JP2009258674A - 電子写真機器用導電性組成物、導電性架橋体、及び導電性ロール - Google Patents

電子写真機器用導電性組成物、導電性架橋体、及び導電性ロール Download PDF

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智志 鈴木
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賢一 土屋
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【課題】低硬度化して柔軟性を付与することが可能であると共に、ヘタリ性、汚染性等が良好な導電性組成物、導電性組成物の架橋体、及び導電性ロールを提供する。
【解決手段】軸体2の外周に沿って形成された導電性弾性層31を備える導電性ロール1において、導電性弾性層31を、極性ゴムを主成分として、常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを含有している導電性組成物を架橋してなる架橋体から構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を利用して画像を形成する複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真機器に用いられる、導電性組成物、該組成物を架橋して得られる架橋体、及び該架橋体を用いた導電性ロールに関するものである。
電子写真機器において、導電性ロールとして例えば半導電性のゴムローラ型の帯電ロールが用いられている。帯電ロールは、像坦持体面となる感光ドラム等の感光体に接触して該感光体を帯電させるために用いられる。帯電ロールは、表面の電気抵抗の調整等を目的として、金属製芯金等からなる軸体の外周面上に導電性弾性層が設けられている。
帯電ロールは、安定した帯電性能を発揮するために、長期圧接に耐えうるヘタリ性、感光体に対する非汚染性、感光体との安定した接地性(ニップ幅)を保つためのロールの柔軟性、振れを小さくするための寸法精度等の各種の特性が良好であることが必要である。
帯電ロールは、感光体に対し、ある一定の荷重で圧接されて使用される。帯電ロールは、感光体と圧接した状態で長時間放置された場合、感光体と圧接した部分が圧縮された状態に変形して元に戻らない場合、その変形部が画像スジとして現れ、電子写真機器で形成される画像に対し画像不良を引き起こす。この帯電ロールの圧接部分の変形がもとに戻らない状態を、一般にロールのヘタリといい、変形量が多い場合、ロールのヘタリ性が悪いという。電子写真機器において画像不良の発生を防止するために、帯電ロールはヘタリ性が良いことが要求される。帯電ロールのヘタリ性を上げるためには、ロール(導電性弾性層)の硬度を上げて、ロールの変形量を小さくする方法が考えられる。
しかし、ロールの硬度を上げると、感光体に対して安定した接地性が得られなくなるという問題がある。ロールの感光体に対する接地性が不安定になって、帯電性が不均一になると、電子写真機器において得られる画像の画質が低下してしまう。またロールが硬くなると、感光体やトナーに対するストレスが増大し、感光体削れや、トナー劣化等、電子写真機器の耐久性悪化の要因となってしまう。電子写真機器における高画質及び高耐久性を満足するためには、帯電ロールの材料として、低硬度で、且つ良好なヘタリ性を併せ持つ材料が、要求されている。
帯電ロールの導電性弾性層は、通常のゴムを主成分とした場合、導電剤の添加には限界があるので、イオン導電性ゴムが用いられる。イオン導電性ゴムは、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム等の極性ゴムが用いられる。そこでイオン導電性ゴムの架橋密度を下げて低硬度化する手段として、液状NBR、液状BR、液状SBR、液状IR等の液状ポリマーや、ナフテンオイル、パラフィンオイル、アロマ系オイル等の可塑剤等の添加剤を添加することが公知である(例えば特許文献1参照)。
特開2000−35032号公報
イオン導電性ゴムに液状ゴムを添加した場合、架橋体を低硬度化できるものの、架橋体の架橋間距離が大きくなって、ヘタリ性が低下してしまうという問題があった。またイオン導電性ゴムに可塑剤を添加した場合、架橋体を低硬度化できるが、可塑剤が経時的にロール表面にブリードし、ブリードした可塑剤が感光体の表面に付着して、感光体を汚染してしまうという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、低硬度化して柔軟性を付与することが可能であると共に、ヘタリ性、汚染性等が良好な導電性組成物、導電性組成物の架橋体、及び導電性ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る導電性組成物は、極性ゴムを主成分とし、常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを含有することを要旨とするものである。
上記導電性組成物において、前記ポリ(メタ)アクリレートが、水酸基を含有することや、ポリ(メタ)アクリレートが、シロキサン基を含有することが好ましい。
上記導電性組成物において、前記ポリ(メタ)アクリレートの添加量が、極性ゴム100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
上記導電性組成物において、前記ポリ(メタ)アクリレートの分子量(Mw)が、1000〜500000であることが好ましい。
上記導電性組成物において、前記ポリ(メタ)アクリレートは、エステル結合部位に炭素数4以上のアルキル基を有することが好ましい。
上記導電性組成物において、イオン導電剤を含有することが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体は、上記導電性組成物を架橋してなることを要旨とするものである。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロールは、導電性組成物を用いたことを要旨とするものである。
本発明は、極性ゴムを主成分とし、常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを含有することにより、極性ゴムに通常の液状ゴムポリマーを添加したゴムと比較して、ポリ(メタ)アクリレートが極性ゴムのポリマー分子間に入り込み易く、架橋体のゴムポリマーの凝集を防止して、ゴムの硬度を低下せしめて柔軟な架橋体が得られる。
更に本発明は、導電性組成物の架橋体(ゴム)が圧縮変形する際に、ゴムポリマーの分子間に入り込んだポリ(メタ)アクリレートが、架橋体が長期間の圧縮を受けた際にゴムポリマー同士が凝集して変形するのを防止するので、架橋体のヘタリ性が良好である。
また、極性ゴムにポリ(メタ)アクリレートを添加した場合、極性ゴムにオイル等の可塑剤を添加した場合と比較して、ポリ(メタ)アクリレートがオイル等のように架橋体の表面からブリードすることはない。そのため、架橋体からなるゴムロールが感光体表面と接触した場合に、感光体を汚染する虞がない。
更に、導電性組成物に常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを添加することで、組成物の粘度を低下させることができる。導電性組成物を低粘度化することで、ロールを精度良く製造することができ、ロールの振れを小さくすることができる。例えばロールを製造する場合、金型内に軸芯をセットし、金型に導電性組成物を射出して製造する。この導電性組成物を金型に射出する際に、導電性組成物の粘度が高いと、導電性組成物を射出する際の圧力により、軸芯を曲げ易くなる。帯電ロールの軸芯が曲がると、使用時にロールの振れが大きくなって、形成される画像にムラを発生させて画像不良を引き起こしてしまう。導電性組成物の粘度を下げて、金型に対する導電性組成物の射出が容易であれば、金型に対する組成物の射出圧力を小さくできるので、軸芯を曲げる虞が小さくなり、ロールの形状を精度良く形成可能であり、振れの小さいロールが得られる。電子写真機器において、振れの小さい本発明の導電性ロールを用いることで、良好な画像形成に寄与することができる。
本発明の帯電ロールの一例を示し(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。
以下、本発明に係る電子写真機器用導電性ロールの実施態様として帯電ロールを用いて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の帯電ロールの一例を示し(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。図1(a)、(b)に示すように帯電ロール1は、円筒状の導電性を有する軸体2と、該軸体の外周に沿って形成されている、弾性を有するロール体3とから構成されている。ロール体3は、同図(b)に示すように、軸体2の外周に沿って形成された導電性弾性層31と、該導電性弾性層31の外周に沿って形成されている表層32とから構成されている。導電性弾性層31は、極性ゴムを主成分として常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを含有している導電性組成物を架橋してなる架橋体から構成されている。
本発明の導電性組成物の主成分として用いられる極性ゴムは、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)等のイオン導電性を有するゴムが用いられる。上記エピクロルヒドリンゴムは、具体的には、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリンとエチレンオキシドとの共重合体(ECO)、エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとの共重合体(GCO)、エピクロルヒドリンとエチレンオキシドとアリルグリシジルエーテルとの共重合体(GECO)等が挙げられる。上記の極性ゴムは、1種単独で使用しても、或いは2種以上混合して使用してもよい。上記の極性ゴムを用いることで、導電性組成物の架橋体は、低ヘタリ性、導電性、柔軟性等の優れた特性を備える。
本発明の導電性組成物に用いられる、ポリ(メタ)アクリレートは、ポリアクリレート及びポリメタクリレートを包含するものである。本発明においてポリ(メタ)アクリレートは、常温で液体状(以下、単に、液状ということもある)のものが用いられる。なお、本願にいう「常温」とは、JIS Z 8703に規定される、20℃±15℃の範囲をいう。極性ゴムに、液状のポリ(メタ)アクリレートを添加した架橋体(ゴム)は、通常の液状ゴムを添加した場合と比較して、架橋後のゴムの硬度を低下せしめることができると共に、ヘタリ性が良好である。
極性ゴムにポリ(メタ)アクリレートを添加した場合に、柔軟性が良くなってもヘタリ性が悪化しないのは、以下のような作用によるものと考えられる。導電性組成物中において、ポリ(メタ)アクリレートは、極性の高いアクリレート基が存在することにより、極性ゴムのポリマー分子間に入り込み易く、ゴムポリマーの凝集を防止するものと推測される。更に導電性組成物の架橋体(ゴム)が長期の圧接等によって圧縮変形する際に、ゴムポリマーの分子間に入り込んだポリ(メタ)アクリレートが、圧接によるゴムポリマー同士の凝集を阻害して、架橋ゴムのヘタリ性が良好になるものと考えられる。
尚、常温で固体状のポリ(メタ)アクリレートを用いた組成物は、常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを用いた組成物と比較して、硬度がさほど低下せず、架橋体の圧縮永久ひずみが大きく、ヘタリ性が悪化してしまい、本発明の効果が得られない。
ポリ(メタ)アクリレートは、各種アクリル酸エステルモノマー、各種メタクリル酸エステルモノマーの単独重合体、又は共重合体からなる。上記アクリル酸エステルモノマーとして好ましいものは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。上記メタクリル酸エステルモノマーとして好ましいものは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレートが共重合体の場合、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー以外の他の共重合成分を用いることができる。例えば他の共重合成分としてシリコーン成分が挙げられる。シリコーン成分を共重合して分子中にシロキサン基を含有するポリ(メタ)アクリレートは、そのシロキサン基により導電性組成物の粘度を低下させる効果が大きいという特徴がある。このシリコーン成分は、側鎖或いは末端の何れに導入してもよい。シロキサン基を含有するポリ(メタ)アクリレートとして、例えばシリコーン成分をポリ(メタ)アクリレートにグラフト重合して、側鎖にシロキサン基が導入されたシリコーングラフト化ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
またポリ(メタ)アクリレートは、分子中に水酸基等の官能基を含有させてもよい。官能基は、末端に導入しても良いし、直鎖中にグラフトさせても良い。また、官能基は、一分子中に一つ導入した単官能型、或いは一分子中に複数の官能基を導入した多官能型の何れでもよい。官能基として、水酸基を導入したポリ(メタ)アクリレートを用いた場合、圧縮永久ひずみを小さくする効果がある。
また、ポリ(メタ)アクリレートは、そのエステル結合部位に炭素数4以上、好ましくは、炭素数5以上、さらに好ましくは、炭素数6以上のアルキル基を有していると良い。導電性組成物のせん断粘度が低下するため、ロール金型の周方向への射出性が向上し、その結果、ロール厚みバラツキが少なく、ロール振れ、曲がりの少ない電子写真機器用ロールが得やすくなるからである。
液状のポリ(メタ)アクリレートの分子量(Mw)は、1000〜500000が好ましい。ポリ(メタ)アクリレートの分子量が、1000未満では、ゴムからブリードする虞がある。またポリ(メタ)アクリレートの分子量が500000を超えると、極性ゴムとの相溶性が悪くなり、高硬度、ヘタリ悪化となる虞がある。更に好ましいポリ(メタ)アクリレートの分子量は、1500〜10000である。
液状のポリ(メタ)アクリレートの添加量は、極性ゴム100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。ポリ(メタ)アクリレートの添加量が50質量部を超えると、ゴムからブリードアウトし易くなる虞がある。またポリ(メタ)アクリレートの添加量が1質量部未満では、架橋体とした場合に十分な柔軟性付与効果が得られない虞がある。更に好ましいポリ(メタ)アクリレートの添加量は、5〜30質量部である。
導電性組成物はイオン導電剤を含有しているのが、帯電性能をより安定化することができる点から好ましい。イオン導電剤は、電子写真機器分野で使用され得るものであれば、何れのものでも使用することができる。イオン導電剤としては、界面活性剤や、例えばLi、Na、K、Ca、もしくはMg等の金属のアンモニウム錯塩又は過塩素酸塩、或いは、三フッ化酢酸ナトリウムやホウ酸塩、又は第4級アンモニウム塩等を用いることができる。第4級アンモニウム塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウム、過塩素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
導電性組成物中のイオン導電剤の配合量は、極性ゴム100質量部に対し、0.001〜20質量部であるのが好ましい。更に好ましいイオン導電剤の配合量は、極性ゴム100質量部に対し、0.1〜10質量部である。
導電性組成物には、上記イオン導電剤以外の導電剤を添加してもよい。導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO、c−ZnO、c−SnO等が挙げられる。また導電性組成物には、必要に応じて、柔軟性、ヘタリ性、汚染性等を損なわない範囲で、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤、オイル、液状ポリマー等のその他の添加剤を適宜添加することができる。
導電性組成物は、具体的には、上記導電性弾性層31の各成分をニーダー等の混練機で混練りすることで調製することができる。軸体2の外周表面に導電性弾性層31を形成するには、導電性組成物を準備し、軸体2の表面に導電性弾性層組成物を押出成形、金型成形等の手段を用いて形成することができる。
押出成形は、導電性組成物を軸体2の外周に押出した後、加熱してゴム成分を架橋・硬化させて導電性組成物の架橋体からなる導電性弾性層31を形成するものである。金型成形は、軸体2をロール成形用円筒状金型の中空部に同軸的に設置し、上記円筒状金型と軸体2との間の空隙部に導電性弾性層組成物を射出した後、加熱してゴム成分を架橋・硬化させた後、上記金型から脱型するものである。
導電性組成物を加熱して架橋し導電性架橋体からなる導電性弾性層32を得る場合の、加熱方法、加熱条件等は特に限定されないが、加熱方法は、ジャケット加熱やオーブン加熱等が好ましく、加熱条件は、160〜230℃で、5〜60分で行うのが好ましい。
導電性弾性層31は複数層から構成しても良い。導電性弾性層31を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行う。導電性弾性層31の厚みは、特に限定されないが、通常、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは1〜5mmの範囲に形成することができる。導電性弾性層31の体積抵抗率は通常、10〜1010Ω・cm程度であり、好ましくは、10〜10Ω・cm、更に好ましくは、10〜10Ω・cmである。
表層32は、帯電ロール1の最表面に位置し、表面保護のために形成されるものであり、主成分となるポリマー、或いはポリマーを構成するモノマー及び/又はオリゴマー等の成分を含む表層組成物により形成される。
表層32の主成分として用いられるポリマーとしては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン等の樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム等のゴム、これらをシリコーン、フッ素等で変性した変性物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上含まれていても良い。
上記表層32の表層組成物中には、導電剤(カーボンブラックなどの電子系導電剤、及び/又は、第4級アンモニウム塩などのイオン系導電剤)、離型剤、硬化剤などの添加剤が1種又は2種以上含まれていても良い。
表層32は、有機溶剤等の溶剤中に上記表層組成物を溶解・分散させてなる表層コーティング液を塗工し、乾燥或いは加熱・硬化させることで形成することができる。表層32の加熱硬化は、内層側の導電性弾性層31の加熱硬化と一緒に行っても良い。
表層コーティング液に用いられる上記溶媒は、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、水等が挙げられる。これらは混合して使用しても良い。上記コーティング方法としては、例えば、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法等が挙げられる。
表層32の厚みは、0.01〜500μmに形成するのが好ましい。また表層32の体積固有抵抗は、10〜1010Ω・cmに形成するのが好ましい。
軸体2は、アルミニウム、ステンレスなどの金属製の中実体よりなる芯金、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体、又はこれらにめっきが施された導電性シャフト等が用いられる。また必要に応じ、軸体2表面に接着剤、プライマー等を塗布しても良い。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
帯電ロール1は、図1に示す態様のロール構造に限定されず、少なくとも軸体2と導電性弾性層31を有するロール体3とを備えていればよく、表層、抵抗調整層等の他の層を適宜の位置に設けることができる。
また本発明の導電性ロールは、上記の帯電ロール1に限定されず、極性ゴムと液状のポリ(メタ)アクリレートを含有する組成物から形成された導電性弾性層と軸体とからなるロールであればよく、現像ロール、転写ロール、補給ロール、給紙ロール等の各種ロールに適用可能である。
以下、本発明の実施例、比較例である。
実施例1〜15
φ12mmの円筒状の穴の空いた金型に、φ6mmの芯金をセットし、金型と芯金の隙間に下記の導電性組成物を射出した後、金型の両端を密閉し、170℃、30分間加硫した後、芯金と一体化したゴムロールを金型から脱型することでベースロールを作製した。このベースロールに下記の表層組成物をディッピング法により塗布し、乾燥させた後、160℃×30分、加熱架橋を行って表層(厚み10μm)を形成し、実施例1〜15の帯電ロールを得た。
〔導電性組成物の調製〕
エピクロルヒドリンゴム(極性ゴム:日本ゼオン社製、Gechron3100)と、ステアリン酸(滑剤)と、亜鉛華(加硫促進剤)と、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート(イオン導電剤)と、老化防止剤(大内新興化学工業社製、ノクラックNS−6)、添加剤[液状のポリ(メタ)アクリレート]を、表2〜3に示す配合量(質量部、以下、部と略記する)で配合し、ロールを用いて混練りすることにより導電性組成物を調製した。実施例1〜15で用いた液状のポリ(メタ)アクリレートの具体的な商品名、組成、分子量、水酸基及びシロキサン基の有無、エステル結合部位のアルキル基の炭素数を表1にまとめて示した。また組成物のムーニー粘度(M)を測定した。尚、ムーニー粘度は、JIS K 6300に準拠し、ML(1+3)121℃、L型ロータ、121℃で測定した。また組成物のせん断粘度を測定した。尚、せん断粘度(Pa・s)は、東洋精機(株)製のキャピラリーレオメータを用い、φ2mmダイとシリンダとを90℃で温調し、100mm/分の押出速度で組成物を射出することにより求めた。
〔表層組成物の調製〕
N−メトキシメチル化ナイロン100部、導電性酸化スズ60部、クエン酸1部を、溶剤(メタノール)500部に溶解し、これらをサンドミルを用いて分散し、表層のコーティング液として表層組成物を調製した。
比較例1
実施例1における、導電性組成物中に液状のポリ(メタ)アクリレートを添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様の手順で帯電ロールを作製した。
比較例2〜8
実施例1における、導電性組成物中で常温で液状のポリ(メタ)アクリレートの代わりに、液状ゴム(比較例2〜5)、オイル(比較例6〜7)、常温で固体のポリ(メタ)アクリレート(比較例8)を用いた。それ以外は、実施例1と同様の手順で帯電ロールを作製した。
実施例1〜15及び比較例1〜8のベースロール又は帯電ロールについて、圧縮永久ひずみ、タイプA硬度、ロールの振れ、製品ヘタリ、実機耐久、射出性、画像濃度ムラ等の試験を行った。表2〜4に、実施例1〜15及び比較例1〜8における、添加剤、導電性組成物の組成、組成物のムーニー粘度、組成物のせん断粘度及び試験結果を示す。
Figure 2009258674
Figure 2009258674
Figure 2009258674
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表2〜4における各種試験方法は、以下の通りである。
※1:圧縮永久ひずみは、JIS K 6262に準拠し、70℃、25%圧縮、22時間で測定した。
※2:タイプA硬度は、JIS K 6253のデュロメータ硬さ試験に準拠して、タイプAデュロメータを用いて測定した。
※3:ロールの振れは、ベースロールの両端を支点として、周方向に回転させ、基準ゲージからロール表面までの距離をレーザーで計測し、その距離の最大値と最小値の差を振れ(μm)とした。
※4:製品ヘタリは、変形量と画像評価の試験により行った。変形量は、帯電ロールを片側500gの荷重を加えた状態で、40℃、95%RH環境下に1ヶ月放置後、荷重を取り除き30分後の変形量(外径変化量)を測定した。画像評価は、上記変形量測定後の帯電ロールを、市販プリンタ(リコー社製:RICHO CX3000機)にセットし、ハーフトーン画像で印刷し、帯電ロール表面に当接スジがなく、印刷画像にも出ていなければ◎とし、帯電ロールの当接スジが印刷画像に出ていなければ○とし、当接スジが印刷画像に出ている場合は×として評価した。
※5:実機耐久は、トナー付着性と感光ドラム汚染性の試験により行った。トナー付着性試験は、帯電ロールを市販プリンタ(リコー社製:RICHO CX3000機)にセットし、文字チャート一万枚印刷を行い、印刷後の帯電ロールの表面を観察した。観察の結果、帯電ロールの表面にトナーの付着がない場合を○とし、トナーの付着がある場合を×として評価した。感光ドラム汚染性は、感光ドラムにベースロールを押し付けて、40℃、95%RH環境下に1ヶ月放置後、その感光ドラムを用いて画像評価した。画像評価は、市販プリンタ(リコー社製:RICHO CX3000機)に感光ドラムをセットし、ハーフトーン画像を印刷し、当接スジが印刷画像に出ていなければ○とし、当接スジが印刷画像に出ている場合は×として評価した。
※6:金型への組成物の射出時間を測定し、射出時間が3秒以下であった場合を◎、3秒超〜5秒以下であった場合を○、5秒超〜7秒以下であった場合を△、7秒超〜9秒以下であった場合を×、9秒超であった場合を××と評価した。
※7:作製した帯電ロールを市販プリンタ(CANON社製:LBP−2510機)に組み付けて画像を印刷し、初期画像において画像濃度ムラが全くない場合を◎、画像濃度ムラがほとんどない場合を○、画像濃度ムラがわずかに見られる場合を△、画像濃度ムラがはっきり見られる場合を×、画像濃度ムラが大きく見られる場合を××と評価した。
実施例1〜6は、表1のA−1〜A−6に示す、水酸基を含有するポリ(メタ)アクリレートを用いたものであり、モノマーの種類及び分子量等が異なるものである。実施例7〜9は、水酸基及びシロキサン基を含まないポリメチルアクリレートで、分子量が相違するものである。実施例10は実施例5で用いたポリ(メタ)アクリレートと同じ組成の水酸基を有するポリメチルアクリレートであるが、分子量が異なるものである。実施例11及び12は、実施例5と同じポリメチルアクリレートを用いて、添加量を変えたものである。実施例13〜15は、水酸基及びシロキサン基を含有するシリコーングラフトポリメチルメタクリレートを用いたものであり、添加量を変えたものである。
表2及び表3に示すように、本発明の実施例1〜15は、液状のポリ(メタ)アクリレートを添加しなかった比較例1と比べて、圧縮永久ひずみが小さく、タイプA硬度が低く、ロールの振れが小さく、製品ヘタリ試験及び実機耐久試験の結果が良好なものであった。これに対し、比較例2〜5の液状ゴムを添加したものは、タイプA硬度が低くなったものの、圧縮永久ひずみが大きくなり、製品ヘタリが不良であった。比較例6、7のオイルを添加したものは、製品ヘタリ及び感光ドラム汚染性が不良であった。比較例8の固体状のポリ(メタ)アクリレートを添加したものは、製品ヘタリ及びトナー付着性が不良であった。
また、ポリ(メタ)アクリレートのエステル結合部分におけるアルキル基の炭素数が4以上であると、組成物のせん断粘度を相対的に低くでき、射出性に優れることが分かる。そのため、ロール振れがより小さくでき、良好な画像を形成しやすくなることが分かる。
なお、実施例10は、上記アルキル基の炭素数が1であるが、良好な射出性を有している。これは、他に比較して分子量の大きな添加剤を使用したため、材料の分散が悪くなり、相対的にせん断粘度が低くなったためであると推察される。
また、実施例12、15も、上記アルキル基の炭素数が1であるが、良好な射出性を有している。これは、他に比較して添加剤の添加量が多く、相対的にせん断粘度が低くなったためであると推察される。もっとも、添加量が多くなるとブリードが発生しやすくなる。この点、実施例1〜4、実施例6は、より少ない添加量でせん断粘度を低下させることができており、上記アルキル基の炭素数を4以上とすることが、ロールのブリード抑制、ロール振れの低減等に効果的であると言える。
1 帯電ロール
2 軸体
3 ロール体
31 導電性弾性層
32 表層

Claims (9)

  1. 極性ゴムを主成分とし、常温で液状のポリ(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。
  2. 前記ポリ(メタ)アクリレートが、水酸基を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真機器用導電性組成物。
  3. 前記ポリ(メタ)アクリレートが、シロキサン基を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  4. 前記ポリ(メタ)アクリレートの添加量が、極性ゴム100質量部に対し、1〜50質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  5. 前記ポリ(メタ)アクリレートの分子量(Mw)が、1000〜500000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  6. 前記ポリ(メタ)アクリレートは、エステル結合部位に炭素数4以上のアルキル基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  7. イオン導電剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性組成物を架橋してなることを特徴とする電子写真機器用導電性架橋体。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性組成物を用いたことを特徴とする電子写真機器用導電性ロール。
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