JP2009261088A - 負荷回路の保護装置 - Google Patents

負荷回路の保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009261088A
JP2009261088A JP2008105730A JP2008105730A JP2009261088A JP 2009261088 A JP2009261088 A JP 2009261088A JP 2008105730 A JP2008105730 A JP 2008105730A JP 2008105730 A JP2008105730 A JP 2008105730A JP 2009261088 A JP2009261088 A JP 2009261088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
current
wire
pseudo
electric wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008105730A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihide Nakamura
吉秀 中村
Akinori Maruyama
晃則 丸山
Keisuke Ueda
圭祐 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2008105730A priority Critical patent/JP2009261088A/ja
Priority to CN200980113400.0A priority patent/CN102007659B/zh
Priority to US12/937,993 priority patent/US8437110B2/en
Priority to EP09731931.3A priority patent/EP2276135B1/en
Priority to PCT/JP2009/057598 priority patent/WO2009128478A1/ja
Priority to EP13194612.1A priority patent/EP2717403B1/en
Publication of JP2009261088A publication Critical patent/JP2009261088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】フューズを模擬したスイッチ回路を用いることにより、電線の細経化を可能とする負荷回路の保護装置を提供する。
【解決手段】発熱による電線温度を求める演算式、及び放熱による電線温度を求める演算式の、導体抵抗r、及び熱容量Cをそれぞれ疑似導体抵抗r*、疑似熱容量C*として、疑似演算式を作成する。そして、この疑似演算式を用いて電線温度を求め、求められた電線温度が電線の許容温度に達した時点で半導体リレーS1を遮断する。その結果、過電流の発生等に起因して電線温度が上昇した場合には、電線温度が許容温度に達する前の時点で確実に回路を保護することができる。このため、従来より使用しているフューズが不要となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、負荷回路に過電流が流れて電線温度が上昇した際に、即時に負荷回路を遮断して回路を保護する負荷回路の保護装置に関する。
車両に搭載されるバルブやモータ等の負荷に電力を供給する負荷回路は、バッテリと、該バッテリと負荷との間に設けられる電子スイッチ(MOSFET等)とが備えられており、バッテリ、電子スイッチ、及び負荷がそれぞれ電線を含む導体を介して接続されている。更に、電子スイッチをオン、オフ操作する制御回路が設けられており、該制御回路より出力される駆動、停止信号により、電子スイッチがオン、オフ動作して負荷の駆動、停止が切り換えられる。
このような負荷回路においては、負荷に過電流が流れた際に、いち早く回路を遮断して、負荷、電線、電子スイッチ等を保護するために、フューズが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
図18は、従来における負荷回路を概略的に示す説明図であり、負荷101の電源側端子はECU(自動車用電子制御ユニット)102、及びジャンクションボックス(J/B)103を介してバッテリVBに接続される。
ECU102は、MOSFET等の電子スイッチTr1が複数設けられ、制御IC104によりオン、オフが制御される。また、各電子スイッチTr1の上流側にはフューズF1が設けられており、該フューズF1により下流側の電線W101を保護している。換言すれば、フューズF1の下流側に設けられる電線W101は、フューズF1の遮断電流に耐え得る電線径(断面積)の電線が用いられている。
また、J/B103には、フューズF2が設けられており、該フューズF2により下流側の電線W102を保護している。換言すれば、フューズF2の下流側に設けられる電線W102は、フューズF2の遮断電流に耐え得る径(断面積)の電線が用いられている。
ここで、例えば負荷101としてバルブが用いられる場合には、バルブのオン時に発生するラッシュ電流及びバルブのオン、オフの繰り返しによりフューズF1,F2が劣化する。このため、フューズF1,F2の経年使用による劣化に起因してフューズF1,F2に誤遮断が発生する場合がある。このようなトラブルの発生を防止するために負荷電流に対して、マージンを考慮したフューズを選定している。即ち、通常よりも遮断電流を若干高くしたフューズを用いている。その結果、マージンを考慮したヒューズの特性に適合可能な電線を用いる必要があり、負荷回路に用いる電線径を細径化することが難しくなっている。
特開2003−100196号公報
昨今において、負荷回路に用いる電線をできるだけ小型化、細径化したいという要望が高まっている一方で、上述したように従来の負荷回路の保護装置では、過電流の発生により電線温度が上昇した際に回路を遮断するフューズを設けており、該フューズは経年使用による劣化に起因する誤遮断を防止するために、マージンを考慮しているので電線を小型化、細径化することが難しいという欠点がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フューズを模擬したスイッチ回路を用いることにより、電線の細経化を可能とする負荷回路の保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、電源より出力される電力を負荷に供給して駆動する負荷回路の電線温度が上昇した際に、前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、経過時間を計時するタイマと、下流側の電線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記負荷回路の接続、遮断を切り換えるスイッチ手段と、前記負荷回路に用いられる電線の熱容量よりも小さい疑似熱容量、及び前記電線の導体抵抗よりも大きい疑似導体抵抗が設定され、電線の熱容量と導体抵抗を用いて電線温度を算出する演算式に、前記疑似熱容量及び前記疑似導体抵抗を代入した疑似演算式を有し、前記電流検出手段で検出される電流値と、前記タイマで計時される経過時間とに基づき、前記疑似演算式を用いて前記電線の温度を推定する温度推定手段と、前記温度推定手段で推定される電線温度が前記電線の許容温度に達した場合に、前記スイッチ手段を遮断する遮断制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記遮断制御手段は、前記スイッチ手段を遮断した後、前記温度推定手段により推定される温度が周囲温度以下に低下した場合に、前記スイッチ手段を接続可能状態にすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記疑似演算式に基づく電流・遮断時間特性は、前記負荷回路に用いられる電線径よりも1ランク細い電線径の電流・遮断時間特性よりも低くなるように、前記疑似導体抵抗、及び前記疑似熱容量が設定されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記疑似演算式に基づく電流・遮断時間特性は、前記負荷回路に用いられる電線を保護するために使用するフューズの最低の電流・遮断時間特性と、最高の電流・遮断時間特性との間となるように、前記疑似導体抵抗、及び前記疑似熱容量が設定されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記電線温度を算出する演算式は、発熱時が下記(1)式であり、放熱時が下記(2)式であることを特徴とする。
T2=T1+I1rR{1−exp(−t/C・R)} …(1)
T2=T1+I2rR{exp(−t/C・R)} …(2)
但し、T1は周囲温度[℃]、T2は電線の推定温度[℃]、I1,I2は通電電流[A]、rは電線導体抵抗[Ω]、Rは熱抵抗[℃/W]、Cは熱容量[J/℃]、tは時間[sec]。
本発明に係る負荷回路の保護装置では、負荷回路に接続する電線温度を推定する演算式の電線の導体抵抗、及び熱容量をそれぞれ疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*として、電線温度を推定し、推定した電線温度が電線の許容温度(例えば、発煙温度)に達した場合には、スイッチ手段を遮断して回路を保護する。従って、過電流による発熱により電線温度が上昇した場合には、電線の実際の許容温度に達する前に確実に回路を遮断して電線、負荷を保護することができる。また、従来のフューズのように、ラッシュ電流及び負荷のオン、オフの繰り返しにより劣化することがなく、遮断温度にマージンをとる必要がないので、電線径を細径化することができる。このため、電線の小型、軽量化を図ることができ、ひいては燃費向上の効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る保護装置が適用される負荷回路の構成を示す回路図である。
図1に示す負荷回路は、例えば、車両に搭載されるバルブ、モータ等の負荷11に、バッテリVB(電源)より出力される電力を供給して各負荷11の駆動、停止を制御する回路であり、ECU(自動車用電子制御ユニット)12、及びジャンクションボックス(J/B)13を備えている。
ECU12は、MOSFET等の電子スイッチTr1を複数備えており、各電子スイッチTr1の一方の端子は負荷11に接続され、他方の端子は電線W1を介してJ/B13に接続されている。また、ECU12は制御IC14を備えており、該制御IC14により各電子スイッチTr1のオン、オフが制御され、これに伴って負荷11の駆動、停止が制御される。
J/B13は、電線W1とバッテリVBを接続するスイッチ回路16(図中、「IPS」で示す)を複数備えており、該スイッチ回路16は、制御部15の制御下で動作する。
図2は、スイッチ回路16の詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すように、スイッチ回路16は、半導体リレーS1(スイッチ手段)と、電線W1に流れる電流を検出する電流計163と、電流が流れる経過時間を計時するタイマ162と、電流計163で検出される電流値、及びタイマ162で計時される時間に基づいて半導体リレーS1のオン、オフを制御する制御回路161を備えている。
そして、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、制御回路(温度推定手段、遮断制御手段)161により後述する手法(疑似演算式を用いた電線温度の推定手法)を用いて電線W1の温度を推定し、電線W1の推定温度が電線W1の許容温度(例えば、150℃)に達した場合に、電線W1の上流側を遮断して電線W1、及び該電線W1の下流側に設けられる各電子スイッチTr1及び各負荷11を保護する。
以下、電線W1の温度を推定する手法について詳細に説明する。以下に示す(1)式は、発熱時における電線温度を示す一般式であり、(2)式は、放熱時における電線温度を示す一般式である。
T2=T1+I1rR{1−exp(−t/C・R)} …(1)
T2=T1+I2rR{exp(−t/C・R)} …(2)
(1)、(2)式において、T1は周囲温度[℃]、T2は電線の推定温度[℃]、I1,I2は通電電流[A]、rは電線の導体抵抗[Ω]、Rは熱抵抗[℃/W]、Cは熱容量[J/℃]、tは時間[sec]である。なお、上記の周囲温度T1は、回路が設けられる環境に基づく雰囲気温度を代入する方法、または、温度計(図示省略)を設置し、該温度計で検出される温度を代入する方法等を用いることができる。
従って、(1)式に、周囲温度T1、電流I1、時間tを代入することにより発熱時における電線W1の推定温度T2を求めることができ、(2)式に、周囲温度T1、電流I2、時間tを代入することにより放熱時における電線W1の推定温度T2を求めることができる。
そして、推定温度T2が所定の閾値温度に達した時点でスイッチ回路16を遮断すれば、電線W1を含む負荷回路全体を保護することができる。例えば、電線W1の許容温度が150℃である場合には、閾値温度をこの150℃よりも低い温度である50℃に設定しておけば、過電流による発熱で電線W1が許容温度に達して、発煙するに至る前の時点で回路を遮断して、電線W1を含む負荷回路全体を保護することができる。従って、従来のように、各負荷回路の上流側にフューズを設けることなく、確実に温度上昇を検知して回路を遮断し、回路を保護することができる。
本実施形態では、閾値温度を電線の許容温度に設定し、上記の(1)式、(2)式に示す導体抵抗r、及び熱容量Cの値を変更することにより、実質的に許容温度よりも低い温度で回路が遮断されるように設定する。具体的には、上記の導体抵抗rを電線の実際の導体抵抗よりも大きい値「r*」(疑似導体抵抗)とし、熱容量Cを電線の実際の熱容量よりも小さい値「C*」(疑似熱容量)とする。
そして、上記(1)式、(2)式に、疑似導体抵抗r*を代入した演算式を用いて電線温度T2を算出すると、発熱時には実際の温度よりも高い温度が算出される。以下、これを図8、図9に示す特性図を参照して説明する。
図8は、許容温度150℃の電線(以下、サンプル電線という)を使用し、このサンプル電線に15[A]の電流を連続通電したときの、電線温度の変化を示す特性図であり、曲線s11は、(1)式に示す導体抵抗rをこのサンプル電線の導体抵抗r=32.7[mΩ]とした場合(通常の導体抵抗を用いた場合)の特性曲線であり、曲線s12は、(1)式に示す導体抵抗rを疑似導体抵抗r*=114.45[mΩ]とした場合の特性曲線である。
曲線s11に示すように、サンプル電線に15[A]の電流を流すと、電線温度が108.78℃で飽和する。つまり、15[A]の電流を長時間流し続けても電線温度は、許容温度である150℃に達しない。これに対して、曲線s12に示すように、疑似導体抵抗r*を用いた(1)式(疑似演算式)を用いて電線温度(以下、これを「第1参照電線温度」という)を推定すると、電線温度が318.22℃で飽和することになり、約20[sec]が経過した時点で許容温度である150℃を超えることになる。
上記のことから、(1)、(2)式に用いられる導体抵抗rとして、疑似導体抵抗r*を用いることにより、第1参照電線温度は、実際の電線温度よりも高い温度として求められることになる。即ち、(1)、(2)式に疑似導体抵抗r*を代入した疑似演算式を用いれば、実際には許容温度である150℃に達していない場合でも、第1参照電線温度が許容温度に達することになる。従って、この第1参照電線温度が許容温度に達したときに負荷回路を遮断すれば、実際の電線温度が許容温度に達する前の時点で負荷回路を遮断して、電線、及び回路構成要素を保護することができる。
図9は、許容温度150℃のサンプル電線を使用し、このサンプル電線に大電流である50[A]の電流を連続通電したときの、電線温度の変化を示す特性図であり、曲線s13は、(1)式に示す導体抵抗rをこのサンプル電線の導体抵抗r=32.7[mΩ]とした場合の特性曲線であり、曲線s14は、(1)式に示す導体抵抗rを疑似導体抵抗r*=114.45[mΩ]とした場合の特性曲線である。
曲線s13に示すように、サンプル電線に50[A]の電流を流すと、電線温度が955.86℃で飽和する。また、曲線s14に示すように、疑似導体抵抗r*を用いて求められる第1参照電線温度は3283.0℃で飽和する。ここで、曲線s13,s14を対比すると、曲線s13は、通電開始から約5.25[sec]が経過した時点で飽和温度150℃に達し、曲線s14は、通電開始から約1.4[sec]が経過した時点で飽和温度150℃に達している。
上記のことから、サンプル電線の許容温度を超えるような大電流が継続して流れる場合には、第1参照電線温度の方が実際の電線温度よりも早い時点で飽和温度である150℃に達することが判る。
従って、図8,図9に示した特性図から、疑似導体抵抗r*を用いることにより、電線の許容温度を超えるような大電流が流れた場合には、即時に回路を遮断することができ、且つ、電線の許容温度に近づく電流が流れる場合には、許容温度に達する前の早い時点で回路を遮断することができるといえる。
次に、上記(1)式、(2)式に、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*の双方を代入した演算式(疑似演算式)を用いて電線温度T2を算出すると、発熱時には、電線温度が飽和温度に達するまでの時間(飽和時間)が実際の飽和時間よりも短くなる。以下、これを図10、図11に示す特性図を参照して説明する。
図10は、許容温度150℃の電線(以下、サンプル電線という)を使用し、このサンプル電線に15[A]の電流を連続して流したときの、電線温度の変化を示す特性図であり、曲線s21は、(1)式に示す熱容量Cをこのサンプル電線の熱容量C=4.7047[J/℃]とした場合の特性曲線であり、曲線s22は、(1)式に示す熱容量Cを疑似熱容量C*=0.12[J/℃]とした場合の特性曲線である。なお、導体抵抗は上述した疑似導体抵抗r*を用いている。
曲線s21に示すように、サンプル電線に15[A]の電流を流すと、電線温度が318.22℃で飽和する。これは、図8に示した曲線s12と同一である。これに対して、曲線s22に示すように、疑似熱容量C*を用いて電線温度(以下、これを「第2参照電線温度」という)を算出すると、飽和温度は、318.22℃で曲線s21と同一であるが、飽和温度に達するまでの時間(飽和時間)が短縮されている。つまり、曲線s21では、通電開始から約400[sec]が経過して飽和温度318.22℃に達しており、曲線s22では、通電開始後ほぼ瞬時に飽和温度318.22℃に達している。その結果、曲線s21では、通電開始から約70[sec]が経過した時点で許容温度である150℃に達しているが、曲線s22では、通電開始後ほぼ瞬時に許容温度である150℃に達している。
上記のことから、(1)、(2)式に用いられる導体抵抗r及び熱容量Cに、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*を用いることにより、第2参照電線温度が通電電流の飽和温度に達するまでに要する時間が早まることになる。
図11は、許容温度150℃のサンプル電線に50[A]の電流を連続して流したときの、電線温度の変化を示す特性図であり、曲線s23は、(1)式に示す熱容量Cをこのサンプル電線の熱容量C=4.7047[J/℃]とした場合の特性曲線であり、曲線s24は、(1)式に示す熱容量Cを疑似熱容量C*=0.12[J/℃]とした場合の特性曲線である。なお、導体抵抗は上述した疑似導体抵抗r*を用いている。
曲線s23に示すように、サンプル電線に50[A]の電流を流すと、電線温度が3283.0℃で飽和する。これに対して、曲線s24に示すように、疑似熱容量C*を用いて電線温度(第2参照電線温度)を推定すると、飽和温度は3283.0℃で曲線s23と同一であるが、飽和温度に達するまでの時間が短縮されている。つまり、曲線s23では、通電開始から約200[sec]が経過して飽和温度3283.0℃に達しており、曲線s24では、通電開始後ほぼ瞬時に飽和温度3283.0℃に達している。
更に、曲線s23,s24共に、許容温度である150℃に達するまでの時間はほぼ同一である。従って、大電流が流れた場合には、熱容量に関係なく電線温度はほぼ瞬時に許容温度に達することになる。
上記のことから、(1)、(2)式の導体抵抗rを実際の導体抵抗rよりも大きい疑似導体抵抗r*とし、熱容量Cを実際の熱容量Cよりも小さい疑似熱容量C*とすることにより、(1)、(2)式(疑似演算式)で推定される第2参照電線温度は、実際の電線温度よりも低い温度で許容温度に達し、且つ、実際の電線温度よりも早く許容温度に達することが判る。換言すれば、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*を用いた疑似演算式(1)、(2)式を作成し、この疑似演算式(1)、(2)式を用いて電線温度を推定し、この温度が電線の許容温度(例えば、150℃)となった場合に負荷回路を遮断すれば、電線を遮断する際の閾値温度は、電線の許容温度よりも低い温度となる。
従って、本実施形態では、(1)式、(2)式に、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*の双方を代入した演算式(疑似演算式)を作成し、この疑似演算式を用いて、発熱による電線温度、及び放熱による電線温度を求める。そして、疑似演算式を用いた演算により電線温度T2が電線の許容温度(例えば、150℃)に達した場合に、半導体リレーS1を遮断して回路を保護する。即ち、疑似演算式を用いた演算により電線温度T2が許容温度に達した場合には、実際の電線温度はこの温度T2よりも低い温度となっているので、電線温度が許容温度(例えば、150℃)に達する前の時点で確実に回路を遮断することができることになる。
以下、疑似演算式を用いて電線温度を推定することにより、回路保護が可能であることを図4〜図7を参照して詳細に説明する。
図4に示す曲線s1は、許容温度を150℃としたときの、電流・遮断時間特性を示す図である。即ち、曲線s1は、上述した(1)式の左辺のT2を150℃に固定したときの、右辺の電流I1と経過時間t[sec]との関係を示している。曲線s1から理解されるように、電線の許容温度(過熱により発煙する温度)が150℃である場合には、例えば20[A]の電流が10秒間流れた場合には、電線温度は150℃に達しないが、90[A]の電流が10秒間流れた場合には、電線温度は150℃に達することを示している。つまり、曲線s1の内側(図中、左下側)の電流値で動作すれば、電線温度は許容温度である150℃に達することはない。
また、曲線s2、s3は、許容温度が150℃とされた電線の上流側に設けられる、一般的な規格のフューズの電流・遮断時間特性曲線であり、曲線s2は最大値(MAX)、曲線s3は最小値(MIN)を示している。つまり、このフューズは、曲線s2とs3との間の領域となる電流が流れたときに遮断して回路を保護する。よって、このフューズを用いることにより、電線の温度が150℃に達する前の時点で確実に回路を遮断することができることになる。従って、図1,図2に示したスイッチ回路16が、曲線s2とs3の間となる電流・遮断時間特性を備える構成とすれば、従来より用いられているフューズの特性を模擬できることになる。
また、曲線s4は負荷特性を示している。曲線s4は、フューズの電流・遮断時間特性を示す曲線s2,s3よりも内側(左下側)で動作するので、通常動作時に負荷に流れる電流によりフューズが遮断されることはない。
図5は、上述した電線の導体抵抗rを、疑似導体抵抗r*に変更した場合で、許容温度を150℃としたときの電流・遮断時間特性を示す曲線s5を記入した特性図である。具体的には、曲線s5は、電線の実際の導体抵抗r=32.7[mΩ]に対し、疑似導体抵抗r*=114.45[mΩ]とした場合の電流・遮断時間特性を示している。図示のように、曲線s5は、低電流領域でフューズの電流・遮断時間特性の最大値と最小値の間の領域となる電流・遮断時間特性を有している。つまり、曲線s5は低電流領域では、曲線s2とs3の間の領域を通る曲線となっており、フューズを模擬した特性を備えているといえる。
図6は、上述した疑似導体抵抗r*に加え、更に、熱容量Cを疑似熱容量C*に変更した場合で、許容温度を150℃としたときの、電流・遮断時間特性を示す特性曲線s6を記入した特性図である。具体的には、曲線s6は、上記の疑似導体抵抗r*の使用に加えて、電線の実際の熱容量C=4.7047[J/℃]に対し、疑似熱容量C*=0.12[J/℃]とした場合の電流・遮断時間特性を示している。図6の曲線s6から理解されるように、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*の双方を用いた場合には、電流・遮断時間特性はフューズの電流・遮断時間特性の最大値と最小値との間の領域となる電流・遮断時間特性を有している。つまり、曲線s6は全ての電流領域で、曲線s2とs3の間の領域を通る曲線となっており、この電流・遮断時間特性を使用することにより、従来のフューズを模擬した特性を得ることができる。
従って、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、(1)、(2)式の導体抵抗r、熱容量Cを、それぞれ疑似導体抵抗r*、疑似熱容量C*とした疑似演算式を用いて電線温度を推定することにより、フューズを模擬した電流・遮断時間特性で回路を遮断することが可能となる。
図7は、スイッチ回路16が、上記の曲線s6に示す電流・遮断時間特性で回路を遮断可能であることにより、電線径を従来よりも細径化できることを示している。即ち、曲線s6に示す如くの電流・遮断時間特性を備えるスイッチ回路16を用いることにより、曲線s1に示す許容温度の電線を、例えば、この電線よりも許容温度の低い曲線s7の許容温度の電線に変更しても、問題なく使用することができる。つまり、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、従来のフューズと同等の電流・遮断時間特性を備えるスイッチ回路16を用いることにより、電線径を細径化できることになる。
次に、上述した(1)式による発熱時の電線温度の算出、及び(2)式による放熱時の電線温度の算出手順について、図12〜図17に示すパターン1〜6を説明する。
[パターン1]
図12(a)は一定電流(40[A])で電線温度が飽和し、その後電流が遮断されて放熱する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図12(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P1)、電線に40[A]の電流が流れると、電線温度は、温度T0から徐々に上昇し(状態P2)、時刻tx=t1で電流40[A]の飽和温度T40maxに達する。即ち、上述した(1)式の右辺の周囲温度T1にT0を代入し、電流I1に40[A]を代入し、時間tにt1を代入すると、発熱による電線の推定温度T2は、図12(a)に示す曲線で上昇して時刻t1で飽和温度T40maxに達することになる。
その後、電流が遮断されると、このときの電線温度がT40maxであるから、電線温度T40maxで飽和する電流値I2を逆算出する(状態P3)。その結果、電流値I2は40[A]として求められる。そして、(2)式に示すT1に周囲温度を代入し、更に求めた電流値I2及び経過時間tを代入して、放熱による電線の推定温度T2が求められる(状態P4)。
つまり、電線に40[A]の電流が流れて電線の温度がこの電流40[A]の飽和温度T40maxに達した後、電流を遮断した場合には、(2)式右辺に示される電流I2に40[A]を代入して放熱時の電線温度を求める。
[パターン2]
図13(a)は一定電流(40[A])で電線温度が上昇し、電線温度が飽和温度T40maxに達する前の過渡状態で電流が遮断されて放熱する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図13(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P11)、電線に40[A]の電流が流れると、電線温度は、温度T0から徐々に上昇する(状態P12)。そして、時刻txで電流40[A]の通電を遮断した場合、即ち、40[A]の通電による飽和温度T40maxに達する前の過渡温度で電流が遮断された場合には、このときの発熱による温度Txを求め、この温度Txが飽和温度となる電流値I2を逆算出する(状態P13)。例えば、時刻txでの電線温度Txが電流30[A]が流れたときの飽和温度T30maxであった場合には、(2)式の右辺の電流I2に30[A]を代入し、更に、T1に周囲温度を代入し、経過時間tを代入することにより、放熱による電線の推定温度T2が求められる(状態P14)。
つまり、40[A]の電流が流れて電線温度が40[A]の飽和温度T40maxに達する前に電流を遮断した場合には、電流を遮断したときの温度で飽和する電流を求め、この電流を(2)式右辺に代入して放熱した場合の電線温度を求める。
[パターン3]
図14(a)は第1電流(例えば30[A])により電線温度が飽和温度に達し、更に、第1電流よりも大きい第2電流(例えば40[A])により電線温度が飽和温度に達する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図14(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P21)、電線に30[A]の電流が流れると、電線温度Txは、温度T0から徐々に上昇し(状態P22)、時刻t1で飽和温度T30maxに達する(状態P23)。
この状態で、電流が40[A]に変化した場合には、当初から40[A]の電流が流れて電線温度がT30maxとなったものと仮定した場合の経過時間t3を逆算する(状態P24)。そして、(1)式の右辺の電流I1に40[A]を代入し、且つ、時間tに前記t3を代入して、時刻t2となるまでの推定温度T2を求める(再度、状態P22)。そして、時刻t2となると電線温度は40[A]の飽和温度T40maxに達する(状態P25)。
つまり、30[A]の電流が流れて電線温度が30[A]の飽和温度T30maxに達し、その後、電流が40[A]に変化した場合には、当初から40[A]の電流が流れたものと仮定したときの経過時間、即ち、図14(a)に示す時間t3を算出し、この時間t3を(1)式に代入して電線温度を求める。
[パターン4]
図15(a)は第1電流(例えば30[A])により電線温度が上昇し、この第1電流による飽和温度T30maxに達する前に、第1電流よりも大きい第2電流(例えば40[A])に変更されて、この第2電流の飽和温度T40maxに達する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図15(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P31)、電線に30[A]の電流が流れると、電線温度Txは温度T0から徐々に上昇する(状態P32)。そして、時刻txで電線温度がTxとなったときに電流が40[A]に変更されると、当初から40[A]の電流が流れて電線温度がTxとなったものと仮定した場合の経過時間t3を逆算する(状態P33)。そして、(1)式の右辺の電流I1に40[A]を代入し、且つ、時間tに前記t3を代入して、時刻t2となるまでの推定温度T2を求める(再度、状態P32)。そして、時刻t2となると電線温度は40[A]の飽和温度T40maxに達する(状態P34)。
つまり、30[A]の電流が流れて電線温度が30[A]の飽和温度に達する前の温度Txとなった時点で、電流が40[A]に変化した場合には、当初から40[A]の電流が流れたものと仮定したときの経過時間、即ち、図15(a)に示す時間t3を算出し、この時間t3を(1)式に代入して電線温度を求める。
[パターン5]
図16(a)は第1電流(例えば40[A])により電線温度が第1電流の飽和温度T40maxに達し、更に、第1電流よりも小さい第2電流(例えば30[A])により電線温度が第2電流の飽和温度T30maxまで低下する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図16(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P41)、電線に40[A]の電流が流れると、電線温度Txは温度T0から徐々に上昇し(状態P42)、時刻t1で飽和温度T40maxに達する(状態P43)。
この状態で、電流が30[A]に変化した場合には、40[A]での飽和温度T40maxと30[A]での飽和温度T30maxとの差分ΔT(ΔT=T40max−T30max)を求め、この温度ΔTで飽和する電流値I2を算出する(状態P44)。その結果、例えば、I2=7.5[A]となった場合には、(2)式の右辺のI2に電流7.5[A]を代入して放熱による電線の推定温度T2を求める(状態P45)。その後、時間t2が経過すると、電線温度は30[A]の電流が流れたときの飽和温度T30maxに達する(状態P46)。
つまり、40[A]の電流が流れて電線温度が40[A]の飽和温度T40maxに達し、その後、電流が30[A]に変化した場合には、各飽和温度の差分ΔTを求め、この差分温度ΔTで飽和する電流値I2を算出し、この電流値I2を(2)式に代入することにより、電線温度を求める。
[パターン6]
図17(a)は第1電流(例えば40[A])により電線温度が上昇し、第1電流の飽和温度T40maxに達する前の温度Txとなったときに、第1電流よりも小さい第2電流(例えば30[A])に変更されて、電線温度が低下して第2電流の飽和温度T30maxに達する場合の、電線の温度変化を示す特性図、図17(b)は状態変化を示す説明図である。いま、初期温度が周囲温度のT0で(状態P51)、電線に40[A]の電流が流れると、電線温度Txは温度T0から徐々に上昇する(状態P52)。そして、時刻txで電線温度がTxとなったときに電流が30[A]に変更されると、温度Txと30[A]の電流が流れたときの飽和温度T30maxとの差分ΔT(ΔT=Tx−T30max)を求め、この温度ΔTで飽和する電流値I2を算出する(状態P53)。その結果、例えば、I2=5[A]となった場合には、(2)式の右辺のI2に電流5[A]を代入して放熱による電線の推定温度T2を求める(状態P54)。その後、時間t2が経過すると、電線温度は30[A]通電時の飽和温度T30maxに達する(状態P55)。
つまり、40[A]の電流が流れて電線温度が40[A]の飽和温度T40maxに達する前の温度Txとなった時点で、電流が30[A]に変化した場合には、温度Txと30[A]通電時の飽和温度T30maxの差分ΔTを算出し、この差分温度ΔTで飽和する電流値I2を算出し、この電流値I2を(2)式に代入することにより、電線温度を求める。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る負荷回路の保護装置の処理動作について説明する。なお、図3に示す一連の処理は、所定のサンプリング周期で繰り返して実行される。
まず、図2に示すスイッチ回路16の制御回路161は、ステップS11の処理にて、電流計163により電流が検出されたか否かを判定する。即ち、図1に示す負荷11に電流が流れているか否かを判定する。そして、電流が流れていると判定した場合には(ステップS11でYES)、ステップS12に処理を移し、電流が流れていると判定しない場合には(ステップS11でNO)、ステップS14に処理を移す。
ステップS12では、制御回路161は、現在の電流値の目標温度(現在の電流値が流れ続けた場合の飽和温度)が、現状推定温度(前回サンプリング時の目標温度)以上であるか否かを判定する。そして、目標温度が現状推定温度以上であると判定した場合には(ステップS12でYES)、ステップS13に処理を移し、目標温度が現状推定温度以上であると判定しない場合には(ステップS12でNO)、ステップS14に処理を移す。
ステップS13では、制御回路161は、(1)式(疑似導体抵抗r*、疑似熱容量C*を用いた式)により目標温度に向けて発熱処理を実行する。この際、前述のパターン3及びパターン4に示した温度推定方法を用いる。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS14では、制御回路161は、(2)式(疑似導体抵抗r*、疑似熱容量C*を用いた式)により目標温度に向けて放熱処理を実行する。この際、前述のパターン1,2,5,6に示した温度推定方法を用いる。また、電流が検出されない場合の目標温度は周囲温度とする。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15では、制御回路161は、ステップS13,S14の処理で求められた温度に基づいて、電線W1の現在の推定温度を算出する。更に、算出した推定温度をメモリ(図示省略)等に記憶保存する。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16では、ステップS15の処理で算出された推定温度が、設定保護温度以下であるか否かを判定する。設定保護温度は、図6の曲線s6より得られる温度である。そして、推定温度が設定保護温度以下である場合には(ステップS16でYES)、ステップS11の処理に戻る。また、推定温度が設定保護温度以下でない場合には(ステップS16でNO)、ステップS17に処理を移す。
ステップS17では、図2に示す半導体リレーS1を強制的にオフとする。つまり、電線の推定温度が閾値温度以上である場合には、半導体リレーS1を遮断して回路を保護する。この処理が終了した場合には、ステップS18に処理を移す。
ステップS18では、制御回路161は、(2)式を用いて目標温度を周囲温度とした放熱処理を実行する。即ち、半導体リレーS1がオフとされている場合でも、電線W1は放熱しているので、この放熱温度を求める。この処理が終了した場合には、ステップS19に処理を移す。
ステップS19では、制御回路161は、推定温度が周囲温度以下となったか否かを判定する。そして、推定温度が周囲温度以下となった場合には(ステップS19でYES)、ステップS20に処理を移し、推定温度が周囲温度以下とならない場合には(ステップS19でNO)、ステップS18の処理に戻す。
ステップS20では、制御回路161は、半導体リレーS1の強制オフを解除する。即ち、電線W1の推定温度が周囲温度以下に低下した場合には、電線W1に再度電流を流しても問題はないので、半導体リレーS1の強制オフを解除する。この処理が終了した場合には、ステップS11の処理に戻す。
このようにして、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、(1)式、(2)式に疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*を用いた演算式(疑似演算式)を用いて電線W1の温度を推定し、この推定温度が電線の許容温度(例えば、150℃)に達した場合には、半導体リレーS1を遮断することにより、負荷回路を保護する。従って、負荷11に過電流が流れ、電線W1の実際の温度が許容温度(例えば、150℃)に達する前の時点で、確実に回路を遮断して電線W1及びその下流側に設けられる負荷11を保護することができ、従来のフューズを使用する必要がない。
更に、従来のフューズのように、ラッシュ電流及び負荷のオン、オフの繰り返しにより劣化することがなく、遮断温度にマージンをとる必要がないので、電線径を細径化することができ、電線の小型、軽量化を図ることができ、ひいては燃費向上の効果を発揮することができる。
また、従来のフューズは5[A]、7.5[A]、10[A]、15[A]、20[A]・・のように決められた電流値が設定されていたが、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、疑似導体抵抗r*、及び疑似熱容量C*を適宜設定することにより、任意の電流値(例えば、6[A]、12.5[A]等)を設定できるので、電線径の細径化に役立てることができる。
また、温度推定方式を利用しているため、1つの負荷に対して1つのフューズの構成を備える負荷回路のみならず、下流側に分岐した複数の負荷が接続されるシステムや、ランダムなタイミングで負荷のオン、オフが行われる負荷回路にも適用することができる。
以上、本発明の負荷回路の保護装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。例えば、本実施形態は、車両に搭載される負荷回路を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の負荷回路にも適用することができる。
負荷回路に用いられるフューズを使用することなく電線を保護する上で極めて有用である。
本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、スイッチ回路の詳細な構成を示すブロックである。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、導体抵抗を変更したときの電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、導体抵抗を変更したときの電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、熱容量を変更したときの電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、熱容量を変更したときの電流・遮断時間特性を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の、発熱による電線温度の算出、及び放熱による電線温度の算出手順を示す説明図である。 従来における負荷回路の保護装置の構成を示す回路図である。
符号の説明
11 負荷
12 ECU
13 J/B(ジャンクションボックス)
14 制御IC
15 制御部
16 スイッチ回路
161 制御回路(温度推定手段、遮断制御手段)
162 タイマ
163 電流計(電流検出手段)
VB バッテリ
S1 半導体リレー(スイッチ手段)

Claims (5)

  1. 電源より出力される電力を負荷に供給して駆動する負荷回路の電線温度が上昇した際に、前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、
    経過時間を計時するタイマと、
    下流側の電線に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記負荷回路の接続、遮断を切り換えるスイッチ手段と、
    前記負荷回路に用いられる電線の熱容量よりも小さい疑似熱容量、及び前記電線の導体抵抗よりも大きい疑似導体抵抗が設定され、電線の熱容量と導体抵抗を用いて電線温度を算出する演算式に、前記疑似熱容量及び前記疑似導体抵抗を代入した疑似演算式を有し、前記電流検出手段で検出される電流値と、前記タイマで計時される経過時間とに基づき、前記疑似演算式を用いて前記電線の温度を推定する温度推定手段と、
    前記温度推定手段で推定される電線温度が前記電線の許容温度に達した場合に、前記スイッチ手段を遮断する遮断制御手段と、
    を備えたことを特徴とする負荷回路の保護装置。
  2. 前記遮断制御手段は、前記スイッチ手段を遮断した後、前記温度推定手段により推定される温度が周囲温度以下に低下した場合に、前記スイッチ手段を接続可能状態にすることを特徴とする請求項1に記載の負荷回路の保護装置。
  3. 前記疑似演算式に基づく電流・遮断時間特性は、前記負荷回路に用いられる電線径よりも1ランク細い電線径の電流・遮断時間特性よりも低くなるように、前記疑似導体抵抗、及び前記疑似熱容量が設定されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の負荷回路の保護装置。
  4. 前記疑似演算式に基づく電流・遮断時間特性は、前記負荷回路に用いられる電線を保護するために使用するフューズの最低の電流・遮断時間特性と、最高の電流・遮断時間特性との間となるように、前記疑似導体抵抗、及び前記疑似熱容量が設定されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の負荷回路の保護装置。
  5. 前記電線温度を算出する演算式は、発熱時が下記(1)式であり、放熱時が下記(2)式であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
    T2=T1+I1rR{1−exp(−t/C・R)} …(1)
    T2=T1+I2rR{exp(−t/C・R)} …(2)
    但し、T1は周囲温度[℃]、T2は電線の推定温度[℃]、I1,I2は通電電流[A]、rは電線導体抵抗[Ω]、Rは熱抵抗[℃/W]、Cは熱容量[J/℃]、tは時間[sec]。
JP2008105730A 2008-04-15 2008-04-15 負荷回路の保護装置 Pending JP2009261088A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105730A JP2009261088A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 負荷回路の保護装置
CN200980113400.0A CN102007659B (zh) 2008-04-15 2009-04-15 负载电路的保护装置
US12/937,993 US8437110B2 (en) 2008-04-15 2009-04-15 Protection apparatus of load circuit
EP09731931.3A EP2276135B1 (en) 2008-04-15 2009-04-15 Load circuit protection device
PCT/JP2009/057598 WO2009128478A1 (ja) 2008-04-15 2009-04-15 負荷回路の保護装置
EP13194612.1A EP2717403B1 (en) 2008-04-15 2009-04-15 Protection apparatus of load circuit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105730A JP2009261088A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 負荷回路の保護装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009261088A true JP2009261088A (ja) 2009-11-05

Family

ID=41387793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008105730A Pending JP2009261088A (ja) 2008-04-15 2008-04-15 負荷回路の保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009261088A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8315027B2 (en) 2009-11-12 2012-11-20 Anden Co., Ltd. Switch circuit having overcurrent detection function
WO2024069838A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 サンケン電気株式会社 半導体スイッチ装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07222345A (ja) * 1994-02-02 1995-08-18 Tokyo Electric Power Co Inc:The 過電流継電器
JPH08174380A (ja) * 1994-06-16 1996-07-09 Hitachi Seiki Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JPH08215983A (ja) * 1995-02-12 1996-08-27 Hitachi Seiki Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JPH08242533A (ja) * 1995-02-28 1996-09-17 Nissin Electric Co Ltd 電線路の温度監視方法
JPH10285784A (ja) * 1997-04-04 1998-10-23 Yazaki Corp 車両用電源供給装置
JP2001016880A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Jidosha Denki Kogyo Co Ltd モータ制御装置
JP2002084654A (ja) * 2000-09-04 2002-03-22 Taiheiyo Seiko Kk レアショート判断装置及びレアショート判断方法
JP2004042260A (ja) * 1994-06-16 2004-02-12 Mori Seiki Hitech Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JP2005295738A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Nikon Corp 保護装置、モータ装置、ステージ装置、および露光装置
JP2007043835A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Asmo Co Ltd モータ制御装置
JP2007295776A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Yazaki Corp 負荷回路の保護装置
JP2009130944A (ja) * 2007-11-19 2009-06-11 Autonetworks Technologies Ltd 電線保護方法および電線保護装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07222345A (ja) * 1994-02-02 1995-08-18 Tokyo Electric Power Co Inc:The 過電流継電器
JPH08174380A (ja) * 1994-06-16 1996-07-09 Hitachi Seiki Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JP2004042260A (ja) * 1994-06-16 2004-02-12 Mori Seiki Hitech Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JPH08215983A (ja) * 1995-02-12 1996-08-27 Hitachi Seiki Co Ltd 工作機械の熱変位補正方法及びその装置
JPH08242533A (ja) * 1995-02-28 1996-09-17 Nissin Electric Co Ltd 電線路の温度監視方法
JPH10285784A (ja) * 1997-04-04 1998-10-23 Yazaki Corp 車両用電源供給装置
JP2001016880A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Jidosha Denki Kogyo Co Ltd モータ制御装置
JP2002084654A (ja) * 2000-09-04 2002-03-22 Taiheiyo Seiko Kk レアショート判断装置及びレアショート判断方法
JP2005295738A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Nikon Corp 保護装置、モータ装置、ステージ装置、および露光装置
JP2007043835A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Asmo Co Ltd モータ制御装置
JP2007295776A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Yazaki Corp 負荷回路の保護装置
JP2009130944A (ja) * 2007-11-19 2009-06-11 Autonetworks Technologies Ltd 電線保護方法および電線保護装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8315027B2 (en) 2009-11-12 2012-11-20 Anden Co., Ltd. Switch circuit having overcurrent detection function
WO2024069838A1 (ja) * 2022-09-29 2024-04-04 サンケン電気株式会社 半導体スイッチ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5055177B2 (ja) 負荷回路の保護装置
JP5768176B2 (ja) 負荷回路の保護装置
WO2009128478A1 (ja) 負荷回路の保護装置
JP5055182B2 (ja) 負荷回路の保護装置
US9042069B2 (en) Power supply controller
JP5660358B2 (ja) 電力供給制御装置
JP2010239835A (ja) 電力供給制御装置およびその制御方法
WO2013161364A1 (ja) 通電回路の保護装置
JP5390837B2 (ja) 負荷回路の保護装置
JP6262931B2 (ja) 通電回路の保護装置
JP2010158108A (ja) 負荷回路の保護装置
JP2009261088A (ja) 負荷回路の保護装置
JP5876367B2 (ja) 通電回路の保護装置
WO2023152786A1 (ja) 車載用遮断制御装置
JP2020021692A (ja) 制御装置、および制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130917

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131108

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131118

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20131206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140620