなったり、重合性が低下するため好ましくない。一方、BDが40モル%を超えると、ポリマーの融点が本発明で規定する範囲外のものとなったり、結晶性が低下するため好ましくない。
ジオール成分には、HDやBD以外にもその特性を損なわない範囲で、他の成分を含有させることができる。他のジオール成分の具体例としては、エチレングリコール(以下、EGとする)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコールや、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA、又は、ビスフェノールS、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコールなどに例示される芳香族グリコール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどに例示される多価アルコールなどが挙げられる。
また、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどに例示される環状エステルなどを用いることができる。
ポリエステル樹脂の融点は100〜150℃であり、中でも105〜140℃、さらには110〜130℃であることが好ましい。ポリエステル樹脂の融点が100℃未満であると熱安定性が悪くなるため、操業性や生産性も低下する。一方、融点が150℃を超えると、他素材との製膜温度の違いのために製膜条件の変更が必要となるため、好ましくない。
さらに、ポリエステル樹脂は、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線においてb/aが0.05(mW/mg・℃)以上であることが必要であり、0.06以上であることが好ましい。一方、b/aが大きいほど結晶性に優れるものとなるが、本発明で目的とする効果を奏するにはb/aを0.5以下とすることが好ましい。
上記b/aは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線より求められる。図1に示すように、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
b/aは、降温時の結晶性を表す指標であり、b/aの値が高いと結晶化速度が速く、逆に0に近いほど、結晶化速度が遅いことを示している。b/aが0.05(mW/mg・℃)未満の場合、結晶化速度が遅いため、ポリエステルのチップ化や貯蔵・運搬、および乾燥工程においてブロッキングが生じやすくなる。また、製膜時に延伸ができず、フィルムの強度が低い、あるいは、ガスバリア性が不十分となるため、好ましくない。
上記b/aの値は、本発明で規定するポリエステル樹脂の共重合組成とともに後述する製造方法を採用することにより、本発明で規定する範囲とすることができる。
なお、本発明における融点とDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線は、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、窒素気流中、温度範囲−20℃〜250℃、昇温(降温)速度20℃/分で測定するものである。
ポリエステル樹脂は、極限粘度が0.5以上であることが好ましい。極限粘度が0.5未満のものでは、各種の物理的、機械的、化学的特性が劣るため好ましくない。一方、極限粘度が高すぎても、溶融粘度が高くなるために押出が困難になったり、また、溶融粘度を下げるべく製膜温度を上げねばならず、実用上1.5以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂には、目的を損なわない範囲内で、リン酸エステル化合物やヒンダードフェノール化合物のような安定剤、コバルト 化合物、蛍光増白剤、染料のような色調改良剤、可塑剤、顔料、制電剤、難燃剤などの各種添加剤を一種類または二種類以上添加してもよい。
また、ポリエステル樹脂は、結晶性を向上させるために、結晶核剤を含有することが好ましい。結晶核剤としては、特に限定はしないが、中でもタルクなどの珪素酸化物を主成分とした無機系粒子やポリオレフィン(粒径数mm程度のチップ状のものや、粒径数μmのワックス状のもの)などが好ましい。含有量としては、0.01〜5.0質量%が適当である。
ポリエステル樹脂の製造は、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとする)をHDで解重合させた後に、重縮合反応を行う方法を採用することが好ましい。具体的には、極限粘度が0.5以上のPBT100モル%に対し50〜200モル%のHDを添加して、反応温度200〜250℃、反応時間0.5〜2時間の条件で解重合反応を行うことにより得られた反応物を、0.01〜10hPa程度の減圧下、反応温度220〜280℃の条件で、所定の極限粘度のものが得られるまで重縮合反応を行う。また、重縮合反応は触媒存在下で行われるが、触媒としては従来一般に用いられているアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マンガンおよびコバルト等の金属化合物のほか、スルホサリチル酸、o−スルホ安息香酸無水物などの有機スルホン酸化合物を用いることができる。
結晶核剤や各種添加剤は、粉体またはジオールスラリーなどの形態で、ポリエステルを製造する際の任意の段階で添加すればよい。例えば、解重合反応時に添加してもよいし、重縮合反応の段階で添加してもよい。
そして、重縮合反応においてポリエステルが所定の極限粘度に到達したら、ストランド状に払い出して、冷却、カットすることによりチップ化する。
本発明のポリエステルフィルムは、前述のポリエステル樹脂を製膜して得られるものである。
本発明のポリエステルフィルムは、長さ、幅、厚さに特に制限はなく、 テープ類、リボン類も含む。また、未延伸のシート状のものでもよいし、 一軸又は二軸に延伸された延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルムが好ましい。得られるフィルムの厚さは1〜20μmとするのが好ましく、より好ましくは5〜15μmである。
本発明のポリエステルフィルムの製膜方法は特に制限はなく、従来公知の任意の方法を用いて製造することができ、例えば溶融成形法を用いることができる。
溶融成形法としては、例えばT型金口を用いた溶融押出し方法(Tダイ法)、インフレーション法などの溶融押出し法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などが挙げられ、その中でも得られるフィルムの厚さムラが小さくできることからT型金口を用いた溶融押出し法が好ましい。
Tダイ法では、例えば単軸押出機、二軸押出機などの公知の押出機にあらかじめ乾燥させたポリエステルチップを供給した後、溶融押出しして未延伸フィルムとし、次いで延伸して延伸フィルムを得る方法を用いることができる。未延伸フィルムを得る際の溶融押出しは100〜250℃の温度範囲で行うことが好ましい。
また、Tダイ法における冷却法は特に限定はなく、例えばワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けたキャスト法、キャスティングドラム温度を(ポリエステル樹脂のガラス転移点)以上かつ((ポリエステル樹脂のガラス転移点)−20℃)以下として押出してポリマーを粘着させる方法、もしくはこれらの方法を複数組み合わせた方法によりフィルム・シート状の樹脂をキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸フィルムを得る方法が挙げられる。これらの冷却法の中でも、生産性を損なわず平面性を維持する観点から、ワイヤー状電極、もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法が好ましく使用され、特にテープ状電極を使用して静電印加する方法が好ましく用いられる。また、冷却温度は−20〜60℃であることが好ましい。
未延伸フィルムの延伸方法としては特に制限はなく、一軸延伸方法や二軸延伸方法が挙げられる。二軸延伸方法としては、例えば長手方向に延伸した後幅方向に延伸する、あるいは幅方向に延伸した後長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法が挙げられ、一軸延伸方法としては、長手方向または幅方向にのみ延伸する方法などが挙げられる。
延伸方法において採用される延伸倍率は特に限定されるものではないが、長手方向・幅方向それぞれの方向に2.0〜5.0倍が好ましい。同様に、延伸温度についても特に限定されるものではないが、延伸温度は60〜110℃であることが好ましい。また、延伸は各方向に対して複数回行ってもよく、複数の温度で行っても良い。
延伸フィルムの寸法安定性を向上させるため、延伸後に熱処理を行っても良い。この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上など公知の任意の方法により行うことができる。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、通常は1〜30秒間行うのが好ましい。熱処理はフィルムを長手方向及び/又は幅方向に弛緩させて行ってもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、接着性等を向上させるために、その表面にコロナ放電処理などの表面処理を施してもよい。また、フィルムの表面に易接着性コーティング剤や樹脂などの各種コーティングを施してもよく、その塗布化合物、方法、厚みは本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
本発明のポリエステルフィルムには、単独又は複数の他の重合体からなるシートやフィルム、面上の支持体、多孔質のフィルムや不織布、紙状物、織編物等を積層してもよい。積層方法としては特に制限は無く、例えば押出しラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、無溶剤ラミネート法、ドライラミネート法、共押出しラミネート法などが挙げられる。また、表面に金属や金属酸化物を蒸着層を形成してもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、そのままのフィルムで用いるほか、各種成形方法により成形品として用いることができる。成形する際の成形方法としては、例えばフリードローイング法、リッジフォーミング法、プラグアンドリング成形法、スリップ成形法、真空成形法、圧空成形法、マッチドモールド成形法などの成形法が挙げられる。中でも真空成形法が好ましく、真空成形法としては、例えば直接法、ドレイプ成形法、エア・スリップ法、スナップバック法、プラグ・アシスト法、エア・クッション法などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは、そのままで、あるいは成形品として、食品、飲料、工業製品や半製品、玩具、雑貨等の包装材料に好ましく用いることができる。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(a)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(b)融点、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線
前記の方法により測定した。
(c)ポリマー組成
ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1:20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA−400型NMR装置にてH−NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(d)フィルムの引張強度
ASTM−D882に準じて、幅10mm、長さ10cmの試験片を用いて、測定装置として島津製作所社製オートグラフ DSS−500 型を用いた。なお、測定は、フィルムの機械方向(MD)及びその直角方向(TD)について行い、それぞれの方向について各10枚の試験片を採取して測定し平均値とした。100MPa以上を合格(○)、100MPa未満を不合格(×)とした。
(e)耐薬品性
フィルム試験片(30mm×30mm)を4種類の有機溶媒(トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン)100ml中にそれぞれ投入し、常温で72時間シェーカーにて振動下においた後、フィルム試験片を観察し、4種類中1つでも溶解傾向が見られたら(×)、4種類すべて投入前の形状を保っていた場合(○)とした。
(f)製膜操業性
1週間の連続操業状況を観察し、掴み外れとクリップに起因するフィルム 破断の回数を1日平均で求め、破断の回数が1日平均3回未満であった場合(○)とし、破断の回数が1日平均3回以上であった場合(×)とした。
実施例1
エステル化反応缶に、PBTチップ(三菱化学社製、極限粘度1.1)36kg、及び、HD31kg(PBT100モル%に対してHDを150モル%)を供給し、温度230℃、圧力0.2MPaの条件で1時間撹拌(解重合反応)を行った。次に、得られた反応生成物を重縮合反応缶に移送し、重縮合触媒としてテトラブチルチタネートを4質量%含有するBD溶液を1.0kgとを重縮合反応缶に投入した後、反応器内の圧力を徐々に減じ、70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、常法によりストランド状に払い出し、チップ化した。ポリエステル樹脂の組成と特性を表1に示す。
次いで、得られたポリエステルを乾燥した後、押し出し機に供給して180℃で溶融してT型口金よりシート状に押し出した後、冷却固化することにより未延伸フィルムを得た。次いで、未延伸フィルムを70℃に予熱した後、90℃で縦、横方向におのおの3.3倍延伸して厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの引張強度、耐薬品性及び製膜操業性を表1に示す。
実施例2
解重合時間を0.5時間とした以外は実施例1と同様にして実施した。得られたポリエステル樹脂の組成と特性、フィルムの特性や製膜操業性を表1に示す。
比較例1
HDの投入量を変更したこと以外は実施例1と同様にして実施した。得られたポリエステル樹脂の組成と特性、フィルムの特性や製膜操業性を表1に示す。
比較例2
エステル化反応缶に、PBTチップ19.8kg、HD31.0kg、IPA13.1kg(酸成分100モル%に対してHDを150モル%)を供給したこと以外は、実施例1と同様にして実施した得られたポリエステル樹脂の組成と特性、フィルムの特性や製膜操業性を表1に示す。
実施例1、及び2により得られたポリエステルフィルムについては、フィルム強度および耐薬品性に優れており、製膜操業性も良好であった。
比較例では以下の問題があった。
比較例1では、HDが少ないため融点が195℃と高く、180℃の製膜温度では製膜ができなかった。
比較例2では、TPAが少なかったため結晶性を有しておらず、DSCでは融点を確認できなかった。また、フィルムの引張強度が低く、1日平均3回以上の破断が発生し、製膜操業性に劣っていた。
本発明におけるDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線の一例である。

Claims (1)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを主成分とし、1,6−ヘキサンジオールが50モル%以上であるジオール成分とからなるポリエステルであって、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂からなるポリエステルフィルム。
    b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
    なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
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