JP2009259993A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract


【課題】 高周波領域におけるESLの低下など、電気的特性の向上を図ることのできる三端子型および二端子型の固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 プリント配線板16の片面に陽極端子17aおよび陰極端子17aを設け、固体電解コンデンサの外部端子とする。ここで、プリント配線板16にはスルーホールを設けずに、代わりに陰極領域および陽極領域に対応した箇所にそれぞれ開口部を設け、そこに導電性材料18b,18aを充填して、固体電解コンデンサの本体部分との電気的接続を行う。この構成によりプリント配線板16に設ける金属箔を片側のみに、またその両表面のメッキ層も不要としてプリント配線板16の部分の厚みを低減し、これによって三端子型および二端子型の固体電解コンデンサの電気的特性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は電解コンデンサに関し、とくにチップ形状を有する、三端子型および二端子型の固体電解コンデンサに関する。
近年、デジタル機器に搭載される回路基板に流れる電気信号の動作周波数が高速化される傾向にあり、その動作周波数の高速化に伴い、電気信号を駆動するための電源回路における供給電流が増加する傾向にある。一方で、回路基板に搭載されるIC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)の高集積化により、電源回路の出力電圧は低下する傾向にある。これにより電源回路から供給される駆動電力などのノイズ(電源ノイズ)に対する回路基板側のマージンが小さくなってきており、このためノイズ対策が重視されるようになった。一般に電源ノイズなどを除去するためにはコンデンサを用いることが有効であり、ノイズ除去デバイスとしてコンデンサを用いる方法が従来より提案されていた。
特許文献1にはノイズ除去デバイスとして使用される三端子型固体電解コンデンサの例が記載されている。また特許文献2には同じく三端子型固体電解コンデンサの例と、それとは別に二端子型固体電解コンデンサの例が記載されている。ここで三端子型固体電解コンデンサはとくに分布定数型フィルタと称されており、ノイズ除去デバイスとして用いる場合は、広い周波数域に渡って比較的低いインピーダンスを実現できることが知られている。一方、二端子型固体電解コンデンサは複数の容量のコンデンサを組み合わせてデカップリングコンデンサとして回路内に設置されることで、個別のICやLSIに入力される電気信号からのノイズ除去などの用途に用いられている。
図5は従来の一般的な三端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図を示したものである。なおこの三端子型固体電解コンデンサは、特許文献2に従来の分布定数型ノイズフィルタの例として記載されたものとほぼ同じである。図5において、母材51はアルミニウムなどの箔状の弁作用金属からなり、その図の上下両側の表面には拡面化(表面に変動が大きく、しかも細かい凹凸を設けることで、その表面積を著しく増加させる処置)が施されている。この拡面化された表面には絶縁体である酸化物からなる誘電体層(図示せず)が設けられている。母材51とその表面の誘電体層を合わせて陽極体と称する。この陽極体の表面は、図の左側、中央部、右側の3箇所の領域に分割されており、各領域の間には、それぞれ陽極体の図の上下両方の表面に対して絶縁部52が設けられている。
このうち中央部の領域には、陰極導体部を形成する導電性高分子化合物層53a、グラファイト層53b、銀ペースト層53cの各層が、陽極体の両側の表面にこの順番でそれぞれ設けられている。これらの各層の図の側面部分は各々絶縁部52に接している。なお母材51の上下両側に設けられた導電性高分子化合物層53a、グラファイト層53b、銀ペースト層53cの各層は図に対して手前および奥の領域で母材51の側面にそれぞれ回り込むように形成されており、このため図の上下の各層は互いに接続されている。また陽極体の表面のうち、図の左右の2箇所の領域では、母材51の下面にそれぞれ陽極リード54が接続されている。陽極リード54は銅箔からなる金属材であり、陽極体の表面の誘電体層を除去し、母材51の金属表面を露出させてそこに超音波溶接により接続したものである。一方、銀ペースト層53cの図の下方にはやはり銅箔からなる金属材である陰極リード57が設けられていて、銀ペースト層53cとは導電性接着剤によって電気的に接続されている。
この三端子型固体電解コンデンサは外装樹脂55によりその周囲を樹脂モールドされている。外装樹脂55の外部に導出されているのは2つの陽極リード54と1つの陰極リード57のみであり、これらのリード端子は三端子型固体電解コンデンサの外部端子として機能している。なお陽極リード54は図5ではC字状に折れ曲がり、コンデンサの側面から外装樹脂55の外部に導出されて下方に伸びた構成であるが、この形状は主としてコンデンサを外装樹脂55にて樹脂モールドする際のハンドリングの要求によるものである。陽極リード54を直接図5の下方に導出させた構成の場合は、樹脂モールドの際に陽極リード54の導出部が外装樹脂55の内部に埋没してしまうなどの不具合が発生し易いことが知られており、陽極リード54をコンデンサの側面から導出させる構成とすることで、モールド時のハンドリングにおける不具合の回避を図っている。
また図6は従来の一般的な二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図を示したものである。図6における、母材61、導電性高分子化合物層63a、グラファイト層63b、銀ペースト層63cなどの各部材の構成は、図5に示した三端子型固体電解コンデンサの場合と同様である。ここで絶縁部62は、母材61の表面を図の左側および中央部の2箇所の領域に分割しており、陽極リード64は図の左側に1つしか設けられていない。陰極リード67は三端子型固体電解コンデンサと同様に中央部に設けられている。またその両表面に酸化物からなる誘電体層が設けられた母材61の右端部には、その上下の両面と同様に誘電体層が形成されていて、母材61の端面が導電性高分子化合物層63aなどと電気的に接続することを阻止している。これらの各部材は外装樹脂65により樹脂モールドされており、この外装樹脂65の外部に導出されているのは、各1つずつの陽極リード64および陰極リード67のみである。
このような三端子型や二端子型の固体電解コンデンサでは、母材、導電性高分子化合物層、グラファイト層、銀ペースト層などから構成される本体部分のみについては高周波領域でのインピーダンスがかなり低いことが知られている。しかし陽極リードや陰極リードなどを含む、固体電解コンデンサの素子全体でのインピーダンスは、とくに高周波領域において上昇する場合があることが分かっていた。高周波領域での固体電解コンデンサのインピーダンスは大部分がその自己インダクタンスによるものであり、このインピーダンスの上昇は、そのほとんどが固体電解コンデンサの陽極リードおよび陰極リードの部分の、自己インダクタンスの増加に起因するものである。この高周波領域における自己インダクタンスはESL(Equivalent Series Inductance(L):等価直列インダクタンス)として表され、ESLの値が小さいほど固体電解コンデンサのインピーダンスが小さくなる。
一般に、ESLは陽極リードや陰極リードの導出部分である外部端子から固体電解コンデンサの本体部分までの距離に依存しており、この距離が長いほど高周波領域でのESLの値が大きくなる。従って、例えば図5に示した三端子型固体電解コンデンサにおいて、陽極リードの長さが長いか、もしくは陰極リードの厚みが厚いほど、高周波領域でのESLは上昇してしまう。ここで図5の構成の場合は、陽極リードが外装樹脂の側面から引き出されて下側に折り曲げられた構造となっているため、どうしても陽極リードの長さが長くなってしまい、その短縮化には限界があった。また、陰極リードもそのハンドリング性を考慮すると通常は0.2mm程度以上の厚みが必要であるため、陰極リードの厚みの削減にも限界があった。
以上示したように、従来の三端子型固体電解コンデンサにおいては、その高周波領域におけるインピーダンスが上昇することが問題であった。また陽極リードや陰極リードは図6に示した二端子型固体電解コンデンサにも存在しており、そのためこの問題は二端子型固体電解コンデンサにおいても同様であった。
固体電解コンデンサの陽極リードや陰極リードの長さを短縮する方法としては、特許文献3に記載の、コンデンサの外部端子をプリント配線板の表面に設ける構成とすることが提案されている。なお特許文献3では二端子型固体電解コンデンサの場合について記述されているが、三端子型固体電解コンデンサの場合も同様の方法にてリード部分の長さの短縮が可能である。また特許文献3では、発明による直接の効果を製品全体の体積に占める二端子型固体電解コンデンサの本体部分の割合(体積効率)の向上であるとしているが、その構成によれば、高周波領域でのインピーダンスの向上にも効果があると考えられる。
図7は特許文献3に記載のプリント配線板を用いた二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図を示したものである。図7において、母材71、絶縁部72、導電性高分子化合物層73a、グラファイト層73b、銀ペースト層73cなどの各部材の構成は、図6に示した二端子型固体電解コンデンサの場合と同様である。ここで固体電解コンデンサの本体部分に接続された陽極リード74は外装樹脂75の外部に導出されておらず、プリント配線板76の図の上面に設けられたメッキ層78、銅箔77の2層の金属層に接続されている。また図7の例では陰極リードは設けられておらず、図の銀ペースト層73cの下面がこの2層の前記金属層に接続されている。陽極リード74および銀ペースト層73cと、メッキ層78との間には図示しない導電性接着剤の層が設けられており、その上側と下側に存在する金属部材の表面どうしをそれぞれ電気的に接続している。
ここでプリント配線板76は絶縁樹脂からなる両面銅貼板により構成されており、その両面には銅箔77が形成されている。またプリント配線板76の内部には2本のスルーホールが設けられていて、銅箔77の表面とスルーホールの内側面にはメッキ層78が形成されている。このメッキ層78は銅メッキであり、プリント配線板76の図の上面および下面において、銅箔77とともにエッチングされて電極を構成している。この電極は、それぞれプリント配線板76の上面では素子搭載ランド、下面では実装ランドであり、このうちプリント配線板76の下面の実装ランドは二端子型固体電解コンデンサの外部端子である、陽極端子および陰極端子を構成している。
スルーホールの内側面のメッキ層78は、プリント配線板76の下面の実装ランドと上面の素子搭載ランドとをそれぞれ電気的に接続している。このメッキ層78により、プリント配線板76の下面の陽極端子、陰極端子は、コンデンサの本体部分を形成する陽極リード74および銀ペースト層73cにそれぞれ電気的に接続されていて、この陽極端子、陰極端子が二端子型固体電解コンデンサの外部端子となっている。またスルーホール内側面のメッキ層78の内側領域には、絶縁樹脂79が充填されている。
このように、固体電解コンデンサの外部端子としてプリント配線板に設けた実装ランドを用いた場合には、コンデンサの本体部分に接続された陽極リードを外装樹脂の側面に引き出してその下面まで引き回す必要がなく、プリント配線板を挟んで母材への溶接領域の直下に配置した実装ランドの陽極端子まで、陽極リードを電気的に最短となる距離で接続することができる。これにより、外部端子とコンデンサの本体部分との間の電気的な接続距離が短縮されるので、高周波領域におけるESLの値を改善してインピーダンスの高周波特性の向上を図ることができる。また陽極端子および陰極端子である外部端子がプリント配線板の表面に一体化されて設置されているために、このプリント配線板を薄くすることによって、固体電解コンデンサの薄型化を目指すことも可能である。
また、特許文献3に記載の方法を改良して高周波領域におけるESLをより一層低減する手段として、プリント配線板の内部に設けるスルーホールの本数を増加させる方法がある。特許文献3に記載の方法では、図7に示したように、プリント配線板の下面に設けられた実装ランドの陽極端子、陰極端子にスルーホールがそれぞれ1本ずつ接続されている。ここで陽極端子、陰極端子に接続されるスルーホールの本数をそれぞれ増やし、プリント配線板に多数のスルーホールを設けることとすれば、スルーホール内のメッキ層による電気的接続に関与する領域を増加させることができ、これによって特許文献3に記載の方法における電気的特性の改善効果をより向上させることが可能である。
特開2002−164760号公報 特開2007−42932号公報 特開2002−134359号公報
図7に示した特許文献3に記載の固体電解コンデンサの場合や、その方法を改良してスルーホールの本数を2本よりもさらに増加させた場合には、プリント配線板とそこに設けたメッキ層を有するスルーホールを使用して、固体電解コンデンサの本体部分からプリント配線板の反対面に設けた外部端子までの電気的接続を行うことになる。この方法によれば、特許文献1や特許文献2の場合よりも、固体電解コンデンサの本体部分から外部端子までの導電部材の延長長さを短縮することができ、従って高周波領域におけるESLの低減において一定の効果が得られる。しかし近年のデジタル機器の動作周波数の高周波化に伴い、ノイズ除去デバイスとして使用される固体電解コンデンサにおいてもより一層のESLの低減が求められていた。
ここで特許文献3の方法やそれを改良した前記従来方法の場合には、スルーホール内に設けるメッキ層をプリント配線板の上面と下面の両方にそれぞれ引き出す必要があり、このためプリント配線板の両面に銅箔とメッキ層の2層がそれぞれ形成されることとなる。このスルーホール内のメッキ層にはある程度の厚みが必要であるが、メッキ工程上、スルーホール内のメッキ厚みのみを厚くすることは困難であり、必然的にプリント配線板の両表面に設けるメッキ層も厚くなってしまう。つまり、両面銅貼板であるプリント配線板の両面の計4層の金属層の厚みのために、固体電解コンデンサにおける本体部分と陽極端子、陰極端子の間の電気的な接続距離を短縮する効果が相当程度打ち消されることとなる。そしてこのことが、固体電解コンデンサの高周波領域でのESLの低下における限界となっていた。つまり片面に陽極端子、陰極端子を設けたプリント配線板の使用はESLの低下において有効であるが、従来の技術ではその両面にメッキ層が必要であり、このメッキ層の厚みが原因で、ESLの低下の効果が制約を受けていたことになる。
本発明は、従来のプリント配線板に設けられていたスルーホールによる前記の制約を取り除き、それによって固体電解コンデンサの本体部分と陽極端子、陰極端子との間の電気的な接続距離を短縮する方法を提案するものである。これにより、従来の固体電解コンデンサの場合と比較して、高周波領域におけるESLなどの電気的特性をより一層低下させた、三端子型および二端子型の固体電解コンデンサを実現することができる。
本発明では、固体電解コンデンサの本体部分の外部にプリント配線板を設置して、このプリント配線板の表面に固体電解コンデンサの外部端子となる金属箔による電極(陽極端子および陰極端子)を設ける点については、前記従来の固体電解コンデンサの場合と同様である。ただし前記電極はプリント配線板の片面のみに設ける構成として、その反対側の面には電極となる金属箔を設けない。さらにこのプリント配線板には従来のようなスルーホールを設けないこととして、さらに両表面の金属箔の面上に設けていたメッキ層も廃止する。
なおこの金属箔を設けない面は、プリント配線板の両面のうち、固体電解コンデンサの本体部分に対向する側の面である。このプリント配線板の片面の金属箔を廃止することにより、外部端子である陽極端子および陰極端子と固体電解コンデンサの本体部分の間の距離を、金属箔1枚と、前記金属箔の両表面に形成していた2層のメッキ層の合計に相当する厚みだけ接近させることができる。このことは、固体電解コンデンサの高周波領域におけるESLを低減する効果をもたらすものである。またこの距離の接近によって、三端子型固体電解コンデンサの場合はその陽極−陽極間の直流抵抗が低減する効果が得られるが、これにより、2つの陽極間での許容通過電流が向上するという副次効果が得られる。
ここで、前記のプリント配線板の金属箔を設けない面には、従来のスルーホールの代わりとして、その反対側の面(裏面)の陽極端子および陰極端子を固体電解コンデンサの本体部分と電気的に接続することのできる構造体を設ける必要がある。この構造体としては、従来のスルーホールよりも断面積が大きな開口部を設けることが好適であり、この開口部を断面が四角形状の穴(角穴)とした場合はさらに好適である。開口部はプリント配線板を貫通するように設け、その底部にはプリント配線板の裏面に設けた外部端子である、陽極端子および陰極端子が露出するようにする。この開口部をプリント配線板に対して固体電解コンデンサの外部端子の数と同数だけ設け、各端子に1つの開口部が対応するように構成する。
即ち三端子型固体電解コンデンサの場合は開口部を3つ、二端子型固体電解コンデンサの場合は開口部を2つ設け、それぞれの開口部が、プリント配線板の片面に設けた外部端子である陽極端子および陰極端子と、固体電解コンデンサの本体部分に設けた陽極リードおよび陰極導体部の銀ペースト層とを、それぞれ電気的に接続するように構成する。この開口部の断面積は、固体電解コンデンサの強度や製造工程での取り回しなどに影響しない範囲で、できるだけ大きくすることが望ましい。
プリント配線板に設けた各々の開口部の内部には導電性材料を充填し、これにより、前記陽極端子および陰極端子と、固体電解コンデンサの本体との間の電気的な接続を行うように構成する。ここで各々の開口部の断面積は、従来技術の場合におけるスルーホールの断面積よりも格段に大きくすることが可能で、これによって通過する電流の高周波領域におけるESLを低減することができる。なお高周波電流におけるESLの低減の効果は、電流の通過断面積ではなく、主として通過面の外周長さによって決まることが知られているが、本発明における開口部では、従来のスルーホールに比べてこの通過面の外周長さも十分に大きくすることができ、従って固体電解コンデンサのESLを低下する上でも十分な効果を得ることができる。この際に、各々の開口部を円形穴ではなく角穴とすることは、この電流の通過面の外周長さを増加させるためにも効果的である。
なお、以上示したプリント配線板の片面の電極を省略してその厚みを削減すること、およびプリント配線板に電極端子の数に等しい開口部を設けることにより、固体電解コンデンサのESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)や三端子型固体電解コンデンサにおける陽極−陽極間の直流抵抗についても低減を図ることができる。
開口部の内部に充填する導電性材料としては、固化した銀ペースト層などの使用が好適である。またこの銀ペースト層とプリント配線板の開口部の内面部、およびプリント配線板の片面に設けた陽極端子や陰極端子との密着性を向上させるためには、プリント配線板の側の導電性材料との接続面にメッキ処理を行うことが好適である。また陽極端子や陰極端子の裏面に実施するこれらのメッキ処理は、銀ペースト層と陽極端子、陰極端子との間の接触抵抗の低減にも効果があり、固体電解コンデンサの高周波領域におけるESLの低減のみならず、ESRや陽極−陽極間の直流抵抗の低減においても有効であるである。
即ち、本発明は、表面が拡面化されてなる板状もしくは箔状の弁作用金属からなる母材と、前記母材の拡面化された表面に形成された酸化物からなる誘電体層とよりなる陽極体と、前記陽極体に接続して1の陰極導体部が形成され、また前記陽極体に接続して2の陽極リードが形成されてなる三端子型固体電解コンデンサであって、樹脂層と、前記樹脂層の片面に形成された金属層とからなるプリント配線板を備え、前記金属層は前記樹脂層の表面において複数の領域に分割されており、前記樹脂層には1以上の開口部が設けられ、前記開口部の一方の端部は前記金属層により覆われていて、前記開口部を介して、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、それぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
また、本発明は、前記開口部の断面が四角形状であることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部はエッチングにより形成されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記エッチングがケミカルエッチングであることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面に金属メッキが施されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面、および前記開口部の内面に金属メッキが施されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属メッキが銅、ニッケル、金を順に重ねた複層メッキであることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部に導電性材料が充填され、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、前記導電性材料によってそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電性材料が導電性ペーストを固化したものからなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電性ペーストが銀ペーストであることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層が銅箔よりなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記樹脂層がポリイミドよりなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、表面が拡面化されてなる板状もしくは箔状の弁作用金属からなる母材と、前記母材の拡面化された表面に形成された酸化物からなる誘電体層とよりなる陽極体と、前記陽極体に接続して1の陰極導体部が形成され、また前記陽極体に接続して1の陽極リードが形成されてなる二端子型固体電解コンデンサであって、樹脂層と、前記樹脂層の片面に形成された金属層とからなるプリント配線板を備え、前記金属層は前記樹脂層の表面において複数の領域に分割されており、前記樹脂層には1以上の開口部が設けられ、前記開口部の一方の端部は前記金属層により覆われていて、前記開口部を介して、1の前記陰極導体部と前記金属層、および1の前記陽極リードと前記金属層とが、それぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部の断面が四角形状であることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部はエッチングにより形成されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記エッチングがケミカルエッチングであることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面に金属メッキが施されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面、および前記開口部の内面に金属メッキが施されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属メッキが銅、ニッケル、金を順に重ねた複層メッキであることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部に導電性材料が充填され、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、前記導電性材料によってそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電性材料が導電性ペーストを固化したものからなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電性ペーストが銀ペーストであることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記金属層が銅箔よりなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記樹脂層がポリイミドよりなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサである。
本発明によれば、三端子型および二端子型固体電解コンデンサの外部端子として、片面に外部端子である陽極端子および陰極端子を設けたプリント配線板を用いることとする。このプリント配線板のうち固体電解コンデンサの本体部分に対向した片面には金属箔を設けずに、プリント配線板を貫通し、反対面の陽極端子および陰極端子に達する開口部を設け、この開口部内に導電性材料を充填して、固体電解コンデンサの本体部分と陽極端子および陰極端子とを電気的に接続する。以上の構成により、プリント配線板の両面のうち片面に設ける金属箔を省略し、また開口部の断面積を大きくすることができる。これにより、固体電解コンデンサの本体部分と陽極端子および陰極端子の間の距離を、金属箔1層分とメッキ層の厚みだけ短縮することができる。また両者を接続する導電性材料の断面積を大きくすることができるので、電流の通過面の外周長さも増加させることが可能である。
これらの改善により、三端子型および二端子型固体電解コンデンサの高周波領域におけるESLの値を低減させることができる。また副次効果として、固体電解コンデンサのESR、さらに三端子型固体電解コンデンサにおける陽極−陽極間の直流抵抗のいずれについても低減させることができ、また固体電解コンデンサの体積効率についても向上させることができる。この結果、固体電解コンデンサにおける高周波特性などの電気的特性が向上する効果が得られるとともに、その体積効率の向上による固体電解コンデンサの製品の薄型化などを図ることもできる。
以下に本発明の三端子型および二端子型固体電解コンデンサの実施の形態について、図1〜図4をもとに説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の例を断面図として示したものである。図1において、母材11は箔状の弁作用金属を、その目的とする素子の形状に切り出したものであり、アルミニウム、ニオブ、タンタルもしくはそれらの合金による箔の使用が好適である。母材11の図の上下両側の表面にはエッチングにより拡面化が施され、その拡面化された両面に酸化物からなる誘電体層(図示せず)がさらに設けられ、合わせて陽極体を構成している。この誘電体層の形成方法としては、母材11の拡面化された表面に陽極酸化によって陽極酸化皮膜を設けることが好適である。陽極体の上下両側の表面の各2箇所には、それぞれ絶縁部12が設けられており、陽極体の表面は、この絶縁部12によって図の左側、中央部、右側の3箇所の領域に分割されている。以下、この中央部の領域を陰極領域、左右の2箇所の領域を陽極領域と称する。
陽極体の表面のうち、中央部の陰極領域は、陰極導体部を形成する導電性高分子化合物層13a、グラファイト層13b、銀ペースト層13cの各層を、陽極体の両表面にそれぞれ順番に積層し、これにより固体電解コンデンサの陰極導体部を形成したものである。なお陽極体の上下両面に形成されたこれらの3層は、図1に示した断面図の手前もしくは奥の図示しない領域で、上下の各層がそれぞれ互いに電気的に接続している。また陽極体の左右の2箇所の陽極領域では、母材11の下面にそれぞれ陽極リード14が接続されている。陽極リード14には銅、アルミ、ニッケルなどによる箔状の金属部材の使用が適しており、陽極体の表面の誘電体層をレーザトリミングなどにより除去し、母材11の表面を露出させて、そこに超音波溶接を行うなどの方法で陽極リード14を接合することができる。三端子型固体電解コンデンサの本体部分はこうして形成され、またその周囲は外装樹脂15により樹脂モールドされている。
一方、図1に示す三端子型固体電解コンデンサの本体部分の下方、即ち銀ペースト層13cおよび陽極リード14の下側にはプリント配線板16が配置されている。このプリント配線板16はガラスエポキシ、ポリイミドなどの樹脂層からなり、その片面にのみ銅箔を設けた片面銅貼板である。この銅箔はプリント配線板16の図の下側の面に設けられていて、エッチングが施されて2箇所の陽極端子17a、および1箇所の陰極端子17bが形成されている。これらの3箇所の電極は、それぞれ三端子型固体電解コンデンサの外部端子となっている。
プリント配線板16には3箇所の開口部が設けられている。図1において、開口部は導電性材料18a、18bにて充填されている。これらの開口部はそれぞれプリント配線板16を厚み方向に貫通していて、プリント配線板16の図の下面に設けられた陽極端子17a、陰極端子17bの上面にまで達している。これらの開口部の形成方法としてはエッチングが適しており、中でもケミカルエッチングは、プリント配線板16の樹脂部分のみをエッチングして、銅箔である陽極端子17a、陰極端子17bを残存させることが可能であるためにとくに好適である。そしてこれらの開口部に導電性ペーストからなる導電性材料18a,18bを充填することにより、三端子型固体電解コンデンサの本体部分と外部端子とを、プリント配線板16を介して互いに電気的に接続することができる。
導電性材料18a,18bとしては銀ペーストを充填して固化させたものが好適であり、陽極リード14や銀ペースト層13cとの電気的な接続のために、プリント配線板16の開口部の縁と同じ高さか、もしくは開口部の縁よりも若干高い位置までわずかに突出するように、開口部内に導電性材料18a,18bを充填することが好ましい。図に示すように、充填された導電性材料18a,18bの頂部は三端子型固体電解コンデンサの本体部分の底部に接しており、この接触位置で両者は互いに電気的に接続される。陽極リード14や銀ペースト層13cと導電性材料18a,18bとの間の確実な電気的接続を行うためには、導電性材料18a,18bが半固化の状態のときに両者を接続させ、その後に加熱固化を行って両者の接続を強固なものとするなどの方法が効果的である。
また導電性材料18a,18bとしては、プリント配線板16の開口部の内側面や陽極端子17a、陰極端子17bの開口部に面した表面など、他の部材との接触面で、強固な密着性が得られることが望ましく、このため接着強度をとくに重視した導電性ペースト(銀ペースト)を用いることが好ましい。一方、三端子型固体電解コンデンサの本体部分を構成する銀ペースト層13cの方は、低抵抗性にとくに留意した導電性ペーストを用いることが好ましい。また導電性材料18a,18bが充填されるプリント配線板16の開口部は、その断面積をできるだけ大きくすることが望ましく、具体的には断面を四角形とすることが好適である。この開口部の断面積が大きいほど固体電解コンデンサのESRを低減させることができ、また三端子型固体電解コンデンサにおける陽極−陽極間の直流抵抗の低減においても有効である。
一方、高周波領域におけるインピーダンスの指標となるESLの値は、前記のように、開口部の断面積ではなく、その断面形状の外周長さに関係することが知られている。しかし開口部の断面積を大きくした場合は、必然的にその断面形状における外周長さも増加することから、断面積の大きな開口部を設けることは、固体電解コンデンサの高周波領域におけるESLの低減においても有効である。
さらに、本発明の第1の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成では、プリント配線板16の両面に銅箔を設ける必要はなく、陽極端子17a、陰極端子17bを構成する金属箔をその片面にのみ設ければよい。また従来例のプリント配線板の内部にスルーホールを設けた場合とは異なり、スルーホールの内側面のメッキ層をプリント配線板の両側に引き出す必要もない。従って、従来プリント配線板の両面に設けていた4層の金属箔層のうちの3層を省略することができ、これにより固体電解コンデンサの本体部分から外部端子までの電気的な接続距離を短縮することが可能である。この短縮によって、三端子型固体電解コンデンサのESR、陽極−陽極間の直流抵抗、高周波領域におけるESLの三者を全て低減させることができる。以上記したプリント配線板16に開口部を設ける一連の処置によって、固体電解コンデンサの高周波特性などの電気的特性が向上する効果が得られるとともに、副次効果としてプリント配線板16の薄型化による固体電解コンデンサの体積効率の向上の効果も得ることができる。
図2は、本発明の第2の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の例を断面図として示したものである。図2において、母材21、絶縁部22、導電性高分子化合物層23a、グラファイト層23b、銀ペースト層23c、陽極リード24、外装樹脂25、3箇所の開口部を設けたプリント配線板26、および外部端子である陽極端子27a、陰極端子27bの各構成は、本発明の第1の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の場合と同じである。本発明の第1の実施の形態の場合との違いは、プリント配線板26に設けられた3箇所の開口部内に、それぞれメッキ層29a,29bが設けられている点である。これらのメッキ層29a,29bは、主として開口部内に充填される導電性材料28a,28bとの密着性を高めるために設けられたものである。プリント配線板26の内側面や陽極端子27a、陰極端子27bとの接続が直接ではなく、メッキ層29a,29bを介して行われることで、両者の密着性の強化による信頼性の向上が図られるほか、固体電解コンデンサの電気的特性におけるさらなる向上も期待される。
メッキ層29a,29bとしては、導電性材料28a,28bとの密着性の制約などから表面を金メッキとすることが好適であり、下地層に銅およびニッケルを用いた銅−ニッケル−金メッキはとくに好適である。ここでプリント配線板26の開口部内に設けたメッキ層29a,29bがプリント配線板26の外部に突出することがないように、メッキ厚みの合計がプリント配線板26の厚みよりも薄くなるように設定する必要がある。この場合はメッキ層29a,29bはプリント配線板26の開口部内に完全に収まることになるので、メッキ層の設置によって固体電解コンデンサの素子高さが増加することはない。
図3は、本発明の第3の実施の形態における二端子型固体電解コンデンサの構成の例を断面図として示したものである。図3において、母材31、絶縁部32、導電性高分子化合物層33a、グラファイト層33b、銀ペースト層33c、陽極リード34、外装樹脂35、開口部を設けたプリント配線板36、開口部内に充填して固化させた導電性材料38a,38b、および外部端子である陽極端子37a、陰極端子37bの各構成は、本発明の第1の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の場合と基本的に同じである。ただしこの固体電解コンデンサは二端子型であり、そのため母材31は図3の右側領域では導電性高分子化合物層33a、グラファイト層33b、銀ペースト層33cを貫通しておらず、この領域には絶縁部や陽極リードも設けられていない。また母材31の図の右端部にはその上下の両面と同様に誘電体層が形成されていて、導電性高分子化合物層33aとの電気的な導通を防止している。プリント配線板36に設けられた開口部は2箇所のみであり、それぞれに導電性材料38a,38bが充填されている。
これらの構成により、この二端子型固体電解コンデンサの場合にも、第1の実施の形態の場合と同様に、二端子型固体電解コンデンサの本体部分と外部端子である陽極端子37a、陰極端子37bとの間の電気的な接続距離を短縮させることができる。また同時に、プリント配線板36の上下の間の電気的な接続の経路における断面積を増加させるとともに、その断面形状の外周長さを増加させることもできる。これにより、固体電解コンデンサのESRの低減および高周波領域におけるESLの低減の効果を得ることができ、二端子型固体電解コンデンサにおける、高周波特性などの電気的特性を向上させることが可能である。また副次効果として、プリント配線板36の両面に設けられる金属箔層の削減によって、固体電解コンデンサの製品の薄型化、およびその体積効率の向上を図ることもできる。なお二端子型固体電解コンデンサでは陽極が1箇所しか設けられていないため、陽極−陽極間の直流抵抗に関する効果は得られない。
図4は、本発明の第4の実施の形態における二端子型固体電解コンデンサの構成の例を断面図として示したものである。図4において、母材41、絶縁部42、導電性高分子化合物層43a、グラファイト層43b、銀ペースト層43c、陽極リード44、外装樹脂45、開口部を設けたプリント配線板46、開口部内に充填して固化させた導電性材料48a,48b、および外部端子である陽極端子47a、陰極端子47bの各構成は、本発明の第3の実施の形態における二端子型固体電解コンデンサの構成の場合と基本的に同じである。またプリント配線板46に設けられた開口部も同様に2箇所のみであり、それぞれに導電性材料48a,48bが充填されている。
本発明の第3の実施の形態の場合との違いは、プリント配線板46に設けられたこの2箇所の開口部内にそれぞれメッキ層49a,49bが設けられている点である。これらのメッキ層49a,49bは、本発明の第2の実施の形態の場合と同様に、主として開口部内に充填される導電性材料48a,48bとの密着性を高めるために設けられたものである。導電性材料48a,48bとの電気的な接続が、直接ではなくメッキ層49a,49bを介して行われることで、開口部の内側面や陽極端子47a、陰極端子47bとの密着性の強化による信頼性の向上が期待されるほか、固体電解コンデンサの電気的特性におけるさらなる向上も期待される。またメッキ層49a,49bは、本発明の第2の実施の形態の場合と同様に、下地層に銅およびニッケルを用いた銅−ニッケル−金メッキとすることがとくに好適である。またこれらのメッキ厚みの合計がプリント配線板46の厚みよりも薄くなるように設定して、プリント配線板46の開口部内に完全に収まるようにする必要がある。このメッキ厚みの制約により、メッキ層を設けることで固体電解コンデンサの素子高さが増加することはない。
(実施例1)
本発明の第1の実施の形態に基づく三端子型固体電解コンデンサを作製して、その特性を評価した。まず、母材を作製するために、両側の表面が拡面化された箔状のアルミニウム(アルミ箔)を用意し、その両表面に陽極酸化により誘電体層を形成した。このアルミ箔はアルミ電解コンデンサの電極用途として市販されているもので、公称化成電圧が5V、厚みが105μmである。このアルミ箔を幅2.5mm、長さ6.0mmの長方形の形状に裁断して母材とした。次いで作製した母材の長さ方向の両端面からそれぞれ1.3mmの領域を残して母材の表裏に計4箇所の絶縁部を形成した。この絶縁部は、母材の両表面にエポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂を幅方向にそれぞれ太さ0.5mm、高さ100μmの線状に塗布し、母材に含浸、硬化させることにより形成したものである。
ここで両側を絶縁部で囲まれた母材の中央部は陰極領域であるが、この領域の両面に、まず導電性高分子であるポリピロールからなる導電性高分子層を塗布し、次いでその面上にグラファイト層、銀ペースト層をそれぞれ順に塗布した後に、一定温度、時間の乾燥固化を行った。こうして形成した導電性高分子層、グラファイト層、銀ペースト層からなる層全体の高さは100μmであって、各層の両端はそれぞれ絶縁部に接している。この陰極領域の大きさは母材の幅方向が2.5mm、長さ方向が2.4mmである。一方、絶縁部の両外側のそれぞれの陽極領域では、母材両表面のうち片面の誘電体層をYAGレーザによるトリミングにて除去し、得られた母材金属の露出面に陽極リードとして銅箔を超音波溶接によって接続した。この銅箔の寸法は幅2.5mm、長さ1.0mm、厚み100μmである。溶接後の銅箔の母材からの突出高さはその厚みと同じであるが、この高さは陰極領域における3層の塗布体の積層高さと同じとなるように設定している。以上の方法により、三端子型固体電解コンデンサの本体部分の作製を行った。
次にポリイミド樹脂からなる厚み30μmの樹脂板を用意し、その片面のみに厚み20μmの銅箔を貼り合わせた片面銅貼板とした。この片面銅貼板の銅箔部分にケミカルエッチングを施して陰極端子、陽極端子である外部端子を形成し、幅2.8mm、長さ6.3mmに裁断してプリント配線板とした。なおプリント配線板の表面においてこれらの陰極端子、陽極端子が設けられた領域は、それぞれ三端子型固体電解コンデンサの本体部分の陰極領域、陽極領域に対応している。さらに、これらの外部端子が形成された各領域のポリイミド樹脂を一部除去することによって、陰極領域、陽極領域に対応するそれぞれの領域に、計3箇所の開口部を形成した。この開口部の形状は、陰極領域では幅2.5mm、長さ2.4mm、2箇所の陽極領域ではそれぞれ幅2.5mm、長さ1.3mmである。
次いで、これらの開口部に導電性材料である銀ペースト(藤倉化成株式会社製、製品番号:XA5630)を充填した後に120℃で一定時間昇温し、銀ペースト部を半固化状態としてから三端子型固体電解コンデンサの本体部分を接着した。この際に、銀ペースト部はプリント配線板の開口部の縁から数十μm程度盛り上がるように充填し、本体部分の陰極領域の銀ペースト層、および陽極領域の銅箔が、これらの銀ペースト部に確実に接着されて電気的接続が行われるように留意した。その後、本体部分とプリント配線板との接着の後で一定温度、時間の乾燥固化を行い、本体部分を覆うように外装樹脂による樹脂モールドを行い、三端子型固体電解コンデンサを得た。作製した固体電解コンデンサの外形寸法は、幅2.8mm、長さ6.3mm、高さ0.46mmのチップ状である。以上の方法により、このチップ状の三端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(実施例2)
本発明の第2の実施の形態に基づく三端子型固体電解コンデンサを作製して、その特性を評価した。作製した三端子型固体電解コンデンサの本体部分の構成は実施例1の場合と同一であり、プリント配線板の構成も同じである。実施例1の場合との違いは、プリント配線板の各々の開口部に銀ペーストを充填する前に、開口部内にメッキ層を設けたことのみである。このメッキ層は各開口部の内側面、および陰極端子、陽極端子である銅箔の開口部側の表面を被覆している。メッキ層はいずれも被覆面の側から銅−ニッケル−金の3層からなる無電解メッキであり、厚みは合計10μmである。ポリイミド樹脂の樹脂板の厚みが30μmであることから、これらのメッキ層は各開口部内に完全に隠れており、作製された三端子型固体電解コンデンサの外形寸法は、実施例1の場合と同一の、幅2.8mm、長さ6.3mm、高さ0.46mmである。以上の方法により、このチップ状の三端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(実施例3)
本発明の第3の実施の形態に基づく二端子型固体電解コンデンサを作製して、その特性を評価した。使用した母材の材質、寸法、表面処理の方法、銅箔の寸法、および形成した導電性高分子層、グラファイト層、銀ペースト層の構成などは、実施例1の場合と同一である。二端子型固体電解コンデンサであるため本体部分の陽極領域は1箇所のみであり、絶縁部は母材の長さ方向の一方の端面から1.3mmの位置の両面に設けられているのみである。絶縁部が絶縁樹脂を太さ0.5mm、高さ100μmの線状に母材に塗布したものである点は、実施例1の場合と同じである。母材の長さ6.0mmのうち、陽極領域の長さは1.3mmで実施例1の場合と同じであるが、陰極領域の長さは4.2mmである。またプリント配線板が片面銅貼板であること、その樹脂の材質なども、実施例1の場合と同じである。ただし開口部は固体電解コンデンサの本体部分の陰極領域、陽極領域にそれぞれ対応する各1箇所ずつであり、その寸法は、陰極領域では幅2.5mm、長さ4.2mm、陽極領域では幅2.5mm、長さ1.3mmである。
次いで、これらの開口部に導電性材料である銀ペーストを充填して乾燥固化させ、実施例1の場合と同じ手順で作製を進めて、最後に本体部分を被覆して外装樹脂による樹脂モールドを行い、二端子型固体電解コンデンサを得た。作製した固体電解コンデンサの外形寸法は幅2.8mm、長さ6.3mm、高さ0.46mmのチップ状で、実施例1の場合と同じであるが、外部端子は2箇所のみである。以上の方法により、このチップ状の二端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(実施例4)
本発明の第4の実施の形態に基づく二端子型固体電解コンデンサを作製して、その特性を評価した。作製した二端子型固体電解コンデンサの本体部分の構成は実施例3の場合と同一であり、プリント配線板の構成も同じである。実施例3の場合との違いは、プリント配線板の各々の開口部に銀ペーストを充填する前に、開口部内にメッキ層を設けたことのみである。このメッキ層は実施例2の場合と同じ構成である。作製された二端子型固体電解コンデンサの外形寸法は、実施例3の場合と同一の、幅2.8mm、長さ6.3mm、高さ0.46mmである。以上の方法により、このチップ状の二端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(比較例1)
実施例1の三端子型固体電解コンデンサと同一の本体部分を有するものの、プリント配線板として両面銅貼板を用い、また開口部を設ける代わりにスルーホールを設け、その内側面と両面にメッキ層を形成し、本体部分と接合した三端子型固体電解コンデンサを作製して比較例1とした。プリント配線板はポリイミド樹脂からなる厚み30μmの樹脂板の両面に、厚み20μmの銅箔をそれぞれ貼り合わせたものである。このプリント配線板に直径100μmのスルーホールを計24本設け、次いでスルーホールの内側面とプリント配線板の両面の銅箔部分に銅−ニッケル−金の3層からなる無電解メッキを施した。このメッキ層の厚みは各30μmである。
なお、スルーホールを介したプリント配線板の両面間の導電のためにはメッキ層に一定の厚みが必要であることが分かっており、その際に必要な厚みは30μm程度である。メッキ層の厚みを30μmより薄くした場合には、スルーホール内におけるメッキ層の厚みの減少によって、高周波領域におけるESLや、陽極−陽極間の直流抵抗が相当に大きくなることが実験的に判明している。以上より、各30μmである両面のメッキ層の厚みも含めたプリント配線板全体の厚みは130μmである。メッキ処理の後で、各スルーホールの内部には絶縁樹脂を充填した。
このプリント配線板の両面に設けた金属層に対し、ケミカルエッチングによってそれぞれ素子搭載ランド、実装ランドを形成した。このうち素子搭載ランドは固体電解コンデンサの本体部分との内部接続用の端子である。プリント配線板に設けた24本のスルーホールのうち、12本は素子搭載ランドにて本体部分の陰極領域に設けられた銀ペースト層に接続し、残りは陽極領域である2箇所の陽極リードにそれぞれ6本ずつ接続している。一方、実装ランドは固体電解コンデンサの外部端子であり、外部端子として陽極端子および陰極端子を設けている。素子搭載ランドにて陰極領域に接続した12本のスルーホールは陰極端子に、陽極領域に接続したスルーホールは2箇所の陽極領域にそれぞれ6本ずつ接続している。
このプリント配線板と本体部分の間に、実施例1において開口部内に充填して固化させた導電性材料である銀ペースト(藤倉化成株式会社製、製品番号:XA5630)を薄く塗布して陰極領域および陽極領域をそれぞれ接続し、最後に外装樹脂により樹脂モールドした。作製した比較例1における三端子型固体電解コンデンサの外形は、幅2.8mm、長さ6.3mm、高さ0.54mmであって、幅および長さは実施例1の場合と同一であるが、高さのみが若干高くなっている。以上の方法により、このチップ状の三端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(比較例2)
実施例3の二端子型固体電解コンデンサと同一の本体部分を有するものの、比較例1の場合と同様に、プリント配線板としてスルーホールを設けた両面銅貼板を用い、本体部分と接合した二端子型固体電解コンデンサを作製して比較例2とした。プリント配線板の仕様は比較例1の場合と同様であり、設けたスルーホールの本数も24本で同一である。ただし実施例3の場合と同じく陽極領域を1箇所として、三端子型固体電解コンデンサの場合よりも陰極領域を拡大している。このため24本のスルーホールのうち、本体部分の陰極領域の銀ペースト層には18本を接続し、陽極領域の陽極リードには残りの6本を接続している。このプリント配線板と本体部分を比較例1の場合と同様に銀ペーストにて接続し、最後に外装樹脂により樹脂モールドして二端子型固体電解コンデンサを得た。この二端子型固体電解コンデンサの外形寸法は、外部端子が2箇所のみであること以外は比較例1の場合と同一である。以上の方法により、このチップ状の二端子型固体電解コンデンサを10個作製した。
(評価)
以上の方法にて作製した実施例1〜4、比較例1,2による各10個の固体電解コンデンサに関して、電気的特性として高周波領域におけるESL、およびESR、三端子型固体電解コンデンサの場合はその陽極−陽極間の直流抵抗をそれぞれ測定した。ここでESL(単位pH)は高周波プローブ(カスケード・マイクロテック社製)およびネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製)を用い、測定周波数200MHzにおいて、二端子対法で各試料の挿入損失を測定することにより算出した。またESR(単位mΩ)は測定周波数100kHzにおいて、LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製)を用いて測定した。さらに三端子型固体電解コンデンサにおける陽極−陽極間の直流抵抗(単位mΩ)も同じLCRメータを用いて測定した。最後に各試料当たり10個ずつの各測定値における平均値を算出して測定結果とした。また各試料の樹脂モールドされた全体の体積に対する固体電解コンデンサの本体部分の体積の比率を算出して体積効率とした。
以上の結果のうち、三端子型固体電解コンデンサである実施例1,2、および比較例1の、高周波領域におけるESL、ESR、陽極−陽極間の直流抵抗の測定結果、および体積効率の値を表1に示す。ただしESL、ESR、直流抵抗の値は、それぞれ比較例1の場合を1.00とした相対値である。
Figure 2009259993
また二端子型固体電解コンデンサである実施例3,4、および比較例2の、高周波領域におけるESL、ESR、陽極−陽極間の直流抵抗の測定結果、および体積効率の値を表1に示す。ただしESL、ESRの値は、それぞれ比較例2の場合を1.00とした相対値である。
Figure 2009259993
以上の表1および表2の結果より、本発明における三端子型および二端子型の固体電解コンデンサは、プリント配線板として複数のスルーホールを設けた従来の固体電解コンデンサの場合と比較して、高周波領域におけるESLの値に関して5〜14%程度の改善効果が得られており、低ESL化が達成できたことが分かる。またESRに関しては42〜55%程度と大きな改善が得られており、プリント配線板に開口部を設ける措置がとくに有効であることが分かる。さらに体積効率においても若干の向上が得られたが、これは主にプリント配線板部分の厚みの減少の効果によるものである。また、三端子型固体電解コンデンサでは陽極−陽極間の直流抵抗も低下しており、このことから固体電解コンデンサにおける許容通過電流を従来よりも大きくすることが可能である。
なお表1および表2において、実施例1と実施例2、および実施例3と実施例4とを比較すると、実施例2および実施例4の方が、高周波領域におけるESL、ESR、陽極−陽極間の直流抵抗のいずれにおいても比較例に対する改善効果が著しいことが分かる。これは、プリント配線板に設けた開口部の内側面にメッキ層を設けることが、プリント配線板を通過する電流におけるインピーダンスなどを低減させ、固体電解コンデンサの電気的特性の向上において有効であることを示している。比較例1、2とは異なり、開口部内にメッキ層を設ける構造では、固体電解コンデンサの本体部分と外部端子との間の電気的な接続距離を拡大することにはならないので、メッキ層を設けることによる電気的特性の向上の効果を、とくにデメリットなく享受することができる。
以上示したように、本発明の実施の形態に基づき、三端子型および二端子型の固体電解コンデンサを構成するプリント配線板に開口部を設け、そこに導電性材料を充填して、それにより固体電解コンデンサの本体部分と外部端子との間の電気的接続を行う構成とする。これにより、固体電解コンデンサの高周波領域におけるESLの値を向上させることができるほか、副次効果としてESR、体積効率、および三端子型固体電解コンデンサの場合は陽極−陽極間の直流抵抗についても従来よりも向上させることができる。ここで、上記説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の第1の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 本発明の第2の実施の形態における三端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 本発明の第3の実施の形態における二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 本発明の第4の実施の形態における二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 従来の一般的な三端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 従来の一般的な二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。 プリント配線板を用いた二端子型固体電解コンデンサの構成の例の断面図。
符号の説明
11,21,31,41,51,61,71 母材
12,22,32,42,52,62,72 絶縁部
13a,23a,33a,43a,53a,63a,73a 導電性高分子化合物層
13b,23b,33b,43b,53b,63b,73b グラファイト層
13c,23c,33c,43c,53c,63c,73c 銀ペースト層
14,24,34,44,54,64,74 陽極リード
15,25,35,45,55,65,75 外装樹脂
16,26,36,46,76 プリント配線板
17a,27a,37a,47a 陽極端子
17b,27b,37b,47b 陰極端子
57,67 陰極リード
77 銅箔
18a,18b,28a,28b,38a,38b,48a,48b 導電性材料
29a,29b,49a,49b,78 メッキ層
79 絶縁樹脂

Claims (24)

  1. 表面が拡面化されてなる板状もしくは箔状の弁作用金属からなる母材と、前記母材の拡面化された表面に形成された酸化物からなる誘電体層とよりなる陽極体と、
    前記陽極体に接続して1の陰極導体部が形成され、また前記陽極体に接続して2の陽極リードが形成されてなる三端子型固体電解コンデンサであって、
    樹脂層と、前記樹脂層の片面に形成された金属層とからなるプリント配線板を備え、前記金属層は前記樹脂層の表面において複数の領域に分割されており、
    前記樹脂層には1以上の開口部が設けられ、前記開口部の一方の端部は前記金属層により覆われていて、
    前記開口部を介して、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、それぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする三端子型固体電解コンデンサ。
  2. 前記開口部の断面が四角形状であることを特徴とする請求項1に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  3. 前記開口部はエッチングにより形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  4. 前記エッチングがケミカルエッチングであることを特徴とする請求項3に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  5. 前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面に金属メッキが施されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  6. 前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面、および前記開口部の内面に金属メッキが施されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  7. 前記金属メッキが銅、ニッケル、金を順に重ねた複層メッキであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  8. 前記開口部に導電性材料が充填され、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、前記導電性材料によってそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  9. 前記導電性材料が導電性ペーストを固化したものからなることを特徴とする請求項8に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  10. 前記導電性ペーストが銀ペーストであることを特徴とする請求項9に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  11. 前記金属層が銅箔よりなることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  12. 前記樹脂層がポリイミドよりなることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の三端子型固体電解コンデンサ。
  13. 表面が拡面化されてなる板状もしくは箔状の弁作用金属からなる母材と、前記母材の拡面化された表面に形成された酸化物からなる誘電体層とよりなる陽極体と、
    前記陽極体に接続して1の陰極導体部が形成され、また前記陽極体に接続して1の陽極リードが形成されてなる二端子型固体電解コンデンサであって、
    樹脂層と、前記樹脂層の片面に形成された金属層とからなるプリント配線板を備え、前記金属層は前記樹脂層の表面において複数の領域に分割されており、
    前記樹脂層には1以上の開口部が設けられ、前記開口部の一方の端部は前記金属層により覆われていて、
    前記開口部を介して、1の前記陰極導体部と前記金属層、および1の前記陽極リードと前記金属層とが、それぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする二端子型固体電解コンデンサ。
  14. 前記開口部の断面が四角形状であることを特徴とする請求項13に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  15. 前記開口部はエッチングにより形成されてなることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  16. 前記エッチングがケミカルエッチングであることを特徴とする請求項15に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  17. 前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面に金属メッキが施されてなることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  18. 前記金属層の表面のうち前記開口部に面した領域の表面、および前記開口部の内面に金属メッキが施されてなることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  19. 前記金属メッキが銅、ニッケル、金を順に重ねた複層メッキであることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  20. 前記開口部に導電性材料が充填され、1の前記陰極導体部と前記金属層、および2の前記陽極リードと前記金属層とが、前記導電性材料によってそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする請求項13ないし19のいずれか1項に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  21. 前記導電性材料が導電性ペーストを固化したものからなることを特徴とする請求項20に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  22. 前記導電性ペーストが銀ペーストであることを特徴とする請求項21に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  23. 前記金属層が銅箔よりなることを特徴とする請求項13ないし22のいずれか1項に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
  24. 前記樹脂層がポリイミドよりなることを特徴とする請求項13ないし23のいずれか1項に記載の二端子型固体電解コンデンサ。
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